JP3612120B2 - 真空乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空乾燥装置に関し、特に厨芥等の被乾燥物を収容加熱し、その水分を蒸発させて乾燥させる真空乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厨芥等の被乾燥物を収容した乾燥容器を真空に減圧して沸点を下げる一方、ヒートポンプを用いて、その温熱により乾燥容器を加熱して被乾燥物より水分を蒸発させると共にこの蒸発した水分をヒートポンプで発生する冷熱により凝縮した水に戻し、この水分を装置外に排出する真空乾燥装置が知られている。
【0003】
図3は、このような真空乾燥装置の概略構成を示した図である。
図を参照して、真空乾燥装置は、大きくは厨芥等の被乾燥物が収容される密閉容器状の乾燥容器201と、乾燥容器201に蒸気排出管11を介して接続される凝縮器203と、ヒートポンプ式チラーユニット等からなる冷温熱発生装置205と、凝縮器203及び蒸気排出管11を介して乾燥容器201の内部を真空状態にするための真空ポンプ33とから構成される。尚、乾燥容器201の底部には攪拌駆動部69に接続された攪拌アーム及びスクレーパ(図示せず)が取付けられている。
【0004】
冷温熱発生装置205は圧縮機19を中心として、凝縮ユニット21と、膨張弁23と、蒸発ユニット25とから構成され、各々その中に例えばフロン等の冷媒が封入される冷媒管301a〜301dによって相互に接続されている。蒸発ユニット25の出口と凝縮器203の入口には往き冷水管207aが接続され、蒸発ユニット25の入口と凝縮器203の出口には戻り冷水管207bが接続されており、戻り冷水管207bにはポンプ27が設置され、ポンプ27の上流側には膨張タンク13が、その下流側には水流スイッチ28が取付けられている。
【0005】
一方、凝縮ユニット21の出口と乾燥容器201の入口とには往き温水管209aが接続され、凝縮ユニット21の入口と乾燥容器201の出口とには戻り温水管209bが接続されている。戻り温水管209bには膨張タンク15が設置され、その下流側には水流スイッチ303とファンクーリングユニット17が取付けられている。又、凝縮器203の下部にはポンプ31が取付けられ、その下流に凝縮器203に設けられた水位検知器39と連動して開閉する電磁弁37が取付けられている。更に、油回転式の真空ポンプ33は、逆止弁34を介して排気管36によって凝縮器203に接続され、その下流側には排出ベント35が設けられている。
【0006】
以下この従来の真空乾燥容器の動作について簡単に説明する。
被乾燥物が乾燥容器201に収容され乾燥処理が開始されると、真空ポンプ33がONとなり、乾燥容器201の内部の水蒸気を含んだ空気を蒸気排出管11及び凝縮器203を介して排出する。これによって、乾燥容器201内部は負圧になり、その沸点が下がり被乾燥物からの水分が蒸発し易い状態となる。尚、運転が開始されると、乾燥容器内に取付けられた攪拌アームが攪拌駆動部69によって回転し、被乾燥物を攪拌してその水蒸気の発生を促進する。
【0007】
一方、冷温熱発生装置205では圧縮機19が動作を開始し、冷媒の圧縮、凝縮、膨張、蒸発の各工程により、蒸発ユニット25においては、ポンプ27の動作によって往き冷水管207aおよび戻り冷水管207bを循環する水に対して冷熱を与える。この冷熱は凝縮器203において乾燥容器201から、蒸気排出管11を介して流入する水蒸気を冷やし、そこで凝縮させる。この凝縮水は、水位検知器39によって所定水位が検知されると、電磁弁37を”開”としてポンプ31を所定時間駆動することによって装置外に排出される。又、凝縮ユニット21においては、ポンプ29の動作によって往き温水管209aおよび戻り温水管209bを循環する水に対して温熱を与える。この温熱は乾燥容器201において被乾燥物を熱し、水分の蒸発を促進する。このようにして、従来の真空乾燥装置は厨芥等の被乾燥物を加熱乾燥してその水分を除去している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の真空乾燥装置では、いわゆるヒートポンプと呼ばれる冷温熱発生装置を使用して、温熱及び冷熱を発生させて被乾燥物の水分の蒸発と蒸発した水蒸気を凝縮させていた。従って、冷温熱発生装置と凝縮器とを必ず必要とするため、コスト的には有利とは言えなかった。又、これらの装置や機器を設置するためのスペースを多く必要とすることにもなる。