JP3609296B2 - 空気清浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気の汚れ状態の検出結果に応じてファンを回転させ、汚れた空気をフィルタを介して清浄する空気清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気を清浄する従来の空気清浄装置として、図11に示す構成を備えたものがある。同図に示す空気清浄装置101では、本体105の内部にモータ108の回転軸に固定されたファン107を備え、ファン107の回転により本体105の側面又は前面に形成した吸込口103から吸い込んだ室内空気をフィルタ104を通して本体105の上面に形成した吹出口106から室内に吹き出すようにしている。
【0003】
空気清浄装置101の本体105の側面には室内空気の汚れ状態を検出するガスセンサ110が配置されており、空気清浄装置101はガスセンサ110の検出結果に基づいてファン107の回転を制御する。即ち、空気清浄装置101は、ガスセンサ110の検出出力の変化の度合いに応じた回転速度でモータ108を駆動する。
【0004】
このため、ガスセンサ110には、モータ108が駆動中であるか停止中であるかに拘らず、電源が供給されている。このガスセンサ110の検出結果は、モータ108の駆動中にのみ表示され、停止中には表示しない。
【0005】
また、空気清浄装置101に電源が投入され、ガスセンサ110に対する通電が開始した後から2分程度の一定時間が経過するまでは、室内空気の汚れ状態の検出を行わない。これは、ガスセンサ110を構成する抵抗が電気的に安定するのを待機するためである。空気清浄装置101は、ガスセンサ110の安定した検出値を基準値として、ガスセンサ110の検出値がこの基準値から変化した度合いに応じてモータ108の回転速度を制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気清浄装置では、装置に対する電源投入後の数分間はガスセンサ110による汚れ状態の検出は行われないため、この間に室内空気が汚れされると、その後における室内空気の汚れが検出され難くなる問題があった。例えば、装置に対する電源投入直後に喫煙されると、所定時間を経過後に喫煙によって汚れた状態の検出結果が基準値とされ、その後に再度喫煙されてもガスセンサ110が室内空気の汚れを検出しない場合がある。
【0007】
また、装置に電源が投入されている状態では、モータが駆動されているか停止しているかに拘らず、ガスセンサ及びモータの内部回路に常に電源が供給されていたため、電力を浪費する問題があった。
【0008】
この発明の目的は、装置に対する電源投入直後から短時間で室内空気の汚れ状態を正確に検出することができ、駆動停止中のモータの内部回路やモータ停止中のガスセンサに対して電源を供給しないようにして電力の浪費を防止できる空気清浄装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1) 空気の汚れ状態を検出するセンサ部をヒータによって加熱するガスセンサ、吸込口からフィルタを経由して吹出口に至る空気流路内に配置されたファンに回転力を供給するモータ、電源部における通電状態を表示する表示ランプを含み、ガスセンサ、モータ及び表示ランプに電源を供給する電源部を備えた空気清浄装置において、
前記ガスセンサは、モータの駆動停止中において所定時間毎の一定時間にわたって電源部からの電源の供給を受け、この間の検出結果をモータの駆動中の検出結果と比較することを特徴とする。
【0013】
この構成においては、モータの駆動停止中において所定時間毎の一定時間にのみガスセンサに電源が供給される。したがって、モータの駆動停止中におけるガスセンサに対する電源の供給時間が短縮され、常時電源を供給する場合に比較して電力消費量が低減される。
【0014】
(2) 前記モータが、駆動停止中に内部回路の電源を遮断することを特徴とする。
【0015】
この構成においては、駆動停止中におけるモータの内部回路に電源が供給されることがない。したがって、駆動停止中にモータの内部回路によって電力が消費されることがない。
【0016】
(3) 前記モータが、駆動開始時及び駆動停止時に、内部回路の電源のオン/オフタイミングと速度制御信号の出力タイミングとの間に一定の遅延時間を設けたことを特徴とする。
【0017】
この構成においては、複数の信号が同時にモータの内部回路に入力されることがない。したがって、モータが安全に駆動される。
【0018】
(4) 前記電源部が、モータの駆動停止中に表示ランプに対する電源供給量を減少することを特徴とする。
【0019】
