JP3608419B2 - 端子装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線に弾接して鎖錠する鎖錠片を用いた端子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電線に弾接して鎖錠する鎖錠片をハウジング内に収納し、ハウジングに設けた電線挿入口から挿入される電線を鎖錠片に接続するようにした端子装置が提供されている。この種の端子装置としては、たとえば、実開昭62−126068号公報に記載のものがある。この公報に記載の端子装置は、図10に示すように、電線をハウジング1に挿入する電線挿入口24と、電線の鎖錠状態を解除するための解除釦を操作する操作孔25’とが、ハウジング1における同じ面に形成されているものであって、かつ2つの電線挿入口24に1つの解除釦が対応するように設けられている。つまり、1つの解除釦を押操作することによって2本の電線の鎖錠状態を同時に解除できるようになっている。
【0003】
このような構成の端子装置では、1つの解除釦に対応する2つの電線挿入口24のうちの一方に電線が挿入された状態で、他方の電線挿入口24に電線を挿入するときに、電線を誤って操作孔25’に挿入し上記一方の電線の鎖錠状態を解除してしまうことがある。
【0004】
また、図11に示す実開昭63−461号公報に記載の端子装置のように、ハウジング1において電線挿入口24が開口する面とは直交する面に鎖錠片と電線との鎖錠状態を解除するための解除釦25を設けたものがあり、上述した従来構成のように操作孔25’に電線を誤って挿入することはないが、電線挿入口24に電線を挿入する際に解除釦25に指が触れるなどして先に鎖錠されている電線の鎖錠状態が解除されるおそれがある。
【0005】
上述の構成のほか、図12に示す特開平5−205797号公報に記載の端子装置のように、ハウジング1において電線挿入口24が開口する面とは直交する面に鎖錠片と電線との鎖錠状態を解除するための解除釦25をハウジング1と一体に設けたものもある。この解除釦25は電線の挿入方向に延長された細長形状であって、電線の先端側がハウジング1に連続する固定端となり電線挿入口24が開口するハウジング1の一面に近い側が自由端になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように解除釦25が細長形状であるときに、自由端はハウジング1に対して分離されているものであるから、自由端の寸法精度は比較的低くなり、また周囲温度が高くなったときに熱変形しやすくなる。つまり、寸法のばらつきや熱変形によって、ハウジング1の表面から突出する可能性がある。このように、電線挿入口24に近い部位でハウジング1の表面から突出すると、図11に示した従来構成と同様に、電線挿入口24に電線を挿入する際に誤って解除釦25を押してしまい、すでに接続されている電線の鎖錠状態が解除されることがある。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電線挿入口に電線を挿入する際に誤って解除釦を押す可能性を低減した端子装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電線が挿入される電線挿入口を備えるハウジングと、電線挿入口を通してハウジングに導入された電線に弾接して鎖錠する鎖錠片と、ハウジングの周壁のうち電線挿入口の開口面を形成した第1の周壁とは交差する第2の周壁に配置され外力を受けて鎖錠片による電線の鎖錠状態を解除させる解除釦とを備え、解除釦は、解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の外側面から突出し解除釦に外力を作用させる解除操作部と、一端部に解除操作部が設けられるとともに電線挿入口寄りである他端部がハウジングに一体に連続する可撓片とを備え、可撓片の前記他端部は解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の前記外側面に対して段差が生じないように連続するものである。この構成によれば、ハウジングの周壁のうち解除釦を配置した第2の周壁の外側面と解除釦に設けた可撓片における電線挿入口に近い部位である前記他端部との間に段差が生じないから、電線挿入口に電線を挿入する際に誤って解除釦を押し込むことがなく、解除釦を複数本の電線の接続部に跨るように設けている場合でも、すでに接続した電線の鎖錠状態を誤って解除する可能性が少なくなる。
【0009】
