JP3606727B2 - 育苗箱分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機用の植付苗を集中育成する育苗施設で利用される育苗箱分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
育苗施設においては、その育苗形態として、先ず、播種処理が施された育苗箱を、多段に積み重ねる積層状態で出芽台車に搭載した後に、出芽台車ごと出芽室に搬入して各育苗箱の種籾を出芽させる出芽処理を施し、次に、この出芽処理後の各育苗箱を、出芽台車から緑化台車へ上下に所定間隔を隔てる棚積み状態に積み替えて出芽した各育苗箱の幼芽に対する通風及び採光が良好となるようにした後に、緑化台車ごと緑化室に搬入して幼芽を緑化させる緑化処理を施す、といった方式を採用しているものがある。
【0003】
ところで、上記の方式を採用している育苗施設においては、出芽処理の際には育苗箱を多段に積層することによって育苗箱ブロックが形成されるようになる。そのため、出芽処理から緑化処理への移行に伴って、多段に積層した育苗箱を上下に所定間隔を隔てる棚積み状態に積み替える際には、育苗箱ブロックから育苗箱を一箱ずつ分離する必要がある。そこで、この育苗施設には、育苗箱ブロックから育苗箱を一箱ずつ分離する育苗箱分離装置が配備されている。
【0004】
従来、上記のような育苗箱分離装置70は、図13に示すように、育苗箱1を多段に積層した育苗箱ブロック1Aを油圧シリンダ71Aの作動により昇降させるリフト機構71と、育苗箱ブロック1Aを係止支持する状態と支持しない状態とに開閉操作される左右の係止爪72、などによって、育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を最下段のものから順に一箱ずつ分離するように構成されていた。尚、図13における符号73は、育苗箱分離装置70により育苗箱ブロック1Aから分離された育苗箱1を分離作業領域から搬出するローラ式の搬出コンベヤである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術によると、育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を分離する際には、先ず、係止爪72により係止支持されている育苗箱ブロック1Aに向けてリフト機構71の載置台71Bを上昇させ、図13の(イ)に示すように、リフト機構71の載置台72Bにて育苗箱ブロック1Aを受け止め支持した後に、係止爪72を開操作して係止爪72による育苗箱ブロック1Aの係止支持を解除するとともに、リフト機構71の作動により育苗箱ブロック1Aを下降させる。次に、図13の(ロ)に示すように、育苗箱ブロック1Aが所定の分離位置まで下降した時点で係止爪72を閉操作して下から二番目の育苗箱1に係止させて、下から二番目以上の育苗箱1を係止爪72に支持させる一方、リフト機構71の下降作動を継続して最下段の育苗箱1を下降させることにより、育苗箱ブロック1Aから最下段の育苗箱1を分離し、その分離後、図13の(ハ)に示すように、リフト機構71の載置台71Bを搬出コンベヤ73の下方まで下降させることによって、最下段の育苗箱1を搬出コンベヤ73上に載置するようになる。そして、搬出コンベヤ73に載置された育苗箱1が搬出コンベヤ73により分離作業領域から搬出されるごとに、上述した一連の作動を繰り返すようになる。つまり、育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を最下段のものから順に一箱ずつ分離するようにしていることによって、育苗箱1を分離するごとに係止爪72による育苗箱ブロック1Aの支持をし直す必要が生じるとともに、分離した育苗箱1を搬出コンベヤ73上に載置するリフト機構71の下降作動、搬出コンベヤ73に載置された育苗箱1を分離作業領域から搬出する搬出コンベヤ73の搬出作動、及び育苗箱ブロック1Aを再び載置台71Bにより受け止め支持させるリフト機構71の上昇作動を行っている間は、係止爪72による育苗箱ブロック1Aの支持のし直しを行うことができなくなって、実質的には分離作業が中断された状態になることから、育苗箱分離作業の高効率化を図る上において改善の余地があった。
【0006】
ちなみに、育苗箱分離装置の作動速度を速くすることによって育苗箱分離作業の高効率化を図ることも考えられるが、この場合には、作動速度の高速化に伴って育苗箱内での土の片寄りや崩れが生じて幼芽に悪影響を及ぼすようになることから、むやみに作動速度を速くすることができないようになっていた。
【0007】
本発明の目的は、育苗箱内の幼芽に悪影響を及ぼすことなく、出芽処理から緑化処理へ移行する際に行われる育苗箱分離作業の高効率化を図れるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、育苗箱分離装置において、出芽処理済みの育苗箱を多段に積層した育苗箱ブロックを上昇させるリフト機構と、上昇した前記育苗箱ブロックから前記育苗箱を最上段のものから順に一箱ずつ分離する分離機構とを備えるとともに、該分離機構を、最上段の育苗箱のフランジに対して次段の育苗箱のフランジとの間から係止する係止具と、該係止具を前記フランジに対して外側下方から係止するように周回させる無端回動帯と、該係止具を前記フランジに対する係止領域において前記育苗箱側に変位させるカムとから構成し、係止具上昇側経路で位置固定されていて、前記係止領域に到達した係止具を無端回動帯ループの外方側に押し移動させる押圧作用を発揮することによって係止具を無端回動帯と共に育苗箱側に変位させるように構成してある
