JP3637845B2 - 配線器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より配線器具としてコンセントやスイッチなどが提供されており、コンセントでは栓刃を受ける刃受部材のような充電部材を器体の内部に収納し、スイッチでは接点や接点を開閉させる開閉機構部を器体の内部に収納するから、2個以上の部材を組み合わせて器体を形成している。
【0003】
ここで、従来のコンセントの構造を図13乃至図18を参照して説明する。尚、説明を簡単にするために、図14の向きにおいて上下左右の方向を規定し、また図14における正面を前面という。したがって、図15における右端は後端になる。
【0004】
コンセントの器体1は、耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(たとえば、ユリア樹脂)を用いて前面が開放された直方体状に形成されたボディ10と、弾性を有しかつ耐トラッキング性に優れた合成樹脂(たとえば、ポリブチレンテレフタレート=PBT)を用いて後面が開放された直方体状に形成されたカバー20とを結合することにより形成される。
【0005】
ボディ10の上下両端面には各一対の組立爪11が突設されている。一方、カバー20の上下両端部にはそれぞれ突出部21が突設され、各突出部21の後縁からボディ10に向かってそれぞれ組立片22が突設される。各組立片22にはボディ10に設けた組立爪11と凹凸係合する各一対の係合孔22aが形成される。組立爪11の前端部には前方ほどボディ10からの突出量を小さくするように傾斜した誘導面11aが形成されている。したがって、ボディ10にカバー20を組み付けるときには、組立片22が誘導面11aに沿って撓み、最終的に組立片22に設けた係合孔22aが組立爪11に嵌合することによって、ボディ10とカバー20とが結合される。このように、組立片22を撓ませる必要があるから、カバー20を弾性を有した合成樹脂で形成している。
【0006】
また、カバー20の両側面に設けた突出部21には、造営面に取り付けられたプレート60に結合するために各一対の取付爪2が突設されている。取付爪2の前端部には前方ほど突出部21からの突出量を小さくするように傾斜した傾斜面2aが形成されている。また、器体1の各側面において両取付爪2の間に対応する部位であって取付爪2よりもやや後方には取付孔3が穿設されており、プレート60の種類によっては取付孔3を用いて器体1をプレート60に取り付ける。
【0007】
ボディ10は長手方向の中間部に設けた仕切壁12により内部空間が2分されている。仕切壁12の前端部はボディ10の開口面よりも前方に突出している。ボディ10の周壁の適所には前方に突出する位置決め突部10aが突設される。仕切壁12および位置決め突部10aは、ボディ10とカバー20とが結合されたときにカバー20に形成した凹所(図示せず)に係合してボディ10に対するカバー20のがたつきを禁止する。また、カバー20内にも仕切壁(図示せず)が形成され、ボディ10とカバー20とを結合するとボディ10の仕切壁12とカバー20の仕切壁とが突き合わされることによって器体1の内部空間が独立した2室に分割される。
【0008】
ボディ10内において仕切壁12を介して形成された各収納室13には、それぞれ耐熱銅から形成された刃受部材30が収納される。各刃受部材30は、互いに対向する一対のばね片31と、両ばね片31の一方の側面に対向するばね片32と、ばね片31,32を連続一体に結合するU字状の連結片33とを備える。また、各ばね片31の側方であってばね片32との間の部位には連結片33から連続一体に位置決め片34が突設される。さらに、連結片33の開放端には互いに離れる向きに突出する形で端子片35が連結片33と連続一体に形成されている。ところで、この刃受部材30では、互いに対向する一対のばね片31においてピン型栓刃に接触する部位の間隔がばね片32に近い側ほど大きくなるように形成してある(図18参照)。つまり、両刃受部材30において互いに近い側ほどばね片31の間隔が大きくなるようにしてある。したがって、ピン型栓刃を刃受部材30に挿入したときに、プラグの種類によって一対のピン型栓刃の間の距離やピン型栓刃の直径が異なるものであっても、ばね片31のばね力によってプラグを両刃受部材30の中心付近に位置させる向きの力が作用し、両刃受部材30でのばね片31のばね力を均等化することができる。
【0009】
ボディ10内には連結片33と位置決め片34と端子片35とにそれぞれ当接する位置決めリブ14a〜14cが形成され、位置決めリブ14a〜14cにより刃受部材30がボディ10内の定位置に位置決めされる。位置決めリブ14b,14cは互いに対向するように形成され、位置決めリブ14cに当接した端子片35と位置決めリブ14bとの間に鎖錠ばね36が配置される。鎖錠ばね36は例えばステンレスなどの帯板の一端部をS字状に曲成して接触片36aを形成するとともに、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片36bを形成したものであって、接触片36aおよび鎖錠片36bを端子片35に対向させる形でボディ10に収納される。刃受部材30の位置決め片34と端子片35および鎖錠ばね36はカバー20内に設けた押さえリブ23a,23bによりボディ10から浮き上がらないように押さえられる。
【0010】
ボディ10の後壁には鎖錠ばね36と端子片35との間に電線を導入することができるように電線挿入口15が形成されている。この電線挿入口15を通して鎖錠ばね36と端子片35との間に、鎖錠片36b側から電線を挿入すると、接触片36aおよび鎖錠片36bのばね力によって電線が端子片35との間に挟持され、かつ鎖錠片36bが電線に食い込むことによって電線を引き抜くことができなくなる。このように、電線挿入口15に電線を挿入するだけで結線することができるから、ねじ付きの端子などを用いる場合に比較して結線作業が容易になる。
【0011】
