JP3608667B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、部分低μ路検出手段を備えたアンチスキッド制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部分低μ路の一種である段差を検出する手段を備えたアンチスキッド制御装置が特開平2─249752号公報に記載されている。
この公報に記載されたアンチスキッド制御装置においては、段差の判定が、車輪が段差を通過した後、したがって、少なくとも第1回目の減圧終了後に行われ、段差が検出された場合にはアンチスキッド制御が終了させられるようになっている。
制動中に車輪が段差を通過すれば、車輪が路面から浮き上がって路面の摩擦係数が部分的に0になったに等しくなり、摩擦力に基づく駆動力が失われて車輪速度が低下するためスリップが過大となり、アンチスキッド制御が開始され、急減圧が行われる。しかし、段差通過時における車輪速度の低下は一時的な現象であり、段差通過後には必ず車輪速度は上昇するため、本来、アンチスキッド制御が行われる必要はない。段差通過時には無用なアンチスキッド制御が行われ減圧が行われるのであり、制動距離が無用に延びるという問題が生じる。そこで、上記公報に記載のアンチスキッド制御装置においては、段差であると検出された時点でアンチスキッド制御が終了させられるようになっているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載のアンチスキッド制御装置においても、制動距離が延びるのを完全には回避することはできない。
図6に、上記アンチスキッド制御装置を搭載した車両が、制動中に段差を通過する場合における車輪速度,ブレーキ液圧の変化を示す。制動中に車輪が段差を通過すれば、アンチスキッド制御が開始され(時点Q1)、急減圧が行われる。その後、時点Q2において段差であることが検出され、アンチスキッド制御が終了させられる。この場合には、アンチスキッド制御開始に伴う減圧が完全に実行されるため制動力が不足し、制動距離が長くなる。
【0004】
この問題を解決するために、アンチスキッド制御開始時における減圧を遅らせることが考えられる。しかし、車体減速度が大きい状態でアンチキッド制御が開始された場合(路面摩擦係数μが高い高μ路面上においてアンチスキッド制御が開始された場合)には誤って段差と判定される可能性があり、図7に示すように、誤った判定に基づいてアンチスキッド制御が終了させられてしまうと、スリップが過大となるという問題が生じる。
【0005】
以上、路面の段差に関して説明したが、マンホール,横断廃水路等を通過する場合にも同様な現象が生じるため、これらを総称して部分低μ路と称することとする。すなわち、部分低μ路とは、車両の進行方向において短い部分の路面摩擦係数が他の部分より著しく低く、あるいは0になり、車両が制動中にこの部分を通過すれば、一旦車輪のスリップが大きくなるが、短時間後には回復する路面のことである。
【0006】
本発明は、車両の制動中に車輪が部分低μ路を通過した場合に、無用なアンチスキッド制御の実行により制動距離が延びてしまうことをできるかぎり回避することができ、かつ、高μ路上でのアンチスキッド制御の開始が部分低μ路と誤って判定された場合に、スリップが過大になることもできる限り回避することができるアンチスキッド制御装置を得ることを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明の要旨とするところは、(1)ブレーキ液圧を増圧,減圧することによって車輪のスリップ率を適正範囲内に保つブレーキ液圧制御手段と、(2)部分低μ路通過途中において部分低μ路であることを、ブレーキ液圧制御手段による制御が開始される直前あるいは直後に検出する部分低μ路検出手段と、(3)その部分低μ路検出手段によって部分低μ路が検出された場合にブレーキ液圧制御手段による減圧勾配を緩やかにする減圧勾配低減手段とを含むアンチスキッド制御装置であって、減圧勾配低減手段を、車体減速度が小さい場合に大きい場合より減圧勾配を緩やかにする手段を含むものとすることである。
