JP3611375B2 - 熱応答性ポリエーテルポリウレタン及び熱応答性組成物 - Google Patents
熱応答性ポリエーテルポリウレタン及び熱応答性組成物 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱応答性ポリエーテルポリウレタン及び熱応答性組成物に関するものである。詳しくは、本発明のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液がある温度以下では均一で透明な溶液となり、逆にその温度以上に加熱するとゲル化し、さらには水を分離するといった状態変化を可逆的に発現する特殊な性質を有し、熱応答性組成物として増粘剤、ゲル化剤、吸着剤、防染料剤、防染糊、捺染糊剤、徐放製剤、化粧品、遮光材、粘着剤、分散安定剤、芳香剤、保冷剤、抜染糊、捺染用地張剤等の用途に利用されるものであり、本発明はこのような性状を有する熱応答性ポリエーテルポリウレタン及びこの熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ある温度以下では親水性でその水溶液が均一かつ透明に溶解しており、その温度より高くなると疎水性となってゲル化したり、水溶液から分離してくるような性質を有する熱応答性高分子が開発され、このような高分子は増粘剤、ゲル化剤、吸着剤等の用途に応用し得るものとして着目されている。
【0003】
このような熱応答性高分子としては、N−イソプロピルアクリルアミドとN−イソプロピルメタクリルアミドとの重合体(特開昭58−174408号、特開昭58−215413号)、N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭58−201810号)、N−メトキシプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭61−225203号、特開昭63−117016号、特開昭63−117017号)、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開昭62−91509号)、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミドの重合体(特開昭62−148504号)、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭62−243608号)、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミドの重合体(特開昭62−243609号)、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開平1−70511号)、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開昭63−295613号)、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開平1−11110号)、N,N−ジ(2−メトキシエチル)アクリルアミドの重合体(特開平1−249815号)、N−(2−メトキシエチル)−N−n−プロピルアクリルアミドの重合体(特開平2−147609号)、N−(2−メトキシエチル)−N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開平2−214705号)、超高分子量ポリアクリルアミド(特開平4−114011号)等のアクリルアミド系誘導体の重合体が知られている。またアクリルアミド系ビニル重合体と水不溶性ビニル化合物との共重合体(特開平2−75682号)等のアクリルアミド系誘導体の共重合体や、N−8−アクリロイル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンの重合体(特開昭63−178111号)、(メタ)アクリル酸クロリドと3−メトキシプロピルアミンとトリエチルアミンとの反応物(特開昭63−241007号)、(メタ)アクリルクロリドとN−(2−メトキシエチル)エチルアミンとトリエチルアミンとの反応物(特開平2−129209号)、あるいは多糖類のオキシアルキレンエーテルとビニル単量体との重合体(特開平1−259084号)、窒素含有環を有する活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物とビニル系カルボン酸とのエステルを重合成分として50%以上含有する水溶性ビニル系重合体(特開平6−9848号)等や、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース等も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこれらの熱応答性高分子は、その水溶液の状態が流動性を帯びた状態からゲル状に変化する温度(以下このような状態の変化を「転相」と称し、状態が変化する温度を「転相温度」と称することがある。)、もしくは水を分離した状態に変化する温度(以下、このような状態の変化を「相分離」と称し、状態が変化する温度を「相分離温度」と称することがある。)のコントロールが困難で、転相或いは相分離のいずれか一方の状態への変化を生じさせることはできても両方の状態変化を生じさせることが出来ない、製造が難しい等の欠点があった。例えば、N−置換アクリルアミド重合体や共重合体では任意に相分離温度を設定し難く、また状態の変化も相分離が生じるだけであり、転相が明確に現れないという問題点がある。また従来知られている熱応答性高分子は、その殆どがビニル系単量体から得られるもので、ビニル系単量体を用いた重合は一般的に重合度のコントロールが難しく、一定した分子量範囲の重合体が得られ難い。そして重合体の分子量が低いとその水溶液が転相温度を越えても良好な疎水性を発揮せず、分子量が高いと相分離度以下で明確な増粘効果を表すことがなく、また分子量分布の範囲が広く、低分子量の重合体や単量体が含まれると状態の変化が明瞭に現れなくなる等の問題点がある。
【0005】
本発明は、上記の点に着目してなされたもので、転相温度以下では良好な水溶性を発揮し透明で均一な水溶液となり、その水溶液が転相温度以上では可逆的にゲル状もしくは水を分離する状態に変化する性質を有し、さらにその転相温度を任意に設定することができる熱応答性ポリエーテルポリウレタンを提供することを目的とする。また本発明はこの熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネートとから得られるポリエーテルポリウレタンが、水溶液とした時に転相温度以下では温度の上昇に伴って粘度が増大し、転相温度を越えると液状からゲル状に明確に変化し、さらに加熱すると水を分離した状態となり、このような変化を可逆的に発現するとともに、転相温度及び相分離温度を容易に設定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを重量比で、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50の割合で含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを、前記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールの水酸基に対しイソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。
