JP4935793B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の排気通路と吸気通路とをEGR通路によって接続し、内燃機関からの排気の一部をEGR通路を介してEGRガスとして吸気通路に流入させる技術が知られている。
EGRガスの量はEGR通路に設けたEGR弁の開度を調節することによって調節することができるが、EGR弁が固着した場合にはEGRガス量の調節はできなくなる。
特にEGR弁が開弁状態で固着した場合、運転条件によってはEGRガス量が過多となり、燃焼不良やトルク不足等の問題が生じる可能性がある。
このような問題に対し、EGR弁が開固着した場合には、内燃機関を減筒運転し且つ吸入空気量を増量することによってEGR率を低下させ、燃焼を安定化させる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2005−207285号公報 特開平9−25852号公報 特開平11−22561号公報
ところで、吸入空気量を増量すべくスロットル弁の開度を開き側にする場合、吸気管負圧が減少するため、吸気管負圧を利用して作動するブレーキブースタ等の装置が良好に動作しなくなる虞があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、EGR弁が開固着した場合においても燃焼が不安定化することを抑制するとともに、吸気管負圧を利用する装置のために十分な負圧を確保することを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
複数のバンク及びEGR装置を備える内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関は、
前記複数のバンクの各々に個別に接続された個別吸気通路と、
前記複数のバンクの各々に個別に接続された個別排気通路と、
を有し、
前記複数のバンクのうちの一部のバンクは、そのバンクの個別排気通路と前記複数のバンクの各々の個別吸気通路とを連通するEGR通路が備えられ、そのバンクからの排気の一部が該EGR通路によって取り出され、EGRガスとして前記複数のバンクの各々の個別吸気通路に流入するように構成された、EGR取り出し有りバンクであり、
前記複数のバンクのうちのその他のバンクは、そのバンクからの排気が前記EGR通路によって取り出されない、EGR取り出し無しバンクであり、
前記内燃機関は、
前記各EGR通路に設けられたEGR弁と、
前記各EGR弁の開固着を検知する検知手段と、
前記各個別吸気通路に設けられたスロットル弁と、
負圧を導入することによって作動する負圧利用装置と、
前記負圧利用装置に導入する負圧を、少なくともいずれかの前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路における前記スロットル弁より下流側の位置から取り出す負圧取り出し手段と、
を有し、
前記内燃機関の制御装置は、
前記検知手段によって前記EGR弁の開固着が検知された場合に、
前記EGR取り出し有りバンクの気筒への燃料供給を停止する燃料カット制御と、
前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路に設けられた前記スロットル弁の開度を、前記EGR弁の開固着が検知されない場合よりも開き側の開度にするスロットル弁開度増大制御と、
前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路に設けられた前記スロットル弁の開度を、前記EGR弁の開固着が検知されない場合よりも閉じ側の開度にするスロットル弁開度減少制御と、
を実行する制御手段を備えることを特徴とする。
EGR弁が開固着した場合、その固着開度が運転条件に応じて定まる目標開度よりも開き側の開度であるときには、吸気中のEGRガス量が過多となる可能性がある。EGRガスが既燃ガスを主成分とする場合、EGRガス量が過多となると吸気中の不活性ガス量が過多となり、燃焼不良を招く虞がある。
この点、上記本発明によれば、EGR弁が開固着したことが検知された場合、制御手段によって、EGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御が実行される。これにより、EGR取り出し有りバンクからの排気の主成分は空気となる。
従って、EGRガスの主成分も空気となるので、EGR弁の開固着によってEGRガス量が過多となったとしても、吸気中の不活性ガス量が過多になることを抑制できる。よって、EGR弁が開固着した場合においても、燃焼不良やトルク不足になることを抑制できる。
このように、EGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御が実行されることにより、不活性ガス量過多による燃焼不良やトルク不足を抑制することが可能となるが、EGR取り出し有りバンクが本来出力するべきだったトルクの分だけトルクが不足することになる。
この点、本発明によれば、制御手段によって、上記EGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御とともに、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を開き側の開度にするスロットル弁開度増大制御が行われる。
これにより、EGR取り出し無しバンクの吸入空気量が増大し、EGR取り出し無しバンクの出力するトルクが増大する。
従って、このEGR取り出し無しバンクのトルク増大分を以て、EGR取り出し有りバンクに対する燃料カット制御に起因するトルク不足を補償することが可能となる。
なお、ここでEGR取り出し無しバンクの吸入空気量を増大させても、EGR取り出し無しバンクからの排気はEGRガスとして吸気系に戻されないので、不活性ガスの増大につながる虞はない。
このように、EGR取り出し無しバンクについてスロットル弁開度増大制御を行うこと
により、トルク不足になることを抑制することが可能となるが、スロットル弁開度が増大させられると吸気管圧力が高くなる。
そのため、吸気管負圧を導入することによって作動するように構成された負圧利用装置にあっては、その好適な動作に必要な負圧が供給されなくなり、良好な動作ができなくなる虞がある。
この点、本発明によれば、制御手段によって、上記EGR取り出し有りバンクに対する燃料カット制御及びEGR取り出し無しバンクのスロットル弁開度増大制御とともに、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路に設けられたスロットル弁の開度が閉じ側の開度に制御される。
これにより、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路のスロットル弁より下流側の吸気管圧力が低下する。
そして、本発明においては、負圧利用装置が利用する負圧を、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路におけるスロットル弁より下流側の位置から取り出すように構成されているので、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路のスロットル弁より下流側の吸気管圧力が低下することにより、負圧利用装置に対して十分な負圧を供給することが可能となる。
このように、本発明によれば、EGR弁が開固着した場合においても、燃焼が不安定化することを抑制可能であるとともに、吸気管負圧を利用する負圧利用装置の好適な動作のために必要な負圧を負圧利用装置に供給することが可能となる。
なお、上記構成において、EGR取り出し有りバンクは一又は複数備えられていて良い。そして、EGR通路は、各EGR取り出し有りバンクの個別排気通路に接続されるので、EGR取り出し有りバンクが複数備えられた構成の内燃機関では、同系統数のEGR通路が備えられることになる。
EGR弁も、EGR通路毎に設けられるので、EGR取り出し有りバンクが複数備えられた構成の内燃機関では、同数のEGR弁が備えられることになる。
このように、複数のEGR弁を備えた構成では、あるEGR弁は開固着して、他のEGR弁は正常という場合が起こり得る。
このような場合、本発明の検知手段は、複数のEGR弁のうちに少なくとも開固着したものが存在することを検知する手段としても良い。
また、このような場合に、本発明におけるEGR取り出し有りバンクを対象とした制御(すなわち、燃料カット制御や、スロットル弁開度の減少制御)において、EGR弁が正常であるEGR通路がその個別排気通路に接続されているEGR取り出し有りバンクと、EGR弁が開固着しているEGR通路がその個別排気通路に接続されているEGR取り出し有りバンクと、を区別しなくても良いし、区別しても良い。
