JP3606593B2 - 複数データ一括転送制御方式 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子交換機における中央制御装置とその配下にある通話路装置間の複数データの一括転送を可能とした複数データ一括転送制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のデータ転送制御方式として、特公昭61−18227号公報に開示されたものがある。この制御方式は、1語のデータ、例えば32ビットで構成されるデータを複数のブロックに、例えば16ビットずつ2ブロックに分解して、中央制御装置及び通話路装置間で送受するものである。
【0003】
図2は、そのデータ転送制御方式を端的に示すインタフェース信号線(通話路バス)の構成を示すものであり、図3は、その主なタイムチャートを示すものである。
【0004】
図2において、中央制御装置(CC)1と、1又は2以上の通話路装置(SPCE)2とを結ぶ通話路バスは、送受切替信号線、送出同期信号線、アンサ同期信号線、アンサコード線、転送語数表示信号線及びデータ線からなり、例えば、アンサコード線は3ビット、データ線はパリティビット用を含めて17ビット、他の信号線は1ビット構成でなる。
【0005】
図3に示すように、通話路装置2への通信の際には、まず、送受切替信号を送信側とし(「0」)、第1ブロック目のデータと送出同期信号(「1」)とを送出し、次いで、第2ブロック目のデータと、第2ブロック目であることを示すために、転送語数を表示する信号を「1」として送出同期信号を送出する。ここまでが定まった送信時の主たるシーケンスであって、このような手順によって、所定の長さ、例えば32ビットからなる制御情報の1語を送出する。
【0006】
この送信用シーケンスに引き続いて必ず受信用のシーケンスが有り、まず、送受切替信号を受信とし(「1」)、通話路装置2からのデータ返送を許可する。通話路装置2は送信されてきた制御情報に応じて処理を実行し、その応答情報を返送する。応答情報は、所定の長さ、例えば32ビットからなるアンサデータ1語と、応答内容をコード化した3ビットのアンサコードで構成される。通話路装置2は応答情報を返送しようとするときに、送受切替信号の受信状態を確認して、アンサデータ1語を複数のブロックに、例えば16ビットずつの2ブロックに分解して、まず第1ブロック目のアンサデータとアンサコードとを送信し、それに伴ってアンサ同期信号(「1」)を送出する。次いで、第2ブロック目のアンサデータと、アンサコードと、第2ブロック目を示す転送語数表示(「1」)と、アンサ同期信号とを送出する。
【0007】
中央制御装置1は、アンサデータの2ブロック目を受信すると、所定のシーケンスを終了させるために、送受切替信号を送信側として、その終了を通話路装置2に通知する。
【0008】
この一連のシーケンスは、常に一定であって、制御情報が通話路装置2からのアンサデータを必要なリード系であろうとアンサデータが不要なライト系であろうとそれに無関係に、中央処理装置1から通話路装置2への通信と、その逆方向の通信とが1語ずつ交互に実施されるものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のデータ転送制御方式では、任意の複数語の転送を行なう場合でも、1語単位に所定のシーケンスを繰返す必要があり、各シーケンスにおいて、制御情報の送信準備、送信、アンサデータの受信準備、並びに、制御内容の実行、アンサコードの編集、アンサデータ返送、シーケンスの終結という手順を踏むので、複数語の転送時にシーケンスを進めるためだけに多くの時間を必要とするという問題があった。
【0010】
また、中央制御装置1がライト系の制御情報を送出する場合、中央制御装置1は実行結果の良否を判断できれば良く、アンサデータは不要であるが、従来のデータ転送制御方式においては、リード系とライト系とで同一シーケンスを実行するので、ライト系の場合には転送効率が悪いということができる。
【0011】
さらに、任意の複数語でなる制御情報を転送する場合でも、1語単位のシーケンスを繰返すため、複数語の一語欠落や、連続性の異常を通話路装置2又は中央制御装置1が検出できないという問題もあった。
【0012】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、中央制御装置と通話路装置との間で、高い信頼性をもってかつ良好な転送効率によって複数データを授受できる複数データ一括転送制御方式を提供しようとしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1の本発明においては、中央制御装置から通話路バスを介して接続される通話路装置にオーダを与え、通話路装置から通話路バスを介して中央制御装置にオーダに対するアンサデータを与えるものであって、通話路バスが、複数の双方向データ線と、中央制御装置からの送信又は受信を示す送受切替信号線と、オーダの送受を定義する送信同期信号線と、アンサデータの送信を定義するアンサ同期信号線とを有する電子交換機において、複数データを一括転送できるように以下のようにした。
【0014】
すなわち、通話路バスに、転送データ間を識別する双方向の転送語数表示信号線と、転送シーケンスの属性を示すリード/ライト信号線と、通信先を示すコード化された情報が挿入されたオーダが上記データ線に存在中であることを示すアドレスストローブ信号線と、アンサデータが全オーダの実施状態を示すステータス情報であることを示すステータス信号線とをさらに設けた。
【0015】
そして、論理的な転送単位である語は物理的にデータ線で決定されるブロックを単位に転送し、ステータス情報は少なくとも1個のブロックで転送し、オーダは、送受切替信号を送信側として任意の語数を連続的に送信し、その後に送受切替信号を受信側として送信の終了を示し、ライトシーケンスの場合には、ステータス信号と共にステータス情報を受信し、リードシーケンスの場合には、送出したオーダの語数を最大とするアンサデータと、ステータス信号及びステータス情報とを連続して受信し、ステータス情報を受信したことによって、送受切替信号を送信側として通信シーケンスの終了を示すこととした。
【0016】
また、請求項2の本発明においては、請求項2の本発明に加えて、送受切替信号を受信側から送信側に切替えることによって、リセットシーケンスを実施することとしたものである。
