JP3606023B2 - 光モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信の分野で用いられる光ファイバと光半導体素子とを光学的に結合するための光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、送信用の光モジュールの光源として用いられる光半導体素子は、反射戻り光の影響を受けやすいことが知られている。つまり、反射戻り光が発光状態にある光半導体素子の活性層へ入射すると、反射戻り光と発振光との干渉が生じてレーザ発振が不安定となり、光出力の変化や発振スペクトルの変化等の現象を生じる。したがって、光半導体素子の発振を安定化させるためには、極力反射戻り光の入射を抑制する必要がある。
【0003】
また、送信用の光モジュールでは、着脱可能なフェルールが挿入されていないと、通電中の光半導体素子からの照射光がハウジングの開口部から外部に放射される。この照射光は人間の眼に害を及ぼすことがあるため、照射光漏れを防止するための何らかの保護機構が必要である。
【0004】
反射戻り光の対策を講じた光モジュールとしては、実開昭56−65677号公報に開示された技術が知られている。ここで、当該公報に開示された光モジュールの説明図を図14に示す。
【0005】
図14において、光半導体素子1から光ファイバ4に至る照射光の光路上には、第1のレンズ2、第2のレンズ3が順次配列されている。図示するように、第2のレンズ3の出射面は、第2のレンズ3を透過した照射光が半導体素子1の光軸線7に対して4度から8度程度傾いて出射されるように、斜めにカットされている。したがって、このように第2のレンズ3から光軸線7に対して斜め方向に出射される照射光に対応して、光ファイバ4の中心は光軸線7から距離Lだけオフセットして配置されている。これにより、光ファイバ4の入射面からの反射光が光半導体素子1へ帰還することを防止するものである。
【0006】
一方、人体の眼への保護機構としては、実開昭59−186812号公報に開示された技術が知られている。ここで、当該公報に開示された光モジュールの断面図を図15および図16に示す。図15は光プラグの抜去時の、図16は光プラグの挿入完了時の光モジュールをそれぞれ示している。
【0007】
これらの図面において、光ファイバ8を内蔵した光プラグ9は、光モジュールのケース12の一部をなす光コネクタ部10に形成された開口部を閉塞するように挿入される。ケース12にはリード線15が取り付けられており、ケース12内に設けられた電気信号の増幅素子14を介して光半導体素子13に給電される。ケース12の開口部に面して、光半導体素子13の設けられた内部を封止するガラス板11が設けられており、光半導体素子13からの照射光はガラス板11を透過して光ファイバ8に受光される。光コネクタ部10には照射光を遮蔽する遮蔽板16が枢軸17を回転軸として内方に回転自在に取り付けられている。この遮蔽板16は、スプリング(図示せず)によって開口部を閉塞する状態に保持されている。
【0008】
以上の構成を有する光モジュールによれば、抜去状態では、図15に示すように、遮蔽板16により開口部が閉塞されているので、光半導体素子13からの照射光はこの遮蔽板16に遮蔽されて外部への漏出が防止される。そして、このような抜去状態から、光プラグ9を光コネクタ部10に挿入すると、遮蔽板16は光プラグ9の進入に連れて枢軸17を軸として内方に向けて回転し、図16に示すように、光コネクタ部10の内壁に接触する位置まで回転する。このように光プラグ9の挿入で遮蔽板16による開口部の閉塞が解除されると、光半導体素子13からの照射光は光ファイバ8に受光可能となる。また、図16に示す挿入状態から光プラグ9を抜去すると、遮蔽板16はスプリングのバネ力により光プラグ9の後退に追随して当初の位置に回転復帰し、再び開口部が閉塞される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術では、以下に説明する問題点があった。
【0010】
前者の技術においては、光ファイバが光半導体素子の光軸線からオフセットした位置に配置されているため、光学的な結合効率の劣化が発生し、光モジュールの性能に個々のばらつきが大きかった。また、第2のレンズを斜めにカットして研磨するには作業者の熟練を要し、量産性に乏しくレンズ加工が高価なものになるため、光モジュールの低コスト化が困難になっていた。
【0011】
また後者の技術においては、照射光の漏出を防止するための特別な遮蔽機構を有していたために構造が複雑となって光モジュールの小型化が困難になるばかりでなく、低廉化も阻害していた。さらに、光プラグの着脱を繰り返すとスプリングや枢軸が疲労するため、信頼性が低下して遮蔽板が十分に開閉しないという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、光半導体素子と光ファイバとの安定した光学的結合を図りつつ光半導体素子に入射する反射戻り光の光量を抑制することのできる光モジュールを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、低コストのもとで光半導体素子に入射する反射戻り光の光量を抑制することのできる光モジュールを提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することのできる光モジュールを提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することのできる光モジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の光モジュールは、フェルールと嵌合するハウジングと、ハウジング内に設けられ、光軸線上に配置された光ファイバに長軸と短軸を有する楕円ビームを照射する光半導体素子と、光半導体素子の楕円ビームを透過するとともに光半導体素子を封止する光透過プレートと、光半導体素子からの楕円ビームが光ファイバの端面中央にて焦点を結ぶようにこれを集光する集光レンズと、光半導体素子から光ファイバに至る光路上に設けられ、楕円ビームの光量を減衰させるとともに楕円ビームの長軸方向における外周部の光をカットしパターン形成された光減衰手段とを備えた光モジュールであって、光減衰手段は、縞状のパターン、網目状のパターン、同心円状のパターン、長軸と短軸の長さの比が一定となる複数の楕円状のパターンまたは複数のピンホールのパターンで形成され、光減衰手段は、その中心部から周辺部に向かって、光減衰率が高くなるように構成されているものである。
【0017】
これにより、光半導体素子と光ファイバとの安定した光学的結合のもとで反射戻り光が光減衰手段により減衰されるため、光半導体素子へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になる。また、特に精密な機構を用いていないので、低コストのもとで光半導体素子に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になる。さらに、光半導体素子の照射光の光路上に光減衰手段を配することにより漏出する照射光を減衰しているので、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になる。そして、可動機構等を設けていないので、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、光ファイバを内蔵したフェルールが着脱可能に接続される光モジュールであって、フェルールと嵌合するハウジングと、ハウジング内に設けられ、光軸線上に配置された光ファイバに長軸と短軸を有する楕円ビームを照射する光半導体素子と、光半導体素子の楕円ビームを透過するとともに光半導体素子を封止する光透過プレートと、光半導体素子からの楕円ビームが光ファイバの端面中央にて焦点を結ぶようにこれを集光する集光レンズと、光半導体素子から光ファイバに至る光路上に設けられ、楕円ビームの光量を減衰させるとともに楕円ビームの長軸方向における外周部の光をカットしパターン形成された光減衰手段とを備えた光モジュールであって、光減衰手段は、縞状のパターン、網目状のパターン、同心円状のパターン、長軸と短軸の長さの比が一定となる複数の楕円状のパターンまたは複数のピンホールのパターンで形成され、前記光減衰手段は、その中心部から周辺部に向かって、光減衰率が高くなるように構成されていることを特徴とする光モジュールとを備えたものであり、光半導体素子へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になるという作用を有する。また、低コストのもとで光半導体素子に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になるという作用を有する。さらに、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。そして、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。また、パターンのピッチや幅等を変えることで任意の光透過率を得ることができ、所望のレベルに照射光を減衰することが可能になるという作用を有する。更に光半導体素子からの照射光の高次モードをカットして光軸近傍に強度が集中した分布に変換することができ、品質の高い伝送特性を得ることが可能になるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、光減衰手段の透過率が10〜30%である光モジュールであり、光発振を安定化させつつ照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1記載の発明において、光減衰手段が、光透過プレートと集光レンズとの間、または集光レンズと光ファイバとの間に配置されている光モジュールであり、光半導体素子へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になるという作用を有する。また、低コストのもとで光半導体素子に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になるという作用を有する。さらに、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。そして、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1記載の発明において、光減衰手段が、光透過プレートまたは集光レンズの一方側の面に形成されている光モジュールであり、光半導体素子へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になるという作用を有する。また、低コストのもとで光半導体素子に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になるという作用を有する。さらに、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。そして、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという作用を有する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図7を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0025】