さらに、解除釦をハウジングの周壁に一体に設けていることにより、解除釦を別工程で製造する必要がなく、また別部品の解除釦を組み込む必要がないから、解除釦が小型であっても組立作業に支障がなく製造が容易になる。しかも、解除釦においてハウジングの周壁に一体に連続している部位は解除操作部よりも電線挿入口に近い側であって、ハウジングと連続一体に形成した解除釦には可撓性を持たせるために、結合部位から解除操作部までの距離を比較的大きくする必要があるから、結果的に電線挿入口から解除操作部までの距離が大きくなり、電線挿入口に電線を挿入する際に解除操作部を誤って操作する可能性を低減することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記解除操作部を押操作する解除具に当接して解除操作部の押量を規制するストッパをハウジングに設けたものである。この構成によれば、ストッパによって解除操作部の押量が規制されるから、解除釦を過剰に押し込むことで解除釦が破損したり鎖錠片が塑性変形してしまうという問題を回避することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ストッパがハウジングにおいて解除操作部の側方に形成され解除具の一部が挿入される凹所であって、凹所の底面に解除具が当接することにより解除操作部の押量が規制されるものである。この構成によれば、解除具が凹所に挿入されることになって解除操作部を解除具で押し込む際に解除具を位置決めすることができ作業性が向上する。また、解除釦のストロークは凹所の底面までの範囲であるから、解除釦のストロークを視認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2に示すように、ハウジング1は、一面(図1の上面)が開放されたボディ10と、一面(図1の下面)が開放されボディ10の開口側からボディ10の周壁外周を囲む形に覆着されるカバー20とを結合して形成される。ボディ10の周壁外側面には4箇所に組立爪11が突設され、カバー20の周壁には各組立爪11にそれぞれ嵌合する組立孔21が形成される。したがって、組立爪11を組立孔21に嵌合させることにより、ボディ10とカバー20とが結合される。ハウジング1には2組の電源端子台2,3と1組の負荷端子台4とが順に配列されている。2組の電源端子台2,3のうちの一方は電源からの電線を接続するために設けられ、他方は送り配線用の電線を接続するために設けられている。通常は電源端子台2に電源線を接続し、電源端子台3に送り配線用の電線を接続する。
【0014】
ボディ10は長方形の一つの角部を矩形状に切欠した形状の底面を有する薄箱状に形成されている。つまり、ボディ10は直方体の一面に突部を突設した形状に形成されており、この突部が負荷端子台4になる。ボディ10の内部空間は長手方向(負荷端子台4の突出方向)に延長された2枚の仕切壁12a,12bによって3つの収納室13a〜13cに仕切られている。一方の仕切壁12aはボディ10の幅方向において負荷端子台4を突設している側と残りの側とを仕切るように設けられ、他方の仕切壁12bは負荷端子台4を突設している側の内部空間を幅方向において2分するように設けられている。つまり、仕切壁12aとボディ10の周壁とに囲まれる収納室13aと、両仕切壁12a,12bの間の収納室13bと、仕切壁12bとボディ10の周壁とに囲まれる収納室13cとが形成される。収納室13b,13cには、ボディ10の長手方向において負荷端子台4に対応する部位と残りの部位とを仕切る仕切台14も設けられている。
【0015】
カバー20はボディ10の周壁に沿った周壁を有し、カバー20においてボディ10の開口部位を覆う底板には、各電源端子台2,3に対応する部位でそれぞれ端子台部23が形成されている。各端子台部23は、負荷端子台4から離れる向きにおいて突出量が多くなるように傾斜した傾斜面23aと、この傾斜面23aにおける負荷端子台4から遠いほうの一端縁に連続し負荷端子台4から離れる向きにおいて突出量が小さくなるように傾斜した導入面23bとを有する。導入面23bには、電線を挿入するための3個の電線挿入口24が開口する。また、傾斜面23aには後述する解除釦25が連続一体に形成されている。
【0016】
カバー20の長手方向の両端の外側面には、図2に示すように、ボディ10との結合時にボディ10の底面よりも突出する取付脚26がそれぞれ設けられる。ここに、一方の取付脚26は負荷端端子台4の先端面に設けられ、他方の取付脚26はハウジング1の幅方向において負荷端子台4を設けていない側に設けられており、両取付脚26の距離が可及的に大きくなるようにしてある。各取付脚26はそれぞれ先端ほど互いの距離を小さくするように形成された一対の脚片27を備え、各脚片27の先端部には互いの距離を大きくする向きおよびカバー20から離れる向きに突出するフック27aが形成されている。各一対の脚片27に設けた両フック27aの外側面は先端側ほど互いの距離を小さくするようにボディ10の底面に対して傾斜している。ボディ10の底面にはボス10aが突設される。
