JP3602584B2 - 筒状容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばストラット式の車両用懸架装置の一部を構成する油圧緩衝器,カートリッジ等として用いて好適な筒状容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ストラット式の車両懸架装置は、車体と車軸との間に設けられ、車体を独立的に懸架するもので、筒状容器としてのカートリッジ内に油圧緩衝器を装着したカートリッジ式懸架装置と、油圧緩衝器自体を懸架装置に使用する形式とが知られている。
【0003】
そこで、従来技術による懸架装置を図7ないし図11を参照しつつ説明する。
【0004】
まず、図7ないし図10に第1の従来技術を示す。
【0005】
図において、1は懸架装置の外筒をなす筒状容器を示し、該筒状容器1は、後述するチューブ2,ボトムキャップ3,取付ブラケット5等から大略構成されている。
【0006】
2は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ2の下端側には開口端2Aを閉塞し、かつ該開口端2Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ3が嵌合され、上端側には、後述するピストンロッド10の挿通を許しつつ開口端2Bを閉塞すると共に、チューブ2内に内筒(図示せず)を固定するアッパーキャップ4が取付けられている。また、前記内筒内には、該内筒内を上,下の油室に画成するピストン(いずれも図示せず)が軸方向に摺動可能に挿嵌されている。
【0007】
5はチューブ2の下端側外周に設けられ、筒状容器1の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット5は、図8,図9に示す如く、後述する外嵌部6,平行板部7等から構成されている。
【0008】
6はチューブ2の外周に嵌合された横断面C字状の外嵌部で、該外嵌部6は、図10に示すように、その先端部6Aが突出寸法Hをもってチューブ2の開口端2Aから突出するように配設されている。
【0009】
7は前記外嵌部6の周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した一対の平行板部で、該各平行板部7は、前記外嵌部6との間に形成された補強突部8A,8Bによって外的負荷に対して補強されている。また、該各平行板部7には、取付穴9,9がそれぞれ2個ずつ穿設され、該各取付穴9には、取付ブラケット5を介して筒状容器1を車両の前輪等を回転可能に支持するナックルスピンドルのナックルブラケットに取付けるためのボルト(いずれも図示せず)が挿通されるようになっている。
【0010】
ここで、前記取付ブラケット5のチューブ2への固着方法について説明すると、まず、外嵌部6を先端部6Aが開口端2Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ2に嵌合する。そして、この状態で、該外嵌部6の基端側に炭酸ガスアーク溶接(以下、CO2 溶接という)を施し、溶接部W1 によってチューブ2に固着する。また、外嵌部6の先端部6A内周に位置する部分にもθ1 の範囲に亘ってCO2 溶接を施し、チューブ2の開口端2Aに該外嵌部6の先端部6Aとボトムキャップ3をC字状の溶接部W2 によって固着する。さらに、前記ボトムキャップ3をチューブ2に気液密に固着すべく、各平行板部7の間に位置する部分には、θ2 の範囲に亘ってイナートガス(不活性ガス)として例えばアルゴンガスを用いたイナートガスアーク溶接(以下、アルゴン溶接という)を施し、眉形状の溶接部W3 によって該ボトムキャップ3,チューブ2間を封止する。
【0011】
また、上述した固着方法では、CO2 溶接とアルゴン溶接とを使い分けるようにしているが、このCO2 溶接とアルゴン溶接との使い分けについて述べると、図10に示すように、チューブ2の開口端2Aのうち外嵌部6とボトムキャップ3とにより溝状になった部分には、この溝内にCO2 を十分に貯えることができるから安価な炭酸ガス(CO2 )を用いたCO2 溶接を施すことができる。しかし、このCO2 溶接は、溶接部W1 のように直角となる隅肉溶接が限界であり、各平行板部7間に位置するボトムキャップ3外周側のように溶接部位の断面形状が大きく開いている部分(鈍角な部分)にはCO2 を貯えることができない。従って、この部分には不活性ガスであるアルゴンガスにより広範囲に亘って溶接部位を覆うことができるアルゴン溶接を施して溶接するようにしている。
【0012】
一方、10は下端側が筒状容器1内でピストンに固着され、上端側がアッパーキャップ4を介して筒状容器1外に突出したピストンロッドで、該ピストンロッド10の上端部にはねじ部10Aが形成され、該ねじ部10Aを介して車両の車体側に取付けられるようになっている。
【0013】
11はチューブ2の軸方向中間部に位置して径方向に突出した鍔状のスプリングシートで、該スプリングシート11は、筒状容器1等と共に懸架装置を構成する懸架ばね(図示せず)の下端側を支持するものである。
【0014】
第1の従来技術による懸架装置は、上述の如き構成を有するもので、該懸架装置で車両の車体側を車軸側のナックルスピンドルに対して懸架させる場合には、チューブ2に取付けられた取付ブラケット5の各平行板部7間にナックルブラケットをボルト等で締着し、ピストンロッド10のねじ部10Aを車体側にナット等で締着する。これにより、車両に上,下方向の振動が生じたときには、ピストンロッド10を介してピストンが内筒内で軸方向に移動し、該ピストンの移動によって流動する油液に抵抗が与えられて減衰力が発生し、この振動を減衰するようになっている。
【0015】
次に、図11に第2の従来技術を示す。
【0016】
図において、21は懸架装置の外筒をなす筒状容器を示し、該筒状容器21は、後述するチューブ22,ボトムキャップ23,取付ブラケット24等から構成されている。
【0017】
22は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ22の下端側には開口端(図示せず)を閉塞し、かつ該開口端から突出するように蓋体としてのボトムキャップ23が嵌合されている。
【0018】
