JP4014925B2 - 廃券回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定内容が記録された券類を発券する発券装置において発券すべきでない券類を廃券として回収する廃券回収装置に係り、特に、バスの整理券の発券装置に好適な廃券回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バスの整理券Sの発券装置としては、例えば特許2597303号公報に示されるものがある。この発券装置の内部にはロール紙が収容されており、このロール紙の先端が発券口に送り出され、バスの走行区間に対応するデータ(数字、例えば「6」等)が印刷されて、カッターにより所定の長さに切断されて整理券Sが発券口から発券される。整理券Sが発券口から引き抜かれると、発券センサにより検知されてロール紙が送り出され、データが印刷されて次の整理券Sが発券される。
【0003】
バスが例えば整理券Sの「6」に対応する区間を通過すると、既に「6」が印刷されて発券口に配置されている整理券Sは、発券すべきではなく、廃券として回収される。廃券を回収する構成としては、例えば図5に示すものがある。図5に示すように、発券口81の内側には上下に駆動される廃券レバー82が設けられ、廃券レバー82の下方には廃券回収部83が設けられている。廃券回収部83は幅がすぐに広くなっており、廃券として回収されるべき整理券Sは、廃券レバー82により廃券回収部83に落とし込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示される廃券回収部83は、廃券回収部83の幅がすぐに広くなっているため、前に落とし込まれた廃券Tと、新しく落とし込まれる廃券Tとが順に重ならず、廃券Tは乱雑になって貯まる。このため、廃券回収部83がすぐに満杯になり、廃券回収部83に貯まった廃券を頻繁に除去しなければならないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃券の回収量を増加でき、回収した廃券を除去する頻度を低減できる廃券回収装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定内容が記録された券類を発券する発券口の内側に、廃券を二つ折りにする折込押込部材を設け、廃券を概略V字状積み重ね状態で保持する保持通路を前記折込押込部材に対応して設けた廃券回収装置において、前記保持通路の少なくとも一方の通路壁は、前記保持通路内に前記廃券が押し込まれた状態で、該廃券を押圧可能に構成されている第1板ばねであり、前記保持通路の先に、該保持通路に対して幅が広く形成され、押圧力を受けない状態で廃券が貯蔵される自由貯蔵部が設けられたことを要旨とする。
【0007】
この発明では、廃券は折込押込部材により二つ折りにされ、概略V字状態で保持通路に押し込まれて保持される。そして、次の廃券が折込押込部材により二つ折りにされて概略V字状態で保持通路に押し込まれるため、前の廃券に積み重ねられる。従って、廃券の回収量を増加でき、回収した廃券を除去する頻度を低減できる。加えて、折込押込部材によって押し込まれた廃券を、保持通路で保持しやすくなっている。また、廃券が折込押込部材によって押し込まれたときに、第1板ばねが外側に撓むため、通路壁を固定壁にした場合に比べて、折込押込部材にかかる負荷、即ちモータの負荷を低減できる。さらに、保持通路を通過した廃券は、押圧力を受けない状態で自由貯蔵部に貯蔵される。従って、折込押込部材は、自由貯蔵部に移動した廃券は押し込まなくてよいため、折込押込部材にかかる負荷をより低減できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、二つ折りにされた廃券を拡げるように、廃券の二つの折曲片の一方を、前記保持通路の他方の通路壁面側へ押圧する第2板ばねが設けられたことを要旨とする。この発明では、二つ折りにされた廃券を拡げるように、廃券の二つの折曲片の一方が第2板ばねで保持通路の他方の通路壁面側に押圧されるため、廃券は、例えばロール紙のときの曲がり癖が概略V字が閉じる方向に付いていても、概略V字が閉じるのが防止され、廃券が前の廃券の概略V字の中に入りやすくなるため、積み重ねやすくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をバスの整理券の発券装置に設けられる廃券回収装置に具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
【0016】
図1は発券装置の内部の模式正面図であり、図2(a)は同じく要部拡大正面図であり、図2(b)は廃券レバーとモータとの関係を示す模式図である。
