JP3604258B2 - メラニン産生促進剤並びにこれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、特定の藻類の抽出物を有効成分とするメラニン産生促進剤、並びにこれを含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
メラニンは、皮膚や毛髪の色を決定している色素であり、特にシミ,ソバカス等の原因となることから、アルブチン,コウジ酸等のメラニン産生抑制効果を有する化合物を用いた美白剤の開発が進められている。
【0003】
しかしながら、メラニンは紫外線防護物質としての側面も持ち合わせている。特に近年は、極地においてオゾン層の破壊が進み、それに伴い紫外線量が増大し、ヨーロッパやオーストラリアなどでは皮膚癌が増加傾向にある。そのため、今後は紫外線を受けなくてもメラニンの産生を促進するような物質が皮膚癌に対する予防剤として重要になると考えられる。
【0004】
さらに、褐色の肌は、男女を問わず健康的な肌色として、ファッションの一部として受け入れられつつある。特に欧米ではその傾向が強く、褐色の肌がステータスシンボルの一種となっている。そこで、シミやソバカス、さらには皮膚癌の原因となり得る紫外線を浴びることなしに、皮膚を褐色化する化粧料が求められていた。かかる化合物としては、ジヒドロキシアセトンが良く知られているが、安全性や安定性に不安があった。
【0005】
また、加齢による老化現象のため、毛髪中のメラニンが著しく減少し白髪化することが広く認められている。このような老化現象の一種である白髪化を隠すためには、染毛料が一般的に用いられている。しかしながら、染毛剤による効果は一時的なものであり、しばしば染毛をしなくてはいけない、染毛剤に用いられる着色料や薬剤により皮膚炎を生じる場合がある、といった問題点があった。そこで、メラニン産生機構に働きかけて、白髪を根本的に改善するような薬剤の開発が望まれていた。
【0006】
ところで、メラニン色素は、メラノサイト内の小器官であるメラノソームで合成され、メラノサイトの樹脂状突起を通して隣接する周囲のケラチノサイトに移行する。この生合成経路においては、出発物質であるチロシンが酸化されてドーパが生成し、さらに酸化されてドーパキノンが産生する段階ではチロシナーゼが関与し、ドーパクロム,5,6−ジヒドロキシインドールを経た後、インドール−5,6−キノンが重合してメラニンが生合成される。また、最近の研究では、チロシナーゼが5,6−ジヒドロキシインドールからインドール−5,6−キノンへの過程においても関与すること、5,6−ジヒドロキシインドールのみならず5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸などの他の中間代謝産物からもメラニンが生合成されることが明らかになっている。
【0007】
かかるメラニンの生合成を促進する物質としては、フロレシチン配糖体(特開平8−259448),貝類のエッセンス(特開平7−285874),ジイソプロピル1,3−ジチオール−2−イリデンマロネート(特開平7−256829),担子菌の培養液又は菌体の抽出液(特開平7−316026),ω−アルコキシカルボニルアルキルトリアルキルアンモニウム及び/又はその塩(特開平7−316048)等が開示されている。
【0008】
しかしながら、藻類の抽出物にメラニンの産生を促進する成分が含まれていることは知られておらず、また、また藻類の抽出物を皮膚癌予防の目的で皮膚外用剤に、白髪を改善する目的で毛髪用外用剤に、紫外線の悪影響なしに褐色の肌を得る目的でセルフタンニング化粧料に配合する試みはこれまでに行われていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メラニンの生合成を促進する作用を有し、安全性に優れたメラニン産生促進剤、並びにこれを含有する皮膚外用剤,セルフタンニング化粧料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために広く藻類の抽出物のメラニン産生促進作用に関するスクリーニングを行った結果、ウブゲグサ属(Spyridia)及びアミジグサ(Dictyota dichotoma)から選択される1種又は2種以上の藻類の溶媒抽出物において、高いメラニン産生促進作用があることを見いだした。これらの抽出物においては、皮膚刺激性,接触感作性といった皮膚への悪影響もなく、また、皮膚外用剤に配合した場合においてもメラニン産生促進作用の不活化は起こらずに、品質も安定していた。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるウブゲグサ属(Spyridia)の海藻は、紅藻類イギス目イギス科に属する藻類の一種で、ウブゲグサ(Spyridia filamentosa),ナガウブゲグサ(Spyridia elongata)等が例示される。また、アミジグサ(Dictyota dich otoma)は、褐藻類アミジグサ目アミジグサ科アミジグサ属に属する藻類の一種である。
【0012】
これらの海藻の抽出物を得る抽出溶媒としては、水、エタノール,メタノール,イソプロパノール,イソブタノール,n−ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2−エチルブタノール,n−オクチルアルコールなどのアルコール類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,メチル−n−プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エチル,酢酸イソプロピルなどのエステル類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,n−ブチルエーテル等のエーテル類などの極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒が好適に使用でき、また、リン酸緩衝生理食塩水を用いることができるが、特に限定はされない。或いは、石油エーテル,n−ヘキサン,n−ペンタン,n−ブタン,n−オクタン,シクロヘキサン等の炭化水素類、四塩化炭素,クロロホルム,ジクロロメタン,トリクロロエチレン,ベンゼン,トルエンなどの低極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒も好適に使用することができる。
