JP3609025B2 - 水冷遮断弁およびそれを備えた旋回溶融炉付きボイラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回溶融炉付きボイラに関し、特に石炭灰溶融に用いる旋回溶融炉をボイラから遮断する水冷遮断弁とそれを用いた旋回溶融炉付きボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭灰のような高融点の灰を溶融処理する装置として、石炭または油を燃料とする小型の旋回溶融炉を大型石炭ボイラに取り付けた装置がある。旋回溶融炉を付設した石炭ボイラは、石炭中の灰分を溶融スラグとして除去すると共に、旋回溶融炉から発生する高温の排ガス熱をボイラで吸収して、高効率で運転することができる。
旋回溶融炉は灰の溶融効率が高く、石炭の場合に石炭投入量の2〜3倍の重量の灰を溶融するので、旋回溶融炉で使用する石炭燃料中の灰分のみならず、他のバーナで発生し後工程で回収される石炭灰を投入混合して処理することができる。さらに、他のボイラから回収された石炭灰をも受け入れて溶融処理することもできる。
【0003】
図7は、旋回溶融炉を備えるボイラ設備の従来例を示すフローシートである。石炭ボイラのサイドあるいは側壁に旋回溶融炉が設けられている。なお、多段バーナを有する大型ボイラでは最下段のバーナを旋回溶融炉に置き換えて使用することもできる。
石炭バンカの石炭はミルで微粉炭化され旋回溶融炉に供給される。旋回溶融炉にはドラフトファンで外気から取り込みボイラ出口の空気加熱器で加熱した空気が供給され、炉内に旋回流を形成する。旋回溶融炉では微粉炭燃料が燃焼し、残った灰分は旋回流により高温壁面に押し付けられて溶融化し炉底から排出されタンクの水により水砕スラグ化して水封コンベヤで水砕スラグ貯槽に蓄えられる。
【0004】
また、他のボイラで発生した石炭灰は乾灰貯槽に蓄えられ、適当量ずつ切り出されて旋回溶融炉に空気輸送され、炉内の旋回流中で加熱され遠心力により炉壁の溶融物に押し付けられ一体化して炉底から排出され水砕スラグ化する。
旋回溶融炉中の灰分は一部が後流のボイラに飛散する。飛散量は条件によるが、灰投入量のほぼ20%になる。これらの飛散灰は後流の集塵機で捕集され、ボイラ底から回収される灰分と一緒に再び旋回溶融炉に投入されて、ついにはほぼ全量が溶融スラグ化される。
集塵機を通った排ガスはドラフトファンで昇圧し脱硫処理して煙突から大気に排出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
旋回溶融炉では石炭灰の溶流点以上の高温度に維持するなど過酷な条件下におかれるため、ボイラより短い周期で点検補修を行う必要がある。
また、旋回溶融炉中の灰の一部が溶融炉排ガスと共に後流のボイラに飛散するが、この飛散灰を搬送する排ガスの温度が灰の融点より高いときには、灰が溶融状態のままボイラの入口部に付着して堆積する現象が起こる。この堆積は時間と共に成長しやがて連絡ダクトを塞いでしまう場合がある。
【0006】
しかし、従来の旋回溶融炉付きボイラでは、旋回溶融炉の排ガスが約1500℃と高温のため溶融炉の排出口は連絡ダクトを介してボイラと直接に結ばれており、溶融炉の点検整備を行うためにはボイラを停止する必要があった。
ところが通常は、ボイラは発電などの目的で所定の発熱量を維持する必要があり、旋回溶融炉の必要に応じて頻繁に停止することはできない。
このため、旋回溶融炉に異常がある場合にも、ボイラの定期補修時期が来るまで点検修理を延期し旋回溶融炉の部分については運転を停止することとせざるを得なかった。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、旋回溶融炉とボイラを切り離してそれぞれ独立に点検補修をすることができるように、ボイラの運転中にも旋回溶融炉とボイラの間を安全に遮断することができる水冷遮断弁とそのような遮断弁を備えた旋回溶融炉付きボイラを提供することである。また、ボイラ入口部に溶融体が堆積しないようにして安全に旋回溶融炉を切り離すことができようにした旋回溶融炉付きボイラを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の水冷遮断弁は、旋回溶融炉付きボイラにおける溶融炉とボイラを結ぶ連絡ダクトの排ガス通路に適合する開口を備えた板状の弁体と、弁体の端縁を挟んで案内する枠体と、弁体を枠体内で並進させて弁の開閉をするアクチュエータを備え、その弁体が内部に冷却水の循環路を備え、枠体が排ガス通路に対応する位置に弁体から下流に向かってクエンチガスを吹き出すガス吹出口を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の水冷遮断弁は、弁体が内部の循環路を流れる冷却水により冷却されるため、旋回溶融炉から流れてくる高温の排ガスにより焼損することがない。