24はチューブ22の下端側外周に設けられ、筒状容器21の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット24は、後述の外側ブラケット25と内側ブラケット26とから構成されている。また、該取付ブラケット24の先端部24Aは、チューブ22の開口端からわずかに突出するように配設されている。
【0019】
25はチューブ22の下端側を囲繞するように設けられた外側ブラケットを示し、該外側ブラケット25は、横断面C字状に形成され、チューブ22外周を外嵌する外嵌部25Aと、該外嵌部25Aの周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した一対の平行板部25B,25Bとから構成されている。
【0020】
26は外側ブラケット25の各平行板部25B間に設けられ、横断面コ字状に形成された内側ブラケットを示し、該内側ブラケット26は、前記各平行板部25B間でチューブ22の外周面に当接する円弧状の湾曲部26Aと、該湾曲部26Aの周方向両端から径方向外向きに突出するように折曲げられ、外側ブラケット25の各平行板部25B内面に重ね合わせるようにして設けられた一対の平行板部26B,26Bとから構成されている。
【0021】
また、前記各平行板部25B,26Bには互いに一致して複数の取付穴27,27,…がそれぞれ穿設されている。
【0022】
ここで、前記取付ブラケット24のチューブ22への固着方法について説明すると、まず、外側ブラケット25の各平行板部25B間に内側ブラケット26を嵌合して取付ブラケット24を形成し、該取付ブラケット24を先端部24Aが開口端からわずかに突出するようにチューブ22に嵌合する。そして、この状態で、取付ブラケット24の基端側(外嵌部25Aおよび湾曲部26Aの基端側)にCO2 溶接を施し、溶接部W4 によりチューブ22に固着する。また、該取付ブラケット24の先端部24Aに位置する部分には、外嵌部25A,湾曲部26A内周にCO2 溶接を施し、チューブ22の開口端に取付ブラケット24の先端部24Aとボトムキャップ3を全周に亘る溶接部W5 によって固着するようになっている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した第1の従来技術では、取付ブラケット5の外嵌部6基端側をCO2 溶接による溶接部W1 でチューブ2に固着し、外嵌部6の先端部6Aとボトムキャップ3をCO2 溶接による溶接部W2 とアルゴン溶接による溶接部W3 で筒状容器1の開口端2Aに固着するようにしているから、取付ブラケット5等をチューブ2に固着するための溶接作業を3回に分けて行なわなくてはならず、組立作業性が大幅に低下してしまうという問題がある。また、ボトムキャップ3をチューブ2に気液密に固着するために、CO2 溶接に比較して高価なアルゴンを使用するアルゴン溶接を用いるようにしているから、製造コストの増大を生じてしまうという問題がある。
【0024】
一方、第2の従来技術では、取付ブラケット24を外側ブラケット25と内側ブラケット26とから構成し、チューブ22の開口端外周を囲繞することにより、該取付ブラケット24の先端部24Aとボトムキャップ23をチューブ22の開口端に溶接するときに、CO2 溶接による一回の溶接作業で固着できるようになっている。しかし、別途内側ブラケット26を用いているため、部品点数が増大して組立作業性の低下や製造コストの増大を招くという問題がある。
【0025】
本発明は上述した各従来技術の問題に鑑みなされたもので、部品点数を増大することなく溶接作業を簡略化して、作業性の向上やコストの低減を図ることができるようにした筒状容器を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明による筒状容器の構成は、筒状体と、該筒状体の開口端を閉塞する蓋体と、前記筒状体の開口側外周に設けられた取付ブラケットとを備え、該取付ブラケットは、筒状体の外周に嵌合され、断面C字状で軸方向に延び、その軸方向先端部が該筒状体の開口端から所定量突出した状態で配設された外嵌部と、該外嵌部の周方向両端から径方向外向きに突出した一対の平行板部と、前記外嵌部の軸方向先端部に、該外嵌部の周方向両端の周方向の間隔を小さくするように前記筒状体の開口側を囲繞し、前記筒状体の開口端から所定量突出した状態で周方向に延設された円弧部とからなり、前記外嵌部、各平行板部および円弧部は1枚の板を成形加工することにより一体に形成され、前記筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接してなる。
【0027】
【作用】
上記構成により、外嵌部の軸方向先端部と円弧部とによってほぼ全周に亘って筒状体の開口端を囲繞することができ、これにより、1回の溶接作業によって筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接できる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例による筒状容器を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0029】
まず、図1ないし図3に本発明の第1の実施例を示す。
【0030】
図において、31は油圧緩衝器の外筒をなす本実施例による筒状容器を示し、該筒状容器31は、後述するチューブ32,ボトムキャップ33,取付ブラケット34等から構成されている。
【0031】
32は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ32の下端側には開口端32Aを閉塞し、かつ該開口端32Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ33が嵌合されている。
【0032】
34はチューブ32の下端側外周に設けられ、筒状容器31の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット34は、1枚の鉄板をプレス加工することにより、後述する外嵌部35,平行板部36,円弧部39等を一体成形して構成されている。
【0033】
35はチューブ32の外周に嵌合された本実施例による外嵌部で、該外嵌部35は、図2,図3に示す如く、第1の従来技術で述べた外嵌部6とほぼ同様に、横断面C字状に形成され、その先端部35Aが突出寸法Hをもってチューブ32の開口端32Aから突出するように配設されているものの、該外嵌部35は第1の従来技術による外嵌部6よりも軸方向寸法が長く設定されている。
【0034】
