JP3605333B2 - 複合誘電体基板、ならびにプリプレグ、金属箔塗工物および成形物 - Google Patents

複合誘電体基板、ならびにプリプレグ、金属箔塗工物および成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波領域での使用に適し、特に誘電率と誘電正接が広範囲に制御できることから、電子部品や回路基板に用いられるのに適した複合誘電体基板に関する。さらには、こうした基板の作製に用いられるプリプレグ、銅箔等の金属箔塗工物および成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化社会のなかで無線通信分野において、特に衛星放送、衛星通信、さらに移動無線等において、マイクロ波、ミリ波の高周波化が進んでいる。このため、高周波回路プリント配線板としては高速伝搬、良好な特性インピーダンス、配線板の薄型化、クロストークの減少などを目的として低誘電率配線板の開発を行ってきた。
【0003】
その一方高速コンピュータやマイクロウェーブ回路、遅延回路の形成、インピーダンスの整合、配線パターンの細密化、コンデンサ機能を持たせた基板素子の要求から高誘電率基板が必要とされている。
【0004】
従来、これらの用途に対しては積層板やプリント配線板用のエポキシ樹脂等または低誘電率樹脂であるポリフェニレンエーテル樹脂等に高誘電率のセラミックス粉末を添加し、ガラス布もしくはガラス不織布に含浸乾燥して得たプリプレグを積層成形してなる高誘電率の基板が提案されている。
【0005】
ところが、従来の積層板やプリント配線板用のエポキシ樹脂等の一般的熱硬化性樹脂に高誘電率の高周波セラミックスを添加しただけでは誘電正接が低くはならない。また、低誘電率樹脂のポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂に高誘電率の充填剤を添加した場合、誘電正接は低くなるが高誘電率を得るために充填剤の添加量が増加してしまい、積層板のドリル加工性、切削加工性の低下および寸法変化が大きくなる等の問題が生じる。
【0006】
一方、特開平9−31006号公報には、広い周波数領域で良好で一定で、かつ温度や吸湿性に依存しにくい誘電特性を示し、さらに耐熱性にも優れるポリビニルベンジルエーテル化合物を重合ないし硬化させた樹脂が示されている。このものは、低誘電率、低誘電正接を有したものであるが、上述のとおり、高誘電率が要求される用途などがあり、こうした種々の要求特性を満たすものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこれらの欠点を改良し、高周波領域での使用に適し、この領域で高誘電率、低誘電正接であるなど、使用目的に応じた誘電特性が得られる複合誘電体基板を提供することであり、さらには、このような複合誘電体基板の作製に用いられるプリプレグ、銅箔塗工物および成形物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の諸事項を特徴とするものである。
(1) 樹脂中に誘電体セラミックス粉末を分散させた複合誘電体基板において、
前記樹脂が下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物から得られたものであり、
前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、
100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
【0009】
【化6】
【0010】
[式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
(2) 下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物と、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm である誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーをクロス基材に塗工し、乾燥して得られるプリプレグであって、
前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であるプリプレグ。
【0011】
【化7】
【0012】
[式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
(3) クロス基材がガラスクロスである上記(2)のプリプレグ。
(4) ガラスクロスが布質量40g/m2以下、厚み50μm 以下である上記(3)のプリプレグ。
(5) 上記(2)〜(4)のいずれかのプリプレグを加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
(6) 上記(2)〜(4)のいずれかのプリプレグを金属箔間にはさんで加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる両面金属張りした複合誘電体基板。