【0008】
また本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンのいま一つは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレングリコールと、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンの更に今一つは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ポリオキシエチレングリコール及び/又は平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。
【0009】
本発明の熱応答性組成物は、上記熱応答性ポリエーテルポリウレタンを水に溶解させた水溶液を主成分とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるが、その分子中にポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とを有することを必須とする。ポリエーテルポリウレタンを構成するポリオキシプロピレン鎖の平均分子量は700〜20000であり、このような平均分子量のポリオキシプロピレン鎖を有することにより、熱応答性組成物として用いた時、水溶液の昇温に伴う増粘効果を示し、転相温度を越えて加熱すると明確なゲル状を呈し、さらに水を分離する。ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物から得られるポリエーテルポリウレタンであっても、その分子を構成するポリオキシプロピレン鎖の平均分子量が700未満であると、粘度の増加傾向及び明確なゲル状を示すことがなく、また平均分子量が20000を越えるものであると水溶性に乏しいものとなり好ましくない。本発明のポリウレタンにおいて、ポリオキシプロピレン鎖の平均分子量は、好ましくは2000〜5000である。
【0011】
また本発明のポリエーテルポリウレタンはポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とを、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50の重量比にて有することにより、その水溶液は良好な増粘、転相及び相分離の特性を発揮する。ポリエーテルポリウレタン分子中におけるポリオキシプロピレン鎖とポリオキシエチレン鎖との重量比において、ポリオキシエチレン鎖が95を越えポリオキシプロピレン鎖が5未満の場合には、粘度の増加傾向及び明確なゲル状を示すことがなく、逆にポリオキシエチレン鎖が50未満でポリオキシプロピレン鎖が50を越える場合には水溶性に乏しいものとなり好ましくない。本発明のポリエーテルポリウレタン中におけるポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の好ましい割合は、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=90〜60:10〜40である。
【0012】
本発明のポリエーテルポリウレタンは水溶性であることが好ましく、水溶液中では、そのエーテル結合部が水和して水に溶解している。この水溶液を加熱すると、まずポリオキシプロピレン鎖部分より脱水和が起こり疎水性となり、隣接するポリオキシプロピレン鎖同志が疎水結合によって会合しゲル化が起こる。さらに加熱するとポリオキシプロピレン鎖に連結するポリオキシエチレン鎖からも脱水和が起こり分子全体が疎水性となって水から分離してくる。即ち非イオン界面活性剤特有の曇点現象と同じ現象が起こり、その溶液は白濁する。このことから本発明のポリエーテルポリウレタンの分子を構成するポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比あるいはポリオキシプロピレン鎖の平均分子量を変えることにより任意の転相温度を設定することができる。例えば、平均分子量が700のポリオキシプロピレン鎖を有するポリエーテルポリウレタンの場合、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=50:50であると転相温度は約30℃であるが、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖95:5であると転相温度は90℃程度になる。このようにポリエーテルポリウレタン中のポリオキシエチレン鎖の割合の増加に比例して転相温度が上昇し、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の比率を変化させることにより、転相温度を所望の温度に設定することができる。またポリオキシプロピレン鎖の平均分子量の高いものを用いると、疎水性、会合力が強くなるため、同一重量比でも転相温度を低下することができる。
【0013】
本発明のポリエーテルポリウレタンを得る第1の方法は、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを95〜50:5〜50の重量比で含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ジイソシアネートとを反応させる方法である。またポリオキシエチレングリコールと、平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とが、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネートとを反応させる方法によっても得ることができる。更に平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ポリオキシエチレングリコール及び/又は平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖の重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合し、この混合物とジイソシアネート化合物と反応させ方法によっても得られる。
【0014】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレングリコールにプロピレンオキサイドを付加したもの、あるいはポリオキシプロピレグリコールにエチレンオキサイドを付加したもののいずれも用いることができる。また、これらに更にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加したものも用いられる。