【0017】
請求項3の本発明は、請求項1の本発明における中央制御装置が、ブロック転送命令のマイクロプログラム制御に従って転送を行なうプロセッサと、通話路バスとのインタフェースを行なう通話路バス制御装置とを備え、プロセッサの転送を制御するマイクロプログラムが、複数データのオーダ群を通話路バス上の転送語数単位に区切り、この転送語数ブロックをバースト転送によって送受信する機能部と、ブロック転送内で閉じたデータ順序を示す語数表示と、ブロック転送単位毎の最終データにブロック終了表示を付加して送信する機能部と、オーダ群の最終オーダであることを示す転送終了表示を付加して送信する機能部と、オーダ群の送出種別を示すIN/OUT表示を付加して送信する機能部とを有するものである。
【0018】
【作用】
請求項1の本発明は、電子交換機における中央制御装置及び通話路装置間で通話路バスを介してデータを転送するに際して、複数データを一括転送できるようにしたものである。
【0019】
このような複数データの一括転送を可能とすべく、通話路バスに、従来から存在する複数の双方向データ線、送受切替信号線、送信同期信号線、アンサ同期信号線に加えて、転送データ間を識別する双方向の転送語数表示信号線、転送シーケンスの属性を示すリード/ライト信号線、通信先を示すコード化された情報が挿入されたオーダがデータ線に存在中であることを示すアドレスストローブ信号線、アンサデータが全オーダの実施状態を示すステータス情報であることを示すステータス信号線を設けた。
【0020】
また、論理的な転送単位である語は物理的にデータ線で決定されるブロックを単位に転送し、ステータス情報は少なくとも1個のブロックで転送することとした。
【0021】
ここで、中央制御装置から送出されるオーダは、通話路装置からの返信として、アンサデータ及びステータス情報を求めるリードシーケンスであろうと、ステータス情報だけを求めるライトシーケンスであろうと、送受切替信号を送信側として任意の語数を連続的に送信し、その後に送受切替信号を受信側として送信の終了を示す。
【0022】
中央制御装置は、ライトシーケンスの場合には、ステータス信号と共にステータス情報を受信し、リードシーケンスの場合には、送出したオーダの語数を最大とするアンサデータと、ステータス信号及びステータス情報とを連続して受信し、ステータス情報を受信したことによって、送受切替信号を送信側として通信シーケンスの終了を示すこととした。
【0023】
このような送受信の相手先通話路装置は、アドレスストローブ信号が有意なタイミングでデータ線に存在する通信先を示すコード化された情報が挿入されたオーダによって規定される。また、送受信に係る語数は、転送語数表示信号によって表示される。さらに、今回のシーケンスがライトシーケンスかリードシーケンスかは、リード/ライト信号によって明らかにされる。
【0024】
請求項2の本発明においては、エラー発生にも対応できるように、送受切替信号を受信側から送信側に切替えることによって、リセットシーケンスを実施できるようにしたものである。
【0025】
請求項3の本発明は、請求項1の本発明における中央制御装置及び通話路装置間の転送シーケンスを実現するための、中央制御装置内部でのデータ転送処理に関するものである。
【0026】
請求項3の本発明は、中央制御装置が、ブロック転送命令のマイクロプログラム制御に従って転送を行なうプロセッサと、通話路バスとのインタフェースを行なう通話路バス制御装置とを備えていることを前提としている。そして、プロセッサの転送を制御するマイクロプログラムが、複数データのオーダ群を通話路バス上の転送語数単位に区切り、この転送語数ブロックをバースト転送によって送受信する機能部と、ブロック転送内で閉じたデータ順序を示す語数表示と、ブロック転送単位毎の最終データにブロック終了表示を付加して送信する機能部と、オーダ群の最終オーダであることを示す転送終了表示を付加して送信する機能部と、オーダ群の送出種別を示すIN/OUT表示を付加して送信する機能部とを有して、中央制御装置及び通話路装置間の転送シーケンスに対応できるようにした。
【0027】
【実施例】
以下、本発明による複数データ一括転送制御方式の一実施例を図面を参照しながら詳述する。
【0028】
図1は、この実施例のデータ転送制御方式を端的に示すインタフェース信号線(通話路バス)の構成を示すものである。
【0029】
中央制御装置(CC)11及び通話路装置(SP)12は、図1に示す信号線構成を有する通話路バス13を介して接続されている。通話路バス13は、送受切替信号線13a、アドレスストローブ信号線13b、送信同期信号線13c、アンサ同期信号線13d、リード/ライト信号線13e、ステータス信号線13f、転送語数表示信号線13g及び複数データ線13hからなり、例えば、データ線はパリティビット用を含めて17ビット、他の信号線は1ビット構成でなる。また、図1において、各信号線に付与した矢印はその伝達方向を示している。
【0030】
以下、各信号線を介して授受される信号の意義を説明する。
【0031】
中央制御装置11から通話路装置12に転送される送受切替信号は、シーケンスが送信用シーケンス(転送方向がCC11からSP12)か、受信用シーケンス(転送方向がSP12からCC11)かを示すものである。
【0032】
中央制御装置11から通話路装置12に転送されるアドレスストローブ信号は、送信時に、1又は2以上の語でなる制御情報の先頭であることを示すものである。また、宛先である通話路装置2を規定するアドレスが送信データに含まれているタイミングを表すものである。
【0033】
中央制御装置11から通話路装置12に転送される送信同期信号は、当該通話路バス13に制御情報(送信データ)が存在することを示すものである。
【0034】
逆に、通話路装置12から中央制御装置11に転送されるアンサ同期信号は、当該通話路バス13にアンサデータ(ステータス情報を含む)が存在することを示すものである。
【0035】
中央制御装置11から通話路装置12に転送されるリード/ライト信号は、シーケンスがリードシーケンスかライトシーケンスかを示すものである。言い換えると、転送シーケンスに係る制御情報が、通話路装置12からのアンサデータを必要なリード系かアンサデータが不要なライト系かを示すものである。
【0036】