区別しない場合には、上記説明したように、EGR弁が開固着しているかいないかに依らず、EGR取り出し有りバンクであれば燃料カット制御及びスロットル弁開度の減少制御の実行対象とすると良い。
区別する場合には、特にEGR弁が開固着しているEGR取り出し有りバンクに限って
、上述した燃料カット制御の実行対象とするようにしても良い。
EGR弁が開固着していないEGR取り出し有りバンクについては、そのバンクからの排気由来のEGRガス量が過多となる虞はないので、燃焼を継続しても吸気中の不活性ガス量が過多となる虞は小さいからである。
また、負圧取り出し手段は、全てのEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路から負圧を取り出すよう構成しても良いし、EGR取り出し有りバンクのうちの一部のバンクの個別吸気通路から負圧を取り出すように構成しても良い。
一部のEGR取り出し有りバンクから負圧を取り出すような構成とした場合には、制御手段によるEGR取り出し有りバンクのスロットル弁開度減少制御の実行対象を、特に負圧取り出し手段によって負圧を取り出すよう構成されたEGR取り出し有りバンクに限るようにしても良い。
また、この場合、検知手段によって少なくともいずれかのEGR弁に開固着したものが存在することが検知された場合に、スロットル弁開度減少制御の実行対象資格を有するEGR取り出し有りバンク(すなわち、負圧取り出し手段によって負圧を取り出すように構成されたEGR取り出し有りバンク)の全てについて、EGR弁が開固着しているか否かに依らずに燃料カット制御の実行対象とするようにしても良い。
これにより、負圧確保を最優先にしてスロットル弁開度の減少制御を実行することができる。
本発明における負圧利用装置としては、例えば、内燃機関を搭載した車両のブレーキペダルの操作を負圧によって補助するブレーキブースタを例示できる。
本発明に係る負圧取り出し手段によってEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路から取り出した負圧をブレーキブースタに導入するようにすれば、EGR弁が開固着した場合において、燃焼不安定及びトルク不足を抑制しつつ、ブレーキブースタを良好に動作させることが可能な十分な負圧をブレーキブースタに導入することも可能となる。
このように、本発明によれば、EGR弁開固着時に、EGR取り出し有りバンクについてスロットル弁開度減少制御が実行されることにより、負圧利用装置に対して好適に要求負圧を満足する負圧を供給することが可能となる。
一方で、EGR取り出し無しバンクについては、スロットル弁開度増大制御が実行されることにより、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路の負圧は小さくなる(圧力が相対的に高くなる)。
従って、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路には、負圧による吸引作用が生じる好ましくないものを接続すると良い。
例えば、内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを吸気系に導入するPCV通路は、大きな負圧が生じる箇所に接続すると、負圧によってオイルが吸気通路内に吸引されてデポジットの原因となる可能性がある。
そこで、本発明においては、EGR弁の開固着検知時に制御手段による上記制御が行われる場合においても吸気管負圧が大きくなりにくいEGR取り出し無しバンクの個別吸気通路にPCV通路を接続すると好適である。
こうすることによって、クランクケース内のオイルが吸気通路内に吸引されることを好適に抑制できる。
本発明におけるEGR通路は、上述のように、EGR取り出し有りバンクの個別排気通路と、各バンクの個別吸気通路とを連通するように設けられる。
このようなEGR通路の具体的な構成としては、例えば、EGR取り出し有りバンクの個別排気通路に接続されたEGR通路が、途中で分岐し、当該分岐点から各バンクの個別吸気通路とが枝管によって接続されるように構成することができる。
ところで、検知手段によってEGR弁の開固着が検知された場合に、制御手段によって、EGR取り出し無しバンクについてスロットル弁開度増大制御が行われ、且つ、EGR取り出し有りバンクについてスロットル弁開度減少制御が行われると、上述のように、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路の圧力は比較的高くなり(負圧が小さくなり)、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路の圧力は比較的低くなる(負圧が大きくなる)。
そのため、上記例示したようなEGR通路構成を有するシステムでは、圧力の高いEGR取り出し無しバンクの個別吸気通路内の空気が、枝管を経由して、圧力の低いEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路へ流出する可能性がある。
その場合、各バンクの個別吸気通路に設けたエアフローメータの計測値に基づいて燃焼制御を行うようにシステムを構成した場合には、エアフローメータによる計測値と比較して、実際にEGR取り出し無しバンクの気筒に吸入される空気量が少なくなるため、精度良い燃焼制御が行えなくなる虞がある。
そこで、本発明において、制御手段は、負圧利用装置に導入すべき負圧の目標値である目標負圧を取得する目標負圧取得手段を備え、検知手段によってEGR弁の開固着が検知された場合に、EGR取り出し有りバンクについて上記燃料カット制御を行い、且つ、当該燃料カット制御に起因するトルク不足を補償可能なようにEGR取り出し無しバンクについて上記スロットル弁開度の増大制御を行った場合に、前記負圧取り出し手段によってEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路から取り出される負圧が前記目標負圧を満足するときは、EGR取り出し有りバンクについて上記スロットル弁開度減少制御を行わないようにしても良い。
すなわち、EGR取り出し有りバンクのスロットル弁開度を減少させなくても十分な負圧を確保できる場合には、あえてEGR取り出し有りバンクの負圧を増大させる制御を行う必要はないということである。
これにより、EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路の圧力とEGR取り出し無しバンクの個別吸気通路の圧力との差が大きくなりにくくなるので、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路内の空気がEGR通路経由でEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路へ流出することを抑制できる。
よって、EGR取り出し無しバンクの実際の吸入空気量が計測値からずれて燃焼制御の精度が悪化することを好適に抑制することが可能になる。
また、内燃機関の運転状態が低負荷運転領域に属する場合には、通常時におけるスロットル弁開度がそもそも比較的小さいので、本発明に係るスロットル弁開度減少制御を実行
しなくても、十分な吸気管負圧を確保できる場合がある。
そのような場合には、本発明に係る上記スロットル弁開度減少制御を実行しないようにしても良い。
すなわち、本発明において、制御手段は、検知手段によってEGR弁の開固着が検知された場合に、EGR取り出し有りバンクについて上記燃料カット制御を行い、且つ、当該燃料カット制御に起因するトルク不足を補償可能なようにEGR取り出し無しバンクについて上記スロットル弁開度増大制御を行った場合に、内燃機関の運転状態が所定の低負荷運転領域に属するときは、EGR取り出し有りバンクについて前記スロットル弁開度減少制御を実行しないようにしても良い。
こうすることにより、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路の圧力とEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路の圧力との差が大きくなりにくくなるので、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路内の空気がEGR通路経由でEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路へ流出することを抑制できる。