図1及び図2(a)に示すように、バスの整理券の発券装置11は、下側ロール紙収要部12と、上側ロール紙収要部13とを備えている。発券装置11の左側面14には、下側ロール紙収要部12と上側ロール紙収要部13との中間に対応する位置に、発券口16が形成されている。
【0017】
下側ロール紙収要部12と上側ロール紙収要部13との間には、発券装置11の右側面17から左側面14に向かって延びる共通通路18が形成されている。共通通路18には、ロール紙19又はロール紙20のいずれか一方が通過してロール紙の先端が発券口16に送り出されるようになっており、他方のロール紙の先端は、共通通路18の手前に配置されて待機させられている。
【0018】
下側ロール紙収要部12は、ロール紙19を図1中、反時計方向に回転させてロール紙の先端を共通通路18の右端に送り出すように形成されている。上側ロール紙収要部13は、ロール紙20を時計方向に回転させて、ロール紙の先端を共通通路18の右端に送り出すように形成されている。
【0019】
共通通路18より発券口16側には、プリンタヘッド21、プラテンローラ22、プリンタヘッド23、プラテンローラ24及び図示しないカッターが設けられている。
【0020】
発券口16の内側には、整理券Sを支持する支持部28が設けられている。プリンタヘッド21〜プラテンローラ24及びカッターが配置された箇所を通過して形成された整理券Sは、発券口16に配置される。発券口16に配置された整理券Sは、その一部が発券口16から外に出て、発券口16に相当する部分が発券口16の下辺に相当する支持部16aで支持され、外に出た部分と反対側の部分が支持部28で支持されている。発券口16の上には、整理券Sが発券口16に配置されているか否かを検出する発券センサ29が設けられている。
【0021】
発券口16にロール紙の先端を送り出す上記の構成は、特許第2597303号公報に示される構成と同様に形成されている。
次に、廃券回収装置について説明する。
【0022】
発券口16の内側には、折込押込部材としての廃券レバー31が設けられている。廃券レバー31は、支持部28に対して左側面14側に配置されており、発券口16と支持部28との間で上下に揺動するように形成されている。廃券レバー31には、廃券レバー31と一体で回動する回動軸32が左右方向に延びるように設けられている。図2(b)に示すように、回動軸32にはギヤ33が取付けられており、このギヤ33は、正逆回転可能なモータ34の図示しない出力軸に取付けられたギヤに噛合されている。廃券レバー31は、発券口16に配置された状態の整理券Sの左端部より、右端部の近くに位置するように形成されている。
【0023】
廃券レバー31の下方には、廃券の保持通路41が設けられている。保持通路41の下には、自由貯蔵部42が設けられている。自由貯蔵部42は、右側の第1板ばね43と、左側の下壁部44とにより形成されている。保持通路41は、第1板ばね43と、下壁部44の上部に取付けられた上壁部45とにより形成されており、第1板ばね43は一方の通路壁である。第1板ばね43及び上壁部45の内面は通路壁面を構成する。廃券回収装置は廃券レバー31、モータ34、保持通路41、自由貯蔵部42により構成されている。
【0024】
第1板ばね43は、その下端部の支持部43aが発券装置11の本体に支持されて上方に延び、発券口16側に傾いており、第1板ばね43の上端部は、支持部材46を介して発券装置11の本体に支持されている。支持部材46は、発券装置11の本体の図示しない孔に挿入されて支持されており、図示しないコイルばねにより発券装置11の背面側に付勢されている。支持部材46は、その摘みが手前側に引っ張られることにより前記孔から抜き取られ、第1板ばね43の上部の支持を解除し、第1板ばね43の上部が通路幅を広くするように右側に動くのを許容するように形成されている。
【0025】
下壁部44の上部は、第1板ばね43に向かって屈曲した屈曲部47になっており、上壁部45の下部は、屈曲部47の第1板ばね43側に接している。このため、自由貯蔵部42は、保持通路41に対して急激に幅が広くなっている。
【0026】
上壁部45は、支持部28や支持部材46と対向する部分がほぼ垂直下方に延び、途中からわずかに傾斜して右側下方に向かって延び、そして自由貯蔵部42に近づいた箇所の折曲部48から、再びほぼ垂直下方に延びて屈曲部47に接するように形成されている。保持通路41は、自由貯蔵部42の近くの折曲部48で通路幅が狭まっており、折曲部48より下では、下側ほど徐々に広がるように形成されている。
【0027】
