JP3602314B2 - マルチビーム射出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機およびレーザプリンタ等の書き込み系に用いられる光射出装置に適用され、特にステッピングモータによって光源部を回動させることによりビームピッチを切換えることができるマルチビーム射出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書き込み系に用いられる光射出装置において記録速度を上げる手段として、偏向手段としての回転多面鏡の回転速度を上げる方法がある。しかし、この方法ではモータの耐久性や多面鏡の材質などが問題となり記録速度に限界がある。記録速度を低下させることなく多面鏡の回転速度を低くするには、一度に複数のレーザ光で走査するようにすればよい。
【0003】
このようにしたマルチビーム射出装置として、特開昭60−32019号公報に開示されているように、複数個の半導体レーザからの光束を合成して射出する光源方式や、特開平2−54211号公報に開示されているように、複数の発光源がアレイ状に配列された半導体レーザアレイを用いた光源方式が提案され、走査線ピッチの調整は、前者では副走査方向の光軸傾き、後者では光軸回りの光源傾きにより調節されている。さらに前者では半導体レーザを用いるために波長や出力が選べるので利用範囲が広いという特徴がある。また、環境の変動によるビームピッチが変動するのを解決するために、特願平5−216800号による出願がある。
【0004】
一般にマルチビーム射出装置では、装置フレームに光源部を取り付ける際、取り付け誤差や光学素子の加工誤差等により所定の走査線ピッチが得られないため、その調整が必須となっている。
このような不具合を解消するものとして、例えば特開平9−43523号公報に記載されたようなものがある。
【0005】
このものは、2つの半導体レーザと該半導体レーザから光ビームを各々平行光束にするコリメータレンズとこれら光ビームを重ね合わせて射出するビーム合成手段とを実質一体的に合成してなる光源部を有し複数本の光ビームを同時に繰り返し走査するマルチビーム射出装置において、前記光源部を、ビーム合成手段から射出される各光束が少なくとも副走査方向に所定角度隔てて射出されるよう構成すると共に、前記合成された光ビームを光軸回りに回動調整自在にしたものである。
【0006】
具体的には、図13(a)に示すように1つの半導体レーザから射出された第1ビーム1を中心として他の半導体レーザから射出される第2ビーム2の位置を調整するように光ビームを光軸回りに回動調整自在にすることにより、第1ビーム1と第2ビーム2とのピッチを変更して書込み密度を変更可能にしている。図13(a)の例では、第2ビーム2がAの位置にあるときには第1ビーム1と第2ビーム2のピッチP2が狭くなるため、書込み密度が高くなり、第2ビーム2がBの位置にあるときには第1ビーム1と第2ビーム2のピッチP2がピッチP1に比べて広くなるため、書込み密度が低くなる。
【0007】
そして、このように第1ビーム1と第2ビーム2のピッチを狙った位置になるように光源部を回動させる手段としては、ステッピングモータおよびステッピングモータの出力軸と光源部の間に介装され、ステッピングモータの回転駆動を直線運動に変換して光源部を回動させるように出力軸に螺合するネジ部が形成された摺動部材がある。
【0008】
ところで、このように光源部を回動位置Aと回動位置Bに高精度に切換えるには、図13(b)に示すように、光源部(同図において符号3は光軸の中心を示す)を回動位置Aまたは回動位置Bからホームポジション(以下、H・Pという)に移動させ、この位置から回動位置Bまたは回動位置Aに移動する量に相当するパルス数だけステッピングモータを回転させることが一般的であり、従来の装置でもそのような構成が採用されているものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のマルチビーム射出装置にあっては、ステッピングモータの回転駆動を摺動部材によって直線運動に変換して光源部を回動させるようになっているため、例えば、光源部をH・Pから離れた回動位置Aからこの回動位置AとH・Pの間に位置する回動位置B(すなわち、H・Pに対してA>Bの関係にある)に回動させる場合、H・Pから回動位置Aに移動させる間のステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュにより、光源部を回動位置Bに移動させる際の角度誤差または位置誤差が生じてしまい、回動位置Bに高精度に位置決めすることができない。
【0010】
このため、ステッピングモータによって回動位置Bから回動位置Aに切換える際に、光源部をH・Pに移動させた後、回動位置Bに移動させるようにしている上に、回動位置Bから回動位置Aに切換える際にも光源部をH・Pに回動させた後に回動位置Aに回動させるようにしていたため、この動作(以下、H・Pに移動させた後に回動位置Aまたは回動位置Bに移動させる動作をホーミング動作という)を毎回実施すると、ビームのピッチを切換えるまでの待ち時間に多くの時間を要する上にホーミング動作分の回転動作がステッピングモータおよび摺動部材に作用するため、これら部品の耐久、耐摩耗性をより高くしなければならないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、光源部をある回動位置から別の回動位置に回動させる際に光源部の角度誤差または位置誤差が生じるの防止することができるとともに、回動位置を切換える際に毎回ホーミング動作を実行しないようにして切換え時間を短縮することができ、さらに、ステッピングモータおよび摺動部材の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができるマルチビーム射出装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、複数個の半導体レーザと該半導体レーザから光ビームを各々平行光束にするコリメータレンズとこれら光