【0017】
ハウジング1には、負荷端子台4の先端面に2個の電線挿入口15が開口する。また、カバー20の底板において負荷端子台4に対応する部位には、突台29が突設され、突台29には先端面に開口する解除孔29aが形成される。解除孔29aの機能については後述する。
【0018】
ところで、図1のように、ボディ10に設けた収納室13aには接地用導体31が収納され、収納室13b,13cにはそれぞれ電圧用導体32が収納される。電圧用導体32は接地用導体31に負荷接続片33を設けた形状を有し、負荷接続片33を除いた部分は接地用導体31と略同形状になる。ただし、各収納室13b,13cに配置される電圧用導体32は、ボディ10の幅方向における左右が逆になっている。つまり、両電圧用導体32は仕切壁13bを対称面として略対称に形成されている。
【0019】
しかして、接地用導体31は、図3のように、ボディ10の底面に沿って配置される帯板状の主片35aの長手方向の2箇所に端子部34を設けたものであって、各端子部34は、主片35aの側縁に2箇所で連続して主片35aに直交する側片35bを有し、主片35aの長手方向における側片35bの一端縁には主片35aおよび側片35bに直交する基部片35cが延設されている。基部片35cには主片35aと反対側の端縁から先端側ほど主片35aとの距離を広げるように傾斜した鎖錠片35dが延設される。図4に示すように、鎖錠片35dの先端部は幅方向における一部が切欠されて鎖錠縁35eが形成され、切欠されていない部位は主片35a側に曲成されている。一方、側片35bの先端縁であって基部片35cから離れた部位には半円筒状であって基部片35cに近付くほど主片35aとの距離を大きくするように中心軸の傾斜した案内片35fが連続一体に設けられる。案内片35fは内側面が主片35a側を向いており、鎖錠片35dの鎖錠縁35eと案内片35fとの間で電線を挟持することができるようになっている。さらに、主片35aの長手方向において側片35bの中間部には主片35aの長手方向に沿った短冊状の開口が形成され、開口において主片35aから離れた一辺において基部片35c側の端部には主片35aに対向し鎖錠片35dに沿う形で延長された接続片35gが設けられる。接続片35gは側片35bとの連結部位を除いて基部片35cから離れるほど主片35aとの距離を大きくするように傾斜する。また、接続片35gの先端部には主片35aから離れる向きに凸となるように曲成された接続部35hが形成されている。要するに、接続片35gは側片35bの一部を主片35aから切り離すとともに一部のみが側片35bに連続するように短冊状に切り出して形成されている。ここにおいて、鎖錠片35dの先端部は案内片35fの内側面に接触し、接続片35gの先端部は案内片35fとの間に隙間を形成するように配置される。接地用導体31の主片35aの長手方向の中間部には側片35bとは反対向きに折曲された接地片36も設けられており、接地片36はボディ10の周壁に設けた切欠溝10aを通してボディ10の裏面側に突出する。
【0020】
一方、電圧用導体32は上述のように負荷接続片33を除いた部分は接地用導体31と略同形状になっているが、電圧用導体32には接地片36は設けられていない。また、両電圧用導体32は幅方向においては互いに面対称であって、両電圧用導体32の案内片35fの距離が大きくなる位置関係に配置される。負荷接続片33は、電圧用導体32の主片35aにおいて基部片35cと反対側の一端縁に連続しており、主片35aに対して側片35bと同じ側に延長された立上片33aを有し、立上片33aの先端縁に主片31aと略平行かつ主片31aから離れる向きに延長された端子片33bを備える。端子片33bの先端縁からは立上片33aに対向する向きに導入片33cが延長され、導入片33cの先端には導入片33cに沿って立上片33a側に略S字形の鎖錠片33dが連続して設けられる。導入片33cには図示しない導入孔が形成され、導入孔を通して端子片33bと鎖錠片33dとの間に電線を挿入すると、端子片33bと鎖錠片33dの先端縁との間で電線が抜け止めされた状態で保持されるようになっている。
【0021】