支持部28には、弾性部材としての第2板ばね51が取付けられている。第2板ばね51の左端部は、廃券レバー31の先端部31aが上昇した状態では上壁部45に接し、先端部31aが下降した状態では、先端部31aの右側面に接するように形成されている。
【0028】
次に、上記構成の発券装置11の作用について説明する。
バスが運行されて、例えば下側ロール紙収要部12のロール紙19が送り出されて整理券Sが発券される場合、上側ロール紙収要部13のロール紙20は、その先端が共通通路18の右に位置して待機している。ロール紙19が残りわずかになると、所定のセンサで検知されてロール紙19が巻き戻されて共通通路18から退き、上側ロール紙収要部13によりロール紙20が送り出されて共通通路18、プリンタヘッド21,23を通過して発券口16から発券される。ロール紙19は新しいロール紙と交換され、その先端が共通通路18の右に配置されて待機する。
【0029】
バスが次の車両区間に移動して、発券口16に配置されている整理券Sが廃券として回収される場合には、モータ34が正回転され、モータの回転がギヤ33を介して回動軸32に伝達されて廃券レバー31が下降する。整理券Sは、廃券レバー31の先端部31aにより概略V字状に折り込まれ、保持通路41に押し込まれる。整理券Sは、折曲部61を境にして左の方が長くなるように折り込まれる。廃券レバー31は、第2板ばね51を外側に押しのけながら下降位置まで移動するため、第2板ばね51は、廃券レバー31が下降した状態では、先端部31aの右側面に接する。
【0030】
モータ34は、所定量正回転した後、逆回転して廃券レバー31を上昇させる。
折り曲げられた廃券Tは、第1板ばね43と上壁部45とにより挟持されて、廃券レバー31によって押し込まれた位置で保持される。よって、廃券レバー31が上昇しても、廃券Tは押し込まれた位置に留まっている。廃券レバー31が上昇すると、二つ折りにされた廃券Tの二つの折曲片の一方としての左側の折曲片62は、第2板ばね51により上壁部45に押し当てられる。このようにして、廃券処理が行われる。発券口16には、上側ロール紙収要部13のロール紙20が送り出されて、次の車両区間に対応するデータが印刷された整理券Sが配置される。
【0031】
同様に、印刷された整理券Sが不要な場合は、今回の新しい廃券Tも、廃券レバー31により前の廃券Tと同様に折り込まれるとともに、保持通路41の同様の位置に押し込まれる。保持通路41には前の廃券Tが保持されているため、新しい廃券Tは、前の廃券Tに対して、折曲部61が互いに対応して重なるように押し込まれ、前の廃券Tに積み重ねられる。このとき、前の廃券Tは、廃券Tの一枚分の厚さに相当する量だけ下方に押し込まれる。
【0032】
このようにして、廃券Tが生じるたびに廃券レバー31が駆動され、廃券Tは順次積み重ねられる。廃券Tの積み重ねにより厚さを増す廃券Tの塊は、塊の上端部の位置は常に同じで、廃券レバー31によって押し込まれる位置であり、廃券Tの塊の下端部の位置は、廃券Tが積み重ねられる毎に廃券Tの厚みずつ下がる。
【0033】
保持通路41で保持される廃券Tの塊の厚みが増し、下端部が折曲部48を通過して自由貯蔵部42に達するようになると、下部の廃券Tが一塊となって自由貯蔵部42に落下する。このとき、保持通路41は折曲部48より下の部分が徐々に広がっているため、折曲部48より下の分の廃券Tが一塊となって落下しやすい。廃券Tは一塊となって落下するため、積み重ねられたままの状態で自由貯蔵部42に貯められる。落下した廃券Tは、自由貯蔵部42が広くなっていることにより、比較的開いた状態で自由貯蔵部42に貯められる。
【0034】
保持通路41で保持される廃券Tが増加し、下端部が再び自由貯蔵部42に達するようになると、下部の廃券Tが一塊となって自由貯蔵部42に落下する。既に自由貯蔵部42に貯められている廃券Tが比較的開いた状態になっているため、今度の新しく自由貯蔵部42に落下した一塊は、前の廃券Tに積み重ねられる。なお、図3(a)では、保持通路41に保持されている廃券Tと、自由貯蔵部42に貯まっている廃券Tとは、途中を…で表して一部図示を省略している。
【0035】
このようにして、廃券Tは、保持通路41及び自由貯蔵部42が満杯になるまで途中で廃券Tを除去する必要なく回収できる。
保持通路41及び自由貯蔵部42に貯まった廃券Tを除去する際には、支持部材46を手前側に引っ張って第1板ばね43の上側の支持を解除し、保持通路41を広げて廃券Tを取り出しやすくしてから廃券Tを除去する。
【0036】
この実施の形態の回収部の高さを従来と同じにしたところ、従来では整理券Sを約80枚回収すると満杯になったのに対し、この実施の形態では約3倍の約240枚回収できた。
【0037】
