JP3607071B2 - エチレン性不飽和ニトリル共重合体をバインダー樹脂としてなるバインダーキャリア - Google Patents
エチレン性不飽和ニトリル共重合体をバインダー樹脂としてなるバインダーキャリア Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機やプリンター等の画像形成装置の二成分現像剤に用いられるキャリア、詳しくは、バインダー樹脂中に磁性粉を分散してなるバインダーキャリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機あるいはプリンター等においては、感光体等の像担持体上に形成された静電潜像を現像するに際して、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像方法が実用化されている。
【0003】
二成分現像剤用のキャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、これらの磁性粒子を樹脂で被覆した樹脂被覆キャリア、磁性微粒子をバインダー樹脂中に分散したバインダーキャリア等種々のキャリアが知られている。しかし、樹脂コートキャリアは、現像ローラ上に磁気ブラシとして搬送される際に、その穂が硬いことから、滑らかな画像が得られないという問題、また掻き取りによるトナー像の乱れや感光体への傷などが問題となる。また、樹脂コートキャリアは使用するにつれコート層の剥離が生じるため現像剤寿命が短いという問題も有している。
【0004】
バインダーキャリアは、上述の問題点を解消できるだけでなく、小粒径化が容易で体積固有電気抵抗が高く現像剤担持体からの電荷の注入の生じにくいキャリアであるとして着目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のバインダーキャリアでは、使用するにつれトナー自身、トナーの帯電制御剤や後処理剤がキャリア表面に付着し、これによってキャリアの帯電性能が劣化してトナーを十分に帯電させることができず、トナー飛散が生じたり、シート上に形成された画像にカブリなどの画像ノイズが発生するという問題があった。この問題はトナー使用量の多いフルカラー現像においてより顕著になる。
【0006】
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたもので、その目的は帯電制御剤や後処理剤などのトナー成分によるキャリア劣化を防止し、帯電性能の劣化の少ない長期にわたり安定した荷電性を発揮できる長寿命なバインダーキャリアを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも磁性粉とバインダー樹脂からなるバインダーキャリアであって、バインダー樹脂が少なくともエチレン性不飽和ニトリルとゴム成分を含む共重合体であり、エチレン性不飽和ニトリル含有率が該共重合体の50〜80wt%であり、且つバインダー樹脂の150℃/2.16kg/10分の条件下におけるメルトインデックス(MI)値が1.0〜50の範囲にあることを特徴とするバインダーキャリアに関する。
【0008】
バインダー樹脂にエチレン性不飽和ニトリル成分を含ませることによりトナー成分のキャリアへの付着を低減でき、長期にわたって安定した荷電性を維持することが可能となる。
【0009】
本発明のバインダー樹脂としての共重合体の構成成分であるエチレン性不飽和ニトリルは、下記一般式(1)で表される;
【化1】
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基が例示できる。具体的にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルが好ましく、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0010】
上記エチレン性不飽和ニトリルは全共重合体成分の40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。その量が多すぎると共重合体を合成する際に重合が不安定となり、また得られる樹脂も硬くなり、混練・粉砕タイプのバインダーキャリアを製造することが困難となる。少なすぎると重合が不安定になり樹脂そのものを製造できない。
【0011】
上記エチレン性不飽和ニトリルと共重合されるラジカル重合性有機モノマーは、下記一般式(2):
【化2】
で表されるアクリル系有機モノマーである。
【0012】
R4は水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基としてはC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基が例示できる。これらの中でも、水素原子、メチル基、特に水素原子が好ましい。
【0013】
R5は一価炭化水素基を表す。一価炭化水素基としては、C1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基が例示できる。これらの中でもメチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0014】