36は前記外嵌部35の周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した本実施例による一対の平行板部で、該各平行板部36は、第1の従来技術で述べた各平行板部7とほぼ同様に、前記外嵌部35との間に形成された補強突部37A,37Bによって外的負荷に対して補強されると共に、取付穴38,38がそれぞれ2個ずつ穿設されているものの、該各平行板部36は、前記外嵌部35先端から各円弧部39の幅寸法の分だけ離間して配設されている。
【0035】
39,39は外嵌部35の先端側に設けられた一対の円弧部を示し、該各円弧部39は、基端側が前記先端部35Aの周方向端部に一体に固着され、先端側が外嵌部35の曲率と同様の曲率をもって互いに対向するように周方向に延設されている。そして、該各円弧部39は、取付ブラケット34がチューブ32に嵌合されたときに、外嵌部35の先端部35Aと協働してチューブ32の開口端32Aをほぼ全周に亘って突出寸法Hをもって囲繞するようになっている。
【0036】
本実施例による筒状容器31は上述の如き構成を有するもので、次に、チューブ32へのボトムキャップ33,取付ブラケット34の固着方法について説明する。
【0037】
まず、外嵌部35を先端部35Aが開口端32Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ32に嵌合する。そして、この状態で、外嵌部35の基端側に炭酸ガスアーク溶接(以下、CO2 溶接という)を施し、溶接部W6 によってチューブ32に固着する。
【0038】
一方、チューブ32の開口端32Aに溶接を施すときには、該開口端32Aが外嵌部35の先端部35Aと各円弧部39とによりほぼ全周に亘って均一な突出寸法Hで囲繞されているから、該先端部35A,各円弧部39とボトムキャップ33との間に環状溝40が形成されている。これによって、第1の従来技術で述べたように、溶接部位を環状溝40とすることにより、該環状溝40にCO2 溶接を施すことができ、チューブ32の開口端32Aにボトムキャップ33,外嵌部35の先端部35Aおよび各円弧部39を全周に亘る溶接部W7 によって一体に固着することができる。
【0039】
かくして、本実施例によれば、チューブ32にボトムキャップ33,取付ブラケット34を固着するのに、炭酸ガスアーク溶接による2回(2箇所)の溶接作業によって一体に固着することができるから、部品点数を増大させることなく、溶接作業を簡略化することができ、組立作業性を大幅に向上することができる上に、炭酸ガスアーク溶接のみで溶接作業を行なうことにより、溶接費用を削減して製造コストの低減を図ることができる。
【0040】
次に、図4および図5に本発明の第2の実施例を示す。
【0041】
図において、41は油圧緩衝器の外筒をなす本実施例による筒状容器を示し、該筒状容器41は、後述するチューブ42,ボトムキャップ43,取付ブラケット44等から構成されている。
【0042】
42は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された本実施例による筒状体としてのチューブを示し、該チューブ42の下端側には開口端42Aを閉塞し、かつ該開口端42Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ43が嵌合されている。
【0043】
44はチューブ42の下端側外周に設けられ、筒状容器41の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット44は、1枚の鉄板をプレス加工することにより、後述する外嵌部45,平行板部46,円弧部49等を一体成形して構成されている。
【0044】
45はチューブ42の外周に嵌合された本実施例による外嵌部を示し、該外嵌部45は、図5に示す如く、本体をなす大径部45Aと、段部45Cを介して該大径部45Aの先端側に一体に設けられた先端部となる小径部45Bとから横断面C字状に形成されている。
【0045】
ここで、前記大径部45Aの内径寸法D1 は、チューブ42の外径寸法Dよりも僅かに大きくなるように(D1 >D)設定され、前記小径部45Bの内径寸法D2 は、自由状態(チューブ42に取付ける前の状態)でチューブ42の外径寸法Dよりも僅かに小さくなるように(D2 <D)設定されている。また、前記小径部45Bの先端部は突出寸法Hをもってチューブ42の開口端42Aから突出するように配設されている。
【0046】
46は前記外嵌部45の大径部45Aの周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した本実施例による一対の平行板部で、該各平行板部46は、第1の実施例で述べた各平行板部36と同様に、前記大径部45Aとの間に形成された補強突部47A,47Bによって外的負荷に対して補強されると共に、取付穴48,48がそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0047】
49,49は外嵌部45の小径部45Bに設けられた一対の円弧部を示し、該各円弧部49は、基端側が前記小径部45Bの周方向端部に一体に固着され、先端側が該小径部45Bの曲率と同様の曲率をもって互いに対向するように周方向に延設されている。そして、該各円弧部49は、取付ブラケット44がチューブ42に嵌合されたときに、小径部45Bの先端部と協働してチューブ42の開口端42Aをほぼ全周に亘って突出寸法Hをもって囲繞するようになっている。
【0048】
本実施例による筒状容器41は上述の如き構成を有するもので、次に、チューブ42へのボトムキャップ43,取付ブラケット44の固着方法について説明する。
【0049】
まず、チューブ42に取付ブラケット44を位置決めしつつ仮取付けするために、外嵌部45をその小径部45B先端部が開口端42Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ42に嵌合する。
【0050】
この嵌合時には、大径部45Aの内径寸法D1 をチューブ42の外径寸法Dよりも大きく設定すると共に、小径部45Bの内径寸法D2 をチューブ42の外径寸法Dよりも僅かに小さくなるように設定しているから、チューブ42を大径部45A内に容易に挿入することができる上に、小径部45Bに圧入することによって取付ブラケット44をチューブ42に対して位置決め固定することができる。
【0051】
