JP3608820B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロール状記録用紙に画情報を記録する一方、その記録用紙の画情報記録済部分を外部に排出する手段と、前記画情報の所定の区切り毎に前記記録用紙を裁断する手段と、外部に排出され裁断された画情報記録済記録用紙(以下記録済用紙と略す)を堆積させて保持する記録紙トレイとを備えたファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ロール状記録用紙に画情報を記録するファクシミリ装置は、図8に示めされるように、分離パッド2及び分離ローラ3に当接させて装置本体1上に載置された図示しない原稿を分離パッド2及び分離ローラ3により1枚ずつ分離搬送し、搬送されて通過していく原稿の画情報を原稿読み取り部4で読み取る。
【0003】
この読み取られた画情報または回線を通して受信された画情報は、サーマルヘッド6により、プラテンローラ7の回転にしたがって繰り出されるロール状に巻かれた感熱記録紙5の記録面に記録される。そして、感熱記録紙5の画情報記録済み部分5aは装置外部に排出される。排出された記録済み部分5aは、1ページ分の画情報の記録が終了するとカッター8によって裁断分離される。裁断分離された記録済用紙は記録紙トレイ9上に積み重なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のファクシミリ装置では、次のような不都合を生じていた。
【0005】
すなわち、裁断分離されてトレイ9上に積み重なるべき記録済用紙は、排出される直前までロール状に巻かれていたため、排出された後も、伸ばしたり縮めたりしたバネが元の状態に戻ろうとするのと同様に、元のロール状に戻ろうとする。そのため、排出された記録済用紙はトレイ9上に平たく積み重ならずに、湾曲したり(10b、10c)、丸く巻かれてトレイ9から落下したり(10d)、トレイ9上で丸く巻かれて(10a)記録済み部分5aの排出を阻害したりする。
【0006】
このような状態になると、本来複写または受信した1ページ目が一番下になり、順に積み重なって、一番上が最終ページとなって、複写原稿または相手側の送信した原稿の順番とは逆順ではあるが、順序良く積み重なるべき記録済用紙がばらばらの状態となり、記録済用紙の並べ替えに大変手間がかかっていた。
【0007】
また、ロール状に戻ってしまった記録済用紙は、その湾曲が取り除かれていないため、その湾曲を取り除いて平らにするのにも大変手間がかかっていた。
【0008】
また、湾曲傾向にある記録済用紙は取り扱いにくく、整理するのに大変手間がかっていた。
【0009】
また、ロール状に戻らずにトレイ9上に複写または受信した順番に積み重なったとしても、複写原稿または相手側の送信した原稿の順番とは逆順であるため、その逆順の記録済用紙を再び複写原稿または相手側の送信した原稿の順番に戻すのに大変手間がかかっていた。
【0010】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の第1の目的は、記録済用紙を複写または受信した順番にきちんと記録紙トレイ上に積み重なるようにすることである。また、本発明の第2の目的は、記録済用紙の湾曲を除去することである。また、本発明の第3の目的は、記録済用紙の整理を行ないやすくすことである。また、本発明の第4の目的は、記録済用紙を複写原稿または相手側の送信した原稿の順番通りに、つまり複写原稿または相手側の送信した原稿の1ページ目が一番上になるように、きちんと記録紙トレイ上に積み重なるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のファクシミリ装置は、ロール状記録用紙に画情報を記録する一方、その記録用紙の画情報記録済部分を外部に排出する手段と、前記画情報の所定の区切り毎に前記記録用紙を裁断する手段と、外部に排出され裁断された画情報記録済記録用紙を堆積させて保持する記録紙トレイとを備えたファクシミリ装置において