【0009】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、育苗箱ブロックから育苗箱を分離する際には、先ず、リフト機構が育苗箱ブロックを上昇させて最上段の育苗箱を所定の分離位置に位置させるようになる。すると、周回する係止具が、分離位置に位置する最上段の育苗箱のフランジに対して外側下方から係止するとともに、最上段の育苗箱を分離位置から持ち上げて育苗箱ブロックから分離するようになる。育苗箱が分離されると、リフト機構の作動による育苗箱ブロックの上昇により、この段階において最上段に位置する状態となる次段の育苗箱を所定の分離位置に位置させるようなる。つまり、育苗箱ブロックから育苗箱を最上段のものから順に一箱ずつ分離するようにしていることによって、最下段のものから順に一箱ずつ分離する場合に生じていた、育苗箱を分離するごとに育苗箱ブロックの支持をし直す、といった無駄を省くことができるようになる。その上、二段目以下の育苗箱を所定の分離位置に位置させるためのリフト機構による育苗箱ブロックの上昇操作は、前段の育苗箱を分離してから直ぐに(リフト機構を間歇駆動させる場合)、あるいは、分離機構による前段の育苗箱の分離作業を行いながら(リフト機構による育苗箱ブロックの上昇速度よりも分離機構による育苗箱ブロックからの育苗箱の分離速度を速く設定している場合)行わせることができるので、最下段のものから順に一箱ずつ分離する場合に生じていた、分離した育苗箱を搬出するまでの間は実質的に分離作業が中断された状態になる、といった不都合を解消することができるようになる。
【0010】
しかも、係止具を無端回動帯により周回させるようにしていることによって、係止具を育苗箱のフランジに対する係止領域において育苗箱側に変位させるカムを追加するだけの簡単な構成で、所定の分離位置に位置する育苗箱のフランジにおける被係止部分が、育苗箱の製作誤差や変形あるいは位置ズレなどによって育苗箱側に片寄った状態であったとしても、係止具を育苗箱のフランジに確実に係止させることができるようになる。その上、係止具を育苗箱側に変位させる変位係止動作と、この係止後に係止具を上昇させる分離動作とを、無端回動帯による係止具の一回の周回移動中において円滑に行わせることができるようになる。ちなみに、育苗箱のフランジに対する係止具の係止を確実にする上において、分離機構を、係止具をフランジに対する係止領域において育苗箱側に変位させる係止用のアクチュエータと、育苗箱側に変位させた係止具を上昇させて育苗箱を分離させる分離用のアクチュエータとから構成することも考えられるが、この構成においては、構成の複雑化並びに製造コストの高騰化を招くようになり、又、係止用のアクチュエータと分離用のアクチュエータとを段階的に作動させる必要があることから、係止具の係止動作と育苗箱の分離動作とを円滑に行わせることが難しくなる。つまり、上記請求項1記載の発明によると、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れる上に、係止具の係止動作と育苗箱の分離動作とを円滑にすることができて作業効率の向上を図れるようになる。
【0011】
〔効果〕
従って、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図りながらも、分離する育苗箱のフランジに対する係止具の係止を確実にすることができて育苗箱分離作業の確実性の向上を図れるとともに、育苗箱内の幼芽に悪影響を及ぼすことなく、出芽処理から緑化処理へ移行する際に行われる育苗箱分離作業の高効率化を効果的に図れるようになった。
【0012】
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記カムをローラで構成した。
【0013】
〔作用〕
上記請求項2記載の発明によると、係止具が育苗箱のフランジに対する係止領域に到達すると、カムは、係止具の移動に伴って回転しながら係止具を育苗箱側に案内するようになる。つまり、例えばカムを、係止具との摺接により係止具を育苗箱側に変位させる固定部材で構成する場合に比較して、係止具を育苗箱側へ円滑に変位させることができるようになり、これによって、係止具及びカムの摩耗を効果的に抑制することができるとともに、育苗箱のフランジに対する係止具の係止をより確実かつ円滑にすることができるようになる。
【0014】
〔効果〕
従って、長期に亘って、係止具をより確実かつ円滑に分離する育苗箱のフランジに係止させることができ、これによって、育苗箱の分離をより確実かつ迅速に行えるようになることから、育苗箱分離装置としての信頼性の向上、並びに育苗箱分離作業のより一層の高効率化を図れるようになった。
【0015】
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、前記育苗箱ブロックの上昇に伴って、前記分離機構に対する前記育苗箱の横方向での位置ズレを修正するガイド部材を備えた。
【0016】
〔作用〕
