JPH10114060A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JPH10114060A
JPH10114060A JP27007496A JP27007496A JPH10114060A JP H10114060 A JPH10114060 A JP H10114060A JP 27007496 A JP27007496 A JP 27007496A JP 27007496 A JP27007496 A JP 27007496A JP H10114060 A JPH10114060 A JP H10114060A
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盛吉 中村
Jun Moroo
潤 師尾
Tomohisa Mikami
知久 三上
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノクロ及びカラー印字を行うインクジェッ
トプリンタに関し、モノクロ画像は高速印字、カラー画
像は高画質印字ができるインクジェットプリンタの提供
を目的とする。 【解決手段】 インク6が供給され、該インク6を噴射
するノズル9を有する複数の圧力室11、少なくとも1つ
の圧力室11のインク6に外部から加圧する第1の圧力発
生手段8及び該第1の圧力発生手段8に対応する圧力室
11以外の圧力室11のインク6に内部圧力を発生させる第
2の圧力発生手段80を有する印字ヘッド1と、印字情報
に応じて第1の圧力発生手段8又は第2の圧力発生手段
80の駆動を選択する選択手段20とを備え、選択した第1
の圧力発生手段8又は第2の圧力発生手段80により圧力
室11からインク6を噴射してドットによって記録媒体7
に印字する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノクロ及びカラ
ー印字を行うインクジェットプリンタに関するものであ
る。
【0002】近来、記録媒体にインクを直接吹きつけて
記録するインクジェットプリンタが、印字媒体に対する
制限がなく、且つ小型化、低価格化、カラー化が容易で
あることから急速に普及しつつある。
【0003】このようなプリンタでは、インクを噴射す
るための手段として、圧電素子を用いた方法と発熱体を
用いた方法がある。圧電素子を用いた方法では、圧電素
子の電気ひずみによる変位でインクを加圧するため、駆
動波形によって加圧のしかたを変えてインク粒子の大き
さを制御することができて、濃度階調で写真のような滑
らかな表現ができる。
【0004】しかし、ノズル毎に少なくとも1つのスイ
ッチング素子が必要になり、高速印字のためにノズル数
を増やすとコストアップに繋がる。一方、発熱体を用い
た方法では、個々のノズルに対応する発熱体はマトリッ
クス接続されているため、電圧印加素子であるトランジ
スタはノズル数より少ない数で駆動でき、高速度化のた
めにノズル数を増やしてもドライバコストはそれほど増
えない。
【0005】しかし、発熱体の発熱で生じるインク内の
気泡の大きさや生成速度を制御することが困難であるた
め、カラー印字の場合には、同じ大きさのドットの粗密
で印字する面積階調しか用いることができず、写真のよ
うな滑らかな表現ができない。
【0006】このように、発熱体による方法と圧電素子
による方法には一長一短があるので、コストが安く、カ
ラー印字で良好な画質が得られる方法が望まれている。
【0007】
【従来の技術】図7にインク噴射の駆動源に圧電素子を
用いた印字ヘッドを有するインクジェットプリンタ(以
下プリンタという)の概要を示す。図に示すように、イ
ンクジェットヘッド (以下印字ヘッドという)1a を搭載
したキャリア2にガイドシャフト3が滑合し、また、プ
ーリP1,P2 に掛けられたタイミングベルト(以下ベルト
という) 4にキャリア2が固定され、プーリP1はモータ
M1に連結されている。
【0008】キャリア2は、板状のプラテン5の上方に
配置され、モータM1の正逆方向回転によりベルト4によ
ってプラテン5に平行に矢印A、B方向に移動する。プ
ラテン5の前段にモータM2に連結された送りローラRが
配置されている。
【0009】印字ヘッド1aは、プラテン5に間隙を介し
て対向し、対向面に後述する複数のノズルを備え、また
インクを供給するインクタンク10が取り付けられてい
る。このような構成を有するので、キャリア2が移動し