ビームを重ね合わせて射出するビーム合成手段とを実質一体的に合成してなる光源部と、前記ビーム合成手段から射出される各光束が少なくとも主走査方向に所定角度隔てて射出されるように前記光源部を光軸回りに回動調整する回動調整手段と、を有するマルチビーム射出装置において、前記回動調整手段が、前記光源部の回動調整の基準となるホームポジションを検知する検知部材と、該検知部材からの検知信号に基づいて回転駆動されるステッピングモータと、該ステッピングモータの回転駆動を直線運動に変換して前記光源部を回動させる摺動部材と、を有し、前記光源部がホームポジションに対して所定方向に回動した位置を第1回動位置とし、前記光源部が該第1回動位置とホームポジションの間の位置に回動した位置を第2回動位置としたとき、前記回動調整手段は、前記第1回動位置から第2回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータを第1回動位置から第2回動位置に移動させるパルス分だけ駆動して光源部を第2回動位置に移動させた後、該ステッピングモータを予め設定されたパルス分だけ前記回動方向と同方向に駆動し、さらに前記ステッピングモータを設定されたパルス分だけ前記回動方向と逆方向に駆動させることにより、光源部を第2回動位置に位置させ、前記第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずにそのまま第1回動位置に回動させるとともに、光源部の第1回動位置から第2回動位置への切換え、または光源部の第2回動位置から第1回動位置への切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させることを特徴としている。
【0013】
その場合、第1回動位置から第2回動位置に光源部を移動させる場合には、ステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを補正することができるため、光源部をより高精度に第2回動位置に位置決めすることができる。
【0014】
また、第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずに高精度に位置決めされた第2回動位置から第1回動位置にそのまま回動させることにより、光源部をより一層高精度に第1回動位置に位置決めすることができる。
【0015】
また、第1回動位置と第2回動位置の間で光源部を回動させる際に、ホーミング動作を実行しないため、切換え時間をより一層短縮することができる。また、ホーミング動作を行なわない分だけステッピングモータおよび摺動部材の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
【0016】
また、電源投入時ではなく、光源部の回動位置の切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに移動させることで、経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するために、複数個の半導体レーザと該半導体レーザから光ビームを各々平行光束にするコリメータレンズとこれら光ビームを重ね合わせて射出するビーム合成手段とを実質一体的に合成してなる光源部と、前記ビーム合成手段から射出される各光束が少なくとも主走査方向に所定角度隔てて射出されるように前記光源部を光軸回りに回動調整する回動調整手段と、を有するマルチビーム射出装置において、前記回動調整手段が、前記光源部の回動調整の基準となるホームポジションを検知する検知部材と、該検知部材からの検知信号に基づいて回転駆動されるステッピングモータと、該ステッピングモータの回転駆動を直線運動に変換して前記光源部を回動させる摺動部材と、を有し、前記光源部がホームポジションに対して所定方向に回動した位置を第1回動位置とし、前記光源部が該第1回動位置とホームポジションの間の位置に回動した位置を第2回動位置としたとき、前記回動調整手段は、前記第1回動位置から第2回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータを第1回動位置から第2回動位置に移動させるパルス分だけ駆動して光源部を第2回動位置に移動させた後、該ステッピングモータを予め設定されたパルス分だけ前記回動方向と同方向に駆動し、さらに前記ステッピングモータを設定されたパルス分だけ前記回動方向と逆方向に駆動させることにより、光源部を第2回動位置に位置させ、前記第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずにそのまま第1回動位置に回動させるとともに、本マルチビーム射出装置が搭載された機器の電源が投入されたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させ、光源部の第1回動位置から第2回動位置への切換え、または光源部の第2回動位置から第1回動位置への切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させることを特徴としている。
【0018】
その場合、第1回動位置から第2回動位置に光源部を移動させる場合には、ステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを補正することができるため、光源部をより高精度に第2回動位置に位置決めすることができる。
また、第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずに高精度に位置決めされた第2回動位置から第1回動位置にそのまま回動させることにより、光源部をより一層高精度に第1回動位置に位置決めすることができる。
【0019】
また、第1回動位置と第2回動位置の間で光源部を回動させる際に、ホーミング動作を実行しないため、切換え時間をより一層短縮することができる。また、ホーミング動作を行なわない分だけステッピングモータおよび摺動部材の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