このように、EGR弁の開固着検知時に本発明に係る上記燃料カット制御及びスロットル弁開度制御(EGR取り出し無しバンクについてスロットル弁開度増大制御、EGR取り出し有りバンクについてスロットル弁開度減少制御)を実行すると、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路側からEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路側へ空気が流出する可能性がある。
そこで、この空気の流出量である流出空気量を推測し、流出空気量を補って目標空気量を満足できるように、EGR取り出し無しバンクのスロットル弁開度を補正するようにしても良い。
すなわち、本発明において、制御手段は、検知手段によってEGR弁の開固着が検知された場合に、EGR取り出し有りバンクに対する上記燃料カット制御、EGR取り出し無しバンクについての上記スロットル弁開度増大制御、及びEGR取り出し有りバンクについての上記スロットル弁開度減少制御、が実行されたときに、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路内の空気のうち前記EGR通路経由でEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路へ流出する空気の量である流出空気量を推定する流出空気量推定手段と、
前記流出空気量推定手段によって推定される流出空気量に基づいて、前記EGR取り出し無しバンクの吸入空気量が所定の目標空気量となるように、前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を開き側に補正する補正手段と、
を備えるようにしても良い。
このように、流出空気量を補うようにEGR取り出し無しバンクのスロットル弁開度を増加補正することによって、EGR取り出し無しバンクのトルクが要求トルクを満たすようにすることができる。
よって、EGR弁の開固着検知時に本発明に係る上記燃料カット制御及びスロットル弁開度制御を実行した場合においても、EGR取り出し無しバンクのトルクが要求トルクに対して不足することを抑制できる。
EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路からEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路への流出空気量は、EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路の圧力とEGR取り出し有りバンクの個別吸気通路の圧力との差圧、流出する空気の流通する部分のEGR通路の経路長、経路断面積などに基づいて計算することができる。各個別吸気通路の圧力は、吸
気通路に設けた圧力センサ等によって取得することができる。
例えば、前記内燃機関は、
前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路におけるスロットル弁より下流側の圧力を取得する第1圧力取得手段と、
前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路におけるスロットル弁より下流側の圧力を取得する第2圧力取得手段と、
を更に備え、
前記流出空気量推定手段は、前記第1圧力取得手段によって取得される圧力と、前記第2圧力取得手段によって取得される圧力と、の差圧に基づいて、前記流出空気量を推定するようにしても良い。
本発明により、EGR弁が開固着した場合においても燃焼が不安定化することを抑制しつつ、吸気管負圧を利用する装置のために十分な負圧を確保することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置を適用するエンジンとその吸気系及び排気系の概略構成を模式的に示す概念図である。
図1のエンジン1はV型に配置された2つのバンク(気筒群)を有し、各バンクに3つの気筒を有する6気筒V型エンジンである。
第1バンク31には3つの気筒21が備えられ、各気筒21には燃焼室内に直接燃料を供給する第1燃料噴射弁151が備えられている。
第2バンク32には3つの気筒22が備えられ、各気筒22には燃焼室内に直接燃料を供給する第2燃料噴射弁152が備えられている。
第1バンク31の各気筒21は吸気ポートを介して第1吸気通路41に連通している。また、第1バンク31の各気筒21は排気ポートを介して第1排気通路71に連通している。
第2バンク32の各気筒22は吸気ポートを介して第2吸気通路42に連通している。また、第2バンク32の各気筒22は排気ポートを介して第2排気通路72に連通している。
第1吸気通路41及び第2吸気通路42は、本発明における個別吸気通路に相当する。
第2排気通路71及び第2排気通路72は、本発明における個別排気通路に相当する。
第1吸気通路41には、第1吸気通路41内の圧力を測定する第1圧力センサ51が備えられている。
第2吸気通路42には、第2吸気通路42内の圧力を測定する第2圧力センサ52が備
えられている。
第1圧力センサ51は、本発明における第1圧力取得手段に相当する。第2圧力センサ52は、本発明における第2圧力取得手段に相当する。
第1吸気通路41には、第1吸気通路41内に流入する空気の量を調節する第1スロットル弁61が備えられている。
第2吸気通路42には、第2吸気通路42内に流入する空気の量を調節する第2スロットル弁62が備えられている。
第1吸気通路41の第1スロットル弁61より上流側には、第1吸気通路41に流入する空気の流量を測定する第1エアフローメータ161が備えられている。
第2吸気通路42の第2スロットル弁62より上流側には、第2吸気通路42に流入する空気の流量を測定する第2エアフローメータ162が備えられている。
第1排気通路71には、第1排気通路71を流れる排気を浄化する第1排気浄化装置141が備えられている。
第2排気通路72には、第2排気通路72を流れる排気を浄化する第2排気浄化装置142が備えられている。
第1排気浄化装置141及び第2排気浄化装置142は、それぞれ、三元触媒、酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒等の触媒や、排気中の微粒子物質を捕集するパティキュレートフィルタを含んで構成されている。
なお、図1では第1吸気通路41及び第2吸気通路42は集合することがないように描かれているが、第1エアフローメータ161及び第2エアフローメータ162よりさらに上流側において単一系統の吸気通路に集合する構成であっても良い。
同様に、第1排気通路71及び第2排気通路72は、第1排気浄化装置141及び第2排気浄化装置142よりさらに下流側において単一系統の排気通路に集合する構成であっても良い。
第1排気通路71における前記第1排気浄化装置141より上流側には、EGR通路91が接続されている。EGR通路91は途中の分岐部910において第1EGR枝管911及び第2EGR枝管912の2つの枝管に分岐している。
第1EGR枝管911は、第1吸気通路41の前記第1スロットル弁61より下流側に接続している。
第2EGR枝管912は、第2吸気通路42の前記第2スロットル弁62より下流側に接続している。
従って、第1排気通路71と、第1吸気通路41及び第2吸気通路42とは、EGR通路91、第1EGR枝管911及び第2EGR枝管912によって連通され、第1排気通路71を流れる排気の一部がEGRガスとして第1吸気通路41及び第2吸気通路42に流入する。
EGR通路91にはEGR通路91を流れるEGRガスの流量を調節するEGR弁101が備えられている。更に、EGR弁101の開度を取得するEGR弁開度センサ111が備えられている。
第1バンク31は、第1バンク31の気筒21から排出される排気の一部がEGR通路91によって取り出され、EGRガスとして第1吸気通路41及び第2吸気通路42に流入させられるバンクであり、本発明における「EGR取り出し有りバンク」に相当する。
一方、第2バンク32は、第2バンク32の気筒22から排出される排気がEGR通路91によって取り出されないバンクであり、本発明における「EGR取り出し無しバンク」に相当する。
このエンジン1を搭載した車両には、この車両のブレーキ操作をアシストするブレーキブースタ13が備えられている。ブレーキブースタ13には、負圧取り出し通路14を介して第1吸気通路41内の負圧が導入されるようになっている。
この負圧によって運転者がブレーキを操作するために要求される踏力が軽減される。本実施例のブレーキブースタ13が、本発明における負圧利用装置に相当する。また、負圧取り出し通路14が、本発明における負圧取り出し手段に相当する。