通話路装置12から中央制御装置11に転送されるステータス信号は、アンサデータの内容が通話路装置12による処理結果などを表しているステータス情報であることを示すものである。
【0037】
転送語数表示信号は、シーケンスの段階に応じて、中央制御装置11から通話路装置12に転送され、又は、通話路装置12から中央制御装置11に転送されるものであり、送信あるいは受信する複数のデータ間及びそのデータ内のブロックでの順序を示すものである。
【0038】
データ線13hによって授受されるデータは16ビットの情報と1ビットのパリティからなり、中央制御装置11から通話路装置12に転送されるデータは制御情報であり、通話路装置12から中央制御装置11に転送されるデータはアンサデータ(ステータス情報を含む)である。
【0039】
この実施例の場合、中央制御装置11は、任意の語数の制御情報を通話路バス13を介して通話路装置12へ転送できる。ここで、転送される任意の語数の制御情報は、その全体が1個の意味がある処理を規定するものであっても良く、また、1又は2以上の語で規定された処理を複数含んで任意の語数になっていても良い。
【0040】
上述のように、中央制御装置11から通話路装置12に転送する制御情報としては、通話路装置12からのアンサデータを求めないライト系の制御情報と、通話路装置12からのアンサデータを求めるリード系の制御情報とがあり、制御情報の種類によって、転送シーケンスが多少異なっている。
【0041】
図4は、ライト系の制御情報を4語転送する場合のシーケンスを示すタイムチャートであり、以下、この図4に沿って、ライト系制御情報の転送シーケンスを説明する。
【0042】
なお、送信を開始する前の状態では、送受切替信号が受信側となっており、アクセス中の通話路装置12もないので、特に支障のない信号類はドライブしておらず、省力化されている状態にある。
【0043】
送信が開始されると中央制御装置11はまず、リード/ライト信号をライト側(「0」)として送受切替信号を送信側(「0」)とする(a点)。ここで、第1語目のデータドライブは、ハイインピーダンスからのものであり、見掛上の遅延時間が大きくなるので、その点を考慮した時間に行なう。第1語目の第1ブロックのデータが確実にドライブされる時点を見込んで、アドレスストローブ信号(「1」)と送信同期信号(「0」)とを送出する(b点)。このとき、転送語数表示信号は第1ブロックを表す「0」を表示する。
【0044】
図5は、制御情報を含むオーダの一例を示すものである。32ビット1語のオーダは、制御情報とネームコードNCとから構成されている。4ビットが割り当てられているネームコードNCは、中央制御装置11がアクセスしたい通話路装置12のコード化された番号を示している。このようなオーダは2分割されてそれぞれ転送ブロックとなる。
【0045】
図4に符号S1−0で示すブロックデータは、第1番目のオーダの上位16ビット(図5参照)とそのパリティビットからなるものであり、符号S1−1で示すブロックデータは、第1番目のオーダの下位16ビット(図5参照)とそのパリティビットからなるものであり、以下、同様である。
【0046】
通話路装置12は、送受切替信号が送信側を指示したものになったのを確認すると、受信準備を行ない、アドレスストローブ信号が「1」で転送語数表示信号が「0」で、パリティの正常なデータが送信同期信号で定義された時間に受信できたときに、ブロックデータS1−0に含まれるネームコードNCが、自己に割り当てられたコード化装置番号と一致するか否かを判定し、一致していれば、通信リンクを確立させ、以後のシーケンスは中央制御装置11と自装置との間のものと認識する。一方、不一致の場合や上述の受信条件を満たさない場合には、そのまま読み捨てて次の起動(a点)が開始されるのを待機する。
【0047】
通話路装置12による以上の動作を期待して中央制御装置11は、第1語目の第1ブロック目のデータS1−0を送出する(c1 点)。次いで、転送語数表示信号を「1」にしてオーダの下位16ビットとそのパリティビットとでなる第2ブロック目のデータS1−1を送出する(d1 点)。
【0048】
なお、中央制御装置11は、最少1語の転送も行なうので、この第2ブロック目のデータの転送が完結する頃には、少なくともアンサ同期信号を不安定な状態から安定した状態に確定させておく必要がある。様々な遅延を含めて、送受切替信号を受信側に設定したときには中央制御装置11側でアンサ同期信号のレベルが確定していれば良い。
【0049】
上述のような1語目の転送が終了すると、アドレスストローブ信号を「0」として、以後のシーケンスで転送先でない他の通話路装置が誤って、2語目以後のオーダを受信して通信リンク確立に至らないようにする(e点)。複数の通話路装置12が同時に通信リンクを確立すると、通話路装置12からのドライブが重複し、データの誤りや、ドライブ極性の相異があれば素子破壊にも継がるというう不都合が生じる。なお、アドレスストローブ信号は1語目の転送期間を通して「1」とする必要はなく、第1ブロック目にネームコードNCを含む場合には、少なくとも第1ブロック目の送信期間中だけ「1」であれば良い。
【0050】
第2語目以後のオーダの送信は、アドレスストローブ信号を継続して「0」とする点を除き、1語目と同様にして行なわれる。第2語目のデータ転送も、第1ブロック目のデータS2−0(c2 点)と第2ブロック目のデータS2−1(d2 点)に分けられて行なわれ、それに対応して転送語数表示信号がそれぞれ「0」、「1」になる。以下、同様に、第3語目及び第4語目のデータ転送も、第1ブロック目のデータ(c3 点、c4 点)と第2ブロック目のデータ(d3 点、d4 )に分けられて行なわれる。
【0051】
通話路装置12は、このようにして連続的に到来するオーダが正しいものか否かを、パリティチェックや転送語数表示信号の交番チェックなどで判定する。
【0052】
中央制御装置11は、準備した全オーダを送出し終えた時点(f点)で、双方向信号である転送語数表示信号と、データ信号の駆動を止めて、次に通話路装置12側から駆動してきてもこれら信号が衝突しないようにする。そのための時間を確保した後、中央制御装置11は送受切替信号を受信側とする(g点:「1」)。
【0053】
