JP2007147038A - シリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のサスペンション装置に用いられる油圧緩衝器等のシリンダ装置において、スプリングシート部及びタイロッド連結部を一体化し、これらに必要な形状及び強度を確保する。
【解決手段】油圧緩衝器本体2の外筒3に、アッパプレート5とロアプレート6とをフランジ部5A、6Aで互いに溶接したシートアーム部材4を取付ける。アッパプレート5にスプリングシート部12を形成し、アッパプレート5及びロアプレート6の開口部13、14に、タイロッドを連結するためのブッシュ15を取付ける。アッパプレート5に突出結合部17を形成し、この突出結合部17をロアプレート6に溶接することにより、サスペンションスプリングから受ける油圧緩衝器本体2の軸方向の荷重及びタイロッドから受ける油圧緩衝器本体2の軸回りの捩り荷重に対して必要な強度を確保する。
【選択図】図1
【解決手段】油圧緩衝器本体2の外筒3に、アッパプレート5とロアプレート6とをフランジ部5A、6Aで互いに溶接したシートアーム部材4を取付ける。アッパプレート5にスプリングシート部12を形成し、アッパプレート5及びロアプレート6の開口部13、14に、タイロッドを連結するためのブッシュ15を取付ける。アッパプレート5に突出結合部17を形成し、この突出結合部17をロアプレート6に溶接することにより、サスペンションスプリングから受ける油圧緩衝器本体2の軸方向の荷重及びタイロッドから受ける油圧緩衝器本体2の軸回りの捩り荷重に対して必要な強度を確保する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両のサスペンション装置に装着される油圧緩衝器等のシリンダ装置に関するものである。
一般的に自動車のサスペンション装置には、筒型の油圧緩衝器が装着されており、車体の振動及びばね下運動に対して減衰力を作用させて、乗り心地及び操縦安定性を向上させている。そして、筒型の油圧緩衝器をサスペンションメンバとして利用したものとして、サスペンションストラットがある。サスペンションストラットは、油圧緩衝器であると共に、サスペンション装置の強度部材として機能し、サスペンションスプリングを受けるスプリングシートが取付けられ、また、車軸を支持するナックルを結合するためのブラケットが取付けられている。更に、前輪(操舵車輪)のサスペンション装置に使用されるサスペンションストラットは、キングピンの機能も有しており、操舵時には、ナックルのアーム部に連結されたステアリング機構のタイロッドによって回動される。
従来、サスペンションストラットには、車載スペース上及び車体への組付性等の観点から、例えば特許文献1に記載されているように、ナックルのアーム部の代りに、タイロッドが連結されるタイロッド連結部がシリンダ部に一体的に取付けられたものがある。更に、サスペンションストラットには、サスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とを一体化した部材がシリンダ部に取付けられたものもある。
実開昭47−3424号公報
このように、サスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とを一体化した部材がシリンダ部に取付けられたサスペンションストラットにおいては、スプリングシートとして要求される形状及び軸方向の荷重に対する強度と、タイロッド連結部として要求される形状及び軸回りの捩り荷重に対する強度を確保する必要がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、スプリングシート部及びタイロッド連結部が一体化され、これらに必要な形状及び強度を確保することができるシリンダ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、シリンダ部の端部からロッドが突出され、前記シリンダ部に、該シリンダ部の周囲に巻装されるサスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とが一体化されたシートアーム部材が取付けられたシリンダ装置において、
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成されたアッパプレート及びロアプレートが前記結合部で互いに結合され、前記アッパプレート及び前記ロアプレートの少なくとも一方の前記スプリングシート部と前記タイロッド連結部との間の部分に、他方に向って突出されて他方に結合される突出結合部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、シリンダ部の端部からロッドが突出され、前記シリンダ部に、該シリンダ部の周囲に巻装されるサスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とが一体化されたシートアーム部材が取付けられたシリンダ装置において、
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成され、前記スプリングシート部が形成されたアッパプレートと、ほぼ平板状で周囲に結合部が形成されたロアプレートとが前記結合部で互いに結合されており、前記ロアプレートの板厚が前記アッパプレートの板厚よりも厚いことを特徴とする。
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成されたアッパプレート及びロアプレートが前記結合部で互いに結合され、前記アッパプレート及び前記ロアプレートの少なくとも一方の前記スプリングシート部と前記タイロッド連結部との間の部分に、他方に向って突出されて他方に結合される突出結合部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、シリンダ部の端部からロッドが突出され、前記シリンダ部に、該シリンダ部の周囲に巻装されるサスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とが一体化されたシートアーム部材が取付けられたシリンダ装置において、
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成され、前記スプリングシート部が形成されたアッパプレートと、ほぼ平板状で周囲に結合部が形成されたロアプレートとが前記結合部で互いに結合されており、前記ロアプレートの板厚が前記アッパプレートの板厚よりも厚いことを特徴とする。
請求項1の発明に係るシリンダ装置によれば、突出結合部によってアッパプレートとロアプレートとを結合することにより、スプリングシート部及びタイロッド連結部のシリンダ部の軸方向荷重及び軸回りの捩り荷重に対する強度を高めることができる。
請求項2の発明に係るシリンダ装置によれば、アッパプレートの板厚を薄くすることによって、スプリングシート部の成形性を高めることができ、また、ロアプレートをほぼ平板状として、その板厚を厚くすることにより、スプリングシート部及びタイロッド連結部に必要な強度を確保することができる。
請求項2の発明に係るシリンダ装置によれば、アッパプレートの板厚を薄くすることによって、スプリングシート部の成形性を高めることができ、また、ロアプレートをほぼ平板状として、その板厚を厚くすることにより、スプリングシート部及びタイロッド連結部に必要な強度を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係るシリンダ装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシリンダ装置1は、自動車の前輪サスペンション装置に装着されるサスペンションストラットを構成するものあって、サスペンションメンバとして機能する筒型の油圧緩衝器本体2(シリンダ部の外筒3のみを図示する)の外筒3に、油圧緩衝器本体2の周囲に巻装されるサスペンションスプリング(図示せず)の下端部を受けるスプリングシート部とステアリング装置のタイロッド(図示せず)を連結するタイロッド連結部とを一体化したシートアーム部材4が取付けられている。
本発明の第1実施形態に係るシリンダ装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシリンダ装置1は、自動車の前輪サスペンション装置に装着されるサスペンションストラットを構成するものあって、サスペンションメンバとして機能する筒型の油圧緩衝器本体2(シリンダ部の外筒3のみを図示する)の外筒3に、油圧緩衝器本体2の周囲に巻装されるサスペンションスプリング(図示せず)の下端部を受けるスプリングシート部とステアリング装置のタイロッド(図示せず)を連結するタイロッド連結部とを一体化したシートアーム部材4が取付けられている。
油圧緩衝器本体2は、油液が封入されたシリンダ部(外筒3のみを図示する)と、シリンダ部内に摺動可能に嵌装されたピストン(図示せず)と、一端がピストンに連結され、他端がシリンダ部の外部へ突出されたロッドとしてのピストンロッド2Aと、ピストンの摺動によって油液が流通する油路(図示せず)と、この油路の油液の流れを制御するオリフィス、ディスクバルブ等からなる減衰力発生機構(図示せず)とを備えており、ピストンロッドの伸縮に対して、油路を流通する油液の流れを減衰力発生機構によって制御することにより、減衰力を発生させるようになっている。