上記アクリル系有機モノマーは全共重合体成分の60〜10重量%、好ましくは50〜20重量%である。その量が多すぎると相対的にエチレン性不飽和ニトリル量が減少し前記効果が得られない。一方、その量が少なすぎると重合が不安定になり樹脂そのものが製造できない。
【0015】
本発明においてはバインダー樹脂を構成する共重合体にさらにゴム成分を含ませてもよい。ゴム成分を含ませることにより、キャリアの劣化防止に有効であり、さらに耐久性を向上させることができる。
【0016】
ゴム成分としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、またはブタジエン−アクリロニトリルゴム等の共役ジエン−アクリロニトリルゴム、ブタジエン−スチレンゴム等の共役ジエン−スチレンゴム等を含ませればよい。特にブタジエンが好ましい。
【0017】
ゴム成分を含有させる場合、その量は0〜50重量%である。50重量%より多く含有させても得られる樹脂は硬くなり、バインダーキャリアの製造が困難となる。
【0018】
本発明に使用するエチレン性不飽和ニトリル共重合体は上記した一般式(1)のエチレン性不飽和ニトリルと一般式(2)のラジカル重合性有機モノマー、所望によりゴム成分を、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のラジカル重合開始剤の存在下に共重合させることにより得ることができる。
【0019】
その際、最終的に得られる共重合体が、メルトインデックス(MI)値が、150℃/2.16kg/10分の条件下において測定した値が1.0〜50、好ましくは1〜40、より好ましくは1.5〜38の範囲になるように製造する。その値が小さすぎるとキャリア製造の際、溶融混練を行うことができない。またその値が大き過ぎると、キャリア製造における粉砕工程の際に融着が発生しやすくなる。また、分子量で表せば数平均分子量(スチレン換算)として約30000〜約150000を有するものに相当する。
【0020】
エチレン性不飽和ニトリル共重合体と共に他のバインダー樹脂を使用しても良い。かかる樹脂としては、公知のものを使用することができ、例えばポリエステル系樹脂、スチレン・アクリル共重合体系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が使用できる。その添加量としては本発明の効果を損なわない範囲、具体的には60重量%、好ましくはバインダー樹脂の50wt%まで、より好ましくは30wt%までである。
【0021】
本発明のキャリアは、所定のバインダ樹脂と磁性粉を所定の混合比(バインダー樹脂100重量部に対して100〜900重量部、好ましくは300〜700重量部)で加熱混合し、冷却後粉砕・分級する方法、あるいはバインダ樹脂を溶剤に溶解し、この樹脂溶液に磁性粉を分散させた後、スプレードライする方法等により、体積平均粒径20〜100μm、好ましくは30〜80μmに製造することができる。
【0022】
また、上記キャリアとしては、飽和磁化が30〜80emu/g、好ましくは35〜65emu/g、より好ましくは40〜60emu/gのものが望ましい。これはキャリアの飽和磁化が低くなると現像剤搬送部材上におけるキャリアの磁気的拘束力が小さくなって像担持体へのキャリア付着が生じやすくなるためである。またキャリアの飽和磁化が高くなると現像剤搬送部材上でキャリアが部分的に凝集して均一な現像剤の薄層を形成することができず、形成される画像に濃度ムラが生じたり、ハーフトーン画像や高精細画像の再現性が低下するためである。
【0023】
上記キャリアに用いる磁性微粒子としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属やフェライト、マグネタイト等が使用可能であるが、特にフェライト、マグネタイトが好ましい。これらの磁性微粒子の粒径は、バインダー中での均一分散の観点から平均一次粒径が5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.1〜1μmであることが望ましい。
【0024】
また、上記キャリアにおいては、カーボンブラック、シリカ、チタニア、アルミナ等の分散剤を含有しても良い。分散剤を含有することによりバインダ樹脂中の磁性粉の均一分散性を向上させることができる。分散剤の含有量は樹脂に対して0.01〜5重量%とすることが好ましい。
【0025】
本現像剤中のキャリアに対するトナーの含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜10重量%にすることが望ましい。
【0026】
トナーの含有量が3重量%より少ないと十分な画像濃度が得られなくなったり、トナーが過剰に帯電されたりするためであり、20重量%より多くなるとトナーが十分に荷電されず画像にカブリが生じやすくなるためである。
【0027】
【実施例】
キャリア製造に際して使用したバインダー樹脂を下記に挙げる。
樹脂A:熱可塑性ポリエステル樹脂(Tm:120℃、Tg:65℃、花王社製)
樹脂B:熱可塑性ポリエステル樹脂(Tm:104℃、Tg:63℃、花王社製)
樹脂C:熱可塑性スチレン−アクリル樹脂(Tm:117℃、Tg:67℃、三菱化学社製)
樹脂D:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル60%、(アクリル酸メチル40%、ブタジエン0%;MI値:22.1)