そして、この状態で、第1の実施例と同様に大径部45Aの基端側にCO2 溶接を施し、外嵌部45を溶接部W8 によってチューブ42に固着する。
【0052】
一方、チューブ42の開口端42Aに溶接を施すときには、該開口端42Aが外嵌部45の小径部45Bと各円弧部49とによりほぼ全周に亘って均一な突出寸法Hで囲繞されているから、該小径部45B,各円弧部49とボトムキャップ43との間に環状溝50が形成されている。これによって、第1の従来技術で述べたように、溶接部位を環状溝50とすることにより、該環状溝50にCO2 溶接を施すことができ、チューブ42の開口端42Aにボトムキャップ43,外嵌部45の小径部45B先端および各円弧部49を全周に亘る溶接部W9 によって一体に固着することができる。
【0053】
かくして、本実施例によれば、前記第1の実施例で述べた作用効果に加え、各平行板部46が固着されている外嵌部45の大径部45Aをチューブ42より僅かに大径に形成し、小径部45Bにチューブ42を圧入するようにしているから、チューブ42の圧入によって各平行板部46間の寸法が大きくなるのを防止できる上に、チューブ42に取付ブラケット44を溶接した後に各平行板部46間の寸法に誤差が発見された場合でも、各平行板部46に加工を施して該各平行板部46間の寸法を容易に調整することができ、寸法不良の発生を防止して、歩留りや顧客に対する信頼性を向上することができる。
【0054】
また、外嵌部45の大径部45Aをチューブ42よりも僅かに大径に形成するようにしているから、小径部45Bに当接するまでチューブ42を該大径部45A内に容易に挿入することができ、組立作業を容易にすることができる。
【0055】
この点、第1の実施例では、外嵌部35の全体をチューブ32よりも小径にして、外嵌部35を押し広げるようにチューブ32を圧入するようにした場合には、外嵌部35と各平行板部36との間に亘って形成された補強突部37A,37Bによって該外嵌部35が変形しにくく、外嵌部35にチューブ32を容易に圧入することができないという難点がある。
【0056】
これに対し、本実施例では、外嵌部45の大部分を占める大径部45Aをチューブ42よりも大径にし、該大径部45Aの先端側の小径部45Bをチューブ42より小径にしているから、チューブ42を小径部45Bに圧入するだけで位置決めすることができ、圧入、位置決め作業を容易に行なうことができる。
【0057】
また、小径部45Bだけにチューブ42を圧入するようにしているから、該小径部45Bの寸法を小さめに設定し、取付ブラケット44をチューブ42に仮取付けしたときにガタつきが生じるのを確実に防止することができ、位置ずれを防止して、組立作業の作業性の向上、品質の安定化等を図ることができる。
【0058】
なお、前記第1の実施例では、外嵌部35の先端部35Aから一対の円弧部39,39を周方向に延設した場合を例に挙げて説明したが、例えば、図6に示す変形例の如く、先端部35Aの周方向両端のうち一方の端部から他方の端部に向けて伸長するように単一の円弧部39′を設けるようにしてもよい。また、第2の実施例についても同様である。
【0059】
また、前記各実施例では、油圧緩衝器自体を懸架装置として用いる形式の懸架装置の筒状容器31,41を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばカートリッジ式懸架装置のカートリッジ,空圧シリンダ,油圧シリンダ,ガススプリング等を対称とした筒状容器に適用してもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、取付ブラケットは、筒状体の外周に嵌合され、断面C字状で軸方向に延び、その軸方向先端部が該筒状体の開口端から所定量突出した状態で配設された外嵌部と、該外嵌部の周方向両端から径方向外向きに突出した一対の平行板部と、前記外嵌部の軸方向先端部に、該外嵌部の周方向両端の周方向の間隔を小さくするように前記筒状体の開口側を囲繞し、前記筒状体の開口端から所定量突出した状態で周方向に延設された円弧部とを1枚の板を成形加工することにより一体に形成しているから、外嵌部の先端部と円弧部とによってほぼ全周に亘って筒状体の開口端を囲繞することができ、これにより、1回の溶接作業によって筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接でき、部品点数を増大することなく溶接作業を簡略化して、作業性の向上やコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【図2】筒状容器を底部より示す底面図である。
【図3】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を示す図2中の矢示 III−III 方向から見た縦断面図である。
【図4】第2の実施例による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【図5】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を拡大して示す縦断面図である。
【図6】本発明の変形例による筒状容器を示す外観斜視図である。
【図7】第1の従来技術による筒状容器を用いた油圧緩衝器を示す一部破断の全体図である。
【図8】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットを拡大して示す外観斜視図である。
【図9】筒状容器を底部より示す底面図である。
【図10】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を示す図9中の矢示X−X方向から見た縦断面図である。
【図11】第2の従来技術による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【符号の説明】
31,41 筒状容器
32,42 チューブ(筒状体)
32A,42A 開口端
33,43 ボトムキャップ(蓋体)
34,44 取付ブラケット
35,45 外嵌部
35A 先端部
36,46 平行板部
39,39′,49 円弧部
45B 小径部(先端部)
H 突出寸法
W6 ,W7 ,W8 ,W9 溶接部
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばストラット式の車両用懸架装置の一部を構成する油圧緩衝器,カートリッジ等として用いて好適な筒状容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ストラット式の車両懸架装置は、車体と車軸との間に設けられ、車体を独立的に懸架するもので、筒状容器としてのカートリッジ内に油圧緩衝器を装着したカートリッジ式懸架装置と、油圧緩衝器自体を懸架装置に使用する形式とが知られている。
