JP3610822B2 - 放電表示装置の隔壁形成方法および印刷版 - Google Patents

放電表示装置の隔壁形成方法および印刷版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電パネル及びその製造方法並びにそれらの製造装置に関するものであり、特にガス放電表示パネルの放電領域を隔てる隔壁の製造方法並びに前記製造方法により製造された隔壁を有するガス放電パネルに関するものである。さらに詳しくは、隔壁を製造する際に型を使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス放電表示パネルで隔壁を有するものとして、プラズマ表示装置(PDP)とプラズマアドレス表示装置(PALC)があり、どちらも本発明の対象である。図1にプラズマ表示装置の構造の代表的な例を、図2にプラズマアドレス表示装置の構造の代表的な例を示す。図1において、(a) はその部分破断斜視図、(b)はその部分平面図、(c) はその部分平面図である。図1において、11は前面基板、12は背面基板、13は保護膜、14は隔壁、15a は表示電極、15b はデータ電極、16は誘電体、17は蛍光体である。一方、図2において、25は隔壁、24aはカソード電極、24bはアノード電極、23aは背面ガラス基板、23bは前面ガラス基板。26は絶縁膜である。いずれにおいても、隔壁は隣接する放電空間を隔てるために形成されている。
【0003】
この隔壁を形成する従来の方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、埋め込み法(リフトオフ)法、感光性ペースト法、及び本発明の対象である型を使用する方法が知られている。隔壁の巾は原理的には薄いほど好ましいが、物理的強度の点から30〜70μmが普通である。隔壁のピッチはPDPでは100〜400μm、PALCでは300〜700μmが普通である。高さはPDPで100〜150μm程度、PALCで200μm程度である。サイズは対角30〜70インチの大サイズが一般的である。従って、隔壁のアスペクト比は、PDPで1.4〜5程度、PALCで2.8〜6.8程度である。
このような高精細の隔壁を大サイズの基板上に低コストで形成する方法が求められているが、型を使用する方法は低コストで高精細な隔壁を形成できる可能性が高いとして注目されている。以下、出願明細書に基づいて説明する。
【0004】
特開平9―283017(松下電器産業)は、型として平面状、または円筒状の押圧型を使用し、図3において、所定の柔らかさを有する隔壁部材31を所定の厚さで面状に基板32の表面に形成する工程(a) と、形成すべき隔壁に対応する形状を設けた押圧型33で隔壁部材31を押圧成形する工程(b) と、押圧型33を隔壁部材から離型する工程(c) と、所定の温度で成形後の隔壁部材34を熱処理する工程(d) とにより隔壁を形成することを特徴としている。この方法の問題点は、第1に押圧型が平面状であるときには、加圧した場合に型の隅々まで隔壁部材が行き渡るように隔壁材部を調整することが難しく、第2に離型する際に変形しないようにすることが難しく、第3にガラス基板の厚さムラが10〜20μm以上あると加圧時にガラス基板が割れてしまう、第4にこのような高精細でサイズも大きな平面状の押圧型は高価であるという問題点があった。
【0005】
一方、図4、5のように押圧型が円筒状である場合には、上記のガラス基板の厚さムラの問題は、かなり緩和されるが、依然として残っていた。また、必要な形状になった瞬間に、ペーストが型から外れるので、流動性と形状維持性という相反した特性のペーストが必要であるが、実際には難しい注文であった。別の問題として、型内でペーストを硬化する工程が採りにくいため、巾が狭く、高さが巾以上ある形状、すなわちアスペクト比が1以上の形状を成形することがかなり困難であるという問題点があった。工夫して、例えば、放射線硬化タイプの隔壁用ペーストを使用し、成形が完了した瞬間の位置でガラス基板の方向から放射線を照射して硬化する方法が考えられるが、現実的には難しい。また余分なペーストが必要であり、それは型の前方へ押し出されるが、万一それが多少なりとも硬化してしまうと、成形性を維持することが難しくなる。
【0006】
なお、類似の方法として、特開平10―101373の図4に示されている方法がある。この場合は、先に述べた理由により、成形が完了した後に硬化する必要があるが、その時は、ペーストはすでに型から外れているので、形状を維持することが難しい。特に、アスペクト比1以上の隔壁については、離型の際に型の側面に接触するので、形状を維持することは非常に困難である。
【0007】