【0015】
ジイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ビス(イソシアノメチル)シクロヘキサン、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートが、耐光性に優れるポリエーテルポリウレタンを得ることができるため好ましい。
【0016】
上記反応において、水溶性のポリエーテルポリウレタンを得るために、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対してイソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように、ポリオキシアルキレグリコールとジイソシアネート化合物とを反応させる。ジイソシアネートが0.5モル当量未満となる量であると、水溶液にしたときの粘度増加が乏しくゲル化も起こり難くなる。また1.5モル当量を超える量であると、過剰なジイソシアネートによる架橋が起こり水溶性の低いポリエーテルポリウレタンとなり、それぞれ好ましくない。ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物との好ましい反応割合は、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対し、イソシアネート基が0.8〜1.2モル当量となる量である。このようにして得た熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、良好な水溶性と水溶液における良好な増粘効果を発揮する。
【0017】
ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とのウレタン化反応は、ポリオキシアルキレングリコールにジイソシアネート化合物を加えて30〜250℃で行うことができ、末反応ジイソシアネート化合物を少なくすると共にポリオキシアルキレングリコールの分解を防ぐためには、反応を50〜200℃で行うことがより好ましい。上記ウレタン化反応は溶媒を用いても、また用いなくても行うことができる。必要に応じてウレタン化反応に溶媒を用いる場合、溶媒としてはイソシアネート基、水酸基に対して不活性な溶媒を用いる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロエタン、四塩化炭素等の塩素系溶媒等が用いられる。
【0018】
また上記ウレタン化反応は触媒の存在下に行うことが好ましい。触媒としては公知のウレタン製造用触媒、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン類、酢酸トリブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸第一錫等の有機錫化合物、有機ビスマス化合物等を用いることができる。これらの触媒は、ポリオキシアルキレングリコール及びジイソシアネート化合物の合計量に対し、5〜1000ppm程度用いる。さらにポリオキシアルキレングリコールの分解、劣化を防止するために上記ウレタン化反応を、酸化防止剤の存在下に行うことが好ましい。
【0019】
本発明のポリエーテルポリウレタンの水溶液は、ある温度以下では均一で透明な溶液となり、その温度以上に加熱するとゲル化し、さらには水を分離し、この状態変化を可逆的に発現する特殊な性質を有し、熱応答性組成物として、増粘剤、ゲル化剤、吸着剤、防染料剤、防染糊、捺染糊剤、徐放製剤、化粧品、遮光材、粘着剤、分散安定剤、芳香剤、保冷剤、抜染糊、捺染用地張剤等の種々の用途に用いることができる。
【0020】
本発明のポリエーテルポリウレタン水溶液を主成分とする熱応答性組成物は、その用途に応じて各種添加剤、着色剤等を適宜添加することができる。例えば防染料剤として用いる場合には、充填剤、発水剤、吸着剤、還元剤等を添加し、捺染糊剤として用いる場合には、反応性染料、直接性染料、分散染料等を添加し、また芳香剤として用いる場合には、界面活性剤、香料、アルコール等を添加し、保冷剤として用いる場合には、多価アルコール、無機塩等を添加する等々である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されない。
【0022】
実施例1〜3、比較例1〜2
ポリオキシアルキレングリコールとして、平均分子量2000のポリオキシプロピレングリコールにエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと略すことがある。)を付加して得た4種類のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(EO30モル付加体、EO55モル付加体、EO130モル付加体、EO520モル付加体の4種類)、または平均分子量8000のポリオキシエチレングリコールから、表1に示すように選択したものを用いた。ポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して、1モル当量のヘキサメチレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを、300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、50℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、各水溶液を室温から1℃/分の速度で加熱し、水溶液の流動性が無くなりゲル状になる転相温度を測定した。尚、比較例1で得たポリエーテルポリウレタンは、0℃以上の水に溶解せず、水溶液は得られなかった。
【0023】
実施例1〜3、比較例1〜2で使用したポリオキシアルキレングリコール中のポリオキシプロピレン鎖含有率、得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるポリオキシエチレン鎖(表中においてPECと略す。)と、ポリオキシプロピレン鎖(表中においてPPCと略す。)の重量比(PEC:PPC)を表1に示す。
【0024】
実施例1〜3で得たポリエーテルポリウレタンの水溶液は、いずれも室温においては透明で粘度が5〜30cpsの流動性水溶液であり、加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。またポリオキシプロピレン鎖が増加すると転相温度が低下する傾向が認められた。これに対し比較例2で得たポリエーテルポリウレタンの水溶液は、95℃に加熱してもゲル状とならなかった。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例4〜6、比較例3〜4