【0003】
そこで、従来技術による懸架装置を図7ないし図11を参照しつつ説明する。
【0004】
まず、図7ないし図10に第1の従来技術を示す。
【0005】
図において、1は懸架装置の外筒をなす筒状容器を示し、該筒状容器1は、後述するチューブ2,ボトムキャップ3,取付ブラケット5等から大略構成されている。
【0006】
2は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ2の下端側には開口端2Aを閉塞し、かつ該開口端2Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ3が嵌合され、上端側には、後述するピストンロッド10の挿通を許しつつ開口端2Bを閉塞すると共に、チューブ2内に内筒(図示せず)を固定するアッパーキャップ4が取付けられている。また、前記内筒内には、該内筒内を上,下の油室に画成するピストン(いずれも図示せず)が軸方向に摺動可能に挿嵌されている。
【0007】
5はチューブ2の下端側外周に設けられ、筒状容器1の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット5は、図8,図9に示す如く、後述する外嵌部6,平行板部7等から構成されている。
【0008】
6はチューブ2の外周に嵌合された横断面C字状の外嵌部で、該外嵌部6は、図10に示すように、その先端部6Aが突出寸法Hをもってチューブ2の開口端2Aから突出するように配設されている。
【0009】
7は前記外嵌部6の周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した一対の平行板部で、該各平行板部7は、前記外嵌部6との間に形成された補強突部8A,8Bによって外的負荷に対して補強されている。また、該各平行板部7には、取付穴9,9がそれぞれ2個ずつ穿設され、該各取付穴9には、取付ブラケット5を介して筒状容器1を車両の前輪等を回転可能に支持するナックルスピンドルのナックルブラケットに取付けるためのボルト(いずれも図示せず)が挿通されるようになっている。
【0010】
ここで、前記取付ブラケット5のチューブ2への固着方法について説明すると、まず、外嵌部6を先端部6Aが開口端2Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ2に嵌合する。そして、この状態で、該外嵌部6の基端側に炭酸ガスアーク溶接(以下、CO2 溶接という)を施し、溶接部W1 によってチューブ2に固着する。また、外嵌部6の先端部6A内周に位置する部分にもθ1 の範囲に亘ってCO2 溶接を施し、チューブ2の開口端2Aに該外嵌部6の先端部6Aとボトムキャップ3をC字状の溶接部W2 によって固着する。さらに、前記ボトムキャップ3をチューブ2に気液密に固着すべく、各平行板部7の間に位置する部分には、θ2 の範囲に亘ってイナートガス(不活性ガス)として例えばアルゴンガスを用いたイナートガスアーク溶接(以下、アルゴン溶接という)を施し、眉形状の溶接部W3 によって該ボトムキャップ3,チューブ2間を封止する。
【0011】
また、上述した固着方法では、CO2 溶接とアルゴン溶接とを使い分けるようにしているが、このCO2 溶接とアルゴン溶接との使い分けについて述べると、図10に示すように、チューブ2の開口端2Aのうち外嵌部6とボトムキャップ3とにより溝状になった部分には、この溝内にCO2 を十分に貯えることができるから安価な炭酸ガス(CO2 )を用いたCO2 溶接を施すことができる。しかし、このCO2 溶接は、溶接部W1 のように直角となる隅肉溶接が限界であり、各平行板部7間に位置するボトムキャップ3外周側のように溶接部位の断面形状が大きく開いている部分(鈍角な部分)にはCO2 を貯えることができない。従って、この部分には不活性ガスであるアルゴンガスにより広範囲に亘って溶接部位を覆うことができるアルゴン溶接を施して溶接するようにしている。
【0012】
一方、10は下端側が筒状容器1内でピストンに固着され、上端側がアッパーキャップ4を介して筒状容器1外に突出したピストンロッドで、該ピストンロッド10の上端部にはねじ部10Aが形成され、該ねじ部10Aを介して車両の車体側に取付けられるようになっている。
【0013】
11はチューブ2の軸方向中間部に位置して径方向に突出した鍔状のスプリングシートで、該スプリングシート11は、筒状容器1等と共に懸架装置を構成する懸架ばね(図示せず)の下端側を支持するものである。
【0014】
第1の従来技術による懸架装置は、上述の如き構成を有するもので、該懸架装置で車両の車体側を車軸側のナックルスピンドルに対して懸架させる場合には、チューブ2に取付けられた取付ブラケット5の各平行板部7間にナックルブラケットをボルト等で締着し、ピストンロッド10のねじ部10Aを車体側にナット等で締着する。これにより、車両に上,下方向の振動が生じたときには、ピストンロッド10を介してピストンが内筒内で軸方向に移動し、該ピストンの移動によって流動する油液に抵抗が与えられて減衰力が発生し、この振動を減衰するようになっている。
【0015】
次に、図11に第2の従来技術を示す。
【0016】
図において、21は懸架装置の外筒をなす筒状容器を示し、該筒状容器21は、後述するチューブ22,ボトムキャップ23,取付ブラケット24等から構成されている。
【0017】
22は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ22の下端側には開口端(図示せず)を閉塞し、かつ該開口端から突出するように蓋体としてのボトムキャップ23が嵌合されている。
【0018】
24はチューブ22の下端側外周に設けられ、筒状容器21の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット24は、後述の外側ブラケット25と内側ブラケット26とから構成されている。また、該取付ブラケット24の先端部24Aは、チューブ22の開口端からわずかに突出するように配設されている。
【0019】
