JP2007170698A - 冷却装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却条件が変化しても、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を制御することなく蒸発槽内の冷却水の冷却を行う冷却装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】水を冷媒として冷却対象2を冷却する冷却装置1において、水蒸気圧縮手段32によって蒸発槽31内の水蒸気を吸引して圧縮することにより、蒸発槽31内の冷却水を冷却し、冷却水タンク41を介して冷却対象2に送る。冷却条件が変化しても、これに合わせて水蒸気圧縮手段32による冷却能力が水蒸気の特性に基づいて自動的に調節されるので、水蒸気圧縮手段32の駆動回転数および蒸発槽31への冷却水流入量を調節しなくても蒸発槽31内の冷却水の冷却を適切に行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却装置の制御方法に関する。詳しくは、水を冷媒として冷却対象を冷却する冷却装置の制御方法に関する。
特開2002−372397号公報(特許文献1)に、フロンなどとは異なって環境面および安全面において問題の少ない水を冷媒として冷却対象を冷却する冷却装置が開示されている。特許文献1の冷却装置は、冷却対象(負荷)を冷却して温められた冷却水が流入する蒸発槽(第1密封容器EV)と、蒸発槽内の水蒸気を吸引して圧縮し、当該蒸発槽内の冷却水の一部を蒸発させて蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却する水蒸気圧縮手段(ターボ圧縮機P1)とを備えている。このような構成によれば、冷却対象を冷却して温められた冷却水が蒸発槽に流入して水蒸気圧縮手段によって冷却されるので、当該冷却水を再び冷却対象の冷却に利用することができる。なお、水蒸気圧縮手段によって圧縮された水蒸気は、水蒸気圧縮手段を介して蒸発槽と連通された凝縮槽(第2密封容器CO)内で水に凝縮する。そして、凝縮した水は、通風ルーバ,冷却ファン,散水槽などを有する冷却塔に送られて冷却された後、凝縮槽や蒸発槽に送られて再利用されるようになっている。
特開2002−372397号公報
ところで、特許文献1の冷却装置では、冷却対象の冷却に利用される蒸発槽内の冷却水を所望温度に調節するために、水蒸気圧縮手段(ターボ圧縮機P1)の駆動回転数制御が行われている(段落0010参照)。
また、特許文献1には記載されていないが、蒸発槽へ流入する冷却水の量を制御することによって当該蒸発槽内の冷却水を所望温度に調節することも従来から行われている。
しかしながら、以上のような従来の冷却装置の制御方法では、冷却条件が変化した場合には、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量の少なくともいずれかの制御が必要となり、煩雑である。また、以上のような制御方法を、冷却条件の変化頻度が高く、頻繁な制御が求められる環境で実施すると、制御に関与する水蒸気圧縮手段や蒸発槽への冷却水流入量を制御する手段(バルブなど)に大きな負担がかかってしまい、故障の発生する可能性が高くなってしまう。また、そもそも、以上のような制御方法を実施するためには、水蒸気圧縮手段の駆動回転数や、蒸発槽への冷却水流入量を制御するための手段が必要なので、冷却装置の製造コストが高くなってしまうという問題もある。
本発明の目的は、冷却条件が変化しても、冷媒としての水の特性を利用して、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を制御することなく蒸発槽内の冷却水の冷却を行う冷却装置の制御方法を提供することである。
本発明の冷却装置の制御方法は、冷却水によって冷却対象を冷却する冷却装置の制御方法であって、前記冷却装置は、前記冷却対象を冷却して温められた冷却水の少なくとも一部が流入される蒸発槽と、前記蒸発槽内の水蒸気を吸引して圧縮し、当該蒸発槽内の冷却水の一部を蒸発させて蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却する水蒸気圧縮手段と、前記冷却対象に冷却水を流入する冷却対象流入路と、前記冷却対象を冷却して温められた冷却水を流出する冷却対象流出路と、前記冷却対象流出路と連通するように接続され、前記蒸発槽に所定量の冷却水を流入する蒸発槽流入路と、前記冷却対象流入路と連通するように接続され、前記水蒸気圧縮手段によって冷却された前記蒸発槽内の冷却水を流出する蒸発槽流出路とを備え、冷却条件が変化しても、前記水蒸気圧縮手段の駆動回転数および前記蒸発槽への冷却水流入量を一定に保ったまま前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行うことを特徴とする。
本発明では、冷却装置が、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量が一定に保たれたまま運転される。そして、本発明の発明者は、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を一定に保ったとしても、蒸発槽内の冷却水の冷却を適切に行うことができることを見出した。すなわち、冷却条件が変化したとしても、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を変化させることなく、蒸発槽内の冷却水の冷却を適切に行うことができる。
冷却条件が変化した場合の一例として、冷却対象の負荷が上昇した場合、冷却対象流出路を通じて冷却対象から流出される冷却水の温度は、冷却条件変化前に比較して上昇する。そして、冷却対象流出路を流れる冷却水の温度が上昇するため、蒸発槽流入路を通じて蒸発槽に流入する所定量の冷却水の温度も、冷却条件変化前に比較して上昇する。したがって、蒸発槽には、冷却条件変化(冷却対象の負荷上昇)前に比べて温度の高い冷却水が流入し、蒸発槽内の温度が上昇する。