通信リンクが確立した通話路装置12は唯一存在するが、そのような通話路装置12は、送受切替信号が受信側になったことを確認すると転送語数表示信号とデータ信号とを駆動する(h点)。全オーダを受信済みの通話路装置12は、オーダの内容を実施した後に、その処理結果を中央制御装置11に報告する必要があるので、そのためのステータス情報を編集して転送語数表示信号を「0」、ステータス信号を「1」、編集したステータス情報STをアンサデータにして、アンサ同期信号(「0」)を送信する(i点)。ライト系であるので、オーダに対応したアンサデータは送信しない。
【0054】
ステータス情報STを受信した中央制御装置11は、その応答として送受切替信号を受信側から一度送信側(「0」)にすることによって、シーケンスの終了を通知する(k点)。
【0055】
通話路装置12は、ステータス情報STを送出完了した時点(j点)で、ステータス信号を「0」とした後に、ステータス信号の駆動を止めることができ、上記k点に達したことを知ったときには、直ちにデータ信号、アンサ同期信号、ステータス信号、転送語数表示信号の駆動を止める。
【0056】
中央制御装置11による終了通知レベルの送受切替信号が受信側に戻ることで、転送シーケンスは終了し、インタフェースは完結する(l点)。
【0057】
図6は、リード系の制御情報を3語転送する場合のシーケンスを示すタイムチャートであり、以下、この図6に沿って、リード系制御情報の転送シーケンスを説明する。
【0058】
オーダの送出に先立って、送受切替信号を送信側(「0」)に設定すると共にリード/ライト信号をリード側(「1」)に設定する(a点)。その後、3語のオーダを送出して送受切替信号を受信側にするまでの送信用シーケンスは、ライト系の場合と同一である(b〜h点)。
【0059】
通話路装置12は、通信リンクが確立していてオーダ受信が正常に行なわれたら、第1語目のオーダから順に処理しつつ、アンサデータを編集して、送受切替信号が受信側となっているのを確認して順にアンサデータを返送する。
【0060】
通話路装置12は、第1語目のアンサデータを16ビットずつ2つのブロックに分割して、第1ブロック目のデータ(パリティビットを含む)R1−0を、転送語数表示信号を「0」としてアンサ同期信号と共に送出する(r1 点)。次いで、第2ブロック目のデータR1−1を転送語数表示信号を「1」として、アンサ同期信号と共に送出する(s1 点)。
【0061】
第2語目のアンサデータの送信は、第1語目のアンサデータの送信が完了するまでに準備できない場合は、編集が行なわれるまで待合わされ、それを2個のブロックに分割して転送語数表示信号を「0」として第1ブロック目のデータR2−0を送出し(r2 点)、引続き転送語数表示信号を「1」として第2ブロック目のデータR2−1を送出する(s2 点)。同様にして、第3語目のアンサデータを送出し、その後、全体の実行結果をステータス情報STとして編集し、転送語数表示信号を「0」、ステータス信号を「1」として、編集したステータス情報STを送出する(i点)。
【0062】
以後の転送終了のシーケンスはライト系の場合と同様である(j〜l点)。
【0063】
以上では、オーダの送出に当たって既に中央制御装置11に全オーダが準備されているものとし、遅滞なく連続的にオーダが送出されるように説明したが、アンサデータの場合と同様に次のオーダの準備が間に合っていないときは、送信は待合わされる。また、1つの語を送るのに、第1ブロック目と第2ブロック目とで間隔が開いていても良いが、通常は語単位でデータを揃えるので連続して送出される。1個のブロックのデータを送出するのにかかる時間は、通話路バス13の電気的特性に基づいて最適な値を定めれば良い。
【0064】
図7は、通話路装置12から中央制御装置11へ返送されるステータス情報STの構成例を示すものである。図8は、ステータス情報STに含まれているアンサコードの定義例を示すものである。
【0065】
ステータス情報STは、図7に示すように、アンサコードとワードカウンタWCとから構成される。
【0066】
アンサコードは、オーダ群全体の実行結果などをコード化したものであり、図8に示す例では3ビットコードである。アンサコード「000」、「111」はバス異常等で生じることもあって値として信用できないので無応答扱いとする。また、アンサコード「001」は実行結果が全て正常である場合を表し、アンサコード「010」は何らかの原因で今すぐには実行できない状態を表しており、表現を変えれば後で再試行することの要求を表している。アンサコード「011」は、二重化構成装置等で二重書込みを行なっている場合など、他方の装置側が異常状態になったときを表している。アンサコード「100」は、通話路バス13(インタフェース)で生じたエラーの検出を表し、アンサコード「101」は、アンサコードを出力する通話路装置12内での異常発生を表し、アンサコード「110」は、定義されていないオーダを受け取ったときを表している。このような実行結果等のコード化によって、中央制御装置11側はオーダに対する通話路装置12側での実行結果の判定を容易に行なうことができる。
【0067】
ワードカウンタWCは、そのシーケンスの中で正常なオーダを連続して何語処理したかを示すものである。
【0068】
中央制御装置11側は、ライトシーケンスの場合には、送出したオーダ数とワードカウンタWCとが一致し、かつ、アンサコードが「001」であった場合にすべてが正常であったと認識する。また、リードシーケンスの場合には、ライトシーケンスの場合のチェック項目に加えて、アンサデータの語数(例えば「1」の転送語数表示信号をカウントしてとらえる)と送信したオーダ数とが一致しているかをチェックしてその正常性を確認する。ワードカウンタWCが送信オーダ数と異なる場合には、エラーの生じた箇所を、そのワードカウンタWCによって類推できる。
【0069】
次に、エラー処理について説明する。エラーは、大きくは、アンサコードに反映できるエラーと、アンサコードに反映できないエラーとに分類でき、以下、場合を分けて説明する。
【0070】
アンサコードに反映できるエラーは、ステータス情報STによってそれを表示すれば良く、ライトシーケンスの場合には上述した図4に示すシーケンス手順で通話路装置12によって表示が実行され、中央制御装置11はワードカウンタWCでそのエラー箇所とオーダの関係を認識することができる。
【0071】
