JP3611115B2 - 測距装置及びこの測距装置を備えたレーダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、測定可能な最大距離が送信パルス間隔に関係しない距離測定装置およびこの測距装置を備えたレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーダなど、対象物に電波を照射して、例えばその反射波が帰ってくるまでの時間をもとに対象物までの距離を測定する方法(以下測距方法という)がある。
図10は、例えば特開平11−52050号公報に示された従来の測距装置を示す図である。図において、16はPN符号を発生させる変調用符号発生器、17は所定の周波数で変調用符号発生器16を駆動して符号の周期を決める基準発振器、18は変調用符号発生器16からの符号出力により符号変調あるいはスペクトル拡散された電磁波を測距対象物に向けて送出する送信器、19は対象物で反射した電磁波を捕捉するための受信器、20は変調用符号発生器16と同一の符号を発生する参照用符号発生器、21は基準発振器17と微小に異なる周波数で参照用符号発生器20を駆動する参照用発振器、22は変調用符号発生器16からの符号と参照用符号発生器20からの符号との相関値を求める送信側相関器、23は受信器19からの受信符号と参照用符号発生器20からの符号との相関値を求める受信側相関器、24は送信側相関器22の出力と受信側相関器23の出力信号の時間差から対象物までの距離を求めるプロセッサである。
【0003】
次に動作について図11の波形図を用いて説明する。図において131はクロック信号、132は送信波形、133は受信波形である。
変調用符号発生器16はM系列やGOLD系列などのPN符号を発生する。
基準発振器17は所定の周波数(クロック131)で変調用符号発生器16を起動して前記PN符号の周期を決める。送信器18は変調用符号発生器16からの符号出力により符号変調された、あるいはスペクトル拡散された電磁波(赤外線やミリ波等)を測距対象物に向けて送出する。受信器19は測距対象物で反射した前記電磁波を受信する。
参照用符号発生器20は変調用符号発生器16と同一の符号を発生する。参照発振器21は基準発振器17とわずかに異なる周波数で参照用符号発生器20を駆動して前記変調用符号とわずかに周期の異なる参照用符号を発生させる。
送信側相関器22は変調用符号発生器16からの変調用符号(送信波形132と同じ)と参照用符号発生器20からの参照用符号との相関値を求める(送信符号の位相を検出する)。
受信側相関器23は受信器19の受信符号133と参照用符号発生器20から参照用符号との相関値を求める(受信符号の位相を検出する)。
プロセッサ4は、送信側相関器22の相関値出力信号134と、受信側相関器23の相関値出力信号135の時間差Δtを求めて前記測距対象物までの距離に換算する演算手段を備えている。
【0004】
理解を助けるため具体的な数値例を用いて説明する。
基準発振器17の周波数F1を30MHz(クロック131が30MHz)とする。変調用符号発生器16は符号長N=31のM系列のPN符号132を発生させる。その符号の1チップ時間は1/30μsecとなる。
一方、参照用発振器21の周波数F2は基準発振器17の周波数F1より例えば310Hzだけ低く設定されている。参照用符号発生器20はこの周波数F2で駆動され、変調用符号発生器16と同じ符号長N=31のM系列のPN符号を発生する。周波数がΔF=310Hzだけ異なるので、送信に使われる変調用符号と参照用符号とではその1エポック時間は310/30,000,000=約10ppmだけ異なる。この時間差は微小であるが、送信側相関器22と受信側相関器23において2入力の位相同期状態を明確に弁別できる差である。
【0005】
そして、送・受信される符号と参照用符号とは、それぞれT=31/310=0.1secの周期で位相が一致するため、送信側相関器22からの位相同期信号134と、受信側相関器23からの位相同期信号135との間には時間差Δtがあり、その時間差Δtが測距対象物までの距離Lに対応している。プロセッサ24は前記時間差Δtを検出して距離Lを計算する。
【0006】
この場合、最大探知可能距離Lmaxは
Lmax =(c×N)/(2×F1)≒155 (m)
