JP3610309B2 - バレル研磨システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バレル槽を研磨装置とその他の付帯装置との間で移送しつつ、研磨工程及び研磨に関連する他の工程を連続して行うバレル研磨システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バレル研磨ではその付帯作業工程が多くて重労働なため、従来より自動化した研磨システムが提案されてきた。例えば特開昭62−166963には全自動高速遊星旋回式バレル研磨装置が開示されている。この装置は、バレル研磨とその付帯作業も含めて全自動化したものであって、マニピュレータによってバレル槽をバレル研磨装置に積み降ろしするとともに、コンベア上を搬送されるバレル槽に対してマス(ワーク及びワークを研磨するためのメディア)の取り出しや供給を自動で行い、さらにマスの調整等も自動で行うようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、バレル研磨の対象となるワークのなかには、多品種少量生産が要求されているものがあるが、この要求に対応するためには、バレル研磨及びそれに付帯する工程の順序をフレキシブルに変更できるシステムが必要である。
しかしながら、上記従来の研磨システムでは、直線状に延びるコンベアの搬送経路に沿って、バレル研磨装置、選別装置、メディア定量供給装置、その他の付帯装置を順次に配置し、コンベアによってバレル槽を一方向に搬送しつつ各装置による工程が順番に行われるようになっていた。
【0004】
そのため、一部の工程を省く工程の変更には対応できるものの、一部の工程を前後逆にするような工程順序の変更に対しては、そのままでは対応できず、各装置の配置を変更する必要があるが、装置の配置を変更することは容易ではない。したがって、従来の研磨システムでは、工程順序の変更に対してフレキシブルに対応することはできなかった。
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、複数の装置による工程を行うバレル研磨システムにおいて、工程順序の変更に対してフレキシブルに対応できるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、バレル槽を研磨装置と付帯装置との間又は付帯装置同士の間で順次に移送して複数種の工程を経るようにしたバレル研磨システムにおいて、前記バレル槽の保持及び解放が可能なハンド機構を有するロボットを、垂直方向の旋回軸を中心として間欠的に旋回し得るように設け、前記研磨装置と前記付帯装置を、前記ロボットの旋回領域内でかつロボット周りに配置するとともに、このロボットは研磨条件に応じて正方向旋回と逆方向旋回を選択的に行って工程順の入れ替えあるいは同工程内での付帯装置同士の選択が可能となっており、さらに、前記付帯装置は前記バレル槽に対し蓋を開放したりあるいは閉止させる着脱装置を備えており、かつこの蓋着脱装置には同装置内において待機され未加工の前記バレル槽に対し、その上方に保持されている前記蓋を下降させて被せ付けたり、あるいは加工済みの蓋付きバレル槽から前記蓋を把持しつつ上昇して前記蓋の取り外しを行う蓋着脱部を有する一方、前記研磨装置には、共にバレル槽の自転軸に固定され、前記バレル槽を載置させて昇降可能なピストンと前記蓋を押さえ付けて前記ピストンとの間で蓋付きバレル槽を挟圧するストッパとが備えられている構成とした。
【0007】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
ハンド機構で保持されたバレル槽は、ロボットの間欠的な旋回動作により、研磨装置と付帯装置との間または付帯装置同士の間を移送される。ロボットはバレル槽を保持したままで各装置を順次に通過する経路に沿って循環移動できるので、ロボットを停止させる位置と順番を適宜に設定することにより、各装置による工程の順序を任意に変更することができる。したがって、工程順序の変更に際して各装置の配置を変更する必要がない。
また、各装置の間を順次旋回する際に、ロボットの旋回方向を必要に応じて適宜反転させることにより、ロボットの旋回ストロークを小さく抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図25を参照して説明する。
[全体構成]
本実施形態のバレル研磨システムは、図1に示すように、中央にロボット10を配置し、そのロボット10を中心として遠心バレル研磨機20(本発明の構成要件である研磨装置)、乾燥機40(本発明の構成要件である付帯装置)、洗浄装置50(本発明の構成要件である付帯装置)、振動選別機60(本発明の構成要件である付帯装置)、メディア定量供給装置80(本発明の構成要件である付帯装置)、傾斜付フィーダー選別機90(本発明の構成要件である付帯装置)、バレル蓋着脱装置100(本発明の構成要件である付帯装置)、及びシステム全体を制御するための制御盤15(この制御盤15には、ロボット10及び全付帯装置とシステム全体の動作をプログラミングしたシーケンスが格納されており、このプログラムは研磨条件によって変更することができる。)を、反時計回りに順に並べて配置した構成になる。また、遠心バレル研磨機20とロボット10との間には加工済みバレル槽待機テーブル16が配置され、バレル蓋着脱装置100とロボット10との間には空網カゴ待機テーブル17(2段構成)が配置されている。さらに、洗浄装置50の背面側(ロボット10とは反対側)には洗浄装置50の付属機器としての濾過機54が配置されている。また、メディア定量供給装置80の背面側(ロボット10とは反対側)には、振動選別機60と傾斜付フィーダー選別機90において落下したメディアを吸引してメディア定量供給装置80に貯めるためのバキューム18が配置されている。
【0010】
[バレル槽A]
図6に断面で示すように、バレル槽Aは、上面が開口された有底円筒状をなす槽本体Bと、この槽本体Bの上面の開口を開閉するための円盤状の蓋Cとからなる。かかるバレル槽Aは、遠心バレル研磨機20においてピストン30とストッパ35との間で上下方向に挟圧されることにより自転軸27に対して一体回転し得るように保持される。槽本体Bの外周には、ロボット10のハンド13を横から把持させるための周方向の溝Dが形成されている。また、蓋Cの上面の中心にはストッパ35を当接させるための凹部Eが形成されている。
【0011】
[ロボット10]
図1〜図3に示すように、ロボット10は、ベース上において上下方向の旋回軸11を中心として正逆両方向(図1における時計回り方向と反時計回り方向)へ、且つ正方向と逆方向との間で旋回方向を自在に反転し得るように支承されたものであって、いわゆる6軸ロボット(例えば、(株)デンソー製のVM−60B1DM)と称されるものである。ロボット10の先端には、図3に示すように、互いに対応する内面がバレル槽Aの槽形状に合わせた円弧形とされた一対のハンド13と、この一対のハンド13を変位させるクランプシリンダ14とからなるハンド機構12が設けられている。一対のハンド13は、クランプシリンダ14の駆動により、図3(b)に示すように互いに接近してバレル槽A(又は、網カゴG)を保持する状態と、図3(a)に示すように互いに離間してバレル槽A(又は網カゴG)の保持を解除する状態との間で変位する。
【0012】
かかるロボット10は、旋回軸11を中心として旋回可能であるとともに、その6軸構造により、ハンド機構12をX軸、Y軸、Z軸の各方向(三次元的に)へ自在且つ機敏に移動させることができるとともに、ハンド機構12の向き(ハンド13で保持したバレル槽Aの姿勢)を三次元的に変化させることができるようになっている。なお、ロボット10は6軸構造である必要はなく、各付帯装置間でバレル槽Aを移送できるものであればよい。
