JP3604994B2 - キャリッジ駆動方法およびキャリッジ駆動装置 - Google Patents

キャリッジ駆動方法およびキャリッジ駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録体の移動方向と垂直方法にキャリッジを往復移動させながら被記録体に印刷を行なうシリアルプリンタのキャリッジ駆動方法およびキャリッジ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式などの記録ヘッドを用いたプリンタにおいては、一般に、図11に示すように、キャリッジ1を、被記録体である用紙3に対向しつつ、用紙3の幅方向に走行できるように支持し、キャリッジ1の走行毎に用紙3を順次送ることとし、用紙3の全面に印刷する。移動するキャリッジ1上には、図12に示すように記録ヘッドおよびインクタンクが搭載されている。図12に示すキャリッジの例では、記録ヘッドとしては、黒ヘッド21とカラーヘッド22との2つを備え、インクタンクとしては、黒インクタンク31とカラーインクタンク32との2つを備える。
【0003】
キャリッジ1の駆動時にはステッピングモータ6の回転運動はキャリッジ送りベルト2の直線運動に変換され、キャリッジ送りベルト2の直線運動によってキャリッジ1が平行移動する。用紙3の背面には、印刷時の用紙3の位置を拘束するためにプラテン4が配置されている。用紙3の脇には、非印刷時にキャリッジ1の記録ヘッドなどが復帰すべき位置としてメンテナンスステーション5が設けられている。
【0004】
この場合、通常、キャリッジ1の動作範囲は被記録体の印刷すべき領域の幅より若干長くする。片方向印刷の場合の動作を、図13(a)に示す。記録ヘッドは、往路として、被記録体の印刷すべき領域に達する前の助走区間において急速に加速し、所定の速度に達した後に一定速度で移動しつつ印刷し、印刷すべき領域を過ぎたところで急速に減速、停止する。復路として、往路と逆向きに走行を開始し、キャリッジ1は元の位置に急速度で戻る。復路は印刷を行なわずに移動するため、通常、往路より高速で移動することができる。この往路と復路の動作により、キャリッジ1の1回の動作が完了する。
【0005】
双方向印刷の場合の動作を、図13(b)に示す。双方向印刷の場合は、キャリッジ1は、復路においても、往路と同様の加速パターンで加減速を行ない、印刷すべき領域においては、往路の速度と絶対値が等しく符号が逆の速度で走行しながら印刷を行なう。
【0006】
(ステッピングモータのみによるキャリッジ駆動装置)
図14に、印字動作を統括するマイクロコンピュータからなるキャリッジ駆動装置のブロック図を示す。このキャリッジ駆動装置は、
(1)印字動作を制御するためのプログラムを格納したROM
(2)印字ドットパターンデータを展開する作業用メモリ、受信バッファおよび印刷バッファを構成するRAM
(3)CPU
を備える。このキャリッジ駆動装置は、インタフェース(I/F)を介してホスト装置から印刷データの入力があったときには、この印刷データを、ビットマップデータに変換し、メカインタフェース(メカI/F)を介して記録ヘッド駆動回路に出力するように構成されている。また、キャリッジ送り信号をキャリッジ送り駆動回路に出力し、記録用紙送り信号を用紙送り駆動回路に出力するように構成されている。
【0007】
図15は、キャリッジ走査を行なうためのステッピングモータ6を駆動するためのモータ駆動回賂の回路図であり、所定の間隔で所定の相の切替信号を入力端子PA〜PDに入力し、駆動用トランジスタQ1〜Q4に接続されたモータ駆動コイルLA〜LDの通電を制御し、ロータ81を回転させるものである。入力端子PHは、トランジスタQ5を制御し、駆動電流と保持電流とを切換えるための信号である。トランジスタQ5がオフのときには、+5Vの電位を有する電源から抵抗R14を介して保持電流が供給される。トランジスタQ5がオンのときには、入力端子PIへの入力信号によってトランジスタQ6のオン/オフ状態が決定される。トランジスタQ6のオン/オフ状態によって、駆動電源から直接に大きな電流を流し込むか、あるいは駆動電源から抵抗R12を介して小さな電流を流し込むかが決定される。
【0008】
(直流モータのみによるキャリッジ駆動装置)
図16に、直流モータ8を使用したキャリッジ駆動装置のブロック図を示す。印刷データの取扱いについては、図14に示した構成の場合と同じであるが、キャリッジ送りについては、異なる。すなわち、キャリッジ送り駆動回路ではなく、代りに、エンコーダから出力される直流モータ8の速度情報がキャリッジモータ駆動部にフィードバックされ、電流制御部によって流れる電流を制限することで常に所定の速度になるように制御される構成となっている。
【0009】
