JP3602148B2 - エンジンの排気還流系の異常検出方法 - Google Patents

エンジンの排気還流系の異常検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、排気還流系の異常を的確に検出することのできるエンジンの排気還流系の異常検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの排気ガスの一部を吸気側に還流する排気還流(EGR)により、混合気の燃焼温度を下げて排気ガス中の窒素酸化物を低減する技術が広く採用されている。
【0003】
このEGRにおいては、一般に、排気通路と吸気通路とを接続する排気還流路の途中に排気還流量調整弁を介装し、この排気還流量調整弁の弁開度をエンジンの運転状態に応じて制御するようにしており、この排気還流量調整弁を含む排気還流量調整系が故障すると、エンジンの燃焼状態が不安定となり、失火が多くなって、出力低下、燃費悪化を招く。
【0004】
このため、例えば、特開平3−23355号公報には、排気還流路に介装した排気還流量調整弁の目標弁開度値が所定値以上のとき、排気還流量調整弁の前後のEGRガス(排気還流ガス)の温度を検出し、この温度差が所定値以下のとき弁開度制御系が故障であると診断するようにした技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、排気還流路の中を通るEGRガスの温度を検出するには、エンジンの排気ポートから所定の距離をおいて温度センサを設置し、熱による破壊を防止する必要がある。
【0006】
このため、EGRガスの検出温度が外気温度の影響を受け易く、エンジンが暖機完了状態で実行されるEGRに対し、特に、外気温度が低温時には、検出したEGRガス温度を、一義的に定めたしきい値と比較すると、誤判定を生じるおそれがある。これに対処するに、排気還流路中のEGRガス温度の上昇率も診断条件とし、排気還流量調整弁の開弁制御が行なわれている状態で、排気還流通路中のEGRガス温度が予め設定した判定しきい値以下で、且つ、EGRガス温度の上昇率が設定値未満のとき、排気還流量調整弁の弁体が閉状態のままのクローズスティック故障と判定するようにしている。
しかし、排気還流系の故障は、排気還流量調整弁の弁体が閉状態のままとなるクローズスティック故障のみではなく、排気還流量調整弁を閉弁して排気還流をカットしなければならないにも拘らず排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されるオープンスティック故障もある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されるオープンスティック故障を正確に検出することができるエンジンの排気還流系の異常検出方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジンの排気還流系の異常検出方法は、排気系から吸気系へ排気還流量調整弁を介して排気ガスを還流させるエンジンの排気還流系の異常検出方法において、エンジン冷態状態、及び、上記排気還流量調整弁に対する制御状態を判断し、エンジン冷態状態、且つ、上記排気還流量調整弁の閉弁制御が行なわれている状態で、排気還流通路中の温度が予め設定した設定値以上の状態が、設定時間以上継続したとき、上記排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままのオープンスティック故障であると判定することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明は、エンジン冷態状態、且つ、排気還流量調整弁の閉弁制御が行なわれている状態で、排気還流通路中の温度が予め設定した設定値以上の状態が、設定時間以上継続したとき、排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されるオープンスティック故障であると判定する。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図面は本発明の一実施例を示し、図1はEGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その1)、図2はEGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その2)、図3はEGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その3)、図4はEGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その4)、図5はEGR制御手順のフローチャート(その1)、図6はEGR制御手順のフローチャート(その2)、図7〜図11はEGRカットの際のヒステリシスを示す説明図、図12はエンジン制御系の概略図、図13は制御装置の回路構成図、図14はEGRガス温度センサの特性図である。
【0011】
[エンジン制御系の構成]
図12において、図中の符号1はエンジン本体であり、図においては6気筒水平対向型エンジンを示す。このエンジン本体1は、シリンダブロック2がクランクシャフト1aを中心として両側のバンク(図においては、右側が左バンク、左側が右バンク)に2分割されており、各バンクの各シリンダヘッド3には、それぞれ吸気ポート4が形成され、各吸気ポート4にインテークマニホルド5が連通されている。
【0012】
また、上記インテークマニホルド5の上流に、各バンクに対応してスロットルチャンバ6a,6bが連通され、さらに、各スロットルチャンバ6a,6bの上流側に、エアチャンバ7が連通されている。このエアチャンバ7上流側には、吸気管8を介してエアクリーナ9が取付けられており、このエアクリーナ9の直下流に吸入空気量センサ(図においては、ホットフィルム式エアフローメータ)10が介装されている。