各収納室13には、各刃受部材30に設けた一対の端子片35にそれぞれ対向する一対の鎖錠ばね36に跨がるように解除釦37が配設される。解除釦37は耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(たとえば、ユリア樹脂)により形成され、両鎖錠ばね36の鎖錠片36bに当接し、ボディ10の後壁に沿ってスライド可能となるように配置されている。解除釦37が鎖錠片36bに当接する部位は鎖錠片36bが端子片35との間に電線を挟持する部位からずれている。また、解除釦37に対応する部位でボディ10の後壁には操作孔16が形成され、操作孔16にマイナスドライバの先端部などを挿入して解除釦37を押すことにより、電線に食い込んでいる鎖錠片36bを電線から離すように撓ませて電線の引抜きが可能となるようにしてある。
【0012】
上述の説明から明らかなように、各収納室13に配置した刃受部材30にはそれぞれ2本の電線を接続することができるから、一方の電線を電源側とし、他方の電線を他のコンセントに接続する送り配線として用いれば、複数のコンセントを並列的に接続するような結線作業が容易になる。また、電源側の電線と送り配線となる電線とを個別に接続しているから、すでに接続してあるコンセントを外すときなどに同時に2本の電線を外すことなく外すべきコンセントに接続されている電線のみを付け替えればよいから、配線の変更にも容易に対応することができる。
【0013】
ところで、カバー20の前壁には一つのプラグに設けた一対の栓刃を挿入することができる差込部24が1口分形成されている。差込部24は各刃受部材30のばね片31,32に対応する部位にそれぞれ開口する2個の挿入口25よりなり、各挿入口25は平板状の平型栓刃が差し込まれる平型栓刃挿入口25aと、ピン状のピン型栓刃が差し込まれるピン型栓刃挿入口25bとを連通させた形状に形成されている。つまり、平型栓刃挿入口25aは矩形状であって、長手方向の中間部の一側縁に円状のピン型栓刃挿入口25bが連通した形状になっている。また、平型栓刃挿入口25aの中心間の距離よりも、ピン型栓刃挿入口25bの中心間の距離のほうが広くなっている。平型栓刃挿入口25aに挿入される平型栓刃はばね片31の側面とばね片32との間で挟持され、ピン型栓刃挿入口25bに挿入されるピン型栓刃は一対のばね片31の間で挟持される。なお、平型栓刃挿入口25aは電圧線側と接地線側とで長さ寸法を異ならせてある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の配線器具では、カバー20の組立片22に設けた係合孔22aが、ボディ10に設けた組立爪11に嵌合することによって、ボディ10とカバー20とを結合しているが、ボディ10及びカバー20は成形部品であるから強度が弱く、組立片22が破損する虞があった。しかも、ボディ10及びカバー20の寸法精度に高い精度が要求され、コストアップの要因になるという問題があった。また、ボディ10及びカバー20と別体に形成された合成樹脂成型品からなる組立枠を用いて、ボディ10とカバー20とを結合することも考えられるが、やはり強度が弱いという問題があり、またボディ10やカバー20や組立枠の寸法精度に高い精度が要求され、コストアップの要因になるという問題があった。
【0015】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ボディとカバーとの結合を強固にした安価な配線器具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、施工面に固定されるプレートに形成された開口窓内に前端部が挿入された形でプレートに保持され後端部が施工面に埋め込まれた形で設置される器体と、電路の一部を構成し器体の内部に収納される導電部材とを備え、前記器体を、前面が開口した略箱状の後端側のボディと、後面が開口した略箱状であってボディの開口を塞ぐようしてボディに被着される前端側のカバーと、ボディ及びカバーの両端部をそれぞれ結合する一対の金属製の組立枠とで構成し、カバーの対向する2つの側面の後端部に、側方に突出する肩部をそれぞれ突設すると共に、ボディの前端部における前記肩部に対応する部位に側方に突出する係止凸部を前記肩部と前後方向に並べて突設し、前記組立枠を、前記肩部上に載置される係止片と、係止凸部の後側に配置されるかしめ片と、前記係止片および前記かしめ片の両端部間をそれぞれ連結する一対の連結片とで四角枠状に構成して、前記肩部および前記係止凸部の側面視の形状を、前後方向に並んだ状態で前記組立枠の枠内と略同じ形状に形成し、前記肩部には、前記係止凸部と反対側の面における前記係止片の載置部位に前記係止片が係止する溝を形成すると共に、前記係止凸部における前記肩部と反対側の面において前記かしめ片の中央部と対向する部位を前方に窪ませて凹所を形成してあり、前記組立枠の枠内に前記肩部と前記係止凸部とを挿入し、前記係止片を前記肩部の溝に係止させた状態で、前記かしめ片の中央部を前側に折曲して前記凹所と係止させることによって、前記ボディと前記カバーとが互いに結合されることを特徴とし、ボディとカバーとは金属製の組立枠により結合されているので、ボディとカバーとを強固に結合することができる。しかも、組立枠のかしめ片を折り曲げて、ボディの凹所とかしめ固定することにより、ボディとカバーとを結合しているから、ボディ及びカバーの寸法精度にばらつきがあったとしてもかしめ片の変形量によって対応することができる。したがって、ボディ及びカバーの寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ及びカバーの製造コストを低減できる。さらに、組立枠の係止片はカバーの側面に当接した状態で取り付けられているので、係止片をカバーの前面と平行な面に当接させた状態で取り付ける場合に比べて、カバーの前面における係止片の取付スペースが小さくなり、プレートの開口窓から前方に突出する器体前面の寸法を大きくとることができる。そのうえ、ボディの前面側にカバーを載置した状態で、肩部及び係止凸部の周りを係止片と一対の連結片とかしめ片とで取り囲むようにして組立枠の係止片を肩部上に載置し、係止片を肩部の溝と係止させた後、かしめ片の中央部をカバー側に曲がることによって、かしめ片と係止凸部に設けた凹所とを係止させることができるので、かしめ片を曲げるだけでボディとカバーとを容易に結合できる。