図17に、このキャリッジ駆動装置の回路図を示す。図17において、直流モータ8の周囲にはトランジスタQ1〜Q4がH型に接続され、Q1〜Q4のオン/オフにより、電流供給の向きが決定され、回転方向が決まる。たとえば、Q1およびQ4がオンとなったとすると、キャリッジモータは起動した後、一定速度に制御され往路の所定の位置に印刷を行ないながら走査する。往路の印刷が終わると制動制御され、停止する。次にQ1およびQ4はオフとなるとともに、Q2およびQ3がオンとなり、復路の走査が開始される。また、モータへの出力は、このキャリッジ駆動装置からレベル信号で出力されるが、その出力の大きさは、目標値とするキャリッジ速度と、エンコーダが出力する値とを比較し、制御されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
通常、キャリッジの駆動はステッピングモータのみによって行い、そのステッピングモータに対する電流供給時間を制御することによって、キャリッジを所望量だけ移動させることで、キャリッジの操作を行なっている。このように、キャリッジ駆動モータとしてステッピングモータのみを用いる方式は、コスト面でも有利なため、多くのプリンタで採用されている。
【0011】
一方、最近のインクジェットプリンタにおいては、従来よりも高速の印刷が可能となるように、インク吐出ヘッドの吐出繰返しの高速化が図られ、キャリッジに搭載されるインク吐出ヘッドが大型化する傾向にある。また、大量の用紙への連続的な印刷を可能とするために、図18、図19に示すようにキャリッジ1に大容量のインクタンク31,33,34,35が搭載される傾向にある。その結果、キャリッジ1全体が大型化し、キャリッジ重量が1kgを超えるような状況となってきた。
【0012】
しかし、一般的に、ステッピングモータの短所として、全体的なトルク不足、特に高速動作時におけるトルクの不足がある。したがって、大きく重いキャリッジを高速で駆動するという要求に対して、ステッピングモータのみによる方式では、トルクが十分でないという問題があった。また、仮に、ステッピングモータにおいて高出力のものを構成しようとすると、モータの過度の大型化、コスト高、メカ寸法の増大などが問題となった。
【0013】
なお、ステッピングモータの代りに、直流モータを使用するプリンタもあるが、直流モータの速度制御、位置制御のため、フイードバック制御が必要になる。フィードバック制御の際には、図20(a)に示すようなタイミングフェンス56を用いる方法が知られている。タイミングフェンス56とは、白・黒の縞模様がおよそ等ピッチで配置されたストリップ形状の部材である。図20(b)にタイミングフェンスを備えたプリンタの例を示す。このプリンタでは、キャリッジ1の走査する方向と平行に、タイミングフェンス56が配置され、キャリッジ1に取り付けられたセンサ59でタイミングフェンス56の白・黒の縞模様のピッチを検出することによって、キャリッジ1の位置と通過速度を検出するものである。しかし、このようなフィードバックのための機構を設けることは、機構の複雑化を招き、コストは高くなる。
【0014】
そこで、本発明は、キャリッジの位置・速度制御を従来どおりの小型のステッピングモータで行いつつ、トルク不足を生じさせない、キャリッジ駆動方法およびキャリッジ駆動装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくキャリッジ駆動方法においては、キャリッジが往復移動しながら被記録体に印刷を行なうプリンタにおいて、上記キャリッジの駆動をステッピングモータと直流モータとの組合せによって行なう。上記キャリッジが速度0の状態から定速走行に至るまでの加速期間に含まれる第1の期間と第2の期間とで、上記直流モータの出力の大きさを、複数の設定値の中からそれぞれ選択された互いに異なる第1の値と第2の値とになるように、上記直流モータを駆動する。この構成を採用することにより、従来どおりの小型のステッピングモータであっても、ステッピングモータのトルク不足分を、トルクの十分ある直流モータによって補うことができ、安定したキャリッジの走行が可能となる。また、加速中の中でもよりトルクの必要な領域に強いアシストを行ない、そうでない領域には弱いアシストを行なうことができるようになり、エネルギーのさらなる有効活用が可能となる。
【0016】
上記発明において好ましくは、上記キャリッジの加速中にのみ上記直流モータを作動させる。この構成を採用することにより、キャリッジを駆動するのに必要なトルクが大きくなるキャリッジの加速中に集中的に直流モータを利用することができ、限られたエネルギーで効率良くキャリッジの走行を支援することができる。
【0018】
上記発明において好ましくは、上記直流モータの出力トルクの大きさが、上記キャリッジの往復移動に必要なトルクの30%以上、95%以下である。この構成を採用することにより、直流モータとステッピングモータとのトルクを合計しても、必要駆動力の100%を超えることはなく、また、小さくなりすぎることもなくなり、脱調などを起こさず、安定して印刷を行なうことができる。
【0019】
