JP3605485B2 - フオトマスク用エッチング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フオトマスクのドライエッチング装置に関し、特に除電機構部を備えたドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI、超LSI、ASIC等の高密度半導体集積回路の製造は、従来、シリコンウエハ等の被加工基板上に電離放射線に感度を有するレジストを塗布し、そのレジストをステッパーないしアライナー等でマスクパターン原版の像を露光した後、現像して所望のレジストパターンを得て、このレジストパターンをマスクとして、基板のエッチング、ドーピング処理、薄膜の成膜、リフトオフ等のリソグラフィー工程を行っていた。
上記のような、レジストパターンの作成に用いられるマスクパターン原版は、一般にはフオトマスクと呼ばれ、露光光に透明な基板上に露光光に遮光性をもつ遮光膜パターンを設けたものてある。そして、遮光膜パターンの像をレジストに露光転写するのである。シリコンウエハ上のレジストへは、通常、ステッパーの場合は、マスクパターン原版の像を1/5ないし1/10に縮小して、アライナーの場合は、マスクパターン原版の像を1:1で露光転写している。
近年、半導体集積回路の集積度が上がり、特にメモリーの一つであるDRAMは64Mビットが実用レベルになってきているが、この64MDRAMの最小寸法は0.30μm程度で、従来のi線ステッパー露光方法ではレジストパターンの解像限界を超える領域にまできている。
このため、解像を上げるために、露光光源の短波長化、転写レンズの高NA化、輪帯照明法を代表とする超解像法やフオトマスクを使用しない電子線直接描画、位相シフトマスクを用いる露光方法等が実施されるようになってきた。
【0003】
このような状況において、フオトマスクに対してますます微細化加工が求められ、通常のフオトマスクの作製は、露光光に透明な基板上に設けられた露光光に遮光性のあるクロム等の金属薄膜を遮光膜上にレジストパターンを形成した後に、遮光膜をエッチングして遮光膜パターンを形成することにより行われるが、エッチング液を用いた遮光膜のエッチング法に代わり、エッチング用のガスを用いたドライエッチング法が微細加工の面で重要視されるようになってきた。
また、種々の位相シフトフオトマスク作製においてもドライエッチング法が用いられている。例えば、半導体素子作製のためのコンタクトレイヤーにハーフトーン位相シフトフオトマスク実用化されているが、このハーフトーン位相シフトフオトマスクのハーフトーン材料としてはクロム化合物の単層膜や多層膜、MoSi(モリブデンシリサイド)化合物の単層膜や多層膜が用いられており、これらの加工にドライエッチング法が採用されている。
尚、以降通常のフオトマスクをノーマルマスクとも言う。
【0004】
しかし、上記ノーマルマスクおよびハーフトーン位相シフトフオトマスクのドライエッチングを行う際には、基板をエッチング装置内のエッチングテーブル(エッチング電極)の上に置き、エッチング中は基板表面(クロム面等)とテーブルとは、基板材(通常合成石英を基板材とする)により絶縁されており、エッチング中は基板表面はプラズマ中の電子とイオンの移動差により負に帯電するため、これに起因してパターン破壊が発生することがあり、問題となっている。
上記のように、エッチング中は基板表面はプラズマ中の電子とイオンの移動差により負に帯電するため、基板周辺あるいは側面に搬送アームあるいは人体が接触すると周辺(クロム等)に帯電していた電荷がアースに落ち、クロム等のパターンの電荷は0となる。この時、孤立パターンがあると孤立パターンと周辺パターンとの間に電位差が生じパターン破壊が発生することがある。また、中心パターンと周辺パターンのつながっている部分が非常に細い場合、帯電していた電荷がアースに落ちるときにその部分を通る電流量が大きくなり、その部分のパターンが溶解することもある。
特に、パターンサイズがマスク上で2.0μm以下になるとこの現象は無視できなくなり、問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、フオトマスクのドライエッチング方法においては、帯電によるパターンの破壊が問題となっており、その対応が求められていた。
本発明は、このような状況のもと、フオトマスクのドライエッチング装置であって、帯電によるパターンの破壊を防止できるように、除電機構部を備えたドライエッチング装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明フオトマスク用エッチング装置は、フオトマスクをドライエッチングするエッチング装置であって、基板の除電を行うための除電機構部を備えているもので、該除電機構部は、基板の表面に軟X線を照射して軟X線により大気中の分子をイオン化させて、基板の除電を行うもので、軟X線照射部を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記において、プラズマ処理を行う場所と除電機構部により除電を行う場所との間で基板を搬送する搬送部の少なくとも基板と接する部分が絶縁材により形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
本発明フオトマスク用エッチング装置は、このような構成にすることにより、このような状況のもと、フオトマスクのドライエッチング装置で、帯電によるパターンの破壊を防止できるドライエッチング装置の提供を可能としている。
具体的には、除電機構部は、軟X線により大気中の分子をイオン化させて、基板の除電を行うもので、軟X線照射部を備えていることによりこれを達成している。