また、光源部のピッチ位置(回動位置)の切換えがある期間実施されずに本マルチビーム射出装置を搭載している機器の振動や衝撃によるピッチ位置の経時的な変化が生じたり、ホーミング動作を実施せずに数回の切換え動作を実施して誤差が累積してピッチ変動を起こしてしまう場合等に、電源投入時にホーミング動作を実行することにより、それ以上に経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
【0020】
また、電源投入時ではなく、光源部の回動位置の切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに移動させることで、経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1または2に記載の発明において、前記ステッピングモータは、前記光源部を一方向と他方向の間で複数の回動位置に切換えるとともに、光源部の回動位置を切換える度に通電が遮断されることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1〜8は本発明に係るマルチビーム射出装置の第1実施形態を示す図である。
まず、構成を説明する。図1において、半導体レーザ11、12は各々支持体13、14に固定され、基体15の裏面に後述するコリメータレンズ16、17との光軸を一致させてネジ18、19を用いて接合される。 コリメータレンズ16、17は、鏡筒に収められ、基体15の嵌合穴15a、15bに各々半導体レーザ11、12との位置を合せて係合され、接着されて、各光束を平行光束に変換する。コリメータレンズ16、17からの射出光は、各々に対して真円径のスリットを対応させて形成された絞り板20により整形され、ビーム合成手段21によって合成される。尚、本実施形態では絞り板20を別体に設けたがコリメータレンズ16、17の鏡筒でこれを兼ねることも可能である。
【0024】
ここで、ビーム合成手段21について説明する。2個の半導体レーザ11、12はそのpn接合面を一致させて同一平面状に配列されている。何れか一方のビーム(実施形態では半導体レーザ11のビーム)は、ビーム合成手段21の入射面に貼り付けられた1/2波長板22によってその偏光面が90°回転されて、ビーム合成手段21の偏光ビームスプリッタ面21bを通過する。そして半導体レーザ12のビームは、ビーム合成手段21の斜面21aで内面反射し、ビーム合成手段21の偏光ビームスプリッタ面21bで反射して、基準となる半導体レーザ12の光軸近傍でそのビームと合成される。各半導体レーザ11、12に係わる一連のそれぞれの光軸は、互いに副走査方向に僅かにずれた位置に対応させるべく、ビーム合成手段21の出力側に示した角度θだけ互いにずらせるように設定されている。
【0025】
ビーム合成手段21と絞り板20は、フランジ部材23の裏面の所定位置に支持され、ネジ24、25により基体15に固定される。半導体レーザ11、12からフランジ部材23に至る光路の各部材は、半導体レーザ11、12の駆動回路が形成されたフレーム26に一体的に固定されていて、光源部10をなす。
また、フランジ部材23には中空の筒状部23aが突出しており、この筒状部23aは本体機器のフレーム26に形成された穴26aに挿通されるとともにこの筒状部23aの外周部にはスプリング27が装着されている。
【0026】
また、筒状部23aの先端部には突起23bが形成されており、筒状部23aの先端を穴26aに挿通してスプリング押圧部材28に形成された穴28aに挿通し、このスプリング押圧板28を90゜回動させてこの押圧板28に形成された突起28bに突起23bを引っ掛けることにより、光源部10を矢印α方向に引張りフレーム26に筒状部23aを光軸の中心として取付けることにより、光源部10がフレーム26に回動自在に取付けられる。
【0027】
ここで、この構成が成立するには、スプリング27の径が穴26aの径よりも大きく、かつ、スプリング押圧板28のスプリング27を受ける部分がスプリング27の径よりも広くなっていなければならない。
また、フランジ部材23およびフレーム26はガラス繊維が含有されたプラスチックから構成されており、フランジ部材23とフレーム26の間にはプラスチックよりも強度が高い図示しないステンレス鋼が介装されている。このため、フランジ部材23とフレーム26の摺動抵抗が小さくなり、フランジ部材23の耐摩耗性を向上させることができる。
【0028】
次に、マルチビーム射出装置の制御例を説明する。図2はマルチビーム射出装置の系統を示す。同図において、光源部10は図1における半導体レーザ11、12からフランジ部材23に至る光路の各部材によって構成されている。光源部10から射出された各ビームは、シリンダレンズ30を介して多面鏡31よりなる偏光手段に入射され、この多面鏡31を回転させることによって主走査方向に繰返し偏光させる。多面鏡31で反射されたビームをさらにfθレンズ32、トロイダルレンズ33からなる走査用レンズによって所定の走査記録面上にスポットとして投影させる。このとき、各ビームは副走査方向に1ピッチpだけずれたものとすることで2本の走査線が同時に書き込まれる。
【0029】
光量検出手段としてのフォトセンサ34は被走査面近傍に配設され、非書き込み領域にて走査ビームを検出する。演算部35はその検出データを受けて所定の基準値と比較して初期値に対するずれ量を算出する。半導体レーザ制御部36は、該ずれ量を減少すべく半導体レーザ駆動回路のビーム出力を制御する。上記のフォトセンサ34と半導体レーザ制御部36は光量可変制御手段をなす。
【0030】
回転駆動部37は後述するステッピングモータや摺動部材からなり、光源部10を回転させる。この回転駆動部37は検知部材としてのホームポジション(以下、H・Pという)センサ29によって常にH・P位置が検知されるようになっており、このH・Pセンサ29の検出情報は制御部38に入力され、この制御部38からの指令信号に基づいて後述する回動調整制御が実施される。
【0031】