【0013】
[遠心バレル研磨機20]
図4〜図7に示すように、フレーム21に回転可能に支持した公転軸22には、モータ23の駆動力が、減速機構24、及びプーリとベルトによる伝達機構25を介して伝達され、公転軸22に固着した円盤状の公転ターレット26が回転される。公転ターレット26には、同心円周上に4つの自転軸27が回転可能に支持され、この自転軸27は、その下端の自転用プーリ28aと公転軸22の下部軸受に設けた固定プーリ28bとの間に自転用ベルト28cを掛けまわしてなるプーリ機構28により、公転ターレット26と一体に公転しつつその公転ターレット26上で自転する。
【0014】
各自転軸27の上端にはシリンダ29が一体回転するように設けられ、シリンダ29内にはピストン30が上下移動し得るように嵌装されている。ピストン30の上端にはバレル槽Aを載置するための載置板31が一体回転するように固定されている。尚、シリンダ29は、蛇腹状の保護部材32により、飛散した水等がかからないように保護されている。
ピストン30は、公転軸22の下端のジョイント(図示せず)、公転軸22の内部の流路(図示せず)、公転軸22の上端に接続したホース(図示せず)、各自転軸27の下端のジョイント33、自転軸27の内部の流路34を順に通り、シリンダ29の内部におけるピストン30よりも下方の作動空間に供給される加圧空気により、上方へ駆動されるようになっている。
【0015】
自転軸27には、門型のストッパ35が一体回転し得るように設けられている。ストッパ35は、一対の上下方向の脚部35aと、この両脚部35aの上端の間に差し渡した水平支持部35bとからなり、水平支持部35bには、自転軸27と同軸状に位置するとともに下方へ突出するピン状の受け部材35cが固定されている。
両脚部35aの互いに対向する内面は、平坦状をなすとともに、ピストン30の移動方向と平行をなす規制面35dとされており、載置板31の周縁部には、ピストン30の昇降に伴って両規制面35dに摺接可能な平坦状の係止面31aが形成されており、この平坦な係止面31aと規制面35dとの当接により、脚部35aに対する載置板31の相対回転、即ちストッパ35及び自転軸27に対するバレル槽Aの相対回転が規制されている。
【0016】
公転軸22の上端を支持する梁には、ロッド36aを下向きにした保持解除用エアシリンダ36が固定されている。ロッド36aの下端には、ストッパ35の水平支持部35bを跨ぐような二股形態の押し下げ部材36bが固定されており、この押し下げ部材36bは、水平支持部35bと干渉することなく、ピストン30に載置されているバレル槽Aの蓋Cに対して上から押圧するようになっている。また、ピストン30にバレル槽Aを載置した状態では、そのバレル槽Aの外周と両脚部35aの内面との間には、ロボット10のハンド13を進入させるための空間が確保されている。
【0017】
研磨開始に当たっては、まず、ロボット10で保持されたバレル槽Aが各ピストン30に載置され、全てのピストン30にバレル槽Aが載置された後、ピストン30が上昇駆動される。すると、各バレル槽Aは、ストッパ35の受け部材35cとピストン30との間で上下に挟まれ、自転軸27に対して同心に配置された状態で一体回転可能に保持される。
この状態から、公転ターレット26を回転させるとともに各自転軸27を自転させると、ピストン30、バレル槽A及びストッパ35が自転軸27と一体となって回転し、この回転によって生じる遠心力により、バレル槽A内のワーク(被加工物)がメディアによって研磨される。
【0018】
一定時間の研磨が完了すると、公転ターレット26が微速回転し、公転ターレット26の周縁部に設けたドッグ(図示せず)が近接スイッチ(図示せず)で検知されたところで、公転ターレット26を停止させると同時に、モータ23に原点ONの指令を出す。モータ23はこの原点指令に基づいて所定の角度だけ回転し、いずれか1つのバレル槽Aを保持解除用エアシリンダ36の真下に位置させる。そして、ピストン30の作動空間への加圧空気の供給が停止され、保持解除用エアシリンダ36の押し下げ部材36bが下降してバレル槽Aの蓋Cの上面を押圧する。これにより、バレル槽Aとピストン30が一体となって強制的に押し下げられ、バレル槽Aの蓋Cとストッパ35の受け部材35cとの間に上下方向の隙間が空く。次に、ロボット10のハンド機構12が、バレル槽Aを把持して水平方向へ移動させつつピストン30(自転軸)から取り出す。かかる工程を、各バレル槽Aに対して順次に行う。
【0019】
[乾燥機40]
図8〜図10に示すように、乾燥機40は駆動部41と網カゴ受部42とからなる。駆動部41は、エアー取入口41aと、ヒーター41bと、エアーを吸引するブロワー41cと、排出口41dと、これらを接続するホース41eとを備えて構成されている。一方、網カゴ受部42は、網カゴGを4個収容可能な胴体42aと、シリンダ42cにより開閉される蓋42bとからなる。胴体42a内には、網カゴGが収容される有底円筒状をなす4つの筒42dが設けられている。この筒42dの下部は網目状となっていてその網目部分にはフィルター42eが取り付けられている。また、胴体42aの下方の背面には逆止弁42fが設けられている。さらに、蓋42bの背面には、ホースジョイントボックス42gが設けられ、ヒータ41bから出るホース41eと接続されると共に、蓋42bの内側(蓋42bを閉じたときにその蓋42bと胴体42aによって囲まれる空間内)へ連通されている。
【0020】
網カゴGは、有底筒状をなし、その外周上端部にはクランプ用フランジHが設けられている。かかる網カゴGは、そのクランプ用フランジHの下端を筒42dの上端開口縁に係止させた状態で筒42d内に収容される。尚、後側の筒42dの上端の開口には高さを稼ぐためのリングフランジ42hが設けられ、このリングフランジ42hに網カゴGのクランプ用フランジHを引っ掛けると、その後側の網カゴGが、前側の網カゴGよりも高くなり、ハンド機構12による後側の網カゴGの着脱が行い易いようになっている。
【0021】
この乾燥機40に網カゴGを収容した状態で駆動部41を作動すると、エアー取入口41aより入ったエアーはヒーター41bで暖められ、ホースジョイントボックス42gより蓋42b内に入る。網カゴGにはワーク(図示せず)またはマス(図示せず)が入っており、暖められたエアーは網カゴG内を通って、筒42d下部のフィルター42eより出る。この時、ワークまたはマスはブロワー41cからの吸引気流により減圧状態下となり、さらに暖められたエアーにより乾燥される。吸引されたエアーはブロワー41cを通って排出口41dより排気される。胴体42aの底部にはワークまたはマスに付着した液滴が落ちるが、逆止弁42fから排出できる。なお、この逆止弁42fの作用により、外気を吸引してしまうことが防止されている。
【0022】
乾燥が終了したら蓋42bを開け、ロボット10で網カゴGを順に取り出す。そして次の網カゴGを空いたところへ置く。なお、乾燥対象網カゴGが2つの場合は他の2つの筒42dにはメクラ蓋(図示せず)をして吸引気流が通らないようにしておく。
[洗浄装置50]
図12〜図14に示すように、洗浄装置50は、シャワー部51、粗洗浄部52、及び仕上洗浄部53とを備えて構成される。シャワー部51では網カゴGを収容するフランジ付のカゴ受51aがあり、収容された網カゴGに対しノズル部51bが臨むようになっている。このノズル部51bは網カゴGを取り出せるように水平方向へ旋回できるようになっている。ノズル部51bは、下方向きの洗浄カゴ内シャワーリングノズル51c、上向きのバレル槽内シャワーリングノズル51d、及び上向きのバレル槽内エアーシャワーリングノズル51eの3構成となっている。また、ノズル部51bの背面には槽内エアーシャワーリングノズル51eにエアーを送るエアー配管51fと、槽内に溜まった廃水を抜くドレン51gと、シャワーリングノズル51c,51dに送水する洗浄水配管51hとが設けられている。