上記発明において好ましくは、上記キャリッジの移動量を測定し、上記測定で得られた移動量が必要移動量に達しない場合には、その不足量に応じて上記直流モータの出力トルクを調節する。この構成を採用することにより、ステッピングモータの出力不足で、キャリッジがステップ数に相応な量だけ移動していない場合であっても、その移動の遅れを検出し、直流モータの出力の調整によって補うことができる。その結果、キャリッジの移動距離の正確さが保たれる。
【0020】
本発明に基づくキャリッジ駆動装置においては、キャリッジが往復移動しながら被記録体に印刷を行なうプリンタにおいて、上記キャリッジを往復移動させる駆動源としてステッピングモータと直流モータとを備える。キャリッジ駆動装置は、上記キャリッジが速度0の状態から定速走行に至るまでの加速期間に含まれる第1の期間と第2の期間とで、上記直流モータの出力の大きさを、複数の設定値の中からそれぞれ選択された互いに異なる第1の値と第2の値とになるように、上記直流モータを駆動する直流モータ出力選択手段を備える。この構成を採用することにより、ステッピングモータのトルク不足分を、トルクの十分ある直流モータによって補うことができ、安定したキャリッジの走行が可能となる。また、加速中の中でもよりトルクの必要な領域に強いアシストを行ない、そうでない領域には弱いアシストを行なうことができるようになり、エネルギーのさらなる有効活用が可能となる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記キャリッジの加速中にのみ上記直流モータを作動させる直流モータ作動手段を備える。この構成を採用することにより、キャリッジを駆動するのに必要なトルクが大きくなるキャリッジの加速中に集中的に直流モータを利用することができ、限られたエネルギーで効率良くキャリッジの走行を支援することができる。
【0023】
上記発明において好ましくは、上記直流モータの出力トルクの大きさが、上記キャリッジの往復移動に必要なトルクの30%以上、95%以下となるような直流モータ出力調整手段を備える。この構成を採用することにより、直流モータとステッピングモータとのトルクを合計しても、必要駆動力の100%を超えることはなく、また、小さくなりすぎることもなくなり、脱調などを起こさず、安定して印刷を行なうことができる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記キャリッジの移動量を測定する測定手段と、上記測定で得られた移動量が必要移動量に達しない場合にはその不足量に応じて上記直流モータの出力トルクを決定する直流モータ出力決定手段とを備える。この構成を採用することにより、ステッピングモータの出力不足で、キャリッジがステップ数に相応な量だけ移動していない場合であっても、その移動の遅れを検出し、直流モータの出力の調整によって補うことができる。その結果、キャリッジの移動距離の正確さが保たれる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置をプリンタに組込んだ状態を示す。ただし、プリンタのうち、キャリッジ駆動装置に関連のある主要部分のみを概念的に表示している。このプリンタは、被記録体である用紙3に対向しつつ、用紙3の幅方向に走行できるように支持されたキャリッジ1上に記録ヘッドを搭載し、キャリッジ1を、往復運動させながら、用紙3に記録するものである。
【0026】
キャリッジ1の駆動時にはステッピングモータ6の回転運動はキャリッジ送りベルト2の直線運動に変換され、キャリッジ送りベルト2の直線運動によってキャリッジ1が平行移動する。用紙3の背面には、印刷時の用紙3の位置を拘束するためにプラテン4が配置されている。用紙3の脇には、非印刷時にキャリッジ1の記録ヘッドなどが復帰すべき位置としてメンテナンスステーション5が設けられている。
【0027】
キャリッジ1の往復運動の過程においては、キャリッジ1の正常な駆動に必要とされる駆動力(トルク)(以下、「必要駆動力」という。)に比べてステッピングモータ6の出力が小さい部分があり、その部分においては、必要駆動力に到達するのに足りない分の駆動力を直流モータ(以下、「DCモータ」という。)8の駆動によって補う。ステッピングモータ6自体を高出力のものにする必要はないため、従来どおりの小型のステッピングモータ6が使用できる。
【0028】
図2に、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置のブロック図を示す。このキャリッジ駆動装置においては、図14に示した従来例に比べてDCモータ駆動回路が追加されている。
【0029】