次に、回転駆動部37の構成を説明する。
図1において、フランジ部材23の一側面には棒状部材23cが設けられており、この棒状部材23cの端部には摺動部材39が当接可能になっている。この摺動部材39は図3(a)に示すように外形がD字形状をしており、内周部に図3(b)に示すようにM3のネジ部39aが形成され、フレーム26に形成された中空の円柱部26bに挿通されている。なお、この円柱部26bの内周部も摺動部材39の外形と同様にD字状になっている。
【0032】
この摺動部材39の内周部にはステッピングモータ40の出力軸に形成された呼び径M3に形成された送りネジ40a(図1では別体になっているが、このネジ40aとモータ40の出力軸は一体である)が螺合している。このため、ステッピングモータ40が回転駆動されると、摺動部材39が円柱部26b内で図1中、上下方向に摺動する。
【0033】
また、フレーム26と棒状部材23cの間にはスプリング41が介装されており、このスプリング41は棒状部材23cを摺動部材39の上面に押し付けるようになっている。
したがって、ステッピングモータ40が回転駆動されると、摺動部材39が円柱部26b内で上下方向に移動するのに伴って光源部10が光軸を構成する筒状部23aを中心として回動する。
【0034】
また、フランジ部材23の他側面には検知フィラー23dが形成されており、この検知フィラー23dはH・Pセンサ29によって検知されるようになっている。具体的には、H・Pセンサ29は図1に示すように、発光素子29aと受光素子29bが対向配置されており、この発光素子29aと受光素子29bの間に検知フィラー23dの先端部が挿入されて受光素子29bを遮蔽した瞬間にH・P位置を検知する。すなわち、このH・Pセンサ29はH・P位置に配置され、検知フィラー23dを検知したときに光源部10の回動の基準となるH・P位置を検知する。
【0035】
次に、光源部10の回動位置について説明する。
図4(a)は、光源部10の回動位置を示す図であり、発光素子29aおよび受光素子29bの設置位置がH・P位置である。このH・P位置から光軸を回転中心として光源部10が所定方向にθ1だけ回動した位置を回動位置A(第1回動位置)、光源部10が光軸を回転中心として所定方向にθ2だけ回動した位置が回動位置B(第2回動位置)であり、この回動位置Bは回動位置AとH・P間に位置している。すなわち、回動位置Aと回動位置Bの関係は、H・Pを基準としてθ1>θ2となっている。
【0036】
そして、光源部10をH・Pから回動位置Bに回動させるには、ステッピングモータ40を所定方向に所定パルスだけ移動させて摺動部材39を上方向に移動させ、光源部10をH・Pから回動位置Aに回動させるには、ステッピングモータ40を所定方向に前記パルス以上のパルスだけ移動させて摺動部材39をさらに上方向に移動させる。
【0037】
また、図4(b)に示すように上述した回転角θ1、θ2に対応してビーム10a、11aのピッチはP1、P2であり、P2>P1の関係となっている。ここで、例えば、回動位置Aは書込密度600dpiに相当し、回動位置Bは書込密度400dpiに相当するものであり、当然のことながら書込密度が多ければ多い程、2つのビーム10a、11aのピッチは狭くなる。
【0038】
また、制御部38は回動位置Aから回動位置Bに光源部10を移動させる場合のみに、ステッピングモータ40によって光源部10をH・Pに回動させた後に回動位置Bに回動させ、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる場合に、ステッピングモータ40によって光源部10をH・Pに回動させずにそのまま回動位置Aに回動させるように制御するようになっている。本実施形態では、摺動部材39およびステッピングモータ40からなる回転駆動部37、H・Pセンサ29、制御部38が回動調整手段を構成している。
【0039】
また、制御部38はモータ40を駆動してフランジ部材23を回動位置Aと回動位置Bに切換える度にモータ40の通電を遮断するようになっている。
次に、ステッピングモータ40の構成を図5に基づいて説明する。図5に示すようにステッピングモータ40はモータ軸42に圧入されているロータ43が軸受44によってモータフレーム45に取付けられている。
【0040】
このモータフレーム45の内側にはスターテ46が取付けられており、ロータ43とステータ46の一方が永久磁石または電磁石から構成されている。また、モータ軸42のスラスト方向の移動を規制するために、図5(b)に示すようにスプリングワッシャ47によってモータ軸42の矢印βで示す方向に力が加わったときにガタが生じるようになっている。
【0041】
次に、光源部10の回動位置(ビームのピッチ)を切換える方法を図6、7に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、回動位置Aから回動位置Bに光源部10を回動させるピッチ切換え制御を説明する。本実施形態では、図1のステッピングモータ40を正面のモータ軸方向から見た場合、時計回り方向をCW方向とし、反時計方向をCCW方向と定義する。
【0042】
光源部40が回動位置Aにあるときに、図6のフローチャートに示すように、制御部38からピッチ切換え実行命令が発生すると、モータ40をCCW方向に回転駆動する(ステップS1)。このとき、摺動部材39が下方に移動するため、フランジ部材23が時計方向に回動して検知フィラー23dが上方に移動する。
次いで、検知フィラー23dが受光素子29bを遮蔽したか否かを判別し(ステップS2)、遮蔽したものと判断したときには、光源部10がH・Pに位置して基準位置にあるため、モータ40の駆動を停止する(ステップS3)。
【0043】
次いで、H・Pから回動位置Bに相当する所定パルス数だけモータ40をCW方向に回転駆動させる(ステップS4)。このとき、摺動部材39が上方に移動するため、フランジ部材23が反時計方向に回動する。そして、モータ40が所定パルスだけ回転駆動されたときに、モータ40を停止するとともにモータ40への通電を遮断すると、光源部10が回動位置Bに回動されて位置決めされる。なお、光源部10をH・Pに移動させた後に回動位置Aまたは回動位置Bに移動させる動作を以下、ホーミング動作という。