但し、cは光速(≒3.0×108m/s)
と求めることができる。
そして対象物までの距離Lは、
L=(Δt/T)×Lmax=(Δt/0.1)×155 (m)=Δt×1550mとなる。
また、距離分解能は、例えば、プロセッサ24のサンプリング周波数を10KHz(=0.1msec)とすると、
155×(サンプリング周期/T)=
155m×0.1msec/0.1sec=0.155mとなる。
【0007】
なお、上記公報に開示された方式以前に用いられていた符号化方式(公知であるので説明を省略する)で測距する場合の分解能は、
(1/2)×光速c×1符号幅(=1/送信周波数)=1/2×3.0×108×(1/F) (m)
と表されることから、0.155mの距離分解能を得るためには
1/2×3.0×108×(1/F)=0.155(m)からF≒967(MHz)で送信する必要があるから、前記公報に開示された測距装置では、基準周波数を上げないでも距離分解能を向上することが可能であるという特長を備えているといえる。しかし、送信用の基準発振器17と、受信用の基準発振器が別々に構成されているため、例えばドップラレーダのように、ドップラ変調を測定するため送受信信号間で位相において高コヒーレントな信号を要求される方式の測距装置には使用することができない。
念のため、一般的なパルスドップラ方式のレーダ原理を図12に示す。図12に示すように、例えば航空機に搭載したレーダなどでクラッタの十分ない領域で目標を検出することを想定した場合、パルス繰り返し周波数を十分短くする必要があることが分かる。このため、パルス間隔が短くなるため、そのままでは測距することができない。
また、最大探知距離も送信周波数F1に反比例して決定されてしまうため、移動体搭載用などアンテナの大きさに制約があることから、高い周波数で送信する必要のある場合には、探知距離が実用上支障となるほどに短くなってしまう等の問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の測距装置は以上のように構成されていたので、距離分解能を向上することは容易であるが、送信用の基準発振器と受信用の基準発振器が別々に構成されているため、例えばドップラレーダのようにドップラ変調を測定するために、送受信信号間で位相において高コヒーレントな信号を要求される方式の測距装置には使用できないという問題点があった。
【0009】
また、最大探知距離が送信周波数F1に反比例して決定されてしまうため、アンテナの大きさの制約から高い周波数で送信する必要のある用途で用いる測距装置では、探知距離が短くなってしまう等の問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、パルスドップラ方式のレーダにおいても使用可能とすることを目的とするとともに、受信した信号は高い位相のコヒーレント性を有し、そのドップラ周波数を検出することで相対速度の検出も可能とすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の測距装置は、同じ周波数で互いの位相がほぼπ異なる2つの信号を発振する発振器、任意の周期の変調用符号信号を発生する符号発生装置、
前記変調用符号信号により駆動され、前記2つの信号のいずれかを前記変調用符号信号に応じて選択し、前記周期の符号変調パルス信号を発生させるスイッチ回路、
この符号変調パルス信号を空間に送信信号として送信する送信回路、
前記符号変調信号が対象物により反射された反射波を受信信号として受信し、前記送信信号とのパルス時間差δを測定する受信回路、
前記受信信号の時間を基準として、互いに前記変調用符号信号の前記周期に相当する時間差ずつ遅延させた複数の遅延信号を発生する分散型遅延回路、
前記受信信号を復調して得た復調信号と、前記複数の遅延信号との相関係数をそれぞれ演算し、前記相関係数が最も高い前記遅延信号の前記遅延時間と、前記送信信号と前記受信信号とのパルス時間差δとにもとづいて、前記対象物までの距離を演算する距離演算回路とを備えたものである。
【0012】
また、前記変調用符号信号はM系列符号を発生するものである。
【0013】
また、前記発振器は1の基準発振器と、前記基準発振器から発振された信号の位相を180度変更する位相器とを備えたものである。