【0013】
また、上記各スロットルチャンバ6a,6bと上記エアチャンバ7との間に、それぞれ、スロットルバルブ11a,11bが介装され、一方のスロットルバルブ11bに、スロットル開度センサ12aとスロットルバルブ全閉を検出するアイドルスイッチ12bとが連設されている。
【0014】
さらに、各スロットルチャンバ6a,6bを連通する通路6cに可変吸気バルブ11cが介装され、各スロットルバルブ11a,11bの直下流側が通路6dによって連通され、この通路6dと上記エアチャンバ7との間に、アイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)13が介装されている。
【0015】
また、上記インテークマニホルド5の各気筒の各吸気ポート4の直上流側にインジェクタ14が配設され、さらに、上記各シリンダヘッド3の各気筒毎に、その先端を燃焼室に露呈する点火プラグ15が取付けられている。この点火プラグ15の端子部には、点火コイル15aが直接取付けられ、イグナイタ16に接続されている。
【0016】
上記インジェクタ14には、燃料タンク17内に設けられたインタンク式の燃料ポンプ18から燃料フィルタ19を経て燃料が圧送され、プレッシャレギュレータ20にて調圧される。
【0017】
また、上記シリンダブロック2に形成された冷却水通路(図示せず)に冷却水温センサ21が臨まされるとともに、上記シリンダブロック2の各バンクに、それぞれ、右バンクノックセンサ22a、左バンクノックセンサ22bが取付けられており、上記各シリンダヘッド3の各排気ポート23から、各バンク毎に設けた各排気管24a,24bが連通されている。
【0018】
上記各ノックセンサ22a,22bは、例えばノック振動とほぼ同じ固有周波数を持つ振動子と、この振動子の振動加速度を検知して電気信号に変換する圧電素子とから構成される共振形のノックセンサであり、エンジンの爆発行程における燃焼圧力波によりシリンダブロックなどに伝わる振動を検出し、その振動波形に応じた検出信号を出力する。
【0019】
また、上記各排気管24a,24bには、それぞれ、右バンクO2 センサ25a,左バンクO2センサ25bが臨まされ、各O2 センサ25a,25bの下流側に、それぞれ、触媒コンバータ26a,26bが介装され、さらに、各触媒コンバータ26a,26bの下流側合流部に、触媒コンバータ27が介装されている。
【0020】
また、右バンクの排気ポート23には、排気ガス還流(EGR)通路28が接続され、排気還流量調整弁としてのダイヤフラムアクチュエータからなるEGRバルブ29の弁体29aを介して、各スロットルバルブ11a,11bの下流側を互いに連通する通路6eに連通されている。上記EGR通路28の排気ポート23側には、排気還流ガスの温度を検出する温度センサ(EGRガス温度センサ)30が臨まされ、上記EGRバルブ29直上流側の上記EGR通路28は、EGRバキュームモジュレータ31に連通されている。
【0021】
上記EGRバキュームモジュレータ31は、上記EGR通路28に連通する背圧室31aと、左バンクのスロットルバルブ11b直上流側に連通されるダイヤフラム室31bとに区切られており、このダイヤフラム室31bは、バルブ31cを介して、上記EGRバルブ29のダイヤフラム室29b、及び、右バンクのスロットルバルブ11a直上流側に連通されている。
【0022】
また、上記EGRバルブ29のダイヤフラム室29bと右バンクのスロットルバルブ11a直上流側とを連通する通路には、EGRソレノイドバルブ32の弁体32aが介装されている。そして、このEGRソレノイドバルブ32、EGRバルブ29、及び、EGRバキュームモジュレータ31により、排気ガスの還流量を調整する排気還流量調整系が構成され、EGRが行なわれるとき、EGRソレノイドバルブ32のソレノイドコイル32bが通電されて弁体32aが開弁し、バキュームモジュレータ31によってEGRバルブ29の弁開度が制御されるようになっている。
【0023】
一方、エンジン本体1のクランクシャフト1aに、クランク角検出用の第1のクランクロータ33と、グループ毎の気筒(#1,#2気筒、#3,#4気筒、#5,#6気筒の各グループ)判別用の第2のクランクロータ34とが、軸方向に所定の間隔をもって互いに近接して軸着され、これらの第1,第2のクランクロータ33,34の外周に、被検出体である突起を検出する電磁ピックアップなどからなる第1,第2のクランク角センサ35,36が、それぞれ対設されている。
【0024】
また、上記シリンダヘッド3に設けられ、上記クランクシャフト1aに対し1/2 回転するカムシャフト1cに、カムロータ37が連設され、このカムロータ37の外周に、特定気筒(例えば、#1気筒)の圧縮上死点を判別するための電磁ピックアップなどからなるカム角センサ38が対設されており、このカム角センサ38と上記第1,第2のクランク角センサ35,36とからの信号により、個々の気筒のクランク角を判別することができる。
【0025】
尚、上記第1,第2のクランクロータ33,34、あるいは、上記カムロータ37の外周には、突起の代わりに被検出体としてスリットを設けても良く、さらには、上記第1,第2のクランク角センサ35,36、及び、カム角センサ38は、電磁ピックアップなどの磁気センサに限らず、光センサなどでも良い。
【0026】
[制御装置の回路構成]
図13において、符号40は、マイクロコンピュータからなる制御装置(ECU)であり、このECU40は、例えば、点火時期制御、燃料噴射制御などを行なうメインコンピュータ41と、例えば、ノック検出処理を行なう専用のサブコンピュータ42との2つのコンピュータから構成されている。