、前記記録紙トレイは、排紙された前記画情報記録済記録用紙の記録紙幅両側縁部を覆って前記画情報記録済部分を案内する形状に形成されると共に、画情報の記録中には前記堆積した画情報記録済記録用紙の後端を押し上げ続けて、当該後端を前記記録紙トレイとで挟む一方、前記画情報の所定の区切り毎に前記記録紙トレイより下に下降する用紙並べ替え手段が設けられ、前記画情報記録済部分が常に前記堆積した画情報記録済記録用紙の最下面に排出されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2記載のファクシミリ装置は、請求項1記載のファクシミリ装置において、前記用紙並べ替え手段は、少なくとも前記画情報記録済部分を抱えこむ形状のレバーと、そのレバーに駆動力を伝達するワンウェイクラッチとから構成され、前記堆積した画情報記録済記録用紙の後端を押し上げ続けるときは、前記ワンウェイクラッチの緩み方向に駆動力が与えられ、前記記録紙トレイより下に下降するときは、前記ワンウェイクラッチの締まり方向に駆動力が与えられるものであることを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1記載の構成によれば、用紙並べ替え手段が画情報の記録中には前記堆積した画情報記録済記録用紙の後端を押し上げ続けることにより、前記画情報記録済部分が前記堆積した記録済用紙の最下面に排出される一方、用紙並べ替え手段が前記画情報の所定の区切り毎に前記記録紙トレイより下に下降することにより、再び画情報の記録が始まれば、今排出された記録済用紙を含めて前記堆積した記録済用紙の後端を押し上げられる状態になる。したがって、記録済用紙は複写原稿または相手側の送信した原稿の順番通りに記録紙トレイ上に耳を揃えて、きちんと記録紙トレイ上に積み重なる。
【0020】
また、請求項2記載の構成によれば、前記用紙並べ替え手段が、少なくとも前記画情報記録済部分を抱えこむ形状のレバーと、そのレバーに駆動力を伝達するワンウェイクラッチとから構成されるため、ワンウェイクラッチに与えられる駆動力が緩み方向のときは、与えられた駆動力のうちの一定量の駆動力だけがレバーに伝えられ、レバーは前記堆積した記録済用紙の後端を押し上げ続ける一方、ワンウェイクラッチに与えられる駆動力が締まり方向のときは、与えられた駆動力はすべてレバーに伝えられ、レバーは記録紙トレイより下に下降する。
【0021】
【実施例】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明において参照する図において、従来のファクシミリ装置を示す図8と同一部分および相当する部分には同一符号が付されている。
【0022】
先ず、図1は本発明の第1の実施例にかかるファクシミリ装置を示している。
【0023】
同図(a)において、ファクシミリ装置本体1に内蔵された、紙面の外側が記録面であるロール状感熱記録紙5は、その外周側の一端がプラテンローラ7とサーマルヘッド6とによって挾持されるとともにローラ7の回転によって繰り出される。そして、原稿読み取り部4で読み取られた画情報または相手側から受信した画情報は、サーマルヘッド6によって記録紙5の記録面に記録される。記録紙5のうちの画情報が記録済みの部分5aは、記録紙5がローラ7によって繰り出されるのにしたがって記録紙トレイ9に沿って装置外部に排出されていく。そして、1ページ分の画情報の記録が終わるとカッター8によって記録済み部分5aはロール状感熱記録紙5から切り離される。なお、ローラ7は、図示しないモータ等の駆動力源で駆動される。
【0024】
ここで、装置本体1に取り付けられた記録紙トレイ9について図1(b)を参照して説明する。トレイ9は、その側縁部9a及び9bが、排出される記録紙の側縁から上面にかけてを覆うように断面コの字形に形成されている。このトレイ9は、装置本体1に設けられた互いに平行する取付け溝13及び14に挿嵌されるトレイ取付け部材11及び12を介して装置本体1に取り付けられる。また、トレイ9には、取付け部9c及び9dが形成されている。また、トレイ9は、既知のラックとピニオンを用いて、横幅が可変できる構成とされている。トレイ取付け部材11及び12には、それぞれの取付け部9c及び9dと嵌合する溝11a及び12aが設けられている。