図1は本発明の一実施の形態である光モジュールを示す断面図、図2は光ファイバに内蔵されたフェルールを示す断面図、図3〜図7は光減衰手段の形成パターンの一例を示す説明図、図8は光半導体素子による照射光の放射パターンを示す説明図、図9〜図13は光減衰手段の形成パターンの変形例を示す説明図である。
【0026】
図1に示すように、ハウジング31の開口端にはステム23が取り付けられている。またハウジング31の内部には、たとえば半導体レーザや発光ダイオードなどの光半導体素子21が配置されている。光半導体素子21は動作時における発熱を抑制するためのヒートシンク22に搭載されており、このヒートシンク22は前述のステム23に保持されている。
【0027】
ステム23には、光半導体素子21を囲むようにしてキャン24が抵抗溶接等で固定されている。キャン24には窓25が形成されている。窓25には、ガラス等で構成されて光半導体素子21の照射光を透過する光透過プレート26が取り付けられており、この光透過プレート26によって光半導体素子21は封止され、外気と遮断されている。光半導体素子21の光軸線上には、光半導体素子21から照射されて光透過プレート26を透過した光を集光するための集光レンズ28が配置されている。
【0028】
集光レンズ28からの光が導かれるハウジング31の開口部32には、図2に示すフェルール30が着脱可能に嵌合される。図2に示すように、フェルール30には、その中心軸上に光ファイバ29が内蔵されている。そして、フェルール30が開口部32に嵌合されることにより、光ファイバ29は、集光レンズ28で集光された光が焦点を結ぶ位置にその端面の中心がくるような光半導体素子21の光軸線上に位置決めされる。なお、フェルール30は、たとえばアルミナやジルコニアで構成される。
【0029】
ここで、光透過プレート26と集光レンズ28との間には、光半導体素子21からの照射光を減衰する光減衰手段27が配置されている。この光減衰手段27は、平担なガラス等の基板上に、蒸着あるいはスパッタにより金属あるいは誘電体を積層したものであり、たとえば図3〜図7に示されるパターンが形成されている。
【0030】
すなわち、図3は縞状のパターン、図4は網目状のパターン、図5は同心円状のパターン、図6は楕円状のパターン、図7は複数のピンホールのパターンであり、これらの図において黒塗り部分が光減衰領域になる。これらのパターンにおいては、パターンの幅やピッチを変えることにより任意の透過率を得ることができ、照射光を容易に所望のレベルに減衰することができる。なお、これらのパターンは、金属や誘電体ではなく、塗料による塗布によって形成してもよい。
【0031】
次に、このような光モジュールの動作について説明する。
光半導体素子21に駆動電流が供給されると、当該光半導体素子21から光が照射される。この照射光は光透過プレート26を透過し、集光レンズ28に集光されて光ファイバ29の端面中央にて焦点を結ぶ。
【0032】
ここで、本実施の形態の光モジュールの光減衰作用について説明する。
フェルール30が光モジュールから取り外された場合には、光半導体素子21から放射された光がハウジング31の開口部32より外部に漏出するが、放射パワーの大きさによってはこの漏出光が眼に対して有害なものになりうる。このため、許容される外部放射パワーの大きさは、各国の安全規格によって厳密に制約されている。
【0033】
外部放射パワーを低くするためには光半導体素子21の発光パワーを低下させればよいが、単に光半導体素子21の発光パワーを低減させると光発振が不安定になりやすい。光半導体素子21として短波長光半導体素子を用いた場合、発光パワーの大きさと光の信号対雑音比(以下S/N比)との関係を実験的に求めると、発光パワーが1mW以上でS/N比の値はほぼ安定してくることが解っている。このことから、光半導体素子21の発光パワーを1mW以上としてS/N比の向上を行いつつ、その一方で、前述した光減衰手段27を用いて光を減衰して眼に対する安全を確保することが必要となってくる。
【0034】
光減衰手段27の好適な透過率は、S/N比を満足する光半導体素子21の発光パワーの目標値と、安全性を確保できる外部放射パワーの目標値とから求められる。短波長光半導体素子を用いた場合、発光パワーはS/N比の要求より1mW以上が望ましいが、高すぎても効果が上がらず、発熱により寿命の低下を引き起こす。一方、外部放射パワーは、安全上から0.3mWよりも低い値に設定されなければならない。このことから、光減衰手段27の透過率は10〜30%であることが望ましい。
【0035】
次に、光ファイバ29の入射端面からの反射戻り光について考える。
通常、光ファイバ29からの反射戻り光の光量は4%程度である。そして、このわずかな値の光が光半導体素子21へ帰還することにより光発振が不安定になる。ところで、光減衰手段27の透過率をたとえば20%とすると、本実施の形態の光モジュールは光半導体素子21から放射された光の光量は、光減衰手段27を透過した後は20%になる。光ファイバ29ではこの20%のうちの4%が反射され、再び光減衰手段27を通ることでさらに4%のうちの20%が光半導体素子21に帰還する。したがって、最終的な光半導体素子への帰還光量は、0.2×0.04×0.2=0.0016より、0.16%となる。この値は、光減衰手段27を設けない場合に比べると14dBの改善である。したがって、光減衰手段27を設けることにより、光半導体素子の発振を安定的に行うことが可能になる。
