JP3608473B2 - 車両用計器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用計器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用計器としては、特公平8−14500号公報にて示すようなものがある。この計器では、目盛り盤の照明を、発光指針の照明に対し、一定の遅延時間でもって遅延させて行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記計器では、上述のように、目盛り盤を、発光指針に対し、単に遅延して照明するにすぎないから、通常表示に必要とされる発光指針及び目盛り盤の各照明を行っているだけである。従って、計器としての表示の見映えに面白みや斬新さはなく、ユーザの好みの多様化に対応するには不十分である。
【0004】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、ユーザの好みの多様化に対応し得るように目盛り盤の照明態様に工夫を凝らして、より一層の面白みや斬新さのある見映えを確保するようにした車両用計器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明に係る車両用計器は、
透光性円弧状表示部(11)と、この円弧状表示部の円弧方向両端部側にてこれら両端部側に亘り長手状に延在し、前記円弧状表示部の半径方向中心よりも、前記円弧状表示部とは反対側に位置している細幅状の装飾用透光部(12)を有する目盛り盤(10b)と、
この目盛り盤の表面に沿い円弧状表示部の半径方向中心を基準として当該円弧状表示部上にて指示するように回動する発光指針(70)と、
円弧状表示部を透過照明する第1照明手段(90a、90b)と、
発光指針を発光させる光源(80)と、
透光部を透過照明する第2照明手段(100a、100b)と、
第2照明手段の照明、光源の発光及び第1照明手段の照明をその順序で遅延制御する制御手段(200乃至240)とを備える。
【0006】
これにより、透光部の照明、発光指針の発光及び表示部の順序でなされる。このような3段階遅延制御の結果、ユーザの好みの多様化に対応したより一層の面白みや斬新さのある見映えを確保できる。
【0010】
また、透光部は、円弧状表示部の半径方向中心よりも、円弧状表示部とは反対側に位置しているので、目盛り盤の上記照明は、その表示部の円弧方向両端側の透光部から発光指針及び表示部にかけてなされる。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1乃至図5は、本発明に係る乗用車用計器の一実施形態を示しており、この計器は、当該乗用車の車室内に設けたインストルメントパネルのうち運転席の前方に位置する部分にコンビネーションメータとして装着されている。
【0013】
当該計器は、図1及び図3にて示すごとく、計器板10を備えており、この計器板10は、無色透明材料からなる基板10aと、両目盛り盤10b、10c及び両インジケータ10dとを備えている(図1参照)。なお、基板10aの表面は、両目盛り盤10b、10c及び両インジケータ10dに対応する部分を除き黒色印刷処理されている。
【0014】
目盛り盤10bは、基板10aの表面のうち図1にて図示左右方向中央部に形成されており、この目盛り盤10bは、基板10aの表面中央に形成した略円弧状車速表示部11と、基板10aの表面中央にて車速表示部11の図示下側に形成した装飾用透光部12とを備えている。
【0015】
車速表示部11は、略円弧状目盛り部11aと、この目盛り部11aの内周に沿い位置する略円弧状数字部11bとを備えている。目盛り部11aは、各複数条の線状目盛りa1、a2を交互に間隔をおいて形成して構成されている(図1及び図2参照)。
【0016】
ここで、目盛りa1は目盛りa2よりも幅広で明るくなるように、各目盛りa1、a2は、100%の光透過率を有する無色透明材料に印刷したもので形成されている。また、両目盛りa1、a2の間の部位(以下、目盛り間部位bという)は、目盛りa1、a2よりも小さな光透過率を有する無色透明材料に印刷したもので形成されている。また、各目盛りa1は、図1にて示すごとく、同一の幅を有し、かつ各目盛りa2も同一の幅を有するが、目盛りa1の幅は目盛りa2の幅よりも広い。また、各目盛り間部位bの指針回転半径方向の長さは、指針の回転位置により可変するように形成されている。これは、車速表示部11の見映えを斬新なものとするためである。
【0017】
数字部11bは、各数字の輪郭の外側を、上記基板10aの表面の黒色印刷処理と同様にし、当該各数字の輪郭の内側を印刷して打ち抜き状にして形成されている。従って、数字部11bでは、各数字の輪郭の内側は光透過可能となっており、当該各数字の輪郭の外側では光を透過させないようになっている。