上記請求項3記載の発明によると、ガイド部材により分離機構に対する育苗箱の横方向での位置ズレを修正できることから、分離する育苗箱のフランジに対して係止具を好適に係止させることができるようになる。又、最上段の育苗箱を所定の分離位置に位置させるためのリフト機構による育苗箱ブロックの上昇移動を有効利用して、ガイド部材により分離機構に対する育苗箱の横方向での位置ズレを修正するようにしていることから、アクチュエータで駆動される位置ズレ修正用のプッシャーを設ける必要がなくなる。しかも、そのようなプッシャーを設ける場合には、リフト機構の作動により最上段の育苗箱を所定の分離位置に位置させた後にプッシャーを作動させて分離機構に対する育苗箱の横方向での位置ズレを修正するようになることから、その位置ズレを修正するための余分な操作時間を要するようになって育苗箱分離作業の作業効率が低下するようになるのであるが、上記請求項3記載の発明においては、最上段の育苗箱を所定の分離位置に位置させる上昇操作を行いながら、分離機構に対する育苗箱の横方向での位置ズレを修正できることから、そのために育苗箱分離作業の作業効率が低下することを防止できるようになる。
【0017】
〔効果〕
従って、構成の簡素化及び製造コストの低減化を図りながら、分離する育苗箱のフランジに対する係止具の係止を好適にすることができて、育苗箱の分離をより一層確実にかつ安定的に行えるようにすることができる上に、育苗箱分離作業の高効率化の促進を図れるようになった。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1には、田植機用の植付苗を集中育成する育苗施設において出芽処理から緑化処理に移行する際に使用する棚差し装置Aの一例の全体平面が示されている。尚、この棚差し装置Aが配備される育苗施設は、播種処理が施された育苗箱1を多段(例えば三十段)に積層してなる育苗箱ブロック1Aを、所定数(例えば四個)ずつ出芽台車2に搭載した後に出芽台車2ごと出芽室(図示せず)に搬入することによって、各育苗箱1の種籾を出芽させる出芽処理を施し、次に、この出芽処理後の各育苗箱1を、上下に所定間隔を隔てる棚積み状態となるように出芽台車2から緑化台車8へ積み替える棚差し処理を行うことにより、出芽した各育苗箱1の幼芽に対する通風及び採光が良好となるようにした後に、緑化台車8ごと緑化室(図示せず)に搬入して幼芽を緑化させる緑化処理を施す、といった育苗形態を採用しているものである。そのため、棚差し装置Aは、出芽室から第一搬送経路aを介して搬入部Aaに搬入された出芽台車2から育苗箱ブロック1Aを二個ずつ取り込むとともに左右の搬送コンベヤ3A上に一個ずつ載置するフォークリフト装置3、対応する搬送コンベヤ3Aから育苗箱ブロック1Aを受け取って一時的に収容するストック部を形成する左右一対のストックコンベヤ4、対応するストックコンベヤ4から搬入される育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を一箱ずつ分離する左右一対の育苗箱分離装置5、分離した各育苗箱1を左右二列で上下方向に所定間隔を隔てる状態に配列する棚エレベータ6、及び左右二列に配列された各育苗箱1を棚エレベータ6から一挙に押し出して緑化台車8の各棚8aに差し込み載置する押し出し装置7、などによって構成されている。つまり、この棚差し装置Aは、一回の棚差し工程で育苗箱ブロック1A二個分の育苗箱1を緑化台車8に積み替えることができるようになっており、一回の棚差し工程で育苗箱ブロック1A一個分の育苗箱1を緑化台車8に積み替えるものに比較して棚差し処理の高効率化が図られている。
【0020】
図2〜6に示すように、各育苗箱分離装置5は、ストックコンベヤ4から育苗箱ブロック1Aを受け取って分離作業領域に搬入する搬入コンベヤ11、分離作業領域に搬入された育苗箱ブロック1Aを育苗箱1の積層ピッチで間歇的に上昇させるリフト機構12、及びリフト機構12の作動により所定の分離位置に位置する育苗箱1を分離する分離機構13、などによって構成されている。又、各育苗箱分離装置5の上方には、各育苗箱分離装置5において分離された育苗箱1を棚エレベータ6に向けて搬出する搬出コンベヤ14が配備されている。リフト機構12は、搬入コンベヤ11の左右両脇において前後二列で縦向きに巻回配備されたチェーン15、左右それぞれの前後のチェーン15に亘って架設された支持杆16aと左右の支持杆16aに亘って架設された複数の支持板16bとからなる載置台16、及び各チェーン15を連動機構(図示せず)を介して間歇駆動する電動モータ(図示せず)、などによって構成されており、育苗箱ブロック1Aが搬入コンベヤ11により分離作業領域に搬入されるまでの間は、載置台16が搬入コンベヤ11の搬送面よりも低くなる待機位置に位置し、育苗箱ブロック1Aが分離作業領域に搬入された後に、電動モータの作動により各チェーン15が正転駆動されて載置台16が上昇移動することによって、育苗箱ブロック1Aの全体を上昇させるようになっている。
【0021】
