JP3060126B2 - 二成分系現像剤用キャリア - Google Patents

二成分系現像剤用キャリア

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法などにおいて用いられるトナーと共に静
電荷像現像剤を構成するキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報
(米国特許第3,666,363号明細書)及び特公昭
43−24748号公報(米国特許第4,071,36
1号明細書)等に記載されている如く、多数の方法が知
られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の
手段により感光体上に静電的潜像を形成し、次いでこの
静電潜像上にこれとは反対の極性を有するトナーと呼ば
れる着色微粉末を付着させて静電潜像を現像し、可視像
とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写し
た後、熱、圧力或いは溶剤蒸気等により定着し、複写物
を得るものである。
【0003】この静電潜像を現像する工程は、潜像とは
反対の極性に帯電させたトナー粒子を静電引力により吸
引し、静電潜像上に付着させるものであるが、一般にこ
の静電潜像をトナーを用いて現像する方法としては、大
別して、トナーをキャリアと呼ばれる媒体(固体担体)
に少量分散させたいわゆる二成分系現像剤を用いる方法
と、キャリアを用いることなくトナー単独使用のいわゆ
る一成分系現像剤を用いる方法とがある。
【0004】二成分現像剤はトナーとキャリアの混合物
で両者の接触による帯電のため、トナーはキャリア表面
に付着している。このような二成分現像剤が静電潜像に
搬送されると、トナーは静電潜像部分に静電的に吸引さ
れるため、キャリア表面から離れる。しかし、トナーと
キャリアが過剰に帯電し、トナーとキャリア間の吸引力
が強くなりすぎると、トナーがキャリアから離れにくく
なるため、トナーがキャリアに吸引されたまま潜像に付
着したり、複写物の画像濃度の低下等の現象が発生す
る。この様な不都合に対し、現像剤と潜像との間にバイ
アス電界を印加し、この電界の助けを借りてトナーのみ
を潜像に搬送し易くする手法がとられている。このバイ
アス電界印加によるコントロールを行うには、現像剤が
ある程度の導電性を有していなければならない。しか
し、帯電性と導電性は相反する性質であり、必要以上に
導電性を具備させると十分な帯電性は得られず、結果的
に帯電不十分となり、トナー飛翔等の不都合を招くこと
になる。
【0005】この様な背景から、一般にかかる二成分系
現像剤を構成するキャリアとして、大別して導電性キャ
リアと、樹脂等でコーティングを施した絶縁性キャリア
が利用されている。
【0006】導電性キャリアとしては通常酸化又は未酸
化の鉄粉が用いられているが、この鉄粉キャリアを成分
とする現像剤においては、トナーに対する摩擦帯電性が
不安定であり、また現像剤により形成される可視像にカ
ブリが発生する欠点がある。これは現像剤の撹はん時に
キャリア粒子とトナー粒子間及びこれらの粒子と現像機
械との接触、衝突等により発熱を生じ、トナー粒子の一
部がキャリア粒子の表面に物理的に付着して膜を形成す
る、即ちスペント化が影響している。このスペント化に
より、キャリア粒子の電気抵抗が増加してバイアス電流
が低下する、またキャリア粒子表面上のトナー膜の形成
が著しく蓄積されてくること、キャリア粒子とトナー粒
子との間の摩擦帯電がトナー同士の摩擦帯電に置換され
てしまうこと等により、現像剤全体の摩擦帯電特性が劣
化する。これらの要因により、結果的に形成される可視
像の画像濃度が低下し、カブリが増大し、コピー品質が
低下する。従って鉄粉キャリアを含有する現像剤を用い
て静電現像を連続的に行うと、現像剤が少数回の複写で
劣化し、早期に交換することが必要となり結果的にコス
ト増につながる。
【0007】そこで以上の問題を補うために、キャリア
表面を樹脂でコーティングした絶縁性のコーティングキ
ャリアが検討されている。一般にコーティングキャリア
としては、鉄、マグネタイト、ニッケル、フェライト、
ガラスビーズ等よりなる核体粒子(芯材)の表面を、樹
脂のコート層により被覆したものが代表的である。この
コーティングキャリアを成分とする現像剤は、耐久性に
優れ使用寿命が長いという利点を有する。ところがこの
コーティングキャリアは、そのみかけ抵抗が例えば1×