【0027】
また、上記ECU40内には定電圧回路43が内蔵され、この定電圧回路43から各部に安定化電圧が供給されるようになっている。この定電圧回路43は、直接、及びECUリレー44のリレー接点を介して、バッテリ45に接続され、上記ECUリレー44のリレーコイルがキースイッチ46を介して上記バッテリ45に接続されている。また、上記バッテリ45に、燃料ポンプリレー47のリレー接点を介して燃料ポンプ18が接続されている。
【0028】
上記メインコンピュータ41は、メインCPU48、ROM49、RAM50、バックアックRAM50a、タイマ51、シリアルインターフェース(SCI)52、及び、I/O インターフェース53がバスライン54を介して互いに接続されている。
【0029】
上記I/O インターフェース53の入力ポートには、吸入空気量センサ10、スロットル開度センサ12a、冷却水温センサ21、右バンクO2センサ25a、左バンクO2センサ25b、及び、EGRガス温度センサ30が、A/D変換器55を介して接続されるとともに、アイドルスイッチ12b、スタータスイッチ56、第1,第2のクランク角センサ35,36、カム角センサ38が接続され、さらに、上記バッテリ45が接続されてバッテリ電圧がモニタされる。
【0030】
また、上記I/O インターフェース53の出力ポートには、イグナイタ16が接続され、さらに、駆動回路57を介して、ISCV13、インジェクタ14、EGRソレノイドバルブ32、異常発生を表示するためのエンジンチェックランプ(ECSランプ)58、燃料ポンプリレー47のリレーコイルが接続されている。
【0031】
一方、サブコンピュータ42は、サブCPU59、ROM60、RAM61、タイマ62、SCI63、及び、I/Oインターフェース64がバスライン65を介して互いに接続されて構成されている。
【0032】
上記I/Oインターフェース64の入力ポートには、第1,第2のクランク角センサ35,36、及び、カム角センサ38が接続されるとともに、右バンクノックセンサ22a、左バンクノックセンサ22bが、それぞれ、アンプ66、周波数フィルタ67、A/D変換器68を介して接続されている。
【0033】
上記メインコンピュータ41と上記サブコンピュータ42とは、SCI52,63を介したシリアル回線により接続されるとともに、上記サブコンピュータ42のI/Oインターフェース64の出力ポートが、上記メインコンピュータ41のI/Oインターフェース53の入力ポートに接続されている。
【0034】
上記各ノックセンサ22a,22bからの検出信号は、上記アンプ66により所定のレベルに増幅された後、上記周波数フィルタ67により必要な周波数成分が抽出され、A/D変換器68でアナログデータからデジタルデータに変換され、上記サブコンピュータ42にてノック発生の有無が判定される。
【0035】
このノック発生の有無の判定結果は、サブコンピュータ42のI/Oインターフェース64に出力され、ノック発生の場合には、SCI63,52を介したシリアル回線を通じてサブコンピュータ42から上記メインコンピュータ41にノックデータが読込まれ、上記メインコンピュータ41では、このノックデータに基づいて直ちに該当気筒の点火時期を遅らせ、ノックを回避する。
【0036】
さらに、上記メインコンピュータ41では、エンジン中負荷域でのERG制御中に、ERGバルブ29の異常を自己診断し、異常発生と診断すると、ECSランプ58を点灯して運転者に警告を与えるとともに、トラブルデータをバックアップRAM50aにストアする。このバックアップRAM50aにストアされたトラブルデータは、上記メインコンピュータ41のI/Oインターフェース53に外部接続コネクタ69を介して故障診断装置70を接続することにより読出すことができ、故障診断が容易に行なえるようになっている。
【0037】
[動 作]
次に、EGR制御系の動作について、図5及び図6に示すEGR制御手順のフローチャートから説明する。
【0038】
このEGR制御手順のフローチャートは、所定時間毎に実行される割込みルーチンを示し、ステップS101で、スタータスイッチ56がONか否か、すなわちエンジンをクランキング中か否かを判別し、スタータスイッチ56がONの状態でクランキング中のときには、上記ステップS101からステップS125へ分岐し、始動後経過時間カウンタのカウント値COUNTに設定値SETをセットし(COUNT←SET)、ステップS126で、EGRソレノイドバルブ32がONか否かを判別するためのEGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRをクリアし(FLAGEGR←0)、ステップ127で、EGRソレノイドバルブ32をOFFにしてEGRをカットし、ルーチンを抜ける。
【0039】
上記始動後経過時間カウンタは、エンジン始動後の経過時間をカウントするための減算カウンタであり、スタータスイッチ56がONからOFFになるとカウントダウンがスタートする。
【0040】
一方、上記ステップS101で、スタータスイッチ56がOFFでエンジンが既に始動しているときには、上記ステップS101からステップS102へ進んで始動後経過時間カウンタのカウント値COUNTが0か否かを判別する。そして、COUNT=0のときには、ステップS104へジャンプし、COUNT≠1のときには、ステップS103で、カウンタをカウントダウンすると(COUNT←COUNT−1)、ステップS104で、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照する。
【0041】