この構成においては、モータの駆動停止中には表示ランプに対する電源の供給量がモータの駆動中よりも減少する。したがって、モータの駆動停止中における表示ランプによる電力消費量が低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る空気清浄装置の構成を示す側面断面図である。空気清浄装置1は、ファン5、ファン5に回転力を供給するモータ6、及び、フィルタ3を収納した本体7の前面に吸入口2を形成し、上面に吹出口11を形成し、モータ6の駆動によるファン5の回転によって吸込口2から吸い込んだ室内空気をフィルタ3を通して吹出口11から室内に吹き出す。モータ6は回転速度を制御できるインバータモータであり、モータ6には回転速度を検出する回転検出センサ9が備えられている。本体7の前面の上部には、操作パネル10が配置されている。この操作パネル10内に、室内空気の汚れ状態を検出するガスセンサ8が設けられている。
【0021】
図2は、上記空気清浄装置の操作パネルの構成を示す図である。本体1の前面の上部に配置された操作パネル10には、空気清浄装置1に対する電源のオン/オフの選択操作を受け付ける運転入/切ボタン14、運転モードを「たばこ」、「花粉」又は「自動」のいずれかに切り換える操作を受け付ける運転モード選択ボタン15、ニオイ及び汚れの感度、ホコリの量についての検出感度の設定操作を受け付ける感度切換スイッチ16、装置に対する電源のオン/オフ状態を表示する電源ランプ17、運転モードの選択内容を表示する運転モードランプ18、フィルタ3の交換時期を表示するフィルタ交換ランプ19、図外のリモコンから発光された操作信号を受光するリモコン受光部20、ガスセンサ8による室内空気の汚れ状態を表示する汚れ状態表示部21、及び、モータ6の回転速度に応じた風量を表示する風量表示部22が設けられている。
【0022】
上記のように構成された操作パネル10の一部に、室内空気の汚れ状態を検出するガスセンサ8か設けられている。また、電源ランプ17、運転モードランプ18、フィルタ交換ランプ19、汚れ状態表示部21を構成するランプ及び風量表示部22を構成するランプが、この発明の表示ランプに相当する。
【0023】
運転モード選択ボタン15の操作によって選択される運転モードのうち、「たばこ」及び「花粉」の運転モードは予め定められたシーケンスによってモータ6を制御するモードであり、「自動」の運転モードはガスセンサ8が検出した室内空気の汚れ状態を汚れ状態表示部21に表示するとともに、汚れ状態が低い場合にはモータ6の回転速度を遅くし、汚れ状態が高い場合にはモータ6の回転速度を速くする制御を行う。
【0024】
図3は、上記空気清浄装置の制御部の構成を示すブロック図である。空気清浄装置1の制御部13は、CPU及び必要なアナログ回路を含む制御回路12に電源回路24、電源クロック回路25、リセット回路26、モータ駆動回路27、ガスセンサ駆動回路28、ランプ駆動回路29、ガスセンサ8を構成するセンサ部8a及び回転検出センサ9を接続して構成されている。モータ駆動回路27は、制御回路12から出力される駆動データに基づいてモータ6の回転速度を制御する。これによって、本体7内における室内空気の通風量が変化する。モータ駆動回路27は、図4に示すように、トランジスタ32,33を含み、インバータモータ6に印加すべきモータ電源6a、モータ内部回路電源6b及び速度制御信号6cを発生させる。ランプ駆動回路29は、図8に示すように、制御回路12から出力される駆動データに基づいて電源ランプ17等の表示ランプを点灯制御する。
【0025】
ガスセンサ駆動回路28は、図5、6に示すように、制御回路12から出力される駆動データに基づいてガスセンサ8に含まれるヒータ8bを駆動する。ガスセンサ8は、図5に示すように、センサ部8a及びヒータ8bによって構成されている。ヒータ部8bは、センサ部8aとともにセンサ部8a近傍の室内空気を加熱し、センサ部8aにおける化学反応を促進する。即ち、センサ部8aは、室内空気に含まれる煙草の煙や塵埃等の汚れ物質が接触すると化学反応によって抵抗値を変化させる。このセンサ部8aにおける抵抗値変化を電圧変化に変換して制御回路12に入力する。このため、ガスセンサ駆動回路28は、図6に示すようにトランジスタ30及び31を備えており、制御回路12から出力される駆動パルスによってトランジスタ30がオンしてヒータ8bに電源回路24から電流が供給される。次に、トランジスタ31がオンすると、センサ部8aにおける抵抗値を表す電圧値が制御回路12に入力される。
【0026】