【0023】
粗洗浄部52は、インデックスモーター52aと、このインデックスモーター52aの下方軸に固着されて網カゴGを4個収容可能とされたターレット52bと、そのターレット52bをガイド52cに沿って上昇下降させるシリンダー52dと、ターレット52bの下方に設けた洗浄槽52eとから構成される。洗浄槽52eの底部には超音波振動子52fが設けられ、この超音波振動子52fの上にはエアー暴気ノズル52gが取り付けられている。この超音波振動子52fとエアー暴気ノズル52gにより、洗浄槽52e内に溜められた洗浄液に超音波振動と暴気作用が与えられ洗浄効果を高める。尚、これらは洗浄目的に応じて使い分けられる。また、この洗浄槽52eの背面には、エアー暴気ノズル52gへエアーを送給する配管52hと、洗浄液を排出するドレン52iと、洗浄液を濾過機54へ送水する配管52jが設けられている。
【0024】
仕上洗浄部53は、基本的に粗洗浄部52と同様に、インデックスモーター53aと、このインデックスモーター53aの下方軸に固着されて網カゴGを4個収容可能とされたターレット53b(尚、この仕上洗浄部53のターレット53bは粗洗浄部52のそれよりも高い位置となっている。)と、そのターレット53bをガイド53cに沿って上昇下降させるシリンダー53dと、ターレット53bの下方に設けた洗浄槽53eとから構成される。洗浄槽53eの底部には超音波振動子53fが設けられ、この超音波振動子53fの上にはエアー暴気ノズル53gが取り付けられている。この超音波振動子53fとエアー暴気ノズル53gにより、洗浄槽53e内に溜められた洗浄液に超音波振動と暴気作用が与えられ洗浄効果を高める。尚、これらは洗浄目的に応じて使い分けられる。また、この洗浄槽53eの背面には、エアー暴気ノズル53gへエアーを送給する配管53hと、洗浄液を排出するドレン53iと、濾過機54より濾過された洗浄水を洗浄槽内に送水する配管53jが設けられている。
【0025】
この洗浄装置50のシャワー部51に網カゴGを入れて、粗洗浄部52、仕上洗浄部53の順に動作させる場合について説明する。まず、ロボット10が蓋なしのバレル槽Aをシャワー部51上で傾けてマス(ワーク)を網カゴGへ排出する。バレル槽Aの口部を完全に逆さまにし、またバレル槽Aの中心とノズル部51bの中心がほぼ一致するように、またノズル部51bが旋回できるように隙間を開けてバレル槽Aを把持する。ノズル部51bが旋回してバレル槽Aと網カゴGに臨む。ノズル部51bより洗浄液がバレル槽Aと網カゴGに向けて噴出される。尚、乾式研磨の場合は、洗浄後、エアーシャワーをバレル槽Aに向けて吹き付けることによってバレル槽Aを乾燥する。その後、バレル槽Aはロボット10によりバレル槽待機部119に置かれる。次に、ロボット10は、シャワーリングされたマス(ワーク)入の網カゴGを粗洗浄部52のターレット52bへ置く。
【0026】
粗洗浄部52では一定の洗浄液が溜められており、シリンダー52dによってターレット52bが下降し、網カゴGが洗浄液に浸漬される。超音波振動子52fまたはエアー暴気ノズル52gによって洗浄液が活性化され、網カゴG内のマス(ワーク)が一定時間洗浄される。シリンダー52dによってターレット52bが上昇し、インデックスモーター52aによりターレット52bが回転し、空いたところへ次の網カゴGが載せられる。この後、シリンダー52dによってターレット52bが下降する。
【0027】
以降、この動作の繰り返しとなる。なお、洗浄液はポンプ(図示せず)で濾過機54へ送られて洗浄される。
仕上洗浄部53でも一定レベルの洗浄液が溜められているが、ここでは粗洗浄部52より水位が高くなっている。尚、水位が一定レベルを超えたら、洗浄液は、粗洗浄部52側へオーバーフローされるようになっている。ここでもシリンダー53dによってターレット53bが下降し、網カゴGが洗浄液に浸漬される。超音波振動子53fまたはエアー暴気ノズル53gによって洗浄液が活性化され、網カゴG内のマス(ワーク)が一定時間洗浄される。シリンダー53dによってターレット53bが上昇し、インデックスモーター53aによりターレット53bが回転し、空いたところへ次の網カゴGが置かれる。この後、シリンダー53dによってターレット53bを下降させる。以降、この動作の繰り返しとなる。
【0028】
尚、粗洗浄部52から濾過機54に入った洗浄液は濾過機54で濾過されて仕上洗浄部53に入り、仕上洗浄部53のオーバーフロー水は粗洗浄部52に入るので、粗洗浄部52と仕上洗浄部53との間で洗浄液が循環流動することになる。
[振動選別機60]
図15〜図17に示すように、振動選別機60は、ベース61上にバネ62を介して箱体63を弾性的に支持したものであり、箱体63の下面には振動モーター64が2基傾斜して取付けられている。箱体63の略中間高さにはスクリーン65が水平に設けられ、このスクリーン65によってマスがメディアとワークとに分けられる。箱体63の上面における上流側(図15及び図16における左側)領域にはホッパー66が固定されており、ここへマスが投入される。ホッパー66内にはバレル槽洗浄ノズル66aが設けられ、バレル槽Aからマスを排出した場合にバレル槽A内の洗浄ができるようになっている。さらに、箱体63の上面における下流側領域には、内部にシャワー67aが設けられた枠67が固定され、このシャワー67aの下を通るマスに対して簡単な洗浄を行うようになっている。また、スクリーン65のうちこの枠67に対応する領域だけが網目域となっていて、ここでワークとメディアの選別が行われる。スクリーン65の上面には箱体63の上面と同じ高さの仕切堰68が進行方向に亘って設けられ、この仕切堰68におけるホッパー66と対応する領域には、ホッパー66と同じ高さの仕切板69が立設されている。また、スクリーン65の下流端はワークの排出口70となっており、排出口70の下方には、網カゴGを掛止させるためのフランジ71が、防錆槽72の上に取り付けられた状態で設けられている。また、箱体63の下流端にはメディア等の排出路73が、スクリーン65上におけるワークやメディアの搬送方向に対して直角方向に設けられている。この排出路73の下方にはメディア回収ホッパー74が設けられており、そのメディア回収ホッパー74の下部から延出したホース(図示せず)はメディア定量供給装置80へ接続されている。
【0029】
この振動選別機60の動作説明をする。選別に際し、振動モータ64により箱体63やスクリーン65等を振動させておく。ロボット10によって搬送されてきたバレル槽Aはホッパー66内で反転され、そのバレル槽A内のマスがホッパー66内に排出される。バレル槽Aは、ロボット10に保持されたまま、バレル槽洗浄ノズル66aによって槽内洗浄を受け、洗浄が完了したらバレル槽待機部119へ置かれる。ホッパー66内に排出されたマスは、振動によってホッパー66からスクリーン65上を下流へ向かって進行し、その途中で簡単なシャワー洗浄を受け、その後、スクリーン65における枠67の下方の網目域においてワークとメディアとに選別される。即ち、網目より小さいメディアは、その網目を通過して箱体63内に落下し、その箱体63の底面上を振動により下流側へ進行して排出路73に至り、ここからメディア回収ホッパー74へ排出される。一方、網目より大きいワークは落下せずにスクリーン65上を進行し、排出口70からフランジ71に掛止されている網カゴGに入る。この網カゴGは防錆液が溜められた防錆槽72中に浸漬されているため、錆やすいワークも錆びることがない。網カゴGに落下したワークが一定量(例えば2槽分)になったら、ロボット10がその網カゴGのクランプ用フランジHを把持し、網カゴGを他の付帯装置へ搬送する。尚、乾式研磨の場合は、選別も乾式で行われるのでシャワー洗浄や防錆槽72内の防錆液は必要ない。以上は、バレル槽A内のマスをホッパー66へ投入した場合について説明したが、網カゴG内のマスをホッパーへ投入するときも同様に行う。