(7) 下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物と、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm である誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを金属箔上に塗工し、乾燥して得られた金属箔塗工物でクロス基材の両面を、塗工面とクロス基材とが接するように挟持した状態で加熱し加圧して得られる両面金属張りした複合誘電体基板であって、
前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
【0013】
【化8】
【0014】
[式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
(8) クロス基材がガラスクロスである上記(7)の複合誘電体基板。
(9) ガラスクロスが布質量40g/m2以下、厚み50μm 以下である上記(8)の複合誘電体基板。
(10) 上記(7)〜(9)のいずれかの複合誘電体基板に用いられる金属箔塗工物。
(11) 金属箔が銅箔である上記(10)の金属箔塗工物。
(12) ポリビニルベンジルエーテル化合物と誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを乾燥し、加圧して得られる複合誘電体基板であって、
前記ポリビニルベンジルエーテル化合物が下記式(1)で表され、
前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
【0015】
【化9】
【0016】
[式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
(13) ポリビニルベンジルエーテル化合物と誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを乾燥し、成形して得られた成形物の両面を金属箔で挟持した状態で加熱し、加圧して得られる両面金属張りした複合誘電体基板であって、
前記ポリビニルベンジルエーテル化合物が下記式(1)で表され、
前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
【0017】
【化10】
【0018】
[式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
(14) 上記(12)または(13)の複合誘電体基板に用いられ、前記スラリーを乾燥させて成形して得られた成形物。
(15) 金属箔が銅箔である上記(6)、(7)、(8)、(9)または(13)の複合誘電体基板。
(16) 上記(2)、(3)もしくは(4)のプリプレグ、請求項10もしくは11の金属箔塗工物、上記(14)の成形物、または上記(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(13)もしくは(15)の複合誘電体基板を用いて加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる多層構成の複合誘電体基板。
【0019】
なお、特開平9−31006号公報には、ポリビニルベンジルエーテル化合物を、他の種々の充填剤や強化繊維を配合し、成形材料や複合材料とすることができる旨の記載があり、充填剤としてアルミナや二酸化チタン、チタン酸バリウムウィスカーなども挙げられているが、その配合量については全く示されていない。
また、ポリビニルベンジルエーテル化合物を溶剤に溶解したものをガラス繊維等に含浸させてプリプレグとする旨の記載はあるが、誘電体セラミックス粉末を所定量溶剤中に共存させたものを含浸させる旨の記載はない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】
本発明の複合誘電体基板は、ポリビニルベンジルエーテル化合物を重合ないし硬化させたものをベースレジンとし、ポリビニルベンジルエーテル化合物に誘電体セラミックス粉末を分散させたスラリーをガラスクロス等のクロス基材に塗工し乾燥して得られたプリプレグや、上記スラリーを塗工し乾燥して得られた銅箔等の金属箔(金属箔塗工物)、あるいは上記スラリーを乾燥し、成形して得られた成形物、さらには銅箔等の金属箔やガラスクロス等のクロス基材などを適宜組み合わせて、これらを加熱、加圧させることにより得られる。これらの基板は、その組合せにより、銅箔等の金属箔を両面に有するものや有しないものとすることができ、さらには多層化も可能である。
【0022】
本発明の複合誘電体基板は100MHz以上、さらには500MHz以上、特に1〜60GHzの高周波領域の使用に適する。このような高周波領域において、比誘電率は4〜40程度、Qは40〜500程度であり、誘電率およびQ特性の広範囲にわたる制御が可能である。このため、使用目的に応じた誘電特性の選択を行うことができる。