このDCモータ駆動回路の回路図を図3に示す。DCモータ8を駆動するためのトランジスタQ1〜Q4において、往路でDCモータ8の駆動が必要とされるときは端子A,Dへの入力によりQ1,Q4をオンとし、DCモータ8に電流を流す。また、復路でDCモータ8の駆動が必要なときは、端子B,Cへの入力によりQ2,Q3をオンとする。このように、基本的には、小型のステッピングモータをキャリッジの送り量に相当したステップ数で送るものとし、ステッピングモータの出力ではキャリッジ駆動に不足するときにのみ、DCモータを駆動することでキャリッジ駆動をアシストする構成となっている。これによって小型で安価なキャリッジ駆動装置が実現できる。
【0030】
(実施の形態2)
図4に、キャリッジ走行のパターンと、その走行に伴なって必要なモータ出力(必要駆動力)と、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置のDCモータ出力の変化を対比して示す。横軸はキャリッジ駆動開始時からの時間である。本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置においては、キャリッジ駆動において最も大きな駆動力が必要とされるキャリッジの加速中に相当するα,βの部分のみDCモータを駆動し、ステッピングモータの駆動力不足を補うような直流モータ作動手段を備えており、α,βの部分のみDCモータを駆動する。したがって、DCモータ駆動回路の回路図は図3に示したものと同じである。
【0031】
具体的には、図4におけるDCモータの駆動α,βを実現する直流モータ作動手段としては、図3において、端子A,Dへの入力によりQ1,Q4をオンとすることでαが実現され、代りにB,Cへの入力によりQ2,Q3をオンとすることでβが実現される。また、これらの端子A〜Dへの入力は、CPU(図2参照)により制御され、メカI/Fによって行われる。
【0032】
(実施の形態3)
図5は、ステッピングモータの回転数をとり、縦軸には出力可能なトルクをとり、ステッピングモータの起動から停止までのサイクルの一例を表示したグラフである。このグラフから明らかなように、高速になるほど出力可能なトルクは小さくなり、ついには0となる。すなわち、ロータが回転に追随できなくなる。
【0033】
加速中の低速域においては、ステッピングモータの出力可能なトルクは十分大きいため、キャリッジ駆動のための必要駆動力が大きな場合であっても、DCモータによるアシストを必要としない。一方、印刷中の高速域では必要駆動力が小さい場合であっても、ステッピンクモータの出力がきわめて小さく、キャリッジ駆動の実現のためには、DCモータによるアシストが必要となる。
【0034】
最もDCモータのアシストが必要とされるのは、図4からわかるように、必要駆動力が大きく、かつ、図5からわかるようにステッピングモータの出力可能トルクが小さい、加速中の高速域である。したがって、モータの特性や加速距離によっては、単に1通りのアシストを行なうのではなく、2種類以上のアシストを行なってもよい。アシストの種類の切替え方法としては、DCモータに供給する電源の電圧を切り替えて供給することによって、DCモータの出力トルクを切り替える。
【0035】
そこで、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置においては、直流モータ出力選択手段を備えることによって、図6のタイミングチャートに示すように、強弱2種類のアシストを可能としている。図7に、このキャリッジ駆動装置における直流モータ出力選択手段としてのDCモータ駆動回路の回路図を示す。この回路では、加速中の低速域では、ステッピンクモータの出力トルクが十分にあるため、DCモータ8は、弱いアシストを行なう。加速中の高速域に相当するγ,δでは、ステッピンクモータの出力トルクが小さくなるため、DCモータ8は、強いアシストを行なう。印刷中など、一定速度での移動中については、必要駆動力は小さいものの、相の切替が高速となるため、DCモータ8は、弱いアシストを行なう。
【0036】
端子A〜DによるDCモータ8の制御の構成は図3の回路図に示したものと同じであるが、図7では、DCモータ8への供給電源において、トランジスタQ10,Q11のベース電圧がR20,R21とトランジスタQ13で制御されている。すなわち、強いアシストを行なう際にはQ13はオフと、弱いアシストを行なう際にはQ13がオンと、なるように制御され、DCモータ8への供給電圧を変化させている。
【0037】
図7では、キャリッジ走行中は常に弱いアシストを行ない、加速中の高速域に相当するγ,δにおいて、強いアシストを行なう例を示しているが、本発明は、図4に示した例に適用してもよい。すなわち、キャリッジ走行中は原則としてDCモータ8は作動せず、キャリッジの加速時に相当するα,β(図4参照)にのみDCモータ8を作動させ、そのα,βの範囲内をさらに高速域と低速域とに区別し、低速域では弱いアシストを行ない、高速域では強いアシストを行なうこととしてもよい。
【0038】
(実施の形態4)