【0030】
[メディア定量供給装置80]
図18及び図19に示すように、メディア定量供給装置80は、基台81上に載置されたロードセル82と、振動フィーダー83と、ホッパー84と、タンク85とを備えて構成される。また基台81の横には、振動選別機60又は傾斜付フィーダー選別機90のいずれかのメディア回収ホッパー74,94より吸引したメディアを送給するための2つのホース口86と、振動選別機60とフィーダー選別機90のうちいずれか一方の選別機60,90を吸引元とするかを切り替えるための切換え機87とが設けられており、この切換え機87を通過したメディアがタンク85へ送られるようになっている。また、タンク85の上部には、バキューム18に接続するためのホース85aが接続されている。タンク85の下部には、シリンダー85dによって開閉される蓋85bが設けられている。ホッパー84の下部は、隙間を介して振動フィーダー83の上面に取付けられた供給ホッパー85cに臨んでいる。供給ホッパー85c及び振動フィーダー83は、振動フィーダー83の底面に取付けられた跳ね上げシリンダー83aによって先端が跳ね上げられるようになっている。また、図示はしないが、このメディア定量供給装置80には、バレル槽Aへのコンパウンド供給タンク及び供給ノズル、水供給ノズルも設けられている。
【0031】
この装置の動作説明をする。バキューム18の吸引作用により、傾斜付きフィーダー選別機90と振動選別機60とのいずれかのメディア回収ホッパー74,94からメディアが吸引されてタンク85内に入る。前工程で振動選別機60を使用し、後工程で傾斜付フィーダー選別機90を使用する場合は、切換え機87によって吸引するホース86を切換える。タンク85の蓋85bをシリンダー85dで開き、ホッパー84内にメディアを貯める。ロボット10がワーク入りのバレル槽Aをロードセル82上に置いて、振動フィーダー83を作動させると、ホッパー84と供給ホッパー85cの隙間よりメディアが供給ホッパー85cへ流れて供給ホッパー85c上を振動搬送されながらバレル槽Aに入る。バレル槽Aへの供給量が一定重量になったことをロードセル82が検知すると、跳ね上げシリンダー83aによって供給ホッパー85cの先端が跳ね上げられるとともに、振動フィーダー83が停止し、メディアの供給がストップする。すると、ホッパー84の隙間からはこれ以上メディアが流れなくなる。次に、図示しないコンパウンドノズルと水供給ノズルからコンパウンドと水をバレル槽Aに定量ずつ供給する。以上により、マスの投入が終了する。この後、ロボット10はバレル槽Aを把持しバレル蓋着脱装置100へ置く。なお、乾式研磨の場合はコンパウンドや水の供給は行わない。
【0032】
[傾斜付フィーダー選別機90]
図20〜図22に示すように、傾斜付フィーダー選別機90は、ベース91上に傾斜角度可変に支持した振動フィーダー92を備えている。振動フィーダー92の上には第1傾斜板93aが取付けられ、この第1傾斜板93aの上方には第2傾斜板93bが設けられ、更にこの第2傾斜板93bの斜め上方には第3傾斜板93cが取付けられている。第1傾斜板93aの下端の下方にはメディア回収ホッパー94が置かれ、その下部からはホース94aが出ていてメディア定量供給装置80へ接続されている。また、第1傾斜板93aの上端の下方には、ワーク取り出し箱95が設けられている。ワーク取り出し箱95はガイド96に沿ってロッドレスシリンダー97により、第1傾斜板93aの上端と対応する位置と、この上端との対応位置を挟んだ2位置との間で、つまり3位置の間で水平に往復移動する。また、ベース91には、振動フィーダー98と、マス投入ホッパー99aと、マス投入ホッパー99aから出たマスを第3傾斜板93cに供給する供給ホッパー99bとが設けられている。
【0033】
この装置の動作説明をする。マス投入ホッパー99aへ投入されたマス(非球状のワークと球状のメディア)は、振動フィーダー98の振動によって供給ホッパー99b上を分散されつつ移動して第3傾斜板93cに落ちる。この第3傾斜板93c上では、球状のメディアは下方へ、非球状のワークは逆に上方へ昇っていく。傾斜板が1段の場合には、メディア中にワークが抱き込まれたり、ワーク中にメディアが抱き込まれて搬送される虞があるが、本実施形態では、傾斜板を多段構成とし、第3傾斜板93cから第2傾斜板93bへ、さらに第1傾斜板93aへと順に落下させて衝撃を与えるようにしているので、上記のような抱き込みが発生しても、その抱き込みが解かれるようになっている。
【0034】
さて、第1傾斜板93aの下端から落ちたメディアはメディア回収ホッパー94に入り、バキューム18によりメディア定量供給装置80へ送られる。一方、ワークは第1傾斜板93aの上端から落ちてワーク取り出し箱95に入る。選別が完了すると、ロッドレスシリンダー97が作動し、ワーク取り出し箱95を作業者側(図1及び図2における下方)へスライドさせる。作業者は、この送られてきたワークを取り出す。
【0035】
[バレル蓋着脱装置100]
図23〜図25に示すように、バレル蓋着脱装置100は、ベース101上に設けた4つのリング状をなすフランジ102を備える。各フランジ102は、ここにバレル槽Aの槽本体Bまたは蓋Cのみを置いたときにそれらが嵌合するようになっている。各フランジ102の内部には、配管104を共通とする4つの洗浄ノズル103が上方に向けられて設けられている。また、ベース101上に設けた支柱105にはガイド106が2本水平方向に設けられ、このガイド106には、蓋着脱部107がモーター108によって水平方向移動し得るように支持されている。蓋着脱部107は、上下動可能な蓋置きシリンダー109と、この蓋置きシリンダー109に固定された上下動シリンダー110と、この上下動シリンダー110のロッド111の下端にステー112を介して固着されたチャックシリンダー113と、このチャックシリンダー113によって蓋Cを把持する状態と把持を解除する状態との間で変位する3つ爪チャック114とから構成される。
【0036】
支柱105の上部の水平フレーム115には、バレル槽待機部119が設けられている。バレル槽待機部119は、4つのバレル槽Aを載置可能な移動テーブル116が、ロッドレスシリンダー117によりガイド118に案内されつつスライドし得る構成とされている。
以上の構成に基づいて動作説明する。フランジ102上に載置された未加工バレル槽A(未加工ワークの入ったバレル槽A)はロボット10に把持されて遠心バレル研磨機20へ搬送される。加工済みバレル槽待機テーブル16に置かれている加工済みバレル槽A(加工済みワークの入ったバレル槽A)は、ロボット10に把持されてフランジ102上に置かれる。次に、蓋着脱部107の3つ爪チャック114がフランジ102上のバレル槽Aの蓋Cを外すと、ロボット10が蓋Cなしのバレル槽Aを把持し、選別、洗浄等のためにマスを各装置にて排出する。排出が終わると、ロボット10は、蓋Cなしのバレル槽Aをバレル槽待機部119の移動テーブル116に載せる。一方、蓋Cは、3つ爪チャック114に把持されたまま蓋置きシリンダー109によって下端まで降り、フランジ上で3つ爪チャック114から解放されてフランジ102に置かれる。次いで、蓋置きシリンダー109が上昇し、蓋着脱部107が水平移動し、フランジ102上の他のバレル槽Aについて上記と同様の工程を行う。