【0023】
本発明に用いるポリビニルベンジルエーテル化合物は、式(1)で表される。
【0024】
【化11】
【0025】
式(1)中、Rはメチル基またはエチル基を表す。
【0026】
は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表す。Rで表される炭化水素基は、各々置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、等である。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等であり、アラルキル基としてはベンジル基等であり、アリール基としてはフェニル基等である。
【0027】
は水素原子またはビニルベンジル基を表し、水素原子は式(1)の化合物を合成する場合の出発化合物に由来するものであり、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100が好ましく、より好ましくは40:60〜0:100である。
【0028】
nは2〜4の数である。
【0029】
なお、Rの水素原子とビニルベンジル基とのモル比を上記範囲とすることにより、誘電体を得る際の硬化反応を十分に進行させることができ、また十分な誘電特性を得ることができる。これに対し、Rが水素原子である未反応物が多くなると硬化反応が十分に進行しなくなり、十分な誘電特性が得られなくなる。
【0030】
式(1)で表される化合物の具体例をR等の組合せで以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0031】
【化12】
【0032】
式(1)で表される化合物は、式(1)においてR=Hであるポリフェノールと、ビニルベンジルハライドとを反応させることにより得られる。この詳細については、特開平9−31006号公報の記載を参照することができる。
【0033】
本発明のポリビニルベンジルエーテル化合物は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
【0034】
本発明のポリビニルベンジルエーテル化合物は、それのみを樹脂材料として重合して用いてもよく、他のモノマーと共重合させて用いてもよく、さらには、他の樹脂と組み合わせて使用することができる。
【0035】
共重合可能なモノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジビニルベンジルエーテル、アリルフェノール、アリルオキシベンゼン、ジアリルフタレート、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのモノマーの配合割合は、ポリビニルベンジルエーテル化合物に対して、2〜50質量%程度である。
【0036】
また、組み合わせて使用することが可能な樹脂としては、例えばビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリフェノールのポリシアナート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルベンジル化合物等の熱硬化性樹脂や、例えばポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ジシクロペンタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂がある。その配合割合は、本発明のポリビニルベンジルエーテル化合物に対して5〜90質量%程度である。中でも好ましくは、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリフェノールのポリシアナート樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明のポリビニルベンジルエーテル化合物自体、あるいはこの化合物と他のモノマーまたは熱硬化性樹脂とを含有してなる硬化性樹脂組成物の重合および硬化は、公知の方法で行うことができる。硬化は、硬化剤の存在下または不存在下のいずれでも可能である。硬化剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート等の公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。使用量は、ポリビニルベンジルエーテル化合物100質量部に対して0〜10質量部である。
【0037】
硬化温度は、硬化剤の使用の有無および硬化剤の種類によっても異なるが、十分に硬化させるためには、20〜250℃、好ましくは50〜250℃である。
【0038】
また、硬化の調整のために、ハイドロキノン、ベンゾキノン、銅塩等を配合してもよい。
【0039】