分離機構13は、分離位置に配備される育苗箱分離部17と、育苗箱分離部17の上方に配備される育苗箱搬出部18とから構成されている。育苗箱分離部17は、断面形状L字形の板材からなる複数の係止具17aを、図外の電動モータの作動により縦回し駆動される前後一対で左右に略対向配置された(対向配置でもよい)四本のチェーン(無端回動帯の一例)17bに、前後のチェーン17bに亘るとともに周回方向に所定間隔を隔てる状態で左右のものが同期周回するように取り付けることによって構成されている。そして、左右の各チェーン17bを、互いに対向する側が上昇する内向き上昇方向に回動させることによって、左右の係止具17aが、リフト機構12の上昇作動により所定の分離位置に位置するようになった育苗箱ブロック1Aにおける最上段の育苗箱1のフランジ1aと、その次段の育苗箱1のフランジ1aとの間(育苗箱1が最下段のものである場合には載置台16との間)に左右の各外側下方から係入して、最上段の育苗箱1におけるフランジ1aの長辺部に係止し、その後、その最上段の育苗箱1を分離位置から持ち上げて育苗箱ブロック1Aから分離するようになっている。一方、育苗箱搬出部18は、丸棒材からなる複数の持上げ具18aを、図外の電動モータの作動により左右向きの横軸芯周りに間歇的に回転駆動される左右一対で前後に対向配置された湾曲放射状アーム18bに、左右向きの水平姿勢で前後のものが同期回転するように左右の湾曲放射状アーム18bの先端部同士に亘る状態に取り付けることによって構成されている。そして、前後の湾曲放射状アーム18bを、互いに対向する側が上昇する内向き上昇方向に回転させることによって、前後の持上げ具18aが、育苗箱分離部17により分離された育苗箱1の底部における短辺部を下方から受け止め支持し、その後、その育苗箱1を育苗箱ブロック1Aから大きく離間させるように持ち上げて所定の搬出位置に位置させるようになっている。
【0022】
つまり、分離機構13を、育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を最上段のものから順に一箱ずつ分離するように構成していることによって、最下段のものから順に一箱ずつ分離する場合に生じていた、育苗箱1を分離するごとに育苗箱ブロック1Aの支持をし直す、といった無駄を省くことができるようになっている。その上、二段目以下の育苗箱1を所定の分離位置に位置させるためのリフト機構12による育苗箱ブロック1Aの上昇操作を、前段の育苗箱1を分離してから直ぐに行わせることができるので、最下段のものから順に一箱ずつ分離する場合に生じていた、分離した育苗箱1を搬出するまでの間は実質的に分離作業が中断された状態になる、といった不都合をも解消できるようになっている。
【0023】
尚、育苗箱分離部17の作動速度はリフト機構12の作動速度に同調する遅い速度に設定されており、これによって、育苗箱ブロック1Aから最上段の育苗箱1を適切なタイミングで精度よく係止分離することができるようになっている。又、これに対して育苗箱搬出部18の作動速度は速い速度に設定されており、これによって、育苗箱分離部17により分離された育苗箱1を所定の搬出位置に速やかに移動させることができるようになっている。
【0024】
図3及び図4に示すように、搬出コンベヤ14は、左側の分離機構13の上部に配備された第一搬出機構21と、第一搬出機構21の搬送終端から棚エレベータ6の上部に亘る第二搬出機構22とから構成されている。第一搬出機構21は、その搬送終端部に配置した駆動軸41の両端部に固着したスプロケット42と、その搬送始端部に配置した従動軸43の両端部に固着したスプロケット44とに亘って横向きに巻回した二列のチェーン21aに、複数の係止搬送爪21bを所定間隔を隔てる状態に取り付けることによって構成されており、電動モータM1により駆動軸41を低速駆動することによって、左側の分離機構13により分離されて所定の搬出位置に持ち上げられた育苗箱1を、第二搬出機構22の搬送始端部に向けて低速で水平搬送するようになっている。第二搬出機構22は、その搬送終端部に配置した駆動軸45の両端部に固着したスプロケット46と、その搬送始端部に位置する駆動軸41の両端部に遊嵌したスプロケット47とに亘って横向きに巻回した二列のチェーン22aに、複数の係止搬送爪22bを所定間隔を隔てる状態に取り付けることによって構成されており、電動モータM2により駆動軸45を高速駆動することによって、第一搬出機構21からの育苗箱1を受け取った後、その育苗箱1と右側の分離機構13により分離されて所定の搬出位置に持ち上げられた育苗箱1とを、搬送方向に突き合わせた状態で棚エレベータ6の上部まで高速で水平搬送するようになっている。尚、搬出コンベヤ14の搬送経路において、左右の分離機構13の間には育苗箱1を載置案内する第一搬送ガイド48が、又、右側の分離機構13と棚エレベータ6との間には、第一搬送ガイド48と、育苗箱1の側面を摺接案内して棚エレベータ6に対する育苗箱1の横ズレを修正する第二搬送ガイド49とが配備されている。
【0025】
棚エレベータ6は、図外の電動モータの作動により間歇的に縦回し駆動される左右一対で前後に対向配置された四本のチェーン23に、断面形状L字形の板材からなる複数の棚部材24を、左右のチェーン23に亘るとともに周回方向に緑化台車8の棚間隔と同一の上下間隔を隔てる状態で前後のものが同期周回するように取り付けることによって構成されている。そして、搬出コンベヤ14により搬送された左右一組の育苗箱1を、最上段に位置する前後一対の棚部材24が受け止め支持するごとに、電動モータが、前後の各チェーン23を互いに対向する側が下降する内向き下降方向に棚部材24の配設ピッチ分だけ駆動することによって、各棚部材24上に二個ずつの育苗箱1を載置するようになっている。
【0026】