【0025】
取付け溝13は、断面が細長い長方形の溝である。取付け溝14は、その断面が、細長い長方形の長い方の2辺のうちの一辺に、円の弧とその弧の両端部を結んだ線分で構成されるいわゆる弓形を、その線分が前記2辺のうちの一辺と重なるように、一定間隔で並べた形状の溝である。
【0026】
トレイ取付け部材11及び12は、それぞれ、取付け溝13に密着してはまるように、取付け溝13の幅と同程度の幅の断面長方形の部材11c及び12cを備えている。また、トレイ取付け部材11及び12は、それぞれスナップ11b及び12bを備えている。この両スナップの先端部は、取付け溝14の一定間隔の弓形形状の側壁に、密着して接する形状とされている。ただし、両スナップは、取付け溝14の一定間隔の弓形形状の側壁と対向する側壁とは接しないように所定の隙間が生じるように形成されている。
【0027】
以上のように形成されるトレイ取付け部材11及び12は、取付け溝13及び14に深くはめこまれる。そして、はめこまれたままで両取付け溝の長手方向に両取り付け部材をスライドさせるために両部材にそれぞれ力を加えると、部材11c及び12cは、取付け溝13の側壁に密着してスライドし、スナップ11b及び12bは、スライドさせようとする力により変形し、両スナップの先端部は、弓形形状の側壁との密着が解かれてスライドし、隣の弓形形状側壁に密着する。
【0028】
このようにして、ロール状感熱記録紙5の幅に合わせて所定の位置に配置されたトレイ取付け部材11及び12に、それぞれ取付け部9c及び9dが嵌合するように幅が調節されたトレイ9を取り付けることにより、トレイ9は、装置本体1にしっかりと取付けらける。
【0029】
以上のようにして装置本体1に取付けらけたトレイ9の側縁部9a及び9bは、排出される記録済み部分5aの側縁から上面にかけてを覆う格好になるため、記録済み部分5aは、横方向にずれたり、上下方向に湾曲したりせず、記録済用紙はきちんとトレイ9内に収まる。また、堆積した記録済用紙の湾曲の傾向は互いに同様であるため、先に排出された記録済用紙が次の記録済用紙の排出を妨げることはなく、先の記録済用紙の上に、次の記録済用紙が排出される。
【0030】
したがって、排出されてトレイ9に堆積した記録済用紙は互いに耳が揃うため取扱が容易になるばかりでなく、複写または受信した順番にきちんと積み重なる。また、記録済用紙をトレイ9内に納めたままでトレイ9をトレイ取付け部材11及び12から取り外して記録済用紙を持って行くべき場所にそのまま持って行けば、持って行く間に堆積した記録済用紙が乱雑になることもないため取扱が容易になる。また、側縁部9a及び9bは、記録済用紙の上下方向の湾曲を規制するため、トレイ9から記録済用紙が取りだされるまでの間に、湾曲しようとする記録済用紙の癖をある程度除去することができる。
【0031】
なお、この第1の実施例では、記録紙トレイ9は、排出される記録紙の側縁から上面にかけてを覆うように、その側縁部9a及び9bを断面コの字形に形成したが、そのような形状に限られるものでないことはいうまでもない。例えば、側縁部9aから側縁部9bに渡って記録済用紙をすのこ状に覆うように形成してもよい。また、側縁部9aから側縁部9bの一面に渡って覆ってしまってもよいが、そうすると、記録済用紙に記録されている内容を一目で確認できなくなるため、その面を透明なものとすることも考えられる。
【0032】
以上説明した第1の実施例によれば、記録済用紙をきちんとトレイ9上に積み重ねることができるとともに、記録済用紙の湾曲しようとする癖をある程度除去することができるが、次に説明する第2及び第3の実施例は、記録済用紙の紙面を押圧して、記録済用紙の湾曲しようとする癖をさらに十分に除去しようとするものである。
【0033】
図2は、本発明の第2及び第3の実施例にかかるファクシミリ装置の記録紙トレイの一部分を示している。