本発明のポリビニルベンジルエーテル化合物の重合ないし硬化物は高周波領域において低誘電率(2GHzでの比誘電率ε=2.6程度)でかつ低誘電正接(2GHzでのtanδ=0.01〜0.0001)であり、しかも絶縁性および耐熱性に優れ、低吸水性の高分子材料である。
【0040】
ポリビニルベンジルエーテル化合物の重合ないし硬化物(VB)と、市販のFR−4、FR−5(住友ベークライト社製のエポキシ系樹脂)、BTレジン(三菱瓦斯化学製のビスマレイミド系樹脂)、およびポリフェニレンエーテル(PPE)について、吸水率(85℃/85%RHで500時間)、示差走査熱量測定法(DSC法)によるガラス転移温度および熱重量測定と示差熱分析法(TG/DTA法)による分解開始温度を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
本発明に用いる誘電体セラミックス粉末の誘電体セラミックス材料は特に限定されるものではないが、2GHzでの比誘電率(ε)は10以上であり、さらに望ましくは20以上であり、誘電正接(tanδ)は0.01以下のものが好ましい。比誘電率の上限に特に制限はないが、10000程度である。また、誘電正接の下限に特に制限はないが、0.0001程度である。このようなものとしては、例えば、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタンセラミックス(TiO2系)、チタン酸バリウム系セラミックス(BaTiO3−BaZrO3系、BaO−TiO2−Nd23系、BaO−TiO2−SnO2系)、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス(SrTiO3系)、チタン酸カルシウム系セラミックス(CaTiO3系)、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス(MgTiO3系)等が挙げられる。さらにCaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックス等も挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0043】
なお、前記二酸化チタン系セラミックスとは、組成的には二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系で、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。他の系のセラミックスもこれと同様である。二酸化チタンはTiOで示される物質で種々の結晶構造を有するものであるが、誘電体セラミックスとして使用されるのはその中のルチル構造のものである。
【0044】
誘電体セラミックス粉末の粒子径は、均一分散・混合および高充填率化を図る上で、平均粒子径0.1〜150μm のものを用いることができるが、本発明で用いるのは0.5〜100μm の範囲のものである。即ち、粒子径が大きいとペースト化した際に沈降しやすくなり、均一な分散・混合が困難となる。細かすぎると表面積が大きくなり高充填率化が困難となる。
【0045】
誘電体セラミックス粉末は、誘電体セラミックス粉末とポリビニルベンジルエーテル化合物の合計量を100vol%(体積%)としたとき、10〜65vol%の含有量である。こうした含有量とすることにより、高誘電率化が可能となるとともに、ポリビニルベンジルエーテル化合物への誘電体セラミックス粉末の混合・分散が良好になる。これに対し、ポリビニルベンジルエーテル化合物が35vol%未満で、かつ、誘電体セラミックス粉末が65vol%を超える場合、ポリビニルベンジルエーテル化合物への誘電体セラミックス粉末の混合・分散が困難になる。さらに、プリプレグを作製する場合、ガラスクロス等のクロス基材への塗工も困難となる。また、溶剤等で粘度調整を行ってプレス成形およびガラスクロス等のクロス基材に塗工ができたとしても、接着性がおち、成形物は脆くなり、プリプレグは接着しなくなる。一方、ポリビニルベンジルエーテル化合物が90vol%を超え、かつ、誘電体セラミックス粉末が10vol%未満の場合、比誘電率が4未満となり高誘電率化のメリットが薄れる。
【0046】
まず、プリプレグを作製する場合についての好ましい方法について述べる。
【0047】
ポリビニルベンジルエーテル化合物を用い、質量百分率で表して、40〜60%の溶液を調製する。
【0048】
この時に使用する溶剤はトルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の揮発性溶剤が好ましい。その後、混合攪拌機にて誘電体セラミックス粉末を添加混合する。また、混合はボールミル等での混合も可能で、最終的には粘度調整のためにトルエン等の揮発性溶剤を加え、混合攪拌機にて10〜20分撹拌する。この時、脱気しながら撹拌することが望ましい。これにより、複合誘電体基板材料組成溶液(スラリー)を得ることができる。
【0049】