平均分子量500〜30000の各種のポリオキシプロピレングリコールと、平均分子量9000のポリオキシエチレングリコールとを表2に示すように混合した混合物をポリオキシアルキレングリコール(ポリオキシプロピレン鎖含有率10重量%)として用い、このポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して1モル当量のトリレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、60℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、実施例1と同様に加熱し、転相温度を測定した。尚、比較例3で得たポリエーテルポリウレタンは、0℃以上の水に溶解せず、水溶液は得られなかった。
【0027】
得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるPEC:PPCの比を表2にあわせて示す。実施例4〜6で得たポリエーテルポリウレタンからは、いずれも室温においては透明で流動性のある水溶液が得られ、加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。またポリオキシプロピレングリコールの平均分子量が高くなると転相温度が低下する傾向が認められた。これに対し分子量が500のポリオキシプロピレングリコールから得られた比較例4のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液を95℃以上に加熱してもゲル状とならなかった。
【0028】
【表2】
【0029】
実施例7〜9、比較例5〜6
平均分子量16000のポリオキシエチレングリコールにプロピレンオキサイド(以下、プロピレンオキサイドをPOと略すことがある。)を付加して得られたポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシプロピレン鎖を20重量%含有)をポリオキシアルキレングリコールとして用い、このポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して0.3〜1.7モル当量となる量のヘキサメチレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、60℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、実施例1と同様に加熱し、転相温度を測定した。尚、比較例6で得たポリエーテルポリオールは全く水に溶解しなかった。
【0030】
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応モル数、得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるPEC:PPCの比を表3に示す。実施例7〜9で得たポリエーテルポリウレタンからは、いずれも室温においては透明で流動性のある水溶液が得られ、この水溶液は加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。これに対し、ポリオキシアルキレングリコール1モル当たりに対し、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.3モル反応して得られた比較例5のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液を95℃以上に加熱してもゲル状とならなかった。
【0031】
【表3】
【0032】
実施例10〜12、比較例7
実施例2、6、7及び比較例4で得たポリエーテルポリウレタンを用い、5重量%の水溶液を調製し、各水溶液の温度と粘度の関係を測定した。その結果を表4に示す。実施例10、11及び12は、いずれも良好な粘度増加及びゲル化を示しており、これらのポリエーテルポリウレタンは、水性塗料等の増粘剤、捺染糊剤等として適していることを示唆している。一方、比較例7は、温度の上昇に伴って粘度が低下するため、増粘剤としては好ましくなかった。
【0033】
【表4】
【0034】
実施例13
温度コントローラ付き分光光度計(UV−2200:株式会社島津製作所製)を用い、実施例3で得たポリエーテルポリウレタンの5重量%水溶液を、0.5℃/分の加熱速度で20℃から60℃に加熱した時の温度と透過率(550nm)の変化を測定した。その結果を表5に示す。表5に示すように、このポリエーテルポリウレタンの水溶液は、40℃を越えた時点より徐々に透過率が減少し、60℃で0%となった。また加熱した水溶液を冷却すると加熱する前の状態及び透過率に戻った。このことは実施例3で得たポリエーテルポリウレタンが遮光材として有用であることを示唆している。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシエチレン鎖と、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを特定の割合で含有することにより、水溶液にした時に一定温度以下では均一で透明な水溶液となると共に温度の上昇に伴って粘度が増加し、その温度を越えると明確なゲル状に変化し、さらに加熱すると水を分離した状態を呈し、この状態の変化を可逆的に行うことができる。また、ポリオキシエチレン鎖と、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖との割合が特定の範囲となるように調整したポリオキシアルキレングリコールを用い、該ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネートとを特定の比率で反応させる方法を採用することにより、水溶性であって上記特有の作用を有するポリエーテルポリウレタンを容易に得ることができる。また本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物は、ポリオキシプロピレン鎖の分子量と、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の比率を調整することにより、容易に目的に応じた転相温度、相分離温度の熱応答性組成物とすることができる等の効果を発揮する。
【発明の属する技術分野】
本発明は熱応答性ポリエーテルポリウレタン及び熱応答性組成物に関するものである。詳しくは、本発明のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液がある温度以下では均一で透明な溶液となり、逆にその温度以上に加熱するとゲル化し、さらには水を分離するといった状態変化を可逆的に発現する特殊な性質を有し、熱応答性組成物として増粘剤、ゲル化剤、吸着剤、防染料剤、防染糊、捺染糊剤、徐放製剤、化粧品、遮光材、粘着剤、分散安定剤、芳香剤、保冷剤、抜染糊、捺染用地張剤等の用途に利用されるものであり、本発明はこのような性状を有する熱応答性ポリエーテルポリウレタン及びこの熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ある温度以下では親水性でその水溶液が均一かつ透明に溶解しており、その温度より高くなると疎水性となってゲル化したり、水溶液から分離してくるような性質を有する熱応答性高分子が開発され、このような高分子は増粘剤、ゲル化剤、吸着剤等の用途に応用し得るものとして着目されている。