25はチューブ22の下端側を囲繞するように設けられた外側ブラケットを示し、該外側ブラケット25は、横断面C字状に形成され、チューブ22外周を外嵌する外嵌部25Aと、該外嵌部25Aの周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した一対の平行板部25B,25Bとから構成されている。
【0020】
26は外側ブラケット25の各平行板部25B間に設けられ、横断面コ字状に形成された内側ブラケットを示し、該内側ブラケット26は、前記各平行板部25B間でチューブ22の外周面に当接する円弧状の湾曲部26Aと、該湾曲部26Aの周方向両端から径方向外向きに突出するように折曲げられ、外側ブラケット25の各平行板部25B内面に重ね合わせるようにして設けられた一対の平行板部26B,26Bとから構成されている。
【0021】
また、前記各平行板部25B,26Bには互いに一致して複数の取付穴27,27,…がそれぞれ穿設されている。
【0022】
ここで、前記取付ブラケット24のチューブ22への固着方法について説明すると、まず、外側ブラケット25の各平行板部25B間に内側ブラケット26を嵌合して取付ブラケット24を形成し、該取付ブラケット24を先端部24Aが開口端からわずかに突出するようにチューブ22に嵌合する。そして、この状態で、取付ブラケット24の基端側(外嵌部25Aおよび湾曲部26Aの基端側)にCO2 溶接を施し、溶接部W4 によりチューブ22に固着する。また、該取付ブラケット24の先端部24Aに位置する部分には、外嵌部25A,湾曲部26A内周にCO2 溶接を施し、チューブ22の開口端に取付ブラケット24の先端部24Aとボトムキャップ3を全周に亘る溶接部W5 によって固着するようになっている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した第1の従来技術では、取付ブラケット5の外嵌部6基端側をCO2 溶接による溶接部W1 でチューブ2に固着し、外嵌部6の先端部6Aとボトムキャップ3をCO2 溶接による溶接部W2 とアルゴン溶接による溶接部W3 で筒状容器1の開口端2Aに固着するようにしているから、取付ブラケット5等をチューブ2に固着するための溶接作業を3回に分けて行なわなくてはならず、組立作業性が大幅に低下してしまうという問題がある。また、ボトムキャップ3をチューブ2に気液密に固着するために、CO2 溶接に比較して高価なアルゴンを使用するアルゴン溶接を用いるようにしているから、製造コストの増大を生じてしまうという問題がある。
【0024】
一方、第2の従来技術では、取付ブラケット24を外側ブラケット25と内側ブラケット26とから構成し、チューブ22の開口端外周を囲繞することにより、該取付ブラケット24の先端部24Aとボトムキャップ23をチューブ22の開口端に溶接するときに、CO2 溶接による一回の溶接作業で固着できるようになっている。しかし、別途内側ブラケット26を用いているため、部品点数が増大して組立作業性の低下や製造コストの増大を招くという問題がある。
【0025】
本発明は上述した各従来技術の問題に鑑みなされたもので、部品点数を増大することなく溶接作業を簡略化して、作業性の向上やコストの低減を図ることができるようにした筒状容器を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明による筒状容器の構成は、筒状体と、該筒状体の開口端を閉塞する蓋体と、前記筒状体の開口側外周に設けられた取付ブラケットとを備え、該取付ブラケットは、筒状体の外周に嵌合され、断面C字状で軸方向に延び、その軸方向先端部が該筒状体の開口端から所定量突出した状態で配設された外嵌部と、該外嵌部の周方向両端から径方向外向きに突出した一対の平行板部と、前記外嵌部の軸方向先端部に、該外嵌部の周方向両端の周方向の間隔を小さくするように前記筒状体の開口側を囲繞し、前記筒状体の開口端から所定量突出した状態で周方向に延設された円弧部とからなり、前記外嵌部、各平行板部および円弧部は1枚の板を成形加工することにより一体に形成され、前記筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接してなる。
【0027】
【作用】
上記構成により、外嵌部の軸方向先端部と円弧部とによってほぼ全周に亘って筒状体の開口端を囲繞することができ、これにより、1回の溶接作業によって筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接できる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例による筒状容器を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0029】
まず、図1ないし図3に本発明の第1の実施例を示す。
【0030】
図において、31は油圧緩衝器の外筒をなす本実施例による筒状容器を示し、該筒状容器31は、後述するチューブ32,ボトムキャップ33,取付ブラケット34等から構成されている。
【0031】
32は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された筒状体としてのチューブを示し、該チューブ32の下端側には開口端32Aを閉塞し、かつ該開口端32Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ33が嵌合されている。
【0032】
34はチューブ32の下端側外周に設けられ、筒状容器31の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット34は、1枚の鉄板をプレス加工することにより、後述する外嵌部35,平行板部36,円弧部39等を一体成形して構成されている。
【0033】
35はチューブ32の外周に嵌合された本実施例による外嵌部で、該外嵌部35は、図2,図3に示す如く、第1の従来技術で述べた外嵌部6とほぼ同様に、横断面C字状に形成され、その先端部35Aが突出寸法Hをもってチューブ32の開口端32Aから突出するように配設されているものの、該外嵌部35は第1の従来技術による外嵌部6よりも軸方向寸法が長く設定されている。
【0034】
36は前記外嵌部35の周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した本実施例による一対の平行板部で、該各平行板部36は、第1の従来技術で述べた各平行板部7とほぼ同様に、前記外嵌部35との間に形成された補強突部37A,37Bによって外的負荷に対して補強されると共に、取付穴38,38がそれぞれ2個ずつ穿設されているものの、該各平行板部36は、前記外嵌部35先端から各円弧部39の幅寸法の分だけ離間して配設されている。