蒸発槽内の温度が上昇すると、蒸発槽内の水蒸気の密度が高くなる。一方、水蒸気圧縮手段が回転数一定で駆動されており、当該水蒸気圧縮手段を介して蒸発槽から排出される体積排気量(単位時間当たりに排出される水蒸気の『体積』)が一定であるので、温度上昇して密度が高くなった水蒸気の重量排気量(単位時間当たりに排出される水蒸気の『重量』)は大きくなる。ここで、水蒸気圧縮手段による冷却能力は、「冷却水の蒸発潜熱」×「水蒸気の重量排気量」、によって表されるところ、冷却水の蒸発潜熱が略一定であるとして、水蒸気の重量排気量に略比例する。したがって、水蒸気の重量排気量が大きくなれば、水蒸気圧縮手段による冷却能力が自動的に上昇する。
以上のように、冷却対象の負荷が上昇すると、結果的に、水蒸気圧縮手段による冷却能力が自動的に上昇するので、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を変化させなくても、温度が上昇した冷却水の冷却を蒸発槽において適切に行うことができる。
同様に、冷却対象の負荷が下降した場合には、水蒸気圧縮手段による冷却能力が自動的に下降するので、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を変化させなくても、温度が下降した冷却水の冷却を蒸発槽において適切に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、冷却条件が変化したとしても、水蒸気圧縮手段の駆動回転数および蒸発槽への冷却水流入量を変化させることなく、水蒸気圧縮手段による冷却能力が自動的に調節されるので、蒸発槽内の冷却水の冷却を適切に行うことができる。
本発明の冷却装置の制御方法では、前記冷却装置は、前記冷却対象流入路,前記冷却対象流出路,前記蒸発槽流入路,前記蒸発槽流出路のいずれとも連通されて冷却水を少なくとも一時的に貯蔵可能な冷却水タンクを備えることが好ましい。
図1は、以上のような制御方法を実施するための冷却装置の構成を示す模式図である。
図1において、1は冷却装置,2は冷却対象,31は蒸発槽,32は水蒸気圧縮手段,21は冷却対象流入路,22は冷却対象流出路,33は蒸発槽流入路,34は蒸発槽流出路,41は冷却水タンクをそれぞれ表している。
本発明では、以上のような構成を備える冷却装置1が、水蒸気圧縮手段32の駆動回転数および蒸発槽31への冷却水流入量が一定に保たれたまま運転され、前述したように、蒸発槽31内の冷却水の冷却が適切に行われるようになっている。
本発明の冷却装置の制御方法では、前記冷却装置は、前記冷却対象流入路および前記蒸発槽流出路のいずれとも連通されて冷却水を少なくとも一時的に貯蔵可能な冷却水タンクと、前記冷却対象流出路および前記蒸発槽流入路の接続部と前記冷却水タンクとの間を接続し、少なくとも前記冷却水タンクから前記接続部へ向かう方向に冷却水を流通可能な接続流路とを備えることが好ましい。
図2は、以上のような制御方法を実施するための冷却装置の構成を示す模式図である。
図2において、1は冷却装置,2は冷却対象,31は蒸発槽,32は水蒸気圧縮手段,21は冷却対象流入路,22は冷却対象流出路,33は蒸発槽流入路,34は蒸発槽流出路,41は冷却水タンク,42は接続部,43は接続流路をそれぞれ表している。
図中の矢印は、水あるいは水蒸気の流れる方向を表している。ここで、接続流路43における冷却水の流通方向は、便宜上、冷却水タンク41から接続部42へ向かう方向(図2において下から上へ向かう方向)として図示されているが、冷却装置1の運転状況によっては、接続流路43が、接続部42から冷却水タンク41に向かう方向に冷却水を流通させることもある。しかしながら、冷却装置1の通常運転時には、図示の通り、冷却水タンク41から接続部42へ向かう方向に冷却水が流通するようになっている。すなわち、冷却装置1の通常運転時には、蒸発槽流入路33が所定量の冷却水を蒸発槽31に流入するようになっているところ、冷却対象流出路22からの冷却水量では当該所定量に満たない分の冷却水が冷却水タンク41から接続流路43を介して接続部42へ向かう方向に自動的に流れるようになっており、当該接続部42において前記所定量の冷却水が調製されるようになっている。なお、図2とは逆に冷却水が接続部42から冷却水タンク41へ向かう方向に流通する場合としては、例えば、水蒸気圧縮手段32による蒸発槽31での冷却水の冷却を休止するのに合わせて、蒸発槽流入路33を介した蒸発槽31への冷却水の流入量をゼロにした場合が挙げられる。この場合は、蒸発槽流入路33の流量がゼロになるので、冷却対象流出路22から流れてきた冷却水を接続部42から冷却水タンク41へ向かう方向に流す必要がある。
本発明では、以上のような構成を備える冷却装置1が、水蒸気圧縮手段32の駆動回転数および蒸発槽31への冷却水流入量が一定に保たれたまま運転され、前述したように、蒸発槽31内の冷却水の冷却が適切に行われるようになっている。
以上、図1および図2に、本発明の制御方法を実施するための冷却装置の構成を模式的に示したが、図2の構成の冷却装置を採用するのが好ましい。
すなわち、図1の冷却装置1では、冷却水タンク41に貯蔵された冷却水が、蒸発槽流入路33を介して蒸発槽31に流入されるようになっている。そして、冷却水タンク41に貯蔵された冷却水は、冷却対象流入路21を介して冷却対象2にも流入されるようになっているので、図1の冷却装置1においては、蒸発槽31に流入される冷却水の温度は、冷却対象2に流入される冷却水の温度と等しくなっている。したがって、冷却対象2に低温の冷却水を流入させたい場合には、蒸発槽31にも当該低温の冷却水が流入されることになる。前述したように、蒸発槽31に流入する冷却水の温度が低いと、蒸発槽31内の水蒸気の密度が低くなって、水蒸気圧縮手段32による冷却能力も低くなってしまうので、図1の冷却装置1では、冷却能力が比較的低くなってしまう。