【0003】
このような熱応答性高分子としては、N−イソプロピルアクリルアミドとN−イソプロピルメタクリルアミドとの重合体(特開昭58−174408号、特開昭58−215413号)、N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭58−201810号)、N−メトキシプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭61−225203号、特開昭63−117016号、特開昭63−117017号)、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開昭62−91509号)、N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミドの重合体(特開昭62−148504号)、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開昭62−243608号)、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミドの重合体(特開昭62−243609号)、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開平1−70511号)、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開昭63−295613号)、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミドの重合体(特開平1−11110号)、N,N−ジ(2−メトキシエチル)アクリルアミドの重合体(特開平1−249815号)、N−(2−メトキシエチル)−N−n−プロピルアクリルアミドの重合体(特開平2−147609号)、N−(2−メトキシエチル)−N−イソプロピルアクリルアミドの重合体(特開平2−214705号)、超高分子量ポリアクリルアミド(特開平4−114011号)等のアクリルアミド系誘導体の重合体が知られている。またアクリルアミド系ビニル重合体と水不溶性ビニル化合物との共重合体(特開平2−75682号)等のアクリルアミド系誘導体の共重合体や、N−8−アクリロイル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカンの重合体(特開昭63−178111号)、(メタ)アクリル酸クロリドと3−メトキシプロピルアミンとトリエチルアミンとの反応物(特開昭63−241007号)、(メタ)アクリルクロリドとN−(2−メトキシエチル)エチルアミンとトリエチルアミンとの反応物(特開平2−129209号)、あるいは多糖類のオキシアルキレンエーテルとビニル単量体との重合体(特開平1−259084号)、窒素含有環を有する活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物とビニル系カルボン酸とのエステルを重合成分として50%以上含有する水溶性ビニル系重合体(特開平6−9848号)等や、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース等も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこれらの熱応答性高分子は、その水溶液の状態が流動性を帯びた状態からゲル状に変化する温度(以下このような状態の変化を「転相」と称し、状態が変化する温度を「転相温度」と称することがある。)、もしくは水を分離した状態に変化する温度(以下、このような状態の変化を「相分離」と称し、状態が変化する温度を「相分離温度」と称することがある。)のコントロールが困難で、転相或いは相分離のいずれか一方の状態への変化を生じさせることはできても両方の状態変化を生じさせることが出来ない、製造が難しい等の欠点があった。例えば、N−置換アクリルアミド重合体や共重合体では任意に相分離温度を設定し難く、また状態の変化も相分離が生じるだけであり、転相が明確に現れないという問題点がある。また従来知られている熱応答性高分子は、その殆どがビニル系単量体から得られるもので、ビニル系単量体を用いた重合は一般的に重合度のコントロールが難しく、一定した分子量範囲の重合体が得られ難い。そして重合体の分子量が低いとその水溶液が転相温度を越えても良好な疎水性を発揮せず、分子量が高いと相分離度以下で明確な増粘効果を表すことがなく、また分子量分布の範囲が広く、低分子量の重合体や単量体が含まれると状態の変化が明瞭に現れなくなる等の問題点がある。
【0005】
本発明は、上記の点に着目してなされたもので、転相温度以下では良好な水溶性を発揮し透明で均一な水溶液となり、その水溶液が転相温度以上では可逆的にゲル状もしくは水を分離する状態に変化する性質を有し、さらにその転相温度を任意に設定することができる熱応答性ポリエーテルポリウレタンを提供することを目的とする。また本発明はこの熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネートとから得られるポリエーテルポリウレタンが、水溶液とした時に転相温度以下では温度の上昇に伴って粘度が増大し、転相温度を越えると液状からゲル状に明確に変化し、さらに加熱すると水を分離した状態となり、このような変化を可逆的に発現するとともに、転相温度及び相分離温度を容易に設定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを重量比で、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50の割合で含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを、前記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールの水酸基に対しイソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。
【0008】
また本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンのいま一つは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレングリコールと、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンの更に今一つは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ポリオキシエチレングリコール及び/又は平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする。
【0009】