尚、搬出コンベヤ14の第二搬出機構22は、左右一組の育苗箱1を係止搬送する係止搬送爪22bが直線移動経路上の所定位置sに到達し、左右一組の育苗箱1が棚エレベータ6の最上段の棚部材24上に載置された時点でチェーン22aを一旦停止させ、その後、最上段の棚部材24が下降して左右一組の育苗箱1が係止搬送爪22bの直線移動経路から外れた時点でチェーン22aを再駆動させるように構成されている。つまり、例えば、第二搬出機構22の搬送終端が所定位置sとなるように設定して、係止搬送爪22bの回り込み領域をも育苗箱1の搬送領域に含めるようにすると、この回り込み領域においては係止搬送爪22bの先端の周速度が速くなって、育苗箱1が速い速度で棚部材24上に押し出されるようになることから、育苗箱1が棚部材24上で慣性移動する距離大きくなるとともにその距離の変動も大きくなって、棚部材24上における育苗箱1の載置位置が不揃いになり易くなるのであるが、上述のように、直線移動経路上の所定位置sに到達した時点で係止搬送爪22bを停止させて育苗箱1の搬送を終了させるようにすると、上述のように育苗箱1が速い速度で棚部材24上に押し出されることを防止でき、これによって、育苗箱1が棚部材24上で慣性移動する距離を小さくすることができるとともにその距離の変動も小さくすることができるようになり、もって、左右一組の育苗箱1を棚部材24上の適正位置に安定して送り込むことができるようになっている。
【0027】
図3及び図7に示すように、押し出し装置7は、リフト機構12と棚エレベータ6の間に配備されるとともに、棚エレベータ6の各棚部材24に載置された育苗箱1の全てに作用するように縦長に形成された押圧部材25を、パンタグラフ形式のリンク機構26により、棚エレベータ6の左外側位置から棚エレベータ6の出口(右外側)側に待機する緑化台車8の左外側位置に亘って、棚エレベータ6内を挿通する状態に出退移動させるように構成されている。リンク機構26による押圧部材25の出退移動操作は、図外の固定フレームに上下揺動自在に支持された断面形状略C字形の支持部材27、支持部材27に摺動自在に内嵌支持されるラックギヤ28、ラックギヤ28に噛合するピニオンギヤ29、及び支持部材27の揺動支点からピニオンギヤ29の駆動軸(図示せず)とに亘って架設されたチェーン式伝動機構(図示せず)などを介してピニオンギヤ29を駆動する電動モータ(図示せず)、などによってラック・ピニオン形式に構成された駆動機構30の作動によって行われるようになっている。そして、この押し出し装置7は、搬出コンベヤ14による育苗箱1の間歇搬送と棚エレベータ6の間歇駆動とによって、棚エレベータ6に備えられた所定段数(例えば十五段)の棚部材24のそれぞれに左右一組の育苗箱1が載置されると、押圧部材25を緑化台車8に向けて突出移動させることにより、棚エレベータ6の各棚部材24に載置された全ての育苗箱1を、棚エレベータ6の出口側に待機させた緑化台車8の各棚8aに向けて一挙に押し出して差し込み載置するようになっている。ところで、緑化台車8は、前後一対の棚部材24が前後二列に並設装備されていることから、先に、その前部側の各棚部材24に対する一回目の押し出し装置7による育苗箱1の差し込み載置が行われ、次に、緑化台車8を棚一列分だけ前進させた後に、その後部側の各棚部材24に対する二回目の押し出し装置7による育苗箱1の差し込み載置が行われるようになっている。そして、その二回の育苗箱1の差し込み載置により育苗箱1が満載状態になった段階で棚エレベータ6の出口側から搬出されるとともに、空の緑化台車8が棚エレベータ6の出口側に搬入されるようになっている。
【0028】
尚、図3における符号31は、押圧部材25の出退操作時においてリンク機構26の先端部が押圧部材25に対して上下摺動することを許容する摺動案内部であり、符号32は、押圧部材25を、棚エレベータ6の左外側位置から棚エレベータ6の出口側に待機する緑化台車8の左外側位置に亘って案内支持する案内レールである。又、符号37は、棚エレベータ6の各棚部材24と緑化台車8の各棚8aとの間に配備される断面形状L字形の育苗箱案内レールである。
【0029】
図8及び図9に示すように、分離機構13の育苗箱分離部17には、係止具17aを、育苗箱1のフランジ1aに対する係止領域において育苗箱1側に変位させるカム17cが装備されている。カム17cは、育苗箱分離部17の各チェーン17bが巻回される上下のスプロケット50,51のうちの下方の従動スプロケット51を相対回転自在に支持する左右の各固定軸52に、各従動スプロケット51の外側に位置する状態で、かつ、各従動スプロケット51における分離位置側の周縁斜め下方箇所から突出する状態となるように、クリップ53を介して位置固定されたローラ54によって構成されており、各チェーン17bの回動により周回する係止具17aが育苗箱1のフランジ1aに対する係止領域に到達するのに伴って、係止具17aの移動とともに回転しながら係止具17aを育苗箱1側に変位させるようになっている。
【0030】
つまり、育苗箱分離部17にカム17cを追加するだけの簡単な構成で、所定の分離位置に位置する育苗箱1のフランジ1aが、育苗箱1の製作誤差や変形あるいは位置ズレなどによって育苗箱1側に片寄った状態であったとしても、係止領域においては係止具17aを育苗箱1側に変位させて育苗箱1のフランジ1aに確実に係止させることができるとともに、その係止具17aを育苗箱1側に変位させる変位係止動作と、この係止後に係止具17aを上昇させて育苗箱ブロック1Aから育苗箱1を分離させる分離動作とを、チェーン17bの回動による係止具17aの一回の周回移動中において円滑に行わせることができるようになっている。又、カム17cを、係止領域に到達した係止具17aの移動とともに回転するローラ54で構成していることによって、係止具17a及びカム17cの摩耗を効果的に抑制することができ、もって、育苗箱1のフランジ1aに対する係止具17aの係止を、長期に亘ってより確実かつ円滑にすることができるようになっている。