また、エンジン1のクランクケース内のブローバイガスを第2吸気通路42内に導くPCV通路80が備えられている。PCV通路80は第2吸気通路42の第2スロットル弁62より下流側とエンジン1のクランクケースとを連通するように備えられている。
エンジン1には、エンジン1の運転状態を制御するECU120が併設されている。ECU120は、各種の制御プログラムを記憶したROM、制御プログラムを実行するCPU、測定データ等を一時的に記憶するRAM等の既知の構成を有するコンピュータユニットである。
ECU120には上述したEGR弁開度センサ111、第1圧力センサ51、第2圧力センサ52、第1エアフローメータ161、第2エアフローメータ162、その他各種センサが接続され、それら各センサによる計測データがECU120に入力される。
また、ECU120には上述した第1スロットル弁61、第2スロットル弁62、EGR弁101、第1燃料噴射弁151、第2燃料噴射弁152、その他各種機器が接続され、それら各機器の動作がECU120からの制御信号によって制御される。
ECU120は、エンジン1の負荷や回転数等の運転状態を接続された各種センサからの計測データに基づいて把握し、把握した運転状態に応じてEGR弁101やスロットル弁、燃料噴射弁等の接続された各種機器に制御信号を送出する。
通常、EGR弁101の開度は、ECU120によって、エンジン1の運転状態に応じて予め定められた目標開度に制御される。
このEGR弁101の目標開度は、エンジン1のエミッション性能や燃費性能等の要請を満たすべく予め適合された量のEGRガスが第1バンク31及び第2バンク32に流入するように、エンジン1の運転状態に応じて定められ、ECU120のROMに記憶されている。
しかしながら、EGR弁101がその駆動系の故障や異物の堆積等のトラブルによって
開固着(開弁状態で固着すること)した場合、EGR弁101の開度は開固着時の開度で固定してしまい、エンジン1の運転状態に応じたEGRガス量の制御ができなくなる。
その場合、特に、開固着時の開度が目標開度より大きいような運転状態においては、EGRガス量が目標よりも多くなり、吸気中の不活性ガス量が過多となって燃焼不良やトルク不足を招く虞がある。
そこで、本実施例のエンジン制御装置では、EGR弁101が開固着したことが検知された場合、EGR取り出し有りバンクである第1バンク31の気筒21に対して燃料カット制御を行うこととした。
これにより、EGR取り出し有りバンクである第1バンク31から排出される排気の主成分は空気となる。従って、第1バンク31の第1排気通路71から取り出されて第1吸気通路41や第2吸気通路42に流入するEGRガスの主成分も空気となる。
よって、EGR弁101の開固着によってEGRガス量が過多となったとしても、そのEGRガスの主成分は不活性ガスではないので、吸気中の不活性ガス量が過多となることを抑制でき、燃焼不良を抑制することが可能となる。
このように、2つのバンクのうちEGR取り出し有りバンクである第1バンク31の気筒21に対して燃料カット制御を行うことによって、エンジン1では片バンク運転が行われることになる。
従って、第1バンク31由来のトルクの分だけ要求トルクに対して不足する可能性がある。その場合、ドライバビリティの低下を招く虞がある。
そこで、本実施例のエンジン制御装置では、EGR弁101の開固着が検知された場合、更に、第2スロットル弁62の開度を通常時(EGR弁101が開固着していない時)よりも開き側の開度に変更する第2スロットル弁開度増大制御を行うこととした。
これにより、EGR取り出し無しバンクである第2バンク32の吸入空気量が通常時よりも増大するので、第2バンク32由来のトルクが増大する。
従って、この第2バンク32由来のトルクの増大分を以て、第1バンク31の気筒21に対する燃料カット制御に起因するトルク不足を補償することが可能となる。
ここで、上記燃料カット制御の実施により、エンジン1の全6気筒のうち3気筒において燃料カットが行われることになるので、第2バンク32由来のトルクが通常時の約2倍程度となるように、第2スロットル弁162の開度を増大させると良い。
こうすることにより、EGR弁101の開固着時の第1バンク31の燃料カット制御前後におけるトルク段差を小さくすることができ、ドライバビリティを好適に確保することができる。
なお、ここで、第2スロットル弁162の開度を通常時よりも増大させて第2バンク32の気筒22の吸入空気量を通常時よりも増加させると、第2バンク32から排出される既燃ガスの量が増大することになる。
しかしながら、第2バンク32からの排気はEGRガスとしては第1吸気通路41や第2吸気通路42に流入することはないので、吸気中の不活性ガス量の増大する虞はない。
上記本実施例における第2スロットル弁開度増大制御が、本発明におけるスロットル弁開度増大制御に相当する。
上述したように、本実施例のエンジン1の場合、PCV通路80は第2吸気通路42に接続されている。EGR弁101の開固着が検知された場合、本実施例では上記のように第2スロットル弁162の開度が通常時よりも開き側の開度に制御され、第2バンク32の気筒22の吸入空気量が通常時よりも増大する。
従って、第2吸気通路42内の負圧は比較的小さくなる(圧力が比較的高くなる)。よって、PCV通路80を介してクランクケース内のオイルが第2吸気通路42内に吸い出されることを抑制できる。
これにより、第2吸気通路42内でデポジットが生じることを好適に抑制することが可能となる。
ところで、本実施例のエンジン1のように、複数のバンクを備えたエンジンでは、各バンクの吸気通路に備えられたスロットル弁の開度制御について、協調制御が行われることがある。
その場合、上述したようなスロットル弁開度を増大させる制御を行うと、エンジンの吸気系全体について吸気管負圧が低下する(圧力が高くなる)ことになる。
そのため、吸気管負圧を導入して作動するように構成されたブレーキブースタのような装置が良好に動作するために必要な十分な負圧を確保することが困難になる虞がある。
そこで、本実施例のエンジン制御装置では、EGR弁101の開固着が検知された場合には、通常時において第1スロットル弁61及び第2スロットル弁62の協調制御が行われている場合であっても、当該協調制御を解除する。
そして、上記のように第2スロットル弁62について開度増大制御を実行する一方で、第1スロットル弁61の開度を通常時よりも閉じ側の開度に変更する第1スロットル弁開度減少制御を行うこととした。
これにより、上述したように、第2吸気通路42に流入する空気の量が増大して第2バンク32由来のトルクが増大する一方、第1吸気通路42に流入する空気の量が制限されるので、第1吸気通路42内の負圧は比較的大きくなる(圧力が比較的低くなる)。
本実施例のエンジン1の構成では、上述したように、ブレーキブースタ13に導入する負圧を、負圧取り出し通路14を介して第1吸気通路41から取り出すように構成した。
第1スロットル弁開度減少制御の実行により第1吸気通路41内の負圧が大きくなるので、ブレーキブースタ13の正常な動作に必要な十分な負圧を確保することが可能となる。
上述のように第1バンク31の気筒21においては燃料カット制御が行われているので、第1スロットル弁61の開度減少制御において、第1スロットル弁61の開度は任意の開度に制御することが可能である。
そこで、本実施例のエンジン制御装置は、エンジン1の運転条件やドライバーによる車
両操作要求等の諸条件に応じて、ブレーキブースタ13に供給すべき負圧の目標値(目標負圧)を算出し、当該目標負圧を満足する負圧を第1吸気通路41内に生じさせることができるような開度を、第1スロットル弁開度減少制御における第1スロットル弁61の目標開度とする。
エンジン1の運転条件と目標負圧との関係、目標負圧と第1スロットル弁61の目標開度との関係は、予め適合作業により求めてECU120のROMに記憶しておく。
以上のように、本実施例のエンジン制御装置によれば、EGR弁101の開固着が検知された場合に、以下の特有の効果を奏する制御を行うことができる。
(1)第1バンク31について燃料カット制御が実行されることにより、開固着時のEGR弁開度が目標開度より開き側の開度であったとしても、第1吸気通路41や第2吸気通路42に大量の不活性ガスが流入することがないようにすることができる。
(2)更に、第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御が実行されることにより、第2バンク32由来のトルクが増大するので、第1バンク31に対する燃料カット制御によって片バンク運転状態となっても、トルク不足となることを抑制することができる。
また、第2吸気通路42内の負圧は低下するので、第2吸気通路42に接続されたPCV通路80によるクランクケース内のオイルの吸い出しを好適に抑制することができる。