このように得られた複合誘電体材料組成物溶液(スラリー)をガラスクロス等のクロス基材に塗工する。特に、クロス基材としては、ガラスクロスの使用が好ましい。ガラスクロスは市販(旭シュエーベル等)されている布質量40g/m以下、厚み50μm 以下のものが、誘電体セラミックス粉末の充填率を上げる上で好ましい。布質量の下限および厚みの下限に特に制限はないが、それぞれ25g/mおよび30μm 程度である。
【0050】
さらには電気的な特性に応じてEガラスクロス、Dガラスクロス、Hガラスクロス等を使い分けることができる。また、層間密着力向上等の目的でカップリング処理等を行ってもよい。
【0051】
塗工厚みとして、現実的には、Bステージ化した後の厚みで50〜200μm が好ましいが、板厚、フィラー含有率に従い適時選択する。
【0052】
クロス基材としては、ガラスクロスのほかに、ヤーンを織ったアラミドやポリエステル等の不織布などを用いて強化材としてもよい。厚み等はガラスクロスと同様とすればよい。
【0053】
塗工方法は公知の縦型塗工機で所定の厚みに塗工する方法、また、公知のドクターブレードコート法によりクロス基材に塗工する方法等、公知のいずれの方法であってもよく、用途に応じた生産法を選択することができる。このため生産性が高い。
【0054】
このような方法でフィルム化されたものを100〜120℃、0.5〜3時間熱処理を施しプリプレグ(Bステージ)を得る。
【0055】
この条件は、樹脂コンテスト、得たい流動性によって適時条件を選択すればよい。
【0056】
ここで得られたプリプレグを使用し、例えば両面銅箔基板を作製する場合について説明すると、所定厚みとなるように、プリプレグを重ね、その積層体の両面を銅箔で挟持して成形する。成形方法は、熱プレス等の公知の方法にて行う。成形条件は100〜200℃、9.8×10〜7.8×10Pa、0.5〜10時間が好ましく、必要に応じてステップキュアしてもよい。
【0057】
このときに使用する金属箔は一般的には銅を用いるが、金、銀、アルミ等から選択すればよい。また、ピール強度をとりたい場合は電解箔を、高周波特性を重視したい場合は表面凹凸による表皮効果の少ない圧延箔を使用する。厚みに関しては、8〜70μm を用途、要求特性(パターン幅および精度、直流抵抗等)に応じて使用する。
【0058】
また、上述のような銅箔等の金属箔上に前記の複合誘電体材料組成物溶液をドクターブレードコート法等により塗工し、乾燥し、金属箔塗工物を得てもよく、これにより基板を作製してもよい。塗工厚みは、前記のプリプレグと同様にすればよい。乾燥は100〜120℃で0.5〜3時間程度とすればよい。
【0059】
また、プレス成形における板を作成する場合は、混合方法等は前述した方法と同じであるが、混合したスラリーを90〜120℃で乾燥し、混合体の固まりを作製する。さらに固まりを乳鉢または公知の方法で粉砕し混合体の粉末を得る。この混合粉末を金型にて100〜150℃、9.8×10〜7.8×10Pa、0.1〜3時間でプレス成形し板状成形物を得る。板状成形物の厚みとしては、0.05〜5mmであることが好ましく、所望の板厚、誘電体セラミックス粉末含有率に応じて適時選択する。この成形物を100〜200℃、9.8×10〜7.8×10Pa、0.5〜10時間硬化させる。また、必要に応じてステップキュアしてもよい。
【0060】
以上のようにして作製したプリプレグ、銅箔等の金属箔塗工物、板状成形物や、銅箔等の金属箔、ガラスクロス等のクロス基材などを適宜組み合わせて、成形を行い、複合誘電体基板を作製する。成形条件は、100〜200℃、9.8×10〜7.8×10Pa、30〜120分とする。
【0061】
このような基板のなかで、両面パターニング基板と、多層基板の作製について図に従って説明する。
【0062】
図1、図2には両面パターニング基板形成例の工程図を示す。図1、図2に示されるように、所定厚さのガラスクロス1と所定厚さの銅(Cu)箔21を有する銅箔塗工物2とを重ねて加圧加熱して成形し、両面銅箔付基板(両面銅張基板)10を得る(工程A)。次にスルーホール3をドリリングにより形成する(工程B)。形成したスルーホール3に銅(Cu)メッキを施し、メッキ膜23を形成し、全面銅メッキを行う(工程C)。さらに両面の銅箔21にパターニングを施し、導体パターン211を形成する(工程D)。その後、図1に示されるように、外部端子等の接続のためのメッキを施す(工程E)。この場合のメッキはNiメッキ後にさらにPdメッキを施す方法、Niメッキ後にさらにAuメッキを施す方法(メッキは電解または無電解メッキ)、半田レベラーを用いる方法により行われる。
【0063】