【0017】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、開口窓から前方に露出するカバーの部位に、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を設け、導電部材が、栓刃挿入口に挿入されたプラグの栓刃を受ける刃受部材と、刃受部材に電気的に接続されると共に外部からの電線が電気的に接続される端子部とを含むことを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を有するコンセントを実現できる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、導電部材が、接点と、該接点を開閉させる開閉機構部とを含み、開口窓から前方に露出するカバーの部位に接点の切換操作を行うための操作部を設けたことを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を有するスイッチを実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
(参考例1)
本発明の参考例のコンセントを図1乃至図6を参照して説明する。尚、以下の説明では
、とくにことわりがなければ、図2(a)の向きにおいて上下左右の方向を規定し、また図2(a)における正面を前面という。したがって、図2(b)における右端は後端になる。
【0021】
本参考例ではコンセントの器体1を、前面が開口した略箱状のボディ10と、後面が開口した略箱状であってボディ10の開口を塞ぐようにしてボディ10の前面に被着されるカバー20と、ボディ10及びカバー20の両端部をそれぞれ結合する一対の金属製の組立枠40とで構成している。ここで、ボディ10およびカバー20は、耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(たとえば、ユリア樹脂)を用いて形成される。尚、組立枠40を用いてボディ10とカバー20とを結合する構成以外の構成は上述した従来のコンセントと同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0022】
上下方向において対向するカバー20の2つの側面の後端部には、側方に突出する各一対の第1突出部26が短幅方向(すなわち器体1の前後方向と略直交する方向)に並べて突設されており、各第1突出部26の前面側にはカバー20の短幅方向に沿って走る溝(被係止部)26aが形成されている。また、ボディ10の前端部における各第1突出部26に対応する部位にはそれぞれ側方に突出する第2突出部17が形成されており、第2突出部17の後面にはU字状に窪んだ凹所(被固定部)17aがそれぞれ形成されている。
【0023】
一方、組立枠40は弾性を有する板金を加工して形成され、カバー20の上下の端部にそれぞれ設けた一対の第1突出部26,26に跨るようにして両第1突出部26上に載置され、第1突出部26に設けた溝26aと係止する係止片41と、係止片41における一対の第1突出部26の間の部位に一端部が連結された連結片43と、連結片43の他端部における両側縁から側方にそれぞれ突出するかしめ片としての爪片42,42とを連続一体に形成して構成される。また、係止片41の左右両側部には山形状に折曲された取付爪44を組立枠40と一体に形成しており、取付爪44から後述するプレート60に器体1を取り付けるための取付手段が構成される。尚、取付爪44は係止片41との連結部位からボディ20側に行くほど係止片41からの突出量が大きくなるように傾斜した傾斜面44aが形成されている。
【0024】
ここで、ボディ10とカバー20とを結合する際は、先ずボディ10の各収納室13内に刃受部材30と鎖錠ばね36と解除釦(図示せず)とを収納した後、ボディ10に設けた位置決め突部10a及び仕切壁12とカバー20に形成した凹所(図示せず)の位置を合わせて、ボディ10の前面側にカバー20を載置する。そして、カバー20の上下両端部にそれぞれ形成した各2個の第1突出部26上に跨るようにして組立枠40の係止片41を載置する。この時、係止片41の連結片43は一対の第1突出部26の間の凹所26b、及び、一対の第2突出部17の間の凹所17cを通ってボディ10の後端側に突出しており、連結片43の後端部にそれぞれ突設された爪片42,42をカバー20側に折曲すると、爪片42の先端が第2突出部17の凹所17a内に入り込み、凹所17aの表面に形成された溝17bと係止することによって(図2(c)参照)、ボディ10とカバー20とがかしめ固定される。
【0025】
このように、器体1を構成するボディ10とカバー20とは金属製の組立枠40により結合されているので、ボディ10とカバー20とを強固に結合することができる。しかも、組立枠40の爪片42を折り曲げて、第2突出部17の溝17bと係止させることにより、ボディ10とカバー20とを結合しているから、ボディ10及びカバー20の寸法精度にばらつきがあったとしても爪片42の変形量によって対応することができる。したがって、ボディ10及びカバー20の寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ10及びカバー20の製造コストを低減できる。さらに、組立枠40の係止片41はカバー20の上下両端面にそれぞれ当接した状態で取り付けられているので、係止片41をカバー20の前面と平行な面に当接させた状態でカバー20に取り付ける場合に比べて、カバー20の前面における係止片41の載置スペースが小さくなり、プレート60の開口窓71から前方に突出する器体1前面の寸法を大きくとることができる。
【0026】
上述した構成のコンセントを施工するには、図3および図4に示すプレート60を用いる。プレート60は、器体1を保持するプレート枠70と、プレート枠70を覆って見栄