減圧勾配低減手段は、車体減速度の大小を問わず減圧勾配を緩やかにし、その緩やかにする度合いを、車体減速度が小さい場合に大きい場合より大きくする手段を含むものとしたり、車体減速度が大きい場合は減圧勾配を緩やかにせず、車体減速度が小さい場合に前記減圧勾配を緩やかにする手段を含むものとしたりすることができる。
【0008】
【作用】
本発明のアンチスキッド制御装置を搭載した車両が、制動中に部分低μ路を通過すれば、車輪速度が低下しスリップが過大になるためアンチスキッド制御が開始され、ブレーキ液圧がブレーキ液圧制御手段によって低下させられる。しかし、部分低μ路の通過途中、すなわち、アンチスキッド制御開始以前または制御開始当初の減圧途中において、部分低μ路であることが部分低μ路検出手段によって検出され、減圧勾配低減手段によって減圧勾配が緩やかにされる。
【0009】
車体減速度の大小を問わず減圧勾配が緩やかにされてもよく、車体減速度が小さい場合のみ緩やかにされてもよい。
ただし、前者においては、部分低μ路であることが正しく検出されればよいのであるが、前述のように車体減速度が大きい場合に部分低μ路であるとの誤判定がなされた場合には減圧勾配を緩やかにすることによって減圧制御による減圧量が不足するため、スリップが過大になるというデメリットもある。しかも、誤判定の影響は車体減速度が大きい場合に特に大きく現れる。
したがって、車体減速度の大小を問わず減圧勾配を緩やかにする場合には、緩やかにする度合を車体減速度が大きい場合には比較的小さくすることが望ましい。同じ理由で、車体減速度が大きい場合には減圧勾配を緩やかにせず、車体減速度が小さい場合のみ緩やかにする後者の態様もあり得るのである。
【0010】
減圧勾配を緩やかにするためには、例えば、部分低μ路が検出されてから減圧,保持の切換えを繰り返し行ったり、ブレーキ液の流路面積を狭くしたりすればよいのであるが、減圧の途中において設定時間だけ減圧から保持に切り換えてもよい。後者の場合でも減圧と保持とを均して考えれば実質的に減圧勾配を緩やかにしたことになるのである。
【0011】
アンチスキッド制御は、車輪速度が低下しスリップが過大になった場合に開始され、減圧が行われる。そして、減圧量がある量に達すれば、車輪速度が上昇に転じ、それに応じて減圧が終了させられる。一方、制動中に部分低μ路を通過する際にも同様にアンチスキッド制御が開始されるのであるが、部分低μ路を通過した後には車輪速度は上昇に転ずる。これは、減圧量が所要量に達したからではなく、部分低μ路を通過したからである。すなわち、減圧は、減圧量とは無関係に車輪が部分低μ路を通過したとき終了させられるのである。したがって、減圧勾配を緩やかにすることによって、部分低μ路を通過し、減圧が終了させられるまでの減圧量を少なくすることができるのである。
【0012】
【発明の効果】
本発明のアンチスキッド制御装置によれば、部分低μ路であることが、部分低μ路を通過している途中、すなわち、第1回目の減圧開始以前または減圧の途中において検出され、少なくとも車体減速度が小さい場合には減圧勾配が緩やかにされるため、無用な減圧を少なく抑え、制動距離が長くなることを回避することができる。
【0013】
しかも、実質的に減圧勾配が緩くされるのみで、アンチスキッド制御が終了させられるわけではないので、万一、誤って部分低μ路と判定された場合にもアンチスキッド制御は行われ、車輪のスリップが著しく大きくなって制動距離が延びてしまうことが良好に回避される。
【0014】
特に、車体減速度が大きい場合には減圧勾配を緩やかにする度合を小さくし、あるいは緩やかにしない態様においては、高μ路走行中に誤って部分低μ路であると検出されても、減圧量の不足によってスリップが過大になることを一層良好に回避することができる。
【0015】
【実施例】
図4に本発明の一実施例であるアンチスキッド制御装置を備えた液圧ブレーキ装置を示す。