上記ステップS104で、FLAGEGR=1、すなわち、前回のルーチン実行時にもEGRソレノイドバルブ32がONの状態であったときには、ステップS105で、EGRの実行条件を満足する冷却水温(以下、EGR水温とする)TWEGRに、設定値TWEGRLをセットして(TWEGR←TWEGRL)ステップS107へ進み、FLAGEGR=0、すなわち、前回のルーチン実行時にEGRソレノイドバルブ32がOFFの状態であったときには、ステップS106で、EGR水温TWEGRに設定値TWEGRHをセットして(TWEGR←TWEGRH;但し、TWEGRL<TWEGRH)ステップS107へ進む。
【0042】
ステップS107では、冷却水温TWとERG水温TWEGRとを比較し、TW<TWEGRのときには、前述のステップS126,S127を経てルーチンを抜け、TW≧TWEGRで暖機が完了しているときには、ステップS108へ進んで、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照する。
【0043】
そして、FLAGEGR=1のときには、前回、EGRソレノイドバルブ32がONであったため、上記ステップS108からステップS109へ進んで、EGRの実行条件を満足する車速(以下、EGR車速とする)VSEGRに、設定値VSEGRHをセットして(VSEGR←VSEGRH)ステップS111へ進み、FLAGEGR=0、すなわち、前回のルーチン実行時にEGRソレノイドバルブ32がOFFの状態であったときには、上記ステップS108からステップS110へ進んで、EGR車速VSEGRに設定値VSEGRLをセットして(VSEGR←VSEGRL;但し、VSEGRL<VSEGRH)ステップS111へ進む。
【0044】
ステップS111では、車速VSPとEGR車速VSEGRとを比較し、VSP>VSEGRのとき、同様に、前述のステップS126,S127を経てルーチンを抜け、VSP≦VSEGRのときには、ステップS112で、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照し、FLAGEGR=1のとき、ステップS113で、EGRの実行条件を満足するエンジン回転数(以下、EGR回転数とする)NEGRに、設定値NEGRHをセットし(NEGR←NEGRH)、FLAGEGR=0のとき、ステップS114で、EGR回転数NEGRに設定値NEGRLをセットする(NEGR←NEGRL;但し、NEGRL<NEGRH)。
【0045】
その後、上記ステップS113あるいはステップS114からステップS115へ進み、エンジン回転数NEとEGR回転数NEGRとを比較する。そして、NE>NEGRのときには、前述のステップS126,S127を経てルーチンを抜け、NE≦NEGRのときには、ステップS116で、始動後経過時間カウンタのカウント値COUNTを参照し、COUNT≠0のとき、すなわち、エンジン始動後(スタータスイッチ56がONからOFFになった後)、所定時間未満のときには、ステップS117で、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照する。
【0046】
上記ステップS117では、FLAGEGR=1のとき、ステップS118へ進んで、エンジン負荷としての基本燃料噴射パルス幅TPが設定範囲内(TPEGRL≦TP<TFEGRH)にあるか否かを判別し、FLAGEGR=0のときには、ステップS119で、基本燃料噴射パルス幅TPが設定範囲内(TPEGRH≦TP<TFEGRL)にあるか否かを判別する。
【0047】
そして、上記ステップS118あるいはステップS119での判別結果、設定範囲内のときには、エンジン運転状態が中負荷域であるとして各ステップからステップS123へ進み、設定範囲外のときには、各ステップからステップS126,S127を経てルーチンを抜ける。
【0048】
一方、上記ステップS116で、始動後経過時間カウンタのカウント値COUNTが、COUNT=0のとき、すなわち、エンジン始動後(スタータスイッチ56がONからOFFになった後)、所定時間が経過したときには、上記ステップS116からステップS120へ分岐し、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照して、FLAGEGR=1のとき、ステップS121で、基本燃料噴射パルス幅TPが設定範囲内(TPEGRL≦TP<TEGRH2)にあるか否かを判別し、FLAGEGR=0のとき、ステップS122で、基本燃料噴射パルス幅TPが設定範囲内(TPEGRH≦TP<TEGRL2)にあるか否かを判別する。
【0049】
同様に、上記ステップS121あるいはステップS122での判別結果、設定範囲内のときには、エンジン運転状態が中負荷域であるとして各ステップからステップS123へ進み、設定範囲外のときには、各ステップからステップS126,S127を経てルーチンを抜ける。
【0050】
ステップS123では、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRをセットし(FLAGEGR←1)、ステップS124で、EGRソレノイドバルブ32をONしてEGRを行ない、ルーチンを抜ける。
【0051】
すなわち、エンジン始動後に、冷却水温TW、車速VSP、エンジン回転数NEがEGR条件を満足し、且つ、エンジン運転状態が中負荷域である場合、EGRソレノイドバルブ32のソレノイドコイル32bが通電されて弁体32aが開弁する。
【0052】
すると、EGR通路28からEGRバキュームモジュレータ31の背圧室31aにかる背圧に応じて吸入負圧がEGRバキュームモジュレータ31のバルブ31cを介してリークし、EGRバルブ29のダイヤフラム室29bに導入される吸入負圧が調圧される。その結果、上記EGRバルブ29の弁体29aのリフト位置すなわち弁開度が制御され、排気ガスの吸入側への還流が制御されるのである。
【0053】