【0034】
同図において、トレイ9は第1の実施例で用いたものと同じであるが、本実施例では、トレイ9の側縁部9a及び9bに弾性部材としての板バネ15を一定間隔で取り付けている。この板バネ15は、トレイ9に接着される底面を備えた、くの字形の板バネである。このバネ15は側縁部9a及び9bの下面または上面のいずれかに取り付けられるが同図には下面に取り付けられたものだけが示されている。また、そのくの字形に屈曲した部分は、板バネ15が取付けらけた面と対向する面に、軽く当接させるか、近接させる。また、このバネ15の復元力が強すぎると排出される記録済み部分5aがそこにひっかかってしまうため、記録済用紙10の湾曲しようとする復元力に抗することができる程度の復元力のものとされている。
【0035】
ところで、湾曲した紙の湾曲しようとする癖をとるには、湾曲して生じた紙の凸部を上から押さえつけるのが効果的であるが、ロール状感熱記録紙5には、その紙面の外側が記録面であるものと、内側が記録面であるものとの二種類がある。
【0036】
この記録面が外側か内側かにより、排出される用紙の湾曲の傾向は上下逆になるため、それに対応して板バネ15の取付け方は、側縁部9a及び9bの上面に取付けるか、下面に取付けるかの2通りある。上面に取付けるものが第2の実施例であり、下面に取付けるものが第3の実施例である。
【0037】
図3には、本発明の第2の実施例が示されている。同図(a)に示されるように、紙面の外側が記録面であるロール状感熱記録紙5は、プラテンローラ7により繰り出され、装置1の外部に記録済み部分5aが排出される。この場合、排出された記録済用紙10の湾曲は上側に凸になる傾向であるため、同図(b)に示されるようにバネ15は、それを押えつけるように、側縁部9a及び9bの上面に取り付けられる。
【0038】
図4には、本発明の第3の実施例が示されている。同図(a)に示めされるように、紙面の内側が記録面であるロール状感熱記録紙5は、プラテンローラ7により繰り出され、装置1の外部に記録済み部分5aが排出される。この場合、排出された記録済用紙10の湾曲は下側に凸になる傾向であるため、同図(b)に示めされるようにバネ15は、それを押えつけるように、側縁部9a及び9bの下面に取り付けられる。
【0039】
以上のように、第2及び第3の実施例では、記録済用紙10の湾曲を除去するための板バネ15を記録紙トレイ9に設けることにより、排出されて堆積する記録済用紙10は、トレイ9内に納められている間ずっとバネ15に押えつけられて湾曲は除去されるため、トレイ9から取り出した後の記録済用紙10の取扱は非常に容易になる。
【0040】
なお、第2及び第3の実施例では、湾曲して生じた紙の凸部を上から押さえつけるように、ロール状感熱記録紙5の種類に応じてバネ15を側縁部9a及び9bの上面または下面に取り付けたが、湾曲して生じた紙の凸部を下から押さえつけるように、バネ15を取り付けることによっても、記録済用紙10の湾曲の除去は可能である。
【0041】
また、記録紙トレイ9は、前述したように、その側縁部9a及び9bの形状が断面コの字形に限られるものではなく、例えば、側縁部9aから側縁部9bに渡って記録済用紙をすのこ状に覆うように形成してもよし、側縁部9aから側縁部9bの一面に渡って覆ってしまってもよい。その場合は、記録済用紙を覆う上面か、またはその上面に対向する下面にバネ15を配置すれば記録済用紙の湾曲を除去できる。
【0042】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。この第4の実施例は、第1の実施例で用いたトレイ9の縁に切欠き部が形成されることにより、堆積した記録済用紙の整理が容易になるものである。
【0043】
図5には、第4の実施例にかかる記録紙トレイ9が示されている。この記録紙トレイ9は、第1の実施例で用いたものの側縁部9aに切欠き部9e、9f及び9gが設けらけたものである。
【0044】