【0013】
本発明の目的には、メラニン産生促進作用の点から、極性溶媒が好ましく、さらには、エタノール,メタノール,1,3−ブチレングリコール,水から選択される1種又は2種以上の混合溶媒、若しくはリン酸緩衝生理食塩水が好ましい。さらには、ウブゲグサ属ナガウブゲグサ(Spyridia elongata)のリン酸緩衝生理食塩水抽出物及び/又はアミジグサ属アミジグサ(Dictyota dichotoma)のメタノール抽出物が最も好ましい。
【0014】
本発明で用いられる海藻は、水中から採取したものをそのまま、若しくは乾燥させたものを用いることができる。また、使用部位も特に限定されず、藻類の全体を用いても、体部,枝部,根部など一部のみを用いてもよい。
【0015】
さらに、抽出方法としては、室温,冷却又は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、生の藻類から圧搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0016】
抽出の際の植物と溶媒との比率は特に限定されるものではないが、植物1に対して溶媒0.5〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で0.5〜100重量倍が好ましい。また、抽出温度は、常圧下で室温から溶剤の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0017】
また、このようにして得られた海藻抽出物は、抽出物をそのまま用いることもでき、またメラニン産生促進作用を失わない範囲内で脱臭,脱色,濃縮等の精製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィー等を用いて分画物として用いてもよい。これらの抽出物や脱臭,精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾燥物とすることもでき、さらにアルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態でメラニン産生促進剤として提供することができる。
【0018】
これらのメラニン産生促進剤の皮膚外用剤,セルフタンニング化粧料への配合量は、その効果や添加した際の香り、色調の点から考え、0.001〜20重量%の濃度範囲とすることが望ましい。配合量が0.001重量%未満であると十分なメラニン産生促進効果が得られないが、あまり多量に配合する必要もなく、20重量%を超えると皮膚外用剤の安定性等に影響を及ぼすこともある。
【0019】
本発明は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム,軟膏等の形態で提供することができる。
【0020】
さらに本発明の効果を損なわない範囲内で、医薬品,化粧用として一般的に使用される各種成分、例えば、アボカド油,パーム油,ピーナッツ油,コメヌカ油,ホホバ油,オレンジラフィー油,マカデミアナッツ油,スクワラン,月見草油,セサミ油,サンフラワー油,サフラワー油,キャローラ油,カルナウバワックス,パラフィンワックス,ラノリン,リンゴ酸ジイソステアリル,イソステアリルアルコール,流動パラフィン等の油分、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,ソルビット,ポリエチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,コラーゲン,ヒアルロン酸等の保湿剤、ビタミンA油,レチノール,酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン,酪酸リボフラビン等のビタミンB2類、塩酸ピリドキシン等のビタミンB6類、パントテン酸カルシウム,D−パントテニルアルコール,パントテニルエチルエーテル,アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール,コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸,ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール,酢酸トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル,ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体類、サリチル酸オクチル,サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、グアガム,ローカストビーンガム,カラギーナン,クインスシード,ペクチン,マンナン等の植物系天然多糖類、キサンタンガム,デキストラン,カードラン,ヒアルロン酸等の微生物系天然多糖類、ゼラチン,カゼイン,アルブミン,コラーゲン等の動物系高分子、メチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系半合成高分子、可溶性デンプン,カルボキシメチルデンプン,メチルデンプン等のデンプン系半合成高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル,アルギン酸塩等のアルギン酸系半合成高分子、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチレンオキサイド等の合成高分子、ベントナイト,ラポナイト,コロイダルアルミナ等の無機物系高分子等の水溶性高分子、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,没食子酸エステル等の酸化防止剤、高級脂肪酸石鹸,アルキル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,アシルメチルタウリン塩,アルキルエーテルリン酸エステル塩,アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム,塩化ジアルキルジメチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン,アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン,2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレン脂肪酸グリセリンエステル,ポリオキシアルキレンソルビタンエステル,ソルビット系オリゴマー型テトラエステル,ソルビット系オリゴマー型ヘキサエステル,ポリエチレングリコールエステル,ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,アルキロールアミド,脂肪酸アミド等のノニオン界面活性剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩,ポリリン酸ナトリウム,クエン酸,メタリン酸ナトリウム,コハク酸,グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アラントイン,アズレン,ヒドロコルチゾン,ε−アミノカプロン酸等の抗炎症剤、酸化亜鉛,アラントインヒドロキシアルミニウム,塩化アルミニウム,タンニン酸,クエン酸,乳酸等の収れん剤、メントール,カンフル等の清涼化剤、塩酸ジフェンヒドラミン,マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、エストラジオール,エストロン,エチニルエストラジオール等の皮脂抑制剤、サリチル酸,レゾルシン等の角質剥離・溶解剤、α−ヒドロキシ酸類等を配合することができる。
【0021】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0022】
[実施例1]メラニン産生促進剤1
水中から採取したナガウブゲグサをそのまま細切し、等重量のリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)に分散後ブレンダーミルで攪拌する。遠心分離を行い上清をメラニン産生促進剤1とする。なお抽出溶媒として用いたリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)は、塩化ナトリウム8.0g,塩化カリウム0.2g,リン酸水素二ナトリウム1.15g,リン酸二水素カリウム0.2g,塩化カルシウム0.1g,塩化マグネシウム・六水和物0.1gを蒸留水に溶解して1000mlとすることにより調製した。
【0023】
[実施例2]メラニン産生促進剤2
水中から採取したアミジグサをそのまま細切し、等重量のメタノールに分散後ブレンダーミルで攪拌する。遠心分離を行い上清をメラニン産生促進剤2とする。
【0024】
[メラニン産生促進効果の評価]
実施例1及び実施例2に示したメラニン産生促進剤を用いて、メラニン産生促進効果を評価した。まず、B16F0メラノーマ細胞を直径35mmの培養ディッシュに、5000CELLS/ディッシュの密度で5容量%牛胎仔血清含有ダルベッコ最小必須培地を用いて播種し、37℃で24時間培養した。次いで、所定濃度のメラニン産生促進剤含有培地に交換し、さらに6日間培養した。トリプシン処理によって細胞を剥離し、1.5mlマイクロチューブに移した後、遠心分離により細胞ペレットを作成した。同時に5容量%牛胎仔血清含有ダルベッコ最小必須培地のみ、及びこれに50mMの乳酸ナトリウムを添加した系に交換後培養し、対照及びネガティブコントロールとした。メラニン量は、目視により、「ネガティブコントロールと同程度である;1点」,「ネガティブコントロールよりは多いが対照より少ない:2点」,「対照と同程度である:3点」,「対照よりメラニン産生量が多い:4点」,「対照よりメラニン産生量がかなり多い:5点」の5段階で判定し点数化した。同時にコールターカウンター法を用いて、細胞数を測定し細胞毒性が認められないことを確認した。
【0025】
【表1】
【0026】
その結果、表1に示したとおり、実施例1においては0.5容量%以上の濃度で、実施例2においては0.25容量%以上の濃度でメラニン産生促進効果が認められ、評価を行った濃度範囲においては細胞毒性が認められず、安全性が高いことが示された。
【0027】
[実施例3]皮膚用ローション
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0
(3)メラニン産生促進剤1 0.5
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)精製水 88.4
製法:(1)〜(5)を混合し均一とする。
【0028】
[実施例4]皮膚用乳剤
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)
(2)セタノール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)流動パラフィン 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10EO)モノオレイン酸エステル 1.5
(6)酢酸トコフェロール 5.0
(7)グリセリン 5.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)精製水 74.7
(11)メラニン産生促進剤2 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、70℃に保つ。一方(7)〜(10)の水相成分を混合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後40℃にて(11)を添加,混合する。
【0029】
[実施例5]皮膚用ゲル剤
(1)精製水 87.8(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5
(3)ジプロピレングリコール 10.0
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)水酸化カリウム 0.1
(6)メラニン産生促進剤1 1.5