【0035】
39,39は外嵌部35の先端側に設けられた一対の円弧部を示し、該各円弧部39は、基端側が前記先端部35Aの周方向端部に一体に固着され、先端側が外嵌部35の曲率と同様の曲率をもって互いに対向するように周方向に延設されている。そして、該各円弧部39は、取付ブラケット34がチューブ32に嵌合されたときに、外嵌部35の先端部35Aと協働してチューブ32の開口端32Aをほぼ全周に亘って突出寸法Hをもって囲繞するようになっている。
【0036】
本実施例による筒状容器31は上述の如き構成を有するもので、次に、チューブ32へのボトムキャップ33,取付ブラケット34の固着方法について説明する。
【0037】
まず、外嵌部35を先端部35Aが開口端32Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ32に嵌合する。そして、この状態で、外嵌部35の基端側に炭酸ガスアーク溶接(以下、CO2 溶接という)を施し、溶接部W6 によってチューブ32に固着する。
【0038】
一方、チューブ32の開口端32Aに溶接を施すときには、該開口端32Aが外嵌部35の先端部35Aと各円弧部39とによりほぼ全周に亘って均一な突出寸法Hで囲繞されているから、該先端部35A,各円弧部39とボトムキャップ33との間に環状溝40が形成されている。これによって、第1の従来技術で述べたように、溶接部位を環状溝40とすることにより、該環状溝40にCO2 溶接を施すことができ、チューブ32の開口端32Aにボトムキャップ33,外嵌部35の先端部35Aおよび各円弧部39を全周に亘る溶接部W7 によって一体に固着することができる。
【0039】
かくして、本実施例によれば、チューブ32にボトムキャップ33,取付ブラケット34を固着するのに、炭酸ガスアーク溶接による2回(2箇所)の溶接作業によって一体に固着することができるから、部品点数を増大させることなく、溶接作業を簡略化することができ、組立作業性を大幅に向上することができる上に、炭酸ガスアーク溶接のみで溶接作業を行なうことにより、溶接費用を削減して製造コストの低減を図ることができる。
【0040】
次に、図4および図5に本発明の第2の実施例を示す。
【0041】
図において、41は油圧緩衝器の外筒をなす本実施例による筒状容器を示し、該筒状容器41は、後述するチューブ42,ボトムキャップ43,取付ブラケット44等から構成されている。
【0042】
42は高強度のパイプ材等によって円筒状に形成された本実施例による筒状体としてのチューブを示し、該チューブ42の下端側には開口端42Aを閉塞し、かつ該開口端42Aから突出するように蓋体としてのボトムキャップ43が嵌合されている。
【0043】
44はチューブ42の下端側外周に設けられ、筒状容器41の一部をなす取付ブラケットを示し、該取付ブラケット44は、1枚の鉄板をプレス加工することにより、後述する外嵌部45,平行板部46,円弧部49等を一体成形して構成されている。
【0044】
45はチューブ42の外周に嵌合された本実施例による外嵌部を示し、該外嵌部45は、図5に示す如く、本体をなす大径部45Aと、段部45Cを介して該大径部45Aの先端側に一体に設けられた先端部となる小径部45Bとから横断面C字状に形成されている。
【0045】
ここで、前記大径部45Aの内径寸法D1 は、チューブ42の外径寸法Dよりも僅かに大きくなるように(D1 >D)設定され、前記小径部45Bの内径寸法D2 は、自由状態(チューブ42に取付ける前の状態)でチューブ42の外径寸法Dよりも僅かに小さくなるように(D2 <D)設定されている。また、前記小径部45Bの先端部は突出寸法Hをもってチューブ42の開口端42Aから突出するように配設されている。
【0046】
46は前記外嵌部45の大径部45Aの周方向両端から径方向外向きに突出し、互いにほぼ平行に伸長した本実施例による一対の平行板部で、該各平行板部46は、第1の実施例で述べた各平行板部36と同様に、前記大径部45Aとの間に形成された補強突部47A,47Bによって外的負荷に対して補強されると共に、取付穴48,48がそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0047】
49,49は外嵌部45の小径部45Bに設けられた一対の円弧部を示し、該各円弧部49は、基端側が前記小径部45Bの周方向端部に一体に固着され、先端側が該小径部45Bの曲率と同様の曲率をもって互いに対向するように周方向に延設されている。そして、該各円弧部49は、取付ブラケット44がチューブ42に嵌合されたときに、小径部45Bの先端部と協働してチューブ42の開口端42Aをほぼ全周に亘って突出寸法Hをもって囲繞するようになっている。
【0048】
本実施例による筒状容器41は上述の如き構成を有するもので、次に、チューブ42へのボトムキャップ43,取付ブラケット44の固着方法について説明する。
【0049】
まず、チューブ42に取付ブラケット44を位置決めしつつ仮取付けするために、外嵌部45をその小径部45B先端部が開口端42Aから突出寸法Hだけ突出するようにチューブ42に嵌合する。
【0050】
この嵌合時には、大径部45Aの内径寸法D1 をチューブ42の外径寸法Dよりも大きく設定すると共に、小径部45Bの内径寸法D2 をチューブ42の外径寸法Dよりも僅かに小さくなるように設定しているから、チューブ42を大径部45A内に容易に挿入することができる上に、小径部45Bに圧入することによって取付ブラケット44をチューブ42に対して位置決め固定することができる。
【0051】
そして、この状態で、第1の実施例と同様に大径部45Aの基端側にCO2 溶接を施し、外嵌部45を溶接部W8 によってチューブ42に固着する。
【0052】
一方、チューブ42の開口端42Aに溶接を施すときには、該開口端42Aが外嵌部45の小径部45Bと各円弧部49とによりほぼ全周に亘って均一な突出寸法Hで囲繞されているから、該小径部45B,各円弧部49とボトムキャップ43との間に環状溝50が形成されている。これによって、第1の従来技術で述べたように、溶接部位を環状溝50とすることにより、該環状溝50にCO2 溶接を施すことができ、チューブ42の開口端42Aにボトムキャップ43,外嵌部45の小径部45B先端および各円弧部49を全周に亘る溶接部W9 によって一体に固着することができる。