本発明の熱応答性組成物は、上記熱応答性ポリエーテルポリウレタンを水に溶解させた水溶液を主成分とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるが、その分子中にポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とを有することを必須とする。ポリエーテルポリウレタンを構成するポリオキシプロピレン鎖の平均分子量は700〜20000であり、このような平均分子量のポリオキシプロピレン鎖を有することにより、熱応答性組成物として用いた時、水溶液の昇温に伴う増粘効果を示し、転相温度を越えて加熱すると明確なゲル状を呈し、さらに水を分離する。ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物から得られるポリエーテルポリウレタンであっても、その分子を構成するポリオキシプロピレン鎖の平均分子量が700未満であると、粘度の増加傾向及び明確なゲル状を示すことがなく、また平均分子量が20000を越えるものであると水溶性に乏しいものとなり好ましくない。本発明のポリウレタンにおいて、ポリオキシプロピレン鎖の平均分子量は、好ましくは2000〜5000である。
【0011】
また本発明のポリエーテルポリウレタンはポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とを、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50の重量比にて有することにより、その水溶液は良好な増粘、転相及び相分離の特性を発揮する。ポリエーテルポリウレタン分子中におけるポリオキシプロピレン鎖とポリオキシエチレン鎖との重量比において、ポリオキシエチレン鎖が95を越えポリオキシプロピレン鎖が5未満の場合には、粘度の増加傾向及び明確なゲル状を示すことがなく、逆にポリオキシエチレン鎖が50未満でポリオキシプロピレン鎖が50を越える場合には水溶性に乏しいものとなり好ましくない。本発明のポリエーテルポリウレタン中におけるポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の好ましい割合は、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=90〜60:10〜40である。
【0012】
本発明のポリエーテルポリウレタンは水溶性であることが好ましく、水溶液中では、そのエーテル結合部が水和して水に溶解している。この水溶液を加熱すると、まずポリオキシプロピレン鎖部分より脱水和が起こり疎水性となり、隣接するポリオキシプロピレン鎖同志が疎水結合によって会合しゲル化が起こる。さらに加熱するとポリオキシプロピレン鎖に連結するポリオキシエチレン鎖からも脱水和が起こり分子全体が疎水性となって水から分離してくる。即ち非イオン界面活性剤特有の曇点現象と同じ現象が起こり、その溶液は白濁する。このことから本発明のポリエーテルポリウレタンの分子を構成するポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比あるいはポリオキシプロピレン鎖の平均分子量を変えることにより任意の転相温度を設定することができる。例えば、平均分子量が700のポリオキシプロピレン鎖を有するポリエーテルポリウレタンの場合、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=50:50であると転相温度は約30℃であるが、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖95:5であると転相温度は90℃程度になる。このようにポリエーテルポリウレタン中のポリオキシエチレン鎖の割合の増加に比例して転相温度が上昇し、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の比率を変化させることにより、転相温度を所望の温度に設定することができる。またポリオキシプロピレン鎖の平均分子量の高いものを用いると、疎水性、会合力が強くなるため、同一重量比でも転相温度を低下することができる。
【0013】
本発明のポリエーテルポリウレタンを得る第1の方法は、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを95〜50:5〜50の重量比で含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ジイソシアネートとを反応させる方法である。またポリオキシエチレングリコールと、平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とが、重量比でポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネートとを反応させる方法によっても得ることができる。更に平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ポリオキシエチレングリコール及び/又は平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖の重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合し、この混合物とジイソシアネート化合物と反応させ方法によっても得られる。
【0014】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレングリコールにプロピレンオキサイドを付加したもの、あるいはポリオキシプロピレグリコールにエチレンオキサイドを付加したもののいずれも用いることができる。また、これらに更にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加したものも用いられる。
【0015】
ジイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ビス(イソシアノメチル)シクロヘキサン、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートが、耐光性に優れるポリエーテルポリウレタンを得ることができるため好ましい。
【0016】
上記反応において、水溶性のポリエーテルポリウレタンを得るために、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対してイソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように、ポリオキシアルキレグリコールとジイソシアネート化合物とを反応させる。ジイソシアネートが0.5モル当量未満となる量であると、水溶液にしたときの粘度増加が乏しくゲル化も起こり難くなる。また1.5モル当量を超える量であると、過剰なジイソシアネートによる架橋が起こり水溶性の低いポリエーテルポリウレタンとなり、それぞれ好ましくない。ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物との好ましい反応割合は、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対し、イソシアネート基が0.8〜1.2モル当量となる量である。このようにして得た熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、良好な水溶性と水溶液における良好な増粘効果を発揮する。