【0031】
図2,図3,図5,図6、及び図8に示すように、分離機構13には、リフト機構12の作動による育苗箱ブロック1Aの上昇に伴って、分離機構13に対する育苗箱1の横方向での位置ズレを修正するガイド部材55が装備されている。ガイド部材55は、育苗箱1の横方向の一例である短片部に沿う方向での位置ズレを修正する第一ガイド部材55Aと、育苗箱1の横方向の一例である長片部に沿う方向での位置ズレを修正する第二ガイド部材55Bとから構成されている。第一ガイド部材55Aは、リフト機構12の載置台16に載置された育苗箱ブロック1Aの左右両外側部の前後箇所において載置台16の待機位置近傍から上方に向けて延設された合計四本のガイド杆55aから構成されている。各ガイド杆55aは、その先端側が分離位置の近傍に位置する育苗箱1のフランジ1aの長辺部外側に接当するように付勢されている。一方、第二ガイド部材55Bは、リフト機構12の載置台16に載置された育苗箱ブロック1Aの前後両外側部の左右箇所において分離位置に位置する状態で上下揺動自在に装備された合計四本のガイドアーム55bと、各ガイドアーム55bの先端側が育苗箱ブロック1Aの最上段に位置する育苗箱1のフランジ1aの短辺部外側に接当するように各ガイドアーム55bを育苗箱1に向けて付勢する付勢機構55cによって構成されている。
【0032】
以上の構成から、ガイド部材55は、リフト機構12の作動により育苗箱ブロック1Aが上昇するのに伴って、第一ガイド部材55Aが、分離位置に向けて移動する育苗箱1のフランジ1aの長辺部外側に接当して、育苗箱分離部17の係止具17a及び育苗箱搬出部18の持上げ具18aに対する育苗箱1の短片部に沿う方向での位置ズレを修正するようになっており、もって、より一層確実に育苗箱分離部17の係止具17aを分離する育苗箱1のフランジ1aの長辺部に係止させることができるとともに、育苗箱搬出部18の持上げ具18aを分離した育苗箱1のフランジ1aの短辺部に安定性よく係止させることができるようになっている。又、第二ガイド部材55Bが、リフト機構12の作動により育苗箱ブロック1Aが上昇するのに伴って、分離位置に向けて移動する育苗箱1のフランジ1aの短辺部外側に接当して、育苗箱分離部17の係止具17a及び育苗箱搬出部18の持上げ具18aに対する育苗箱1の長片部に沿う方向での位置ズレを修正するようになっており、もって、育苗箱分離部17の係止具17aを分離する育苗箱1のフランジ1aの長辺部に安定性よく係止させることができるとともに、確実に育苗箱搬出部18の持上げ具18aを分離した育苗箱1のフランジ1aの短辺部に係止させることができるようになっている。つまり、分離する育苗箱1のフランジ1aに対して係止具17a及び持上げ具18aを好適に係止させることができるようになっている。しかも、最上段の育苗箱1を所定の分離位置に位置させるためのリフト機構12による育苗箱ブロック1Aの上昇移動を有効利用して、ガイド部材55により分離機構13に対する育苗箱1の横方向での位置ズレを修正するようにしていることから、アクチュエータで駆動される位置ズレ修正用のプッシャーなどを設ける場合に比較して、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れるとともに、位置ズレ修正用のプッシャーの作動時間を不要にできる分だけ育苗箱分離作業の高効率化の促進を図れるようになっている。
【0033】
又、図5に示すように、ガイド部材55には、各付勢機構55cにおけるロッド56の後退変位を検出するとともに、この検出をマイクロコンピュータからなる制御装置Cに出力する近接センサS1が装備されている。制御装置Cは、近接センサS1の検出に基づいて、第二ガイド部材55Bにより育苗箱1の長片部に沿う方向での位置ズレを修正できなかったことを検知するとともに、その検知に基づいて警報装置57を作動させるようになっている。そして、警報装置57の作動に基づいて作業者が分離機構13を運転停止させることによって、育苗箱1の長片部に沿う方向での位置ズレに起因した分離機構13における育苗箱分離ミスの発生を未然に防止できるようになっている。尚、ガイド部材55にガイド杆55aの後退変位を検出する近接センサを設けるとともに、この近接センサからの検出に基づいて、制御装置Cが、第一ガイド部材55Aにより育苗箱1の短片部に沿う方向での位置ズレを修正できなかったことを検知するとともに、その検知に基づいて警報装置57を作動させるように構成してもよい。又、制御装置Cが、第一ガイド部材55A又は第二ガイド部材55Bにより育苗箱1の位置ズレを修正できなかったことを検知するのに伴って、分離機構13を自動的に運転停止させるように構成してもよい。
【0034】
ちなみに、第二ガイド部材55Bの付勢機構55cは、ロッド56に螺着されたナット58の操作によって、ガイドアーム55bに付与する付勢力を調節できるようになっている。
【0035】