この際、EGR実行及びEGRカットに対してヒステリシスが設けられ、冷却水温TWに対しては、図7に示すように、EGRソレノイドバルブ32がONでEGR実行中、TW<TWEGRLになると、EGRがカットされ、EGRソレノイドバルブ32がOFFでEGRカット中、TW≧TWEGRHになると、EGRが実行される。
【0054】
また、車速VSPに対しては、図8に示すように、EGR実行中に、VSP>VSEGRHになると、EGRがカットされ、EGRカット中に、VSP≦VSEGRLになると、EGRが実行される。エンジン回転数NEに対しては、図9に示すように、EGR実行中に、NE>NEGRHになると、EGRがカットされ、EGRカット中に、NE≦NEGRLになると、EGRが実行される。
【0055】
また、基本燃料噴射パルス幅TPに対しては、エンジン始動後の経過時間が所定値未満のとき、図10に示すように、EGR実行中に、TP<TPEGRLあるいはTP≧TFEGRHになると、EGRがカットされ、EGRカット中に、TPEGRH≦TP<TFEGRLの領域に入ると、EGRが実行される。さらに、エンジン始動後、所定時間が経過すると、図11に示すように、EGR実行中に、TP<TPEGRLあるいはTP≧TEGRH2になると、EGRがカットされ、EGRカット中に、TPEGRH≦TP<TEGRL2の領域に入ると、EGRが実行される。
【0056】
以上のEGR制御に対し、排気還流量調整系の故障が発生していないか否かを診断する。この排気還流量調整系の故障としては、EGRバルブ29の弁体29aが排気ガス中のカーボン付着などにより固着するバルブスティック故障の可能性が最も高く、希には、EGRソレノイドバルブ32あるいはEGRバキュームモジュレータ31の故障などがある。
【0057】
これらの排気還流量調整系の故障は、いずれも、結果的には、EGRバルブ29の異常となり、以下に説明するEGRバルブスティック判定手順により検出することができる。
【0058】
図1〜図4のフローチャートは、キースイッチ46をONした後、所定時間毎に実行されるルーチンであり、EGRバルブ29の弁体29aが閉状態のままとなるクローズスティック故障を判定するためのクローズスティック判定(ステップS201〜S228)と、EGRバルブ29の弁体29aが開状態のままとなるオープンスティック故障を判定するためのオープンスティック判定(ステップS229以降)とからなる。
【0059】
まず、ステップS201で、RAM50の所定アドレスにストアされているクローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCの値を参照する。このクローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCは、クローズスティック判定において異常なしのクリア判定を行なったとき1にセットされるものであり、イニシャル値は、FLAGCLC=0である。そして、クローズスティック判定で、一旦、クリア判定した場合には、キースイッチ46がOFFされるまでクローズスティック判定は行なわない。
【0060】
すなわち、上記ステップS201で、FLAGCLC=1のときには、ステップS229へジャンプしてオープンスティック判定へと移行し、FLAGCLC=0のとき、上記ステップS201からステップS202へ進み、ステップS202〜S207で、クローズスティック判定を行なう上での診断条件が成立するか否かを調べる。
【0061】
この診断条件が成立するか否かを調べるため、ステップS202では、冷却水温TWが設定水温EGRTW(例えば、60°C)以上か否かを判別し、TW≧EGRTWのとき、ステップS203で、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照して、EGRソレノイドバルブ32がONか否かを判別する。その結果、FLAGEGR=1であり、EGRソレノイドバルブ32がONされているときには、ステップS204で、EGRガス温度センサ30の出力電圧TSEGRが設定値MEGRT1(例えば、1.0V)以上か否かを判別する。
【0062】
図14に示すように、上記EGRガス温度センサ30は、検出温度が低いと出力電圧が高く、検出温度が上昇するにつれて出力電圧が下がる特性を有し、例えば、検出温度が15°Cのとき出力電圧が略4.5V、50°Cのとき出力電圧が略2.8V、検出温度が90°Cのとき出力電圧が略1.0Vであり、上記ステップ204で、TSEGR<MEGRT1のときには、EGR通路28の温度が略90°C以上である。
【0063】
従って、上記ステップS202,S203を経てステップS204へ至り、TSEGR<MEGRT1のときには、冷却水温TWが暖機完了以上の温度(60°C以上)であり、且つ、EGRソレノイドバルブ32がONの状態で、排気還流ガスの温度を示すEGR通路28の温度が略90°C以上であるため、排気ガスが吸気側に正常に還流していると判定し、ステップS222へジャンプする。
【0064】
ステップS222では、バックアップRAM50aの所定アドレスにストアされるクローズスティック判定データCLSTをクリアして(CLST←0)ECSランプ58を消灯状態に保ち、ステップS223で、クローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCをセットし(FLAGCLC←1)、ステップS229以降のオープンスティック判定へと移行する。
【0065】
一方、上記ステップS204で、TSEGR≧MEGRT1であるとき(EGR通路28の温度が略90°Cより低いとき)には、上記ステップS204からステップS205へ進んで、EGRガス温度センサ30の出力電圧TSEGRが設定値EGRCTS(例えば、4.5V)より低いか否かを判別する。
【0066】