【0017】
ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とのウレタン化反応は、ポリオキシアルキレングリコールにジイソシアネート化合物を加えて30〜250℃で行うことができ、末反応ジイソシアネート化合物を少なくすると共にポリオキシアルキレングリコールの分解を防ぐためには、反応を50〜200℃で行うことがより好ましい。上記ウレタン化反応は溶媒を用いても、また用いなくても行うことができる。必要に応じてウレタン化反応に溶媒を用いる場合、溶媒としてはイソシアネート基、水酸基に対して不活性な溶媒を用いる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロエタン、四塩化炭素等の塩素系溶媒等が用いられる。
【0018】
また上記ウレタン化反応は触媒の存在下に行うことが好ましい。触媒としては公知のウレタン製造用触媒、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン類、酢酸トリブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸第一錫等の有機錫化合物、有機ビスマス化合物等を用いることができる。これらの触媒は、ポリオキシアルキレングリコール及びジイソシアネート化合物の合計量に対し、5〜1000ppm程度用いる。さらにポリオキシアルキレングリコールの分解、劣化を防止するために上記ウレタン化反応を、酸化防止剤の存在下に行うことが好ましい。
【0019】
本発明のポリエーテルポリウレタンの水溶液は、ある温度以下では均一で透明な溶液となり、その温度以上に加熱するとゲル化し、さらには水を分離し、この状態変化を可逆的に発現する特殊な性質を有し、熱応答性組成物として、増粘剤、ゲル化剤、吸着剤、防染料剤、防染糊、捺染糊剤、徐放製剤、化粧品、遮光材、粘着剤、分散安定剤、芳香剤、保冷剤、抜染糊、捺染用地張剤等の種々の用途に用いることができる。
【0020】
本発明のポリエーテルポリウレタン水溶液を主成分とする熱応答性組成物は、その用途に応じて各種添加剤、着色剤等を適宜添加することができる。例えば防染料剤として用いる場合には、充填剤、発水剤、吸着剤、還元剤等を添加し、捺染糊剤として用いる場合には、反応性染料、直接性染料、分散染料等を添加し、また芳香剤として用いる場合には、界面活性剤、香料、アルコール等を添加し、保冷剤として用いる場合には、多価アルコール、無機塩等を添加する等々である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されない。
【0022】
実施例1〜3、比較例1〜2
ポリオキシアルキレングリコールとして、平均分子量2000のポリオキシプロピレングリコールにエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと略すことがある。)を付加して得た4種類のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(EO30モル付加体、EO55モル付加体、EO130モル付加体、EO520モル付加体の4種類)、または平均分子量8000のポリオキシエチレングリコールから、表1に示すように選択したものを用いた。ポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して、1モル当量のヘキサメチレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを、300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、50℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、各水溶液を室温から1℃/分の速度で加熱し、水溶液の流動性が無くなりゲル状になる転相温度を測定した。尚、比較例1で得たポリエーテルポリウレタンは、0℃以上の水に溶解せず、水溶液は得られなかった。
【0023】
実施例1〜3、比較例1〜2で使用したポリオキシアルキレングリコール中のポリオキシプロピレン鎖含有率、得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるポリオキシエチレン鎖(表中においてPECと略す。)と、ポリオキシプロピレン鎖(表中においてPPCと略す。)の重量比(PEC:PPC)を表1に示す。
【0024】
実施例1〜3で得たポリエーテルポリウレタンの水溶液は、いずれも室温においては透明で粘度が5〜30cpsの流動性水溶液であり、加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。またポリオキシプロピレン鎖が増加すると転相温度が低下する傾向が認められた。これに対し比較例2で得たポリエーテルポリウレタンの水溶液は、95℃に加熱してもゲル状とならなかった。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例4〜6、比較例3〜4
平均分子量500〜30000の各種のポリオキシプロピレングリコールと、平均分子量9000のポリオキシエチレングリコールとを表2に示すように混合した混合物をポリオキシアルキレングリコール(ポリオキシプロピレン鎖含有率10重量%)として用い、このポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して1モル当量のトリレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、60℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、実施例1と同様に加熱し、転相温度を測定した。尚、比較例3で得たポリエーテルポリウレタンは、0℃以上の水に溶解せず、水溶液は得られなかった。
【0027】
得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるPEC:PPCの比を表2にあわせて示す。実施例4〜6で得たポリエーテルポリウレタンからは、いずれも室温においては透明で流動性のある水溶液が得られ、加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。またポリオキシプロピレングリコールの平均分子量が高くなると転相温度が低下する傾向が認められた。これに対し分子量が500のポリオキシプロピレングリコールから得られた比較例4のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液を95℃以上に加熱してもゲル状とならなかった。
【0028】
【表2】
【0029】
実施例7〜9、比較例5〜6