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、コスト的に有利でかつ装置の設置面積の効率化を図る乾燥装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる乾燥装置は、傍熱式の真空乾燥装置であって、厨芥等の被乾燥物を収容する乾燥容器と、前記乾燥容器で発生する蒸気を排出するために前記乾燥容器に接続されるダイヤフラム式の真空ポンプと、温水を発生する温水発生装置と、前記乾燥容器と前記温水発生装置とを温水が循環するように接続し、前記温水発生装置で発生された温水を前記乾燥容器に付与する温水循環回路とを備え、前記真空ポンプには空気を供給するための流入管が接続され、前記流入管にその開閉制御される電磁弁が設けられ、前記電磁弁は、通常運転時では閉状態であり、所定時間経過すると開となるように制御されるものである。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明は以上説明したとおり、乾燥容器で発生する蒸気がダイヤフラム式の真空ポンプで排出され、温水発生装置で温水が発生されるので、凝縮器及び冷温熱発生装置を不要とし、コスト的及び設置面積的にとって有利な真空乾燥装置となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一参考例による真空乾燥装置の構成を示した図である。
図を参照して、真空乾燥装置は、大きくは厨芥等の被乾燥物が収容される密閉容器状の乾燥容器201と、乾燥容器201に逆止弁77が組み込まれた蒸気排出管11を介して接続される真空ポンプ33と、温水を発生するための温水発生装置41とから構成される。
【0013】
真空ポンプ33は水封式のポンプであり、受水タンク55と真空ポンプ33との間には封液回路73が接続される。封液回路73には、循環ポンプ71及び水流スイッチ75が組み込まれる。真空ポンプ33の出口側配管は、循環回路57と排水管67とに分岐され、排水管67は電磁弁61を介して排水溝に向かう。一方、循環回路57は電磁弁59を介して受水タンク55に接続される。受水タンク55には、電磁弁81を介して給水管63が接続され、又手動バルブを組み込んだ排水菅65がその下方部に取付けられる。
【0014】
温水発生装置41はガスバーナ式の温水発生装置であり、その内部の下部にはバーナ43が設置され、バーナ43の上方部にはコイル式の熱交換部45が取付けられる。バーナ43にはガスが供給されるガス管47が接続され、ガス管47にはガスの遮断、供給を制御するための電磁弁49と供給ガス圧を制御するための圧力スイッチ51とバーナ43におけるガスの燃焼量を制御するためのバーナ制御部53とが各々組み込まれている。
【0015】
乾燥容器201と温水発生装置41とは、往き温水管209a及び戻り温水管209bによって接続されている。往き温水管209aは温水発生装置41の熱交換部45の出口側に接続され、戻り温水管209bはポンプ29及び水流スイッチ303が組み込まれて温水発生装置41の熱交換部45の入口側に接続される。尚、ポンプ29の入口側の戻り温水管209bには膨張タンク15が接続されている。
【0016】
以下、この真空乾燥容器の動作について説明する。
被乾燥物が乾燥容器201に収容され、乾燥処理が開始されると、ポンプ29がONとなり往き温水管209a及び戻り温水管209bに充填された水が、乾燥容器201の下部の熱交換部と温水発生装置41の熱交換部45とを介して循環する。一方、電磁弁49が”開”となって供給されたガスは、圧力スイッチ51によって所定圧力に減圧されてバーナ43に供給される。供給されたガスはバーナ制御部53によって所定の燃焼量となるように制御されて燃焼し、熱交換部45内の循環水を加熱して温水として往き温水管209aに送り出す。往き温水管209aを介して乾燥容器201に流入した温水は、乾燥容器201の底面を熱して被乾燥物に含まれている水分の蒸発を促進する。尚、往き温水管209a及び戻り温水管209b内の水が加熱されて体積が増加した分は、膨張タンク15によって吸収される。ここで、バーナ制御部53は、乾燥処理の季節や被乾燥物の処理量等に応じてバーナ43の燃焼量を制御して、乾燥容器201に与える温熱の量を制御するものである。
【0017】