一方、リードシーケンスの場合には、本来はアンサデータの転送を伴うが、アンサデータの転送を開始する以前にエラーを検出した場合には、アンサデータを送出することなくステータス情報STだけを中央制御装置11に返送するシーケンス(従って、上述の図4に示すライトシーケンスと等しい)となり、また、アンサデータの転送開始後にエラーを検出した場合には、上述した図6に示すリードシーケンスから検出後に係るアンサデータの数を語数単位で省略したシーケンスとなる。
【0072】
ステータス情報STは転送ブロックの一部であり、転送語数表示信号は、受信シーケンス中の全ブロックに対して「0」、「1」の交番となり、ステータス情報STの送出タイミングはこれにより規定される。
【0073】
一般的にはエラーはほとんど発生することがないので、多数のオーダを送信している途中で生じたエラーも、オーダを送出完了して送受切替信号を受信側にした後に、ステータス情報STで報告するようにしても、全体の処理能力にはほとんど影響を与えない。しかし、早急にインタフェースを終了させたい場合には、ステータス信号とアンサ同期信号を使用して通信終了を催促するようにすることが好ましく、この場合には、以下のようにすれば良い。送信シーケンス中で第1語目のオーダの第2ブロック目のデータの終了時点ではステータス信号とアンサ同期信号は確定している(通話路装置12においてアクセスし得る状態になっている)ので、通信終了を催促する場合には、通話路装置12は、2語目以上のオーダが送信されてきているタイミングで中央制御装置11にステータス信号とアンサ同期信号とを送信し、中央制御装置11では送信途中(2語目以上のオーダの送信中)においてステータス信号とアンサ同期信号が送られてきたら、送信を途中放棄して送受切替信号を受信側としてステータス情報STの送信を促せば良い。
【0074】
次に、ステータス情報STのアンサコードに反映できないエラーに対する処理について説明する。このような処理は、大きくは2つに分けることができる。
【0075】
アンサコードに反映できないエラーの1つは、ネームコードNCに一致する通話路装置12がない場合であって応答する装置がないので、一定時間内にステータス情報STが返送されない事態が生じる。そこで、中央制御装置11に、送受切替信号を受信側にしたときから計数するタイマを待せ、図9に示すように、タイムアウト検出時に送受切替信号を受信側から送信側に短時間だけ変化させてインタフェースをクリアする。送受切替信号が受信側から送信側に移行した瞬間に、各通話路装置12は内部のインタフェース回路部をリセットしてオーダの受信体制を整える。
【0076】
アンサコードに反映できない他のエラーは、受信シーケンス中でアンサデータの転送に誤りが生じた場合である。中央制御装置11は、パリティチェックによってこのことを認識する。例えば、図10に示すように、アンサデータの第1語目の第2ブロック目のデータにパリティエラーが発生すると、中央制御装置11は速やかに送受切替信号を送信側に一定時間設定した後再び受信側に戻す。通話路装置12は、送受切替信号が受信側から送信側に移ったことによりリセットシーケンスが起動されたことを認識してインタフェースを解放する。
【0077】
以上のように、アンサコードに反映できないエラーの場合を含め、通信シーケンスの強制リセットを行なうことができる。中央制御装置11は、自分自身でリセットシーケンスを実行するのでインタフェースを確実に解放できる。通信シーケンスをリセットするのは、中央制御装置11で何らかの異常を検出した場合に、通信先の通話路装置12に異常を通知してインタフェースを解放させるためである。従って、厳密に言えば、アンサコードに反映できないエラーの場合以外でもリセットシーケンスは実行される。例えば、通信中にシステムリセットが到来したときや、中央制御装置11の動作不良で通信を中止するときなどである。
【0078】
上述した図9及び図10は、受信シーケンスにおいて強制リセットの必要性が生じた場合を示し、送受切替信号を受信側−送信側−受信側に変化させて通話路装置12にインタフェースの解放を通知する場合を示したものである。しかし、上述のように、送信シーケンスにおいて強制リセットの必要性が生じる場合がある。この場合には、特には図示していないが、中央制御装置11は、送信シーケンスを放棄して送受切替信号を一度受信側にし、通話路装置12側で受信側に切り替わったことが認識できる時間が経過した後、再び送受切替信号を送信側にする。通話路装置12は、送受切替信号を監視していて受信側から送信側に変化したことで、今までの状態をクリアして新たに送信シーケンスの開始に備えるだけで良く、また、リンク確立中の場合であっても、リセットシーケンスを検出することは容易なことである。
【0079】
以上、実施例による複数データ一括転送制御方式(中央制御装置11及び通話路装置12間のインタフェース制御方式)においては、任意の複数語(1語を含む)の転送がリードシーケンスとライトシーケンスとで別個に実行できることを説明した。なお、インタフェースの信号極性やタイミング条件等は自由に設定して良い。
【0080】
また、図1に示したインタフェース上では、論理的な転送単位は語であるが、物理的な転送単位は、データ線の本数で定まるブロックを用いている。オーダやアンサデータは語であるが、ステータス情報は語の必要はなく上述のようにブロックによって定義できる。
【0081】
さらに、送信シーケンスや受信シーケンス内で、転送するブロック間の識別子である転送語数表示信号は送信及び受信シーケンス内で閉じており、いずれも「0」から始まりブロック毎に「1」、「0」が交番するものであり、これによってデータの重複や抜けを監視することができる。
【0082】
次に、中央制御装置11及び通話路装置12間の上述したインタフェースを実現するための、中央制御装置11内での複数データの転送方法について説明する。すなわち、マイクロプログラム制御によるプロセッサが行なう複数データの転送方法について説明する。
【0083】
図11は、中央制御装置11内の構成を示すブロック図である。図11において、マイクロプロセッサ(CPU)23には、マイクロプログラムの格納されているマイクロメモリ(μM)25が関連して設けられており、また、このマイクロプロセッサ24に係るプロセッサバス21には、メインメモリ(MM)22、各種入出力装置(IO)25、及び、1又は2以上の通話路バス制御装置(SPBC)26も接続されている。通話路バス制御装置26は、通話路バス13にも接続されており、プロセッサバス21と通話路バス13とのインタフェースを行なうものである。