【0008】
【実施例】
本発明フオトマスク用エッチング装置の実施例を挙げる。
先ず、実施例1のフオトマスク用エッチング装置を挙げる。
図1(a)は実施例1のフオトマスク用エッチング装置の概略図で、エッチング後に帯電された基板110をエッチングチャンバー140から搬送アーム130により取り出し、軟X線照射部120により軟X線122を照射している状態を示しており、図1(b)は基板110をエッチングチャンバー140内でドライエッチングしている状態を示している。
図1中、100はエッチング装置、110は基板、120は軟X線照射部(除電機構部)、122は軟X線、124は軟X線照射部用電源、130は搬送アーム、150はエッチング部、151はエッチングチャンバー、152はエッチング電極(テーブル)、152Aは絶縁材、153は対抗電極、154はRF電源、155はアース、156は排気ポート、157は排気、158はガス導入口、159はゲートバルブである。
実施例1のエッチング装置100は、除電機構部として軟X線照射部120を備えたものであり、図1(b)の状態でドライエッチングされた後、エッチングチャンバー151を大気に解放して、ゲートバルブ159を開き、搬送アーム130により、基板110を取り出し、軟X線照射部120により基板110の表面に軟X線122を照射して、エッチング時に帯電された基板110の表面の電荷を中和することにより除電を行うものである。
【0009】
搬送アーム130の基板110を載置する箇所等、基板110に接する部分は高分子、セラミックなどの絶縁性の材質で作られていることが望ましい。
軟X線照射部120の数は、位置、基板110との距離に制限はない。必要に応じ複数設けても良い。基板110との距離は10〜100cmが望ましい。
【0010】
実施例1はエッチング部150は反応性イオンエッチングを行うものであるが、エッチング部としては、ECR(Electron Cyclotron Resonsnce)、ICP(Inductively Coupled Plasma)、TCP(Transferred Coupled Plasma)、ヘリコン波という高密度プラズマ源を用いたエッチング部でも良い。
【0011】
尚、ゴミ等の異物の付着を考慮して、軟X線照射部は基板の上にはこない位置に設けることが望ましい。
【0012】
次に、参考実施例1を挙げる。
図2は参考実施例1のフオトマスク用エッチング装置の概略図で、図2中、200はエッチング装置、210は基板、220はUV照射部(除電機構部)、222はUV光源、224はUV透過窓、226はUV光、250はエッチング部、251はエッチングチャンバー、252はエッチング電極(テーブル)、252Aは絶縁材、253は対抗電極、254はRF電源、255はアース、256は排気ポート、257は排気、258はガス導入口である。
尚、図2においては、エッチング部250の基板210出し入れ用のゲートバルブや搬送アーム等は省略してある。
【0013】
参考実施例1の装置は、除電機構部としてUV照射部220を用いたもので、ドライエッチング後、UV照射部220により、エッチングチャンバー251内の残留分子をイオン化するもので、イオン化された分子(ブラスイオン)が基板210の表面にあたることにより、基板210表面のエッチング時に帯電された電荷を中和して除電するものである。エッチング部250の構造は、実施例1と基本的に同じである。
実施例1のように、ドライエッチング後にエッチングチャンバー251内を大気に解放せず、ドライエッチング後にエッチングチャインバー251内をガスで満たし、圧力を1〜1000mTorrと設定し、UV光226をUV透過窓224を通過させてエッチングチャインバー251内に照射し、エッチングチャインバー251内をガスをイオン化させる。
圧力を1〜1000mTorrと設定するためのガスとしては、エッチングガス、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノンといった不活性ガス、酸素、大気の単体あるいは混合ガスでもかまわない。
照射するUV光226の、量や照射時間には特に制限はない。
尚、UV照射部220の数、位置、基板との距離に制限はなく必要に応じて決める。
【0014】
UV照射部220はUV光源222から放出されたUV光226をUV透過窓224を通しエッチングチャンバー251内に照射するものである。
UV光源222としては、図4(a)に示す重水素ランプ410を用いた。
重水素ランプ410は、図4(a)に示すように周辺部を窒素あるいはアルゴンといった不活性ガスからなる置換ガス430で置換されている構造である。他には図4(b)のような重水素ランプ410とUV透過窓430(224)とが一体化した構造が望ましい。
また、UV透過窓430(224)は100〜400nmの波長の光を透過するMgF2 、CaF2 、Quartz、サファイアセラミックスといった材料が望ましい。
【0015】
図2はエッチングチャンバーが1つのシングルチャンバー方式であるが、ロードロック機構を備えたマルチチャンバー方式のものでも良い。
また、参考実施例1はエッチング部250は反応性イオンエッチングを行うものであるが、エッチング部としては、ECR(Electron Cyclotron Resonsnce)、ICP(Inductively CoupledPlasma)、TCP(Transferred Coupled Plasma)、ヘリコン波という高密度プラズマ源を用いたエッチング部でも良い。
【0016】
次に、参考実施例2を挙げる。