図3、図4は多層基板形成例の工程図であり、両面パターニング基板の両側を銅箔塗工物2で挟持して多層化した例が示されている。図3、図4に示されるように、所定厚さのガラスクロス1と所定厚さの銅(Cu)箔21を有する銅箔塗工物2とを重ねて加圧加熱して成形し、両面銅箔付基板(両面銅張基板)10を得る(工程a)。次に両面の銅箔21にパターニングを施し、導体パターン211を形成する(工程b)。このようにして得られた両面パターンニング基板の両面に、さらに所定厚さの銅箔塗工物2を重ねて、同時に加圧加熱して成形し、多層化する(工程c)。次にスルーホール3をドリリングにより形成する(工程d)。形成したスルーホール3に銅(Cu)メッキを施し、メッキ膜23を形成し、全面銅メッキを行う(工程e)。さらに両面の銅箔21にパターニングを施し、導体パターン211を形成する(工程f)。その後図3に示されるように、外部端子との接続のためのメッキを施す(工程g)。この場合のメッキはNiメッキ後にさらにPdメッキを施す方法、Niメッキ後にさらにAuメッキを施す方法(メッキは電解または無電解メッキ)、半田レベラーを用いる方法により行われる。
【0064】
本発明の複合誘電体基板の作製にあたっては、上述のように、セラミックス粉末を、ポリビニルベンジルエーテル化合物の重合ないし硬化前に混合することが好ましいが、場合によっては、重合ないし硬化後に混合してもよい。また、混合に際しては、溶剤を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0065】
ただし、完全に硬化した後におけるセラミクス粉末の混合は望ましくない。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0067】
実施例1
ポリビニルベンジルエーテル化合物を55質量%溶液となるようにトルエン溶媒に溶解した。この溶液に誘電体セラミックス粉末をボールミルで24時間混合した。
【0068】
ポリビニルベンジルエーテル化合物(VB)は、式(1)において、Rがメチル基、Rがベンジル基、Rの水素原子とビニルベンジル基とのモル比が、水素原子:ビニルベンジル基=0:100、n=3のものである。
【0069】
誘電体セラミックス粉末はBaO−TiO−Nd系(比誘電率ε95)、平均粒径5μm のものとし、その配合比(セラミックス粉末とVBの合計量を100体積%として示す。以下同様)が50、55、60、65、70体積%となるようにした。このスラリーを50μm ガラスクロス(旭シュエーベル(株))に塗工機にて塗工し、110℃2時間乾燥し、これをプリプレグとした。乾燥後の膜厚は150μm であった。次にプリプレグ12枚でプレス成形を行い、基板を得た。プレス条件はプレス圧2.0×10Paで150℃30分、180℃30分、200℃30分の3段階とした。得られた基板の厚みは1.6mmであった。
【0070】
このようにして、サンプルNo.1〜5を得た。
【0071】
比較としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂と誘電体セラミックス粉末をMEK(メチルエチルケトン)中に溶解してスラリーを作製した。混合はボールミルで24時間混合した。誘電体セラミックス粉末は、BaO−TiO−Nd系(比誘電率ε95)、平均粒径5μm のものとし、その配合比が50体積%となるようにした。このスラリーを50μm のガラスクロス(旭シュエーベル(株))に塗工機にて塗工し、120℃20分乾燥し、これをプリプレグとした。次に、プリプレグ12枚でプレス成形を行い、基板を得た。プレス条件はプレス圧2.9×10Paで110℃30分/180℃60分の2段階とした。これをサンプルNo.6とする。
【0072】
得られた基板(サンプルNo.1〜6)を100mm長、2mm巾、1.6mm厚の大きさに切り出し、摂動法によって1GHzにおける比誘電率と誘電正接を求め、Q値を算出した。比誘電率とQ値を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
高誘電率、高Qの要求される用途を考えると、誘電率的にはエポキシ樹脂に劣るが、Q特性ではベース樹脂の誘電正接が小さいことによるQの違いが効いている。1GHzで高いQをキープできていることから、高周波領域での使用が考えられる。
【0075】
実施例2
ポリビニルベンジルエーテル化合物(実施例1と同)を55質量%溶液となるようにトルエン溶媒に溶解した。この溶液に誘電体セラミックス粉末をボールミルで24時間混合した。誘電体セラミックス粉末はBaTiO−BaZrO系(比誘電率ε9000)、平均粒径1μm のものとし、その配合比が40、50、60、65、70体積%となるようにした。混合したスラリーを90℃15時間で乾燥し、混合体の固まりを作製した。更に固まりを乳鉢で粉砕し混合体の粉末を得た。この混合粉末を金型に所定量いれ110℃、2.9×10Pa、2時間でプレス成形し板状成形物を得た。板状成形物の厚みとしては、1.6mmであった。この板状成形体を180℃、2.9×10Pa、2時間成形し、基板を得た。
【0076】
これらをサンプルNo.7〜11とする。
【0077】
比較としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂と誘電体セラミックス粉末BaTiO−BaZrO系(比誘電率ε9000、平均粒径1μm )をMEK中に溶解してスラリーを作製した。混合はボールミルで24時間行った。誘電体セラミックス粉末は配合比が50体積%となるようにした。そのスラリーを50℃10時間で乾燥し、混合体の固まりを作製した。さらに固まりを乳鉢で粉砕し混合体の粉末を得た。この混合粉末を金型に所定量入れ120℃、2.9×10Pa、20分でプレス成形し板状成形物を得た。板状成形物の厚みとしては、1.6mmであった。この板状成形物を110℃ 30分、180℃30分のステップキュア(圧力2.9×10Pa)にてプレス成形し、基板を得た。