【0037】
全ての蓋Cなしのバレル槽Aがバレル槽待機部119に載置され、全ての蓋Cがフランジ102上に置かれると、洗浄ノズル103によって蓋Cの洗浄が一斉に行われる。洗浄後は、エアーブローによって乾燥も行われる。その後、蓋の1つがチャック上昇して待機する。一方、移動テーブル116上の蓋Cなしのバレル槽Aは、ロッドレスシリンダー117の作動により作業者側(図1における下方、図25における右側)へ移動し、この蓋Cなしのバレル槽A内に未加工ワークが作業者により投入される。投入後、再びロッドレスシリンダー117が動き、この未加工バレル槽Aが元の位置に戻る。次に、この蓋Cなしの未加工バレル槽Aはロボット10に把持されてメディア定量供給装置80へ移送され、ここで未加工バレル槽Aにメディア等が投入される。投入が完了したら、蓋Cなしの未加工バレル槽Aは、ロボット10に把持されることによりバレル蓋着脱装置100に戻され、3つ爪チャック114に把持されて上方で待機している蓋Cの下方のフランジ102に置かれる。この後、上下動シリンダー110が下動して蓋Cなしの未加工バレル槽Aに蓋Cが被せられる。この工程は、他のバレル槽Aについて順次に行われる。こうして未加工バレル槽Aの調整が終り、次の加工に備えここで待機する。
【0038】
また、研磨によりワークの脱脂が必要な場合は、未加工バレル槽Aを洗浄装置50へ搬送し、ここでワークを排出してそのワークに付着したプレス油等を除去する。その間、シャワー部51でバレル槽Aをシャワーリング、乾燥してバレル槽待機部119に戻す。この後、乾燥済みワークの入った網カゴGをロボット10が把持し、バレル槽待機部119に置かれているバレル槽Aに投入する。投入後は、網カゴGを洗浄装置50へ戻す。乾燥済みワークの入ったバレル槽Aは、メディアを投入するため、メディア定量供給装置80へ移送される。メディアの投入が完了したらバレル蓋着脱装置100にて蓋Cをし、未加工バレル槽Aとして待機する。
【0039】
[工程例1(研磨完了→振動選別→洗浄→乾燥)]
以上の装置構成において、ワークとメディアのサイズが互いに異なる場合の一般的な湿式バレル研磨工程について、図1を参照して説明する。なお、説明の便宜上、初期状態では、遠心バレル研磨機20にバレル槽Aが4つ装着されているとともに、4つの未加工バレル槽Aがバレル蓋着脱装置100に置かれているものとする。つまり、バレル槽Aはこのシステム内には合計8個あることになる。また、空の網カゴGは、空網カゴ待機テーブル17(上下2段構成)に9つ、振動選別機60の排出端に2つ、そして洗浄装置50のシャワー部51に1つ、合計12個システム内にあるという前提で説明する。
【0040】
[遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え]
バレル研磨が終了して遠心バレル研磨機20が停止すると、ロボット10は、そのハンド13で遠心バレル研磨機20の加工済みバレル槽Aを把持して加工済みバレル槽待機テーブル16に降ろし、次いで、図1の時計回り方向(以下に述べる回転方向は図1を基準とする)へ約90°旋回してバレル蓋着脱装置100の未加工バレル槽Aを把持し、次いで、反時計回り方向へ旋回して未加工バレル槽Aを遠心バレル研磨機20の空いているピストン30上に載置する。この後、遠心バレル研磨機20の公転ターレット26がインデックス回転し、次の加工済みバレル槽Aがロボット10と対応する手前位置に来るので、上記と同様の手順によりロボット10がバレル槽Aの着脱を4回繰り返す。未加工バレル槽Aの装着が完了したら遠心バレル研磨機20を起動し、次の加工に入る。
【0041】
[加工済みマスの選別処理]
遠心バレル研磨機20で研磨が行われている間、ロボット10は、加工済みバレル槽待機テーブル16上の加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向に旋回して加工済みバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100へ移送する。移送後は、反時計周り方向へ旋回し、上記工程を繰り返して、全ての加工済みバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100へ移送する。
バレル蓋着脱装置100では蓋Cが取り外される。その後、ロボット10は、蓋Cなしの加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、振動選別機60において蓋Cなしの加工済みバレル槽Aを反転させてその中のマスをホッパー66に投入する。このとき、振動選別機60は既に稼動済みとなっており、ホッパー66の側壁に設けられた洗浄ノズル66aによってバレル槽A内が洗浄される。次に、ロボット10は、反時計周り方向へ約120°旋回し、洗浄済みバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100のバレル槽待機部119へ置く。この動作を全部で4回繰り返す。なお、振動選別機60の排出口70で待機している網カゴGは2槽分のワークしか収容できないため、加工済みバレル槽Aからマスをホッパー66へ投入するときは左右交互に投入する。
【0042】
[粗洗浄処理]
次に、ロボット10は、バレル蓋着脱装置100から振動選別機60へ時計回り方向へ約120°旋回し、2槽分のワークの入った網カゴGを把持し、さらに時計回り方向へ僅かに旋回して粗洗浄部52に置く。1つのワーク入の網カゴGをセットしたら、粗洗浄部52をインデックス回転し、他方のワーク入網カゴGをセットする。この状態で一定時間粗洗浄する。
[仕上洗浄処理]
粗洗浄が完了したら、粗洗浄部52がインデックス回転し、その後、ロボット10は、粗洗浄済みの網カゴGを取り出し、時計回り方向へ僅かに旋回してその粗洗浄済みの網カゴGを仕上洗浄部53へ置く。仕上洗浄部53でも、粗洗浄部52同様にインデックス回転するため粗洗浄済み網カゴGが順に収容され、一定時間仕上洗浄する。
【0043】
[乾燥処理]
仕上洗浄が完了したら、仕上洗浄部53がインデックス回転し、その後、ロボット10は、仕上洗浄済みの網カゴGを取り出し、時計回り方向へ約30〜60°旋回してその仕上洗浄済みの網カゴGを乾燥機40へ2つ順に置く。なお、乾燥機40は4つの網カゴGを収容できるが、網カゴGのないところはメクラ蓋をしておく。そして一定時間乾燥する。
[未加工マスの投入処理]
洗浄と乾燥を行っている間、バレル蓋着脱装置100では4つの蓋Cが装置上に置かれた状態となっており、下部からの洗浄ノズル103によって4つの蓋Cが同時に洗浄される。また、バレル槽待機部119に置かれている4つのバレル槽Aは作業者側へ移動され、次の未加工ワークが投入される。投入が終わったら、ロボット10は、その未加工ワーク投入済みのバレル槽Aを1つ把持し、時計回り方向へ約90°旋回してそのバレル槽Aをメディア定量供給装置80のロードセル82上へ置く。
【0044】
すると、振動選別機60から落下してバキューム18の吸引によりメディア定量供給装置80に貯められているメディアが、ロードセル82上に置かれたバレル槽Aに投入される。尚、メディア定量供給装置80には予備のメディアも貯められている。また、このメディア定量供給装置80では水とコンパウンドもバレル槽Aに供給される。ロードセル82が、バレル槽Aへの供給量が所定の重量に達したことを検知すると、投入が完了する。この後、ロボット10は、メディア定量供給装置80のバレル槽Aを把持し、バレル蓋着脱装置100まで反時計回り方向へ約90°旋回し、上方で待機している蓋Cの下に槽本体Bを置く。この後、その槽本体Bに蓋Cが被せられ、そのバレル槽Aはこの位置で未加工バレル槽Aとして待機することになる。この動作は全部で4回繰り返される。その後、ロボット10は、バレル蓋着脱装置100から反時計回り方向へ約120〜150°旋回して乾燥機40の前で待機する。