【0044】
一方、光源部40が回動位置Bにあるときに、図7のフローチャートに示すように、制御部38からピッチ切換え実行命令が発生すると、回動位置Bから回動位置Aに相当する所定パルス数だけモータ40をCW方向に回転駆動させる(ステップS11)。このとき、摺動部材39が上方に移動するため、フランジ部材23が反時計方向に回動する。そして、モータ40が所定パルスだけ回転駆動されたときに、モータ40を停止するとともにモータ40への通電を遮断すると、光源部10が回動位置Aに回動されて位置決めされる。
【0045】
なお、回動位置Aおよび回動位置Bに位置決めする度にモータ40への通電を遮断する動作は確実に行なわれることであるため、その点の説明は以後省略する。
次に、このように制御する理由を説明する。
モータ40によって光源部10を回動位置Aから回動位置Bまで回動させる際には、モータ40の上述した構造上から生じるモータ軸42のスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュにより、光源部10の狙いの位置に対する回転角または位置誤差のずれが発生する。
【0046】
このため、回動位置Aから回動位置Bに光源部10を移動させる場合には、モータ40によって光源部10をH・Pに回動させた後に回動位置Bに回動させることにより、モータ40の構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを防止して、光源部10を高精度に回動位置Bに位置決めすることができる。
【0047】
また、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる際には、光源部10はH・Pから回動位置Aにそのまま回動されたものであるため、モータ40の構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュは存在しない。
このため、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる場合に、モータ40によって光源部10をH・Pに回動させずにそのまま回動位置Aに回動させることにより、ホーミング動作を実行しないようにして、切換え時間を短縮することができる。また、ホーミング動作が少なくなる分だけモータ40および摺動部材39の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
【0048】
また、本実施形態では、光源部10を回動位置Aと回動位置Bの間で切換える度にモータ40への通電を遮断しているため、光源部10の回動位置を繰り返して変更する場合の光源部10の回動位置の回転誤差または位置ずれの誤差が蓄積されるのを防止することができる。
この点は図8に示す実験結果から明らかである。すなわち、光源部10を回動位置Aと回動位置Bの間で切換える度にモータ40への通電を遮断しない場合には、■点で示すように回動位置を切換える度に光源部10の回動位置の回転誤差または位置ずれ誤差が右上がりで蓄積されるのに対して、光源部10を回動位置Aと回動位置Bに切換える度にモータ40への通電を遮断する場合には、●点で示すように回動位置を切換える度に光源部10の回動位置の回転誤差または位置ずれ誤差が発生せずに、回動位置Aと回動位置Bの間で一定の量だけ移動していることが分かる。
【0049】
図9、10は本発明に係るマルチビーム射出装置の第2実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、回動位置Aおよび回動位置B間で光源部10を回動させる際にホーミング動作を実施しない点を特徴としており、制御方法が第1実施形態と異なるが、構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態の図面を用いて説明する。
【0050】
図9は光源部10の回動位置(ビームのピッチ)の切換えを方法を示す図であり、図10は実験によって求められたモータ40の構造上から生じるモータ軸42のスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによるパルス変動分をとるためのパルスの求め方を示す図である。
本参考例では、制御部38は、回動位置Aから回動位置Bに光源部10を移動させる場合に、モータ40を回動位置Aから回動位置Bに移動させるパルス分だけ駆動して光源部10を回動位置Bに移動させた後、モータ40を予め設定されたパルス分だけ前記回動方向と同方向に駆動し、さらにモータ40を設定されたパルス分だけ前記回動方向と逆方向に駆動させることにより、光源部10を回動位置Bに位置させ、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる場合に、モータ40によって光源部10をH・Pに回動させずにそのまま回動位置Aに回動させるように制御しており、この制御部38、ステッピングモータ40および摺動部材39が回動調整手段を構成している。
【0051】
次に、作用を説明する。
光源部10が回動位置Aにあるときに、制御部38からピッチ切換え実行命令が発生すると、C−Dの演算が行なわれる(ステップS21)。ここで、CはH・Pから回動位置Aに移動するためのモータ40のパルス数であり、DはH・Pから回動位置Bに移動するためのモータ40のパルス数である。
【0052】
この結果、回動位置Aと回動位置Bのモータ40の回転パルスによる位置的な差分Eが求められる。
次いで、モータ40をパルスEに相当する量だけCCW方向に回転駆動すると、摺動部材39が下方に移動するため、フランジ部材23が時計方向に回動して停止する(ステップS22、S23)。このとき、ネジ部39aのバックラッシュが存在しない分だけ理論的には、この位置が回動位置Bとなる。
【0053】