これに対して、図2の冷却装置1では、冷却水タンク41に貯蔵された冷却水が直接蒸発槽31に流入するのではなく、冷却対象2において温められた冷却水(冷却対象流出路22からの冷却水)と混合された上で、蒸発槽31に流入するようになっている。このため、図1の冷却装置1と比較して高い温度の冷却水を蒸発槽31に流入することができ、蒸発槽31内の水蒸気の密度を高くすることができるので、水蒸気圧縮手段32による冷却能力を高くすることができる。また、図1の冷却装置1と図2の冷却装置1とで同程度の冷却能力を実現したい場合には、図2の構成を採用した方が、水蒸気圧縮手段32を小型化することができる等の利点がある。
本発明の冷却装置の制御方法では、前記冷却装置は、前記冷却対象流入路および前記冷却対象流出路間に架設され、両者を接続する架設流路と、前記架設流路の流量を制御して、当該流量の冷却水を前記冷却対象流出路から前記冷却対象流入路へ向かう方向に流す流量制御手段とを備え、前記流量制御手段による前記架設流路の流量制御の下、前記冷却対象に流入する冷却水を所望温度に調節することが好ましい。
図3,4は、以上のような制御方法を実施するための冷却装置の構成を示す模式図である。具体的には、図3は、図1の冷却装置1に架設流路23,流量制御手段24を設けた図であり、図4は、図2の冷却装置1に架設流路23,流量制御手段24を設けた図である。
本発明によれば、流量制御手段による架設流路の流量制御の下、冷却対象流入路を流れる冷却水に対して混合する架設流路からの冷却水の量を調節することによって、冷却対象に流入する冷却水を所望温度に調節することができる。
本発明の冷却装置の制御方法では、前記冷却装置は、前記水蒸気圧縮手段を介して前記蒸発槽と連通され、当該蒸発槽からの水蒸気を凝縮用冷却水によって冷却して水に凝縮する凝縮槽と、前記凝縮槽への凝縮用冷却水の流入量を制御可能な凝縮用冷却水流入量制御手段とを備え、前記蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、前記凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合には、前記水蒸気圧縮手段の回転駆動を停止し、前記凝縮用冷却水流入量制御手段による凝縮用冷却水の流入量制御の下、互いに連通された前記蒸発槽および前記凝縮槽の圧力を調節することによって、前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行い、前記蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、前記凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が高い場合には、前記水蒸気圧縮手段を一定回転数で駆動して前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行うことが好ましい。
このような制御方法では、蒸発槽に流入する冷却水の温度と凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度との大小関係に基づいて、水蒸気圧縮手段の駆動/停止を選択的に切り替えている。
まず、蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が高い場合には、前述したように、水蒸気圧縮手段が一定回転数で駆動されて蒸発槽内の冷却水の冷却が行われる。この場合、凝縮槽への凝縮用冷却水の流入量は、水蒸気圧縮手段の圧縮比が最適な値になるように制御される。
一方、蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合には、水蒸気圧縮手段の回転駆動が停止され、以下で述べるように、温度の低い凝縮用冷却水に基づいて、間接的に、蒸発槽内の冷却水の冷却が行われる。ここで、蒸発槽および凝縮槽は水蒸気圧縮手段を介して互いに連通されているところ、水蒸気圧縮手段の回転駆動が停止されていれば、ほとんど圧力差がない状態で両槽が連通されることとなる。本発明では、この状態において、凝縮槽への凝縮用冷却水の流入量を制御することにより、凝縮槽の圧力を調節し、間接的に、蒸発槽を所望圧力に調節することができる。そして、当該所望圧力の下で蒸発槽内の冷却水の蒸発を行わせることができるので、蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却することができる。
以上のように、蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合には、温度の低い凝縮用冷却水に基づいて、蒸発槽内の冷却水の冷却を間接的に行うことができ、この間、水蒸気圧縮手段の回転駆動を停止することができるので、消費電力を節約することができる。
また、水蒸気圧縮手段の駆動/停止の状態に関わらず、冷却水の冷却が蒸発槽内において行われるようになっており、冷却水の冷却箇所をまとめることができるので、複雑な配管を設ける必要がなく、冷却装置の製造コストを低減することができる。
続いて、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図5は、冷却装置1の構成を示す図である。なお、図5の一部分を模式化すると、先に説明した図2,図4になる。そこで、これらの図の間で対応する構成要素については同一の符号を付し、必要に応じて説明を省略または簡略化する。また、図2,図4の冷却装置1によって奏することができる効果は、当然ながら、図5の冷却装置1によっても奏することができる。