10FL,10FRは自動車の左右前輪であり、10RL,10RRは左右後輪である。これら車輪にはそれぞれブレーキシリンダ20FL,20FR,20RL,20RRによって作動するブレーキが設けられている。
【0016】
ブレーキシリンダ20FL,20FR,20RLおよび20RRには通常はブレーキペダル30の操作に応じてマスタシリンダ32に発生したブレーキ液圧が伝達されるのであるが、このブレーキ液圧が路面の摩擦係数との関係において過大であるために車輪10FL,10FR,10RL,10RR等のスリップ率が適正範囲を超えて増大した場合にはアンチスキッド制御装置34によりブレーキ液圧が制御される。アンチスキッド制御装置34は、車輪速センサ40FL,40FR,40RL,40RR,アクチュエータ50FL,50FR,50RL,50RRおよび制御部58から成っている。制御部58にはブレーキペダル30の踏込みを検出するブレーキスイッチ59も接続されている。
アクチュエータ50FL,50FR,50RL,50RRは動力液圧源,リザーバ,3位置電磁弁等を備えており、3位置電磁弁は増圧位置、保持位置、減圧位置にそれぞれ切り換えられることによって、ブレーキ液圧を制御するものである。
【0017】
制御部58はコンピュータを主体とするものであるが、その構成を概念的に示せば図5のようになる。
車体減速度等演算手段60は、車輪速センサ40FL,40FR,40RL,40RRの出力値に基づいて車体速度,車体減速度,車輪加速度等を演算するものであり、これら出力値が部分低μ路検出手段62,減圧勾配低減手段64,ブレーキ液圧制御手段66に供給される。
部分低μ路検出手段62は、車輪加速度等に基づいて部分低μ路であること等を検出するものであり、その出力信号が減圧勾配低減手段64に供給される。
【0018】
本実施例においては、部分低μ路検出手段62は段差を検出するものであり、段差であること、すなわち、段差通過中であることが、前輪10FL,10FRに関しては、前輪10FL,10FRの車輪加速度が一定値G以下になってから一定時間内(例えば12ms内)に車輪加速度がしきい値−10G以下になることにより検出される。本実施例においては、段差の検出がアンチスキッド制御開始以前に行われる。
【0019】
また、前輪10FL,10FRにおいて、段差であると検出されてから一定時間(例えば、100ms)内に、後輪10RL,10RRが段差を通過したと検出されたこと,アンチスキッド制御が終了したこと,段差であるとの判定が誤っていたと判定されたこと等の段差検出終了条件が満たされた場合には、段差検出が終了させられる。ここで、段差判定が誤っていたと判定されるのは、減圧時間が設定値以上になった場合、段差が判定されてから設定時間内に車輪加速度がしきい値10Gを越えるという条件が満たされなかった場合等である。
【0020】
後輪10RL,10RRに関する段差検出は、前輪10FL,10FRにおいて段差が検出されてから一定時間範囲内に後輪10RL,10RRにおいてアンチスキッド制御が開始されることによって行われる。
これは、段差であるとの判定が、前述のように車輪の加速度等に基づいて行われる場合には、前輪10FL,10FRに対する判定は比較的正確に行われるのであるが、後輪10RL,10RRに対する判定は正確に行われ難いからである。制動時における荷重移動によって後輪荷重が前輪荷重より小さくなるため、後輪10RL,10RRの制動力が前輪10FL,10FRの制動力より小さくされ、段差通過時における車輪減速度が前輪10FL,10FRの場合ほど大きくならないために、通常のアンチスキッド制御時と区別がつき難く段差の判定が正確に行われ難いのである。
【0021】
後輪10RL,10RRに関する段差検出の終了は、前輪10FL,10FRに関する条件とほぼ同様の条件が満たされた場合に行われるが、各設定値,しきい値は前輪に関する条件より小さい値に設定されている。また、前輪10FL,10FRにおける段差判定が誤っていたことが検出された場合にも段差検出が終了させられる。
【0022】