【0078】
これをサンプルNo.12とする。
【0079】
得られた基板(サンプルNo.7〜12)を100mm長、2mm巾、1.6mm厚の大きさに切り出し、摂動法によって1GHzおける比誘電率と誘電正接を求め、Q値を算出した。比誘電率とQ値を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
誘電率的にはエポキシ樹脂と同レベルであるが、Q特性ではベース樹脂の誘電正接が小さいことによるQの違いが効いている。したがって、比較的高い誘電率で、それほど高いQが要求されない高周波領域での用途などに適すると考えられる。また、同程度のセラミックス粉末の含有量のものを比較した場合、エポキシ樹脂をベースとしたものよりQが大きくなっている。
【0082】
実施例3
ポリビニルベンジルエーテル化合物(実施例1と同)を55質量%溶液となるようトルエン溶媒に溶解した。この溶液に誘電体セラミックス粉末をボールミルで24時間混合した。誘電体セラミックス粉末はBaO−4TiO系(比誘電率ε45、平均粒径1μm )を用い、その配合比が10,30,50体積%となるようにした。混合したスラリーを90℃15時間で乾燥し、混合体の固まりを作製した。さらに固まりを乳鉢で粉砕し混合体の粉末を得た。この混合粉末を金型に所定量入れ110℃、2.9×10Pa、2時間でプレス成形し板状成形物を得た。板状成形物の厚みとしては、1.6mmであった。この板状成形物を180℃、2.9×10Pa、2時間成形し基板を得た。
【0083】
これらをサンプルNo.13〜15とする。
【0084】
比較としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂と誘電体セラミックス粉末BaO−4TiO系(比誘電率ε45、平均粒径1μm )をMEK中に溶解してスラリーを作製した。混合はボールミルで24時間混合した。誘電体セラミックス粉末は配合比が30体積%となるようにした。そのスラリーを50℃10時間で乾燥し、混合体の固まりを作製した。さらに固まりを乳鉢で粉砕し混合体の粉末を得た。
【0085】
この混合粉末を金型に所定量入れ120℃、2.9×10Pa、20分でプレス成形し板状成形物を得た。板状成形物の厚みとしては、1.6mmであった。この板状成形物を110℃30分、180℃30分のステップキュア(圧力2.9×10Pa)にてプレス成形し基板を得た。
【0086】
これをサンプルNo.16とする。
【0087】
得られた基板(サンプルNo.13〜16)を100mm長、2mm巾、1.6mm厚の大きさに切り出し、摂動法によって1GHzおける比誘電率と誘電正接を求め、Q値を算出した。比誘電率とQ値を表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
それほど高くない誘電率と高いQの要求される用途を考えると、誘電率的にはエポキシ樹脂と同レベルであるが、Q特性ではベース樹脂の誘電正接が小さいことによるQの違いが効いている。1GHzで高いQをキープできていることから、高周波領域での使用が考えられる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、高周波領域で、高誘電率かつ高Qであるなど、使用目的に応じた誘電特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面パターン基板の形成例を示す工程図である。
【図2】本発明の両面パターン基板の形成例を示す工程図である。
【図3】本発明の多層基板の形成例を示す工程図である。
【図4】本発明の多層基板の形成例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 ガラスクロス
2 銅箔塗工物
3 スルーホール
10 両面銅箔付基板(両面銅張基板)
21 銅箔
23 銅メッキ膜
211 導体パターン

Claims (16)

  1. 樹脂中に誘電体セラミックス粉末を分散させた複合誘電体基板において、
    前記樹脂が下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物から得られたものであり、
    前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
    前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、
    100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