1014Ωcm程度の高抵抗となるため、トナーに対し高
い摩擦帯電量を与え、現像に際して画像部にキャリア付
着を生じ易い。また周辺効果を生じ易く、広い黒領域や
中間調領域の再現性が悪い等の欠点を有し、実用上問題
となっている。
【0008】そこで現在までに、樹脂から成るコート層
にカーボンブラック等の導電性を有する物質を混在させ
ることが提案されている。例えば、特開昭56−126
843号公報には、カーボンブラックと樹脂とを主成分
とする材料で被覆したキャリアが開示され、特開昭62
−182759号公報には、カップリング処理を施した
カーボンブラックを含有したシリコン樹脂で被覆したキ
ャリアが開示されている。しかしながら、一般的にカー
ボンブラックを樹脂中に含有させる場合、どうしても分
散状態の不均一性が発生し、高温高湿環境下での帯電量
の著しい低下等の現象が生じ、結果的に帯電特性の劣化
を招くというのが現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の様な現状の問題
点に鑑み、本発明の目的とするところは次の通りであ
る。 所望の電気導電性を有すると共に、如何なる環境下
においてもトナー粒子に対する好適な摩擦帯電性を有
し、再現性に優れた現像剤の為のキャリアを提供するこ
と、 多数枚の複写を行ってもキャリア自身の表面状態に
変化が起きにくく、現像剤としての寿命が長くなるよう
なキャリアを提供すること、 であり、、を実現するために、 樹脂のコート層を有するキャリアにおいて、表面に
炭素を被膜形成せしめた炭素析出マグネタイトを分散さ
せた樹脂により、被覆されていることを特徴とするキャ
リアを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、マグ
ネタイトの表面に炭素を析出被覆形成せしめてなる炭素
析出マグネタイトを分散させた樹脂により、キャリア芯
材表面が被覆されていることを特徴とし、これにより、
次の利点を得る。
【0011】導電性微粒子である炭素析出マグネタイト
は、キャリアコート樹脂中での分散性が良好であるた
め、トナーの帯電特性が均一化され、再現性に優れた現
像剤を得る。
【0012】導電性微粒子である炭素析出マグネタイト
は、表面層に炭素被膜を有するため、大気中での酸化に
強く、そのため経時変化に対して、安定した帯電性を維
持する。
【0013】炭素析出マグネタイト表面の炭素被膜層
は、比抵抗がマグネタイトよりも数桁低く、従ってキャ
リアコート樹脂中に比較的少量添加することにより所望
の電気導電性が得られるため、トナーの過剰な電荷の蓄
積を緩和する効果があり、均一でしかも安定した帯電性
が得られる。
【0014】キャリアコート樹脂中に分散させた炭素析
出マグネタイトは、フェリ磁性体であるマグネタイトを
核としているため、キャリアコート剤が長期間の複写に
より摩耗し現像剤中に混合しても、磁気力により非画像
部への付着を防ぎ、カブリを防止できる。
【0015】本発明に使用しうる炭素析出マグネタイト
は、例えばマグネタイトを還元性ガス(例えば水素ガ
ス)により加熱処理し、続いてCO2 ガス雰囲気中にて
加熱処理を施すことによりCO2 の分解反応を生じさ
せ、マグネタイト表面に炭素を析出被膜形成させること
により得られる。例えば、平均粒径1.0μm以下のマ
グネタイト粒子を水素ガス雰囲気下において200〜4
50℃の温度で加熱処理し、続いて200〜400℃の
温度下でCO2 ガスと反応させることにより得られる。
【0016】この炭素析出マグネタイトの生成反応過程
は次の通りであると考えられる。先ず、200〜450
℃の温度下でマグネタイトと水素ガスを反応させると、
下記(1)式で示される酸素欠陥マグネタイト(Fe3
4-x :非化学量論的に表現される)が得られる。
【0017】 Fe34 +xH2 →Fe34-x +xH2 O (1) ここで、非化学量論的な酸素欠陥マグネタイトFe3
4-xとは、αFeとFe34 の中間体であり、xの値
は0.01〜0.50であることが好ましい。xの値は
水素ガス下での反応温度、及び処理時間により制御可能
であり、この値が0.01未満及び0.50を越える場
合には、次の(2)式で表されるCO2の分解反応が充
分に行えず、好ましくない。
【0018】次に、前記酸素欠陥マグネタイトを200
〜400℃の温度下でCO2 と反応させると(2)式で
表されるような反応が生じ、表面に炭素が析出被膜形成
された炭素析出マグネタイトが得られる。