減圧勾配低減手段64は、部分低μ路が検出されると、車体減速度に基づいて図3のテーブルからデューティ制御比を求め、その信号をブレーキ液圧制御手段66に供給するものである。デューティ制御比は図3に示すように、車体減速度が小さい場合には減圧時間が短く、保持時間が長くなり、車体減速度が大きい場合には減圧時間が長く、保持時間が短くなるように決定されている。
【0023】
ブレーキ液圧制御手段66は、車体速度,車輪速度等に基づいて車輪のスリップ率を適正範囲内に保つように、ブレーキシリンダ20FL,20FR,20RL,20RRの液圧を制御するものである。また、減圧勾配低減手段64の出力信号等に基づいて減圧勾配を制御する。すなわち、アクチュエータ50FL,50FR,50RL,50RRに図3に示すデューティ制御比の減圧と保持を1回だけ実行させるのである。
【0024】
上記ブレーキ装置を搭載した車両が段差を通過する場合について図1に基づいて説明する。
制動中に前輪10FL,10FRが段差を通過する際に、車輪速度が低下するため車輪加速度が低下し、時点P1において車輪加速度Gwが設定値Gより小さくなる。また、時点P1から12ms以内の時点P2において、車輪加速度がしきい値−10G以下になるため段差であると検出される。段差が検出されると、車体減速度の大きさに基づいて図3からデューティ制御比が求められる。その後、車輪速度が基準車輪速度以下になった時点P3においてアンチスキッド制御が開始されるが、その減圧開始当初に、上述のデューティ制御比に基づいてアクチュエータ50FL,50FRが駆動される。図示の場合は車体減速度が小さいため、保持時間が長く、減圧勾配が緩められる度合いが大きい。
その後、通常のアンチスキッド制御と同様に、急減圧,保持,パルス増圧が行われるが、段差検出中であって、車輪加速度が10G以上になるという条件が満たされれば(時点P4)、アンチスキッド制御が終了させられ、段差検出が終了させられる。
【0025】
このように、段差が検出されれば、図3のテーブルに基づいてデューティ制御比が求められ、減圧勾配が実質上緩やかにされる。その間に前輪10FL,10FRが段差を通過すれば車輪速度が回復するため、それに応じて保持,パルス増圧が順次行われ、破線で示す従来の場合(特開平2─249752号公報に記載のアンチスキッド制御装置による場合)に比較して制動力の不足が少なくて済む。
【0026】
次に、実際には段差通過でない場合に段差通過であると検出された場合について、図2に基づいて説明する。
前述と同様に、時点P5において車輪加速度Gwが設定値G以下となり、時点P6において段差であると検出される。また、時点P7においてアンチスキッド制御が開始され、車体減速度の大きさに応じて減圧勾配が制御される。この場合には、車体減速度が大きいため、減圧勾配は緩やかにされる度合が小さく、減圧は車体減速度が小さい場合に比較して実質的に急な勾配で行われる。その後、上記の場合と同様に急減圧,保持,パルス増圧が行われる。しかし、この場合には、段差が検出されてから設定時間内に、車輪加速度が10G以上にならないため、段差判定が誤判定であったと判定され、段差検出が終了させられるのであるが、アンチスキッド制御は続けられる。
【0027】
高μ路上におけるアンチスキッド制御時には、車輪速度の変化が急激であり、液圧制御の遅れの影響が低μ路上におけるより相対的に大きくなるのであるが、本実施例装置においては、段差であると誤って検出されても車体減速度が大きい場合には減圧が比較的急な勾配で行われるため、減圧量不足が良好に回避される。さらに、従来の装置による制御のように、段差検出時にアンチスキッド制御が終了させられないため、スリップが過大になることが良好に回避される。
【0028】
以上両制御例のように、段差であることがアンチスキッド制御開始以前に検出され、アンチスキッド制御開始当初に実質的に減圧勾配が緩やかにされて車輪速度の回復が待たれるため、無用な減圧による制動距離の延長が良好に回避される。しかも、車体減速度が大きい場合には減圧勾配を緩やかにする度合が小さくされるため、万一、段差判定が誤っていても、減圧量の不足が少なくて済む。