(3)更に、第1スロットル弁61についてスロットル弁開度減少制御が実行されることにより、第1吸気通路41内に大きな負圧を確保することができるので、第1吸気通路42から取り出した負圧によって作動するブレーキブースタ13の良好な動作を確保することができる。
ここで、本実施例におけるEGR弁開固着時の制御フローについて、図2に基づいて説明する。図2のフローチャートによって表される制御ルーチンは、エンジン1の運転中定期的にECU120によって実行される。
ステップS101において、ECU120は、EGR弁101が開固着したか否かを判定する。本実施例では、EGR弁開度センサ111によって測定されるEGR弁101の実際の開度と、ECU120によって設定されるEGR弁101の目標開度とを比較し、目標開度の変化に対して実際の開度が変化していないことを検知した場合に、EGR弁101が開固着したと判定する。
ステップS101でEGR弁101が開固着したと判定された場合(Yes)、ECU120はステップS102に進む。一方、ステップS101でEGR弁101が開固着していないと判定された場合(No)、ECU120はステップS103に進む。
ステップS102において、ECU120は、EGR弁101の固着開度がエンジン1の運転条件に応じて定められるEGR弁101の目標開度よりも開き側であるか否かを判定する。
ステップS102でEGR弁101の固着開度が目標開度よりも開き側であると判定された場合(Yes)、ECU120はステップS104に進む。一方、ステップS102でEGR弁101の固着開度が目標開度よりも開き側ではないと判定された場合(No)、ECU120はステップS103に進む。
ステップS103において、ECU120は、第1スロットル弁61及び第2スロットル弁62の開度制御、第1バンク31の第1燃料噴射弁151及び第2バンク32の第2燃料噴射弁152による燃料噴射制御について、通常時の制御を実行する。すなわち、それぞれエンジン1の運転条件に応じて予め定められたベースマップ値に従った制御を行う。
ステップS104において、ECU120は、第1スロットル弁61について第1スロットル弁開度減少制御を行い、第2スロットル弁62について第2スロットル弁開度増大制御を行い、第1バンク31の第1燃料噴射弁151によって燃料カット制御を行い、第2バンク32の第2燃料噴射弁152による燃料噴射量を増量する。
第1スロットル弁開度減少制御における第1スロットル弁61の目標開度は、上述したように、ブレーキブースタ13の要求負圧を満たす吸気管負圧を第1吸気通路41内に生じさせることができるような開度に設定する。
また、第2スロットル弁開度増大制御における第2スロットル弁62の目標開度及び第2燃料噴射弁152による燃料噴射量の増量分は、上述したように、エンジン1の運転条件に応じた要求トルクを第2バンク32のみの片バンク運転によって出力することができるように設定する。
このように、本ルーチンでは、EGR弁101が開固着した場合であっても、その固着開度が目標開度より開き側ではない場合には、EGRガス量が過多になる虞はないと判断し、通常時の制御を行うこととしたが、より単純に、EGR弁101の開固着を検知した場合には常にステップS104の処理を行うようにしても良い。
また、その場合、ステップS104において、EGR弁101の固着開度に応じて第1スロットル弁61の開度、第2スロットル弁62の開度、第2燃料噴射弁152による燃料噴射量を可変制御する代わりに、それぞれ予め定められた固定値を目標値として制御を行うようにしても良い。
本実施例において、ステップS101の処理を行うECU120が、本発明における検知手段に相当する。また、ステップS104の処理を行うECU120が、本発明における制御手段に相当する。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1で説明したように、EGR弁101の開固着が検知された場合に、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62の協調制御を解除して、第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御を行い、且つ、第1スロットル弁61についてスロットル弁開度減少制御を行うと、第2吸気通路42の圧力は上昇し、第1吸気通路41の圧力は低下する。
ここで、図1に示すように、第1吸気通路41と第2吸気通路42とは、第1EGR枝管911及び第2EGR枝管912を介して連通している。そのため、第1吸気通路41と第2吸気通路42との圧力差が大きくなると、第2吸気通路42内の空気の一部が、第1EGR枝管911及び第2EGR枝管912を経由して、第1吸気通路41に流出してしまう可能性がある。
その場合、第2エアフローメータ162で計測された空気量と、実際に第2バンク32の気筒22に吸入される空気量とが、当該EGR枝管911、912を介して第1吸気通
路41に流出する空気量の分だけずれることになる。
そうすると、第2エアフローメータ162による計測値に基づいて行われる第2燃料噴射弁152による燃料噴射制御の制御精度が低下し、第2バンク32において良好な燃焼が行われなくなる虞がある。
このような事情から、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しなくても、ブレーキブースタ13の要求負圧を満足する負圧を第1吸気通路41からブレーキブースタ13に供給することが可能である場合には、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しない方が好ましい。
そこで、本実施例では、EGR弁101の開固着が検知された場合に、第1バンク31について燃料カット制御を行い、且つ、第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御を行う点は実施例1と同様であるが、この時、第2吸気通路42の第2スロットル弁62より下流側における吸気管負圧を取得し、この吸気管負圧がブレーキブースタ13の良好な作動のための要求負圧を満足する負圧である場合には、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しないこととした。
すなわち、実施例1におけるような、第1スロットル弁61に対するスロットル弁開度減少制御を行わないこととした。
第1スロットル弁61と第2スロットル弁62の協調制御を解除しない場合、第1バンク31の吸気系と第2バンク32の吸気系とは等しい条件となる。
よって、第2吸気通路42における吸気管負圧がブレーキブースタ13の要求負圧を満足するならば、第1吸気通路41の吸気管負圧、すなわち負圧取り出し通路14を介してブレーキブースタ13に供給される負圧が要求負圧を満足することになる。
従って、この場合、第1スロットル弁61についてスロットル弁開度減少制御を行わなくても、ブレーキブースタ13の良好な作動のための要求負圧を、負圧取り出し通路14を介して第1吸気通路41からブレーキブースタ13に供給することが可能である。
また、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しないので、第2吸気通路42から第1吸気通路41への空気の流出も抑制できる。従って、第2バンク32における燃料噴射制御の制御精度を好適に高精度に保つことができる。
ここで、本実施例におけるEGR弁開固着時の制御フローについて、図3に基づいて説明する。図3のフローチャートによって表される制御ルーチンは、エンジン1の運転中定期的にECU120によって実行される。
ステップS201において、ECU120は、EGR弁101が開固着したか否かを判定する。判定方法は実施例1の図2のフローチャートのステップS101で説明した判定方法と同様である。
ステップS201でEGR弁101が開固着したと判定された場合(Yes)、ECU120はステップS202に進む。一方、ステップS201でEGR弁101が開固着していないと判定された場合(No)、ECU120はステップS203に進む。
ステップS202において、ECU120は、EGR弁101の固着開度がエンジン1の運転条件に応じて定められるEGR弁101の目標開度よりも開き側であるか否かを判
定する。判定方法は実施例1の図2のフローチャートのステップS102で説明した判定方法と同様である。
ステップS202でEGR弁101の固着開度が目標開度よりも開き側であると判定された場合(Yes)、ECU120はステップS204に進む。一方、ステップS202でEGR弁101の固着開度が目標開度よりも開き側ではないと判定された場合(No)、ECU120はステップS203に進む。