えよく施工する化粧プレート80とからなる。プレート枠70には、合成樹脂製のものと金属製のものとがある。合成樹脂製のプレート枠70は絶縁性を有し、一対の枠片73a,73bの左端部同士および右端部同士をそれぞれ横片72で連続一体に結合することによって、器体1の前面を露出させる長方形状の開口窓71を中央部に備えた縦長の矩形枠状に形成されている。開口窓71の長手方向に沿った両側縁の後面側にはそれぞれ帯板状の固定梁部74と可動梁部75とが互いに対向する形で設けてある。
【0027】
可動梁部75は、長手方向の両端部で可動梁部75の長手方向に延長された連結部76を介して枠片73bに連続一体に連結され、中間部の2箇所が可動梁部75に直交する方向のブリッジ部77を介して枠片73bに連続一体に連結されている。また、各連結部76と各ブリッジ部77との間および両ブリッジ部77の間の部位は表裏に貫通するスリット78a〜78cとなっている。プレート枠70を形成する合成樹脂は可撓性を有し、可動梁部75および連結部76が可撓になっている。両側のスリット78a,78cはL字形に形成され、中間部のスリット78bは一直線上に形成されている。枠片73bにおいて各ブリッジ部77の近傍には、ブリッジ部77に対応する部位でも可動梁部75が可撓となるように、表裏に貫通する長孔状の溝79をそれぞれ設けてある。
【0028】
一方、固定梁部74および可動梁部75において開口窓71に臨む一面には、各組立枠40に各一対ずつ突設された取付爪44と凹凸係合する保持部としての6個の保持溝74a,75a(図5参照)が等ピッチで設けられる。したがって、組立枠40に設けた取付爪44を各保持溝74a,75aに凹凸係合させると、器体1の前面を開口窓71から露出させた形でプレート枠70に器体1を取着することができる。また、器体1がプレート枠70から前方に抜け落ちないように、固定梁部74および可動梁部75の基部には取付爪44の前面に当接する当接部74d,75dが形成されている。つまり、組立枠40に設けた取付爪44の前面が当接部74d,75d(図5(c)参照)に当接し、取付爪44の後面が保持溝74a,75aに係止されることによって、器体1がプレート枠70に取着される。このように、プレート枠70に取り付けるための取付爪44を金属製の組立枠40と一体に設けているので、従来のスイッチのように樹脂製のカバーに設けた場合に比べて、取付爪44の強度を高めることができ、器体1をプレート枠70に強固に取り付けることができる。
【0029】
ここで、固定梁部74と可動梁部75との開口窓71に臨む一面における各先端部分には、組立枠40の取付爪44をプレート枠70の後面側から保持溝74a,75aに導入する際に、各取付爪44を保持溝74a,75aに誘導するために、先端側ほど互いの距離を広げるように傾斜した傾斜面となった誘導部74b,75bが設けてある。すなわち、図5(a)〜(c)に示すようにプレート枠70に器体1を取り付けるには、器体1の一側面に取り付けられた組立枠40の取付爪44を固定梁部74の保持溝74aに係合させておき、器体1の前端部を開口窓71にほぼ一致させて器体1をプレート枠70に対して前方に押し込むと、器体1の他側面に取り付けられた組立枠40の取付爪44が可動梁部75を撓ませながら傾斜面44aと誘導部75bとによって保持溝75aに追い込まれ、取付爪44を保持溝75aに容易に係合させることができる。
【0030】
ところで、上述のように可動梁部75の延長線上に連結部76を設けているから、器体1に前面側から後方に向かって押圧力が作用しても、可動梁部75が開口窓71側へ倒れるように撓んで保持溝75aから組立枠40の取付爪44が外れることがない。これにより、器体1のプレート枠70に対する取付強度を向上させることができる。
【0031】
一方、固定梁部74の基部には隣接する各一対の保持溝74aの間でプレート枠70の表裏に貫通する器具外し孔74cが穿設してあって、器体1をプレート枠70に取着した状態で、ドライバや取外し専用の治具等の先端部分を器具外し孔74cに挿入し、治具の先端部分で器体1を可動梁部75側へ押すと梃子の原理によってわずかな力で可動梁部75を撓ませることができ、固定梁部74側の保持溝74aと組立枠40の取付爪44との係合状態を解除してプレート枠70から器体1を取り外すことができるようになっている。
【0032】
ところで、上述したように、プレート枠70は固定梁部74と可動梁部75とにそれぞ
れ3対の保持溝74a,75aを有し、器体1の各側面に取り付けた組立枠40には一対ずつの取付爪44が形成されているから、上述の器体1をプレート枠70に3個まで取り付けることが可能である。つまり、プレート枠70は3個用であって、3個用のプレート枠70に最大3個まで取り付けることができるように取付寸法を設定した器体1を1個単位寸法の器体1と呼ぶことにする。このように、器体1とプレート枠70との相対的な取付寸法を規定しておくことによって、プレート枠70には1〜3個の範囲の任意個数の器体1を取り付けることが可能になる。固定梁部74および可動梁部75に設けた各保持溝74a,75aのピッチは、1個単位寸法の器体1の各側面に取り付けた組立枠40に突設されている取付爪44のピッチと等しく、かつ上述のように各保持溝74a,75aは等間隔であるから、1個単位寸法の器体1であれば固定梁部74および可動梁部75の隣接する任意の2個の保持溝74a,75aを用いてプレート枠70に取着することができる。図6(a)(b)は器体1をプレート枠70に取り付けた状態を示している。
【0033】
ところで、プレート枠70の各横片72の中間部前面にはそれぞれ凹所91が形成してある。各凹所91には、プレート枠70を埋込ボックス(図示せず)に取り付けるためのボックスねじを挿通するボックス用孔92と、プレート枠70を壁面等の施工面に直付けするためのねじが挿通されるねじ挿通孔93と、施工面を形成する壁パネル等に取り付ける際に使用するはさみ金具(図示せず)を係止するはさみ金具係止孔94とが設けてある。
【0034】
また、プレート枠70の4隅には、化粧プレート80の後面から突設した係止突起83を係止する化粧プレート係止孔95が設けてあり、化粧プレート係止孔95に係止突起83を挿入係止することでプレート枠70の前面を覆う形で化粧プレート80を着脱自在に取り付けることができるようになっている。