ところが、第1実施形態で説明したように、モータ40の構造上から生じるモータ軸42のスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによるパルス変動分があり、実際には理論的な位置とは異なり、光源部10は回動位置Bに位置していないことなる。
このため、モータ40をFパルスだけCCW方向に回転駆動することにより、次ステップで調整用のCW方向の回転のための調整代を得る(ステップS24)。すなわち、パルスFはモータ40の構造上から生じるモータ軸42のスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによるパルス変動分をとるために余分にモータ40をCCW方向に回転させるためのパルス数である。
【0054】
次いで、実験により求められたモータ40の構造上から生じるモータ軸42のスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによるパルス変動分を調整するためのパルスJだけモータ40をCW方向に回転させる(ステップS25)。この結果、光源部10が回動位置Bに位置決めされる。
次に、パルスCの求め方を図10に基づいて説明する。
【0055】
まず、任意の位置Gから、例えば100パルスCCWにモータ40を回転させ、Hの位置に検知フィラー23dを回動させる。次いで、この位置Hから100パルスCW方向にモータ40を回転させた場合、上述したバックラッシュやモータのガタによってIで示す位置で検知フィラー23dが停止してしまう。この差分、すなわち、GH−IHがJの値であり、パルス変動分をとるための値である。
【0056】
また、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように本参考例では、回動位置Aから回動位置Bに光源部10を移動させる場合に、モータ40を回動位置Aから回動位置Bに移動させるパルスEだけCCW向に駆動して光源部10を回動位置Bに移動させた後、モータ40をパルス分FだけCCW方向に駆動し、さらにモータ40を実験により求められたパルス分JだけCW方向に駆動させることにより、光源部10を回動位置Bに位置させたため、回動位置Aから回動位置Bに光源部10を移動させる場合に、モータ40の構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材39のネジ部39aのバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを補正することができ、光源部10をより高精度に回動位置Bに位置決めすることができる。
【0057】
また、回動位置Bから回動位置Aに光源部10を回動させる場合に、モータ40によって光源部10をH・Pに回動させずにそのまま回動させるようにしたため、光源部10をより一層高精度に回動位置Aに位置決めすることができる。
また、回動位置Aと回動位置Bの間で光源部10を回動させる際に、ホーミング動作を実行しないため、切換え時間をより一層短縮することができる。また、ホーミング動作を行なわない分だけモータ40および摺動部材39の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
【0058】
図11は本発明に係るマルチビーム射出装置の第3実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、マルチビーム射出装置をプリンタに装着した例を示すものであるが、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、マルチビーム射出装置の構成は第1実施形態の図面を用いて説明する。
【0059】
図11において、50は第1ボードであり、この第1ボートはCPUを備えており、エンジンシーケンス、各部材のタイミング制御、画像処理、操作部の制御等の本プリンタ装置の全体的な制御、システム制御を受持つ。この第1ボート50には電源を供給するPSU(Power Supply Unit)51および半導体レーザユニット52が接続されている。
【0060】
また、符号53は第2ボードであり、この第2ボート52は給紙・制御部54の各種センサ55およびアクチュエータ56、プリンタ装置のメインモータ57、各種センサ58、アクチュエータ59、パワーパック60、上述したステッピングモータ40、H・Pセンサ29を制御するものである。要するに、プロッタ部のセンサ、アクチュエータ等の負荷制御をするための入出力ポートおよびドライバ、高圧電源制御用PWM制御部、定着制御回路を受持つボードである。また、PSU51は定着ヒータ61に電源を供給する。
【0061】
本参考例では、第1ボード50にCPU制御部38に相当する構成が組込まれており、プリンタ装置の電源が投入されたときに、モータ40によって光源部10をH・Pに移動させた後に回動位置Aまたは回動位置Bに移動させることを特徴とするものである。
以下、作用を具体的に説明する。
【0062】
本参考例では、操作部に設けられた電源を投入してPSU51に電圧が供給されると、第1ボート50のCPUにリセット信号が送られ、そのリセット信号を基準に第1ボート53によりモータ40が作動され、光源部10がH・Pを介して回動位置Aまたは回動位置Bに移動するようになっている。
このようにすれば、光源部10のピッチ位置(回動位置)の切換えがある期間実施されずにプリンタ装置の振動や衝撃による光源部10のピッチ位置の経時的な変化が生じたり、第1参考例のようにホーミング動作を実施せずに数回の切換え動作を実施して誤差が累積してピッチ変動を起こしてしまう場合等に、電源投入時にホーミング動作を実行することにより、それ以上に経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部10を高精度に回動調整することができるという効果が得られる。
【0063】
図12は本発明に係るマルチビーム射出装置の第4実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、制御方法が第1実施形態と異なり、構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態の図面を用いて説明する。