【0029】
また、減圧開始当初に図3に基づいて決められたデューィ制御比が出力されるため、設定時間だけ保持状態にされることになり、減圧勾配が良好に制御される。減圧勾配を制御するには、ごく短い時間ずつの減圧,保持を繰り返しても、ブレーキ液の流路面積を変えてもよいのであるが、前者の場合には、応答性のよい電磁弁を用いる必要があるという問題があり、後者の場合には、流量制御弁を別に設けなければならず、コストアップになったり、重量が重くなるという問題がある。それに対して、本実施例のように、減圧開始当初に一定時間だけ保持状態に切り換えることにより実質的に減圧勾配を緩やかにする場合には、応答性の悪い安価な電磁弁を使用しても良好に減圧勾配を制御することが可能となる。
【0030】
さらに、減圧開始当初に保持を行うことによって実質的に減圧勾配を緩やかにするものであり、保持の終了後は急減圧が行われることになる。したがって、万一段差判定が誤っていた場合には、急減圧が行われることとなるため、減圧,保持を繰り返したり、流路面積を狭くすることによって減圧勾配を緩やかにする場合に比較して減圧不足により車輪がロック状態になることが良好に回避される。
【0031】
次に、後輪10RL,10RRにおける段差の検出およびそれに伴う液圧制御について説明する。
後輪10RL,10RRに関しては前輪10FL,10FRが段差通過中であると検出されてから設定時間範囲内に後輪10RL,10RRに対してアンチスキッド制御が開始された場合に、段差通過中であると検出される。ここで、設定時間範囲は車体速度VとホイールベースLとに基づいて決定される。すなわち、理論的には、前輪が段差を通過してから、時間(L/V)経過後に後輪が段差を通過することになるため、設定範囲は時間L/Vの前後範囲として設定される。本実施例においては、車体速度Vが22.2m/sec (80km/h)以上である場合には、設定範囲が0〜50msに設定され、22.2m/sec 未満の場合には、0〜100msに設定されている。
【0032】
後輪10RL,10RRに関して段差が検出された場合には、前輪10FL,10FRと同様に車体減速度の大きさに基づいてデューティ制御比が求められ、そのデューティ制御比に基づいてアクチュエータ50RL,50RRが駆動される。
その後、急減圧,保持,パルス増圧による通常のアンチスキッド制御が行われる。また、前述の段差検出終了条件が満たされた場合には、段差検出が終了させられる。
【0033】
上述のように、前輪において段差であると検出されてから一定時間範囲内に後輪に対してアンチスキッド制御が開始された場合に、後輪が段差通過中であると検出されるのであるが、前輪における段差検出が誤っている可能性もある。
すなわち、前輪における段差検出が誤っていても、後輪において上記条件が満たされれば、後輪において段差であると検出され、車体減速度に応じて減圧勾配が緩やかにされてしまう。しかし、その後、前輪における段差検出が誤判定であったことが検出された場合には、前輪における段差検出が終了させられるともに、後輪における段差検出も終了させられる。なお、前輪における段差検出が正しい場合に、後輪が上記条件を満たし、後輪が段差であると検出された場合には、その後輪における段差検出が誤っている可能性は非常に小さい。
【0034】
以上のように、後輪10RL,10RRが段差通過中か否かの判定が正確に行われるため、後輪のブレーキ液圧の減少勾配も良好に制御することができ、車両安定性を向上させることができる。また、前輪における段差検出が誤っていると検出されれば、後輪における段差検出も終了させられるため、後輪における誤判定による影響を少なくすることができる。
【0035】
なお、本実施例においては、前輪における段差検出がアンチスキッド制御開始以前に検出されるようになっているが、アンチスキッド制御開始以前の検出とともに、あるいはその検出に代えてアンチスキッド制御開始後の減圧途中に検出されるようにすることも可能である。この場合では、減圧途中の段差が検出された時点において減圧勾配が緩められることになる。