図7は、上記モータ駆動回路からモータに対して出力される信号のタイミングチャートである。モータ駆動回路27は、操作パネル10において運転入/切ボタン14がオン側に操作されて装置1が通電状態になると、モータ6に対して、AC100Vを整流平滑したDC141Vをモータ電源6aとして常時供給する。この状態で、運転モード選択ボタン15の操作によりいずれかのモードが選択されると、制御回路12の出力端子P0が“H”にされる。これによって、モータ駆動回路27のトランジスタ33及びトランジスタ32が順にオンし、モータ6に対してDC15Vのモータ内部回路電源6bが入力される。
【0027】
モータ内部回路電源6bがオンした後に一定時間遅延して、制御回路12は出力端子P1から速度制御信号6cを出力する。例えば、制御回路12は、モータ6において実現すべき回転速度に応じて速度制御信号6cの電圧値を変化させ、モータ6の内部回路は速度制御信号6cの電圧値に応じた電力をモータ6に供給する。制御回路12は、回転検出センサ9の検出結果に基づいて速度制御信号6aの内容を変化させ、モータ6の回転速度をフィードバック制御する。
【0028】
運転入/切ボタン14がオフ側に操作されると、制御回路12は、速度制御信号6cの出力を停止し、一定時間経過後にモータ内部回路電源6bをオフすべく、出力ポートP0を“L”にする。
【0029】
以上のように、電源入/切ボタンの操作によって装置が通電状態にされた後から、運転モード選択ボタン15の操作によっていずれかの運転モードが選択されるまでの間においては、モータ6にはモータ電源6aのみが供給され、モータ内部回路電源6bは供給されない。このため、従来のように、装置が通電状態にされた後に、モータ6に対してモータ電源6a及びモータ内部回路電源6bを供給する場合に比較して、電力消費量を低減することができる。
【0030】
図8は、上記空気清浄装置のランプ駆動回路の構成を示す図である。一例として電源ランプ17を駆動するランプ駆動回路29は、トランジスタ34及び35を含み、制御回路12から出力されるパルス信号に基づいてトランジスタ35及びトランジスタ34がこの順にオンし、トランジスタ34がオンしている間において、電源ランプ17にDC5V電源が供給される。
【0031】
図9は、上記ランプ駆動回路に入力されるパルス信号のタイミングチャートである。制御回路12は、モータ駆動回路27に速度制御信号6cを出力している状態、即ち、モータ6が回転している状態では、図9(B)に示すように周期tでランプ駆動回路29に対してパルス信号を出力する。これに対して、モータ駆動回路27に速度制御信号6cを出力していない状態、即ち、モータ6が回転していない状態では、図9(A)に示すように周期2tで、ランプ駆動回路29に対してパルス信号を出力する。
【0032】
したがって、制御回路12からランプ駆動回路29に出力されるパルス信号の周期は、モータ6が回転している状態では、モータ6が回転していない状態に比較して1/2倍になる。これによって、モータ6が回転していない状態において、電源ランプ17の輝度を著しく低下させることなく、電源ランプ17を点灯するための電力消費量が低減される。
【0033】
図10は、上記ガスセンサ駆動回路からのガスセンサに対する駆動信号のタイミングチャートである。上述のように、ガスセンサ駆動回路28は、制御回路12から出力されるパルス信号に基づいて、ガスセンサ8を構成するヒータ8bを駆動する。電源入/切ボタン14がオン側に操作され、さらに、運転モード選択ボタン15の操作によっていずれかの運転モードが選択されると、制御回路12は、5秒が経過するまでの間において60Hzのパルス信号におけるオン期間を474μsecにし、この後、10秒が経過するまでの間において60Hzのパルス信号におけるオン期間を400μsecにするように安定状態のオン期間より高くする。但し、このオン期間の値は一例であり、安定状態より一定の割合だけ高くすることを意味している。
【0034】
これによって、ガスセンサ8を構成するヒータ8bの温度の立ち上がりを急峻にすることができ、センサ部8aが素早く安定状態になり、運転モード選択ボタン15によっていずれかの運転モードが選択されたタイミングから約15秒経過後に室内空気の汚れ状態を検出することができる。このため、室内空気の汚れ状態を正確に検出することができるとともに、安定状態になるまでの待機時間を短縮し、電力消費量を低減することができる。
【0035】
制御回路12は、安定状態になった後のセンサ部8aの検出信号を、以後の室内空気の汚れ状態を判定するための基準値とする。この後、制御回路12は、オン期間を400μsec、オフ期間を8.456msecとして、ガスセンサ駆動回路28にパルス信号を出力する。
【0036】