ながら、印字ヘッド1aのノズルからインクを噴射して記
録用紙(以下用紙という)7aにマトリックスドットによ
って印字を形成する。用紙7aは送りローラRの回転によ
って矢印C方向に改行送りされる。
【0010】次に図8〜図12により印字ヘッド1a(例
えば、特開平5−77456号公報)を説明する。図8
〜図10に示すように、複数配列する圧力室111,112,…
は、ノズル91,92,…及びインク供給口131,132,…を有
し、圧力室111,112,…の加圧板121,122,…の外側に圧電
アクチュエータ81,82,…が配置されている。圧電アクチ
ュエータ81,8 2,…には後述するように対向する一対の側
面に夫々電極が設けられている。
【0011】インク供給口131,132,…は、共通インク流
路130 を介して前記インクタンク10に連通し、インクタ
ンク10から圧力室111,112,…にインク6aが供給される。
インクタンク10は、カラー印字用のシアン(C)、マゼ
ンタ(M)及びイエロー(Y)と、モノクロ印字用のブ
ラック(B)の4色のインク6aのタンクを備えている。
ノズル91,92,…は、インクタンク10の4つのタンクに夫
々対応して4グループに分けられている。
【0012】圧電アクチュエータ81,82,…は、図11に
示すように、セラミックス板で形成された圧電素子80a,
80b,…を積層して、一対の対向側面で正負の電極を夫々
連結してリード線(図示していない)を引き出して分極
処理を施したものである。正負の電極に電圧を加える
と、圧電素子801,802,…の夫々の電気ひずみによる変位
が積層枚数だけ累積されて先端部の変位となる。
【0013】また、図12において、トランジスタTA,T
B 及びトランジスタT1,T2,…の通電状態から、印字情報
に基づくトランジスタT1,T2,…の選択的通電解除によっ
て対応する圧電アクチュエータ81,82,…が駆動する。
【0014】従って、圧電アクチュエータ81,82,…に選
択的に電圧を印加して、図10中2点鎖線で示すよう
に、圧電アクチュエータ81,82,…の先端部の変位で加圧
板121,122,…を変形させて、インク供給口131,132,…よ
り圧力室111,112,…へインク6aを吸引した後、電圧印加
を解除する(実際には、予め全ての圧電アクチュエータ
81,82,…に電圧を印加しておき、インク6aを噴射させる
ノズル91,92,…に対応する圧電アクチュエータ81,82,
の電圧印加を選択的に解除させる方法が多い。)ことに
より、加圧板121,122,…の原形復帰で圧力室111,112,…
のインク6aを加圧してノズル91,92,…から噴射する。
【0015】また、異なる従来例として、上記例の圧電
アクチュエータ81,82,…に代えて、通電により発熱する
発熱体を使用した印字ヘッド(例えば、特開平2−61
38号公報)を備えたプリンタがある。次にこの印字ヘ
ッドを説明する。
【0016】図13は印字ヘッド1bの一つのノズルに対
応する部分の側断面図で、図に示すように、圧力室11a,
11b,…の加熱板12a,12b,…の外側に発熱体8a,8b,…が密
着して設けられている。
【0017】図14の駆動回路図において、Ta,Tb,…、
T1,T2,…はトランジスタで電圧印加素子、D1,D2,…はダ
イオードである。個々のノズル91,92,…に対応する発熱
体8a,8b,…はマトリックス接続されている。
【0018】従って、トランジスタTa,Tb,…及びトラン
ジスタT1,T2,…のマトリックス選択による駆動で発熱体
8a,8b,…に選択的に通電すると、発熱体8a,8b,…の電気
抵抗による発熱で加熱板12a,12a,…を加熱し、その熱で
圧力室11a,11b,…内のインク6aが気化して、図13中2
点鎖線で示すように、発生した気泡が拡大してインク6a
の圧力が上昇し、ノズル91,92,…からインク6aを噴射す
る。
【0019】このように、圧電アクチュエータ81,82,
を用いた印字ヘッド1a、或いは発熱体8a,8b,…を用いた
印字ヘッド1bがあるが、印字による階調には、「濃度階
調」と「面積階調」とがあり、「濃度階調」は、ドット
の大きさを変化させて階調を得る方法であり、「面積階
調」は、同じ大きさのドットの粗密で階調を得る方法で
ある。
【0020】印字ヘッド1aの場合には、圧電アクチュエ
ータ81,82,…の機械的な変形でインクを加圧するため、
駆動波形による加圧のしかたを変えてインク粒子の大き
さを制御することができる。