この実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1) 廃券Tを二つ折りにして概略V字状態で積み重ねながら、発券装置11に設けられた保持通路41に押し込んでいる。従って、概略V字状態の廃券が、前の廃券の概略V字の中に入れられて積み重ねられるため、従来の廃券が単に回収部に落とし込まれる場合と異なり、同じ容積当たりの廃券の回収量を増加でき、回収した廃券を除去する頻度を低減できる。
【0038】
(2) 保持通路41は概略下方に延びるように形成されている。従って、廃券Tが、前の廃券Tに対して、折曲部61が重なるように積み重ねられて、廃券の回収量をより増加できる。
【0039】
(3) 保持通路41の右側の通路壁は、保持通路41内に廃券Tが押し込まれた状態で、該廃券Tを押圧可能に構成されている第1板ばね43である。従って、廃券レバー31によって押し込まれた廃券Tを保持通路41で保持しやすくなっている。また、廃券Tが廃券レバー31によって押し込まれたときに、第1板ばね43が外側に撓むため、通路壁を固定壁にした場合に比べて、廃券レバー31にかかる負荷、即ちモータ34の負荷を低減できる。
【0040】
(4) 保持通路41の右側の通路壁が第1板ばね43であるため、保持通路41内の廃券Tに適度な押圧力を作用させる通路壁を容易に形成できる。
(5) 保持通路41の下に自由貯蔵部42が形成されている。従って、廃券レバー31は、保持通路41に保持される廃券Tを押し込めばよく、自由貯蔵部42に落下した廃券Tは押し込まずにすむため、廃券レバー31にかかる負荷、即ちモータ34の負荷をより低減できる。
【0041】
(6) 二つ折りにされた廃券Tを拡げるように、廃券Tの二つの折曲片の一方を、上壁部45側へ押圧する第2板ばね51が設けられている。従って、廃券Tの概略V字が開いた状態に保持でき、廃券Tを積み重ねやすくすることができる。
【0042】
特に、図3(c)に示すように、上側のロール紙20により形成された廃券Tは、ロール紙20のときに曲がり癖が付き、概略V字が閉じるように曲がる場合があり、廃券Tが前の廃券の概略V字の中に入りにくくなる虞がある。しかし、第2板ばね51によって廃券の概略V字が開いた状態に保持できるため、廃券Tを積み重ねやすくすることができる。
【0043】
なお、図3(d)に示すように、下側のロール紙19により形成された廃券Tは、ロール紙19のときに曲がり癖がついても、概略V字が開くように曲がるため、廃券Tは前の廃券の概略V字の中に入りやすい。よって、発券装置が下側ロール紙収要部12だけを備えるのであれば第2板ばね51を設けなくてよいが、発券装置11は上側ロール紙収要部13も備えているため、第2板ばね51を設けるのが望ましい。
【0044】
(7) 第2板ばね51は、支持部28に取付けられているため、取付けやすい。
(8) 廃券レバー31は、発券口16に配置された状態の整理券Sの左端部より、右端部に近い方に位置するように形成されているため、廃券Tは、折曲部61を境にして左の方が長くなるように二つ折りにされる。従って、第2板ばね51は、廃券Tの長い方の折曲片を付勢するため、付勢しやすい。
【0045】
(9) 保持通路41は、折曲部61より下が、下になるほど幅が広がるように形成されている。このため、保持通路41に保持された廃券は、折曲部61より下の部分が一塊になって自由貯蔵部42に落ちやすく、一枚ずつバラバラに自由貯蔵部42に落下することが防止される。
【0046】
なお、実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変更してもよい。
○ 廃券レバー31は、折り曲げられた廃券Tが折曲部61を境に右の方が長くなるように形成してもよい。そして、第2板ばね51は上壁部45に取付けられ、廃券Tの右側の折曲片を支持部28に押圧するように形成してもよい。
【0047】
○ 上側ロール紙収要部13は、ロール紙20を時計方向に回転させてロール紙20を送り出す構成に限られず、例えばロール紙20を反時計方向に回転させて、上側ロール紙収要部13の左下からプリンタヘッド21の方へロール紙20を送り出すように形成してもよい。この場合、ロール紙20により形成された廃券Tも、概略V字が開くような曲がり癖がつくため、第2板ばね51を設けなくてもよい。
【0048】
○ 発券装置11は、下側ロール紙収要部12と上側ロール紙収要部13との両方がロール紙を送り出す構成に限られない。例えば、下側ロール紙収要部12だけがロール紙を送り出し、上側には単にロール紙を備え付けておくように形成してもよい。この場合でも、廃券Tが概略V字が閉じるように曲がる虞がないため、第2板ばね51を設けなくてもよい。