図4と同様に、冷却装置1は、冷却水によって冷却対象2を冷却する装置であって、冷却対象2を冷却して温められた冷却水の少なくとも一部が流入される蒸発槽31と、蒸発槽31内の水蒸気を吸引して圧縮し、蒸発槽31内の冷却水の一部を蒸発させて蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却する水蒸気圧縮手段としてのターボ圧縮機32と、冷却対象2に冷却水を流入する冷却対象流入路21と、冷却対象2を冷却して温められた冷却水を流出する冷却対象流出路22と、冷却対象流出路22と連通するように接続され、蒸発槽31に所定量の冷却水を流入する蒸発槽流入路33と、ターボ圧縮機32によって冷却された蒸発槽31内の冷却水を流出する蒸発槽流出路34と、冷却対象流入路21および蒸発槽流出路34のいずれとも連通されて冷却水を少なくとも一時的に貯蔵可能な冷却水タンク41と、冷却対象流出路22および蒸発槽流入路33の接続部42と冷却水タンク41との間を接続し、少なくとも冷却水タンク41から接続部42へ向かう方向に冷却水を流通可能な接続流路43と、冷却対象流入路21および冷却対象流出路22間に架設され、両者を接続する架設流路23と、架設流路23および冷却対象流入路21の交点に設けられ、架設流路23の流量を制御して、当該流量の冷却水を冷却対象流出路22から冷却対象流入路21へ向かう方向に流す流量制御手段としての三方弁24とを備えている。
冷却対象流入路21には、冷却水を冷却対象2に送るためのポンプ211が設けられ、蒸発槽流出路34には、冷却水を冷却水タンク41に送るためのポンプ341が設けられている。
蒸発槽流入路33には、開閉バルブ331と、散水ノズル332とが設けられている。開閉バルブ331は、流路の開閉に用いられるものであって、蒸発槽31内への散水量を調節するためのものではない。散水量の調節は、散水量を設定可能な手段である散水ノズル332によって行われるようになっている。なお、後述するように、冷却装置1の運転時には、散水ノズル332による設定散水量を変化させずに一定に保ち、蒸発槽31内には、常に一定量の冷却水が散水され続けるようになっている(開閉バルブ331が開いている場合)。
ここで、架設流路23へ分岐した分の流量を差し引いた後の冷却対象流出路22の冷却水の流量(接続部42に到達した冷却水の流量)が、散水ノズル332の設定散水量(一定)に満たない場合には、接続流路43を介して冷却水タンク41から不足分が供給され、当該設定散水量の冷却水が蒸発槽31内に散水されるようになっている。逆に、架設流路23へ分岐した分の流量を差し引いた後の冷却対象流出路22の冷却水の流量が、散水ノズル332の設定散水量を超えている場合は、接続流路43を介して冷却水タンク41へ超過分が供給され、残りの冷却水(設定散水量)が蒸発槽31内に散水されるようになっている。
冷却対象流入路21には、冷却対象2に流入する冷却水の温度を測定する温度センサ212が設けられている。この温度センサ212で測定される温度に基づいて、冷却水タンク41からの冷却水と、架設流路23からの冷却水との混合比を三方弁24によって調節すれば、所望温度の冷却水を調製することができ、冷却対象2に送ることができる。すなわち、冷却水タンク41からの冷却水は、蒸発槽31において冷却された後のものなので温度が低く、架設流路23からの冷却水は、冷却対象2において温められた後のものなので温度が高くなっているところ、両者の混合比を三方弁24によって調節すれば、所望温度(但し、冷却水タンク41からの冷却水温度(低)と、架設流路23からの冷却水温度(高)との間の温度に限る)の冷却水を調製することができる。
蒸発槽31およびターボ圧縮機32は、いわゆる縦型として構成されている。すなわち、蒸発槽31は、鉛直方向に沿って長尺の槽として構成され、ターボ圧縮機32は、蒸発槽31の上部に設けられている。さらに、蒸発槽31内に冷却水の散水を行う散水ノズル332は、蒸発槽31の下部(底部)から上部に向かって散水を行うように配置されている。このような構成によれば、蒸発槽31の下部から上部に向かって散水ノズル332から散水された冷却水を、蒸発槽31の上部に配置されているターボ圧縮機32によって効率的に蒸発させることができるともに、蒸発されて上方に向かう水蒸気成分と、蒸発されずに下方に向かう水成分とを容易に分離することができる。
ターボ圧縮機32によって吸引されて圧縮された水蒸気は、当該ターボ圧縮機32を介して蒸発槽31と連通されている凝縮槽5に送られ、冷却塔6から送られてくる凝縮用冷却水によって冷却されて水に凝縮される。
凝縮槽5は、ターボ圧縮機32から送られてくる水蒸気の入口である水蒸気入口51と、水蒸気が凝縮された水の出口である凝縮水出口52と、冷却塔6からの凝縮用冷却水の入口である凝縮用冷却水入口53と、凝縮用冷却水の出口である凝縮用冷却水出口54とを備えている。凝縮槽5は、いわゆる密閉型の凝縮槽であって、水蒸気入口51から凝縮水出口52に至る水蒸気/凝縮水流路と、凝縮用冷却水入口53から凝縮用冷却水出口54に至る凝縮用冷却水流路とが別々の流路として構成されているので、水蒸気/凝縮水流路を流れる水蒸気/凝縮水と、凝縮用冷却水流路を流れる凝縮用冷却水とは凝縮槽5内で互いに混ざることはない。ここで、水蒸気/凝縮水流路および凝縮用冷却水流路は、それぞれ、多数の細い小流路に分割されており、水蒸気/凝縮水が流れる各小流路と凝縮用冷却水が流れる各小流路とが互いに隣接するように凝縮槽5内において断面ハニカム状に配置されている。このため、水蒸気入口51から凝縮槽5内に入って各小流路を流れる水蒸気は、隣接する小流路を流れる凝縮用冷却水によって冷却されて、水に凝縮されるようになっている。そして、凝縮した水は、凝縮水出口52から凝縮槽5を出て、流路55を介して蒸発槽31へ送られて再利用されるようになっている。
凝縮槽5において水蒸気の凝縮に利用される凝縮用冷却水は、ポンプ61によって冷却塔6から凝縮用冷却水流入路56を通じて凝縮槽5に送られ、凝縮に利用されて温められた後は制御弁62を介して凝縮用冷却水流出路57を通じて再び冷却塔6に戻される。ここで、制御弁62は、凝縮用冷却水流入路56を介した凝縮槽5への凝縮用冷却水の流入量を制御可能な凝縮用冷却水流入量制御手段として機能している。