また、切欠き部が設けられたことにより、なにも手当しなければこの切欠き部に記録済み部分5aの先端がひっかかることも考えられるため、それを防ぐために同図(b)に示めされるように切欠き部の近辺に山形の凸部9hが設けられている。なお、図では、切欠き部9eの近辺に設けられた凸部9hが示されているが、切欠き部9fの近辺にも同様に凸部が設けらけている。この凸部9hより、記録済み部分5aは切欠き部9eを避けて排出されため、途中でひっかかることもない。
【0045】
以上のように形成される切欠き部9e、9fは、いわゆるパンチ穴をあけるためのものであり、このふたつの切欠き部にパンチ穴をあける器具をあてがってパンチ穴をあけることができる。切欠き部9gは、ホッチキスで記録済用紙の端をとじるためのものである。もちろん、切欠き部9e、9fの部分で記録済用紙をホッチキスでとじることもできる。
【0046】
以上のように、第4の実施例によれば、トレイ9上に互いに耳を揃て堆積している記録済用紙に、そのままの状態でパンチ穴をあけることが可能となり、後にトレイ9から取りだしてファイルするときにも、パンチ穴が互いに揃っているため取扱が大変容易である。また、耳が揃った状態でホッチキスでとじることができるため、トレイ9から記録済用紙を取りだしてから耳を揃え直す手間が省けるため大変便利である。
【0047】
なお、第4の実施例では、切欠き部はトレイ9の左側の側縁部に形成したが、必要に応じてその他の縁の部分に設けることができるのはいうまでもない。
【0048】
次に本発明の第5の実施例について図6、7を参照して説明する。この第5の実施例は、排出される記録済み部分が堆積した記録済用紙の最下面に排出されるものである。
【0049】
そのために、第5の実施例では、図6に示されるように、プラテンローラ7とカッター8との間に、カッター8の両側から、排出される記録済み部分を抱えこむ形状のレバー15aを備え、図7に示めされるように、そのレバー15aが一体に形成されたレバー軸15は、螺旋バネをねじるとそのねじる方向によって緩んだり締まったりする性質を利用した、既知のワンウェイクラッチ15bを介して、プラテンローラ7を駆動するプラテンローラギア7aと歯合するレバー軸駆動ギア15cによって駆動される。
【0050】
また、トレイ9の底面のうち、上下動するレバー15aと干渉する部分は切欠かれている。また、レバー15aは、上昇した際に、側縁部9a及び9bの上面に係止される。
【0051】
以上のように構成されるファクシミリ装置は、図6(b)に示されるように、画情報の記録中には、プラテンローラギア7aが時計方向に回転する。そのギア7aと歯合しているレバー軸駆動ギア15cは、反時計方向に回転する。この反時計方向の回転では、ワンウェイクラッチ15bは緩み方向とされており、レバー軸15には、空回りするワンウェイクラッチ15bの内面とレバー軸15の端部との摩擦に起因する所定の駆動力のみが伝達される。すなわち、画情報記録中には、レバー軸駆動ギア15cは、反時計方向に空回りしつづけ、レバー15aは、一定の駆動力により堆積した記録済用紙10の後端を押上げながら側縁部9a及び9bの上面に係止される。この状態で記録済み部分5aは記録済用紙10の下にもぐり込んで排出され、1ページ分の画情報の記録が終了するとカッター8によって記録済み部分5aは、切り離される。
【0052】
そして、次のページの画情報の記録が開始される前に、プラテンローラギア7aは反時計方向に少し回転する。この反時計方向の回転は、レバー15aがトレイ9より下の待機位置15bに下降するのに十分な回転量とされている。プラテンローラギア7aの反時計方向の回転は、ワンウェイクラッチ15bにとっては締まり方向の回転であるため空回りせず、レバー軸15はレバー軸駆動ギア15cと一体に回転する。つまり、レバー15aは、今切り離されたばかりの記録済用紙の後端を払いのけて、待機位置15bまで下降し、次の記録すべき画情報があるときは、画情報の記録が再び開始され、再びレバー15aは今切り離されたばかりの記録済用紙を含めて堆積した記録済用紙10の後端を押上げる。
【0053】