次に、特開平9―134676における方法は、図4において、セラミック粉末とバインダーとの混合物(隔壁部材)を、凹部を有する成形型に充填して得た成形体(隔壁部)と、セラミックまたはガラスからなる背面基板とを接合一体化する方法である。具体的には、▲1▼型の凹部に隔壁形成用剤を充填し、その上に背面板を押し当てて加圧接着し、その状態で隔壁形成用部材を固化または硬化し、その後成形型を離型する方法、▲2▼凹部に充填して硬化し、次に離型してから、背面板に接着する方法であり、この際離型後に脱バインダー処理、焼成する方法も含まれる。成形型の材質は特には限定されていない。限定条件として、有機性添加物の硬化に支障ないものとしている。実例としてとして開示されているのは、シリコーンゴム製のものである。型の製法は記載されていない。この方法の問題点は、第1に型の素材の剛性である。柔軟な素材では伸縮するので、寸法精度を上げることは難しい。また素材が加圧によって変形するので、充填された隔壁材料の形状が乱れるという難点がある。具体的には、隔壁の直線性が乱れて、蛇行してしまうことが多い。一方、剛性が高い硬質材料の型は、形状や寸法精度を維持することができる点で好ましい。しかし、充填した隔壁部材は硬化時に体積が減少する。溶剤が蒸発したり、熱や紫外線で硬化する場合にも、硬化収縮が発生する。このため、型の凹部の上端まで隔壁材を充填しておいても、硬化すると隔壁材の上面は凹部の上端部より下になる。このため、基板と重ね合わせても隙間ができてしまう。そのため転写が難しくなる。また、転写時には、図11b、cのように端部から持ち上げながら剥離するのが、欠陥発生の少ない方法であるが、剛性が高い型では順次持ち上げることが難しい。
【0008】
一方、柔軟な型は硬化した凹部の上端が多少空いても、背面から押しつぶす方法によって、隔壁材の硬化物をガラス基板に押しつけて、隔壁材と基板を密着させることができる。また、図11b、cの様に型を曲げながら剥離することも可能である。
【0009】
この特開平9―134676の出願では、型としてシリコーン樹脂を使用した場合に、型への充填方法として、ドクターブレードを使用してシート成形の要領で充填している。この場合、シリコーン樹脂がドクターブレードによって削られてしまうので、耐久性に大いに問題があると考えられる。なぜなら、一般的にはドクターブレードは金属(スチール)であり、掻き取る表面の硬度を高くすることが必要である。例えば、グラビア印刷ではドクターブレードを使用するが、相手であるグラビアシリンダーの表面を硬質クロムメッキして、ドクターブレードによって研磨されないようにしている。グラビア版の材料として、加工が容易なことから樹脂、プラスチックを使用するための研究がかなり行われたが、ドクターによる磨耗を防止できなかった。ドクターの材質として、プラスチックを使用すると、剛性が不足してインキを充分に掻き取ることができないのである。同様の問題が特開平10―101373(コーニング社)の図1においても発生する。
【0010】
特開平10―208628、特開平1―137534は、焼成すると消失する有機物の型を使用して、隔壁材を充填した後に、基板に加圧密着または接着して固定し、その状態で焼成している。この方法は剥離しないので形状を維持することが容易であるが、寸法精度を持続する事が難しい。すべての型の寸法精度を、仕様値(一般的には±10μm程度)内に維持することは難しい。なぜなら、寸法が決まるのは焼成時に有機物の型が消失する近辺の温度であり、基板の熱膨張率と、有機物の膨張率を勘案する必要がある。室温で密着したり、接着していても熱膨張の力は強力であり役立たないからである。消失時にも接着力が残っていることは考え難い。有機物の型の精度を仕様値以内に納めること自体も難しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上をまとめると、隔壁を形成する際に型を使用する方法においては、以下課題があり、その解決が本発明の課題である。
1 隔壁用ペーストをドクターブレードで充填することに対して、型の耐久性を充分に持たせること。
2 転写の際に隔壁の形状・寸法が変化しない型であること
3 隔壁材の硬化収縮による凹み発生に対しても、転写を確実に行うことができる方法、型、材料を提供すること。
4 隔壁の形状を所望の形状にすることができる型の製法を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、隔壁形成用の型を使用して放電表示装置の隔壁を形成する方法であって、
本発明の第1発明は型として画像形成部となる透き通し部が形成してある表面硬化層と、該硬化層を構成する部材よりも硬度が低く、かつインキに対して剥離性を有する裏面弾性体層を貼り合わせ、該裏面弾性体層の上に、可撓性を有し、かつ熱膨張率が放電表示装置の基板の熱膨張率に近い材質の板を貼り合わせてなる型を使用し、隔壁形成用ペーストとして硬化性を有するものを使用し、該型内に充填した状態で硬化し、これを放電表示装置の基板に転写する方法である。
本発明の第2発明は、請求項1に記載の印刷版を使用して放電表示装置の隔壁を形成する方法であって、隔壁形成用ペーストとして硬化性を有するものを使用し、該隔壁形成用ペーストが該印刷版の透き通し部内にある状態で放電表示装置の基板と合わせ、合わせた状態で該隔壁形成用ペーストを硬化し、次に、裏面から加圧して硬化した隔壁形成用ペーストを押し出し該基板に転写することを特徴とする、放電表示装置の隔壁形成方法である。
【0013】
本発明の第3発明は使用する硬化性を有する隔壁形成用ペーストが、放射線硬化性、加熱硬化性、2液硬化性あるいは乾燥硬化性を有するものであることを特徴とする方法である。
【0014】
本発明の第4発明は、該型内で硬化したのち、版の透き通し部分に接着剤を充填し、その面を被転写体である放電表示装置の基板の所定面と重ね合わせ、加圧して接着剤を基板の表面に密着し一体化した状態としたのちに接着工程を通し、最後に該印刷版と該基板を引き離して、該硬化した隔壁形成用ペーストと接着剤とを該基板上に転写することを特徴とする。接着工程については後に述べるが、平面加圧やロール加圧によって接着する工程である。