【0035】
化粧プレート80は、絶縁性を有する合成樹脂を用いて形成されたものであって、プレート枠70の前面を覆う矩形状の主部81と、主部81の周縁から全周に亙って後方に突出する側壁82とを連続一体に形成した略箱形に形成される。係止突起83は主部81の後面側の4隅に突設してある。また、主部81の中央部には、プレート枠70に取り付けた器体1の前面を露出させる開口窓81aが設けてある。
【0036】
化粧プレート80の側壁82のうちの各対向面間の距離は、それぞれプレート枠70の対応する部位の幅寸法よりも大きくしてある。すなわち、施工面に配設したプレート枠70の前面側に化粧プレート80を取着したとき、プレート枠70が化粧プレート80の内側に収まり、化粧プレート80の側壁82の先端縁が施工面にほぼ当接する。その結果、プレート枠70と化粧プレート80との突き合わせ面が施工面よりも前方へ出ることがなく、両者の突き合わせの線が側面からはほとんど見えなくなり外観が向上する。また、化粧プレート80の側壁82の内側面には、プレート枠70の側面に当接してプレート枠70に対する化粧プレート80の位置ずれを防止する規制リブ84を複数列設している。
【0037】
ところで、プレート枠70の両枠片73a,73bの外側面には、後方ほど外側に突出するように傾斜する傾斜面73cと、傾斜面73cに連続して外側に張り出した張出部73dとが形成されている。さらに、化粧プレート80の上下の側壁82の内側面には後端面が張出部73dの前面に当接するリブ85が突設され、このリブ85によって化粧プレート80のがたつきが防止される。また、プレート枠70に化粧プレート80を取り付けるときには、化粧プレート80の規制リブ84がプレート枠70の枠片73a,73bに形成した傾斜面73cに案内されるから、取り付けが容易である。
【0038】
化粧プレート80の上下の一方の側壁82には一対の切欠部86が設けてあり、この切欠部86に治具(マイナスドライバの先端部など)を差し込んで化粧プレート80をプレート枠70から離す向き(前向き)の力を作用させると、化粧プレート80の係止突起83とプレート枠70の化粧プレート係止孔95との係合状態が解除され、化粧プレート80をプレート枠70から取り外すことができる。プレート枠70の枠片73bにおいて切欠部86に対応する位置には傾斜面73cよりも内側へ窪んだ逃がし部96が設けてあり、切欠部86に差し込まれた治具を逃がして奥まで挿入できるようにしてあり、化粧プレート80を取り外す際に力を作用させやすくしてある。さらに、逃がし部96の後面側端
部からは張出部73dよりも薄肉のリブ97が、化粧プレート80の切欠部86から突出しない程度まで延設してある。すなわち、切欠部86に差し込んだ治具に施工面に当接する部分を支点として力を加えることで施工面に傷が付くおそれがあるが、リブ97を設けていることで切欠部86に差し込んだ治具がリブ97に当接し、化粧プレート80をプレート枠70から取り外す際に治具によって施工面に傷が付くのを防ぐことができる。
【0039】
化粧プレート80の後面側には、プレート枠70に取着したときにプレート枠70に設けた3つのスリット78a〜78cにそれぞれ嵌入される突条片88a〜88cが列設してある。ここで、各突条片88a〜88cの寸法は、プレート枠70の各スリット78a〜78cに嵌入された状態で、スリット78a〜78cの内周面と各突条片88a〜88cとの間にわずかな隙間しか生じないような寸法に設定してある。すなわち、器体1を取り付けたプレート枠70に化粧プレート80を取着した状態では、3つの突条片88a〜88cがプレート枠70の各スリット78a〜78cに嵌入され、スリット78a〜78cの内周面と各突条片88a〜88cとの間にはわずかな隙間しか生じないことから、プレート枠70の可動梁部75の動き(撓み)が規制されることになる。その結果、器具としてコンセントを使用しているときにコンセントに差し込まれたプラグを異常に大きな力で引き抜く等の衝撃が加えられた場合でも、上述のように可動梁部75の動きが規制されているために組立枠40の取付爪44と可動梁部75および固定梁部74の保持溝75a,74aとの係止が外れにくいのである。尚、本参考例では合成樹脂製の化粧プレート80を用いているが、金属製の化粧プレートを用いる場合もあり、金属製の化粧プレート(図示せず)の場合には合成樹脂製の化粧プレート80のような係止突起83を設けることができないため、ねじなどを用いてプレート枠70に固定される。
【0040】
ところで、器体1はプレート60に取り付けた状態で後端部が施工面に埋め込まれた形で施工される。また、器体1の後面には電線挿入口15が開口しており器体1の後面側に電線が引き出されるから、器体1の後面に所要の空間を確保することが要求される。とくに、施工面がコンクリート壁であるような場合には、壁内に電線を引き出すための空間を確保するためにボックスを埋め込む必要がある。この種のボックスには前面が開放された直方体状のものが考えられるが、簡易型として合成樹脂により形成した有底円筒状のものを用いることができる。すなわち、前面が円形に開口するボックスを用いる。ところで、この種のボックスを用いて開口面積をできるだけ小さくするには、器体1もボックスの形状に合わせるのが望ましい。そこで、器体1を前面側から見たときの4隅に面取り部4を形成し、器体1の角がボックスに当たらないようにしてある。具体的には上述した1個単位寸法の器体1を2個連接する場合であれば、ボックスBxの内周面が図2(a)に一点鎖線で示すような位置関係になり、面取り部4を形成していることによって、器体1の角がボックスBxに当たらないようになっている。
【0041】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図7及び図8を参照して説明する。尚、組立枠40以外の構成は参考例1と同様であるので、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、上下方向において対向するカバー20の2つの側面の後端部に、側方に突出する肩部28をそれぞれ突設すると共に、ボディ10の前端部における各肩部28に対応する部位に側方に突出する係止凸部18をそれぞれ突設している。また、肩部28の前面にはカバー10の短幅方向に沿って走る溝(被係止部)21aが形成され、係止凸部18の後面には凹所(被固定部)18aを形成している。