【0019】 Fe34-x +(1/2)xCO2 →Fe34 +(1/2)xC (2) (2)式において右辺の第2項は、マグネタイト表面に
析出堆積した炭素を示す。この炭素は生成物中の成分と
見なせるので、(2)式の右辺はFe34y (y=
(1/2)x)と表現することができる。
【0020】炭素析出マグネタイト中の炭素被膜量は、
酸素欠陥マグネタイトのx値、及び酸素欠陥マグネタイ
トとCO2 との反応における、反応温度、反応時間、C
2ガス量により制御可能である。
【0021】本発明に用いられる炭素析出マグネタイト
は、炭素の含有量が0.1重量%〜5.0重量%である
ことが好ましい。ここで炭素の含有量が0.1重量%未
満の炭素析出マグネタイトを用いると、低温低湿環境下
での好適な摩擦帯電特性が阻害され、また5.0重量%
を越える場合は高温高湿環境下において過剰な導電性を
具備するため、好ましくない。尚、本発明に用いられる
炭素析出マグネタイト中の炭素の含有量の測定は、一般
的な元素分析装置により求めた。
【0022】本発明に使用する炭素析出マグネタイトの
平均粒径は0.01〜0.35μmが好ましい。さらに
好ましくは0.05〜0.30μmが良い。この平均粒
径が0.01μmに満たないと凝集し易く、また平均粒
径が0.35μmを越えると、キャリアコート剤の表面
に過度に突出したり偏在が生じ、トナーの摩擦帯電性に
悪影響を及ぼすため好ましくない。尚、本発明におい
て、マグネタイトの平均粒径の測定は次のように行っ
た。透過電子顕微鏡(日立製作所H−700H)でコロ
ジオン膜銅メッシュに処理した試料を用い、加速電圧1
00KVにて10,000倍で撮影し、焼付け倍率を3
倍として最終倍率を30,000倍とする。これにより
各粒子の最大長を計測し、その平均をもって平均粒径と
した。
【0023】本発明のキャリアのコート樹脂中における
上記炭素析出マグネタイトの含有率は、樹脂の固有抵抗
等により異なるが、概ね樹脂100重量%に対して1〜
100重量%が好ましい。さらに好ましくは3〜50重
量%が良い。
【0024】また、本発明に用いられるキャリア芯材と
しては、鉄、マグネタイト、ニッケル、フェライト、ガ
ラスビーズ等、従来知られているものがそのまま使用で
き、その平均粒径は、10〜1000μm、好ましくは
20〜200μmが適当である。
【0025】また、本発明のキャリアのコート層中に炭
素析出マグネタイトと共に用いられる樹脂としては、例
えば、天然樹脂、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン樹
脂、フルオロカーボン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
フエノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アミノ
樹脂、エポキシ樹脂等これらの混合物など、従来より使
用されている一般的な樹脂は全て使用しうる。
【0026】本発明のキャリアにおけるコート剤のコー
ト量は、キャリア芯材に対してコート材固形分が0.1
〜20重量%が好ましい。
【0027】また、本発明におけるキャリア芯材へのキ
ャリアコート材の被覆方法としては、キャリア芯材を槽
内で炭素析出マグネタイトを分散させた樹脂溶液中に浸
す、或いはスプレーする、或いは制御された流動化ベッ
ド法を使用する等、特に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、これは何ら本発明を限定するものでは
ない。
【0029】製造例1〜6、比較製造例1〜3 Fe2+を所定量含む硫酸第一鉄水溶液をNaOH水溶液
に加え、70〜100℃の温度で両者を反応させて水酸
化第一鉄コロイド溶液を作り、次にこのコロイド溶液に
70〜100℃の温度で空気を送り込み酸化させた。こ
こで得られたスラリーを濾過、洗浄、乾燥及び粉砕して
平均粒径0.15μmのマグネタイト微粒子を得た。次
に前記マグネタイト微粒子を、水素雰囲気下において1
00〜550℃の温度で2時間加熱処理し、酸素欠陥マ
グネタイトを得た。この酸素欠陥マグネタイトを250
〜350℃の温度でCO2 ガスと1時間反応させること
により、表1に示すような炭素が表面に析出した炭素析
出マグネタイトを製造した。
【0030】
【表1】 実施例1 以下に示す処方のキャリアコート材を作成し、キャリア
芯材にコートしコートキャリアを得た。