樹脂E:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル60%、(アクリル酸メチル30%、ブタジエン10%;MI値:5)
樹脂F:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル60%、(アクリル酸メチル20%、ブタジエン20%;MI値:3.3)
樹脂G:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル60%、(アクリル酸メチル10%、ブタジエン30%;MI値:2.2)
樹脂H:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル55%、(アクリル酸メチル5%、ブタジエン40%;MI値:1.8)
樹脂I:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル50%、(アクリル酸メチル2%、ブタジエン48%;MI値:1.5)
樹脂J:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル50%、(アクリル酸メチル40%、ブタジエン10%;MI値:10)
樹脂K:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル70%、(アクリル酸メチル20%、ブタジエン10%;MI値:0)
樹脂L:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル80%、(アクリル酸メチル10%、ブタジエン10%;MI値:0)
樹脂M:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル60%、(アクリル酸メチル35%、ブタジエン5%;MI値:7.6)
樹脂N:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル70%、(アクリル酸メチル25%、ブタジエン5%;MI値:2)
樹脂O:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル80%、(アクリル酸メチル15%、ブタジエン5%;MI値:1.6)
樹脂P:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル65%、(アクリル酸メチル25%、ブタジエン10%;MI値:1.3)
樹脂Q:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル50%、(アクリル酸メチル50%、ブタジエン0%;MI値:37.8)
樹脂R:熱可塑性アクリロニトリル−アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(アクリロニトリル56%、(アクリル酸メチル40%、ブタジエン4%;MI値:9.2)(但し、樹脂Rは樹脂Aと樹脂Nの20/80(樹脂A/樹脂N)の混合系)
【0028】
(キャリアAの製造例)
樹脂A 100重量部
フェライト磁性粉(TDK社製:MFP−2) 500重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
【0029】
上記材料ををヘンシェルミキサ−で充分混合した後、ベント二軸押し出し混練機(PCM−65:池貝鉄工社製)により200℃で溶融混練した。この混練物をフェザ−ミルで粗粉砕、続いて機械式粉砕機(ACM−10型:ホソカワミクロン社製)で微粉砕し、これを風力分級機(MS−1型:ホソカワミクロン社製)で分級した。分級物をサフュージングシステム(SFS−2型:日本ニューマチック工業社製)により350℃で加熱処理を行い、体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアAとする。
【0030】
(キャリアBの製造例)
樹脂B 100重量部
マグネタイト磁性粉(戸田工業社製:EPT−1000) 500重量部
カーボンブラック(#970:三菱化学社製) 2重量部
シリカ(H3004F:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアBとする。
【0031】
(キャリアCの製造例)
樹脂C 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(REGAL330:キャボット社製) 2重量部
シリカ(H2000:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアCとする。
【0032】
(キャリアDの製造例)
樹脂D 100重量部
フェライト磁性粉(TDK社製:MFP−2) 500重量部
カーボンブラック(#970:三菱化学社製) 2重量部
シリカ(H3004F:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアDとする。
【0033】
(キャリアEの製造)
樹脂E 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(HF3004F:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアEとする。