【0084】
プロセッサ23は、ブロック転送命令による通話路装置12に対する、複数データのオーダ群の転送起動を受けると、マイクロメモリ24内のマイクロプログラム制御により、メインメモリ22からデータを読み出し、通話路バス13上の転送回数を最少とするために、通話路バス13上の最大転送可能語数単位毎に区切ってブロック化し、通話路バス制御装置26への転送を開始する。転送ブロックの語数が、定められた最大語数に満たない場合でも一つの転送ブロックとする。また、転送語数に関係なく、すなわち通話路バス制御装置26への1語の転送でも、通話路バス制御装置26や通話路バス13とのインタフェースを確保するため、以下に示す識別子を付加して送出する。プロセッサ23は転送ブロック単位毎に、リード系/ライト系の通信種別を示すIN/OUT表示をデータに付加して通話路バス制御装置26へバースト転送し、リード系命令の場合には送出データと同数のアンサデータを受信し、ライト系命令の場合には1語のアンサデータを受信する。また、データ送出に当たって、プロセッサ23は、後述するように、それぞれの転送ブロック内で何語目かを示す語数表示(wc)を付加し、各転送ブロックの最終データの送出時にはブロック終了表示(BLE)を付加し、また、最終転送ブロックの最終データの送出時には転送終了表示(END)を付加する。
【0085】
図12は、プロセッサ23と通話路バス制御装置26間の通信コマンドの一例を示すものであり、図12(A)は、プロセッサ23から通話路バス制御装置26への通信コマンド(下り通信コマンド)を、図12(B)は、通話路バス制御装置26からプロセッサ23への通信コマンド(上り通信コマンド)を示している。
【0086】
両コマンド共に、当然に、送信元装置及び宛先装置を規定する装置番号を有し、下り通信コマンドにおいては、送信元装置番号はプロセッサ23の番号であり、宛先番号は通話路バス制御装置26の番号であり、上り通信コマンドにおいては、送信元装置番号は通話路バス制御装置26の番号であり、宛先装置番号はプロセッサ23の番号である。なお、プロセッサ23の装置番号及び通話路バス制御装置26の装置番号は、中央制御装置11内で唯一の番号が割当てられている。
【0087】
下り通信コマンドは、送信元装置番号、宛先装置番号、通話路バス制御装置26へ送出するデータに加えて、IN/OUT表示、語数表示(wc)、ブロック終了表示(BLE)、転送終了表示(END)を有する。
【0088】
IN/OUT表示は、例えば、通話路装置12からの各オーダに対するアンサデータが必要なリード系通信時に「1」、各オーダに対するアンサデータは不要なライト系通信時に「0」に設定されるものである。
【0089】
語数表示wcは、転送ブロック内の1語送出する毎に、0、1、2、3、…とインクリメントされるものである。
【0090】
ブロック終了表示BLEは、転送ブロック内の最終データ送出時に「1」、他の順番のデータ送出時に「0」に設定されるものである。
【0091】
転送終了表示ENDは、ブロック転送命令によるオーダ群の最終オーダであることを示すために、最終転送ブロックの最終データの送出時に「1」、他のデータの送出時に「0」に設定されるものである。
【0092】
上り通信コマンドは、送信元装置番号及び宛先装置番号に加えて、異常通知表示(NASW)及びアンサデータを有する。
【0093】
異常通知表示NASWは、通話路バス制御装置26が何らかの異常を検出して送出データの処理が正常に処理されていないことを認識すると「1」、正常時に「0」に設定されるものであり、異常をプロセッサ23へ通知するために設けられている。
【0094】
アンサデータは、リード系通信時には送出データに対する通話路装置12からのアンサデータ(ステータス情報を除く)であり、ライト系通信時には無意味なものである。ライト系通信時のアンサデータはプロセッサ23の識別対象となっておらず、プロセッサ23は、異常通知表示NASWによって通信の正常性を識別する。
【0095】
上り通信コマンド及び下り通信コマンドのデータ部の内容が1語として、2個のブロックに分けられて、通話路バス制御装置26及び通話路装置12間で授受される(図5参照)。
【0096】
図13は、6語オーダ群のリード系通信処理の正常時のシーケンス図であり、1個の転送ブロックの最大語数が4語の場合である。
【0097】
6語のオーダ群に対して、転送ブロックの最大語数が4語であるので、プロセッサ23は、2回のブロック転送を行なう。最初のブロック転送における最初の下り通信コマンドにおいて、語数表示wcは「0」、ブロック終了表示BLEは「0」、転送終了表示ENDは「0」、IN/OUT表示は「1」(IN系を指示)であり、第2番目及び第3番目のコマンドにおいては語数表示wcだけが変化し、この転送ブロックの最終コマンドにおいては語数表示wcが最終値になると共にブロック終了表示BLEが「1」となる。通話路バス制御装置26は、各通信コマンドの到来間隔Taなどによって転送の正常性を確認し、ブロック終了表示BLEが「1」の通信コマンドを受信すると、上述した図6に示すようなリードシーケンスを実行する。
【0098】
通話路装置12からのアンサデータやステータス情報を受信し、その正常性を確認できた通話路バス制御装置26は、受信したアンサデータを含み異常通知表示NASWが「0」の4個の上り通信コマンドをプロセッサ23に順次送出する。通話路バス制御装置26は、上述した転送ブロックの最終下り通信コマンドにおける転送終了表示ENDが「0」であったので、アンサデータを含む最終上り通信コマンドを送出した時点から内部タイマを起動し、次の転送ブロックの下り通信コマンドの到来までの時間を監視できるようにしておく。
【0099】
送信した転送ブロックの下り通信コマンド数(オーダ数)と等しい数の上り通信コマンド(アンサデータ)を受信したプロセッサ23は、次の転送ブロックのデータの転送を開始し、この場合、2語の転送ブロックであるので、送出データを含む下り通信コマンドを2個発行する。この転送ブロックの第2番目の通信コマンドにおいては、ブロック終了表示BLEだけでなく転送終了表示ENDを「1」とする。
【0100】