通常、この種のプリンタは、ステッピングモータのステップ数によってキャリッジが送られている。そのため、この種のプリンタは、ステッピングモータのステップ切替えに応じて、キャリッジが正常位置にあることを前提とし、キャリッジに搭載しているヘッドより、インクドットを吐出させて印刷を行っている。したがって、仮に、キャリッジが、本来のステップ送りよりも速く走行してしまうと、正確な位置へのインクドット吐出ができなくなる。たとえば、仮に、DCモータとステッピングモータとの合計の駆動力が、キャリッジを動かすための必要駆動力の100%を超えるとすると、キャリッジは、ステッピングモータのステップ送りより速く走行してしまい、正常な印刷ができなくなる。
【0039】
また、逆にDCモータの駆動力が小さ過ぎる場合、ステッピングモータの駆動力と合計しても駆動力不足となり、ステッピングモータの脱調などが生じ、キャリッジが走行できない事態となる。
【0040】
そこで、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置では、DCモータが出力するトルクの大きさが、キャリッジの往復移動に必要なトルク(必要駆動力)のうち、30%以上、95%以下となるように調整する直流モータ出力調整手段が備えられている。必要駆動力のうち残りは、ステッピングモータからの出力によってまかなわれる。
【0041】
このように30%以上、95%以下とすることで、DCモータとステッピングモータとの駆動力を合計しても、必要駆動力の100%を超えることはなく、必要駆動力に対して小さくなりすぎることもない。
【0042】
なお、直流モータ出力調整手段としては、たとえば、必要駆動力のうち、DCモータの出力が30%以上、95%以下となるように選択されたステッピングモータとDCモータとの組合せが該当するが、他の方法によって実現してもよい。
【0043】
(実施の形態5)
ステッピングモータの相の切替を、以下「相切替」という。図8、図9に、加速中の相切替と、キャリッジの位置を検出するタイミングフェンス出力のタイミングチャートを示す。相切替とタイミングフェンス出力は非同期であるが、1回の相切替によるキャリッジの移動距離、および、その移動距離に伴なうタイミングフェンス出力のパルス数は予め決められている。図8は、正常状態でキャリッジを走行させたときの相切替とタイミングフェンス出力を示す。ここでは、1回の相切替に対して8個のパルスのタイミングフェンス出力がある。一方、図9は、モータの駆動力が不足している状態でキャリッジを走行させたときの相切替とタイミングフェンス出力を示す。図9から明らかなように、一定数の相切替があるにもかかわらず、キャリッジ自体は、所望の位置まで移動していない。仮にこのような状態が持続すると、ステッピングモータの脱調トラブルをもたらす。
【0044】
そこで、本実施の形態におけるキャリッジ駆動装置では、最初の相切替の後で最初に発生したタイミングフェンス出力から8個毎の出力をセンサなどの測定手段によって検出したものと、相切替のタイミングとを比較することによって、ステッピングモータの出力が不足しているか否かを認識することとしている。図10に、このキャリッジ駆動装置におけるDCモータ駆動回路の回路図を示す。図10にある「モータ鼓動制御信号」とは、ステッピングモータの相切替とタイミングフェンス出力とをそれぞれCPUにて検出し、時間差を求めたものである。このキャリッジ駆動装置においては、キャリアの移動量が必要移動量に達しない場合にその不足量に応じてDCモータの出力トルクを決定する直流モータ出力決定手段として、OP1の+入力の基準値に対し、−入力にモータ鼓動制御信号を比較入力として、フィードバックを構成し、DCモータの出力を制御し、駆動している。
【0045】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0046】
【発明の効果】
キャリッジの駆動をステッピングモータと直流モータとの組合せによって行なうこととしたため、ステッピングモータのトルク不足分を、トルクの十分ある直流モータによって補うことができ、従来どおりの小型のステッピングモータであっても、安定したキャリッジの走行が可能となる。さらにキャリッジの加速中にのみ直流モータを作動させることにより、限られたエネルギーで効率良くキャリッジの走行を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施の形態1におけるキャリッジ駆動装置をプリンタに組込んだ状態の主要部の斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1におけるキャリッジ駆動装置のブロック図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1におけるDCモータ駆動回路の回路図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態2におけるキャリッジ駆動装置のDCモータ出力の変化を示す説明図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態3におけるステッピングモータの起動から停止までのサイクルを示したグラフである。