【0043】
一方、組立枠40は弾性を有する板金を加工して形成され、カバー20に設けた肩部28上に載置され、肩部28に形成された溝21aと係止する係止片41と、係止片41の両側部における肩部28の外側の部位に一端部がそれぞれ連結された一対の連結片46,46と、一対の連結片46,46の他端部に両端部がそれぞれ連結され、ボディ10に設けた係止凸部18の後端部と当接するかしめ片45とで四角枠状に形成されている。また、係止片41の左右両側部には山形状に折曲された取付爪44を組立枠40と一体に形成しており、取付爪44からプレート60に器体1を取り付けるための取付手段が構成され
る。
【0044】
ここで、ボディ10とカバー20とを結合する際は、先ずボディ10の各収納室13内に刃受部材30と鎖錠ばね36と解除釦(図示せず)とを収納した後、ボディ10に設けた位置決め突部10a及び仕切壁12とカバー20に形成した凹所(図示せず)の位置を合わせて、ボディ10の前面側にカバー20を載置する。この時、ボディ10の係止凸部18とカバー20の肩部28とが前後に重なり合う。そして、組立枠40の枠内に係止凸部18及び肩部28が入り込むようにして、組立枠40の係止片41を肩部28上に載置し、係止片41を肩部28の溝21aと係止させた状態で、かしめ片45の中央部をカバー20側に折曲すると、かしめ片45が係止凸部18の凹所18a内に入り込み、凹所18aの表面に形成された溝18bと係止することによって(図8(c)参照)、ボディ10とカバー20とがかしめ固定される。
【0045】
このように、器体1を構成するボディ10とカバー20とは金属製の組立枠40により結合されているので、ボディ10とカバー20とを強固に結合することができる。しかも、組立枠40のかしめ片45を折り曲げて、係止凸部18の溝18bと係止させることにより、ボディ10とカバー20とを結合しているから、ボディ10及びカバー20の寸法精度にばらつきがあったとしてもかしめ片45の変形量によって対応することができる。したがって、ボディ10及びカバー20の寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ10及びカバー20の製造コストを低減できる。さらに、組立枠40の係止片41はカバー20の上下両端面にそれぞれ当接した状態で取り付けられているので、係止片41をカバー20の前面と平行な面に当接させた状態でカバー20に取り付ける場合に比べて、カバー20の前面における係止片41の載置スペースが小さくなり、プレート60の開口窓71から前方に突出する器体1前面の寸法を大きくとることができる。
【0046】
(参考例2)
本発明の他の参考例を図9及び図10を参照して説明する。尚、組立枠40以外の構成は実施形態1又は参考例1と同様であるので、実施形態1又は参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本参考例では、上下方向において対向するカバー20の2つの側面の後端部に、側方に突出する第1突出部21をそれぞれ突設すると共に、ボディ10の前端部における各第1突出部21に対応する部位に側方に突出する第2突出部19をそれぞれ突設している。また、第1突出部21の前面にはカバー10の短幅方向に沿って走る溝(被係止部)21aが形成され、第2突出部19の後面における左右両側部にはU字状に窪んだ一対の凹所(被固定部)19a,19aを形成している。
【0048】
一方、組立枠40は弾性を有する板金を加工して形成され、カバー20に設けた第1突出部21上に載置され、第1突出部21に設けた溝21aと係止する係止片41と、係止片41の両側部における第1突出部21の外側の部位に一端部がそれぞれ連結された一対の側片(連結片)47,47と、各側片47の他端部から内側に向かってそれぞれ突出する爪片(かしめ片)47aとが連続一体に形成されて構成される。また、係止片41の左右両側部には山形状に折曲された取付爪44を組立枠40と一体に形成しており、取付爪44からプレート60に器体1を取り付けるための取付手段が構成される。
【0049】
ここで、ボディ10とカバー20とを結合する際は、先ずボディ10の各収納室13内に刃受部材30と鎖錠ばね36と解除釦(図示せず)とを収納した後、ボディ10に設けた位置決め突部10a及び仕切壁12とカバー20に形成した凹所(図示せず)の位置を合わせて、ボディ10の前面側にカバー20を載置する。この時、ボディ10の第2突出部19とカバー20の第1突出部21とが前後に重なり合う。そして、第2突出部19及び第1突出部21の周りを組立枠40の係止片41と一対の側片47と爪片47aとで取り囲むようにして、組立枠40の係止片41を第1突出部21上に載置し、係止片41を第1突出部21の溝21aと係止させた状態で、各側片47の爪片47aをカバー20側に折曲すると、各爪片47aが第2突出部19の凹所19a内にそれぞれ入り込み、凹所19aの表面に形成された溝19bと係止することによって(図10(c)参照)、ボディ10とカバー20とがかしめ固定される。
【0050】
このように、器体1を構成するボディ10とカバー20とは金属製の組立枠40により結合されているので、ボディ10とカバー20とを強固に結合することができる。しかも、組立枠40の爪片47aを折り曲げて、第2突出部19の溝19bと係止させることにより、ボディ10とカバー20とを結合しているから、ボディ10及びカバー20の寸法精度にばらつきがあったとしても爪片47aの変形量によって対応することができる。したがって、ボディ10及びカバー20の寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ10及びカバー20の製造コストを低減できる。さらに、組立枠40の係止片41はカバー20の上下両端面にそれぞれ当接した状態で取り付けられているので、係止片41をカバー20の前面と平行な面に当接させた状態でカバー20に取り付ける場合に比べて、カバー20の前面における係止片41の載置スペースが小さくなり、プレート60の開口窓71から前方に突出する器体1前面の寸法を大きくとることができる。