【0049】
○ 廃券レバー31は、廃券Tが折曲部61を境に左右の長さが同じになるように配置してもよい。しかし、廃券Tの概略V字が閉じるように曲がる虞があって第2板ばね51を設ける場合は、第2板ばね51が付勢しやすくなるように、第2板ばね51によって付勢される側の折曲片が長くなるように廃券レバー31を配置するのが好ましい。
【0050】
○ 保持通路41は、廃券レバー31によって押し込まれる部分が下方に延びることに限られず、例えば、図4に示すように、斜めに延びるように形成してもよい。この場合、廃券は、右側面側で積み重ねられ、左側面側では必ずしも互いに接しない状態で押し込まれていく場合がある。この場合でも、概略V字状態の廃券が、前の廃券の概略V字の中に入れられて積み重ねられるため、従来の廃券が単に回収部に落とし込まれる場合と異なり、廃券の回収量を増加できる。
【0051】
○ 保持通路41は、自由貯蔵部42の近くに折曲部48を形成して通路幅を狭めなくてもよい。例えば、下側ほど徐々に広がるように形成してもよい。
○ 自由貯蔵部42を設けず、保持通路41が発券装置11の底部まで延びるように形成してもよい。モータ34は高トルクを出力可能に形成する。
【0052】
○ 保持通路41の右側の通路壁が板ばねであることに限られず、保持通路41の左側の通路壁が板ばねでもよい。
○ 保持通路41の左右両方の通路壁が板ばねでもよい。
【0053】
○ 保持通路41内に廃券Tが押し込まれた状態で、該廃券Tを押圧可能な保持通路41の通路壁は板ばねで構成されることに限られない。例えば、通路壁となる板をコイルばねで支持し、保持通路41内に廃券Tが押し込まれた状態で、コイルばねの付勢力により廃券Tを通路内側に付勢するように構成してもよい。
【0054】
○ 保持通路41の左右両方の通路壁を、通路幅が変化しないように発券装置11の本体に固定して形成してもよい。
○ 支持部材46は、コイルばねにより発券装置11の背面側に付勢され、発券装置11の本体の孔に挿入される構成に限られず、支持部材46にねじ部を形成するとともに発券装置11の本体に対応するねじ孔を形成し、支持部材46のねじ部を発券装置11のねじ孔に螺合させてもよい。
【0055】
○ 本発明は、バスの整理券の発券装置に具体化されることに限られない。
上記各実施の形態から把握できる技術的思想(発明)について、以下に追記する。
【0056】
(1) 請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記保持通路は、先端側ほど徐々に広がっている。
(2) 請求項1に記載の発明において、前記保持通路は、通路幅を狭めた部分を自由貯蔵部の近くに有している。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は請求項2に記載の発明によれば、廃券の回収量を増加でき、回収した廃券を除去する頻度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発券装置の内部の模式正面図。
【図2】 (a)は同じく要部拡大正面図、(b)は廃券レバーとモータとの関係を示す模式図。
【図3】 (a)は作用を示す部分正面図、(b)は部分拡大正面図、(c)は上側ローラからなる券が折り曲げられた状態の模式図、(d)は下側ローラからなる券が折り曲げられた状態の模式図。
【図4】 別例の廃券の積み重ね状態を示す模式図。
【図5】 従来の発券装置の内部の模式部分正面図。
【符号の説明】
11…発券装置、16…発券口、31…折込押込部材としての廃券レバー、41…保持通路、42…自由貯蔵部、43…保持通路内に廃券が押し込まれた状態で、該廃券を押圧可能に構成されている通路壁としての第1板ばね、51…弾性部材としての第2板ばね、61…折曲部、62…折曲片。
Claims (2)
- 所定内容が記録された券類を発券する発券口の内側に、廃券を二つ折りにする折込押込部材を設け、廃券を概略V字状積み重ね状態で保持する保持通路を前記折込押込部材に対応して設けた廃券回収装置において、
前記保持通路の少なくとも一方の通路壁は、前記保持通路内に前記廃券が押し込まれた状態で、該廃券を押圧可能に構成されている第1板ばねであり、
前記保持通路の先に、該保持通路に対して幅が広く形成され、押圧力を受けない状態で廃券が貯蔵される自由貯蔵部が設けられた廃券回収装置。 - 二つ折りにされた廃券を拡げるように、廃券の二つの折曲片の一方を、前記保持通路の他方の通路壁面側へ押圧する第2板ばねが設けられた請求項1に記載の廃券回収装置。
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