冷却塔6は、凝縮槽5において水蒸気の凝縮に利用されて温められた凝縮用冷却水を冷却するために、散水槽63,冷却ファン64,通風ルーバ65を備えている。すなわち、凝縮槽5からの温度の高い凝縮用冷却水は、散水槽63から散水され、冷却ファン64や通風ルーバ65からの冷風によって冷却されるようになっており、冷却された後の凝縮用冷却水が凝縮槽5に送られて再び水蒸気の凝縮に利用されるようになっている。このように、冷却塔6は、いわゆる開放型として構成されているが、いわゆる密閉型として構成することもできる。
続いて、以上のような構成を備える冷却装置1の制御方法について説明する。
(1)
冷却対象2からの戻り水(冷却対象2から冷却対象流出路22へ流出される冷却水)の一部(架設流路23へ分岐した分の冷却水が差し引かれたもの)と、接続流路43を介して冷却水タンク41から供給される冷却水とが接続部42において混合されて散水ノズル332の設定散水量の冷却水が調製され、当該設定散水量の冷却水が散水ノズル332によって蒸発槽31内に散水される。蒸発槽31内は、水が占める液相部分と水蒸気が占める気相部分とに分かれている。蒸発槽31に設けられた水位レベルセンサ311での測定値が所定値になるようにポンプ341の回転数を制御することによって、液相部分の水位が一定に維持されるようになっている。
(2)
ターボ圧縮機32は、一定の回転数で回転駆動され、蒸発槽31内の水蒸気を吸引して圧縮し、蒸発槽31内の冷却水の一部を蒸発させて蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却する。ここで、最も効率的な圧縮比が維持されるように、蒸発槽31に設けられた温度センサ312と差圧センサ313との測定値に基づいて、凝縮槽5の凝縮用冷却水の流量が制御弁62によって調節され、ターボ圧縮機32の入口と出口との圧力差が調節されるようになっている。
例えば、蒸発槽31内の温度(温度センサ312によって測定)が22℃,蒸気圧が2.645kPaの場合、ターボ圧縮機32の回転数が30000RPMの時に圧縮効率80%を達成するためには、ターボ圧縮機32の圧縮比が2.10,排気量が3.61m3/Secである必要がある。このとき、凝縮槽5内が温度34.5℃の水の飽和水蒸気圧に相当する圧力5.555kPaになるように、制御弁62によって凝縮用冷却水の流量を調節すると、冷却能力163.2kWでの運転が可能となる。
一方、蒸発槽31内の温度が18℃,蒸気圧2.065kPaまで下がった場合には、蒸発槽31内の水蒸気の密度が低くなるため、ターボ圧縮機32の駆動回転数を一定として水蒸気の体積排気量を一定に保っていたとしても、水蒸気の重量排気量が変化し、ターボ圧縮機32による冷却能力(水蒸気の重量排気量に略比例)は128.1kWhまで自動的に低下する。このように、ターボ圧縮機32を一定の回転数で回転駆動していても、蒸発槽31内の温度に応じて冷却能力が自動的に変化する。本実施形態では、このような冷却能力の自動調節機能を利用して、ターボ圧縮機32を一定の回転数で駆動したままで、蒸発槽31内の冷却水の冷却を適切に行うことができる。
(3)
蒸発槽31内で冷却された冷却水はポンプ341によって冷却水タンク41へ送られる。そして、冷却水タンク41に少なくとも一時的に貯蔵された冷却水は、三方弁24によって架設流路23を流れる冷却対象2からの戻り水と混合された後、ポンプ211によって冷却対象2へ送られ、当該冷却対象2の冷却に用いられる。
(4)
ポンプ211によって冷却対象2に送る冷却水の温度は温度センサ212によって測定されている。そして、温度センサ212での測定温度が所定の設定値になるように三方弁24の開度調節を行って、当該三方弁24における冷却対象2からの戻り水(架設流路23からの冷却水)と冷却水タンク41からの冷却水の混合比率を調節することにより、常に予め設定した温度の冷却水が冷却対象2に送られるようになっている。例えば、冷却対象2の必要冷却能力が低下すると、冷却対象2からの戻り水の温度が低下するところ、三方弁24の開度を、冷却水タンク41からの冷却水(低温)の混合比率を下げる方向に調節することにより、冷却対象2に流入する冷却水を一定温度に維持することができる。
例えば、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度が28℃,設定流量が1280L/Min、蒸発槽31内への設定散水量が600L/Minであるとして、冷却対象2の必要冷却能力が163.2kWhの場合、蒸発槽31内の温度は22℃,蒸気圧は2.645kPaとなり、冷却水タンク41内の冷却水温度は22.2℃となる。ここで、29.8℃の冷却対象2からの戻り水(架設流路23を流れる冷却水)974L/Minと、22.2℃の冷却水タンク41からの冷却水306L/Minとを、三方弁24によって混合することにより、設定温度28℃、設定流量1280L/Minの冷却水を調製して、ポンプ211によって冷却対象2に送ることができる。また、29.8℃の冷却対象2からの戻り水の残り(架設流路23に分岐した974L/Minが差し引かれた残り)の306L/Minと、22.2℃の冷却水タンク41からの冷却水294L/Minとが、接続流路43を介して接続部42において混合されて、温度26.1℃,流量600L/Minの冷却水が調整されて、設定散水量600L/Minの冷却水が蒸発槽31内に散水されるようになっている。
一方、冷却対象2の必要冷却能力が128.1kWhまで低下した場合、冷却対象2からの戻り水の温度が低下するので、当該戻り水が流入する蒸発槽31内の温度,蒸気圧が18℃,2.065kPaまで自動的に低下し、冷却水タンクの冷却水温度は18.2℃となる。ここで、29.4℃の冷却対象2からの戻り水(架設流路23を流れる冷却水)1117L/Minと、18.2℃の冷却水タンク41からの冷却水163L/Minとを、三方弁24によって混合することにより、設定温度28℃、設定流量1280L/Minの冷却水を調製して、ポンプ211によって冷却対象2に送ることができる。また、29.4℃の冷却対象2からの戻り水の残り(架設流路23に分岐した1117L/Minが差し引かれた残り)の163L/Minと、22.2℃の冷却水タンク41からの冷却水437L/Minとが、接続流路43を介して接続部42において混合されて、温度21.2℃,流量600L/Minの冷却水が調整されて、設定散水量600L/Minの冷却水が蒸発槽31内に散水されるようになっている。