また、クエンチガスを吹き出すため下流に流れた排ガス中の灰の温度を灰の融点より低くすることができるので、連絡ダクトのボイラ開口部内部に灰が溶着し難くなり溶融灰の堆積が成長しない。したがって、堆積した溶融灰に妨げられることなくいつでも弁体を駆動して連絡ダクトを遮断して旋回溶融炉の運転を切り離すことができる。
【0010】
なお、クエンチガスの吹出口を弁体の開口端縁より引っ込んだ状態に設けると、高温の排ガスがガス吹出口を直撃して焼損したり、排ガス中の溶融物が吹出口を閉塞したり焼き付けたりすることを防止するので、クエンチガスの流れを途切れさせず排ガス中の灰分を継続して冷却し続けることができる。
また、枠体と弁体の間にシールガスを供給して、この間に溶融物や粉塵が詰まって弁体の動きを制約しないようにすることが好ましい。なお、枠体と弁体の間にクエンチガスを漏れ出させることによりシールガスとすることもできる。
【0011】
また、本発明の旋回溶融炉付きボイラは、溶融炉とボイラを結ぶ連絡ダクトの排ガス通路に上記の水冷遮断弁を備えて、溶融炉を停止するときにはボイラとの連絡を遮断して、独立にシャットダウンできるようにすることを特徴とする。
本発明のボイラは、ボイラ本体を発電や温水供給を目的とし旋回溶融炉を主として石炭灰の溶融化処理を目的とするなど、2重の目的で運転するような場合にも、ボイラの運転を安定に継続しながら旋回溶融炉のみを停止することができる。したがって、ボイラを運転しながら旋回溶融炉を点検補修することができる。
【0012】
なお、水冷遮断弁を挟む部分の内壁に水冷コイルを設けた連絡ダクトを用いると、遮断弁の周辺に灰溶融体が堆積して遮断弁の部分に掛かり弁の動きを制約することを防止することができる。
また、ボイラ出口から排出される高温の排ガスをクエンチガスとして使用することが好ましい。たとえば500℃から600℃の排ガスを用いることにより、約1500℃から1600℃の溶融炉排ガス温度を灰融点以下の温度に低下させて灰の溶融体がボイラ出口付近に堆積することを防止し、しかもボイラ水で熱交換して低温になった排ガスを用いて石炭灰を冷却するので溶融炉で発生する熱は全て有効に利用することができ熱収支を乱すことが無い。さらに、ボイラ排ガス中の酸素濃度は低いため、溶融炉およびボイラのバーナにおける燃焼用空気量の大幅な補正を必要としない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例にも続き図面を用いて詳しく説明する。
図1は本実施例の水冷遮断弁の正面図、図2はその平面図、図3は水冷遮断弁の取付状態を示す側面断面図、図4は本実施例に使用する旋回溶融炉の取付状態を示す断面図、図5は旋回溶融炉付きボイラ施設の全体を示すフロー図、図6は別の旋回溶融炉の取付状態を示す断面図である。
【0014】
図1、図2、図3に示すように、本実施例の水冷遮断弁1は弁体10と弁体を水平方向に摺動するように案内する枠体20と弁体10を枠体20内でスライドさせる弁体駆動機構30からなり、図4あるいは図5に示すように旋回溶融炉の排ガス排出口とボイラを結ぶ連絡ダクトの途中に挿入設置される。
弁体10は一端に弁体駆動機構30を接続した長方形の中空板であって、旋回溶融炉の排ガスが導かれるダクトのガス流通部と対応する開口11を有し、中空の内部に仕切り板12を備えて供給された冷却水が弁体内を循環して排出されるような水路13を形成している。仕切り板12は水路13に滞留部が生じないようにして冷却水が弁体10全体に行き渡るようにするものである。
また、弁体10の上下端に位置する冷却水通路部分には、枠体20の案内溝に嵌るような突起が形成されている。
【0015】
仕切り板12は、たとえば図に点線で示すように、駆動機構30が設けられる端部から供給される冷却水を弁体10の最奥まで導いた後に、弁体10内を上下の端部を互い違いに解放して冷却水が雁行して弁体10全面を冷却して、最後は同じ端部から排出されるように配置することができる。