【0016】
本発明の第発明は、該隔壁形成用ペーストの硬化の程度を該基板と密着させると接着性を有し、該基板に転写可能であり、かつ転写前後で該隔壁形成用ペーストの形状が変化しない弾性体に硬化することを特徴とする隔壁の形成方法である。
【0017】
本発明の第発明は、該基板の表面に接着剤として、該印刷板の表面硬化層と接着しないもの、または硬化性接着剤であって硬化すると該印刷板と接着しないものを塗布したものを用い、該硬化した隔壁形成用ペーストを該基板に転写することを特徴とする方法である。
【0018】
本発明の第発明は第4、発明において使用する接着剤がガラスフリットまたはガラスフリットと無機材料を含み焼成によって隔壁材の一部として機能する特性を有するものであることを特徴とする方法である。
本発明の第8発明は、請求項1乃至7の放電表示装置の隔壁形成方法に用いる印刷版であって、請求項1に記載の印刷版である。
本発明の第9発明は、前記表面硬化層と前記板の材質が、共に、42鉄−ニッケル合金材あるいはインバー材であることを特徴とする請求項8に記載の印刷版である。
【0019】
本発明の第1の課題である、「隔壁用ペーストをドクターブレードで充填することに対して、型の耐久性を充分に持たせること」に対しては使用する印刷版の表面が硬質層であるのでドクターブレードの掻き取りに対する耐久性を持たせることができる。
次に、第2の課題である「転写の際に隔壁の形状・寸法が変化しない型であること」については、同様に硬質の表面層を採用しているので、隔壁の形状・寸法変化の問題は発生しない。
第3の課題である「隔壁材の硬化収縮による凹み発生に対しても、転写を確実に行うことができる方法、型、材料を提供すること」については透き通し部材の後ろの弾性体が加圧により押しつぶされて変型し、硬化した隔壁形成用ペーストを印刷版の凹部から印刷板の表面の方へ押し出すので、硬化収縮する隔壁材であっても、転写が確実に行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。
本発明の第1発明の方法に使用する型は、例えば特公平3―4398やこれを改良したものである。図6によって特公平3―4398の印刷版を説明する。図6において、硬化層61は例えば銅箔の如き硬質の部材をフォトエッチングによる孔あけ工程によって透き通し部64を形成したものである。弾性体層62は例えば硬度65のウレタンゴムである。支持体(裏打ち材)63は例えばアルミニュウーム板である。剥離層68は例えばシリコーンゴム層である。
【0021】
特公平3―4398においては、100μm以下の細線を厚さ5〜40μmで印刷できる方法を開示している。しかし、隔壁の高さは100〜200μmであり、そのままでは、印刷時にインキが潰れたり、ダレたりして変型したり、印刷版の側壁に一部が付着残留してしまうので、隔壁形成には使用することができない。本発明においては、この印刷版に充填する隔壁形成用ペーストを硬化性としたので、硬化した後に基板に転写すれば、巾50μm厚さ200μmという高アスペクト比の形状の隔壁を形成することができる。
【0022】
透き通し部を硬質材に形成する方法として、特公平3―4398にはフォトケミカルエッチングや機械的打ち抜きが開示されているが、隔壁のような高アスペクト比の形状の透き通し部にたいしてはレーザ孔あけ加工が一般的には最適である。他に、バイトや研削盤による切削加工法、研削加工法がある。さらに、電鋳法がある。
【0023】
硬質材としては、特公平3―4398には、銅、鉄、ニッケル、モリブデン、ポリエステル、ウレタン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンが掲げられている。一方、本発明に適している硬質材としては、リン青銅、各種SUS、鉄―ニッケル合金特に42アロイやインバー合金などの、可撓性のある材質が好ましい。高寸法精度が必要な場合には、硬質材の熱膨張率が転写される側の基板と類似しているものが好ましい。基板がソーダライムガラスやそれに類似した熱膨張率のものである場合には、42合金がのぞましい。PALCに使用されている低膨張率のガラス基板のばあいには、36合金(インバー)が好ましい。なお、隔壁のピッチ精度の仕様値がゆるい場合にはSUS、リン青銅なども使用可能である。
表面の硬度を高くするために、クロムメッキや、ニッケルメッキを行うことも、望ましい。
【0024】
一方、材質としてプラスチックを使用する場合にも、表面にメッキすることが望ましい。メッキの方法としては無電解メッキ、または無電解メッキの上に電気メッキする方法である。必要に応じてフッ素含有の複合メッキにすると、ペースト付着性が低下するので、隔壁形成用ペーストを充填する際に印刷版の上面にペーストが残ってしまう不都合が発生することが減る。さらに、このメッキ膜の付着性が低くければ、基板側に接着剤を塗布して、硬化した隔壁形成用ペーストと接着させることによって、転写を確実にすることができる。さらに転写性を向上させる方法として、特開平4―34551に開示されている方法、すなわインキセル(ペーストが充填される部分)以外の版の表面にインキ反発性のゴム弾性層を形成する方法、を利用して、版の表面に隔壁形成用ペースト反発性の層を形成することができる。また、その方法を応用して、透き通し部の側面にもインキ反発性の層を形成することができる。このようにすれば、さらに硬化した際の離型性が向上する。