以上のように、冷却対象2の必要冷却能力が変化したとしても、三方弁24による流量制御の下、冷却対象2に流入する冷却水は一定温度(以上の例では、28℃)に維持されるようになっている。なお、以上の例からも分かるように、蒸発槽31内の冷却水温度は、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度よりも低くなっている。
(5)
一方、ターボ圧縮機32によって吸引された水蒸気は、凝縮槽5内に送られて、水に凝縮される。
(6)
凝縮槽5の凝縮水出口52に設けられた真空ポンプ521が、非凝縮性ガスを排出するとともに、凝縮槽5内の真空を維持する。
(7)
凝縮槽5での水蒸気の凝縮に利用される凝縮用冷却水は、ポンプ61によって冷却塔6との間を循環し、蒸発槽31の温度センサ312の測定温度から計算されるターボ圧縮機32の入口と出口との圧力差が差圧センサ313の値と一致するように、制御弁62によって流量が制御されるようになっている。
(8)
凝縮槽5では、冷却塔6からの凝縮用冷却水によって、ターボ圧縮機32から送られてきた水蒸気が冷却され、水に凝縮される。
(9)
凝縮槽5において凝縮された水は、凝縮槽5と蒸発槽31とを接続する流路55を介して、水柱ヘッドによって自動的に蒸発槽31に送られ、蒸発槽31内の冷却水と混合されて、ポンプ341によって冷却水タンク41に送られる。
(10)
以上は、外気湿球温度が高く、蒸発槽31に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽5に流入する凝縮用冷却水の温度の方が高い場合の冷却装置1の制御方法であり、ターボ圧縮機32が一定回転数で駆動されて蒸発槽31内の冷却水の冷却が行われる。
これに対して、外気湿球温度が低く、蒸発槽31に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽5に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合(本実施形態では、近似的に、温度センサ212によって測定される冷却水の温度よりも、凝縮槽5の凝縮用冷却水入口53に設けられている温度センサ531によって測定される冷却塔6からの凝縮用冷却水の温度の方が低い場合としている)には、ターボ圧縮機32内での圧力損失を防止するため、蒸発槽31と凝縮槽5とを直結する直結流路314に設けられているバタフライ弁315が開かれ、ターボ圧縮機32の回転駆動が停止される。そして、温度センサ411によって測定される冷却水タンク41内の冷却水温度が所定の温度となるように、循環する凝縮用冷却水の流量が制御弁62によって制御される。
すなわち、ターボ圧縮機32の回転駆動が停止され、バタフライ弁315が開かれると、蒸発槽31および凝縮槽5は、ほとんど圧力差がない状態で互いに連通されることとなる。この状態において、制御弁62によって凝縮槽5への凝縮用冷却水の流量を制御することにより、凝縮槽5の圧力を調節し、間接的に、蒸発槽31を所望圧力に調節することができる。そして、当該所望圧力の下で蒸発槽31内の冷却水の蒸発を行わせることができるので、蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却することができ、結果的に、冷却水タンク41内の冷却水を所望温度に調節することができる。
例えば、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度(温度センサ212によって測定)が28℃,設定流量が1280L/Min、冷却水タンク41の冷却水の設定温度(温度センサ411によって測定)が25℃、凝縮用冷却水の温度(温度センサ531によって測定)が19℃(冷却対象2に流入する冷却水の設定温度28℃よりも低温)、蒸発槽31内への設定散水量が600L/Minの場合、冷却対象2の必要冷却能力を200kWとして、ターボ圧縮機32を停止させたまま冷却装置1を運転するためには、凝縮槽5内を流通する凝縮用冷却水の流量を制御弁62によって923L/Minに調節すればよい。このとき、蒸発槽31の圧力が3.157kPa、凝縮槽5の圧力が3.086kPaとなった状態でバランスがとれる。なお、これらの値は、図5に示されるように凝縮槽5をプレート式熱交換器として構成した場合の値であり、凝縮槽5を、冷却塔6からの凝縮用冷却水がターボ圧縮機32からの水蒸気に向かって直接散水される開放型熱交換器として構成した場合には、更に凝縮用冷却水の流量を低減することができる。
以上のような冷却装置1において、ターボ圧縮機32を回転駆動(回転数一定)するか、停止するかは、温度センサ531での測定温度(すなわち、冷却塔6からの凝縮用冷却水の温度)に基づいて制御される。
すなわち、外気湿球温度が低く、予め決めた設定温度よりも凝縮用冷却水の温度(温度センサ531によって測定)が低ければ、ターボ圧縮機32が回転駆動されずにバタフライ弁315が開かれ、蒸発槽31内において前述したように冷却水が冷却される。この場合、冷却対象2の必要冷却能力が変化しても、冷却水タンク41の冷却水温度(温度センサ411によって測定)が所定の温度となるように、制御弁62によって凝縮用冷却水の流量が調節される。