【0036】
このように、本実施の形態の光モジュールによれば、光半導体素子21と光ファイバ29との安定した光学的結合のもとで反射戻り光が光減衰手段27により減衰されるため、光半導体素子21へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になる。これにより、光半導体素子21の発振を安定的に行うことが可能になる。
【0037】
また、特に精密な機構を用いていないので、低コストのもとで光半導体素子21に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になる。
【0038】
さらに、光減衰手段27により漏出する照射光を減衰しているので、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になる。
【0039】
そして、可動機構等を設けていないので、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になる。
【0040】
ここで、光減衰手段27は、その中心部から周辺部に向かって光減衰率が高くなるように構成することができる。
【0041】
具体的には、図9に示す縞状のパターンにおいては、中心部から周辺部に向かって徐々に光透過領域が狭くなっており、垂直方向の最外周部では、殆ど光を透過しないパターンとなっている。また、図10に示す網目状のパターンにおいては、中心部から周辺部に向かって徐々に光透過領域が狭くなって水平・垂直方向の最外周部は殆ど光を透過しないパターンとなっており、水平・垂直方向の高次モードをカットするようにパターンが形成されている。図11に示す同心円状のパターンにおいては、中心部から周辺部に向かって徐々に光透過領域が狭くなって水平・垂直方向の最外周部は殆ど光を透過しないパターンとなっており、水平・垂直方向の高次モードをカットするようにパターンが形成されている。図12に示す長軸と短軸の長さの比が一定となる複数の楕円状のパターンにおいては、中心部から周辺部に向かって徐々に光透過領域が狭くなって水平・垂直方向の最外周部は殆ど光を透過しないパターンとなっており、水平・垂直方向の高次モードをカットするようにパターンが形成されている。そして、図13に示す複数のピンホールのパターンにおいては、中心部から周辺部に向かって徐々に光透過領域が狭くなって水平・垂直方向の最外周部は殆ど光を透過しないパターンとなっており、水平・垂直方向の高次モードをカットするようにパターンが形成されている。
【0042】
このように中心部から周辺部に向かって光減衰率が高くなるように光減衰手段27を構成することにより、次のような新たな効果を得ることができる。
【0043】
つまり、光半導体素子21が短波長光半導体素子のとき、光半導体素子21からの放射光は図8に示す様な楕円ビームとなり、水平方向と垂直方向のビーム径の比は1対4程度となる。このようなビームの広がりを持つ放射光を光ファイバ29へ効率よく入射させるためには、一般的にはレンズを用いて光を集光させることが行われている。しかしながら、レンズを用いてもビーム径の比が変わることはないので、垂直方向は水平方向に比べて、大きな角度で光ファイバ29に入射されることになる。
【0044】
光ファイバ29がマルチモードファイバのとき、光ファイバ29中には多くのモードの光が伝搬され、光ファイバ29の光軸線に対して入射角の小さな光(低次モード)と入射角の大きな光(高次モード)とが存在する。そして、低次モードと高次モードでは光ファイバ中の伝搬速度が異なる。このため、長距離伝搬後では低次モードと高次モードとの間で位相差が現れ、検出器側でのジッタの原因となりうる。
【0045】
しかし、本実施の形態に示すような光減衰手段27を用い、この光減衰手段27に図8に示す放射光を入射させると、水平方向の光は相対的に光量が減衰されるのみであるが、垂直方向においては光量が減衰されるとともに、外周部の光、すなわち高次モードの光がカットされて光軸近傍に強度が集中した分布に変換される。これにより、低次モードと高次モードの位相差が小さくなり、品質の高い伝送特性を得ることが可能になる。
【0046】
光減衰手段27を半透明にしてこの光減衰手段27全体で一様な透過率とすることもできるが、高次モードをカットして品質の高い伝送特性を得るためには、このように縞、網目、同心円、楕円、ピンホールのパターンを採用した方が好ましい。
【0047】
なお、本発明の実施の形態では、光減衰手段27は光透過プレート26と集光レンズ28との間に配置されているが、集光レンズ28と光ファイバ29との間に配置することもできる。また、光減衰手段27の基板にはガラスが用いられているが、ガラス以外の透明性を有する種々の部材を用いることもできる。さらには、厚肉の金属の基板上に機械加工、エッチング等により直接パターンを形成してもよい。
【0048】
そして、光減衰手段はこのように他の部材と別体になっているのではなく、集光レンズ28の一方面、あるいは光透過プレート26の一方面に成膜されていてもよい。すなわち、光減衰手段は、他の部材と別体あるいは一体となって、光半導体素子21から光ファイバ29に至る光路上に設けられていればよい。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、光半導体素子と光ファイバとの安定した光学的結合のもとで反射戻り光が光減衰手段により減衰されるため、光半導体素子へ帰還する反射戻り光の光量を極めて小さく抑制することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0050】