図8及び図10〜図12に示すように、分離機構13の育苗箱分離部17には、育苗箱ブロック1Aにおける最上段の育苗箱1の上端に接当するように下降付勢されるとともに、リフト機構12による育苗箱ブロック1Aの上昇移動に伴って後退変位しながら最上段の育苗箱1の上昇を規制して分離位置に位置決めする位置決め具59と、育苗箱分離部17の分離作動時に次段(育苗箱ブロック1Aにおける上から二段目)の育苗箱1の上昇を阻止する上昇阻止具60とが設けられている。位置決め具59は、最上段の育苗箱1のフランジ1aにおける長片部の左後部上端と右前部上端とに接当するように、育苗箱1の略対角線上に配置された一対のカム59Aで構成されている。一方、上昇阻止具60は、次段の育苗箱1のフランジ1aにおける長片部の左後部側面と右前部側面とに接当するように、育苗箱1の略対角線上に配置された一対のカム60Aで構成されている。位置決め用の左右のカム59Aと、上昇阻止用の左右のカム60Aは、育苗箱分離部17の左右の固定軸52に相対回転自在に外嵌されている。位置決め用のカム59Aは、最上段の育苗箱1との非接当時には、復帰バネ61の作用により、その接当部59aが最上段の育苗箱1の上方で待機する基準姿勢(図10参照)に自動復帰するようになっている。位置決め用のカム59Aと上昇阻止用のカム60Aは、位置決め用のカム59Aが基準姿勢に復帰するのに伴って、その接当部60aが育苗箱1の横外側方で待機する基準姿勢(図10参照)に自動復帰するように引っ張りバネ62を介して連係されている。位置決め用のカム59Aには引っ張りバネ62の一端が連結される連係ピン59bが装備されており、この連係ピン59bは、上昇阻止用のカム60Aに形成された固定軸52を中心とする長孔60bを挿通するようになっている。
【0036】
以上の構成から、位置決め具59と上昇阻止具60とが基準姿勢に復帰している状態(図10参照)において、リフト機構12の作動により育苗箱ブロック1Aが上昇すると、最上段の育苗箱1の上端が位置決め具59の接当部59aに接当するようになり、その後の育苗箱ブロック1Aの上昇に伴って、最上段の育苗箱1が分離位置に到達するまでの間、位置決め具59が、固定軸52を支点にして後退回転変位しながら、復帰バネ61の作用により最上段の育苗箱1の上昇を規制するようになる。つまり、育苗箱ブロック1Aから分離する最上段の育苗箱1の次段の育苗箱1において成長した複数の苗による持ち上げ作用などに起因した浮き上がりを無くすことができ、これによって、その分離する育苗箱1を分離位置に水平姿勢で位置させることができるようになり、もって、育苗箱分離部17の係止具17aを、分離する育苗箱1のフランジ1aに、より好適かつ確実に係止させることができるようになっている。一方、上昇阻止具60は、引っ張りバネ62の連係作用により、位置決め具59の後退回転変位に伴って位置決め具59と同方向に回転し、その接当部60aを上から二段目の育苗箱1のフランジ1a側面に接当させるようになる。そして、分離位置に到達した最上段の育苗箱1が育苗箱分離部17の係止具17aにより持ち上げられ、それに伴って位置決め具59が上昇阻止用のカム60Aに形成された長孔60bの融通により更に後退回転変位すると、二段目の育苗箱1のフランジ1a側面との接当により回転が阻止されるとともに引っ張りバネ62による育苗箱1側への付勢が高められて、二段目の育苗箱1を挾持するようになる。つまり、育苗箱分離部17の分離作動の際には、育苗箱分離部17の係止具17aにより分離する最上段の育苗箱1を持ち上げるのに伴って、二段目の育苗箱1を上昇阻止具60によって挾持することができ、これによって、二段目以下の育苗箱1の最上段の育苗箱1との連れ上がりを阻止することができるのであり、もって、育苗箱分離部17による育苗箱ブロック1Aからの育苗箱1の一箱ずつの分離を確実かつ速やかに行えるようなっている。尚、育苗箱分離部17の係止具17aにより分離する育苗箱1が位置決め具59の上方まで持ち上げられ、その育苗箱1と位置決め具59との接当が解除されると、復帰バネ61と引っ張りバネ62の作用により、位置決め具59と上昇阻止具60とが速やかに基準姿勢に復帰するようになっている。
【0037】
図10〜12に示すように、育苗箱分離部17の位置決め具59を構成する一対のカム59Aにはそれぞれ突出片59Bが連結装備されている。育苗箱分離部17には、それぞれの突出片59Bを検出するとともにその検出情報を制御装置Cへ出力する一対の近接センサS2が装備されている。各近接センサS2は、分離する育苗箱1がリフト機構12の上昇作動により所定の分離位置に到達する段階で対応する突出片59Bが近接するように配置設定されている。制御装置Cは、搬入コンベヤ11により育苗箱ブロック1Aが分離作業領域に搬入されるのに伴ってリフト機構12を上昇作動させて育苗箱ブロック1Aを上昇させ、その上昇作動において、最上段の育苗箱1が所定の分離位置に到達することにより近接センサS2が突出片59Bを検出するのに伴って、リフト機構12の上昇作動を停止させ、その停止中に、育苗箱分離部17により最上段の育苗箱1が育苗箱ブロック1Aから分離される際における位置決め具59の後退回転変位によって突出片59Bが一旦近接センサS2から離間した後、復帰バネ61と引っ張りバネ62の作用により位置決め具59が基準姿勢に復帰する際において再び近接センサS2が突出片59Bを検出するのに伴って、リフト機構12の上昇作動を再開させ、更に、その上昇作動中に近接センサS2が突出片59Bを検出するのに伴ってリフト機構12の上昇作動を停止させる、といったリフト機構12の間歇駆動制御を間歇駆動回数をカウントしながら行い、そのカウント数が育苗箱ブロック1Aにおける育苗箱1の積層段数に応じた値に達した段階でリフト機構12を下降作動させるように構成されている。