【0018】
透光部12は、図1にて示すごとく、図示左右方向には長手状に図示上下方向には細幅状に形成されており、この透光部12の図示上縁は、目盛り盤10bの中央(後述する発光指針70の回動基部に対応する部分)から図示左右方向になだらかに図示下方へ向けほぼ傾斜しながら延びている。これは、朝焼けのイメージを与えるためのものである。
【0019】
また、目盛り盤10cは、略円弧状燃料残量表示部13を備えており、この燃料残量表示部13は、各複数条の線状目盛りc1、c2を交互に間隔をおいて形成して構成されている(図1参照)。ここで、目盛りc1は目盛りc2よりも幅広で明るくなるように、各目盛りc1、c2は、100%の光透過率を有する無色透明材料に印刷したもので形成されている。また、各両目盛りc1、c2の間の部位(以下、目盛り間部位dという)は、目盛りc1、c2よりも小さな光透過率を有する無色透明材料に印刷したもので形成されている。
【0020】
また、各目盛りc1は、図1にて示すごとく、同一の幅を有し、各目盛りc2も同一の幅を有するが、目盛りc1の幅の方が目盛りc2の幅よりも広い。また、各目盛り間部位dの指針回転半径方向の長さは、指針の回転位置により可変するように形成されている。これは、燃料残量表示部13に斬新な見映えを与えるためである。なお、両インジケータ部10dは当該乗用車の左折及び右折を指示するものである。
【0021】
当該計器は、拡散板ユニット20を備えており、この拡散板ユニット20は、図3にて示すごとく、計器板10の裏面側にて、両回動内機30(図3では目盛り盤10a側の回動内機30のみを示す。)、配線板40、板状リフレクタ50と共にケーシング60内に収容されている。
【0022】
拡散板ユニット20は、計器板10にその裏面に沿い両回動内機30の内機本体31(図3では、目盛り盤10a側の内機本体31のみを示す。)上にて配線板40及びリフレクタ50を介し支持されており、この拡散板ユニット20は、互いに並行な両拡散板21、22と、外側スペーサ23及び両内側環状スペーサ24(図3では目盛り盤10a側の内側スペーサ24のみを示す。)とにより構成されている。
【0023】
ここで、各スペーサ23、24は両拡散板21、22の間に所定の空隙を形成する役割を果たす。拡散板22は、後述する各光源からの光を拡散して上記空隙を介し拡散光として拡散板21に入射する。拡散板21は上記空隙からの拡散光を拡散し拡散光として計器板10にその裏面側から入射する。
【0024】
両回動内機30は、図3にて例示するごとく、その装置本体31にて、ケーシング60の底壁61にそれぞれ固定されており、目盛り盤10a側の指針軸32を例にとれば、この指針軸32は内機本体31から配線板40、リフレクタ50、拡散板22、各内側スペーサ24及び拡散板21を通り回動可能に延出している。
【0025】
配線板40は、計器板10に並行となるように、両回動内機30の各内機本体31上に沿い支持されている。リフレクタ50は、配線板40と拡散板22との間に挟持されている。このリフレクタ50は、断面逆八の字状の両反射面51、52(図3では目盛り盤10a側の両反射面51、52のみを示す。)を備えており、目盛り盤10a側を例にとれば、反射面51は、目盛り盤10aの目盛り部11aに対応するように、リフレクタ50の表面側から指針軸32を中心として略円弧状に形成されている。また、反射面52は、リフレクタ50の表面側から目盛り盤10aの透光部12に対応するように左右方向に長手状に形成されている。
【0026】
目盛り盤10b側或いは中央側の発光指針70は、その回動基部にて、中央側指針軸32の先端部に支持されており、この中央側発光指針70は、中央側指針軸32の回動により、目盛り盤10aの表面に沿い車速表示部11上にて指示するように回動する。また、目盛り盤10c側或いは左側の発光指針70は、その回動基部にて、左側指針軸32の先端部に支持されており、この左側発光指針70は、左側指針軸32の回動により、目盛り盤10bの表面に沿い燃料残量表示部13上にて指示するように回動する。なお、各発光指針70は、その回動基部にて後述する光源80から入射される光で発光する。
【0027】
複数の中央側指針用光源80は、図3にて示すごとく、中央側指針軸32の軸周りにて、配線板40の表面に設けられており、これら各光源80の光は、リフレクタ50の貫通穴部、拡散板ユニット20の貫通穴部及び目盛り盤10aの貫通穴部を通り中央側発光指針70内にその回動基部から入射する。ここで、各中央側指針用光源80は、白色で発光する発光ダイオードで構成されている。なお、左側発光指針70に対しても、図1にて示すように光源80が設けられている。
【0028】