【0025】
特公平3―4398には硬質材と弾性体層を張り合わせる方法として、透き通し部を形成した硬質材と弾性体層を接着剤で貼着する方法が開示されている。しかし、図1、2に見られるように、PDPやPALCの隔壁の形状は非常に細長いので、硬質材に透き通し部を形成すると、糸が切れたブラインドのようになり、位置精度を維持することができない。従って、例えば硬質材と弾性体層を貼り合わせた後に硬質材に透き通し部を形成したり、あるいは硬質材を何らかの方法で固定しておいて、透き通し部を形成する必要がある。具体的には実施例で示したような方法で硬質材と弾性体層を有する印刷版を形成することができる。硬質材の厚さは目的とする隔壁の高さに近く、隔壁形成用ペーストの硬化収縮や、焼成収縮分を見込んだ厚さとする。ただし、後に述べるように接着剤を使用する場合には、焼成収縮を見込んだ厚さとなる。
【0026】
また、特公平3―4398には弾性体層の下に支持体を貼り付けることを必要に応じて行うことを開示している。本発明においては、支持体がある印刷版(型)が必要である。支持体の材質は熱膨張率の点から硬質材と同一であることが好ましい。また、可撓性があることが好ましい。厚さは、薄すぎると支持の役に立たず、厚すぎると取り扱いに不便である。また、後に述べるが、特開平4―10987、特開平4―35989に開示されている局部加圧によって転写を行う場合には、局部加圧が効果的であるようにするため、厚すぎることは好ましくない。厚さは実際的には、一般的には0.05〜0.5mm が好ましく、局部加圧法で使用する場合には0.1 〜0.3mm が適当である。
特公平3―4398の印刷版の構造を若干変更したものを図7に示す。改良点は、透き通し部の側面も剥離層で被覆したものである。この構造のものは、硬化したペーストが粘着性を有する場合に使用して特に有効である。
【0027】
硬化性を有する隔壁形成用ペーストの硬化の方法としては放射線硬化、加熱硬化、2液硬化、乾燥硬化がある。ここで放射線硬化とは、紫外線、電子線などを照射することによって、有機成分の少なくとも一部が重合し硬化するものである。加熱硬化は加熱することによって有機物成分の少なくとも一部が重合し、硬化するものである。2液硬化とは混合すると重合を開始する2成分を使用するにあたって、混合し、硬化させるものである。乾燥硬化とは溶剤成分が蒸発乾燥して硬化するものである。基本的組成としては、隔壁を形成する材料である無機物の粉末材料とペーストとしての特性をもたらすための硬化性有機材料である。後者の有機材料は焼成時に残査が残らずに焼失する材料であることが必要である。本発明に特に好ましいものは、紫外線硬化型のものである。その組成は、溶剤を含むタイプのものは例えば特開平9―218508に開示されているものであり、無溶剤タイプのものは、例えば特願平10―35180に記載されているものであり、以下の組成である。
Figure 0003610822
骨材は、焼成時にガラスが溶融した際にも形状を維持するために、また熱膨張係数を調整するために混入する。材質としては、アルミナ、ジルコニア、酸化珪素、ムライト等がある。粒子のサイズは通常サブミクロンから数ミクロンの範囲である。
これらを混合してペーストにするには、通常ロールミルを使用する。
【0028】
型へのペーストの充填方法は、スクリーン印刷法、ロールコート法、円圧プレス法、ブレードコート法等があり、問わないが、気泡の混入が一番の問題である。隔壁形成用ペーストの粘度は焼成時の収縮率を少なくするために無機成分の含有量が多く、そのため高粘度である。この場合、例えば特公平5―241175に開示されている方法が、高粘度のペーストにおいても気泡の混入が少ないので、好都合である。ただし、この方法では型の硬化層の表面にペーストが残ることがあり、それが不都合な場合には、ドクターで除去する。その場合には、ドクターリングによる磨耗を防止するために型の表面にクロムメッキやニッケルメッキを施した型が特に好ましい。
硬化時、あるいはそれに先だって溶剤を蒸発する必要がある場合には、真空乾燥を行うことが好都合である場合が多い。硬化した後、体積収縮が大きすぎる場合には、再度ペーストを充填する。しかし、好ましい方法ではない。
【0029】
転写工程の形態は2種類ある。一つは、型として平面状のものを使用するものであり、他はシリンダー形状のものを使用する方法である。
平面状のものを使用する場合は、隔壁形成用ペーストを充填し、硬化した状態の型と基板を位置合わせして重ね、両側から加圧して、硬化した隔壁形成用ペーストと基板を密着させる。硬化したペーストに粘着性が残っていれば、そのまま型と基板を引き剥がせば、硬化したペーストは基板に転写する。紫外線硬化型のペーストで硬化に酸素障害のあるものを使用した場合には、加圧状態で、基板側から紫外線を照射して硬化する方法がある。粘着力が不足する場合は、型や基板に粘着剤や接着剤を塗布して転写に利用する。この場合、型の表面は、接着性が少ないものが好ましく、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の表面張力の小さな材料でコートすることが好ましい。また表面に離型剤を塗布する方法もある。
【0030】