【0051】
(参考例3)
本発明のまた別の参考例を図11及び図12を参照して説明する。尚、組立枠40以外の構成は上述の参考例1と同様であるので、参考例1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
本参考例では、カバー20の上下面(すなわち上下方向において対向する2つの側面)の後端部に、側方に突出する第1突出部21をそれぞれ突設すると共に、左右の側面(カバー20の他の2つの側面)の後端部に、上下面における第1突出部21とカバー20前面との間の部位に一端部がそれぞれ開放されると共に、カバー20の後面に他端部がそれぞれ開放された被係止部としての溝(第1の溝)27を一対づつ形成している。また、ボディ10の左右両側面の前端部に、それぞれ、溝27と連続する被固定部としての溝(第2の溝)10bを一対づつ形成している。
【0053】
一方、組立枠40は弾性を有する板金を加工して形成され、カバー20に設けた第1突出部21上に載置される係止片41と、係止片41の両側縁に一方の側片が連結され、他方の側片がボディ10側に向かって突出する略L字状の組立脚48とが連続一体に形成されて構成される。そして、各組立脚48の先端には二股の爪(かしめ片)48aが形成されている。また、係止片41の左右両側部には山形状に折曲された取付爪44を組立枠40と一体に形成しており、取付爪44からプレート60に器体1を取り付けるための取付手段が構成される。
【0054】
ここで、ボディ10とカバー20とを結合する際は、先ずボディ10の各収納室13内に刃受部材30と鎖錠ばね36と解除釦(図示せず)とを収納した後、ボディ10に設けた位置決め突部10a及び仕切壁12とカバー20に形成した凹所(図示せず)の位置を合わせて、ボディ10の前面側にカバー20を載置する。そして、組立枠40の係止片41をカバー20の第1突出部21上に載置するとともに、組立脚48をカバー20及びボディ10の左右両側面に夫々設けた溝27,10b内に位置決めして、組立脚48の先端に形成された二股の爪48aを左右に拡径することでボディ10とカバー20とが結合されて器体1が組み立てられる(図12(b)参照)。
【0055】
このように、器体1を構成するボディ10とカバー20とは金属製の組立枠40により結合されているので、ボディ10とカバー20とを強固に結合することができる。しかも、組立枠40の爪48aを拡径して、溝10bの端部と係止させることにより、ボディ10とカバー20とを結合しているから、ボディ10及びカバー20の寸法精度にばらつきがあったとしても爪48aの変形量によって対応することができる。したがって、ボディ10及びカバー20の寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ10及びカバー20の製造コストを低減できる。さらに、組立枠40の係止片41はカバー20の上下両端面にそれぞれ当接した状態で取り付けられているので、係止片41をカバー20の前面と平行な面に当接させた状態でカバー20に取り付ける場合に比べて、カバー20の前面における係止片41の載置スペースが小さくなり、プレート60の開口窓71から前方に突出する器体1前面の寸法を大きくとることができる。
【0056】
なお、上述の実施形態1および参考例1〜3では本発明をコンセントに適用した形態について説明を行ったが、本発明に係る配線器具をコンセントに限定する趣旨のものではな
く、器体1の内部に接点と、接点を開閉させる開閉機構部とを含む導電部材を収納し、カバー20の前面に接点の切換操作を行うための操作部を設けたスイッチに本発明を適用しても良く、同様の効果を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、施工面に固定されるプレートに形成された開口窓内に前端部が挿入された形でプレートに保持され後端部が施工面に埋め込まれた形で設置される器体と、電路の一部を構成し器体の内部に収納される導電部材とを備え、前記器体を、前面が開口した略箱状の後端側のボディと、後面が開口した略箱状であってボディの開口を塞ぐようしてボディに被着される前端側のカバーと、ボディ及びカバーの両端部をそれぞれ結合する一対の金属製の組立枠とで構成し、カバーの対向する2つの側面の後端部に、側方に突出する肩部をそれぞれ突設すると共に、ボディの前端部における前記肩部に対応する部位に側方に突出する係止凸部を前記肩部と前後方向に並べて突設し、前記組立枠を、前記肩部上に載置される係止片と、係止凸部の後側に配置されるかしめ片と、前記係止片および前記かしめ片の両端部間をそれぞれ連結する一対の連結片とで四角枠状に構成して、前記肩部および前記係止凸部の側面視の形状を、前後方向に並んだ状態で前記組立枠の枠内と略同じ形状に形成し、前記肩部には、前記係止凸部と反対側の面における前記係止片の載置部位に前記係止片が係止する溝を形成すると共に、前記係止凸部における前記肩部と反対側の面において前記かしめ片の中央部と対向する部位を前方に窪ませて凹所を形成してあり、前記組立枠の枠内に前記肩部と前記係止凸部とを挿入し、前記係止片を前記肩部の溝に係止させた状態で、前記かしめ片の中央部を前側に折曲して前記凹所と係止させることによって、前記ボディと前記カバーとが互いに結合されることを特徴とし、ボディとカバーとは金属製の組立枠により結合されているので、ボディとカバーとを強固に結合できるという効果がある。しかも、組立枠のかしめ片を折り曲げて、ボディの凹所とかしめ固定することにより、ボディとカバーとを結合しているから、ボディ及びカバーの寸法精度にばらつきがあったとしてもかしめ片の変形量によって対応できるという効果がある。したがって、ボディ及びカバーの寸法精度に高い精度が要求されることはなく、ボディ及びカバーの製造コストを低減できるという効果がある。さらに、組立枠の係止片はカバーの側面に当接した状態で取り付けられているので、係止片をカバーの前面と平行な面に載置する場合に比べて、係止片を載置するスペースを確保する必要がないから、プレートの開口窓から前方に突出する器体前面の寸法を大きくとることができるという効果がある。そのうえ、ボディの前面側にカバーを載置した状態で、肩部及び係止凸部の周りを係止片と一対の連結片とかしめ片とで取り囲むようにして組立枠の係止片を肩部上に載置し、係止片を肩部の溝と係止させた後、かしめ片の中央部をカバー側に曲がることによって、かしめ片と係止凸部に設けた凹所とを係止させることができるので、かしめ片を曲げるだけでボディとカバーとを容易に結合できるという効果もある。