また、電源入/切ボタン14がオフ側に操作された状態、即ち、いずれの運転モードも選択されていない場合には、制御回路12は、10分毎に1分間にわたってオン期間を400μsec、オフ期間を8.456msecのパルス信号をガスセンサ駆動回路28に出力する。これによって、次に運転モード選択ボタン15が操作された後に、直ちにガスセンサ8による室内空気の汚れ状態の検出を開始することができるとともに、運転モードの選択を待機している状態における電力消費量を低減することができる。また、運転モードが選択されておらず、空気清浄動作を行っていない状態が長時間化するにともなって、センサ部8aが安定するまでに要する時間が長時間化することを回避できる。
【0037】
なお、いずれかの運転モードにおいて、ガスセンサ8による室内空気の汚れ状態の検出結果に基づいてモータ6の回転速度を制御する際に、汚れ度が低い場合にはモータ6の回転を停止するようにしてもよい。
【0038】
また、モータ6の回転速度が頻繁に変化する場合には、感度切換スイッチ16の操作によってガスセンサ8の感度を低くすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0041】
(1) モータの駆動停止中において所定時間毎の一定時間にのみガスセンサに電源を供給することにより、モータの駆動停止中におけるガスセンサに対する電源の供給時間を短縮し、常時電源を供給する場合に比較して電力消費量を低減することができる。
【0042】
(2) 駆動停止中におけるモータの内部回路に電源を供給しないようにすることにより、電力消費量を低減することができる。
【0043】
(3) モータの内部回路の電源のオン/オフと、速度制御信号の出力のタイミングとの間に一定の遅延時間を設けることにより、内部回路の動作をより確実且つ安全にすることができ、内部回路の破壊などの異常の発生を防止できる。
【0044】
(4) モータの駆動停止中には表示ランプに対する電源の供給量をモータの駆動中よりも減少させることにより、モータの駆動停止中における表示ランプによる電力消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る空気清浄装置の構成を示す側面断面図である。
【図2】上記空気清浄装置の操作パネルの構成を示す図である。
【図3】上記空気清浄装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記空気清浄装置のモータ駆動回路の構成を示す図である。
【図5】上記空気清浄装置のガスセンサの構成を示す図である。
【図6】上記空気清浄装置のガスセンサ駆動回路の構成を示す図である。
【図7】上記モータ駆動回路からモータに対して出力される信号のタイミングチャートである。
【図8】上記空気清浄装置のランプ駆動回路の構成を示す図である。
【図9】上記ランプ駆動回路に入力されるパルス信号のタイミングチャートである。
【図10】上記ガスセンサ駆動回路からのガスセンサに対する駆動信号のタイミングチャートである。
【図11】従来の空気清浄装置の構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1−空気清浄装置
2−吸込口
3−フィルタ
5−ファン
6−モータ
7−ファンスクロールケーシング
8−ガスセンサ
9−回転検出センサ
10−操作パネル
11−吹出口
12−制御回路
Claims (4)
- 空気の汚れ状態を検出するセンサ部をヒータによって加熱するガスセンサ、吸込口からフィルタを経由して吹出口に至る空気流路内に配置されたファンに回転力を供給するモータ、電源部における通電状態を表示する表示ランプを含み、ガスセンサ、モータ及び表示ランプに電源を供給する電源部を備えた空気清浄装置において、
前記ガスセンサは、モータの駆動停止中において所定時間毎の一定時間にわたって電源部からの電源の供給を受け、この間の検出結果をモータの駆動中の検出結果と比較することを特徴とする空気清浄装置。 - 前記モータが、駆動停止中に内部回路の電源を遮断することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄装置。
- 前記モータが、駆動開始時及び駆動停止時に、内部回路電源のオン/オフタイミングと速度制御信号の出力タイミングとの間に一定の遅延時間を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気清浄装置。
- 前記電源部が、モータの駆動停止中に表示ランプに対する電源供給量を減少することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気清浄装置。
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