【図6】本発明に基づく実施の形態3におけるキャリッジ駆動装置のDCモータ出力の変化を示す説明図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態3におけるDCモータ駆動回路の回路図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態5における、正常状態での、相切替とタイミングフェンス出力との関係を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明に基づく実施の形態5における、駆動力不足の状態での、相切替とタイミングフェンス出力との関係を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明に基づく実施の形態5におけるDCモータ駆動回路の回路図である。
【図11】従来技術に基づくキャリッジ駆動装置をプリンタに組込んだ状態の主要部の斜視図である。
【図12】従来のキャリッジ上部の斜視図である。
【図13】従来のキャリッジの動作の説明図であり、(a)は片方向印刷の場合、(b)は双方向印刷の場合を示す。
【図14】従来技術に基づくステッピングモータのみによるキャリッジ駆動装置のブロック図である。
【図15】従来技術に基づくステッピングモータのみによるキャリッジ駆動装置のDCモータ駆動回路の回路図である。
【図16】従来技術に基づく直流モータのみによるキャリッジ駆動装置のブロック図である。
【図17】従来技術に基づく直流モータのみによるキャリッジ駆動装置のDCモータ駆動回路の回路図である。
【図18】従来のキャリッジの大型化を説明するためのプリンタ主要部の斜視図である。
【図19】従来の大型化したキャリッジ上部の斜視図である。
【図20】(a)はタイミングフェンスの正面図であり、(b)はタイミングフェンスをプリンタにプリンタに組込んだ状態の主要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ、2 キャリッジ送りベルト、3 用紙、4 プラテン、5 メンテナンスステーション、6 ステッピングモータ、8 直流モータ(DCモータ)、21 黒ヘッド、22 カラーヘッド、31 黒インクタンク、32 カラーインクタンク、33 シアンインクタンク、34 マゼンタインクタンク、35 イエローインクタンク、56 タイミングフェンス、59 センサ、81 ロータ。

Claims (8)

  1. キャリッジが往復移動しながら被記録体に印刷を行なうプリンタにおいて、前記キャリッジの駆動をステッピングモータと直流モータとの組合せによって行なうキャリッジ駆動方法であって、
    前記キャリッジが速度0の状態から定速走行に至るまでの加速期間に含まれる第1の期間と第2の期間とで、前記直流モータの出力の大きさを、複数の設定値の中からそれぞれ選択された互いに異なる第1の値と第2の値とになるように、前記直流モータを駆動する、キャリッジ駆動方法
  2. 前記キャリッジの加速中にのみ前記直流モータを作動させる、請求項1に記載のキャリッジ駆動方法。
  3. 前記直流モータの出力トルクの大きさが、前記キャリッジの往復移動に必要なトルクの30%以上、95%以下である、請求項1または2に記載のキャリッジ駆動方法。
  4. 前記キャリッジの移動量を測定し、前記測定で得られた移動量が必要移動量に達しない場合には、その不足量に応じて前記直流モータの出力トルクを調節する、請求項1からのいずれかに記載のキャリッジ駆動方法。
  5. キャリッジが往復移動しながら被記録体に印刷を行なうプリンタにおいて、前記キャリッジを往復移動させる駆動源としてステッピングモータと直流モータとを備えるキャリッジ駆動装置であって、
    前記キャリッジが速度0の状態から定速走行に至るまでの加速期間に含まれる第1の期間と第2の期間とで、前記直流モータの出力の大きさを、複数の設定値の中からそれぞれ選択された互いに異なる第1の値と第2の値とになるように、前記直流モータを駆動する直流モータ出力選択手段を備える、キャリッジ駆動装置
  6. 前記キャリッジの加速中にのみ前記直流モータを作動させる直流モータ作動手段を備える、請求項に記載のキャリッジ駆動装置。
  7. 前記直流モータの出力トルクの大きさが、前記キャリッジの往復移動に必要なトルクの30%以上、95%以下となるような直流モータ出力調整手段を備える、請求項5または6に記載のキャリッジ駆動装置。
  8. 前記キャリッジの移動量を測定する測定手段と、前記測定で得られた移動量が必要移動量に達しない場合にはその不足量に応じて前記直流モータの出力トルクを決定する直流モータ出力決定手段とを備える、請求項からのいずれかに記載のキャリッジ駆動装置。
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