    [式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
  2. 下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物と、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm である誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーをクロス基材に塗工し、乾燥して得られるプリプレグであって、
    前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であるプリプレグ。
    [式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
  3. クロス基材がガラスクロスである請求項2のプリプレグ。
  4. ガラスクロスが布質量40g/m2以下、厚み50μm 以下である請求項3のプリプレグ。
  5. 請求項2〜4のいずれかのプリプレグを加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
  6. 請求項2〜4のいずれかのプリプレグを金属箔間にはさんで加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる両面金属張りした複合誘電体基板。
  7. 下記式(1)で表されるポリビニルベンジルエーテル化合物と、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm である誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを金属箔上に塗工し、乾燥して得られた金属箔塗工物でクロス基材の両面を、塗工面とクロス基材とが接するように挟持した状態で加熱し加圧して得られる両面金属張りした複合誘電体基板であって、
    前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
    [式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
  8. クロス基材がガラスクロスである請求項7の複合誘電体基板。
  9. ガラスクロスが布質量40g/m2以下、厚み50μm 以下である請求項8の複合誘電体基板。
  10. 請求項7〜9のいずれかの複合誘電体基板に用いられる金属箔塗工物。
  11. 金属箔が銅箔である請求項10の金属箔塗工物。
  12. ポリビニルベンジルエーテル化合物と誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを乾燥し、加圧して得られる複合誘電体基板であって、
    前記ポリビニルベンジルエーテル化合物が下記式(1)で表され、
    前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
    前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
    [式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
  13. ポリビニルベンジルエーテル化合物と誘電体セラミックス粉末とを溶剤に分散させたスラリーを乾燥し、成形して得られた成形物の両面を金属箔で挟持した状態で加熱し、加圧して得られる両面金属張りした複合誘電体基板であって、
    前記ポリビニルベンジルエーテル化合物が下記式(1)で表され、
    前記誘電体セラミックス粉末は、2GHzでの比誘電率が10以上であって、その平均粒子径が0.5〜100μm であり、
    前記誘電体セラミックス粉末と前記ポリビニルベンジルエーテル化合物とが、その合計量を100vol%としたとき、前記誘電体セラミックス粉末の含有量が10〜65vol%となる混合割合であり、100MHz以上の高周波領域で用いられる複合誘電体基板。
    [式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R3は水素原子またはビニルベンジル基(ただし、水素原子とビニルベンジル基とのモル比は60:40〜0:100)を表し、nは2〜4の数である。]
  14. 請求項12または13の複合誘電体基板に用いられ、前記スラリーを乾燥させて成形して得られた成形物。
  15. 金属箔が銅箔である請求項6、7、8、9または13の複合誘電体基板。
  16. 請求項2、3もしくは4のプリプレグ、請求項10もしくは11の金属箔塗工物、請求項14の成形物、または請求項5、6、7、8、9、13もしくは15の複合誘電体基板を用いて加熱し、加圧して得られ、100MHz以上の高周波領域で用いられる多層構成の複合誘電体基板。
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