しかして、接地用導体31および電圧用導体32をボディ10に収納し、ボディ10にカバー20を覆着すると、図3のように端子台部23における傾斜面23aに対応する部位の内側面に沿う形で案内片35fが配置される。ここに、接地用導体31および電圧用導体32は、主片35aの長手方向の中央部の一方の側縁に位置決め凹所35iを有し、ボディ10の仕切壁12a,12bに設けた位置決め突起12cに位置決め凹所35iが係合することによって,接地用導体31と電圧用導体32とのボディ10に対する位置合わせが容易になっている。また、カバー20の内周面には主片35aの長手方向の中間部において両端子部34間に挿入される押さえ片20aが設けられ、押さえ片20aの先端面とボディ10との間に主片35aが挟まれ、ハウジング1内での接地用導体31および電圧用導体32のがたつきが防止される。このようにハウジング1に接地用導体31と電圧用導体32とが収納された状態では、電線挿入口24の中心軸Cは、鎖錠片33dに交差しかつ接続片35gの先端部である接続部35hにほぼ接する位置関係になる。
【0022】
したがって、図6のように電線挿入口24にVVFケーブルなどの電線37を導入すると、図5のように電線37の先端部に接続部35hが電気的に接触し、かつ電線37に鎖錠片35dの鎖錠縁35eが食い込んで抜け止めを行うことになる。ここにおいて、鎖錠片35dの幅方向の一側では案内片35fおよび側片35bにより電線37の位置ずれが防止され、他側では鎖錠縁35eと残りの部位との段差によって電線37の位置ずれが防止される。電線挿入口24の周縁のうち端子台部23の先端側の一部には傾斜面23aに跨る形で切欠された窓溝24aが形成される。窓溝24aは傾斜面23aと導入面23bとに跨る部位において、傾斜面23aに沿った断面が矩形状となるように形成されている。電線挿入口24は筒状に形成されており、電線挿入口24が形成されている導入面23bが傾斜していることによって、電線挿入口24が内部まで見えやすくなっている。このことに加えて、上述のように窓溝24aを形成していることで、電線挿入口24の内部を一層奥まで見ることが可能になる。その結果、電線37を電線挿入口24に導入する際に、電線37が正しく導入されているか否かを視認しやすくなり、電線37の結線作業が容易になるのである。
【0023】
換言すれば、筒状に形成された電線挿入口24において鎖錠片35d側の一端の開口面は電線挿入口24の中心軸Cに直交しており、鎖錠片35dから離れている他端の開口面は、少なくとも一部が電線挿入口24の中心軸Cに対して直交せず、かつ電線挿入口24に導入される電線37の先端部が電線挿入口24の深い位置まで見えるように形成されているのである。また、電線挿入口24が筒状に形成されており、かつ窓溝24aが切欠状に形成されているから、電線37を挿入する際に電線37の左右の動きを窓溝24aの両側面で規制しながら導入することができ、電線37の挿入作業が容易である。とくに、VVFケーブルのように複数本の固い電線37をシースに入れたケーブルを用いるときには、結線時に他の電線37と分けるために左右の力がかかることになり、左右の位置ずれが生じやすいが、上述のように電線37が案内され、かつ視認しやすいから結線作業を容易に行うことができる。
【0024】
しかも、電線挿入口24の周部に切欠状の窓溝24aを形成しているだけであるから、大型化することがなく、また切欠しない場合よりも材料コストを低減できる可能性がある。とくに、窓溝24aは切欠状であるから、窓溝24aの底面を電線挿入口24の鎖錠片35d側の開口面に平行にすることができ、電線37の挿入方向に錯覚が生じないから、電線挿入口24の上記開口面に略直交する方向に電線37を挿入することができ、結線作業を容易に行うことができる。
【0025】
なお、図3は照明器具などの器具本体5にハウジング1を取り付けた状態を示しており、器具本体5に適宜に貫設した取付孔にフック27aを挿入することによって、器具本体5にハウジング1の取付面(フック27aの突出する面)を当接させた形でハウジング1を器具本体5に取り付けることができる。器具本体5にはボス10aおよび接地片36も挿入される。器具本体5が金属であれば接地片36を器具本体5に接続することによって器具本体5の接地を容易に行うことができる。図示例では器具本体5に電線用貫通孔5aが形成されており、電線用貫通孔5aを通して導入された電線37を電線挿入口24に差し込むことによって、電線37を接続する例を示している。
【0026】
負荷端子台4では上述のようにハウジング1に形成された電線挿入口15に負荷側の電線を挿入すると、端子片33bと鎖錠片33dとの間に電線が導入され、電線が鎖錠片33dにより鎖錠されるのである。この鎖錠状態を解除するには解除孔29aに適宜の治具を挿入すればよい。
【0027】