【0021】即ち、図15に示すように、圧電アクチャ
エータ81,82,…の駆動波形の高さ(V 1,V2,V3)を変化させ
ることにより、インク6aの加圧力を変えて濃度階調の印
字を行うことができる。従って、写真のような滑らかな
表現ができるのでカラー印字に適している。
【0022】一方、印字ヘッド1bの場合には、個々のノ
ズルに対応する圧力室11a,11b,…の加熱板12a,12a,…に
設けられた発熱体8a,8b,…はマトリックス接続されてい
るため、電圧印加素子であるトランジスタはノズル数よ
り少ない数で駆動できる。従って、高速度化のためにノ
ズル数を増やしてもトランジスタのコストはノズル数の
増加に比例するほどは増えないので経済的である。
【0023】しかし、発熱体8a,8b,…の発熱によるイン
ク6a内の気泡の大きさ或いは生成速度を制御することが
困難であるので、濃度階調の印字を行うことはできず、
面積階調の印字しか行うことができない。
【0024】その理由は、図16に示すように、安定領
域では投入エネルギー(電圧×時間)に関係なく気泡の
大きさは一定であるが、エネルギーを下げれば気泡の大
きさは小さくなるが不安定になる。更に気泡の大きさに
よって発生圧力が変化するため、気泡が小さいときはイ
ンク粒量の低下と同時に噴射速度の低下も伴ってドット
位置が変わるためである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法によれ
ば、印字ヘッドに圧電アクチュエータを用いた方法で
は、駆動波形を変化させることによりインク粒量を変化
させることができるので、濃度階調により写真のような
滑らかな表現ができるが、個々のノズルに対応する圧電
アクチュエータをマトリックス接続すると、個々の圧電
アクチュエータに分圧された電圧がかかって、最悪時に
は非選択ノズルからもインクが飛び出す可能性がある。
【0026】従って、マトリックス接続はできないの
で、ノズル毎に少なくとも1つのスイッチング素子が必
要になり、ノズル数を増やすとコストアップに繋がる。
また、駆動波形の高さを変化させて濃度階調の印字を行
っているので、図15に示すように、駆動波形の高さ
(電圧)をV1,V2,V3のように変化させたときに、V1のと
きに対して夫々時間T1,T2 だけインク噴射のタイミング
がずれるため画質が損なわれる。
【0027】一方、印字ヘッドに発熱体を用いた方法で
は、高速印字に適しているが、発熱体の発熱によるイン
ク内の気泡の大きさ或いは生成速度を制御することが困
難であり、このためインク粒子の大きさは変えられない
ことが多い。
【0028】従って、発熱体を用いた印字ヘッドでカラ
ー画像等を印字する場合には、面積階調しか用いること
ができないので、写真のような滑らかな表現ができな
い。即ち、圧電アクチュエータを用いたプリンタは、イ
ンク粒子の大きさが変えられるので画質的には良いが、
高速化に対応するためには大幅なコストの上昇を招く。
また、発熱体を用いたプリンタは、比較的低価格で高速
化に対応が可能であるが、インク粒子の大きさが変えら
れないために画質的は劣る。このように両方式には一長
一短があるので、これらの長所を生かした方法が望まれ
ている。という問題点がある。
【0029】本発明は、カラー印字に対しては画質の良
好な印字が得られ、モノクロ印字に対しては高速印字が
可能なコストの安いインクジェットプリンタを提供する
ことを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。図において、6はインク、7は記録媒体、9
は圧力室11に設けられ、インク6を噴射するノズル、11
は印字ヘッド1に複数設けられ、インク6が供給され、
ノズル9を有する圧力室、8は印字ヘッド1に設けら
れ、複数の圧力室11中の少なくとも1つの圧力室11内の
インク6に外部から圧力を加える第1の圧力発生手段、
8Aは印字ヘッド1に設けられ、第1の圧力発生手段8に
対応する圧力室11以外の圧力室11内のインク6の内部に
圧力を発生させる第2の圧力発生手段、20は印字情報に
応じて第1の圧力発生手段8或いは第2の圧力発生手段
8Aを選択する選択手段である。
【0031】選択手段20によって選択された第1の圧力
発生手段8或いは第2の圧力発生手段8Aにより圧力室11
内のインク6をノズル9から噴射してドットによって記
録媒体7に印字を行うように構成されている。
【0032】モノクロ印字では、文書等の印字が主であ
り、濃淡は用いないことが多い、また、印字では、通常