もう一つの方法は、特開平4―10987の図2に開示されているような型の側から加圧する方法である。すなわち、加圧ロールを使用して、端から順次局部的に加圧し、加圧によって硬化した隔壁形成用ペーストを基板の方へ押し出すようにする方法である。この場合にも、基板と硬化した隔壁形成用ペーストとの間にはいくばくかの接着力が必要である。しかし、その強度は転写した硬化した隔壁形成用ペーストがその後の工程で剥がれない程度でよい。一方、通常の型を使用した場合に型から脱型するための力より強い強度で、基板とペースト硬化物が接着している必要がある。例えば、シリコーン型を使用する方法が特開平10―134705に開示されているが、その型から、ペースト硬化物を離型するためには、セロテープ程度の接着力が必要である。一方、本発明に使用している透き通し部を有する型では最初後方から押しだし、型から外れるので、セロテープの数分の一程度の接着力でよい。そのため、ペーストの硬化を完全に行わず、若干の粘着性が残った状態とすることで、転写させることができる。また、従来の型では隔壁形成用ペーストの硬化が弱いと、離型時に隔壁形成用ペーストの硬化物が引きちぎれて、一部分だけが基板に転写し、残りの部分は型の中に残ってしまうことがあるが、本発明の場合には最初押しだされ、型から外れるので、トコロテン程度の硬化度でもよいという利点がある。ただし、硬化した状態である程度の弾性がある必要があり、塑性変型してしまうものでは不都合である。弾性を持たせる方法として、ペースト中のビヒクル成分の硬化時のガラス転移点を、成分や重合度を制御することによって調整する方法がある。このための方法のひとつとして、ペーストの成分として線状硬化する2官能性成分の割合を多くする方法がある。溶剤成分を残存させる方法もある。また溶剤に溶解するが、溶剤がある程度減少すると弾性を示すようになる添加物を入れて弾性を出すようにすることもできる。先に示した隔壁形成用ペーストは硬化した後に弾性を有するものである。
【0031】
転写時に加圧された弾性体が隔壁形成用ペーストを押しだす長さは、5〜15μm程度とする。加圧する力が強すぎると、硬化したペーストは印刷版と基板の間に過剰に押し出されてしまう。圧力は実験によって決定する。一般的には、1〜5kg/cm の範囲である。一方、局部加圧の方法を使用する際は、引き剥がす位置とプレスロールの位置を調製する方法がある。すなわち、少し剥がれた状態の時に背面から加圧する位置に、加圧ロールの位置を設定する。
【0032】
基板の上に接着剤層を形成して転写する方法が、特開平10―101373等に開示されている。本発明の型においてもその手法は利用できる。本発明の型のうち、表面がフッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆されていて、接着剤と接着しない場合は、直ちに適用できる。しかし、表面にこのような樹脂層があると、ドクターリングを充分に行うことができない。なぜなら、この樹脂層が傷むからである。型の表面と接着せずに、硬化した隔壁形成用ペーストと接着する特性を有する接着剤として、低粘着性のアクリル系粘着剤とシリコーン系粘着剤がある。例えば、アクリル系ではオリバインBPS8170(東洋インキ製)、シリコーン系ではYR3286(東芝シリコーン製)である。硬化性接着剤としては、型の表面が金属である場合にはエポキシ系があり、プラスチックである場合にはアクリル系がある。また、ワックス系もある。
【0033】
この用途の接着剤を焼成すると絶縁層の組成となる成分とすることが本発明の一つである。具体的には、焼成用ペーストのビビクル分を粘着性、接着性を有するものにしたものであり、無機分の組成が絶縁層の組成であるものである。接着力を確保するために、硬化型、特にUV硬化型を使用すると好都合である。ビヒクル分は焼成用ペーストに使用される特性が必要である。例えば、アクリル系、セルロース系、エステル系、エーテル系、ビニル系がある。溶剤を含む物でも良いが、無溶剤型、またはごく少量の溶剤を含むものが好ましい。接着剤の具体的な組成例としては、ポリエステルアクリレート(アロニックスM6200:東亜合成社製)49重量部+2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(HOA−HH:共学社化学製)49重量部+開始剤(ダロイキュア1173:ルシリンTPO=1:1)2重量部である。この接着剤、粘着剤20〜50重量部に隔壁用無機材料を50〜80重量部を配合したものが接着性、粘着性を有する絶縁層用のペーストとなる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明の隔壁形成方法を、以下に具体的な実施例に従って説明する。
<実施例1>
型の形成:透き通し部を有する硬化層として厚さ200μmのニッケル板、弾性体層として厚さ1.5mmのシリコーンゴム、裏打ち板として厚さ100μmの42合金板より型を以下のようにして形成した。透き通し部の形状が隔壁の形状となる。対角42インチサイズのPDPの隔壁形成用である。(図7参照)