ここで、冷却水タンク41内の冷却水についての設定温度を、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度と同一の温度としてもよい。この場合、三方弁24によって架設流路23からの冷却水の流量が略0に調節され、冷却水タンク41内の冷却水が、ほとんどそのまま冷却対象2に送られる。ここで、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度(=冷却水タンク41内の冷却水の設定温度)よりも凝縮用冷却水の温度が低いときには、ターボ圧縮機32を停止し、凝縮用冷却水の流量を制御弁62によって調節して、蒸発槽31内の圧力(≒凝縮槽5内の圧力)を、冷却対象2に流入する冷却水の設定温度の飽和蒸気圧にまで下げ、冷却対象2に流入する冷却水を設定温度まで効率的に冷却することができる。
また、外気湿球温度が高く、予め決めた設定温度よりも凝縮用冷却水の温度が高ければ、バタフライ弁315が閉じられてターボ圧縮機32が回転駆動(回転数一定)され、蒸発槽31内において前述したように冷却水が冷却される。この場合、冷却対象2の必要冷却能力が変化しても、前述したように、当該変化に合わせてターボ圧縮機32による冷却能力が自動的に変化するので、ターボ圧縮機32の駆動回転数を一定としたままでも適切に冷却を行うことができる。
蒸発槽31内の温度が低下し、凝縮用冷却水の温度に見合ったターボ圧縮機32の圧縮比が十分に実現されなくなった場合は、開閉バルブ331を閉じて蒸発槽31への散水を停止して当該蒸発槽31における冷却水の冷却を休止し、冷却水タンク41に貯蔵された冷却水によって冷却対象2の冷却を行う(冷却水は、冷却対象2と冷却水タンク41との間で循環する)。そして、冷却水タンク41の冷却水温度(温度センサ411によって測定)が、冷却対象2へ流入する冷却水の設定温度近くまで上昇した時点で、開閉バルブ331を開いて蒸発槽31への散水を再開して当該蒸発槽31における冷却水の冷却を再開する。
以上のような実施形態によれば、ターボ圧縮機32の回転駆動時に冷却条件が変化したとしても、ターボ圧縮機32の駆動回転数および蒸発槽31への散水量を変化させることなく、ターボ圧縮機32による冷却能力が自動的に調節されるので、蒸発槽31内の冷却水の冷却を適切に行うことができる。
以上のような実施形態では、ターボ圧縮機32の回転駆動時において、図1の冷却装置1のように冷却水タンク41に貯蔵された冷却水が直接蒸発槽31に流入するのではなく、冷却対象2において温められた冷却対象流出路22からの冷却水と接続部42において混合された上で、蒸発槽31に散水されるようになっている。このため、図1の冷却装置1と比較して高い温度の冷却水を蒸発槽31に流入することができ、蒸発槽31内の水蒸気の密度を高くすることができるので、ターボ圧縮機32による冷却能力を高くすることができる。また、図5の冷却装置1と図1の冷却装置1とで同程度の冷却能力を実現したい場合には、図5の構成を採用した方が、ターボ圧縮機32を小型化することができる等の利点がある。
以上のような実施形態によれば、三方弁24による架設流路23の流量制御の下、冷却対象流入路21を流れる冷却水に対して混合する架設流路23からの冷却水の量を調節することによって、冷却対象2に流入する冷却水を所望温度に調節することができる。
以上のような実施形態によれば、蒸発槽31に流入する冷却水の温度よりも、凝縮槽5に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合には、温度の低い凝縮用冷却水に基づいて、蒸発槽31内の冷却水の冷却を行うことができ、この間、ターボ圧縮機32の回転駆動を停止することができるので、消費電力を節約することができる。
以上のような実施形態によれば、ターボ圧縮機32の駆動/停止の状態に関わらず、冷却水の冷却が蒸発槽31内において行われるようになっており、冷却水の冷却箇所をまとめることができるので、複雑な配管を設ける必要がなく、冷却装置1の製造コストを低減することができる。
以上のような実施形態によれば、蒸発槽31においてターボ圧縮機32によって冷却された温度の低い冷却水を貯蔵する冷却水タンク41が設けられているので、例えば、開閉バルブ331によって蒸発槽31への冷却水の流入量を0にしてターボ圧縮機32による冷却水の冷却を実質的に休止させた場合でも、冷却水タンク41に貯蔵されている温度の低い冷却水によって、当該冷却水の温度が上昇するまでの間、冷却対象2の冷却を引き続き行うことができる。以上のように、冷却対象2の必要冷却能力が大きく変動したとしても、凝縮用冷却水の温度が所定の設定値以下であれば、十分に対応することができる。
以上説明した図5の実施形態は、前述したように、本発明の制御方法を実施するための冷却装置の模式図である図2,図4を具体化したものである。
なお、当業者であれば、同じく本発明の制御方法を実施するための冷却装置の模式図である図1,図3を、図5のような実施形態に具体化することができると考えられるので、この実施形態の詳細については説明および図示を省略する。
本発明は、以上で説明した実施形態によって限定されるものではなく、この実施形態を、本発明の目的を達成できる範囲内において変形したものであれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
前記実施形態では、凝縮槽5を密閉型とし、水蒸気入口51から凝縮水出口52に至る水蒸気/凝縮水流路と、凝縮用冷却水入口53から凝縮用冷却水出口54に至る凝縮用冷却水流路とを別々の流路として構成していたが、凝縮槽5を開放型とし、水蒸気/凝縮水流路と凝縮用冷却水流路とが合流するように構成して、水蒸気/凝縮水流路を流れる水蒸気/凝縮水と、凝縮用冷却水流路を流れる凝縮用冷却水とが凝縮槽5内で互いに混ざるようにしてもよい。
前記実施形態では、蒸発槽31と凝縮槽5とが別々の槽として構成されていたが、1つの槽内に蒸発槽として機能する部分と凝縮槽として機能する部分とを有する蒸発・凝縮槽として一体的に構成されていてもよい。
前記実施形態では、凝縮槽5における水蒸気の凝縮に利用される凝縮用冷却水を、冷却塔6において冷却された水としていたが、海水や工場排水などであってもよい。