モノクロ印字が大半を占めるため、使用者にとってはモ
ノクロの印字速度が非常に重要である。そこで、高速化
のための多ノズル化が比較的容易な第2の圧力発生手段
8A(例えば、発熱体)を備えた圧力室11のノズル9でモ
ノクロ印字する。一方、カラー画像では使用者は高画質
を重視するため、インク粒量を複数種類設定できる第1
の圧力発生手段8(例えば、圧電素子)でカラー印字を
する。
【0033】従って、印字情報(モノクロ印字かカラー
印字か)に応じて第1の圧力発生手段8か第2の圧力発
生手段8Aの何れかを選択して、第1の圧力発生手段8を
選択したときは、印字情報に基づく飛翔インク粒量を設
定して印字することができ、写真のような滑らかな濃度
階調の画質の良好な印字が得られ、また、第2の圧力発
生手段8Aを備えた圧力室11はコスト安に数を増やすこと
ができるので、第2の圧力発生手段8Aを選択したとき
は、高速印字を行うことができる。
【0034】請求項2:第1の圧力発生手段8は、圧電
素子で構成される。従って、飛翔インク粒量を変化させ
ることができ、濃度階調により良好な印字画像が得られ
る。
【0035】請求項3:第2の圧力発生手段8Aは、発熱
体で構成される。従って、ノズル数をあまりコストを掛
けずに容易に増やすことができ、印字速度を高めること
ができる。
【0036】請求項4:選択手段20は、印字情報がカラ
ー画像かモノクロ画像かによって第1の圧力発生手段8
或いは第2の圧力発生手段8Aのいずれかを選択するよう
に構成されている。
【0037】従って、印字頻度が高いモノクロ画像は高
速で印字することができ、比較的頻度が低いカラー画像
は低速ながら高画質の印字が得られる。 請求項5:選択手段20は、印字情報がカラー画像のとき
は、第1の圧力発生手段8を選択し、印字情報がモノク
ロ画像であるときは、第2の圧力発生手段8Aを選択する
ように構成されている。
【0038】従って、印字頻度が高いモノクロ画像は高
速で印字することができ、比較的頻度が低いカラー画像
は低速ながら高画質の印字が得られる。 請求項6:複数種類の飛翔インク粒量から印字情報に指
定された飛翔インク粒量に応じて、駆動波形の噴射時の
最初の変化点までの電位差及び時間を設定する設定手段
を備え、第1の圧力発生手段8は設定手段によって設定
された電位差及び時間で駆動されるように構成されてい
る。
【0039】従って、第1の圧力発生手段8による飛翔
インク粒量に関係なく噴射タイミングを同一にすること
ができるので、印字位置のずれがなく濃度階調の印字画
質を高めることができる。
【0040】請求項7:設定手段は、複数種類の飛翔イ
ンク粒量の噴射タイミングを同一に設定するように構成
されている。従って、飛翔インク粒量に関係なく噴射タ
イミングが同一なり、印字位置のずれがなく濃度階調の
印字画質を高めることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、従来例で説明したプリンタ
に本発明を適用したの実施例を図2〜図6を参照して説
明する。全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。
【0042】本実施例は、圧電アクチュエータを備えた
圧力室と発熱体を備えた圧力室を、カラー印字かモノク
ロ印字かの印字情報に応じて使い分けることにより、カ
ラー印字では、濃度階調の良好な画質で印字でき、モノ
クロ印字では高速印字を行うことができるようにしたも
のである。なお、カラー印字内の黒色は、シアン、マゼ
ンタ及びイエローの3色印字で合成して得られる。
【0043】図3の説明図に示すように、印字ヘッド1c
において、カラー印字用のノズルの3グループの各ノズ
ル91,92,…に対応する圧力室111,112,…は、圧電アクチ
ュエータ81,82,…で駆動するように構成され、モノクロ
印字用のノズルの1グループの各ノズル91,92,…に対応
する圧力室11a,11b,…は発熱体8a,8b,…で駆動するよう
に構成されている。
【0044】図2のブロック図において、14はCPU、
15はROM、16はRAM、17はホストインタフェース部
(以下ホストIFという)、18はメカインタフェース部
(以下メカIFという)、19は文字発生器、20aはヘッ
ドインタフェース部(以下ヘッドIFという)、21はメ
カドライバ、22,23 はヘッドドライバ、センサSを示
す。
【0045】プリンタは、CPU14によって制御され、