複数対の目盛り用光源90a、90bは、リフレクタ50の反射面51の下側開口部51a内に位置するように、目盛り部11aに対応してその円弧方向に沿い配線板40の表面に設けられている。これら各対の光源90a、90bの光は、拡散板ユニット20により拡散されて目盛り盤10aの目盛り部11aに入射する。ここで、複数対の目盛り用光源90a、90bは、各対の光源90a、90b毎に互いに隣接して位置している。また、各光源90a、90bは、それぞれ、白色で発光する発光ダイオードで構成されている。目盛り盤10cの燃料残量表示部13に対しても各光源90a、90bが設けられている(図1参照)。
【0029】
複数対の透光部用光源100a、100bは、リフレクタ50の反射面52の下側開口部52a内に位置するように、透光部12に対応してその長手方向に沿い配線板40の表面に設けられている。これら各対の光源100a、100bの光は、拡散板ユニット20により拡散されて目盛り盤10aの透光部12に入射する。ここで、複数対の透光部用光源100a、100bは、各対の光源100a、100b毎に互いに隣接して位置している。また、各光源100aは青色で発光する発光ダイオードで構成され、各光源100bは、それぞれ、橙色で発光する発光ダイオードで構成されている。なお、図3にて符号110は見返し板を示し、図1及び図3にて符号120はブラックフェースとしてのフロントパネルを示す。
【0030】
次に、図4を参照して、上記各光源及び各回動内機用電気回路の構成について説明する。制御回路130は、マイクロコンピュータからなるもので、この制御回路130は、図5にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、センサ群140の検出車速及び検出燃料残量に応じて中央側回動内機30及び左側回動内機30を駆動制御する処理及び各光源80、90a、90b、100a、100bの点灯制御処理を行う。
【0031】
なお、上記コンピュータプログラムは上記マイクロコンピュータのROMに予め記憶されている。また、制御回路130は、当該乗用車のイグニッションスイッチIGを介しバッテリBから給電されて作動し、上記コンピュータプログラムの実行を開始する。また、センサ群140は、当該乗用車の車速及び燃料タンク内の燃料の残量を検出する。
【0032】
このように構成した本実施形態において、当該乗用車がイグニッションスイッチIGのオンにより発進したものとする。また、制御回路130がイグニッションスイッチIGのオン(図6にて時間t1参照)に伴い、コンピュータプログラムを図5のフローチャートに従い開始すると、ステップ200において、各光源100a及び100bが次のように点灯制御される。
【0033】
即ち、各光源100aには、時間t1にて、図5及び図6にて符号W1にて示す電圧が印加され、各光源100bには、時間t1にて、図5及び図6にて符号W2にて示す電圧が印加される。これにより、各光源100aは青色にて発光し、各光源100bは橙色にて発光する。
【0034】
すると、各光源100aの青色光及び100bの橙色光は、リフレクタ50の反射面52による反射作用のもと、拡散板ユニット20により拡散されて計器板10の透光部12を透過照明する。ここで、電圧W1及び電圧W2は、図5及び図6にて示す波形で変化するため、各光源100aの青色輝度は、電圧Vcに対応する値から電圧W1の波形変化にあわせて徐々に低下し、一方、各光源100bの橙色輝度は、零電圧から電圧W2の波形変化にあわせて電圧Vcに対応する値に向けて徐々に上昇する。
【0035】
従って、青色輝度及び橙色輝度の上記変化に伴い、透光部12の照明は、青色照明から橙色照明に徐々に変化していく。これにより、目盛り盤10aの図1にて図示下部の照明は、オーロラ光によるような照明状態から日光による朝焼けのような照明状態に徐々に変化していく。
【0036】
このような状態にて、イグニッションスイッチIGのオン後所定時間ΔT1(図6参照)が経過すると、ステップ210における判定がYESとなる。すると、ステップ220において、各光源80の点灯制御処理が次のようになされる。
【0037】
即ち、各光源80には、時間t3にて、図5及び図6にて符号W3にて示す電圧が印加される。これにより、各光源80は白色にて発光する。すると、各光源80の白色光は、拡散板ユニット20及び目盛り盤10aの各貫通穴部を通り中央側発光指針70内にその回動基部から入射する。これにより、中央側発光指針70は白色で発光する。この発光は、上記朝焼け照明後になされる。なお、左側発光指針70も同様に発光する。
【0038】
このような状態にて、電圧W3の立ち上がり時期(図6にて時間t3参照)後所定時間ΔT2(図6参照)が経過すると、ステップ230における判定がYESとなる。すると、ステップ240において、各光源90a、90bの点灯制御処理が次のようになされる。