【0014】
また、前記発振器は1の基準発振器と、前記基準発振器とは異なる他の発振器から発振された信号の位相を180度変更する位相器と、前記基準発振器の出力と前記他の発振器の出力又は前記位相器の出力とを混合しその差又は和の周波数を得るミキサとを備えたものである。
【0015】
また、前記他の発振器は前記受信回路の局部発振回路を兼ねるものである。
【0016】
また、前記分散型遅延回路は、A/D変換器と、ディジタルメモリと、D/A変換器とを含むDigital RF Memoryで構成されたものである。
【0017】
また、前記分散型遅延回路、前記スイッチ回路、及び前記距離演算回路は、A/D変換器とデジタルメモリ及びプロセッサを含むディジタル回路で構成されたものである。
【0018】
また、請求項1に記載の発振器と、符号発生装置と、スイッチ回路と、送信回路とを有する無線電話送信装置、この無線電話送信装置の信号を受信し、請求項1に記載の受信回路と、分散型遅延回路と、距離演算装置とを有するとともに、あらかじめ前記無線電話送信装置の前記符号発生装置の符号を記憶し、前記無線電話送信装置と時間同期した前記無線無線電話受信装置とを含み、互いの間の距離を計測するものである。
【0019】
この発明のレーダ装置は、前記のいずれかに記載の測距装置を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1の測距装置の構成を図について説明する。図1において、4は基準発振源であり次のものを含む、即ち1a及び1bは同一周波数の基準発振器、2は基準発振器1aと1bの位相を調整する位相制御器、3はスイッチ回路である。
5は符号発生回路、6a及び6bはミキサ、7は局部発振器、8a、8b及び8cはバンドパスフィルタ、9は大電力増幅器、10はサーキュレータ、11は送受信アンテナ、12は低雑音増幅器、13は分散型遅延回路、14は復調回路、15は距離/速度算出回路である。
【0021】
基準発振器1a及び1bは同一のIF周波数で発振する。基準発振器1a及び1bは、位相制御回路2によって0またはπ(180度位相遅れ)に位相が設定されている。この基準発振器1a及び1bの信号を符号発生回路5によりM系列符号に相当するパルスの選択を行い、スイッチ3でどちらの信号を出力するか選択する。出力された信号は、ミキサ6aにて局部発振器7から出力される局部信号と混合され、任意のRF周波数に変換される。バンドパスフィルタ8aでイメージ周波数成分を除去した後、大電力増幅器9で大電力信号に増幅し、サーキュレータ10を通って送受信アンテナ11から空間に出力する。
【0022】
目標から反射してきた信号は送受信アンテナ11から、サーキュレータ10を介して低雑音増幅器12で増幅される。不要信号をバンドパスフィルタ8bで除去した後、ミキサ6bで局部発振器7の周波数と混合されIF周波数に変換される。この信号は、バンドパスフィルタ8cでイメージ周波数を除去した後、分散型遅延回路13に出力される。
分散型遅延回路13では、基準発振源4で決定される送信パルス間隔に基づき、遅延時間間隔ΔTと符号長分だけの遅延時間が設定されている。この分散型遅延回路14は、符号発生回路5で決定されるパルスの符号をΔTずつ遅延させたパルス群を符号の数分形成する。このパルス群とバンドパスフィルタ8cから出力され復調回路14で復調された受信パルス群との相関を求める。この時相関値が取れるパルス群が遅延時間がいくらのパルス群であるかを計算することで、送信から受信までの時間差を検出することができる。
【0023】
図2の波形図を用いて動作についての詳細説明を行なう。
図2に示すように、M系列符号1フレーム分の信号201を取り出し、その最初のパルスと、そのパルスを送信した時刻t1から最初に受信した受信パルス202の受信時刻t2までの時間差をδとする。この最初に受信したパルス202を基準として、送信パルス周期のΔTずつ、M系列符号1フレーム分の送信パルス群の時間をずらした遅延パルス列(図中210〜213)を作り、このパルス列群210〜213の全てを、前記受信パルスと相関を取る。
K番目のパルスで相関が取れたとすると、送信パルス201と受信パルス202間の遅延時間は、δ+(k−1)・ΔTであったことが分かる。この遅延時間から距離を算出することが可能である。