【0053】
かくして、本実施例によれば、前記第1の実施例で述べた作用効果に加え、各平行板部46が固着されている外嵌部45の大径部45Aをチューブ42より僅かに大径に形成し、小径部45Bにチューブ42を圧入するようにしているから、チューブ42の圧入によって各平行板部46間の寸法が大きくなるのを防止できる上に、チューブ42に取付ブラケット44を溶接した後に各平行板部46間の寸法に誤差が発見された場合でも、各平行板部46に加工を施して該各平行板部46間の寸法を容易に調整することができ、寸法不良の発生を防止して、歩留りや顧客に対する信頼性を向上することができる。
【0054】
また、外嵌部45の大径部45Aをチューブ42よりも僅かに大径に形成するようにしているから、小径部45Bに当接するまでチューブ42を該大径部45A内に容易に挿入することができ、組立作業を容易にすることができる。
【0055】
この点、第1の実施例では、外嵌部35の全体をチューブ32よりも小径にして、外嵌部35を押し広げるようにチューブ32を圧入するようにした場合には、外嵌部35と各平行板部36との間に亘って形成された補強突部37A,37Bによって該外嵌部35が変形しにくく、外嵌部35にチューブ32を容易に圧入することができないという難点がある。
【0056】
これに対し、本実施例では、外嵌部45の大部分を占める大径部45Aをチューブ42よりも大径にし、該大径部45Aの先端側の小径部45Bをチューブ42より小径にしているから、チューブ42を小径部45Bに圧入するだけで位置決めすることができ、圧入、位置決め作業を容易に行なうことができる。
【0057】
また、小径部45Bだけにチューブ42を圧入するようにしているから、該小径部45Bの寸法を小さめに設定し、取付ブラケット44をチューブ42に仮取付けしたときにガタつきが生じるのを確実に防止することができ、位置ずれを防止して、組立作業の作業性の向上、品質の安定化等を図ることができる。
【0058】
なお、前記第1の実施例では、外嵌部35の先端部35Aから一対の円弧部39,39を周方向に延設した場合を例に挙げて説明したが、例えば、図6に示す変形例の如く、先端部35Aの周方向両端のうち一方の端部から他方の端部に向けて伸長するように単一の円弧部39′を設けるようにしてもよい。また、第2の実施例についても同様である。
【0059】
また、前記各実施例では、油圧緩衝器自体を懸架装置として用いる形式の懸架装置の筒状容器31,41を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばカートリッジ式懸架装置のカートリッジ,空圧シリンダ,油圧シリンダ,ガススプリング等を対称とした筒状容器に適用してもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、取付ブラケットは、筒状体の外周に嵌合され、断面C字状で軸方向に延び、その軸方向先端部が該筒状体の開口端から所定量突出した状態で配設された外嵌部と、該外嵌部の周方向両端から径方向外向きに突出した一対の平行板部と、前記外嵌部の軸方向先端部に、該外嵌部の周方向両端の周方向の間隔を小さくするように前記筒状体の開口側を囲繞し、前記筒状体の開口端から所定量突出した状態で周方向に延設された円弧部とを1枚の板を成形加工することにより一体に形成しているから、外嵌部の先端部と円弧部とによってほぼ全周に亘って筒状体の開口端を囲繞することができ、これにより、1回の溶接作業によって筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接でき、部品点数を増大することなく溶接作業を簡略化して、作業性の向上やコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【図2】筒状容器を底部より示す底面図である。
【図3】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を示す図2中の矢示 III−III 方向から見た縦断面図である。
【図4】第2の実施例による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【図5】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を拡大して示す縦断面図である。
【図6】本発明の変形例による筒状容器を示す外観斜視図である。
【図7】第1の従来技術による筒状容器を用いた油圧緩衝器を示す一部破断の全体図である。
【図8】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットを拡大して示す外観斜視図である。
【図9】筒状容器を底部より示す底面図である。
【図10】チューブ,ボトムキャップおよび取付ブラケットの溶接状態を示す図9中の矢示X−X方向から見た縦断面図である。
【図11】第2の従来技術による筒状容器を拡大して示す外観斜視図である。
【符号の説明】
31,41 筒状容器
32,42 チューブ(筒状体)
32A,42A 開口端
33,43 ボトムキャップ(蓋体)
34,44 取付ブラケット
35,45 外嵌部
35A 先端部
36,46 平行板部
39,39′,49 円弧部
45B 小径部(先端部)
H 突出寸法
W6 ,W7 ,W8 ,W9 溶接部
Claims (1)
- 筒状体と、該筒状体の開口端を閉塞する蓋体と、前記筒状体の開口側外周に設けられた取付ブラケットとを備え、
該取付ブラケットは、筒状体の外周に嵌合され、断面C字状で軸方向に延び、その軸方向先端部が該筒状体の開口端から所定量突出した状態で配設された外嵌部と、該外嵌部の周方向両端から径方向外向きに突出した一対の平行板部と、前記外嵌部の軸方向先端部に、該外嵌部の周方向両端の周方向の間隔を小さくするように前記筒状体の開口側を囲繞し、前記筒状体の開口端から所定量突出した状態で周方向に延設された円弧部とからなり、前記外嵌部、各平行板部および円弧部は1枚の板を成形加工することにより一体に形成され、
前記筒状体の開口端に蓋体,取付ブラケットの外嵌部の軸方向先端部および円弧部を一体に溶接した筒状容器。
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---|---|---|---|
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