その結果、TSEGR<EGRCTSのとき、すなわち、EGR通路28の温度が略15°Cより高いときには、上記ステップ205からステップS206へ進み、エンジン回転数NEが設定範囲内(ERPML≦NE<ERPMH;例えば、ERPML=1500rpm、ERPMH=2500rpm)にあるか否かを判別し、設定範囲内のとき、さらに、ステップS207で、エンジン負荷としての基本燃料噴射パルス幅TPが設定範囲内(ERGTPL≦TP<EGRTPH;例えば、ERGTPL=3.0ms、EGRTPH=4.5ms)にあるか否かを判別する。
【0067】
そして 基本燃料噴射パルス幅TPが、設定範囲内にあるときは、上記ステップS207からステップS208へ進み、診断条件成立判別フラグFLAGCONの値を参照する。この診断条件成立判別フラグFLAGCONは、FLAGCON=1のとき、上述の各ステップS202,S203,S205,S206,S207の条件が満足され、冷却水温TWが60°C以上で、EGRソレノイドバルブ32がONの状態であり、且つ、EGR通路28の温度が略15°Cより高く、さらに、エンジン回転数NE及び基本燃料噴射パルス幅TPが所定の運転領域内にあって診断条件が成立することを示すものであり、FLAGCON=0のときには、いずれかのステップにおいて条件が満足されず、診断条件が成立しないことを示す。
【0068】
従って、上述の各ステップS202,S203,S205,S206,S207を経て上記ステップS208へ進み、FLAGCON=0であるときには、診断条件不成立から診断条件成立に移行した初回であるため、ステップS209で、診断条件成立判別フラグFLAGCONをセットし(FLAGCON←1)、FLAGCON=1であるときには、条件成立が初回でないため、ステップS213へジャンプする。
【0069】
そして、上記ステップS209で診断条件成立判別フラグFLAGCONをセットした後は、ステップS210へ進んで、EGRガス温度センサ30の出力電圧TSEGRを、診断条件成立後の出力電圧TSEGR0とする(TSEGR0←TSEGR)。
【0070】
次いで、ステップS211へ進み、診断条件成立後のEGRガス温度センサ30の出力電圧TSEGR0が設定値EGRETS(例えば、2.8V)以上か否かを判別し、TSEGR0≧EGRETSのとき、すなわち、EGR通路28の温度が略50°C以下であるときには、ステップS212で、故障判定実行判別フラグFLAGTSをセットし(FLAGTS←1)、ステップS213へ進む。
【0071】
上記故障判定実行判別フラグFLAGTSは、FLAGTS=1のとき、上述の各ステップS202,S203,S205,S206,S207を経て診断条件が成立し、且つ、ステップS211で、この診断条件が成立した後に、EGR通路28の温度が略50°C以下のため、故障判定を行なうためのものであり、上記ステップS211で、TSEGR0<EGRETSであるとき(EGR通路28の温度が略50°Cより高いとき)には、故障判定を行なわず、ステップS211からステップS225へ分岐して故障判定実行判別フラグFLAGTSをクリアする(FLAGTS←0)。
【0072】
また、各ステップS202,S203,S205,S206,S207のいずれかのステップで条件が満足されない場合には、該当ステップからステップS224へ分岐し、診断条件成立判別フラグFLAGCONをクリアし(FLAGCON←0)、次いで、ステップS225で、故障判定実行判別フラグFLAGTSをクリアする(FLAGTS←0)。
【0073】
そして、上記ステップS225からステップS226へ進み、第1のカウンタに、所定時間(例えば、7sec)に相当する設定値EGRTMRをカウント値COUNTCLCとしてセットするとともに(COUNTCLC←EGRTMR)、ステップS227で、第2のカウンタに、上記設定値EGRTMRをカウント値COUNTCLSとしてセットする(COUNTCLS←EGRTMR)。
【0074】
尚、上記第1,第2のカウンタはいずれもダウンカウンタであり、カウント値が0になったとき、設定値に相当する時間が経過したことがわかる。
【0075】
その後、上記ステップS227からステップS228へ進み、クローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCをクリアして(FLAGCLC←0)、ステップS229以後のオープンスティック判定へと移行する。
【0076】
一方、上記ステップS212あるいはステップS208を経てステップS213へ至ると、ステップS213で、故障判定実行判別フラグFLAGTSの値を参照し、FLAGTS=0のとき、前述のステップS226、S227,S228を経てステップS229以降のオープンスティック判定へと移行し、FLAGTS=1のときには、ステップS214で、第1のカウンタのカウント値COUNTCLCが0か否かを判別する。
【0077】
上記ステップS214で、COUNTCLC=0のときには、ステップS216へジャンプし、COUNTCLC≠0のときには、ステップS215で、第1のカウンタをカウントダウンし(COUNTCLC←COUNTCLC−1)、ステップS216で、診断条件成立時のEGR温度センサ30の出力電圧TSEGR0と、現在のEGR温度センサ30の出力電圧TSEGRとの出力変化ΔTSを算出する(ΔTS←TSEGR0−TSEGR)。
【0078】
次に、上記ステップS216からステップS217へ進み、EGR温度センサ30の出力変化ΔTSが設定値EGRDTS(例えば、0.1V)より小さいか否かを判別し、ΔTS≧EGRDTSのときには、ステップS221へ分岐して第1のカウンタのカウント値COUNTCLCの値を調べ、COUNTCLC≦0のときには、前述のステップS227,S228を経てステップS229へ進み、COUNTCLC>0のときには、診断条件成立時にEGR通路28の温度が50°C以下であっても、所定時間(例えば、7sec)内に排気還流ガスの温度が設定値(EGRDTSに相当する温度)以上変化したため、EGRに異常なしのクリア判定を行ない、前述のステップS227,S228を経てステップS229へ進む。