シートアーム部材4は、径の異なる2つの円弧を直線で結んだ平面形状を有する板材を一側に膨出させて周囲にフランジ部5A、6A(結合部)を形成したアッパプレート5とロアプレート6とをフランジ部5A、6Aでスポット溶接7によって互いに結合して内部に閉じた空間8を形成した構造となっている。アッパプレート5及びロアプレート6の大径側の円弧の中心部には、それぞれ円筒部9、10が上下方向に延出されており、これらの円筒部9、10に油圧緩衝器本体2の外筒3が嵌合、挿通されて、円筒部9、10の先端部が外筒3にCO2溶接11によって結合されている。そして、アッパプレート5の円筒部9の周囲にサスペンションスプリングの下端部を受けるスプリングシート部12が形成されている。
アッパプレート5及びロアプレート6の小径側の円弧の中心部には、円形の開口13、14が形成され、これらの開口13、14に、一端部に外側フランジ部15Aを有する円筒状のブッシュ15(タイロッド連結部)が嵌合、挿入され、外側フランジ部15Aがアッパプレート5にプロジェクション溶接16によって結合されている。ブッシュ15の内部はテーパ状に形成されており、このブッシュ15にタイロッドが連結される。
アッパプレート5のスプリングシート部12とブッシュ15の取付部との間の部分には、ロアプレート6へ向って突出された略矩形の突出結合部17が形成されている。突出結合部17の内側部は、全周にわたってロアプレート5に直交する方向に対して角度θ(15°程度)だけ傾斜されている。突出結合部17の頂部は、ロアプレート6に当接してスポット溶接18によってロアプレート6に結合されている。
このように構成したことにより、シートアーム部材4は、アッパプレート5のスプリングシート部12によってサスペンションスプリングを受け、ブッシュ15によってタイロッドを連結することができ、スプリングシート及びタイロッド連結部の両方の機能を有している。このとき、周囲がスポット溶接されて内部に閉じた空間8が形成され、更に、アッパプレート5に形成された突出結合部17がロアプレート6に結合されるので、サスペンションスプリングから受ける油圧緩衝器本体2の軸方向の荷重及びタイロッドから受ける油圧緩衝器本体2の軸回りの捩り荷重に対して、必要な強度を確保することができる。
なお、上記第1実施形態において、突出結合部17は、ロアプレート6側に設けてアッパプレート5に結合してもよく、また、アッパプレート5及びロアプレート6の両方に設けて互いに結合するようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して同様の部分には同一の符号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、第2実施形態に係るシリンダ装置19では、油圧緩衝器本体2のシリンダ部の外筒3に取付けられるシートアーム部材20は、上記第1実施形態のものと同様、アッパプレート21とロワプレート22とをフランジ部21A、22Aでスポット溶接23によって互いに結合して内部に閉じた空間24を形成した構造であるが、大径側の円弧は、より大径であり、三方が直線状に切欠かれた形状となっている。また、アッパプレート21は、一側に膨出されて周囲にフランジ部21Aを有する形状であるのに対して、ロアプレート22は、ほぼ平板状の形状で周囲にフランジ部22Aが形成されている。
更に、アッパプレート21の板厚は、プレス成形性を考慮して薄くなっている(一例として2.3mm程度)のに対して、ロアプレート22の板厚は、強度を考慮してアッパプレート21よりも厚く(一例として4.0mm程度)なっている。アッパプレート21及びロアプレート22から、それぞれ上下方向に延出された円筒部25、26に油圧緩衝器本体2の外筒3が嵌合、挿通されて、円筒部25、26の先端部が外筒3にCO2溶接27によって結合されている。
円筒部25、26は、大径側の円弧の中心からオフセットして配置されており、アッパプレート21の円筒部25の周囲にサスペンションスプリング(図4中に仮想線Sで示す)の下端部を受けるスプリングシート部28が形成されている。サスペンションスプリングは、下端部が小径のテーパ状に形成されており、また、油圧緩衝器本体2のピストンロッドに作用する横力をキャンセルするために油圧緩衝器本体2の軸心からオフセットして配置されている。そして、アッパプレート21には、このオフセットされたサスペンションスプリングの外周部に対向するように大径側の円弧に沿ってキャッチャ部29が突出されている。これにより、万一、サスペンションスプリングが損傷した場合でも、キャッチャ部29によって、損傷したサスペンションスプリングを確実に受止めることができる。
アッパプレート21及びロアプレート22の小径の円弧側は、大径の円弧側より下方に配置されており、小径側の円弧の中心部に形成された開口部30、31にブッシュ15が嵌合、挿入されて、プロジェクション溶接32によってアッパプレート21に結合されている。なお、ロアプレート22の一部を切起して、スタビライザ(図示せず)を連結するためのスタビライザブラケット33を形成してもよい。