製法:(1)に(2)を均一に溶解した後、(3)に(4)を溶解して添加し、次いで(5)を加えて増粘させ、(6)を添加する。
【0030】
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。ついで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃で(11)を添加,混合する。
【0041】
[実施例17]ボディローション
(1)プロピレングリコール 5.0
(2)ソルビット液(70重量%水溶液) 3.0
(3)ポリオキシエチレン(20EO)ソルビットラウリルエーテル 0.1
(4)エタノール 10.0
(5)メラニン産生促進剤1 1.5
(6)精製水 80.4
製法:(6)に(1)〜(5)を順次添加し、均一に溶解する。
【0042】
[実施例18]ボディ用乳液
(1)ステアリン酸 2.0(重量%)
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 4.0
(4)スクワラン 5.0
(5)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0
(6)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
(7)1,3−ブチレングリコール 8.0
(8)トリエタノールアミン 1.0
(9)精製水 73.3
(10)メラニン産生促進剤2 1.0
(11)香料 0.2
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。ついで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃で(10),(11)を添加,混合する。
【0043】
[実施例19]化粧水
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)グリセリン 5.0
(3)メラニン産生促進剤1 0.5
(4)精製水 84.5
製法:(4)に(1)〜(3)を順次添加し、均一に溶解する。
【0044】
[実施例20]エモリエントクリーム(油中水型)
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.0
(5)プロピレングリコール 3.0
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(7)精製水 54.0
(8)香料 0.2
(9)メラニン産生促進剤2 0.7
製法:(5)〜(7)の水相成分を混合,均一化し、70℃に加熱する。一方、(1)〜(4)の油相成分を混合し、70℃に加熱する。油相に水相を添加してホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(8),(9)を添加して混合する。
【0045】
[実施例21]メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリルトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)水酸化カリウム 0.3
(7)精製水 69.1
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)メラニン産生促進剤1 0.5
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0046】
[実施例22]乳液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.0(重量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)水酸化カリウム 0.1
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 53.2
(10)酸化チタン 9.0
(11)タルク 7.4
(12)ベンガラ 0.5
(13)黄酸化鉄 1.1
(14)黒酸化鉄 0.1
(15)メラニン産生促進剤2 0.5
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(15)を添加,混合する。
【0047】
上記発明の実施例の内、実施例3〜実施例6について、セルフタンニング効果の評価を行った。健常者10名を一群として、実施例を1日2回上腕内側部に塗布し、1ヶ月間継続使用した後の肌色の色調を、塗布部位と無塗布部位で比較し、その差の平均値を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示したように、本発明の実施例塗布部位では無塗布部位と比較して、明度を示すL値の低下,及び黄味を示すb値の上昇が明らかであり、本発明の実施例を使用することにより、紫外線の悪影響を受けることなく、褐色の肌色が得られることが示された。
【0053】
なお、本発明の実施例1〜実施例8については、上記の使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝集,変臭,変色といった状態変化は全く見られなかった。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応を示したパネルも存在しなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のメラニン産生促進剤は、紫外線の作用がなくてもメラニンの産生を促進できるため、皮膚癌の予防,セルフタンニング効果に優れ、しかも安全性の高い皮膚外用剤を提供することができた。
Claims (3)
- ウブゲグサ属(Spyridia)及びアミジグサ(Dictyota dichotoma)から選択される1種又は2種以上の海藻の溶媒抽出物を有効成分として含有するメラニン産生促進剤。
- 請求項1に記載のメラニン産生促進剤を含有する皮膚外用剤。
- 皮膚外用剤がセルフタンニング化粧料であることを特徴とする請求項2に記載の皮膚外用剤。
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