冷却水は水路13の出入り口に設けた冷却水ノズル14を介して供給し排出する。冷却水ノズル14に設けた継ぎ手15と外部の配管ノズルに設けた継ぎ手17の間を可撓管16で繋ぎ、弁体10が自由に並進運動できるようにしてある。なお、仕切り板12は弁体内面に溶接等により固着してもよく、また固着する代わりに仕切り板間を支持棒で結合した構造体をフリー状態に挿入する構造として溶接部の熱応力を解消するようにしてもよい。フリー状態で挿入するときには弁体内壁との間に隙間ができるが、冷却水の殆どは形成された流路を流れるので冷却性能に大きな差はない。
【0016】
枠体20は、弁体10を納める鞘として形成され、旋回溶融炉とつながる排ガスダクト41とボイラとつながる排ガスダクト43のガス流通部に対応する側面に開口を備えていて、これら排ガスダクトのフランジ42,44で挟んで固定される。この開口の上下にはクエンチガスのヘッダ21を備える。
クエンチガスヘッダ21は弁体10下流のボイラ側にスリット24を設けてあり、弁体10の下流に向けてスリット24からクエンチガスを吹き出すようになっている。なお、クエンチガスヘッダ21のスリット24は弁体10の開口11の縁より引っ込んだ位置に配設されている。また、遮断弁1より上流の排ガスダクト41の壁と開口11の端面はほぼ同じ高さになっているが、下流の排ガスダクト43の壁は開口11の端面より引っ込んでいる。
このように、スリット24を弁体下流に置き、また開口11の縁より引っ込むように配置しているので、溶融灰を含む排ガスが直接スリット24に吹きかかって溶融物などが堆積したり閉塞したりすることを避けることができる。
【0017】
クエンチガスは上下のクエンチガスヘッダ21それぞれに1個以上設けられたガス供給ノズル23から供給される。
クエンチガスヘッダ21の下端面は傾斜していて、下端面と側壁内面の間に長手方向に延びた凹みを形成し、この凹みに弁体10の上下端を嵌め込んで弁体10の並進運動を案内する。
また、弁体10と枠体20の間隙26には閉塞を防止して弁体10がいつでも容易に摺動できるようにするためシールエアが供給されている。なお、クエンチガスヘッダ21の弁体10との摺動面側壁に複数のキャピラリー状細孔25を設けて、ここから漏れ出るクエンチガスをシールエアとして利用することもできる。
また、枠体20の側壁は少なくとも開口の周囲部分を省いて、排ガスダクト41,43に設けるフランジ42,44の面で代用することもできる。
【0018】
弁体駆動機構30は、弁体10の端部に固定される支持構造体31とこれを並進駆動するエアシリンダ式駆動機32から構成される。弁体駆動機構30は、弁体10を枠体20の案内に従って並進運動させて、排ガスダクト41,43の通路位置に弁体10の開口11が位置するようにして排ガスを流通させたり、開口11を通路位置から引き出して排ガスの流通を遮断したりする。
なお、弁体10と枠体20の隙間から高温の排ガスが漏出するのを防ぐため、枠体20の解放端部にはシールガスケット27が組み込まれている。
また、駆動機32は並進駆動するものであればよく、トルク式電動シリンダや電動式リンク機構なども使用できることはいうまでもない。また、上記とは逆に、弁体10を押し込んで排ガス通路を解放し引き出して閉鎖するようにしてもよい。
【0019】
遮断弁1を設置する排ガスダクト41、43の内壁にはボイラ水管45が巻き付けられていて、1500℃にもなる旋回溶融炉の排ガスから熱を効率よく回収するようにしている。
また、クエンチガスヘッダ21の吹き出し用スリット24の部分は、弁体10の冷却水路13とボイラ水管により冷却されて、昇温しないようになっている。遮断弁1は、図4に示すように、旋回溶融炉とボイラを結ぶ連絡ダクトに設置される。図4は、排ガスを上方に排出する形式の旋回溶融炉を用いたときの遮断弁組み込み状態を示す図面である。また、図5は本実施例における旋回溶融炉付きボイラを含むボイラ設備全体を示すフロー図である。
【0020】
他のボイラで回収された石炭灰はタンクローリなどで運搬されてきて一旦灰貯槽101に受け、定量フィーダにより適当量切り出して灰搬送用送風機102から供給される搬送空気により旋回溶融炉103に供給される。また、本ボイラ設備内のボイラ104で発生する石炭灰はボイラ104およびエコノマイザなどの予熱器が配置された後炉105や集塵機106から回収して灰循環ブロワ107により連続的に旋回溶融炉103に供給される。
旋回溶融炉103には石炭バンカ108に貯蔵されミル109で粉砕された微粉炭が送風機110から圧送される搬送空気により供給される。