【0058】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、開口窓から前方に露出するカバーの部位に、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を設け、導電部材が、栓刃挿入口に挿入されたプラグの栓刃を受ける刃受部材と、刃受部材に電気的に接続されると共に外部からの電線が電気的に接続される端子部とを含むことを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を有するコンセントを実現できるという効果がある。
【0059】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、導電部材が、接点と、該接点を開閉させる開閉機構部とを含み、開口窓から前方に露出するカバーの部位に接点の切換操作を行うための操作部を設けたことを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を有するスイッチを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の配線器具の分解斜視図である。
【図2】 同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側から見た側面図、(c)は下側から見た側面図である。
【図3】 同上を取り付けるプレートを前方から見た分解斜視図である。
【図4】 同上を取り付けるプレートを後方から見た分解斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は同上のプレートへの取付手順を示す説明図である。
【図6】 同上をプレートに取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)は左側から見た側断面図である。
【図7】 実施形態1の配線器具の分解斜視図である。
【図8】 同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側から見た側面図、(c)は下側から見た側面図である。
【図9】 参考例2の配線器具の分解斜視図である。
【図10】 同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側から見た側面図、(c)は下側から見た側面図である。
【図11】 参考例3の配線器具の分解斜視図である。
【図12】 同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側から見た側面図、(c)は下側から見た側面図である。
【図13】 従来の配線器具の分解斜視図である。
【図14】 同上の正面図である。
【図15】 同上の右側から見た側面図である。
【図16】 同上の下側から見た側面図である。
【図17】 同上の右側から見た側断面図である。
【図18】 同上のカバーを外した状態を正面から見た図である。
【符号の説明】
10 ボディ
17 第2突出部
17a 凹所
20 カバー
26 第1突出部
26a 溝
40 組立枠
41 係止片
42 爪片
43 連結片

Claims (3)

  1. 施工面に固定されるプレートに形成された開口窓内に前端部が挿入された形でプレートに保持され後端部が施工面に埋め込まれた形で設置される器体と、電路の一部を構成し器体の内部に収納される導電部材とを備え、前記器体を、前面が開口した略箱状の後端側のボディと、後面が開口した略箱状であってボディの開口を塞ぐようしてボディに被着される前端側のカバーと、ボディ及びカバーの両端部をそれぞれ結合する一対の金属製の組立枠とで構成し、カバーの対向する2つの側面の後端部に、側方に突出する肩部をそれぞれ突設すると共に、ボディの前端部における前記肩部に対応する部位に側方に突出する係止凸部を前記肩部と前後方向に並べて突設し、前記組立枠を、前記肩部上に載置される係止片と、係止凸部の後側に配置されるかしめ片と、前記係止片および前記かしめ片の両端部間をそれぞれ連結する一対の連結片とで四角枠状に構成して、前記肩部および前記係止凸部の側面視の形状を、前後方向に並んだ状態で前記組立枠の枠内と略同じ形状に形成し、前記肩部には、前記係止凸部と反対側の面における前記係止片の載置部位に前記係止片が係止する溝を形成すると共に、前記係止凸部における前記肩部と反対側の面において前記かしめ片の中央部と対向する部位を前方に窪ませて凹所を形成してあり、前記組立枠の枠内に前記肩部と前記係止凸部とを挿入し、前記係止片を前記肩部の溝に係止させた状態で、前記かしめ片の中央部を前側に折曲して前記凹所と係止させることによって、前記ボディと前記カバーとが互いに結合されることを特徴とする配線器具。
  2. 開口窓から前方に露出するカバーの部位に、プラグの栓刃が挿入される栓刃挿入口を設け、前記導電部材が、栓刃挿入口に挿入されたプラグの栓刃を受ける刃受部材と、刃受部材に電気的に接続されると共に外部からの電線が電気的に接続される端子部とを含むことを特徴とする請求項1記載の配線器具。
  3. 前記導電部材が、接点と、該接点を開閉させる開閉機構部とを含み、開口窓から前方に露出するカバーの部位に前記接点の切換操作を行うための操作部を設けたことを特徴とする請求項1記載の配線器具。
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