まず透き通し部を有するニッケル板を、電鋳法を使用して以下のようにして形成した。厚さ300μmのSUS304の板71を基板とし、厚さ50μmのメッキ用フォトレジストα550(東京応化製)72を貼り付け、隔壁の形状のフォトマスクを通して、所定の条件で露光した。この工程を3回繰り返した。露光位置のアライメントは露光の都度行った。その後、現像した(図7a)。この基板にスルファミン酸Niメッキ73を施し、最小の厚さ200μmとした(図7b)。パターン部の周囲に厚さ1.5mm のスペーサ75を置いた。メッキ領域上に、シリコーンゴム用プライマーME121(東芝シリコーン製)74を塗布し、所定の時間放置したのち、その上に室温硬化型シリコーンゴムTSE3540(東芝シリコーン製)に所定量の硬化剤を添加したもの76を充填し、その上に厚さ5μmシリコーンゴム用接着剤TSE392(東芝シリコーン製)77を塗布した裏打ち板となる厚さ200μmの42合金板78を載せ、そのうえに10mm厚のガラス板79をおいた。所定の硬化時間が経過した後に、42合金板を端から引き剥がすと、Niメッキ膜がSUS板から剥離して42合金板に転写した。以上のようにして、透き通し部を有する印刷版(型)を作成した。
【0035】
<実施例2>
透き通し部を有する硬化層としてインバーを使用し、弾性体層としてシリコーンゴムを使用した型を、平面切削盤(フライス盤)を使用して形成した場合を述べる。(図8参照)
切削法の利点は、バイトの形状で隔壁の形状をかなりの精度で変えることができる点である。隔壁の形状が逆テーパ状のものは無理であるが、通常好ましいと言われている台形状のものや、隔壁の底部が富士山の裾野のように円形であるもの、さらには中間に階段状の形状があるものも作成可能である。
厚さ150μmのインバー板2枚83a、bを熱可塑型の接着剤85を使用して貼合せ、これを鉄製の架台82に吸着し、架台をフライス盤の工作台81に固定した。これをダイアモンドバイト84を使用して、切削した(図8a )。切削深さは、170μmとした。切削後、切削溝の端部に熱硬化性の樹脂(図示せず)を充填し、隔壁の長さを仕様値に合わせると共に、その端部の形状を整えた。切削部分の空隙に水溶性の樹脂86を充填し、さらにその樹脂を盛り上げ、その上にガラス板87を置いた(図8b)。水溶性樹脂が硬化してから、吸着を止めて工作台から外した。次に加熱してインバー板83a 、b間を剥離した。水溶性樹脂はインバー板から外部に約200μmはみ出していた(図8c)。このはみ出し部分と熱可塑型の接着剤の付着物を研磨して除去し、シリコーンゴム用のプライマー(図示せず)を塗布した。別に、厚さ100μmのインバー板87に厚さ1500μmのミラブル型のシリコーンゴム88を貼着したものを準備し、このもののゴム面にシリコーンゴム接着剤89としてTSE385(東芝シリコーン製)を塗布し、プライマーを塗布した研磨面と貼り合わせた(図8d)。水溶性樹脂を水で溶解し、所望の印刷版を得た。
【0036】
参考例1
透き通し部を有する硬化層として、スクリーン印刷の版材に使用される25μm厚のニッケル層と150μm厚のポリイミド層が積層されているフィルムを使用し、弾性体層としてシリコーンゴムを使用した型を形成した場合について述べる(図12参照)。透き通し部の側壁が剥離性の材質であるシリコーン樹脂で被覆されているものを形成した。
透き通し部を形成する方法としてはスクリーン版の製版に使用される方法のひとつを応用した。すなわち、厚さ150μmのポリイミドフィルムと厚さ30μmのニッケルフィルムを接着し、ニッケル面にエッチング防止用のマスキングフィルムを貼り付けた状態のスクリーン版用の材料を使用した(図12a)。まずスクリーン製版の方法に従って、レーザ製版装置を使用してポリイミドフィルムを隔壁の仕様に従って孔あけ加工した(図12b)。次にこのポリイミドフィルムをエッチングレジストとしてニッケルフィルムをウエットエッチングした後、透き通し部の剥離層を形成するためにTSE385を透き通し部の側面およびポリイミドフィルムの上面にブラシで塗布した(図12c)。別に、厚さ150μmのポリエステルフィルムの上に室温硬化型シリコーンゴムTSE392(東芝シリコーン製。ゴム硬度30)を厚さ2000μm形成したものを作成し、これシリコーンゴム面と上記の加工済みスクリーン版材のポリイミド面をシリコーンゴム系接着剤TSE385(東芝シリコーン製)で貼り合わせた。次に、マスキングフィルムを剥がしニッケルフィルムの表面にウエットエッチング液を塗布し、全面を5μmウエットエッチングした。この表面をエッチングする工程はニッケルの角部を丸くしてペーストが容易に抜けるようにするためである。最後にニッケル面に無電解ニッケル−フッ素樹脂複合メッキ(上村工業製)を約2μm施し、所望の型を得た。
【0037】
参考例2
型としてシリンダー形状のものを使用した場合について述べる。
実施例1で作成した型とストップシリンダータイプの円圧型オフセット印刷機を使用した。基本的には特公平3―4398に開示されている方法に類似した方法である(図9参照)。一般のストップシリンダータイプの印刷機では、印刷定盤がシリンダーの回転に同期して左右に移動するが、ここで使用する改造機では、印刷定盤が印刷後元の位置に戻る場合に、シリンダーの方は印刷時と同じ方向に回転して、所定の位置で停止するようにしてある。
このストップシリンダータイプの円圧型オフセット印刷機のブランケットシリンダーの架台部(図示せず)に管状のUV照射ランプ98a とドクターブレード取り付け部(図示せず)を取り付けた。照射装置には反射鏡98bを取り付けてあり、光が真っ直ぐにブランケットシリンダー93上の型(91+92)にあたり、しかも他所への漏洩を防止する構造としてある。ドクターブレード部の構造はグラビア印刷機のものと同一であり、ドクターブレード96もグラビア印刷用である。
【0038】