また、空気圧送機111で取り込んだ燃焼用空気が空気予熱器112を通って供給される。空気予熱器112は500から600℃でボイラ後炉105から排出される排ガスと取込み空気の間で熱交換して、燃焼用空気の温度を350℃ないし500℃程度まで上昇させる。
【0021】
旋回溶融炉103は、図4に例示するように、予燃焼室120と円筒形燃焼室130を持った石炭部分燃焼炉で、予燃焼室120にはパイロットバーナ121、油バーナ122、微粉炭バーナ123と、空気ノズルを有する空気室124が備えられている。予燃焼室120内で予熱された微粉炭燃料と燃焼空気を混入したものを円筒形燃焼室130の接線方向に高速で供給し、燃焼室130内で高速旋回流を形成させながら燃料過濃雰囲気下で高温高負荷燃焼させる。灰は燃焼室130の端部に設けられた灰投入ノズル131から空気と一緒に環状室132に供給され、旋回流となって燃焼室130内に進入する。
【0022】
このようにして円筒形燃焼室130内に旋回流が形成され、灰成分は溶融状態になって旋回流に巻き込まれて旋回する間に相互に融着して大きく成長し遠心力で炉壁に吹き飛ばされる。また、旋回流中に巻き込まれた灰分は壁に形成された溶融物と接触すると融着してスラグ化し、一緒にスラグ用開口133まで搬送されて外に流れ出す。スラグはプール116に落下して水砕スラグとなり水封コンベアにより水砕スラグ貯槽117に運搬されて堆積し、必要に応じてトラック等により搬出される。
【0023】
旋回溶融炉103内で生成した高温部分燃焼ガスは、連絡ダクト41,43を通ってボイラ104に導入される。部分燃焼ガスは、約1500℃の高温状態になっており、連絡ダクトの内側に備えた水管45を介して熱回収する。さらに、高温部分燃焼ガスはボイラ104において2次燃焼する。
また、部分燃焼ガスは20%程度の灰分を含むが、この灰はボイラに設備された他のバーナで発生する灰分と一緒に、ボイラ104の底、後炉105の底あるいは集塵機106から回収して、再度旋回溶融炉103に供給して処理する。
一方、集塵機106を通過した排ガスはドラフトファン113により加圧されて脱硫装置を通った後、煙突115から外気に放出される。
【0024】
水冷遮断弁1は旋回溶融炉103とボイラ104を繋ぐ連絡ダクトに設けられる。なお、ボイラ後炉105出口に接続された排ガスダクトに取出しノズルが設けられており、ボイラ内の水管で水・蒸気などと熱交換して冷却され比較的低温になった排ガスをこの取出しノズルから抽出して加圧ファン118で加圧し、水冷遮断弁1のクエンチガスヘッダに供給する。
クエンチガスは旋回溶融炉103から放出される排ガスに混入されて、たとえば1500℃程度の高温で溶融状態になった排ガス中に含まれる灰をその灰の溶融点より低い温度に冷却することで、溶融灰が互いに集合して成長したり連絡ダクト内壁面に粘着して溶融体層を形成するのを抑制する作用を呈する。
【0025】
なお、図6は、排ガスを水平方向に排出する形式の旋回溶融炉を用いたときの遮断弁組み込み状態を示す図面である。
円筒形燃焼室の排出側端部の構成が異なるだけで他は同じであり、図4に示した溶融炉と全く等価に利用することができるので、異なる部分のみ説明する。旋回溶融炉で発生する排ガスは円筒形燃焼室の軸方向に排出される。したがって燃焼室とボイラを接続する連絡ダクトは水平方向に延びておりその途中に水冷遮断弁1が設置される。なお、連絡ダクトの内法が水冷遮断弁1の上流41で小さく下流43で大きいこと、連絡ダクトの内壁に水管45が設けられることなど、図4に示された旋回溶融炉の場合と全く同じである。
【0026】
本実施例の旋回溶融炉付きボイラ設備は上に述べたように構成されるので、ボイラ運転と並行して旋回溶融炉運転を行う場合にも、冷却水により弁体10のみならず枠体20をも冷却するので水冷遮断弁1を高温の連絡ダクト位置に設置することができる。
また、旋回溶融炉103から排ガスに混じって飛散してくる溶融状態になった高温灰分が水冷遮断弁1の下流側でクエンチガスに冷却されて融点より温度低下するため、下流側壁面に溶融体が堆積しにくく堆積した溶融物が連絡ダクトの出口を塞ぐような事態が生じにくい。
なお、クエンチガスの吹出しスリット24は下流に向かって開口する上に弁体10の開口11の端縁より外側にへこんでいるため、弁開口部11を流れる高温の排ガスは弁体10に擁護されたスリット24を直撃しない。このため、スリット24が焼損したり溶融体が堆積したりしてスリットを塞ぐことがないので、クエンチガスの吹出しが中断することなく排ガス中の灰分を連続して冷却することができる。