【0024】
従来例の説明の欄で説明したように、パルスドップラ方式のレーダでは測距が困難であったが、本発明によれば、パルスドップラ方式のレーダでも図1の回路を構成することで、図2で説明したように測距することが可能である。また、発振源及びパルス毎の変調条件が分かっているため、送信信号と受信信号の位相のコヒーレント性を確保することが可能であり、ドップラ周波数等の微小な周波数変調も検出することが可能である。
【0025】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2のレーダ装置の構成を図3に示す。図3のものは実施の形態1の図1の基準発振源4の構成を変えることで比較的高価な基準発振器を削減したものである。
【0026】
以下、実施の形態1の図1の基準発信源4の部分についてのみ図示説明する。図3の4aは、図1の基準発振源4の代替となる実施の形態2の発振源を示している。基準発振器1aからの信号を分配器25で2分配する。2分配した片方の信号を180度移相器26で位相を180度遅らせることで、位相が0とπの2種類の符号化された信号を作り出すことが可能となる。基準発振器1aはドップラレーダ等の場合、非常に高い安定度を必要とするため、水晶発振器等の高価な発振源を必要とするが、基準発振源4aを採用すれば基準発振器1a1つで2つの信号を作り出すことができ、安価に構成できるという効果が得られる。
【0027】
実施の形態3.
実施の形態1の図1のものを、CWドップラレーダ方式のレーダ装置に適用した例について図4、図5により説明する。図5は説明のため図4の一部を拡大した図である。
【0028】
図4に示すように連続的に送信するCWドップラレーダ等においても、一定の時間間隔で仮想的なパルスのように区切って(位相を0とπに切り替えて)送信することで、各区間を1つのパルス符号として符号を送信することで、受信後に符号の時間遅れを検出して、実施の形態1と同じ効果を生むことができる。
【0029】
実施の形態4.
実施の形態1の図1のものを、無線通信装置に適用した例について図6により説明する。図6は送信者と受信者間で例えば無線電話のような通信を行なっている状態を示している。
通信装置の搬送波(通常CW波である)に、実施の形態3で示したような一定の時間間隔で仮想的なパルスのように区切って0とπで変調して送信すると、通信した信号を受信した側で復調することができる。また、受信者側では実施の形態1で説明したような受信信号の符号の相関解析を行なうことができるものとする。この条件として、予め送信者と受信者側で変調コード及びその時間同期を最初に設定しておく(必要なコードなどを記憶しておく)必要がある。無論、その後、相関解析を実行している間には、時間同期は狂わないか、支障が生じるほど狂うまでの間に、相関解析を完了するものとする。このようにすることで、図6に示した受信者は、送信者の距離を算出することができる。通常、通信は送受信双方向で行われるため、両者でこの機能を持っていれば、離れている両者間で距離を互いに知ることができる。
この距離算出方式のメリットは、予め送信コード及びタイミングを知っているものしか距離を算出できないことから、第三者に自身の位置を特定されないということである。従って、このようなサービスを実施した場合にはこのサービスの提供を受けないものには距離情報が分からないという効果がある。
【0030】
実施の形態5.
実施の形態1の分散型遅延回路の代わりにディジタルRFメモリ(DRFM(Digital RF Memory)とも言う)を用いることも可能である。
【0031】
以下、実施の形態1と異なる部分につき説明する。分散型遅延回路では、最小遅延時間ΔTは固定値であるが、DRFMとすることで、この最小遅延時間を可変にすることができる。この最小遅延時間を可変にすることが可能なDRFMの構成を図7に示す。図において、27はA/D変換器、28はデジタルメモリ、29はD/A変換器を示す。図のように構成したDRFMを図1の分散型遅延回路13の代わりに配置することで、DRFMの特性であるメモリでの波形記憶と任意の時間での取り出しが可能であるという点を活用して、DRFMの性能の範囲内において、任意の最小時間間隔ΔTでの分散遅延を作り出すことが可能である。
【0032】
実施の形態6.