このような2個のコマンドを受信した通話路バス制御装置26は、最終上り通信コマンドから次の転送ブロックの最初の下り通信コマンドまでの時間Tbや相前後する下り通信コマンド間の時間Ta等によってコマンドの正常受信を確認し、その後、通話路装置12との間で上述と同様にして送出データ及びアンサデータの授受を行ない、その正常性を確認すると、アンサデータを含む2個の上り通信コマンドをプロセッサ23に与える。なお、この転送ブロックは転送終了表示ENDが「1」の最終ブロックであるので、通話路バス制御装置26は監視用タイマの起動などは行なわない。
【0101】
以上のようにして、プロセッサ23は通話路バス制御装置26や通話路バス13を介して通話路装置12にリード系の制御情報を与えて動作させ、その正常動作を確認することができる。
【0102】
図14は、6語オーダ群のリード系通信処理の異常時のシーケンス図であり、図13に対照的なものである。通話路バス制御装置26は、例えば、第1の転送ブロックのオーダに対する通話路装置12からのアンサデータを受信中に異常を検出すると、他のアンサデータを受信を放棄して、直ちに、異常通知表示NASWが「1」の上り通信コマンドをプロセッサ23に送信することで異常をプロセッサ23に通知する。
【0103】
この図14は、異常時処理の一例であり、通話路バス制御装置26は、データ受信時に、語数表示の連続性と最大数のチェックや、各転送ブロック内のオーダ受信間隔Taのチェックや、転送ブロック間の間隔Tbのチェック等を行ない、連続転送されるデータの正常性を確認し、異常発生時には、異常通知表示NASWによってプロセッサ23に通知する。
【0104】
図15は、7語オーダ群のライト系通信処理の正常時のシーケンス図であり、転送ブロックの最大語数が4語の場合である。
【0105】
7語のオーダ群に対して、転送ブロックの最大語数が4語であるので、プロセッサ23は、2回のブロック転送を行なう。最初のブロック転送における最初の下り通信コマンドにおいて、語数表示wcは「0」、ブロック終了表示BLEは「0」、転送終了表示ENDは「0」、IN/OUT表示は「0」(OUT系を指示)であり、第2番目及び第3番目のコマンドにおいては語数表示wcだけが変化し、この転送ブロックの最終コマンドにおいては語数表示wcが最終値になると共にブロック終了表示BLEが「1」となる。通話路バス制御装置26は、各通信コマンドの到来間隔Taなどによって転送の正常性を確認し、ブロック終了表示BLEが「1」の通信コマンドを受信すると、上述した図4に示すようなライトシーケンスを実行する。
【0106】
通話路装置12からのステータス情報を受信し、その正常性を確認できた通話路バス制御装置26は、異常通知表示NASWが「0」の1個の上り通信コマンドをプロセッサ23に送出する。通話路バス制御装置26は、上述した転送ブロックの最終下り通信コマンドにおける転送終了表示ENDが「0」であったので、上り通信コマンドを送出した時点から内部タイマを起動し、次の転送ブロックの下り通信コマンドの到来までの時間を監視できるようにしておく。
【0107】
異常通知表示NASWが「0」の上り通信コマンドを受信したプロセッサ23は、次の転送ブロックのデータの転送を開始し、この場合、3語の転送ブロックであるので、送出データを含む下り通信コマンドを3個発行する。第3番目の通信コマンドにおいては、ブロック終了表示BLEだけでなく転送終了表示ENDを「1」とする。
【0108】
このような3個のコマンドを受信した通話路バス制御装置26は、最終上り通信コマンドから次の転送ブロックの最初の下り通信コマンドまでの時間Tbや相前後する下り通信コマンド間の時間Ta等によってコマンドの正常受信を確認し、その後、通話路装置12との間で上述と同様にして送出データ及びステータス情報の授受を行ない、その正常性を確認すると、異常通知表示NASWが「0」の1個の上り通信コマンドをプロセッサ23に送出する。なお、この転送ブロックは転送終了表示ENDが「1」の最終ブロックであるので、通話路バス制御装置26は監視用タイマの起動などは行なわない。
【0109】
以上のようにして、プロセッサ23は通話路バス制御装置26や通話路バス13を介して通話路装置12にライト系の制御情報を与えて動作させ、その正常動作を確認することができる。
【0110】
以上のように、上記実施例においては、通話路バス13にて、シーケンスの属性を示すリード/ライト信号を設けてライトシーケンスとリードシーケンスを区別させ、また、オーダの第1語目だけに通信先通話路装置を示すコード化された情報を含め、この情報を送出中であることをアドレスストローブ信号によって明らかにし、返信情報がステータス情報であることをステータス信号によって明らかにし、論理的な転送単位である語は物理的にはデータ線で決定されるブロックを単位に転送することとし、ステータス情報はブロック1個で転送し、転送語数表示信号によって送信又は受信シーケンスの転送するブロック間の識別を可能とし、送受切替信号で送信又は受信シーケンスを分け、送信シーケンスでは連続的にオーダを送信し、ライト系の受信シーケンスではステータス情報を、リード系の受信シーケンスでは送出オーダの語数を最大とするアンサデータとステータス情報とを受信するようにしたので、以下の効果を得ることができる。すなわち、任意語数の転送に対応でき、それによって1語ずつ送信及び受信を繰返す場合に発生するシーケンスの切替時間や、シーケンスを進めるために必要なダミーシーケンスによって発生していた時間的ロスを解消でき、また、連続転送によってオーダの編集など、あるいはオーダの受信から実施、アンサデータの編集などの中央制御装置や各通話路装置内での内部処理の効率化を計ることができ、総合的な通信処理に要する時間の大幅な改善を期待できる。
【0111】
また、上記実施例によれば、送受切替信号によるリセットシーケンスを設けたので、異常の発生を中央制御装置11から通話路装置12へ伝達でき、異常処理の対応が容易となり、しかも、リセットシーケンスを通常シーケンスの一部として定義したので、リセットを確実に行なうことができ、異常からの回復を迅速に実行でき、全体として信頼性の高いインタフェースを提供できる。
【0112】