【0034】
(キャリアFの製造)
樹脂F 100重量部
マグネタイト磁性粉(戸田工業社製:EPT−1000) 500重量部
カーボンブラック(REGAL330:キャボット社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアEとする。
【0035】
(キャリアGの製造)
樹脂G 100重量部
フェライト磁性粉(MFP−2:TDK社製) 400重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(R976:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアGとする。
【0036】
(キャリアHの製造)
樹脂H 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(EC−DJ600:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアHとする。
【0037】
(キャリアIの製造)
樹脂I 100重量部
フェライト磁性粉(MFP−2:TDK社製) 500重量部
カーボンブラック(EC−DJ500:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(R976:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアIとする。
【0038】
(キャリアJの製造)
樹脂J 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(#970:三菱化学社製) 2重量部
シリカ(H3004F:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアJとする。
【0039】
(キャリアKの製造)
樹脂K 100重量部
マグネタイト磁性粉(戸田工業社製:EPT−1000) 500重量部
カーボンブラック(REGAL330:キャボット社製) 2重量部
シリカ(H2000:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にしてキャリアを製造しようとしたが、使用可能なキャリアは得られなかった。
【0040】
(キャリアLの製造)
樹脂L 100重量部
フェライト磁性粉(MFP−2:TDK社製) 500重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にしてキャリアを製造しようとしたが、使用可能なキャリアは得られなかった。
【0041】
(キャリアMの製造)
樹脂M 100重量部
フェライト磁性粉(MFP−2:TDK社製) 500重量部
カーボンブラック(#970:三菱化学社製) 2重量部
シリカ(H2000:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアMとする。
【0042】
(キャリアNの製造)
樹脂N 100重量部
フェライト磁性粉(MFP−2:TDK社製) 500重量部
カーボンブラック(#970:三菱化学社製) 2重量部
シリカ(H3004F:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアNとする。
【0043】
(キャリアOの製造)
樹脂O 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(REGAL330:キャボット社製) 2重量部
シリカ(#200:ライオン油脂社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアOとする。
【0044】
(キャリアPの製造)
樹脂P 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にしてキャリアを製造しようとしたが、使用可能なキャリアは得られなかった。
【0045】
(キャリアQの製造)
樹脂Q 100重量部
マグネタイト磁性粉(EPT−1000:戸田工業社製) 500重量部
カーボンブラック(REGAL330:キャボット社製) 2重量部
シリカ(H2000:ワッカー社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアQとする。
【0046】
(キャリアRの製造)
樹脂R 100重量部
マグネタイト磁性粉(RB−BL:チタン工業社製) 500重量部
カーボンブラック(EC:ライオン油脂社製) 2重量部
シリカ(#200:日本アエロジル社製) 1.5重量部
上記材料を用いて、キャリアAの製法と同様にして体積平均粒径が60μmのキャリアを得た。得られたキャリアをキャリアRとする。
【0047】
上記成分を十分混合した後、ベント2軸混練装置により140℃で溶融混練し、この混練物を冷却させた。冷却後、混練物をフェザーミルで粗粉砕し、更に、ジェット粉砕機で微粉砕しその後、風力分級して体積平均粒径が9μmの黒色微粉末を得た。この黒色微粉末100重量部に対して、疎水性シリ力(H−2000:ヘキストジャバン社製)を0.3重量部添加し、これをへンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により、1000rpmで1分間処理して負帯電性トナーを得た。ここで得られたトナーをトナーaとする。