ステップS203において、ECU120は、第1スロットル弁61及び第2スロットル弁62の開度制御、第1バンク31の第1燃料噴射弁151及び第2バンク32の第2燃料噴射弁152による燃料噴射制御について、通常時の制御を実行する。すなわち、それぞれエンジン1の運転条件に応じて予め定められたベースマップ値に従った制御を行う。
ステップS204において、ECU120は、第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御を行い、第1バンク31の第1燃料噴射弁151によって燃料カット制御を行い、第2バンク32の第2燃料噴射弁152による燃料噴射量を増量する。
第2スロットル弁62のスロットル弁開度増大制御における第2スロットル弁62の目標開度及び第2燃料噴射弁152による燃料噴射量の増量分は、エンジン1の運転条件に応じた要求トルクを第2バンク32のみの片バンク運転によって出力することができるように設定する。
ステップS205において、ECU120は、第2吸気通路42の吸気管負圧Pin2を取得する。本実施例では、第2吸気通路42の第2スロットル弁62より下流側に備えられた第2圧力センサ52によって、第2吸気通路42の吸気管負圧Pin2を取得する。
ステップS206において、ECU120は、ブレーキブースタ13の要求負圧Ptrgを取得する。本実施例では、エンジン1の運転条件や運転者による車両操作要求に基づいて、ブレーキブースタ13に要求されているブレーキアシスト動作を良好に行うためにブレーキブースタ13に供給すべき負圧として要求負圧Ptrgを算出する。
ステップS207において、ECU120は、第2吸気通路42の吸気管負圧Pin2がブレーキブースタ13の要求負圧Ptrgを満たすか否かを判定する。
第2吸気通路42の吸気管負圧Pin2がブレーキブースタ13の要求負圧Ptrgより高い場合(Pin2>Ptrg)、第2吸気通路42の吸気管負圧は要求負圧を満たさないと判定し(No)、ステップS208に進む。
一方、第2吸気通路42の吸気管負圧Pin2がブレーキブースタ13の要求負圧Ptrg以下の場合(Pin2≦Ptrg)、第2吸気通路42の吸気管負圧は要求負圧を満たすと判定し(Yes)、ステップS209に進む。
ステップS208において、ECU120は、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除し、第1スロットル弁61の開度を通常時よりも閉じ側の開度にする。
これにより、第1吸気通路41内に流入する空気量が制限されるので、第1吸気通路41内の圧力が低下し、ブレーキブースタ13の要求負圧Ptrgを満たす吸気管負圧を第
1吸気通路41内に生じさせることが可能になる。
ステップS209において、ECU120は、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を継続し、第1スロットル弁61をステップS204で設定した第2スロットル弁62の開度と等しい開度に制御する。
第1スロットル弁61と第2スロットル弁62とを協調制御することにより、第1吸気通路41の吸気管負圧は第2吸気通路42の吸気管負圧と等しくなる。
しかしながら、この第2吸気通路42の吸気管負圧はブレーキブースタ13の要求負圧を満たすことがステップS207で判断されているので、負圧取り出し通路14を介して第1吸気通路41からブレーキブースタ13に、要求負圧を満足する負圧を供給することが可能である。
本実施例において、ステップS206の処理を実行するECU120が、本発明における目標負圧取得手段に相当する。
上記ルーチンを実行することにより、EGR弁101が開固着した場合において、第1スロットル弁61についてスロットル弁開度減少制御を実行しなくてもブレーキブースタ13の要求負圧を満足する負圧を第1吸気通路41から取り出せる場合には、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御は解除されないので、第1吸気通路41の圧力と第2吸気通路42の圧力の大きな圧力差が生じることが抑制され、第2吸気通路42内の空気がEGR枝管912、911経由で第1吸気通路41に流出することが抑制される。
これにより、第2エアフローメータ162による計測値と第2バンク32の気筒22に実際に吸入される空気量との間に誤差が生じることが抑制されるので、第2バンク32において高精度な燃焼制御を行うことが可能となる。
実施例2では、EGR弁101の開固着検知に伴って第1バンク31について燃料カット制御及び第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御が行われた場合において、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しなくても第1吸気通路41内にブレーキブースタ13の要求負圧を満足する十分な負圧を生じさせることができる場合には、第1スロットル弁61についてスロットル弁開度減少制御を行わないようにする制御例を示した。
このように第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しなくても第1吸気通路41内にブレーキブースタ31の要求負圧を満足する十分な負圧を生じさせることができる場合としては、エンジン1の要求トルクが小さい低負荷運転状態を例示できる。
要求トルクが小さい低負荷運転状態の場合には、第2バンク32のみの片バンク運転状態であっても、第2バンク32に大量の空気を供給することなく要求トルクを出力することができる。
従って、第2バンク32のみの片バンク運転によって要求トルクを出力可能とすべく第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御が実行されたとしても、当該制御によって第2スロットル弁62の開度は比較的小さい開度までしか開弁されない。
よって、第2スロットル弁62についてスロットル弁開度増大制御が実行された場合であっても、第2吸気通路42内の圧力は高くなりにくい。
このような知見に基づいて、本実施例では、エンジン1が所定の低負荷運転状態であるか否かに基づいて、第1スロットル弁61のスロットル弁開度減少制御の実行要否を判定するようにした。
図4は、本実施例におけるEGR弁開固着時の制御ルーチンを表すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、図3を参照して説明した実施例2における制御ルーチンと同内容の処理ステップについては図3と同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
ステップS201においてEGR弁101の開固着が検知され、ステップS202においてその固着開度が目標開度よりも開き側であると判定された場合、ステップS204において第1バンク31に対する燃料カット制御及び第2スロットル弁62に対するスロットル弁開度増大制御が実行される。
次いでステップS305において、ECU120は、エンジン1の運転状態を取得し、ステップS306において、エンジン1の運転状態が所定の基準より低負荷の運転状態であると判定された場合には(Yes)、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62の協調制御を解除しなくてもブレーキブースタ13の要求負圧を満足する負圧を第1吸気通路41内に生じさせることができると判断し、ステップS208に進んで第1スロットル弁61も第2スロットル弁62と同様に通常時よりも開き側の開度に制御する。
一方、ステップS306において、エンジン1の運転状態が所定の基準より高負荷の運転状態であると判定された場合には(No)、エンジン1の要求トルクを第2バンク32のみの片バンク運転によって出力するためには第2スロットル弁62をかなり大開度まで開弁する必要があり、第1スロットル弁61と第2スロットル弁62の協調制御を解除しないと第1吸気通路41内に十分な負圧を生じさせることが困難になると判断し、ステップS209に進んで第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除し、第1スロットル弁61に対してスロットル弁開度減少制御を実行する。
これにより、第1吸気通路41に流入する空気量が制限され、第1吸気通路41内にブレーキブースタ13の要求負圧を満足する負圧を生じさせることが可能となる。
また、第2スロットル弁62がスロットル弁開度増大制御により大開度まで開弁されることにより、第2バンク32のみの片バンク運転によって好適にエンジン1の要求トルクを出力させることが可能となる。