実施の形態1の分散型遅延回路、復調回路及び距離算出回路の代わりにA/D変換器、デジタルメモリ及びプロセッサで構成することも可能である。
【0033】
以下、上記実施の形態1と異なる部分につき説明する。図8に示すようにスイッチ3及びバンドパスフィルタ8cからの入力を、A/D変換器27でデジタル信号に変換して、それぞれデジタルメモリ28に蓄積する。実施の形態1で示した処理と同じ処理をプロセッサ24で実施することで距離算出が可能となる。
【0034】
実施の形態7.
実施の形態1において符号変調を実施する発振器を基準発振器1a,1bではなく、局部発振器7とすることでも同じ機能を構成することができる。
以下、実施の形態1と異なる部分につき説明する。図9に示すように局部発振器7の信号を分配器25で分配し、片方の信号は180度位相器26で180度位相を変更する。スイッチ3で任意のM系列符号パルスを発生し、送信系のミキサ6a及び分散型遅延線13に出力する。分散型遅延線13で遅延させた信号をスイッチ3で切り替えて受信系のミキサ6bに入力する。このような構成とすることでミキサ6bの出力は、遅延量が伝搬時間差とそろった場合には位相がそろった信号となるため、後段でドップラ処理等をより行い安いという特徴がある。
【0035】
実施の形態8.
実施の形態7における分散型遅延線及びスイッチの部分をDRFMに置き換えることも可能である。
以下、実施の形態7と異なる部分につき説明する。図9の分散型遅延線13とその出力先のスイッチ3を図7のDRFMに置き換えることが可能である。実施の形態7の回路構成では、符号発生回路5で符号を発生させるタイミングは受信パルスタイミングと合わせる必要がある。これは、分散型遅延線13が固定の遅延量しか作り出せないためである。これをこの実施の形態のようにDRFMとすることで固定遅延量及び受信パルスタイミングの同期を併せて実施できるため、回路規模を小さくして安価に構成することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、この発明の測距装置は、受信した反射波を復調して得た復調信号と複数の遅延した変調用符号信号との相関係数を演算し、相関係数が最も高い変調用符号信号の遅延時間をもとに、対象物までの距離を演算する距離演算回路を備えたので、パルス間隔の狭いパルスドップラ方式やCWドップラ方式のレーダにおいても距離を正確に測定することができる。
【0037】
また、符号発生装置はM系列符号を発生するので、構成が容易である。
【0038】
また、2つの信号を得るため使用する発振器は、1つの基準発振器とこの発振器の信号の位相を調整してもう一つの信号を得る移相器とを備えているので安価に構成できる。
【0039】
また、2つの信号を得るため使用する発振器は、1つの基準発振器と、基準発振器ではない他の発振器とを使用できるので安価に構成できる。
【0040】
また、前記の他の発振器には中間周波に周波数変更するための局部発振器を使用できるので安価に構成できる。
【0041】
また、使用する分散型遅延回路はDRFMとすることにより、安価に構成できる。
【0042】
また、システムの主要部をデイジタル回路で構成できるので、安価に構成できる。
【0043】
本発明の測距装置は、M系列信号を付加できる送信機と、このM系列信号をあらかじめ記憶し、受信した信号との相関から、送信機との距離を計測できる受信機とを含むので、あらかじめ設定した送受信機間でのみ距離の測定ができるという効果が得られる。
【0044】
本発明のレーダ装置は、前記の測距装置を使用しているので、安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による測距装置の構成を示す図である。
【図2】図1の動作を説明するためのチャープ信号を説明する図である。
【図3】実施の形態2の測距装置の一部を示す図である。
【図4】実施の形態3に於いて、実施の形態1の測距装置をCW信号に応用した場合の波形説明図である。
【図5】図4の波形を拡大した説明図である。
【図6】実施の形態4の通信装置に応用した場合の説明図である。
【図7】実施の形態5の測距装置の一部を示す図である。
【図8】実施の形態6の測距装置の一部を示す図である。
【図9】この発明による実施の形態7の回路構成である。