温水発生装置41からの温水によって加熱されて被乾燥物から蒸発した水蒸気は、従来のように凝縮器を経由することなく、蒸気排出管11を通して真空ポンプ33によって直接吸引される。真空ポンプ33は、水封式であるので、吸引された水蒸気はそのまま、又は封液にその一部を凝縮させた状態で封液水と共に排出される。ここで、真空ポンプ33が発生する真空度は、封液の温度が高くなると低下するので、循環ポンプ71の出口側の封液回路73の温度が所定温度以上(例えば夏季)になっている場合、温調器79によって電磁弁59が”閉”となり、真空ポンプ33からの排出液は受水タンク55に戻さず、電磁弁61を介して装置外に排出される。この場合、真空ポンプ33のための封液は、給水管63から連続的に供給される水(例えば水道水に直結して供給する)を封液として真空ポンプ33に付与する。尚、電磁弁61は全開と半開との間に制御されており、夏季のような場合には全開となり、他の季節等では半開状態となり、いずれにしても常時真空ポンプ33からの排出液は外部に放出される。
【0018】
一方、循環ポンプ71の出口側の封液回路73の温度が所定温度未満(例えば冬期)である場合、温調器79によって電磁弁59は”開”となり、真空ポンプ33からの排出液の一部は循環回路57から受水タンク55に戻され、封液として封液回路73を循環する。このようにして、封液の消費量を削減する。尚、この場合でも真空ポンプ33からの排出液を全て循環させると、真空ポンプ33による真空度が低下するので、一部のみ封液回路に戻すようにしている。そのため、電磁弁61は少なくとも完全に”閉”状態にならないように制御されている。
【0019】
尚、上記参考例では、真空ポンプ33の封液のための冷却装置を有さない構成としたが、真空ポンプ33による真空度を十分に確保し、かつ安定させるためには、例えば、封液回路を循環回路としてクーリングタワーやクーリングユニット等の冷却装置をこの循環回路に別途設ける構成が好ましい。
【0020】
図2は、この発明の実施例による真空乾燥装置の構成を示した図である。
図を参照して、真空ポンプ回りの構成のみが先の参考例と異なっており、他の構成は先の参考例と同様であるのでその説明は繰り返さない。
この実施例では、真空ポンプ83として先の参考例における水封式ではなく、ダイヤフラム式の真空ポンプを採用している。真空ポンプ83は蒸気排出管11に逆止弁77を介して接続する。真空ポンプ83と逆止弁77との間には、真空ポンプ83に空気を供給するための空気バラスト用の流入管91が接続され、その流入側から供給空気量を制御するためのオリフィス89とその開閉がコンピュータ制御される電磁弁87と供給される空気の水分を除去するためのフィルタ85とが各々接続されている。
【0021】
通常運転時では、電磁弁87は”閉”状態であり、流入管91を通して空気は供給されておらず、真空ポンプ83には乾燥容器201から排出される空気に含まれた水分が真空ポンプ83の吸入回路に溜ってくる。そこで、所定時間経過すると、電磁弁87が”開”となり、水分が除去された空気が真空ポンプ83に供給される。これによって吸入回路に溜った水分は供給された大量の空気によってミスト状態になり、供給空気と共に外部に排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参考例による真空乾燥装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施例による真空乾燥装置の構成を示す図である。
【図3】従来の真空乾燥装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
41 温水発生装置
83 ダイヤフラム式真空ポンプ
85 フィルタ
87 電磁弁
89 オリフィス
91 流入管
201 乾燥容器
209a 往き温水管
209b 戻り温水管
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (1)
- 傍熱式の真空乾燥装置であって、
厨芥等の被乾燥物を収容する乾燥容器と、
前記乾燥容器で発生する蒸気を排出するために前記乾燥容器に接続されるダイヤフラム式の真空ポンプと、
温水を発生する温水発生装置と、
前記乾燥容器と前記温水発生装置とを温水が循環するように接続し、前記温水発生装置で発生された温水を前記乾燥容器に付与する温水循環回路とを備え、
前記真空ポンプには空気を供給するための流入管が接続され、前記流入管にその開閉制御される電磁弁が設けられ、前記電磁弁は、通常運転時では閉状態であり、所定時間経過すると開となるように制御される、真空乾燥装置。
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