このように構成したことにより、シートアーム部材19は、アッパプレート21のスプリングシート部28によってサスペンションスプリングを受け、また、万一、サスペンションスプリングが損傷した場合には、キャッチャ部29によって、損傷したサスペンションスプリングを確実に受止めることができる。また、ブッシュ15によってタイロッドを連結することができる。このように、シートアーム部材19は、スプリングシート及びタイロッド連結部の両方の機能を有している。
このとき、板厚の薄いアッパプレート21と板厚の厚いロアプレート22とを周囲のフランジ部21A、22Aでスポット溶接24によって結合して、内部に閉じた空間24を形成した構造により、サスペンションスプリングから受ける油圧緩衝器本体2の軸方向の荷重に対する必要な強度を確保しつつ、アッパプレート21は、薄い板厚によってプレス成形性を高めて、スプリングシート部28及びキャッチャ部29の複雑な形状の成形を容易にし、また、ロアプレート22は、ほぼ平板状の単純な形状とし、厚い板厚によって、タイロッドから受ける油圧緩衝器本体2の軸回りの捩り荷重に対して必要な強度を確保している。このように、成形性を高めながら必要な強度を確保することが可能となってる。
なお、上記第1及び第2実施の形態では、ピストンロッドが突出する油圧緩衝器を例に説明したが、これに限らず、特許文献2に示されるような倒立タイプの油圧緩衝器にあっても適用でき、この場合は、ロッドが通常の油圧緩衝器の外筒になり、シリンダ部が該外筒の外周に設けられるハウジングとなる。
特開平7−139573号公報
また、上記第1及び第2実施形態では、シリンダ装置として油圧緩衝器を用いた場合について説明しているが、本発明は、これに限らず、アクティブサスペンションの油圧シリンダや摩擦ダンパ等、シリンダ部の外周にスプリングシートとタイロッドが取付けられる他の構造のシリンダ装置にも同様に適用することができる。
1 シリンダ装置、2 油圧緩衝器本体、2A ピストンロッド(ロッド)、3 外筒(シリンダ部)、4 シートアーム部材、5 アッパプレート、6 ロアプレート、12 スプリングシート部、15 ブッシュ(タイロッド連結部)、17 突出結合部
Claims (2)
- シリンダ部の端部からロッドが突出され、前記シリンダ部に、該シリンダ部の周囲に巻装されるサスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とが一体化されたシートアーム部材が取付けられたシリンダ装置において、
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成されたアッパプレート及びロアプレートが前記結合部で互いに結合され、前記アッパプレート及び前記ロアプレートの少なくとも一方の前記スプリングシート部と前記タイロッド連結部との間の部分に、他方に向って突出されて他方に結合される突出結合部が形成されていることを特徴とするシリンダ装置。 - シリンダ部の端部からロッドが突出され、前記シリンダ部に、該シリンダ部の周囲に巻装されるサスペンションスプリングを受けるスプリングシート部とタイロッドが連結されるタイロッド連結部とが一体化されたシートアーム部材が取付けられたシリンダ装置において、
前記シートアーム部材は、一側に膨出されて周囲に結合部が形成され、前記スプリングシート部が形成されたアッパプレートと、ほぼ平板状で周囲に結合部が形成されたロアプレートとが前記結合部で互いに結合されており、前記ロアプレートの板厚が前記アッパプレートの板厚よりも厚いことを特徴とするシリンダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005345809A JP2007147038A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | シリンダ装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2009287708A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 防振装置 |
CN110195762A (zh) * | 2019-05-16 | 2019-09-03 | 佛山科学技术学院 | 一种阻尼可变的液压衬套式减振装置 |
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2005
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110195762A (zh) * | 2019-05-16 | 2019-09-03 | 佛山科学技术学院 | 一种阻尼可变的液压衬套式减振装置 |
CN110195762B (zh) * | 2019-05-16 | 2024-02-13 | 佛山科学技术学院 | 一种阻尼可变的液压衬套式减振装置 |
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