【0048】
トナーbの製造
ポリエステル樹脂(軟化点100℃、ガラス転移点58℃)とマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184)とを樹脂:顔料が7:3の重量比になるように加圧ニーダーに仕込み混練した。得られた混練物を冷却後フェザーミルにより粉砕し顔料マスターバッチを得た。
上記ポリエステル樹脂93重量部と、上記マスターバッチ10重量部と、サリチル酸亜鉛錯体(E−84:オリエント化学エ業社製)2重量部をトナーaの製造と同様の方法で、体積平均粒径8.5μmの微粉末を得た。この黒色微粉末100重量部に対し疎水性シリ力(H−2000:ヘキストジャパン社製)0.5重量部、酸化チタン微粒子(STT−30A;チタンエ業社製)0.6重量部を添加し、ヘンシエルミキサーにより1000rpmで1分間処理してマゼンタトナーをた。ここで得られたけ一をトナーbとする。
【0049】
実施例1〜実施例10および比較例1〜5
上記で得られたキャリアA〜Qおよびトナーaを用いて、下記表1に示したように組み合わせて、トナー(T)およびキャリア(C)比(T/C)比6重量%で実施例および比較例に用いる現像剤を作製した。
【0050】
【表1】
【0051】
評価1
実施例1〜10および比較例1〜5で得られた現像剤をロールミルを用いて1時間混合した。この現像剤をミノルタ社製複写機Di−30に装填し、N/N環境(25℃、50%)下でB/W比が15%の画像を15万枚耐刷し、初期、2万枚(20k)、5万枚(50K)、10万枚(100K)、13万枚(130K)、15万枚(150K)段階での白紙画像上のカブリを目視評価した。またH/L環境(30℃、80%)およびL/L環境(10℃、10%)下でB/W比が15%の画像を15万枚耐刷し、初期、5万枚(50K)、10万枚(100K)、15万枚(15K)段階でのカブリを同様に評価した。評価は以下のようにランク付けした。
【0052】
◎:ランク5 カブリが皆無
◯:ランク3〜4 目視ではわからないが顕微鏡等で確認できる
△:ランク2 目視で若干確認
×:ランク1 全面的にカブリが多い
結果を下記表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
実施例11〜20および比較例6〜10
上記で得られたキャリアA〜Qおよびトナーb用いて、下記表3に示したように組み合わせて、トナー(T)およびキャリア(C)比(T/C)比6重量%で実施例および比較例に用いる現像剤を作製した。
【0055】
【表3】
【0056】
評価2
実施例11〜20および比較例6〜10で得られた現像剤をロールミルを用いて1時間混合した。この現像剤をミノルタ社製複写機CF−70に装填し、N/N環境(25℃、50%)下でB/W比が15%の画像を10万枚耐刷し、初期、1万枚(10K)、2万枚(20k)、3万枚(30K)、5万枚(50K)、7万枚(70K)、10万枚(100K)段階での白紙画像上のカブリを目視評価した。またH/L環境(30℃、80%)およびL/L環境(10℃、10%)下ではB/W比が15%の画像を10万枚耐刷し、初期、5万枚(50K)、10万枚(100K)段階でのカブリを同様に評価した。評価は以下のようにランク付けした。
【0057】
カブリ
◎:ランク5 カブリが皆無
◯:ランク3〜4 目視ではわからないが顕微鏡等で確認できる
△:ランク2 目視で若干確認
×:ランク1 全面的にカブリが多い
【0058】
カブリの評価と同時にN/N環境(25℃、50%)ではトナー飛散に付いても評価を行った。トナー飛散は複写機のトナー受け部のトナーの量を測定し以下のようにランク付けした。
トナー飛散
◎:トナーの量が5mg/k以下
◯:トナーの量が5mg/kより多く10mg/k以下
△:トナーの量が10mg/kより多く20mg/k以下
×:トナーの量が20mg/kより多い(但し、Kは1000を表す)
以上の結果を下記表4および5に示した。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】
本発明は長期使用しても荷電安定性に優れ、カブリ、トナー飛散等の問題とならないキャリアを提供した。
Claims (3)
- 少なくとも磁性粉とバインダー樹脂からなるバインダーキャリアであって、バインダー樹脂が少なくともエチレン性不飽和ニトリルとゴム成分を含む共重合体であり、エチレン性不飽和ニトリル含有率が該共重合体の50〜80wt%であり、且つバインダー樹脂の150℃/2.16kg/10分の条件下におけるメルトインデックス(MI)値が1.0〜50の範囲にあることを特徴とするバインダーキャリア。
- ゴム成分の含有率が該共重合体の50wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載のバインダーキャリア。
- 負帯電性トナーとクレーム1または2のキャリアからなることを特徴とする現像剤。
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