このステップにおいて判定に用いられるエンジン運転状態の基準は、エンジン1の要求トルクを第2バンク32のみの片バンク運転によって出力可能な開度まで第2スロットル弁62を開弁した場合に、第2吸気通路42内に生じる負圧が、ブレーキブースタ13の要求負圧を満たすような、エンジン1の負荷の上限に基づいて定められる。
この基準は、十分な安全領域を確保したうえで定められた固定値であっても良いし、エンジン1の運転条件やドライバーによる操作要求等の諸条件に応じて定められる可変値であっても良い。
本実施例では、実施例2において第2吸気通路42の吸気管負圧を取得してブレーキブースタ13の要求負圧との比較結果に基づいて第1スロットル弁61のスロットル弁開度
減少制御の実行要否を判定する代わりに、エンジン1の運転状態に基づいて第1スロットル弁61のスロットル弁開度減少制御の実行要否を判定するようにした点以外は、実施例2と同様の制御を行う。
EGR弁101の開固着が検知された場合に、実施例1において説明したような第1バンク31に対する燃料カット制御、第2スロットル弁62に対するスロットル弁開度増大制御、及び第1スロットル弁61に対するスロットル弁開度減少制御を実行すると、実施例2において説明したように、第2吸気通路42と第1吸気通路41との圧力差が大きくなり、第2吸気通路42内の空気の一部が第1吸気通路41内に流出する場合があり、その場合第2バンク32における燃焼制御が精度良く行えなくなる虞がある。
この点に関して、実施例2及び3では、EGR弁101の開固着が検知された場合であっても、不要な場合には第1スロットル弁61と第2スロットル弁62との協調制御を解除しないようにすることにより、このような第2吸気通路42からの空気流出が起こる可能性を低減させる制御例について説明した。
これに対し、本実施例では、このような第2吸気通路42からの空気の流出が起こること自体は許容し、この空気の流出量を推定し、この流出分の空気量を補填するように第2スロットル弁62の開度を増加補正するようにした。
これにより、第2バンク32の気筒22の実際の吸入空気量を、第2バンク32に対する燃焼制御に基づく要求空気量に精度良く一致させることができるので、第2バンク32の燃焼制御の制御精度を好適に確保することが可能となる。
ここで、本実施例におけるEGR弁開固着時の制御フローについて、図5に基づいて説明する。図5のフローチャートによって表される制御ルーチンは、エンジン1の運転中定期的にECU120によって実行される。
図5のフローチャートにおいて、図2を参照して説明した実施例1における制御ルーチンと同内容の処理ステップについては図1と同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
ステップS101においてEGR弁101の開固着が検知され、ステップS102においてその固着開度が目標開度よりも開き側であると判定された場合、ステップS104において第1バンク31に対する燃料カット制御及び第2スロットル弁62に対するスロットル弁開度増大制御が実行され、更に、第1スロットル弁61及び第2スロットル弁62の協調制御が解除されてブレーキブースタ13の要求負圧を満たす負圧を第1吸気通路41内に生じさせるべく第1スロットル弁61に対するスロットル弁開度減少制御が実行される。
次いでステップS405において、ECU120は、第2吸気通路42からの空気の流出量を推定する。第2吸気通路42内の空気の一部は、第2吸気通路42から第2EGR枝管912に流出し、第1EGR枝管911を経由して第1吸気通路41内に流入する。
この流出量は、第2吸気通路42の圧力と第1吸気通路41の圧力との差圧、第2EGR枝管912及び第1EGR枝管911の管径・管長に基づいて計算することができる。
第2吸気通路42の圧力は第2圧力センサ52による計測値に基づいて取得し、第1吸気通路41の圧力は第1圧力センサ51による計測値に基づいて取得する。
ステップS406において、ECU120は、ステップS405で推定した流出空気量に基づいて、第2スロットル弁62の開度を増加補正する。
この時の開度補正量は、第2バンク32の気筒22の実際の吸入空気量が第2バンク32における燃料制御に基づく要求空気量を満足することができるように算出される。
なお、ここで、流出空気量の推定値に基づいて第2スロットル弁62の開度を増加補正する代わりに、流出空気量の推定値に基づいて第2エアフローメータ162による計測値を減量補正し、この補正後の値に基づいて、第2スロットル弁62の開度制御を行うようにしても良い。
要は、第2吸気通路42からの空気の流出を許容する場合には、その流出量を考慮に入れて第2バンク32の吸入空気量の制御を行うようにすれば良い。
本実施例において、ステップS405の処理を実行するECU120が、本発明における流出空気量推定手段に相当する。また、ステップS406の処理を実行するECU120が、本発明における補正手段に相当する。
以上述べた各実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。
例えば、上記実施例では負圧利用装置としてブレーキブースタを備えた例について説明したが、その他吸気負圧を利用する装置に導入すべき負圧を、同様に第1吸気通路41に接続された負圧取り出し通路14によって取り出すようにすれば、その負圧を利用する装置の良好な動作を確保することが可能となる。
また、第2スロットル弁62に対するスロットル弁開度増大制御における第2スロットル弁62の目標開度や、第1スロットル弁61に対するスロットル弁開度減少制御における第1スロットル弁61の目標開度は、予め定められた一定の開度としても良い。
この場合、第2スロットル弁62の目標開度は、第1バンク31について燃料カット制御が実行されている片バンク運転状態において第2バンク32由来のトルクが要求トルクを満足することが可能なように定めれば良い。
また、第1スロットル弁61の目標開度は、第1吸気通路41内の負圧がブレーキブースタ13の要求負圧を満足することが可能なように定めれば良い。
この場合、EGR弁101が開固着したか否かに応じて、第1スロットル弁61及び第2スロットル弁62の開度が、ともに通常開度(典型的には、エンジン1の運転条件に応じて各スロットル弁開度の目標開度を定めたベースマップから読み込まれる開度)とされる制御パターンと、第2スロットル弁62の開度を上記のように定められた第2スロットル弁開度増大制御の目標開度(通常開度よりも開き側の開度)とするとともに第1スロットル弁61の開度を上記のように定められた第1スロットル弁開度減少制御の目標開度(通常開度よりも閉じ側の開度)とする制御パターンと、の2通りの制御パターンのいずれかに切り替える制御が行われる。
一方、第2スロットル弁開度増大制御における第2スロットル弁62の目標開度や、第1スロットル弁開度減少制御における第1スロットル弁61の目標開度を、EGR弁101の固着開度に応じて可変の開度とすることもできる。
例えば、EGR弁101の固着開度がより開き側の開度(大開度)であるほど、第2スロットル弁開度増大制御における第2スロットル弁62の目標開度をより開き側の開度に設定したり、第1スロットル弁開度減少制御における第1スロットル弁61の目標開度をより閉じ側の開度に設定したりしても良い。
このように第2スロットル弁開度増大制御や第1スロットル弁開度減少制御における目標開度をEGR弁101の固着開度に応じた可変値とする場合には、EGR弁101の固着開度とスロットル弁開度制御の目標開度との間の関係は、連続的な関係であっても良いし、階段関数的な関係であっても良い。
また、上記実施例では、EGR弁101の開固着を検知した場合に、EGR弁101の固着開度と、エンジン1の運転条件に応じてECU120によって設定されるEGR弁101の目標開度と、を比較して、固着開度の方が目標開度よりも開き側である場合に、第1バンク31に対する燃料カット制御、第1スロットル弁61のスロットル弁開度減少制御、及び第2スロットル弁62のスロットル弁開度増大制御を実行するようにしたが、EGR弁101の開固着を検知した場合に、固着開度によらずこれらの制御を実行するようにしても良い。
また、上記実施例では、2個のバンクを備えたエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明は3個以上のバンクを備えたエンジンに適用することもできる。また、各バンクの気筒数は何個であっても良い。
その場合、上記実施例における第1バンク31のように、その排気通路にEGR通路が接続されるEGR取り出し有りバンクと、上記実施例における第2バンク32のように、その排気通路にEGR通路が接続されないEGR取り出し無しバンクとが、それぞれ少なくとも1個備えられていれば、各バンクの個数は任意としてよい。