【0079】
一方、上記ステップS217で、ΔTS<EGRDTSのときには、上記ステップS217からステップS218へ進み、第2のカウンタのカウント値COUNTCLSが0か否かを判別する。その判別結果、上記ステップS218で、COUNTCLS=0であり、ΔTS<EGRDTSの状態が設定時間(例えば、7sec)継続したときには、EGRソレノイドバルブ32がONしているにもかかわらず、EGRバルブ29の弁体29aが閉弁状態のままとなるクローズスティックにより排気ガスが吸気系に還流されない故障であると判定してステップS219へ進み、COUNTCLS≠0のときには、上記ステップ゜S218からステップS220へ分岐して第2のカウンタをカウントダウンすると(COUNTCLS←COUNTCLS−1)、ステップS228で、クローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCをクリアする(FLAGCLC←0)。
【0080】
すなわち、診断条件成立後、EGR通路28の温度が50°C以下であり、しかも、設定時間(例えば、7sec)が経過しても温度変化が僅かであるときにのみ、クローズスティック故障であると判定するため、外気温度が低く、EGR温度センサ30によって検出された排気還流ガス温度が実際より低めであっても、正確に故障を判定することができ、誤判定を防止することができるのである。
【0081】
尚、希には、EGRソレノイドバルブ32あるいはEGRバキュームモジュレータ31の故障により、EGRバルブ29の弁体29aが閉弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されない場合もあるが、この場合においても、クローズスティック判定で異常を検出することができる。
【0082】
そして、上記ステップS218からステップS219へ進むと、クローズスティック判定データCLSTを1にセットするとともに(CLST←1)、ECSランプ58を点灯して運転者に異常発生を報知し、ステップS228で、クローズスティッククリア判定フラグFLAGCLCをクリアする(FLAGCLC←0)。
【0083】
次に、ステップS229以降のオープンスティック判定について説明する。ステップS229では、RAM50にストアされているオープンスティッククリア判定フラグFLAGCLOの値を参照し、FLAGCLO=1のとき、ルーチンを抜ける。このオープンスティッククリア判定フラグFLAGCLOは、オープンスティック判定において異常なしのクリア判定を行なったとき1にセットされるものであり、イニシャル値はFLAGCLO=0である。
【0084】
尚、オープンスティック判定において、一旦、クリア判定した場合には、前述のクローズスティック判定同様、キースイッチ46がOFFされるまでオープンスティック判定は行なわない。
【0085】
一方、上記ステップS229で、FLAGCLO=0のときには、ステップS230,S231,232で、それぞれ、冷却水温TWの状態、EGRソレノイドバルブ32の駆動状態、エンジンの駆動状態から診断条件が成立するか否かを判別する。
【0086】
すなわち、ステップS230で、冷却水温TWが設定水温EGRTW2(例えば、40°C)より低いか否かを判別し、TW<EGRTW2のとき、ステップS231へ進んで、EGRソレノイドON判別フラグFLAGEGRの値を参照し、FLAGEGR=0のとき、すなわち、EGRソレノイドバルブ32がOFFのときには、ステップS232へ進んで、エンジン回転数NEが0でないか否か、すなわち、エンスト(エンジン停止)していないかを判別する。
【0087】
そして、上述のステップS230,S231,S232のいずれかのステップで、条件が満足されない場合、診断条件は成立せず、該当ステップからステップS242へジャンプして第3のカウンタに、例えば60secに相当する設定値EGRTR3をカウント値COUNTCLOとしてセットするとともに(COUNTCLO←EGRTR3)、ステップS243で、第4のカウンタに、例えば10secに相当する設定値EGRTR2をカウント値COUNTOPSとしてセットし(COUNTOPS←EGRTR2)、ステップS244で、オープンスティッククリア判定フラグFLAGCLOをクリアして(FLAGCLO←0)ルーチンを抜ける。
【0088】
尚、上記第3,第4のカウンタは、前述の第1,第2のカウンタ同様、ダウンカウンタである。
【0089】
一方、上述のステップS230,S231,S232での条件がすべて満足されて診断条件が成立すると、ステップS232からステップS233へ進んで、EGRガス温度センサ30の出力電圧TSEGRが設定値MEGRT2(例えば、MEGRT2=2.0Vで略65°C相当)より低いか否かを判別する。
【0090】
上記ステップS233における判別結果、TSEGR<MEGRT2のとき、すなわち、EGR通路28の温度が略65°Cより高いときには、ステップS234へ進んで、第4のカウンタのカウント値COUNTOPSを調べ、COUNTOPS≠0のときには、ステップS236で第4のカウンタをカウントダウンして(COUNTOPS←COUNTOPS−1)ステップS237へ進み、COUNTOPS=0のとき、すなわち、エンジン冷態運転状態で、EGRソレノイドバルブ32がOFFされてEGRがカットされているにもかかわらず、EGRガス温度センサによって検出されるEGR通路28の温度が略65°Cより高い状態が所定時間(例えば、10sec)継続しているときには、EGRバルブ29の弁体29aが開弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されるオープンスティック故障であると判定してステップS235へ進む。