【0038】
つまり、位置決め具59、近接センサS2、及び制御装置Cによって、リフト機構12の作動による育苗箱ブロック1Aの上昇移動時に、育苗箱ブロック1Aから分離される最上段の育苗箱1の分離位置への上昇を検知する検知手段Zが構成されており、この検知手段Zの作動によって、育苗箱分離部17により育苗箱ブロック1Aから最上段の育苗箱1を分離する際には、その分離する育苗箱1を所定の分離位置に停止させた状態で確実に位置させることができ、これによって、分離する育苗箱1のフランジ1aに育苗箱分離部17の係止具17aをより一層確実に係止させることができ、もって、育苗箱分離部17による育苗箱ブロック1Aからの育苗箱1の一箱ずつの分離をより一層確実に行えるようなっている。又、位置決め具59を検知手段Zに利用するようにしていることから、検知手段Zの構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れるようになっている。尚、位置決め具59は、カム59Aに対する突出片59Bの連結位置を位置決め具59の回転方向で調節できるようになっており、この調節によって、育苗箱ブロック1Aから分離される最上段の育苗箱1を分離位置で確実に停止させることのできる検知タイミングの設定を容易に行えるようになっている。
【0039】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
▲1▼ 棚差し装置Aとしては、出芽台車2から育苗箱ブロック1Aを一個ずつ取り込むように構成されたものであってもよく、又、押し出し装置7の一回の作動で育苗箱ブロック1A一個分の育苗箱1を、緑化台車8の棚8aへ差し込み載置するように構成されたものであってもよい。
▲2▼ リフト機構12としては、育苗箱分離部17による育苗箱1の上昇速度(育苗箱分離速度)よりも遅い速度で育苗箱ブロック1Aを連続的に上昇させるように構成されたものであってもよい。
▲3▼ 分離機構13のカム17cを摺接板などで構成するようにしてもよい。
▲4▼ 分離機構13に対する育苗箱1の横方向での位置ズレを修正するガイド部材55としては、育苗箱1の短片部に沿う方向での位置ズレのみを修正するように構成されたものであってもよく、又、育苗箱1の短片部に沿う方向での位置ズレのみを修正するように構成されたものであってもよい。
▲5▼ ガイド部材55において、第一ガイド部材55Aを、第二ガイド部材55Bと同様に、分離位置に上下揺動自在に配備された四本のガイドアーム55bと、各ガイドアーム55bを育苗箱1側に付勢する付勢機構55cとから構成するようにしてもよく、逆に、第二ガイド部材55Bを、第一ガイド部材55Aと同様に、載置台16の待機位置近傍から上方に向けて延設された四本のガイド杆55aにより構成するようにしてもよい。
▲6▼ 分離機構13の無端回動帯17bとして、チェーンに代えてベルトなどを採用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】棚差し装置の全体平面図
【図2】育苗箱分離装置の左側面図
【図3】棚差し装置の全体正面図
【図4】(イ)搬出コンベヤの構成を示す平面図
(ロ)搬出コンベヤの構成を示す正面図
【図5】分離機構の構成を示す左側面図
【図6】分離機構の構成を示す正面図
【図7】押し出し装置により棚エレベータから緑化台車へ育苗箱を移し変えた状態を示す正面図
【図8】分離機構の構成を示す平面図
【図9】育苗箱のフランジに対する係止具の係止移動状態を示す要部の縦断正面図
【図10】位置決め具と上昇阻止具の待機姿勢を示す要部の縦断正面図
【図11】育苗箱が分離位置に到達した段階での位置決め具と上昇阻止具の待機姿勢からの変位状態を示す要部の縦断正面図
【図12】育苗箱が分離された段階での位置決め具と上昇阻止具の待機姿勢からの変位状態を示す要部の縦断正面図
【図13】従来技術における育苗箱分離装置の分離作動を示す正面図
【符号の説明】
1 育苗箱
1a フランジ
1A 育苗箱ブロック
12 リフト機構
13 分離機構
17a 係止具
17b 無端回動帯
17c カム
54 ローラ
55 ガイド部材

Claims (3)

  1. 出芽処理済みの育苗箱を多段に積層した育苗箱ブロックを上昇させるリフト機構と、上昇した前記育苗箱ブロックから前記育苗箱を最上段のものから順に一箱ずつ分離する分離機構とを備えるとともに、該分離機構を、最上段の育苗箱のフランジに対して次段の育苗箱のフランジとの間から係止する係止具と、該係止具を前記フランジに対して外側下方から係止するように周回させる無端回動帯と、該係止具を前記フランジに対する係止領域において前記育苗箱側に変位させるカムとから構成し、
    前記カムは、係止具上昇側経路で位置固定されていて、前記係止領域に到達した係止具を無端回動帯ループの外方側に押し移動させる押圧作用を発揮することによって係止具を無端回動帯と共に育苗箱側に変位させるように構成してある育苗箱分離装置。
  2. 前記カムをローラで構成してある請求項1記載の育苗箱分離装置。
  3. 前記育苗箱ブロックの上昇に伴って、前記分離機構に対する前記育苗箱の横方向での位置ズレを修正するガイド部材を備えてある請求項1又は2記載の育苗箱分離装置。
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