【0036】
また、本実施例においては、車体減速度の大きさに基づいて減圧勾配の緩め度合が変えられるようになっており、車体減速度が大きい場合でも、通常のアンチスキッド制御による減圧勾配より緩やかにされるが、車体減速度が大きい場合には、減圧勾配が緩められないようにすること、あるいは通常のアンチスキッド制御による減圧勾配より急にされるようにすることも可能である。
【0037】
さらに、本実施例においては、前輪において段差であると検出されてから設定時間範囲内に後輪においてアンチスキッド制御が開始された場合に、後輪が段差通過中であると判定されるようになっているが、前輪においてアンチスキッド制御が開始されてから設定時間範囲内に後輪においてアンチスキッド制御が開始された場合に段差であると判定されるようにしてもよい。
【0038】
また、上記条件に加えて、後輪加速度が前輪加速度のしきい値より大きい負のしきい値より小さくなることを後輪における段差判定条件としてもよい。
【0039】
さらに、後輪に関しても前輪と同様の条件で段差判定を行ってもよい。ただし、その場合にも、しきい値等を前輪に対するものとは変えた方がよい。
【0040】
その他、いちいち例示することはしないが、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるアンチスキッド制御装置を備えたブレーキ装置を搭載した車両が段差を通過した場合における前輪速度,ブレーキ液圧の変化を示す図である。
【図2】上記車両の高μ路上での制動時にアンチスキッド制御が開始された場合における前輪速度,ブレーキ液圧の変化を示す図である。
【図3】上記アンチスキッド制御装置のROMに記憶された車輪減速度とデューティ制御比との関係を示すテーブルである。
【図4】上記実施例のブレーキ装置の構成を示す概略図である。
【図5】上記実施例の制御部の構成を概念的に示す図である。
【図6】従来のアンチスキッド制御装置を搭載した車両が段差を通過した場合における車輪速度,ブレーキ液圧の変化を示す図である。
【図7】上記従来のアンチスキッド制御装置において、誤って段差であると判定された場合における車輪速度,ブレーキ液圧の変化を示す図である。
【符号の説明】
20FL,20FR,20RL,20RR ブレーキシリンダ
50FL,50FR,50RL,50RR アクチュエータ
34 アンチスキッド制御装置
60 車体減速度等演算手段
62 部分低μ路検出手段
64 減圧勾配低減手段
66 ブレーキ液圧制御手段

Claims (3)

  1. ブレーキ液圧を増加,減少することによって車輪のスリップ率を適正範囲内に保つブレーキ液圧制御手段と、
    部分低μ路通過途中において部分低μ路であることを、前記ブレーキ液圧制御手段による制御が開始される直前あるいは直後に検出する部分低μ路検出手段と、
    前記部分低μ路検出手段によって部分低μ路が検出された場合に前記ブレーキ液圧制御手段による減圧勾配を緩やかにする減圧勾配低減手段と
    を含むアンチスキッド制御装置であって、
    前記減圧勾配低減手段が、車体減速度が小さい場合に大きい場合より前記減圧勾配を緩やかにする手段を含むことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 前記減圧勾配低減手段が、前記車体減速度の大小を問わず前記減圧勾配を緩やかにし、その緩やかにする度合いを、前記車体減速度が小さい場合に大きい場合より大きくする手段を含む請求項1に記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 前記減圧勾配低減手段が、前記車体減速度が大きい場合は前記減圧勾配を緩やかにせず、前記車体減速度が小さい場合に前記減圧勾配を緩やかにする手段を含む請求項1に記載のアンチスキッド制御装置。
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