CPU14の周辺回路としてROM15、RAM16、ホスト
IF17、メカIF18、文字発生器19及びヘッドIF20a
等を備えている。
【0046】CPU14は、ROM15の制御プログラムに
従って各部を制御する。ROM15は、印字情報制御部15
0 、ヘッド駆動制御部151 、ヘッド移動制御部152 及び
媒体移送制御部153 のプログラムを格納している。
【0047】印字情報制御部150 は、ホストから受信し
た印字情報をRAM16の印字情報記憶部160 にアクセス
し、その印字情報から、カラー印字かモノクロ印字かを
判定し、カラー印字と判定した時にヘッドIF20aにカ
ラーフラグをセットし、印字情報記憶部160 から読み出
した印字情報に基づいて、文字等のコードを文字発生器
19で印字パターンに変換し、印字に必要なコマンド及び
印字パターン (写真等の画像印字の時の印字データを含
む。) をヘッド駆動制御部151 、ヘッド移動制御部152
及び媒体移送制御部153 に送る。
【0048】ヘッド駆動制御部151 は、ヘッドIF20a
にカラーフラグがセットされている時には、ヘッドIF
20aから圧電アクチュエータ81,82,…を駆動させるヘッ
ドドライバ22にイネーブル信号aを送らせ、カラーフラ
グがセットされていない時には、発熱体8a,8b,…を駆動
させるヘッドドライバ23にイネーブル信号bを送らせ
る。
【0049】ヘッド移動制御部152 は、ヘッド駆動制御
部151 による印字ヘッド1cの印字駆動にタイミングを合
わせて、メカドライバ21に指令してモータM1を駆動させ
る。媒体移送制御部153 は、ヘッド駆動制御部151 及び
ヘッド移動制御部152 による行印字駆動にタイミングを
合わせて、メカドライバ21に指令してモータM2を駆動さ
せる。
【0050】RAM16は、ホストから受信した印字情報
を一時記憶する印字情報記憶部160を有する。印字情報
は、カラー印字かモノクロ印字かを示すデータ、及び階
調を含む印字データ等で構成されている。
【0051】メカIF18は、給紙部(図示していない)
にセットされた用紙7aを検出したセンサSから信号が入
力されるほか、ヘッド移動制御部152 及び媒体移送制御
部153 からのモータM1及びモータM2を駆動するための信
号をメカドライバ21に出力する。
【0052】文字発生器19は、印字情報中の印字データ
が文字、記号等のコードであるときに、文字パターンに
変換して出力する。ヘッドIF20aは、カラー印字の時
に印字情報制御部150 の指令によりカラーフラグをセッ
トするメモリを有し、圧電アクチュエータ81,82 …及び
発熱体8a,8b,…の2種類のヘッド(圧力室グループ)に
夫々繋がるヘッドドライバ22,23 への駆動信号と、フラ
グの有無によって各ヘッドドライバ22,23 へのイネーブ
ル信号a,bを排他的に出力する。
【0053】このような構成及び機能を有するので、次
に図4のフローチャートにより作用を説明する。 まず、CPU14からホストに対してプリンタが「レデ
ィ」であることを通知する。
【0054】ホストはアプリケーションから印字指示
を受けると、プリンタが「レディ」であることを確認
し、プリンタに対して印字情報を送る。即ち、カラー/
モノクロ印字、印字解像度及び画像処理等のコマンドを
発信した後、印字データを送る。
【0055】プリンタはコマンドの指示に従ってメカ
IF18及びヘッドIF20aにパラメータを設定する。印
字情報を印字情報記憶部160 に一時記憶する。この時、
印字情報がカラー印字であればヘッドIF20aにカラー
フラグをセットする。(カラーフラグのセットがなけれ
ば、モノクロ印字を示す。) カラー印字の時は、ヘッドドライバ22に対してイネー
ブル信号aを有効にする。
【0056】モノクロ印字の時は、ヘッドドライバ23
に対してイネーブル信号bを有効にする。 同時に、印字情報中の印字データが文字等のコードで
ある場合は、文字発生器19により文字パターンに変換し
てヘッドドライバ22,23 に供給する。印字データが写真
等の画像の場合は変換せずに供給される。(以下供給さ
れる両データを印字パターンという。) 各ヘッドドライバ22,23 は、イネーブル信号a,bが有
効である時のみ印字パターンを受け取り、イネーブル信
号aの時は、印字パターンの各ドット毎の階調に対応す
る3つの駆動波形(次に図6で説明する)の1つを設定
して、ヘッド駆動電圧を圧電アクチュエータ81,82,…
に、イネーブル信号bの時は、所定の駆動波形のヘッド