【0039】
即ち、各光源90aには、時間t4にて、図5及び図6にて符号W4にて示す電圧が印加され、各光源90bには、時間t4にて、図5及び図6にて符号W5にて示す電圧が印加される。これにより、各光源80は白色にて発光する。すると、各光源90a、90bの白色光は、リフレクタ50の反射面51の反射作用のもと、拡散板ユニット20により拡散されて、目盛り盤10bの目盛り部11を透過照明する。この照明は、各発光指針70の発光後になされる。
【0040】
ここで、電圧W4及び電圧W5は、図5及び図6にて示す波形で変化するため、各光源90aの白色輝度は、電圧Vcに対応する値から電圧W4の波形変化にあわせて徐々に低下し、一方、各光源90bの白色輝度は、零電圧から電圧W5の波形変化にあわせて電圧Vc/2に対応する値に向けて徐々に上昇する。従って、目盛り部11の照明は上述のような合成白色光の輝度変化でもってなされる。目盛り盤10cの燃料残量表示部13でも同様である。なお、目盛り部11の各目盛りa1、a2と目盛り間部位bとは透過率が異なるから、目盛り部11の見映えをより一層斬新にしつつ、上記作用効果を達成できる。
【0041】
その後、ステップ250において、センサ群140の検出出力に基づき当該乗用車の車速及び燃料残量の指示処理がなされる。この指示処理に応じて、各回動内機30が対応の発光指針70をそれぞれ回動する。
【0042】
以上説明したように、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、目盛り盤10bの透過部12のオーロラ照明から朝焼け照明にかけての照明、その後の各発光指針70の白色発光照明、及びその後の目盛り盤10cの車速表示部11及び目盛り盤10cの燃料残量表示部13の白色照明を順次行うようにしたので、イグニッションスイッチIGのオン直後において、目盛り盤10bの下部から上部にかけて、面白みのある個性的なユーザの好みに応じた3段階時差照明を行うこととなり、斬新で多様な見映えを提供できる。
【0043】
なお、ステップ250の処理が終了した後は、イグニッションスイッチIGのオフによりステップ260の判定がYESとなるまで、ステップ250の処理が繰り返される。
【0044】
なお、本発明の実施にあたり、各光源100aは、青色に限ることなく、青緑色で発光する発光ダイオードであってもよい。
【0045】
また、本発明の実施にあたり、各光源100a又は100bを廃止してもよく、また、各光源90a又は90bを廃止してもよい。
【0046】
また、本発明の実施にあたり、透光部12は、透過照明に限ることなく、計器板10の表面側からの照明でもよく、各光源100a、100bの光を導光板で透光部12に導光するようにしてもよい。
【0047】
また、本発明の実施にあたり、乗用車用計器に限ることなく、車両用計器に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗用車用計器の一実施形態を示す部分破断正面図である。
【図2】図1の中央側目盛り盤の目盛り部の部分拡大図である。
【図3】図1にて3−3線に沿う断面図である。
【図4】上記実施形態の電気回路構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御回路であるマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。
【図6】図2の光源の遅延点灯制御を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10b…目盛り盤、11…車速表示部、12…装飾用透光部、
70…発光指針、80、90a、90b、100a、100b…光源、
130…制御回路。
Claims (1)
- 透光性円弧状表示部(11)と、この円弧状表示部の円弧方向両端部側にてこれら両端部側に亘り長手状に延在し、前記円弧状表示部の半径方向中心よりも、前記円弧状表示部とは反対側に位置している細幅状の装飾用透光部(12)を有する目盛り盤(10b)と、
この目盛り盤の表面に沿い前記円弧状表示部の半径方向中心を基準として当該円弧状表示部上にて指示するように回動する発光指針(70)と、
前記円弧状表示部を透過照明する第1照明手段(90a、90b)と、
前記発光指針を発光させる光源(80)と、
前記透光部を透過照明する第2照明手段(100a、100b)と、
前記第2照明手段の照明、前記光源の発光及び第1照明手段の照明をその順序で遅延制御する制御手段(200乃至240)とを備える車両用計器。
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