本実施形態は、制御部38が、光源部10の回動位置Aから回動位置Bへの切換え、または光源部10の回動位置Bから回動位置Aへの切換えが所定回数以上行なわれたときに、モータ40によって光源部10をH・Pに移動させた後に回動位置Aまたは回動位置Bに移動させることを特徴としている。
【0064】
次に、図12に示すフローチャートに基づいて作用を説明する。
制御部38からピッチ切換え実行命令が発生すると、この実行命令をカウントする(ステップS31)。次いで、このピッチ切換えカウントがN回に達しているか否かを判別し(ステップS32)、達していない場合には、ホーミング動作を実行しない切換え制御を継続する。
【0065】
また、N回に達している場合には、モータ40をCCW方向に回転駆動する(ステップS33)、このとき、摺動部材39が下方に移動するため、フランジ部材23が時計方向に回動して検知フィラー23dが上方に移動する。次いで、検知フィラー23dが受光素子29bを遮蔽したか否かを判別し(ステップS34)、遮蔽したものと判断したときには、光源部10がH・Pに到達したものと判断してモータ40の駆動を停止する(ステップS35)。
【0066】
次いで、H・Pから所定パルス数だけモータ40をCW方向に回転駆動させ(ステップS36)、光源部10を回動位置Aまたは回動位置Bに位置決めして本制御を終了する。
このようにすれば、電源投入時ではなく、光源部10の回動位置の切換えが所定回数以上行なわれたときに、モータ40によって光源部10をH・Pに移動させることで、経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部10を高精度に回動調整することができる。
【0067】
なお、上記第2実施形態にあっても、モータ40を駆動してフランジ部材23を回動位置Aと回動位置Bに切換える度にモータ40の通電を遮断することは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、第1回動位置から第2回動位置に光源部を移動させる場合には、ステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを補正することができるため、光源部をより高精度に第2回動位置に位置決めすることができる。
【0069】
また、第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずに高精度に位置決めされた第2回動位置から第1回動位置にそのまま回動させることにより、光源部をより一層高精度に第1回動位置に位置決めすることができる。
【0070】
また、第1回動位置と第2回動位置の間で光源部を回動させる際に、ホーミング動作を実行しないため、切換え時間をより一層短縮することができる。また、ホーミング動作を行なわない分だけステッピングモータおよび摺動部材の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
また、電源投入時ではなく、光源部の回動位置の切換えが所定回数以上行なわれたときに、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに移動させることで、経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
【0071】
請求項2記載の発明によれば、第1回動位置から第2回動位置に光源部を移動させる場合には、ステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュによる回転誤差または位置ずれを補正することができるため、光源部をより高精度に第2回動位置に位置決めすることができる。
また、第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずに高精度に位置決めされた第2回動位置から第1回動位置にそのまま回動させることにより、光源部をより一層高精度に第1回動位置に位置決めすることができる。
また、第1回動位置と第2回動位置の間で光源部を回動させる際に、ホーミング動作を実行しないため、切換え時間をより一層短縮することができる。また、ホーミング動作を行なわない分だけステッピングモータおよび摺動部材の耐久、耐摩耗性の低い部材を使用することができる。
また、光源部のピッチ位置(回動位置)の切換えがある期間実施されずに本マルチビーム射出装置を搭載している機器の振動や衝撃によるピッチ位置の経時的な変化が生じたり、ホーミング動作を実施せずに数回の切換え動作を実施して誤差が累積してピッチ変動を起こしてしまう場合等に、電源投入時にホーミング動作を実行することにより、それ以上に経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
【0072】
また、電源投入時ではなく、光源部の回動位置の切換えが所定回数以上行なわれたときに、ステッピングモータによって光源部をホームポジションに移動させることで、経時的なピッチ変動や累積ピッチ誤差が蓄積されるのを防止して、光源部を高精度に回動調整することができる。
請求項3記載の発明によれば、光源部の回動位置を繰り返して変更する場合の光源部の回動位置の回転誤差または位置ずれの誤差が蓄積されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチビーム射出装置の第1実施形態を示す図であり、その光学部の斜視分解図である。
【図2】第1実施形態のマルチビーム射出装置とこの射出装置から射出されたビームを処理する装置の概略構成図である。
【図3】(a)は第1実施形態の摺動部材の上面図、(b)は摺動部材の断面図である。
【図4】(a)は第1実施形態の光源部の回動位置を示す図、(b)は光源部の回動位置とビームのピッチの関係を示す図である。
【図5】(a)は第1実施形態のステッピングモータの一部を断面で示すその構成図、(b)はスプリングワッシャの外観図である。