駆動電圧で発熱体8a,8b,…に印加して印字する。
【0057】次に圧電アクチュエータ81,82,…に駆動波
形を与えるヘッドドライバ22を詳細に説明する。図5の
回路図において、ヘッドドライバ22には、波形生成部24
〜26、アンド回路27,28 、シフトレジスタ29、ラッチ回
路30及び、アナログスイッチ部31a,31b,…が設けられて
いる。
【0058】3つの波形生成部24〜26は、図6に示すよ
うに、駆動波形の噴射時の最初の変化点c1〜c3までの電
位差及び時間が異なる3つの波形1〜3を生成する。図
中実線で示す波形1は、最も電位差及び時間が大で、イ
ンク6aの最大の粒量を噴射する駆動波形となる。1点鎖
線で示す波形2及び破線で示す波形3は、順次電位差及
び時間が小さくなり、インク6aの粒量が順次小さくなる
駆動波形となる。
【0059】波形生成部24〜26の出力はアナログスイッ
チ部31a,31b,…の選択作動により、圧電アクチュエータ
81,82,…に与えられ、波形に応じて圧力室11a,11b,…に
異なる圧力が与えられる。各波形生成部24〜26は、イネ
ーブル信号aで波形発生を制御し、波形データ(印字パ
ターンの階調)はヘッドIF20aより与えられる。
【0060】印字パターンもイネーブル信号aでゲート
されて圧電アクチュエータ81,82,…に与えられる。ま
ず、印字パターンを図示していないクロックでシフトレ
ジスタ29に取り込む。圧電アクチュエータ81,82,…の数
に対応する印字パターンをシフトレジスタ29に取り込む
と、図示していないラッチ信号によりシフトレジスタ29
のデータをラッチ回路30に転送する。
【0061】ラッチ回路30の出力は、各圧電アクチュエ
ータ81,82,…に繋がるアナログスイッチ部31a,31b,…の
制御信号として与えられる。アナログスイッチ部31a,31
b,…は、印字パターンのドットの階調に応じた駆動波形
を選択して該当する圧電アクチュエータ81,82,…に与え
る。かくて、ノズル91,92,…から駆動波形に対応した異
なるインク粒量が噴射する。
【0062】このようにして、写真等の印字が多いカラ
ー印字では、圧電アクチュエータによって濃度階調を表
現した高画質の印字を行い、文字等の印字が多いモノク
ロ印字では、前述のように、発熱体を使用した場合には
ノズルの数をコスト安に増やすことができるので、発熱
体によって高速印字を行うように使い分けることによ
り、高速、高画質を両立させたコスト・パフォーマンス
の高いインクジェットプリンタが得られる。
【0063】例えば、圧電アクチュエータの価格は約7
円/ノズルで、発熱体は約1.7円/ノズルであるので、
発熱体を用いれば圧電アクチュエータの約4倍のノズル
数にでき、従って、同一コストで4倍の高速化が可能と
なる。
【0064】上記実施例では、波形生成部24〜26により
3種類の駆動波形を生成して圧電アクチュエータ81,82,
…に与える場合を説明したが、他の複数種類、例えば、
2種類、4種類等としても良いことは勿論である。
【0065】また、上記実施例では、カラー印字に圧電
アクチュエータ81,82,…を備えた圧力室111,112,…を対
応させ、モノクロ印字に発電体8a,8b,…を備えた圧力室
11a,11b,…を対応させた場合を説明したが、モノクロ印
字でも写真画像のような場合には、濃度階調で印字する
ことが望ましいので、圧電アクチュエータ81,82,…を備
えた圧力室111,112,…を対応させる方法としても良い。
【0066】更に、上記実施例では、カラー印字をシア
ン、マゼンタ、イエローの3色で印字するプリンタの場
合を説明したが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クの4色でカラー印字行うプリンタの場合にも適用する
ことができる。この場合には、圧電アクチュエータ81,8
2,…を備えた圧力室111,112,…を上記4色に対応させ、
発熱体8a,8b,…を備えた圧力室11a,11a,…をモノクロ印
字用に対応させることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ラー印字には第1の圧力発生手段(圧電素子)を備えた
ヘッドによって高画質の印字を行い、モノクロ印字には
第2の圧力発生手段(発熱体)を備えたノズル数を増や
したヘッドによって高速印字を行うように使い分けるこ
とができ、高速、高画質を両立させたコスト・パフォー