以上のように、今記録された記録済用紙が直前に記録された記録済用紙の下になって積み重なるため、一番最初に記録した記録済用紙が一番上になり、一番最後に記録した記録済用紙が一番下になる。すなわち、記録済用紙は、複写原稿または相手側の送信した原稿の順番通りに記録紙トレイ9上に積み重なる。
【0054】
なお、プラテンローラギア7aが、レバー15aを待機位置15bに下降させるために反時計方向に回転すると、ロール状感熱記録紙5の繰り出された部分が、たるむ状態となるが、その反時計方向の回転はわずかであるため悪影響はない。また、プラテンローラギア7aの回転方向を変えるには、モータ等の駆動力源の回転方向を変えればよく、容易に実現できる。
【0055】
また、第1ないし第5の実施例では、記録紙トレイ9は横幅が可変できる構成としたが、記録紙5の幅に合わせた幅に固定されたものでもよいのはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、記録紙トレイが記録済用紙の側縁から上面にかけてを覆い前記画情報記録済部分を案内する形状であるため、記録済用紙は記録紙トレイ上に耳を揃えて記録された順番に積み重なり、記録済用紙をまとめて取り扱うのが容易になる。
また、用紙並べ替え手段が設けられているため、記録済用紙は記録紙トレイ上に耳を揃えて、複写原稿または相手側の送信した原稿の順番通りに上からきちんと記録紙トレイ上に積み重なり、宛先や発信者の名前など、一般に1ページ目に記載される重要な内容をいち早く確認できる。また、記録終了後に記録済用紙の順序を並べ替える手間が省ける。
【0058】
また、請求項2に係る発明によれば、少なくとも前記画情報記録済部分を抱えこむ形状のレバーと、そのレバーに駆動力を伝達するワンウェイクラッチとによる簡易な構成の前記用紙並べ替え手段で、記録済用紙を複写原稿または相手側の送信した原稿の順番通りに記録紙トレイ上に耳を揃えて、きちんと記録紙トレイ上に積み重ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明の第2及び第3の実施例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施例を示す図である。
【図7】図6と共に本発明の第5の実施例を示す図である。
【図8】従来のファクシミリ装置の構成及び作用を示す図である。
【符号の説明】
5 ロール状記録紙
6 サーマルヘッド
7 プラテンローラ
8 カッター
9 記録紙トレイ
15a レバー
15b ワンウェイクラッチ
Claims (2)
- ロール状記録用紙に画情報を記録する一方、その記録用紙の画情報記録済部分を外部に排出する手段と、前記画情報の所定の区切り毎に前記記録用紙を裁断する手段と、外部に排出され裁断された画情報記録済記録用紙を堆積させて保持する記録紙トレイとを備えたファクシミリ装置において、
前記記録紙トレイは、排紙された前記画情報記録済記録用紙の記録紙幅両側縁部を覆って前記画情報記録済部分を案内する形状に形成されると共に、画情報の記録中には前記堆積した画情報記録済記録用紙の後端を押し上げ続けて、当該後端を前記記録紙トレイとで挟む一方、前記画情報の所定の区切り毎に前記記録紙トレイより下に下降する用紙並べ替え手段が設けられ、前記画情報記録済部分が常に前記堆積した画情報記録済記録用紙の最下面に排出されることを特徴とするファクシミリ装置。 - 前記用紙並べ替え手段は、少なくとも前記画情報記録済部分を抱えこむ形状のレバーと、そのレバーに駆動力を伝達するワンウェイクラッチとから構成され、前記堆積した画情報記録済記録用紙の後端を押し上げ続けるときは、前記ワンウェイクラッチの緩み方向に駆動力が与えられ、前記記録紙トレイより下に下降するときは、前記ワンウェイクラッチの締まり方向に駆動力が与えられるものであることを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
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