実施例1で作成した型(91+92)を円圧型オフセット印刷機のブランケットシリンダー93に取り付けた。この際、隔壁の長手方向とシリンダーの移動方向を一致させた。(図9では、わかりやすいように、隔壁の長手方向がシリンダーの移動方向に対して垂直であるとしている。)使用した隔壁形成用ペースト95は先に組成を示したUV硬化型のものである。硬化剤の故に酸素障害があり、内部が硬化しても、表面の硬化はあまり進まず、粘着性が残る。本発明に使用する型の場合は、この粘着性を利用して転写を行う。ガラス基板97には電極(図示せず)と絶縁層(図示せず)が形成してあり、またアライメントマーク(図示せず)も形成してある。
【0039】
ガラス基板97を印刷機の印刷定盤(X―Y―Z―θ位置合わせ機構装備)99のうえに置き、真空吸着したのち、アライメントマークを使用して所定の位置にセットする。型にかかる背面圧は印刷定盤の高さ(z)を調製して設定する。通常は3〜8kg/cm (線圧)であるが、転写状況を見ながら5kg/cm に決定した。UV照射量は通常200〜2000m Jであるがこれも転写状況をみて1000m Jに決定した。
【0040】
この条件で転写不良がほとんど発生しなくなった。PDP隔壁として、高さ150μm、巾60μm、ピッチ210μmの隔壁形成用ペーストパターンが、ガラス基板に転写した。
【0041】
参考例3
平面状の型を使用し、通常のスクリーン印刷機を用いて版にペーストを充填し、改造したスクリーン印刷機を使用して隔壁を転写した例を述べる。(図10、11参照)
【0042】
通常のスクリーン印刷機を改装した部分はスキージ部と版枠部であり、スキージの替わりにゴムロール112をセットできる様にし、版枠111は、フィルム状のものを機上で所定のテンションをかけて張ることができ、かつ着脱が容易な構造にしたものである。
【0043】
型100として、参考例1で作成したものを使用した。隔壁形成用ペースト102としては、下記の組成のものを使用した。
低融点ホウ珪酸鉛ガラス粉末+骨材粉末 80重量部
ウレタンアクリレート
(アロニックスM1210:東亜合成社製) 5重量部
ポリエチレングリコールジアクリレート
(ライトアクリル9EG−A:共栄化学社製) 7重量部
イソブチルアクリレート
(AIB:大阪有機化学社製) 7.5重量部
ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスオキサイド
(イルガキュア−819:チバガイギー社製) 0.5重量部
隔壁の方向とスキージ101の方向が一致するようにした状態で、型のポリエステルフィルム(105)面を通常のスクリーン印刷機の印刷定盤(図示せず)に吸着し、硬化層であるニッケル107面の一端に隔壁形成用ペーストを置く(図10a )。メタルスキージをスクリーン印刷機のスキージホルダーに取付け角度30でセットし、それを他端へ移動して、隔壁形成用ペーストを型の凹部に充填する。ペースト粘度はおよそ40Pa・sであり、スキージの移動速度0、25cm/s、線圧0.1 kg/cm で良好な充填状態となった。すなわち、ニッケル面の上にはペーストがほとんど残らず、一方、型を押しつける力が強すぎて型の弾性部が大きく潰れてしまうことが、ない状態となった(図10b 、c)。なお、隔壁形成用ペーストをスキージで充填する場合の条件は隔壁形成用ペーストの粘度によって大きく異なり、粘度が高くなるにつれて充填することが難しくなる。通常は、ペースト粘度として60Pa・s程度が上限である。ただし、高粘度になるにつれて、ニュートン流体でなくなるので、例えば予備的なペースト練りによって充填性が改善されることがままある。スキージの角度はペースト粘度が高くなるに従って寝かせる方が、充填しやすくなる。しかし、型の上にペーストが残ってしまいがちになる。適当な条件はスキージの速度、圧力を変化させて決定する。
【0044】
隔壁形成用ペーストを充填した後、UVを照射して硬化した。この状態の型を、隔壁形成用ペースト面を下にして改良したスクリーン枠に固定した(図11a )。すなわち、スクリーン枠111として喰え部分があり、かつテンションをかけて張ることができるものである。これに上記の状態の型を取り付けた。電極を形成し、さらに厚さ15μmの粘着剤層を形成してあるガラス基板119を印刷定盤にセットし、型とのギャップを5mmとした。該粘着剤層は焼成すると絶縁層となるものであり、次の組成である。
低融点ホウ珪酸鉛ガラス粉末+骨材 65重量部
オリバインBPS8170(東洋インキ社製) 35重量部
ガラス基板の位置をアライメントマークを使用して所定の位置に合わせた。スキージ部分にロール112をセットしたスクリーン印刷機を使用した。端からロールを加圧移動すると、硬化した隔壁形成用ペースト114がガラス基板の方へ転写した(図11b)。
【0045】
なお、図11(c)のように転写の開始時にはギャップをとらずコンタクト状態としておき、転写が終了した部分の方の枠を持ち上げる方法もある。作業時間が若干長くなるが、アライメント精度が向上する。
【0046】
参考例4
PALCの基板を作成した。方法は参考例3とほとんど同一である。異なる点は、粘着剤層(厚さ10μm)としてオリバインBPS8170(東洋インキ社製)を単独で用いた点である。ガラス粉末や骨材を混合したものを用いると絶縁層が形成されるのでDC放電が必要なPALC用としては不適である。またこの絶縁層はバックライトを散乱してしまう点でも不適である。