マンスの高いインクジェットプリンタが得られるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図
【図2】 本発明の実施例を示すブロック図
【図3】 実施例の印字ヘッドの構成を示す説明図
【図4】 実施例のフローチャート
【図5】 ヘッドドライバと印字ヘッドの回路を示すブ
ロック図
【図6】 圧電アクチュエータの駆動波形を例示する説
明図
【図7】 本発明が適用されるインクジェットプリンタ
の概要を示す斜視図
【図8】 従来例の印字ヘッドの一部を破断して示す斜
視図
【図9】 図8の正面透視図
【図10】 印字ヘッドの一つのノズルに対応する部分
の構成図
【図11】 圧電アクチュエータを説明する斜視図
【図12】 従来例の印字ヘッドの駆動回路図
【図13】 異なる従来例の印字ヘッドの側断面図
【図14】 異なる従来例の印字ヘッドの駆動回路図
【図15】 従来例の圧電アクチュエータの駆動波形図
【図16】 発熱体に与えられるエネルギーと最大気泡
量の関係を示す図
【符号の説明】 1,1a 〜1cは印字ヘッド、 6,6a はインク、
7は記録媒体、 7aは用紙、8は第
1の圧力発生手段、 8Aは第2の圧力発生手
段、81,82 は圧電アクチュエータ、 8a,8b は発熱
体、9,91,92はノズル、 11,111,112,1
1a,11bは圧力室、20は選択手段、
20aはヘッドIF、22,23 はヘッドドライバ、
24〜26は波形生成部、31a,31b はアナログスイッチ
部、 150 は印字情報制御部、151 はヘッド駆動制御

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが供給され、該インクを噴射する
    ノズルを有する複数の圧力室、該複数の圧力室中の少な
    くとも1つの圧力室内のインクに外部から圧力を加える
    第1の圧力発生手段、及び該第1の圧力発生手段に対応
    する圧力室以外の圧力室内のインクの内部に圧力を発生
    させる第2の圧力発生手段を有する印字ヘッドと、 印字情報に応じて第1の圧力発生手段或いは第2の圧力
    発生手段の駆動を選択する選択手段とを備え、 選択手段によって選択された第1の圧力発生手段或いは
    第2の圧力発生手段により圧力室内のインクをノズルか
    ら噴射してドットによって記録媒体に印字を行うことを
    特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の圧力発生手段は、圧電素子で
    構成されることを特徴とする請求項1のインクジェット
    プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記第2の圧力発生手段は、発熱体で構
    成されることを特徴とする請求項1のインクジェットプ
    リンタ。
  4. 【請求項4】 前記選択手段は、印字情報がカラー画像
    かモノクロ画像かによって前記第1の圧力発生手段或い
    は前記第2の圧力発生手段のいずれかを選択することを
    特徴とする請求項1のインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記選択手段は、印字情報がカラー画像
    のときは、前記第1の圧力発生手段を選択し、印字情報
    がモノクロ画像であるときは、前記第2の圧力発生手段
    を選択することを特徴とする請求項4のインクジェット
    プリンタ。
  6. 【請求項6】 前記第1の圧力発生手段は、 複数種類の飛翔インク粒量から印字情報に指定された飛
    翔インク粒量に応じて、駆動波形の噴射時の最初の変化
    点までの電位差及び時間を設定する設定手段を備え、 設定手段によって設定された電位差及び時間で駆動され
    ることを特徴とする請求項1のインクジェットプリン
    タ。
  7. 【請求項7】 前記設定手段は、前記複数種類の飛翔イ
    ンク粒量の噴射タイミングを同一に設定することを特徴
    とする請求項6のインクジェットプリンタ。
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JP2005231059A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置

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