【図6】第1実施形態の回動位置Aから回動位置Bに光源部を回動させるピッチ切換え制御のフローチャートである。
【図7】第1実施形態の回動位置Bから回動位置Aに光源部を回動させるピッチ切換え制御のフローチャートである。
【図8】第1実施形態の光源部を回動位置Aと回動位置Bの間で移動させたときにモータの通電を遮断した場合とモータの通電を継続した場合についての光源部の変位を比較する図である。
【図9】本発明に係るマルチビーム射出装置の第1参考例を示す図であり、光源部の回動位置(ビームのピッチ)の切換えを方法を示すフローチャートである。
【図10】第1参考例の実験によって求められたステッピングモータの構造上から生じるスラスト方向のガタおよび摺動部材のバックラッシュによるパルス変動分をとるためのパルスの求め方を示す図である。
【図11】本発明に係るマルチビーム射出装置の第2参考例を示す図であり、プリンタ装置の構成図である。
【図12】本発明に係るマルチビーム射出装置の第2実施形態を示す図であり、ホーミング動作のフローチャートである。
【図13】(a)は光源部の回動位置を示す図、(b)は光源部の回動位置とビームのピッチの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 光源部
11、12 半導体レーザ
16、17 コリメータレンズ
21 ビーム合成手段
29 H・Pセンサ(検知部材、回動調整手段)
38 制御部(回動調整手段)
39 摺動部材(回動調整手段)
40 ステッピングモータ(回動調整手段)
Claims (3)
- 複数個の半導体レーザと該半導体レーザから光ビームを各々平行光束にするコリメータレンズとこれら光ビームを重ね合わせて射出するビーム合成手段とを実質一体的に合成してなる光源部と、
前記ビーム合成手段から射出される各光束が少なくとも主走査方向に所定角度隔てて射出されるように前記光源部を光軸回りに回動調整する回動調整手段と、を有するマルチビーム射出装置において、
前記回動調整手段が、前記光源部の回動調整の基準となるホームポジションを検知する検知部材と、該検知部材からの検知信号に基づいて回転駆動されるステッピングモータと、該ステッピングモータの回転駆動を直線運動に変換して前記光源部を回動させる摺動部材と、を有し、
前記光源部がホームポジションに対して所定方向に回動した位置を第1回動位置とし、前記光源部が該第1回動位置とホームポジションの間の位置に回動した位置を第2回動位置としたとき、
前記回動調整手段は、前記第1回動位置から第2回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータを第1回動位置から第2回動位置に移動させるパルス分だけ駆動して光源部を第2回動位置に移動させた後、該ステッピングモータを予め設定されたパルス分だけ前記回動方向と同方向に駆動し、さらに前記ステッピングモータを設定されたパルス分だけ前記回動方向と逆方向に駆動させることにより、光源部を第2回動位置に位置させ、前記第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずにそのまま第1回動位置に回動させるとともに、
光源部の第1回動位置から第2回動位置への切換え、または光源部の第2回動位置から第1回動位置への切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させることを特徴とするマルチビーム射出装置。 - 複数個の半導体レーザと該半導体レーザから光ビームを各々平行光束にするコリメータレンズとこれら光ビームを重ね合わせて射出するビーム合成手段とを実質一体的に合成してなる光源部と、
前記ビーム合成手段から射出される各光束が少なくとも主走査方向に所定角度隔てて射出されるように前記光源部を光軸回りに回動調整する回動調整手段と、を有するマルチビーム射出装置において、
前記回動調整手段が、前記光源部の回動調整の基準となるホームポジションを検知する検知部材と、該検知部材からの検知信号に基づいて回転駆動されるステッピングモータと、該ステッピングモータの回転駆動を直線運動に変換して前記光源部を回動させる摺動部材と、を有し、
前記光源部がホームポジションに対して所定方向に回動した位置を第1回動位置とし、前記光源部が該第1回動位置とホームポジションの間の位置に回動した位置を第2回動位置としたとき、
前記回動調整手段は、前記第1回動位置から第2回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータを第1回動位置から第2回動位置に移動させるパルス分だけ駆動して光源部を第2回動位置に移動させた後、該ステッピングモータを予め設定されたパルス分だけ前記回動方向と同方向に駆動し、さらに前記ステッピングモータを設定されたパルス分だけ前記回動方向と逆方向に駆動させることにより、光源部を第2回動位置に位置させ、前記第2回動位置から第1回動位置に光源部を回動させる場合に、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させずにそのまま第1回動位置に回動させるとともに、
本マルチビーム射出装置が搭載された機器の電源が投入されたときに、前記ステッピン グモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させ、
光源部の第1回動位置から第2回動位置への切換え、または光源部の第2回動位置から第1回動位置への切換えが所定回数以上行なわれたときに、前記ステッピングモータによって光源部をホームポジションに回動させた後に第1回動位置または第2回動位置に回動させることを特徴とするマルチビーム射出装置。 - 前記ステッピングモータは、前記光源部を一方向と他方向の間で複数の回動位置に切換えるとともに、光源部の回動位置を切換える度に通電が遮断されることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチビーム射出装置。
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