前記実施形態は、図2,図4の冷却装置1を具体化したものであったが、図2,図4の冷却装置1において、冷却水タンク41と接続部42とを接続する接続流路43の代わりに、蒸発槽流出路34と蒸発槽流入路33とを接続する接続流路を設けてもよい。
本発明の冷却装置を示す模式図である。 本発明の冷却装置を示す模式図である。 本発明の冷却装置を示す模式図である。 本発明の冷却装置を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る冷却装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…冷却装置
2…冷却対象
5…凝縮槽
6…冷却塔
21…冷却対象流入路
22…冷却対象流出路
23…架設流路
24…三方弁(流量制御手段)
31…蒸発槽
32…ターボ圧縮機(水蒸気圧縮手段)
33…蒸発槽流入路
34…蒸発槽流出路
41…冷却水タンク
42…接続部
43…接続流路
51…水蒸気入口
52…凝縮水出口
53…凝縮用冷却水入口
54…凝縮用冷却水出口
56…凝縮用冷却水流入路
57…凝縮用冷却水流出路
62…制御弁
314…直結流路
315…バタフライ弁
331…開閉バルブ
332…散水ノズル

Claims (5)

  1. 冷却水によって冷却対象を冷却する冷却装置の制御方法であって、
    前記冷却装置は、
    前記冷却対象を冷却して温められた冷却水の少なくとも一部が流入される蒸発槽と、
    前記蒸発槽内の水蒸気を吸引して圧縮し、当該蒸発槽内の冷却水の一部を蒸発させて蒸発潜熱によって残りの冷却水を冷却する水蒸気圧縮手段と、
    前記冷却対象に冷却水を流入する冷却対象流入路と、
    前記冷却対象を冷却して温められた冷却水を流出する冷却対象流出路と、
    前記冷却対象流出路と連通するように接続され、前記蒸発槽に所定量の冷却水を流入する蒸発槽流入路と、
    前記冷却対象流入路と連通するように接続され、前記水蒸気圧縮手段によって冷却された前記蒸発槽内の冷却水を流出する蒸発槽流出路とを備え、
    冷却条件が変化しても、前記水蒸気圧縮手段の駆動回転数および前記蒸発槽への冷却水流入量を一定に保ったまま前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行う
    ことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  2. 請求項1に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記冷却装置は、
    前記冷却対象流入路,前記冷却対象流出路,前記蒸発槽流入路,前記蒸発槽流出路のいずれとも連通されて冷却水を少なくとも一時的に貯蔵可能な冷却水タンクを備える
    ことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  3. 請求項1に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記冷却装置は、
    前記冷却対象流入路および前記蒸発槽流出路のいずれとも連通されて冷却水を少なくとも一時的に貯蔵可能な冷却水タンクと、
    前記冷却対象流出路および前記蒸発槽流入路の接続部と前記冷却水タンクとの間を接続し、少なくとも前記冷却水タンクから前記接続部へ向かう方向に冷却水を流通可能な接続流路とを備える
    ことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷却装置の制御方法において、
    前記冷却装置は、
    前記冷却対象流入路および前記冷却対象流出路間に架設され、両者を接続する架設流路と、
    前記架設流路の流量を制御して、当該流量の冷却水を前記冷却対象流出路から前記冷却対象流入路へ向かう方向に流す流量制御手段とを備え、
    前記流量制御手段による前記架設流路の流量制御の下、前記冷却対象に流入する冷却水を所望温度に調節する
    ことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷却装置の制御方法において、
    前記冷却装置は、
    前記水蒸気圧縮手段を介して前記蒸発槽と連通され、当該蒸発槽からの水蒸気を凝縮用冷却水によって冷却して水に凝縮する凝縮槽と、
    前記凝縮槽への凝縮用冷却水の流入量を制御可能な凝縮用冷却水流入量制御手段とを備え、
    前記蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、前記凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が低い場合には、前記水蒸気圧縮手段の回転駆動を停止し、前記凝縮用冷却水流入量制御手段による凝縮用冷却水の流入量制御の下、互いに連通された前記蒸発槽および前記凝縮槽の圧力を調節することによって、前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行い、
    前記蒸発槽に流入する冷却水の温度よりも、前記凝縮槽に流入する凝縮用冷却水の温度の方が高い場合には、前記水蒸気圧縮手段を一定回転数で駆動して前記蒸発槽内の冷却水の冷却を行う
    ことを特徴とする冷却装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010243011A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Miura Co Ltd 冷水製造装置
CN114076475A (zh) * 2020-08-21 2022-02-22 汉达精密电子(昆山)有限公司 一种用于模具的降温系统及方法

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