【0091】
そして、ステップS235で、バックアップRAM50aのオープンスティック判定データOPSTを1にセットするとともに(OPST←1)、ECSランプ58を点灯して運転者に異常発生を報知して修理を促し、ステップS237で、第3のカウンタに設定値EGRTR3をカウント値COUNTCLOとしてセットすると(COUNTCLO←EGRTR3)、ステップS244で、オープンスティッククリア判定フラグFLAGCLOをクリアして(FLAGCLO←0)ルーチンを抜ける。
【0092】
一方、上記ステップS233で、TSEGR≧MEGRT2のとき、すなわち、EGR通路28の温度が略65°C以下のときには、上記ステップS233からステップS238へ分岐し、第3のカウンタのカウント値COUNTCLOを調べる。そして、COUNTCLO≠0のとき、ステップS241で、第3のカウンタをカウントダウン(COUNTCLO←COUNTCLO−1)した後、前述のステップS243,S244を経てルーチンを抜け、COUNTCLO=0のときには、EGR通路28の温度が略65°C以下の状態が所定時間(例えば、60sec)以上継続しているため、異常なしと判定し、ステップS239で、オープンスティック判定データOPSTをクリアするとともに(OPST←0)ECSランプ58を消灯状態に保ち、ステップS240で、オープンスティッククリア判定フラグFLAGCLOをセットして(FLAGCLO←1)ルーチンを抜ける。
【0093】
以上のEGRバルブスティック判定ルーチンにより故障と診断され、サービス工場で修理を行なう際には、ECU40に故障診断装置70を接続する。そして、この故障診断装置70により、バックアップRAM50aにストされているクローズスティック判定データCLST、オープンスティック判定データOPSTを読出すことにより、クローズスティック故障、オープンスティック故障、いずれであるかを直ちに判断することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エンジン冷態状態、且つ、排気還流量調整弁の閉弁制御が行なわれている状態で、排気還流通路中の温度が予め設定した設定値以上の状態が、設定時間以上継続したとき、排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままのオープンスティック故障であると判定するので、排気還流量調整弁を閉弁して排気還流をカットしなければならないにも拘らず排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままとなって排気ガスが吸気系に還流されるオープンスティック故障を正確に検出することができる。
また、エンジン冷態状態の下で、オープンスティックの故障診断を行うので、閉弁制御をしているにも係わらず排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままのオープンスティックを生じているときには、排気還流量調整弁が正常に閉弁している場合は排気還流通路中の温度が確実に低下しているのに対し、排気ガスの流過により明らかに排気還流通路中の温度が正常時には取り得ない高温となり、正常時とオープンスティック故障による異常時とで排気還流通路中の温度が明確に相違するため、的確にオープンスティック故障を検出できる。
さらに、異常状態の継続時間を判断し、エンジン冷態状態の下で排気還流通路中の温度が予め設定した設定値以上の異常状態が設定時間以上継続したときにオープンスティック故障と確定しているので、一時的な外乱等による影響を排除して誤診断を生じること無くオープンスティック故障の診断精度を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その1)
【図2】EGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その2)
【図3】EGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その3)
【図4】EGRバルブスティック判定手順のフローチャート(その4)
【図5】EGR制御手順のフローチャート(その1)
【図6】EGR制御手順のフローチャート(その2)
【図7】EGRカットの際のヒステリシスを示す説明図
【図8】EGRカットの際のヒステリシスを示す説明図
【図9】EGRカットの際のヒステリシスを示す説明図
【図10】EGRカットの際のヒステリシスを示す説明図
【図11】EGRカットの際のヒステリシスを示す説明図
【図12】エンジン制御系の概略図
【図13】制御装置の回路構成図
【図14】EGRガス温度センサの特性図
【符号の説明】
28 EGR通路
29 EGRバルブ
30 EGRガス温度センサ
31 EGRバキュームモジュレータ
32 EGRソレノイドバルブ

Claims (1)

  1. 排気系から吸気系へ排気還流量調整弁を介して排気ガスを還流させるエンジンの排気還流系の異常検出方法において、
    エンジン冷態状態、及び、上記排気還流量調整弁に対する制御状態を判断し、エンジン冷態状態、且つ、上記排気還流量調整弁の閉弁制御が行なわれている状態で、排気還流通路中の温度が予め設定した設定値以上の状態が、設定時間以上継続したとき、上記排気還流量調整弁の弁体が開弁状態のままのオープンスティック故障であると判定することを特徴とするエンジンの排気還流系の異常検出方法。
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