これにより、光半導体素子の発振を安定的に行うことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0051】
また、本発明によれば、特に精密な機構を用いていないので、低コストのもとで光半導体素子に帰還する反射戻り光の光量を抑制することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0052】
さらに、本発明によれば、光半導体素子の照射光の光路上に光減衰手段を配することにより漏出する照射光を減衰しているので、低コストのもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0053】
そして、本発明によれば、可動機構等を設けていないので、高い信頼性のもとで照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0054】
光減衰手段の透過率を10〜30%にすることにより、光発振を安定化させつつ照射光の漏出による危険を防止することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0055】
光減衰手段を所定のパターンで形成することにより、パターンのピッチや幅等を変えることで任意の光透過率を得ることができ、所望のレベルに照射光を減衰することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0056】
中心部から周辺部に向かって光減衰率が高くなるように光減衰手段を構成することにより、光半導体素子からの照射光の高次モードをカットして光軸近傍に強度が集中した分布に変換することができ、品質の高い伝送特性を得ることが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である光モジュールを示す断面図
【図2】光ファイバに内蔵されたフェルールを示す断面図
【図3】光減衰手段の形成パターンの一例を示す説明図
【図4】光減衰手段の形成パターンの他の一例を示す説明図
【図5】光減衰手段の形成パターンのさらに他の一例を示す説明図
【図6】光減衰手段の形成パターンのさらに他の一例を示す説明図
【図7】光減衰手段の形成パターンの他の一例を示す説明図
【図8】光半導体素子による照射光の放射パターンを示す説明図
【図9】光減衰手段の形成パターンの変形例を示す説明図
【図10】光減衰手段の形成パターンの他の変形例を示す説明図
【図11】光減衰手段の形成パターンのさらに他の変形例を示す説明図
【図12】光減衰手段の形成パターンのさらに他の変形例を示す説明図
【図13】光減衰手段の形成パターンのさらに他の変形例を示す説明図
【図14】従来の光モジュールの一例を示す説明図
【図15】従来の光モジュール他の一例を示す断面図
【図16】図15の光モジュールにおける光プラグの挿入時の状態を示す断面図
【符号の説明】
21 光半導体素子
26 光透過プレート
27 光減衰手段
28 集光レンズ
29 光ファイバ
30 フェルール
31 ハウジング

Claims (4)

  1. 光ファイバを内蔵したフェルールが着脱可能に接続される光モジュールであって、
    前記フェルールと嵌合するハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、光軸線上に配置された前記光ファイバに長軸と短軸を有する楕円ビームを照射する光半導体素子と、
    前記光半導体素子の楕円ビームを透過するとともに前記光半導体素子を封止する光透過プレートと、
    前記光半導体素子からの楕円ビームが前記光ファイバの端面中央にて焦点を結ぶようにこれを集光する集光レンズと、
    前記光半導体素子から前記光ファイバに至る光路上に設けられ、前記楕円ビームの光量を減衰させるとともに前記楕円ビームの長軸方向における外周部の光をカットしパターン形成された光減衰手段とを備えた光モジュールであって、
    光減衰手段は、縞状のパターン、網目状のパターン、同心円状のパターン、長軸と短軸の長さの比が一定となる複数の楕円状のパターンまたは複数のピンホールのパターンで形成され、前記光減衰手段は、その中心部から周辺部に向かって、光減衰率が高くなるように構成されていることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記光減衰手段の透過率は、10〜30%であることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
  3. 前記光減衰手段は、前記光透過プレートと前記集光レンズとの間、または前記集光レンズと前記光ファイバとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
  4. 前記光減衰手段は、前記光透過プレートまたは前記集光レンズの一方側の面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
JP28496197A 1997-10-17 1997-10-17 光モジュール Expired - Fee Related JP3606023B2 (ja)

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