粘着剤層の厚さは転写が確実に行われる範囲内で薄い方が好ましいが、通常は5μm以上必要である。逆に厚い場合は焼成時に隔壁が乱れずにガラス基板に融着するかどうかが問題であるが、実験では厚さ25μmであっても隔壁の形状は乱れなかった。この点も本発明の利点の一つである。
PALC基板についての実施例はここに示したものだけであるが、2つの要件(1)電極部を覆う絶縁層を形成しない(2)バックライトを散乱する層を形成しない、を満足する方法は本発明内の他の方法でも達成することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の隔壁形成方法は、雌型を使用し、その中に隔壁形成用ペーストを充填し、硬化してから転写する方法において、雌型として透き通し部を有し、弾性体層を裏打ち材とするものを使用した。その効果として、型の表面の硬度が高いので、スキージングをしっかり行っても凹んだり、よれたりしないので形状が優れた隔壁を形成することができる。裏打ち材がペーストの硬化物との剥離性・離型性が高いものを使用し、かつ加圧によってへこむので、硬化したペーストが押し出され、基板に確実に転写される。これによって、歩留まりが向上する。また、隔壁の巾が細くて、通常の型では転写時に中途で切断してしまうような場合でも、本発明の方法によれば転写することが可能になる。このようにして、高スループット、高歩留まりで高精細なPDP用、およびPALC用の隔壁を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPの構造例。
【図2】PALCの構造例。
【図3】平面状押圧型を使用する隔壁形成の例。
【図4】円筒状の押圧型の例。
【図5】円筒状押圧型を使用する隔壁形成。
【図6】特公平3−4398の印刷板(型)の一例
【図7】実施例1による型の形成法。
【図8】実施例2による型の形成法。
【図9】オフセット印刷機を使用したペースト充填・硬化・転写工程。
【図10】スクリーン印刷機を使用した型へのペースト充填。
【図11】改造スクリーン印刷機を使用した硬化ペーストの転写。
【図12】参考例1による型の形成法

Claims (9)

  1. 画像形成部となる透き通し部が形成してある表面硬化層と、該硬化層を構成する部材よりも硬度が低く、かつ隔壁形成用ペーストに対して剥離性を有する裏面弾性体層を貼り合わせ、該裏面弾性体層の上に、可撓性を有し、かつ熱膨張率が放電表示装置の基板の熱膨張率に近い材質の板を貼り合わせてなる印刷版を使用して放電表示装置の隔壁を形成する方法であって、隔壁形成用ペーストとして硬化性を有するものを用い、該隔壁形成用ペーストを該印刷版の透き通し部内にある状態で硬化し、次に該印刷版を放電表示装置の基板と合わせ、裏面から加圧して硬化した隔壁形成用ペーストを押し出し該基板に転写することを特徴とする、放電表示装置の隔壁形成方法。
  2. 請求項1に記載の印刷版を使用して放電表示装置の隔壁を形成する方法であって、隔壁形成用ペーストとして硬化性を有するものを用い、該隔壁形成用ペーストが該印刷版の透き通し部内にある状態で放電表示装置の基板と合わせ、合わせた状態で該隔壁形成用ペーストを硬化し、次に、裏面から加圧して硬化した隔壁形成用ペーストを押し出し該基板に転写することを特徴とする、放電表示装置の隔壁形成方法。
  3. 前記硬化性を有する隔壁形成用ペーストが、放射線硬化性、加熱硬化性2液硬化性あるいは乾燥硬化性を有するものであることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに記載の放電表示装置の隔壁形成方法。
  4. 前記放電表示装置の隔壁形成方法において、該硬化性を有する隔壁形成用ペーストを該印刷版の透き通し部内で硬化したのち、版の透き通し部分に接着剤を充填し、その面を被転写体である放電表示装置の基板の所定面と重ね合わせ、加圧して接着剤を基板の表面に密着した状態としたのちに接着工程を通し、最後に該印刷版と該基板を引き離して、硬化した隔壁形成用ペーストと接着剤とを該基板上に転写することを特徴とする請求項1あるいは3のいずれかに記載の放電表示装置の隔壁形成方法。
  5. 前記放電表示装置の隔壁形成方法において、該隔壁形成用ペーストの硬化の程度を該基板に転写が可能である接着性、粘着性を有するものとし、かつ転写前後で該隔壁形成用ペーストの形状が変化しない弾性体に硬化することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の放電表示装置の隔壁形成方法。
  6. 前記放電表示装置の隔壁形成方法において、該基板の表面に接着剤として、該印刷板の表面硬化層と接着しないもの、または硬化性接着剤であって硬化すると該印刷板と接着しないものを塗布したものを用い、該硬化した隔壁形成用ペーストを該基板に転写することを特徴とする、請求項1、2、3、あるいは5のいずれかに記載の放電表示装置の隔壁形成方法。
  7. 前記接着剤がガラスフリットまたはガラスフリットと無機材料を含み焼成によって隔壁材の一部として機能する特性を有するものであることを特徴とする、請求項4乃至のいずれかに記載する放電表示装置の隔壁形成方法。
  8. 請求項1乃至7の放電表示装置の隔壁形成方法に用いる印刷版であって、請求項1に記載の印刷版。
  9. 前記表面硬化層と前記板の材質が、共に、42鉄−ニッケル合金材あるいはインバー材であることを特徴とする請求項8に記載の印刷版。
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