【0045】
[乾燥済みワークの処理]
乾燥機40が停止すると、ロボット10は、乾燥済みの網カゴGを把持し、約180°旋回してその網カゴGを傾斜付フィーダー選別機90のワーク取り出し箱95まで搬送し、ここで網カゴGを反転させてその中のワークをワーク取り出し箱95へ排出する。この後、ロボット10は、空になった網カゴGを把持したままで時計回り方向へ約90°旋回し、その網カゴGを振動選別機60の排出口70の下に置く。もう1つの乾燥済み網カゴGについても、同様に処理する。乾燥された加工済みワークを収容したワーク取り出し箱95は作業者のところへスライドし、ここで、箱からワークが取り出される。以上により、一連の工程が終了する。以降は上記工程が繰り返される。
上記は、動作をわかりやすくするため、網カゴGを排出口70の下に戻したが、各工程の処理時間の差により網カゴGが足りなくなった時は、前もって網カゴGは空網カゴ待機テーブル17より補給され、最後の網カゴGを空網カゴ待機テーブル17に戻すことになる。
【0046】
以上の各工程により、ワークはバリ等のないように仕上げられる。
[工程例2(研磨完了→洗浄→振動選別→乾燥)]
次にワークとメディアのサイズが異なる場合でワーク及びメディアの汚れが酷い場合の湿式バレル研磨工程について、図1を参照して説明する。尚、初期状態におけるバレル槽Aの位置と数、及び網カゴGの位置と数は、上記工程例1と同じである。
[遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え]
この遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替えは、上記工程例1における「遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え」と同じ工程であるので、説明は省略する。
【0047】
[加工済みマスの網カゴGへの入れ替え処理及び粗洗浄処理]
遠心バレル研磨機20で研磨が行われている間、ロボット10は、加工済みバレル槽待機テーブル16上の加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向に旋回して加工済みバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100へ移送する。移送後は、反時計周り方向へ旋回し、上記工程を繰り返して、全ての加工済みバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100へ移送する。
【0048】
バレル蓋着脱装置100では蓋Cが取り外される。その後、ロボット10は、蓋Cなしの加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、そのバレル槽Aを反転させてその中のマスを洗浄装置50のシャワー部51の網カゴGへ投入する。ここでは、バレル槽内シャワーリングノズル51dと洗浄カゴ内シャワーリングノズル51cによって、バレル槽Aの洗浄と網カゴG内のマスの洗浄が行われる。次に、ロボット10は、この洗浄済みバレル槽Aを把持し、反時計回り方向へ約120°旋回し、そのバレル槽Aをバレル槽待機部119へ置く。次いで、ロボット10は、時計回り方向へ約120°旋回してシャワー部51へ戻り、ここでシャワーリング済みの網カゴGを把持し、時計回り方向へ僅かに旋回し、そのシャワーリング済みの網カゴGを粗洗浄部52に置く。シャワーリング済みの網カゴGをセットしたら、粗洗浄部52をインデックス回転して次のセットに備える。
【0049】
次に、ロボット10は、粗洗浄部52から約180°旋回し、空網カゴ待機テーブル17上にある空の網カゴGを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、その網カゴGを洗浄装置50のシャワー部51に置く。次いで、ロボット10は、反時計回り方向へ約120°旋回してバレル蓋着脱装置100に戻り、ここで蓋Cが外されている加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、その加工済みバレル槽Aの中のマスをシャワー部51の網カゴGへ投入する。シャワー部51では、バレル槽内シャワーリングノズル51dと洗浄カゴ内シャワーリングノズル51cにより、バレル槽Aの洗浄と網カゴG内のマスの洗浄が行われる。
【0050】
この後、ロボット10は、シャワー部51において洗浄済みバレル槽Aを把持し、反時計回り方向へ約120°旋回し、その洗浄済みバレル槽Aをバレル槽待機部119へ置く。次いで、ロボット10は、時計回り方向へ約120°旋回してシャワー部51へ戻り、シャワーリング済み網カゴGを把持し、時計周り方向へ僅かに旋回し、そのシャワーリング済み網カゴGを粗洗浄部52に置く。すると、粗洗浄部52がインデックス回転して次のセットに備える。この動作が全部で3回繰り返される。最後に、ロボット10は、次の加工のために、反時計回り方向へ約150°旋回し、空網カゴ待機テーブル17上にある空の網カゴGを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、その空の網カゴGをシャワー部51にセットする。
【0051】
[仕上洗浄処理]
仕上げ洗浄工程は、上記工程例1の「仕上洗浄工程」と同じであるので、説明は省略する。
[選別処理]
仕上洗浄が完了したら、ロボット10は、仕上洗浄済み網カゴGを把持し、反時計回り方向へ約60°旋回し、その仕上洗浄済み網カゴGの中のマスを振動選別機60のホッパー66に投入する。このとき振動選別機60は既に稼動済みとなっている。次に、ロボット10は、空になった網カゴGを把持したままで反時計回り方向へ約120°旋回し、その空の網カゴGを空網カゴ待機テーブル17へ置く。この動作は全部で4回繰り返される。なお、振動選別機60の排出口70の下で待機している網カゴGは2槽分のワークしか収容できないため、仕上げ洗浄済網カゴGからマスをホッパー66へ投入するときは、左右交互に投入する。
【0052】
[乾燥処理]
振動選別機60の排出端の網カゴGにはそれぞれ2槽分のワークが収容される。ロボット10は、この網カゴGを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、乾燥機40へ搬送する。乾燥機40では、選別済みワーク入網カゴGが、2つ並べ置かれた状態で一定時間乾燥される。尚、網カゴGのないところはメクラ蓋をしておく。
[未加工マスの投入処理]
この未加工マスの投入処理は、上記工程例1の「未加工マスの投入処理」の工程と同じであるため、説明は省略する。
【0053】
[乾燥済みワークの処理]
この乾燥済みワークの処理も、上記工程例1の「乾燥済みワークの処理」の工程と同じであるため、説明は省略する。
以上の各工程により、ワークはバリ等のないように仕上げられる。また、メディアも洗浄されるので、酷く汚れてもメディアの目詰まりなどが防止され、次の工程で使われても性能が劣化することがない。
[工程例3(研磨完了→洗浄→乾燥→傾斜選別)]
次に、ワークが非球状、メディアが球状であり、且つ双方が互いに同サイズである場合の湿式バレル研磨工程について、図1を参照して説明をする。尚、初期状態におけるバレル槽Aの位置と数、及び網カゴGの位置と数は、上記工程例1と同じである。
【0054】
[遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え]
この遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替えは、上記工程例1の「遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え」と同じ工程であるので、説明は省略する。
[加工済みマスの網カゴGへの入れ替え処理及び粗洗浄処理]
この加工済みマスの網カゴGへの入れ替え処理及び粗洗浄処理は、上記工程例2の「加工済みマスの網カゴGへの入れ替え処理及び粗洗浄処理」と同じ工程であるので、説明は省略する。
【0055】
[仕上洗浄処理]
この仕上洗浄処理は、上記工程例1の「仕上洗浄処理」と同じ工程であるので、説明は省略する。
[乾燥処理]
ロボット10は、仕上洗浄済みの網カゴGを4つ順に把持し、時計回り方向へ約30〜60°旋回し、その網カゴGを乾燥機40内に置く。その後、一定時間乾燥する。
[未加工マスの投入処理]
この未加工マスの投入処理は、上記工程例1の「未加工マスの投入処理」と同じ工程であるので、説明は省略する。
【0056】
[選別処理]
乾燥が完了したら、ロボット10は、乾燥済み網カゴGを把持し、約180°旋回し、その乾燥済み網カゴGの中のマスを傾斜付フィーダー選別機90のホッパー99aに投入する。このとき傾斜付フィーダー選別機90は既に稼動済みとなっている。次に、ロボット10は、空になった網カゴGを把持したままで時計回り方向へ僅かに旋回し、その空の網カゴGを空網カゴ待機テーブル17へ戻す。この動作を全部で4回繰り返す。傾斜付フィーダー選別機90では、球状メディアは下へ落下してバキューム18で吸引され、非球状ワークは傾斜面を上昇しワーク取り出し箱95へ排出される。この排出されたワークを収容したワーク取り出し箱95は作業者のところへ移動し、ここでは、ワーク取り出し箱95からワークが取り出される。以上により、一連の工程が終了する。以降はこれらの工程の繰り返しとなる。
【0057】
以上の工程によりワークはバリ等のない仕上げられた状態となる。また、ワークとメディアは同サイズのため、振動選別機60では選別困難だが、乾燥後に傾斜付フィーダー選別機90に送られるので、ここで形状選別が行われて(水分がないので水分による表面張力を受けない)所望のワークを得ることができる。
[工程例4(予備洗浄→乾燥→研磨→振動選別)]
最後に、ワークとメディアのサイズが異なる場合の一般的な乾式バレル研磨工程について、図1を参照して説明する。また、本乾式バレル研磨工程では、ワークに強固に付着したプレス油等を除去するため、洗浄工程では予備洗浄として粗洗浄までが行われる。尚、初期状態におけるバレル槽Aは、加工済バレル槽待機テーブル16に空のバレル槽Aが4つあり、バレル槽待機部119にも空の蓋Cなしバレル槽Aが4つある。これらの蓋Cは、フランジ102にある。網カゴGの位置と数は、上記工程例1と同じである。
【0058】
[ワークの予備洗浄処理]
作業者は、バレル槽待機部119にある蓋Cなしのバレル槽Aに所定量の未加工ワークを投入する。次に、ロボット10は、この未加工バレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、その未加工バレル槽Aを反転させてその中の未加工ワークを洗浄装置50のシャワー部51の網カゴGへ投入する。このシャワー部51では、バレル槽内シャワーリングノズル51dとバレル槽内エアーシャワーリングノズル51eによってバレル槽Aが洗浄及び乾燥され、また洗浄カゴ内シャワーリングノズル51cによって網カゴG内のワークが洗浄される。
【0059】
洗浄後、ロボット10は、乾燥済みバレル槽Aを把持したままで反時計回り方向へ約120°旋回し、そのバレル槽Aをバレル槽待機部119へ戻す。次いで、ロボット10は、時計回り方向へ約120°旋回してシャワー部51へ戻り、シャワーリング済み網カゴGを把持し、時計回り方向へ僅かに旋回し、そのシャワーリング済み網カゴGを粗洗浄部52に置く。シャワーリング済み網カゴGがセットされたら、粗洗浄部52がインデックス回転し、次のセットに備える。
【0060】
次に、ロボット10は、粗洗浄部52から空網カゴ待機テーブル17上へ反時計回り方向へ約150度旋回し、空の網カゴGを把持し、時計回り方向へ約120°旋回し、その空の網カゴGをシャワー部51に置く。次いで、ロボット10は、反時計回り方向へ約150度旋回し、バレル槽待機部119にある未加工バレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約150°旋回してシャワー部51へ戻り、その未加工バレル槽Aを反転させてその中の未加工ワークを網カゴGへ投入する。シャワー部51では、バレル槽内シャワーリングノズル51dとバレル槽内エアーシャワーリングノズル51eによってバレル槽Aが洗浄及び乾燥され、また洗浄カゴ内シャワーリングノズル51cによって網カゴG内のワークが洗浄される。
【0061】
次に、ロボット10は、この乾燥済みバレル槽Aを把持したまま反時計回り方向へ約120°旋回し、その乾燥済みバレル槽Aをバレル槽待機部119へ戻す。次いで、ロボット10は、時計回り方向へ約120°旋回してシャワー部51へ戻り、シャワーリング済み網カゴGを把持し、時計回り方向へ僅かに旋回し、そのシャワーリング済み網カゴGを粗洗浄部52に置く。すると、粗洗浄部52がインデックス回転して次のセットに備える。この動作を全部で3回繰り返す。最後に、ロボット10は、次の加工のために、粗洗浄部52から空網カゴ待機テーブル17へ約180°旋回し、その網カゴGを把持し、時計回り方向へ約150°旋回し、網カゴGを洗浄装置50のシャワー部51にセットする。
【0062】
[乾燥処理]
粗洗浄が終了すると、ロボット10は、粗洗浄済み網カゴGを把持し、時計回り方向へ僅かに旋回し、その粗洗浄済み網カゴGを乾燥機40へ順に置く。全ての粗洗浄済み網カゴGが置かれたら、一定時間乾燥する。
[未加工マスの投入処理]
乾燥が終了したら、ロボット10は、乾燥機40の乾燥済み網カゴGを把持し、時計回り方向へ約150°旋回し、その乾燥済み網カゴGを反転させてその中の乾燥したワークをバレル槽待機部119の空のバレル槽Aに投入する。その後、ロボット10は、網カゴGを空網カゴ待機テーブル17へ戻す。この動作を全部で4回繰り返す。
【0063】
この後、ロボット10は、バレル槽待機部119に置かれている乾燥済みワーク入バレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約90°旋回し、その乾燥済みワーク入バレル槽Aをメディア定量供給装置80のロードセル82上へ置く。メディア定量供給装置80には予め乾式研磨用メディアが貯められており、この乾式メディアが、ロードセル82上に置かれたバレル槽Aに投入される。投入量が所定量に達したことをロードセル82が検知すると、投入が完了する。この後、ロボット10は、メディア定量供給装置80のバレル槽Aを把持し、バレル蓋着脱装置100まで反時計回り方向へ約90°旋回し、上方で待機している蓋Cの下に槽本体Bを置く。この後、その槽本体Bに蓋Cが被せられ、そのバレル槽Aはこの位置で未加工バレル槽Aとして待機することになる。この動作は全部で4回繰り返される。
【0064】
[バレル研磨中]
未加工バレル槽Aを遠心バレル研磨機20に順に装着してバレル研磨を行う。バレル研磨中、ロボット10は、加工済みバレル槽待機テーブル16にある空のバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約90°旋回し、その空のバレル槽Aをバレル蓋着脱装置100に置く。バレル蓋着脱装置100では、このバレル槽Aから蓋Cが取り外される。この後、ロボット10は、その蓋Cなしのバレル槽Aを把持してバレル槽待機部119に置く。この動作が全部で4回繰り返され、次の未加工ワークの調整に備える。