ところで、上述のように、端子台部23の傾斜面23aには解除釦25が設けられている。この解除釦25は電線挿入口24に挿入された電線37の鎖錠状態を解除するために設けられたものであり、図1、図2に示すように、導入面23b側に一端が一体に連続した可撓片25aを有し、可撓片25aの先端部に釦状の解除操作部25bが設けられている。傾斜面23aには解除釦25の周囲を囲む囲み壁41が形成されている。可撓片25aは一端部が傾斜面23aに対して段差の生じないように連続し、さらに可撓片25aの両側方では囲み壁41の先端面と可撓片25aとの間に段差が生じないように囲み壁41が形成されている。また、囲み壁41において解除操作部25bを囲む部位の先端面に対して、解除操作部25bは若干突出している。つまり、解除操作部25bは傾斜面23aに対して比較的大きく突出していることになる。囲み壁41において解除操作部25bを囲む部位には、可撓片25aの延長方向に直交する形でストッパとしての凹所42が形成されている。凹所42の底面は傾斜面23aよりも凹没しており、解除操作部25bを跨ぐ凹所42の幅はマイナスドライバのような解除具43(図7、図8参照)の幅寸法に略一致するように設定されている。また、解除操作部25bにも凹所42に対応する部位に凹所25cが形成されている。
【0028】
解除釦25における解除操作部25bは、接地用導体31と電圧用導体32とにそれぞれ設けられている鎖錠片35dの先端部において鎖錠縁35eの形成されていない部位に当接可能であって、解除操作部25bをハウジング1に押し込むと、鎖錠片35dを案内片35fから離れる向きに撓ませることができる。つまり、鎖錠片35dと案内片35fとの間に挟持された電線37の鎖錠状態を解除して電線37を引き抜くことができるようになる。各端子台部23において解除釦25は2個ずつ設けられており、一方の解除釦25は接地用導体31に対応するように形成され、他方の解除釦25は2つの電圧用導体32に跨るように形成されている。
【0029】
しかして、解除釦25と傾斜面23aとの連結部が解除操作部25bよりも電線挿入口24に近い側であって、かつ傾斜面23aとは段差なく連続し、さらには囲み壁41の先端面を可撓部25aと略面一にしているから、電線37を電線挿入口24に挿入する際に、解除釦25が押し込まれにくくなる。また、可撓片25aを電線挿入口24に近い側から延長しているから、可撓片25aの撓み量を確保するために解除操作部25bを電線挿入口24から遠い部位に設けることになり、このことによっても結線作業時に解除釦25が押し込まれる可能性を低減することができる。その結果、1つの解除釦25によって同時に鎖錠状態が解除される2本の電線37のうちの一方が接続されている状態で、他方の電線37を接続する際に、解除釦25を誤って押し込むことがなく、結線作業時にすでに接続されている電線37の鎖錠状態を解除してしまうことがないのである。
【0030】
また、図8のように、解除釦25を解除具43により押し込むときには、解除具43を凹所25c,42に挿入することで解除具43が解除釦25に対して位置ずれしないから、解除釦25の操作が容易になる。しかも、解除具43が凹所42の底面に当接することによって解除釦25の押し込み量が規制されるから、解除釦25に過度の力が作用せず、かつ解除釦25の押し込み量を視認することができる。さらにまた、解除釦25はハウジング1と一体に設けられているから、別部品として解除釦25を組み込む場合に比較すると工程が簡単になる。
【0031】
なお、電線挿入口24の鎖錠片35dから離れた端部に第1の実施の形態のような窓溝24aを設けずに、図9に示すように、電線挿入口24における鎖錠片35d側の端部の開口面とは異なる角度で導入面23bを傾斜させることも可能である。つまり、ボディ10の底面に対する導入面23bの角度を第1の実施の形態よりも小さくしているのである。換言すれば、傾斜面23aと導入面23bとを鈍角で交差させているのである。
【0032】
このような構成では、電線挿入口24において鎖錠片35dから離れている端部の開口面が、電線挿入口24の中心軸Cに対して傾斜し、窓溝24aを形成した場合と同様に、電線37の挿入状態を電線挿入口24の奥まで視認することが可能になる。つまり、電線37が左右に振れないように電線挿入口24に通して鎖錠片35dに案内することができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の発明は、電線が挿入される電線挿入口を備えるハウジングと、電線挿入口を通してハウジングに導入された電線に弾接して鎖錠する鎖錠片と、ハウジングの周壁のうち電線挿入口の開口面を形成した第1の周壁とは交差する第2の周壁に配置され外力を受けて鎖錠片による電線の鎖錠状態を解除させる解除釦とを備え、解除釦は、解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の外側面から突出し解除釦に外力を作用させる解除操作部と、一端部に解除操作部が設けられるとともに電線挿入口寄りである他端部がハウジングに一体に連続する可撓片とを備え、可撓片の前記他端部は解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の前記外側面に対してとの間に段差が生じないように連続するものであり、ハウジングの周壁のうち解除釦を配置した第2の周壁の外側面と解除釦に設けた可撓片における電線挿入口に近い部位である前記他端部との間に段差が生じないから、電線挿入口に電線を挿入する際に誤って解除釦を押し込むことがなく、解除釦を複数本の電線の接続部に跨るように設けている場合でも、すでに接続した電線の鎖錠状態を誤って解除する可能性が少なくなるという利点がある。