【0031】<キャリアコート材> バインダー樹脂:スチレン−メチルメタクリレート
(50:50)/フッ化ビニルデン−テトラフルオロエ
チレン(75:25)=40/60、トルエン−MEK
(1:1)20%溶液 炭素析出マグネタイト:製造例1に示される炭素析出
マグネタイト。(炭素含有量:0.52重量%)/
(の固形分):5/100重量比 <キャリア> キャリア芯材 :球形フェライト キャリア芯材平均粒径:70μm コート量(コート材固形分/芯材):3/100重量比 尚、上記コート材は、、を所定の比率で混合し、ボ
ールミルボットで24時間分散して作成した。また、キ
ャリア芯材へのコートは、流動床を用いたスプレー法に
より行った。
【0032】次に、以下に示す処方でポジ赤色トナーを
作成した。
【0033】<赤色トナー>スチレン−2エチルヘキシ
ルアクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート
共重合体(モノマー組成比=80:15:5):モノア
ゾ系赤色顔料:ポリプロピレン=100:4:6からな
る混合物を、150℃に設定した2軸混練押出機にて混
練した。得られた混練物をカッターミルにて粉砕した
後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、
得られた微粉砕物を固定壁型風力分級機で分級して分級
粉を生成した。さらに、得られた分級粉を、コアンダ効
果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェ
ット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去
し、平均粒径11μmの微粉体を作成した。この微粉体
に、正電荷コロイダルシリカを0.8重量%添加し、ヘ
ンシェルミキサーで混合し、赤色トナーとした。
【0034】上記のキャリアと赤色トナーとを、温度/
湿度が常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(32.
5℃/85%)、低温低湿(15℃/10%)の各環境
下においてトナー濃度8%の割合で混合し、現像剤を作
成した。この現像剤のトナー帯電量は表2に示す通りで
あった。この表からわかるように、本発明のキャリアを
用いた場合、トナー帯電量は常温常湿環境下で+13.
3μC/g、高温高湿環境下で+12.4μC/gとな
り、コート樹脂中にカーボンブラックを分散させた系で
見られるような高温高湿環境下でのトナー帯電量の著し
い低下は生じていない。また、低温低湿環境下でのトナ
ー帯電量は+13.5μC/gであり、常温常湿環境下
の場合とほとんど変わらず、耐チャージアップ性に優
れ、各環境間による帯電特性のばらつきが小さいことが
わかる。
【0035】次に、この現像剤を用い、キヤノン製NP
4835機において常温常湿、高温高湿、低温低湿の各
環境での実機画出しを行ったところ、いずれの場合にお
いても、マクベス反射濃度計にて画像濃度1.20で、
カブリ、トビチリのない高精細画像が得られた。また、
1万枚繰り返し複写を続けても画像濃度は低下せず安定
しており、カブリも起きないことから、本発明のキャリ
アによる高画質安定性を確認できた。
【0036】実施例2〜4 実施例1において使用した製造例1の炭素析出マグネタ
イトの代わりに、表1に示した製造例2(炭素含有量:
1.15重量%),製造例3(炭素含有量:0.65重
量%)、および4(炭素含有量:0.30重量%)のも
のを用いることを除いては実施例1と同様に行った。各
環境における現像剤のトナー帯電量を表2に示す。実施
例1と同様に、異なる環境下におけるトナー帯電量のば
らつきも少なく、実機画出しにおいてもいずれも高い画
像濃度が得られた。また、1万枚繰り返し複写による画
像濃度も安定しており、カブリも生じなかった。このこ
とから、本発明のキャリアは好適な摩擦帯電特性を有
し、さらに耐久性に富むことが証明された。
【0037】実施例5 製造例1の炭素析出マグネタイトの代わりに、表1に示
した製造例5(炭素含有量:4.80重量%)を用いる
ことを除いては、実施例1と同様に行った。各環境にお
ける現像剤のトナー帯電量を、表2に示す。ここで用い
た炭素析出マグネタイトは、炭素の含有量が4.80重
量%と多く、そのためトナー帯電量は若干低くなるが、
実機による画出しではカブリもみられず、常温常湿環境
下において画像濃度が1.15となり、良好であった。