【0065】
つまり、バレル研磨中に、次の未加工ワークの予備洗浄及び乾燥を前記と同様に行い、また、メディアの供給も同様に行い、これらのワークとメディアが収容されて蓋Cがされた状態のバレル槽Aを、バレル蓋着脱装置100で次の加工に備えて待機させておくのである。なお、加工済みバレル槽待機テーブル16にあるバレル槽Aが加工済みの場合は、後述の選別処理を行ってバレル槽Aを空にしてから未加工ワークの調整に備える。
【0066】
[遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え]
この遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替えは、上記工程例1の「遠心バレル研磨機20内のバレル槽Aの入れ替え」と同じであるので、説明は省略する。
[選別処理]
その間、加工済みバレル槽Aを処理するため、ロボット10は、加工済みバレル槽待機テーブル16にある加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約90°旋回し、加工済バレル槽Aをバレル蓋着脱装置100へ順に搬送する。バレル蓋着脱装置100ではバレル槽Aから蓋Cが取り外される。
【0067】
その後、ロボット10は、蓋Cなしの加工済みバレル槽Aを把持し、時計回り方向へ約90°旋回し、その加工済みバレル槽Aを反転させてその中のマスを振動選別機60のホッパー66に投入する。このとき、振動選別機60は既に稼動済みとなっており、ここでは、乾式選別が行われる。この後、ロボット10は、空になったバレル槽Aを把持したままで反時計回り方向へ約90°旋回し、そのバレル槽Aをバレル槽待機部119へ戻す。この動作を全部で4回繰り返す。
【0068】
振動選別機60の排出端の網カゴGには2槽分のワークがそれぞれに入った状態となり、ロボット10は、この網カゴGを把持してワーク取り出し箱95へ排出し、空になった網カゴGを振動選別機60の排出端に戻す。同様にもう1つの網カゴGについて処理する。加工済みワークを収容した箱は、作業者のところへ移動し、ここで、ワーク取り出し箱95からワークが取り出される。以上により、一連の工程が終了する。以降は、これらの工程が繰り返される。
【0069】
以上の乾式工程により、ワークはバリ等のない仕上げられた状態となる。この例ではワークとメディアを異なるサイズとしたため振動選別機60を使用したが、ワークとメディアが同サイズの非球状と球状であれば、研磨後に傾斜付フィーダー選別機90を用いることにより、選別できる。
[実施形態の効果]
本実施形態においては、バレル槽Aを遠心バレル研磨機20とその他の付帯装置40,50,60,80,90,100との間又は付帯装置同士の間で順次に移送する手段として、バレル槽Aの保持及び解放が可能なハンド機構12を有するロボット10を、上下方向の旋回軸11を中心として間欠的に旋回し得るように設けるとともに、遠心バレル研磨機20と付帯装置40,50,60,80,90,100を、ロボット10の旋回領域内に配置する構成とした。かかる構成としたことにより、ロボット10はバレル槽Aを保持したままで各装置を順次に通過する経路に沿って循環移動できるので、ロボット10を停止させる位置と順番を適宜に設定することにより、各装置の工程の順序を任意に変更することができる。したがって、工程順序の変更に際しては、各装置の配置を変更することなく、フレキシブルに対応することができる。特に、バレル研磨と密接な選別工程や洗浄工程は、前後入れ替わることが多いので、洗浄工程用や選別工程用の付帯装置50,60,90については効果的である。
【0070】
また、ロボット10は正方向旋回と逆方向旋回との間で反転可能とされているので、各装置20,40,50,60,80,90,100の間を順次旋回する際に、ロボット10の旋回方向を必要に応じて適宜反転させることができる。これにより、ロボット10の旋回ストロークを小さく抑えることが実現されている。
また、各装置20,40,50,60,80,90,100は、直線状に延びるコンベアに沿わせて一列に配置するのではなく、ロボット10を囲むように円周上に配置したので、床面積を抑えることができ、昨今の限られた工場スペースに有利である。
【0071】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)各装置の周方向(ロボットの旋回方向)における配置は、上記実施形態で説明した形態に限らず、必要に応じて任意に設定することができる。
【0072】
(2)バレル研磨システムを構成する装置は、上記実施形態で説明した組み合わせに限らず、上記実施形態の装置のいずれかを省いた構成としても良く、逆に、上記実施形態に記載していない他の装置を加えた構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の各装置の配置をあわらす平面図
【図2】ロボットの正面図
【図3】ロボットのハンド機構をあらわし、(a)はバレル槽の保持を解除した状態、(b)はバレル槽を保持した状態である
【図4】遠心バレル研磨機の平面図
【図5】遠心バレル研磨機の正面図
【図6】遠心バレル研磨機におけるバレル槽の保持構造を示す拡大断面図
【図7】遠心バレル研磨機にけるバレル槽の保持を解除した状態を示す右側面図
【図8】乾燥機の平面図
【図9】乾燥機の正面図
【図10】乾燥機の側面図
【図11】網カゴの断面図
【図12】洗浄装置の平面図
【図13】洗浄装置の正面図
【図14】洗浄装置の側面図
【図15】振動選別機の平面図
【図16】振動選別機の正面図
【図17】振動選別機の側面図
【図18】メディア定量供給装置の平面図
【図19】メディア定量供給装置の正面図
【図20】傾斜付フィーダー選別機の平面図
【図21】傾斜付フィーダー選別機の正面図
【図22】傾斜付フィーダー選別機の側面図
【図23】バレル蓋着脱装置の平面図
【図24】バレル蓋着脱装置の正面図
【図25】バレル蓋着脱装置の側面図
【符号の説明】
A…バレル槽
10…ロボット
12…ハンド機構
20…遠心バレル研磨機(研磨装置)
40…乾燥機(付帯装置)
50…洗浄装置(付帯装置)
60…振動選別機(付帯装置)
80…メディア定量供給装置(付帯装置)
90…傾斜付フィーダー選別機(付帯装置)
100…バレル蓋着脱装置(付帯装置)
Claims (1)
- バレル槽を研磨装置と付帯装置との間又は付帯装置同士の間で順次に移送して複数種の工程を経るようにしたバレル研磨システムにおいて、
前記バレル槽の保持及び解放が可能なハンド機構を有するロボットを、垂直方向の旋回軸を中心として間欠的に旋回し得るように設け、
前記研磨装置と前記付帯装置を、前記ロボットの旋回領域内でかつロボット周りに配置するとともに、このロボットは研磨条件に応じて正方向旋回と逆方向旋回を選択的に行って工程順の入れ替えあるいは同工程内での付帯装置同士の選択が可能となっており、
さらに、前記付帯装置は前記バレル槽に対し蓋を開放したりあるいは閉止させる着脱装置を備えており、かつこの蓋着脱装置には同装置内において待機され未加工の前記バレル槽に対し、その上方に保持されている前記蓋を下降させて被せ付けたり、あるいは加工済みの蓋付きバレル槽から前記蓋を把持しつつ上昇して前記蓋の取り外しを行う蓋着脱部を有する一方、
前記研磨装置には、共にバレル槽の自転軸に固定され、前記バレル槽を載置させて昇降可能なピストンと前記蓋を押さえ付けて前記ピストンとの間で蓋付きバレル槽を挟圧するストッパとが備えられていることを特徴とするバレル研磨システム。
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