平均分子量16000のポリオキシエチレングリコールにプロピレンオキサイド(以下、プロピレンオキサイドをPOと略すことがある。)を付加して得られたポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシプロピレン鎖を20重量%含有)をポリオキシアルキレングリコールとして用い、このポリオキシアルキレングリコール100g、ポリオキシアルキレングリコールの水酸基に対して0.3〜1.7モル当量となる量のヘキサメチレンジイソシアネート、酸化防止剤(IRGANOX245)50mg、ジラウリン酸ジブチル錫50mgを300ミリリットルの四ツ口フラスコに仕込み、60℃で30時間反応してポリエーテルポリウレタンを得た。得られたポリエーテルポリウレタンに水を加えて5重量%の水溶液を調製し、実施例1と同様に加熱し、転相温度を測定した。尚、比較例6で得たポリエーテルポリオールは全く水に溶解しなかった。
【0030】
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応モル数、得られたポリエーテルポリウレタンの転相温度、及びポリエーテルポリウレタン中におけるPEC:PPCの比を表3に示す。実施例7〜9で得たポリエーテルポリウレタンからは、いずれも室温においては透明で流動性のある水溶液が得られ、この水溶液は加熱して転相温度を越えると明確なゲル状を示し、ゲル化したものを室温に冷却するといずれも加熱する前の水溶液の状態に戻った。これに対し、ポリオキシアルキレングリコール1モル当たりに対し、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.3モル反応して得られた比較例5のポリエーテルポリウレタンは、その水溶液を95℃以上に加熱してもゲル状とならなかった。
【0031】
【表3】
【0032】
実施例10〜12、比較例7
実施例2、6、7及び比較例4で得たポリエーテルポリウレタンを用い、5重量%の水溶液を調製し、各水溶液の温度と粘度の関係を測定した。その結果を表4に示す。実施例10、11及び12は、いずれも良好な粘度増加及びゲル化を示しており、これらのポリエーテルポリウレタンは、水性塗料等の増粘剤、捺染糊剤等として適していることを示唆している。一方、比較例7は、温度の上昇に伴って粘度が低下するため、増粘剤としては好ましくなかった。
【0033】
【表4】
【0034】
実施例13
温度コントローラ付き分光光度計(UV−2200:株式会社島津製作所製)を用い、実施例3で得たポリエーテルポリウレタンの5重量%水溶液を、0.5℃/分の加熱速度で20℃から60℃に加熱した時の温度と透過率(550nm)の変化を測定した。その結果を表5に示す。表5に示すように、このポリエーテルポリウレタンの水溶液は、40℃を越えた時点より徐々に透過率が減少し、60℃で0%となった。また加熱した水溶液を冷却すると加熱する前の状態及び透過率に戻った。このことは実施例3で得たポリエーテルポリウレタンが遮光材として有用であることを示唆している。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンは、ポリオキシエチレン鎖と、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを特定の割合で含有することにより、水溶液にした時に一定温度以下では均一で透明な水溶液となると共に温度の上昇に伴って粘度が増加し、その温度を越えると明確なゲル状に変化し、さらに加熱すると水を分離した状態を呈し、この状態の変化を可逆的に行うことができる。また、ポリオキシエチレン鎖と、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖との割合が特定の範囲となるように調整したポリオキシアルキレングリコールを用い、該ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネートとを特定の比率で反応させる方法を採用することにより、水溶性であって上記特有の作用を有するポリエーテルポリウレタンを容易に得ることができる。また本発明の熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物は、ポリオキシプロピレン鎖の分子量と、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖の比率を調整することにより、容易に目的に応じた転相温度、相分離温度の熱応答性組成物とすることができる等の効果を発揮する。
Claims (5)
- ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量が700〜20000のポリオキシプロピレン鎖とを重量比で、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50の割合で含有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを、前記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールの水酸基に対しイソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする熱応答性ポリエーテルポリウレタン。
- ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、ポリオキシエチレングリコールと、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする熱応答性ポリエーテルポリウレタン。
- ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネート化合物とから得られるポリエーテルポリウレタンであって、平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールと、ポリオキシエチレングリコール及び/又は平均分子量700〜20000のポリオキシプロピレングリコールとを、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖との重量比が、ポリオキシエチレン鎖:ポリオキシプロピレン鎖=95〜50:5〜50となるように混合した混合物とジイソシアネート化合物とを、前記混合物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.5〜1.5モル当量となるように反応させて得られることを特徴とする熱応答性ポリエーテルポリウレタン。
- ジイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートである請求項1〜3のいずれかに記載の熱応答性ポリエーテルポリウレタン。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱応答性ポリエーテルポリウレタンの水溶液を主成分とする熱応答性組成物。
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