【0027】
また、弁体10と枠体20の間には常時シールガスを供給して両者間の間隙に溶融物が進入するのを防いで両者が膠着するのを防止しているので、必要なときには容易に弁体10をスライドさせて水冷遮断弁1を閉止することができる。
したがって、本実施例の水冷遮断弁1を連絡ダクトに設置することにより、旋回溶融炉103の補修が必要なときにはボイラ104との流通を遮断してボイラ運転と切り離した保全作業を行うことができる。また、従来は連絡ダクトのボイラへの開口部分に溶融物が堆積して管路を閉鎖する故障がみられたが、本実施例の水冷遮断弁を使用することによりこうした不都合が解消され、旋回溶融炉の連続運転期間が延びて点検補修作業の低減化ができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の水冷遮断弁は冷却効果が大きいため旋回溶融炉の排ガスダクト中に設置することができ、この水冷遮断弁を旋回溶融炉付きボイラ設備に適用すると、クエンチガスの作用により旋回溶融炉の連続運転期間が長期化する上、ボイラより短い間隔で旋回溶融炉を補修する場合に水冷遮断弁で排ガスの流通を遮断してボイラとは独立に点検補修を行うことができるようになる。したがって、電力や蒸気の供給を目的とするボイラなど操業停止をしたくない場合に、旋回溶融炉を切り離し旋回溶融炉の保全作業中もボイラの運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の水冷遮断弁を表す正面図である。
【図2】図1の水冷遮断弁の平面図である。
【図3】図1の水冷遮断弁の取付け状態を示す側面断面図である。
【図4】本実施例に使用する旋回溶融炉の取付け状態を示す断面図である。
【図5】本実施例の旋回溶融炉付きボイラ施設の全体を示すフロー図である。
【図6】本実施例に使用する別の旋回溶融炉の取付け状態を示す断面図である。
【図7】従来の旋回溶融炉付きボイラ施設の例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 水冷遮断弁
10 弁体
11 開口
12 仕切り板
13 冷却水路
14 冷却水ノズル
15,17 継ぎ手
16 可撓管
20 枠体
21 クエンチガスヘッダ
23 ガス供給ノズル23
24 スリット
25 細孔
26 間隙
27 シールガスケット
30 弁体駆動機構
31 支持構造体
32 エアシリンダ
41,43 排ガスダクト
42,44 フランジ
45 水管
101 灰貯槽
102 灰搬送用送風機
103 旋回溶融炉
104 ボイラ
105 ボイラ後炉
106 集塵機
107 灰循環ブロワ
108 石炭バンカ
109 ミル
110 微粉炭搬送用送風機
111 空気圧送機
112 空気予熱器
113 排ガス用ドラフトファン
114 脱硫装置
115 煙突
116 プール
117 水砕スラグ貯槽
120 予燃焼室
121 パイロットバーナ
122 油バーナ
123 微粉炭バーナ
124 空気室
130 円筒形燃焼室
131 灰投入ノズル
132 環状室

Claims (6)

  1. 旋回溶融炉とボイラを結ぶ連絡ダクトの排ガス通路に適合する開口を備えた板状の弁体と、該弁体の端縁を挟んで案内する枠体と、該弁体を該枠体内で並進させて弁の開閉をするアクチュエータを備える水冷遮断弁であって、前記弁体が内部に前記開口の周りを通り弁体内を循環する冷却水の循環路を備え、前記枠体が前記排ガス通路に対応する位置に前記弁体より下流に向かってクエンチガスを吹き出すガス吹出口を備えることを特徴とする水冷遮断弁。
  2. 前記ガス吹出口が前記弁体の開口端縁より引っ込んだ状態に設けられることを特徴とする請求項1記載の水冷遮断弁。
  3. 前記枠体と前記弁体の間にシールガスを供給することを特徴とする請求項1または2記載の水冷遮断弁。
  4. 旋回溶融炉とボイラを結ぶ連絡ダクトに請求項1から3のいずれかに記載の水冷遮断弁を設けたことを特徴とする旋回溶融炉付きボイラ。
  5. 前記連絡ダクトの前記水冷遮断弁を挟む部分の内壁に水冷コイルを備えることを特徴とする請求項4記載の旋回溶融炉付きボイラ。
  6. 前記クエンチガスがボイラ出口から供給される排ガスであることを特徴とする請求項4または5記載の旋回溶融炉付きボイラ。
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