さらに、上記実施例によれば、中央制御装置11内のマイクロプログラム制御によるプロセッサ23の複数データの転送を制御するブロック転送命令のマイクロプログラムにおいて、命令のリード系/ライト系を示すIN/OUT表示を付加してオーダを送出することにより、通話路装置12への転送シーケンスでリード系/ライト系のシーケンスの区別を可能とし、複数データのオーダ群を通話路バス13上の転送語数単位に区切り、この転送語数ブロック単位毎に、ブロック内のデータ順序を示す語数表示、ブロック内の最終データを示すブロック終了表示を付加し、オーダ群の最終データであることを示す転送終了表示を付加して送出することにより、プロセッサ23の通信相手の通話路バス制御装置26において、語数表示の連続性と最大語数のチェック、ブロック転送内オーダ間隔や、ブロック転送間隔を監視を行なうことができて、オーダ群転送の正常性確認が可能となり、複数データ一括転送の信頼性の高い通信プロトコルを提供できる。
【0113】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、各種の変形を許容するものである。例えば、1語の分割ブロック数や1語のビット数や、転送ブロック内の最大語数等は任意であり、また、1語の構成やコマンドの構成は所定の情報を含むものであればその順序等は問わない。
【0114】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、中央制御装置と通話路装置との間で、高い信頼性をもってかつ良好な転送効率によって複数データを授受できる複数データ一括転送制御方式を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の複数データ一括転送制御方式のインタフェースを示すブロック図である。
【図2】従来のデータ転送制御方式を示すブロック図である。
【図3】図2の各部タイムチャートである。
【図4】実施例のライトシーケンスを示すタイムチャートである。
【図5】実施例の転送する語と分割ブロックとの関係などを示す説明図である。
【図6】実施例のリードシーケンスを示すタイムチャートである。
【図7】実施例のステータス情報の構成を示す説明図である。
【図8】実施例のアンサコードの割付けを示す説明図である。
【図9】実施例のリセットシーケンス(その1)を示すタイムチャートである。
【図10】実施例のリセットシーケンス(その2)を示すタイムチャートである。
【図11】実施例の中央制御装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図12】実施例のプロセッサ及び通話路バス制御装置間で授受されるコマンドの構成を示す説明図である。
【図13】実施例のプロセッサ及び通話路バス制御装置間のリード系の正常時通信シーケンス図である。
【図14】実施例のプロセッサ及び通話路バス制御装置間のリード系の異常時通信シーケンス図である。
【図15】実施例のプロセッサ及び通話路バス制御装置間のライト系の正常時通信シーケンス図である。
【符号の説明】
11…中央制御装置、12…通話路装置、13…通話路バス、23…プロセッサ、26…通話路バス制御装置。
Claims (3)
- 中央制御装置から通話路バスを介して接続される通話路装置にオーダを与え、上記通話路装置から上記通話路バスを介して上記中央制御装置にオーダに対するアンサデータを与えるものであって、上記通話路バスが、複数の双方向データ線と、上記中央制御装置からの送信又は受信を示す送受切替信号線と、オーダの送受を定義する送信同期信号線と、アンサデータの送信を定義するアンサ同期信号線とを有する電子交換機において、
上記通話路バスは、転送データ間を識別する双方向の転送語数表示信号線と、転送シーケンスの属性を示すリード/ライト信号線と、通信先を示すコード化された情報が挿入されたオーダが上記データ線に存在中であることを示すアドレスストローブ信号線と、アンサデータが全オーダの実施状態を示すステータス情報であることを示すステータス信号線とをさらに有し、
論理的な転送単位である語は物理的にデータ線で決定されるブロックを単位に転送し、ステータス情報は少なくとも1個のブロックで転送し、
オーダは、上記送受切替信号を送信側として任意の語数を連続的に送信し、その後に送受切替信号を受信側として送信の終了を示し、
ライトシーケンスの場合には、ステータス信号と共にステータス情報を受信し、リードシーケンスの場合には、送出したオーダの語数を最大とするアンサデータと、ステータス信号及びステータス情報とを連続して受信し、
ステータス情報を受信したことによって、送受切替信号を送信側として通信シーケンスの終了を示すこと
を特徴とする複数データ一括転送制御方式。 - 上記送受切替信号を受信側から送信側に切替えることによって、リセットシーケンスを実施することを特徴とする請求項1に記載の複数データ一括転送制御方式。
- 上記中央制御装置は、ブロック転送命令のマイクロプログラム制御に従って転送を行なうプロセッサと、上記通話路バスとのインタフェースを行なう通話路バス制御装置とを備え、
上記プロセッサの転送を制御するマイクロプログラムが、
複数データのオーダ群を上記通話路バス上の転送語数単位に区切り、この転送語数ブロックをバースト転送によって送受信する機能部と、
ブロック転送内で閉じたデータ順序を示す語数表示と、上記ブロック転送単位毎の最終データにブロック終了表示を付加して送信する機能部と、
オーダ群の最終オーダであることを示す転送終了表示を付加して送信する機能部と、
オーダ群の送出種別を示すIN/OUT表示を付加して送信する機能部とを有する
ことを特徴とした請求項1に記載の複数データ一括転送制御方式。
Priority Applications (1)
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JP11681493A JP3606593B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 複数データ一括転送制御方式 |
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JPH06335042A JPH06335042A (ja) | 1994-12-02 |
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Family
ID=14696308
Family Applications (1)
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JPH06335042A (ja) | 1994-12-02 |
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