【0038】実施例6 製造例1の炭素析出マグネタイトの代わりに、表1に示
した製造例6(炭素含有量:0.07重量%)を用いる
ことを除いては、実施例1と同様に行った。各環境にお
ける現像剤のトナー帯電量を、表2に示す。ここで用い
た炭素析出マグネタイトは、表面層での炭素含有量が、
0.1重量%未満であるため、トナー帯電量は各環境に
おいて実施例1〜5より高くなっている。そのため、実
機画出しにおいても若干のカブリが見られるが、画像濃
度は1.05あり、実用上問題ないレベルである。
【0039】比較例1 製造例1の炭素析出マグネタイトの代わりに、表1に示
した比較製造例1(炭素含有量:0重量%)を用いるこ
とを除いては、実施例1と同様に行った。各環境におけ
る現像剤のトナー帯電量を、表2に示す。ここで用いた
炭素析出マグネタイトは、表面層での炭素含有量が0重
量%であり、炭素析出マグネタイトが形成されていない
ことがわかる。このことからトナー帯電量は各環境にお
いて実施例1〜6より高くなっている。特に低温低湿環
境下では、チャージアップを生じていることがわかる。
また実機による画出しでは、常温常湿環境下において画
像濃度が低く、カブリが見られた。特に低温低湿環境下
ではさらにカブリが悪化し、画像濃度が低下し、好適な
摩擦帯電特性が得られていないことがわかる。この結果
と実施例6より、マグネタイトの処理過程において、表
面で炭素が析出被膜形成されていなければ、摩擦帯電特
性において環境依存性を非常に強く受けることがわか
る。
【0040】比較例2 製造例1の炭素析出マグネタイトの代わりに、比較製造
例2(加熱水素処理及びCO2 との反応処理を行ってい
ないマグネタイト)を用いることを除いては、実施例1
と同様に行った。各環境における現像剤のトナー帯電量
を表2に示す。この表より、トナー帯電量は常温常湿環
境下で+14.0μC/g、高温高湿環境下で+13.
0μC/gとなり、実施例1〜6より高くなっており、
特に低温低湿環境下では、+18.3μC/gとなり、
著しいチャージアップを生じていることがわかる。また
実機による画出しでは、常温常湿環境下において画像濃
度が0.91と低く、カブリが見られた。特に、低温低
湿環境下では更にカブリが悪化し、画像濃度が低下し、
実用に耐えうるものではなかった。摩擦帯電特性におい
て環境依存性を強く受けていることがわかる。
【0041】比較例3 製造例1の炭素析出マグネタイトの代わりに、比較製造
例2のマグネタイトにカーボンブラックを1.0重量%
ヘンシェルミキサーで混合したマグネタイト(比較製造
例3)を用いることを除いては、実施例1と同様に行っ
た。各環境における現像剤のトナー帯電量を表2に示
す。表2よりトナー帯電量は、常温常湿環境下で+1
0.3μC/g、高温高湿環境下で+5.1μC/g、
そして低温低湿環境下で+11.0μC/gしかなかっ
た。これは、コート樹脂中において、マグネタイト表面
から遊離したカーボンブラックが、分散不良を起こすこ
とにより摩擦帯電特性が劣化し、正常な帯電量を持つこ
とができなくなることによると考えられる。
【0042】以上のことから、表面に炭素が析出被膜形
成されたマグネタイトを、キャリアコート樹脂中に分散
させることにより、摩擦帯電特性は向上することが確認
された。
【0043】
【表2】 ・カブリの評価は以下の通り。
【0044】○:カブリ無し △:若干カブリはみられるが、実用上問題無し。
【0045】×:カブリ大、実用上問題あり。
【0046】*) 炭素析出マグネタイトの炭素含有率 **)カーボンブラックの混合比
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のキャリア
はトナーの摩擦帯電特性を好適なものにし、キャリア劣
化が少なく、良質の高品質画像を長期間提供することが
できるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネタイトの表面に炭素を析出被覆形
    成せしめてなる炭素析出マグネタイトを分散させた樹脂
    により、キャリア芯材表面が被覆されていることを特徴
    とする二成分系現像剤用キャリア。
  2. 【請求項2】 該キャリア芯材は、球形フェライトであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の二成分系現像剤用
    キャリア。
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