EGR取り出し有りバンクが2個以上備えられた構成の場合には、EGR弁の固着判定は複数のEGR弁毎に行っても良いし、少なくともいずれかのEGR弁に開固着が起こっていることを検知して本発明に係る各種の制御を実行するようにしても良い。
また、開固着が検知されたEGR弁が備えられたEGR取り出し有りバンクについてのみ燃料カット制御及びスロットル弁開度減少制御の対象としても良いし、全てのEGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御及びスロットル弁開度減少制御の対象としても良い。
前者の場合、燃料カット制御及びスロットル弁開度減少制御の対象とならなかったEGR取り出し有りバンクについては、ベースマップ値に基づいたスロットル弁開度制御を行っても良いし、EGR取り出し無しバンクのスロットル弁との協調制御を行うようにしても良い。
実施例におけるエンジン及びその吸気系、排気系、EGR系、制御系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるEGR弁の開固着検知及び開固着時の制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2におけるEGR弁の開固着検知及び開固着時の制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3におけるEGR弁の開固着検知及び開固着時の制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例4におけるEGR弁の開固着検知及び開固着時の制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
13 ブレーキブースタ
14 負圧取り出し通路
21 気筒
22 気筒
31 第1バンク
32 第2バンク
41 第1吸気通路
42 第2吸気通路
51 第1圧力センサ
52 第2圧力センサ
61 第1スロットル弁
62 第2スロットル弁
71 第1排気通路
72 第2排気通路
80 PCV通路
91 EGR通路
101 EGR弁
111 EGR弁開度センサ
120 ECU
141 第1排気浄化装置
142 第2排気浄化装置
151 第1燃料噴射弁
152 第2燃料噴射弁
161 第1エアフローメータ
162 第2エアフローメータ
910 分岐部
911 第1EGR枝管
912 第2EGR枝管

Claims (7)

  1. 複数のバンク及びEGR装置を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、
    前記複数のバンクの各々に個別に接続された個別吸気通路と、
    前記複数のバンクの各々に個別に接続された個別排気通路と、
    を有し、
    前記複数のバンクのうちの一部のバンクは、そのバンクの個別排気通路と前記複数のバンクの各々の個別吸気通路とを連通するEGR通路が備えられ、そのバンクからの排気の一部が該EGR通路によって取り出され、EGRガスとして前記複数のバンクの各々の個別吸気通路に流入するように構成された、EGR取り出し有りバンクであり、
    前記複数のバンクのうちのその他のバンクは、そのバンクからの排気が前記EGR通路によって取り出されない、EGR取り出し無しバンクであり、
    前記内燃機関は、
    前記各EGR通路に設けられたEGR弁と、
    前記各EGR弁の開固着を検知する検知手段と、
    前記各個別吸気通路に設けられたスロットル弁と、
    負圧を導入することによって作動する負圧利用装置と、
    前記負圧利用装置に導入する負圧を、少なくともいずれかの前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路における前記スロットル弁より下流側の位置から取り出す負圧取り出し手段と、
    を有し、
    前記内燃機関の制御装置は、
    前記検知手段によって前記EGR弁の開固着が検知された場合に、
    前記EGR取り出し有りバンクの気筒への燃料供給を停止する燃料カット制御と、
    前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路に設けられた前記スロットル弁の開度を、前記EGR弁の開固着が検知されない場合よりも開き側の開度にするスロットル弁開度増大制御と、
    前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路に設けられた前記スロットル弁の開度を、前記EGR弁の開固着が検知されない場合よりも閉じ側の開度にするスロットル弁開度減少制御と、
    を実行する制御手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記負圧利用装置は、前記内燃機関を搭載した車両のブレーキペダルの操作を負圧によって補助するブレーキブースタであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記内燃機関は、
    前記内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを前記EGR取り出し無しバンクの前記個別吸気通路内に導入するPCV通路を更に備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記制御手段は、
    前記負圧利用装置に導入すべき目標負圧を取得する目標負圧取得手段を更に備え、前記検知手段によって前記EGR弁の開固着が検知された場合に、前記EGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御を実行し、且つ、前記EGR取り出し無しバンクについて前記スロットル弁開度増大制御を実行した場合に、前記負圧取り出し手段によって取り出される負圧が前記取得された目標負圧を満足するときは、前記EGR取り出し有りバンクに
    ついて前記スロットル弁開度減少制御を実行しないことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記制御手段は、
    前記検知手段によって前記EGR弁の開固着が検知された場合に、前記EGR取り出し有りバンクについて燃料カット制御を実行し、且つ、前記EGR取り出し無しバンクについて前記スロットル弁開度増大制御を実行した場合に、前記内燃機関の運転状態が所定の低負荷運転領域に属するときは、前記EGR取り出し有りバンクについて前記スロットル弁開度減少制御を実行しないことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記制御手段は、
    前記検知手段によって前記EGR弁の開固着が検知された場合に、前記制御手段によって、前記EGR取り出し有りバンクに対する燃料カット制御、前記EGR取り出し無しバンクについて前記スロットル弁開度増大制御、及び前記EGR取り出し有りバンクについて前記スロットル弁開度減少制御、が実行されたときに、前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路内の空気のうち前記EGR通路経由で前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路へ流出する空気の量である流出空気量を推定する流出空気量推定手段と、
    前記流出空気量推定手段によって推定される流出空気量に基づいて、前記EGR取り出し無しバンクの吸入空気量が所定の目標空気量となるように、前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を開き側に補正する補正手段と、
    を更に備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項6において、
    前記内燃機関は、
    前記EGR取り出し無しバンクの個別吸気通路におけるスロットル弁より下流側の圧力を取得する第1圧力取得手段と、
    前記EGR取り出し有りバンクの個別吸気通路におけるスロットル弁より下流側の圧力を取得する第2圧力取得手段と、
    を更に備え、
    前記流出空気量推定手段は、前記第1圧力取得手段によって取得される圧力と、前記第2圧力取得手段によって取得される圧力と、の差圧に基づいて、前記流出空気量を推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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