【0034】
さらに、解除釦をハウジングの周壁に一体に設けていることにより、解除釦を別工程で製造する必要がなく、また別部品の解除釦を組み込む必要がないから、解除釦が小型であっても組立作業に支障がなく製造が容易になるという利点がある。しかも、解除釦においてハウジングの周壁に一体に連続している部位は解除操作部よりも電線挿入口に近い側であって、ハウジングと連続一体に形成した解除釦には可撓性を持たせるために、結合部位から解除操作部までの距離を比較的大きくする必要があるから、結果的に電線挿入口から解除操作部までの距離が大きくなり、電線挿入口に電線を挿入する際に解除操作部を誤って操作する可能性を低減することができるという利点がある。
【0035】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、解除操作部を押操作する解除具に当接して解除操作部の押量を規制するストッパをハウジングに設けたものであり、ストッパによって解除操作部の押量が規制されるから、解除釦を過剰に押し込むことで解除釦が破損したり鎖錠片が塑性変形してしまうという問題を回避することができるという利点がある。
【0036】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、ストッパがハウジングにおいて解除操作部の側方に形成され解除具の一部が挿入される凹所であって、凹所の底面に解除具が当接することにより解除操作部の押量が規制されるものであり、解除具が凹所に挿入されることになって解除操作部を解除具で押し込む際に解除具を位置決めすることができ作業性が向上するという利点がある。また、解除釦のストロークは凹所の底面までの範囲であるから、解除釦のストロークを視認することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。
【図3】同上の断面図である。
【図4】同上の要部斜視図である。
【図5】同上の要部斜視図である。
【図6】同上の一部切欠した斜視図である。
【図7】同上の要部断面図である。
【図8】(a)は図7におけるA−A線断面図、(b)は同上において解除釦を押し込んだ状態の断面図である。
【図9】本発明の他の構成を示す断面図である。
【図10】従来例を示す斜視図である。
【図11】他の従来例を示す斜視図である。
【図12】別の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
24 電線挿入口
24a 窓溝
25 解除釦
25a 可撓部
25b 解除操作部
31 接地用導体
32 電圧用導体
35d 鎖錠片
35f 案内片
37 電線
42 凹所
43 解除具
Claims (3)
- 電線が挿入される電線挿入口を備えるハウジングと、電線挿入口を通してハウジングに導入された電線に弾接して鎖錠する鎖錠片と、ハウジングの周壁のうち電線挿入口の開口面を形成した第1の周壁とは交差する第2の周壁に配置され外力を受けて鎖錠片による電線の鎖錠状態を解除させる解除釦とを備え、解除釦は、解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の外側面から突出し解除釦に外力を作用させる解除操作部と、一端部に解除操作部が設けられるとともに電線挿入口寄りである他端部がハウジングに一体に連続する可撓片とを備え、可撓片の前記他端部は解除釦を配置したハウジングの第2の周壁の前記外側面に対して段差の生じないように連続することを特徴とする端子装置。
- 前記解除操作部を押操作する解除具に当接して解除操作部の押量を規制するストッパをハウジングに設けたことを特徴とする請求項1記載の端子装置。
- 前記ストッパはハウジングにおいて解除操作部の側方に形成され解除具の一部が挿入される凹所であって、凹所の底面に解除具が当接することにより解除操作部の押量が規制されることを特徴とする請求項2記載の端子装置。
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