図3は参考実施例2のフオトマスク用エッチング装置の概略図で、図3中、300はエッチング装置、310は基板、320はUV照射部(除電機構部)、322はUV光源、324はUV透過窓、326はUV光、330は搬送アーム、350はエッチング部、351はエッチングチャンバー、352はエッチング電極(テーブル)、352Aは絶縁材、353は対抗電極、334はRF電源、355はアース、356は排気ポート、357は排気、358、358Aはガス導入口、359はゲートバルブ、360はトランスファーチャンバーである。尚、図3においては、トランスファーチャンバー360からの基板310出し入れ用のゲートバルブ等は省略してある。
【0017】
参考実施例2の装置は、参考実施例1の場合と同様除電機構部としてUV照射部220を用いたものであるが、ドライエッチング処理後、基板310をトランスファチャンバー360内へ取り出し、ここで基板310の除電を行うものである。エッチング部350の構造は実施例1、参考実施例1と基本的に同じである。
本参考実施例の場合は、ドライエッチング後もエッチングチャンバー251内を大気に解放せず真空状態としておき、真空状態としてあるトランスファーチャンバー360との間のゲートバルブ359を開き、搬送アーム330により基板310をエッチングチャンバー251からトランスファーチャンバー360内へ移動させた後に、トランスファーチャンバー360内にて基板310の除電を行うものである。基板310をトランスファーチャンバー360内へ移動させた後、トランスファーチャンバー360内をガスで満たし、圧力を1〜1000mTorrと設定し、UV光226をUV透過窓224を通過させてエッチングチャインバー251内に照射し、エッチングチャインバー251内をガスをイオン化させる。
圧力を1〜1000mTorrと設定するためのガスとしては、エッチングガス、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノンといった不活性ガス、酸素、大気の単体あるいは混合ガスでもかまわない。そして、イオン化された分子(ブラスイオン)が基板310の表面にあたることにより、基板310表面のエッチング時に帯電された電荷を中和する。
【0018】
UV照射部220としては、参考実施例1と同様のもので良く、使用の仕方も参考実施例1と同様である。
【0019】
図3はエッチングチャンバーが2つのデュアルチャンバー方式であるが、ロードロック機構を備えたマルチチャンバー方式のものでも良い。
また、参考実施例2はエッチング部350は反応性イオンエッチングを行うものであるが、エッチング部としては、ECR(Electron Cyclotron Resonsnce)、ICP(Inductively CoupledPlasma)、TCP(Transferred Coupled Plasma)、ヘリコン波という高密度プラズマ源を用いたエッチング部でも良い。
【0020】
【効果】
本発明は、上記の通り、フオトマスクのドライエッチング装置であって、帯電によるパターンの破壊を防止できる装置の提供を可能としている。
詳しくは、軟X線照射部をドライエッチングを行った後の基板の除電を行う除電機構部とし、ドライエッチングによる基板の帯電に起因するパターンの破壊を防止できるものとしている。
この結果、フオトマスクの微細化に対応できるドライエッチングを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフオトマスク用エッチング装置の概略図
【図2】参考実施例1のフオトマスク用エッチング装置の概略図
【図3】参考実施例2のフオトマスク用エッチング装置の概略図
【図4】UV光源222としての重水素ランプを説明するための図
【符号の説明】
100、200、300 エッチング装置
110、210、310 基板
120 軟X線照射部(除電機構部)
122 軟X線
124 軟X線照射部用電源
130、330 搬送アーム
150、250、350 エッチング部
151、251、351 エッチングチャンバー
152、252、352 エッチング電極(テーブル)
152A、252A、352A 絶縁材
153、253、353 対抗電極
154、254、354 RF電源
155、255、355 アース
156、256、356 排気ポート
157、257、357 排気
158、258、358、358A ガス導入口
159、359 ゲートバルブ
220、320 UV照射部(除電機構部)
222、322 UV光源
224、324 UV透過窓
226、326 UV光
360 トランスファーチャンバー
410 重水素ランプ
420 UV透過窓
430 置換ガス
Claims (2)
- フオトマスクをドライエッチングするエッチング装置であって、基板の除電を行うための除電機構部を備えているもので、該除電機構部は、基板の表面に軟X線を照射して軟X線により大気中の分子をイオン化させて、基板の除電を行うもので、軟X線照射部を備えていることを特徴とするフオトマスク用エッチング装置。
- 請求項1において、プラズマ処理を行う場所と除電機構部により除電を行う場所との間で基板を搬送する搬送部の少なくとも基板と接する部分が絶縁材により形成されていることを特徴とするフオトマスク用エッチング装置。
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JP28594096A JP3605485B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | フオトマスク用エッチング装置 |
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