【図10】従来の測距装置の構成を示す図である。
【図11】図10の動作を説明する波形図である。
【図12】従来のパルスドップラレーダの動作を説明する図である。
【符号の説明】
1a 基準発振器、 1b 基準発振器、 2 位相制御回路、
3 スイッチ、 4 基準発振源、 5 符号発生回路、
6a ミキサ、 6b ミキサ、 7 局部発振器、
8a,8b,8c バンドパスフィルタ、
9 大電力増幅器、 10 サーキュレータ、
11 送受信空中線、 12 増幅器、 13 分散型遅延回路、
14 復調回路、 15 距離算出回路、
16 変調用符号発生器 17 基準発振器
18 送信器、 19 受信器、 20 参照用符号発生器、
21 参照用発振器、 22 送信側相関器、
23 受信側相関器、 24 プロセッサ、 25 分配器、
26 180度移相器、 27 A/D変換器、
28 デジタルメモリ、 29 D/A変換器。
Claims (9)
- 同じ周波数で互いの位相がほぼπ異なる2つの信号を発振する発振器、
任意の周期の変調用符号信号を発生する符号発生装置、
前記変調用符号信号により駆動され、前記2つの信号のいずれかを前記変調用符号信号に応じて選択し、前記周期の符号変調パルス信号を発生させるスイッチ回路、
この符号変調パルス信号を空間に送信信号として送信する送信回路、
前記符号変調信号が対象物により反射された反射波を受信信号として受信し、前記送信信号とのパルス時間差δを測定する受信回路、
前記受信信号の時間を基準として、互いに前記変調用符号信号の前記周期に相当する時間差ずつ遅延させた複数の遅延信号を発生する分散型遅延回路、
前記受信信号を復調して得た復調信号と、前記複数の遅延信号との相関係数をそれぞれ演算し、前記相関係数が最も高い前記遅延信号の前記遅延時間と、前記送信信号と前記受信信号とのパルス時間差δとにもとづいて、前記対象物までの距離を演算する距離演算回路とを備えたことを特徴とする測距装置。 - 前記変調用符号信号はM系列符号であることを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
- 前記発振器は、一つの基準発振器と、前記基準発振器から発振された信号の位相を180度変更する移相器とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の測距装置。
- 前記発振器は、一つの基準発振器と、前記基準発振器とは異なる他の発振器から発振された信号の位相を180度変更する移相器と、前記基準発振器の出力と前記他の発振器の出力又は前記位相器の出力とを混合しその差又は和の周波数を得るミキサとを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の測距装置。
- 前記他の発振器は前記受信回路又は前記送信回路の局部発振回路を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の測距装置。
- 前記分散型遅延回路は、A/D変換器と、ディジタルメモリと、D/A変換器とを含むディジタルRFメモリで構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測距装置。
- 前記分散型遅延回路、前記スイッチ回路、及び前記距離演算回路は、A/D変換器とデジタルメモリ及びプロセッサを含むディジタル回路で構成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の測距装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測距装置を備えたことを特徴とするレーダ装置。
- 請求項1に記載の発振器と、符号発生装置と、スイッチ回路と、送信回路とを有する無線電話送信装置、この無線電話送信装置の信号を受信し、請求項1に記載の受信回路と、分散型遅延回路と、距離演算装置とを有するとともに、あらかじめ前記無線電話送信装置の前記符号発生装置の符号を記憶し、前記無線電話送信装置と時間同期した前記無線無線電話受信装置とを含み、互いの間の距離を計測することを特徴とする測距装置。
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