JP3601962B2 - 出入り枠用縦枠の仮幅止め金具 - Google Patents

出入り枠用縦枠の仮幅止め金具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出入り枠用縦枠の仮幅止め金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図3および図4に示すように、ドア10の出入り枠11は、設定された内面間隔をおいて立設された左右一対の縦枠12と、これらの縦枠12の上端間を連結する上枠13とから構成され、縦枠12には、その内面に凸状の戸当たり121が設けられるとともに、背面に壁体14を構成する表面側ボード141および裏面側ボード141の各端縁部をそれぞれ嵌挿可能な二条の凹部12aが形成されている。そして、敷居がない場合に縦枠12を立設するには、床に付された墨に合わせて縦枠12を立設し、その縦枠12の背面側凹部12aから床に向けて斜めにビスを打ち込んで固定していた。
【0003】
このような出入り枠11の縦枠12の固定要領では、ビス打ち時に縦枠12の下端が内方に動いたり、壁体14を施工する際に縦枠12が移動することがあり、縦枠12の内面間隔を確保することができなかった。
【0004】
このため、建築現場において、作業者が余った合板などを出入り枠11の縦枠12の内面間隔に相当する長さに切断するとともに、左右両端に戸当たりとの干渉を回避する切欠凹部20aを形成して仮幅止め部材20(図4参照)を製作し、この仮幅止め部材20を出入り枠11の縦枠12間に配置して縦枠12を立設していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した仮幅止め部材20は、作業者により余った合板などを利用して現場で製作されることから、仮幅止め部材20の寸法精度が低く、その結果、設定された内面間隔を確保して縦枠12を立設することが困難であった。また、仮幅止め部材20が使用により反ったり、曲がったり、あるいは磨耗するなど材質的に強度が十分でなく、耐久性に乏しいという欠点があった。さらに、合板などで製作された仮幅止め部材20は、通常ドア10下端と床面との間隔、例えば5mm以上の板厚を有しており、このため、ドア10が仮幅止め部材20と干渉してドア10を締めることができず、大工工事が終了して仮幅止め部材20を除去した後、改めてドア10をつり込まなければならず、作業が煩雑になるという問題があった。また、ドア10の数だけ仮幅止め部材20を製作する必要があり、製作に多くの時間が入用となるという欠点もあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、出入り枠の縦枠を設定された内面間隔を確保して固定することができるとともに、長期にわたって使用することができ、ドアと干渉することのない出入り枠用縦枠の仮幅止め金具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、出入り枠の縦枠の内面間の床に配置され、縦枠の背面側から床に向けて斜めにビス打ち固定する際に用いられる仮幅止め金具であって、出入り枠に設けられるドアの下端と床面との間隙よりも小さい板厚の鋼板からなり、天板部と、天板部の前後両端に垂設された一対の垂直部と、一対の垂直部の下端にそれぞれ延設された一対の水平載置部とを備えて出入り枠に設けられるドアと干渉しないように断面略ハット状に折曲形成されるとともに、出入り枠の縦枠の内面間隔に相当する長さを有し、天板部の左右両端に縦枠の戸当たりとの干渉を回避する切欠部が形成され、また、各水平載置部の左右両端に縦枠と当接可能な立ち上げ片が形成されたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
なお、図3および図4に示した出入り枠の部材と同一の部材には同一の符号を用いることとし、それらの詳細な説明を省略する。
【0010】
図1には、本発明の出入り枠用縦枠の仮幅止め金具1が示されている。この仮幅止め金具1は、亜塩メッキ鋼板などの鋼板を断面略ハット状に折曲したもので、天板部2と、この天板部2の前後両端に垂設された一対の垂直部3と、これらの垂直部3の下端にそれぞれ延設された水平載置部4とを備え、出入り枠11の縦枠12の内面間隔に相当する長さを有している。そして、仮幅止め金具1は、天板部2の左右両端に切欠部2aが形成されており、この切欠部2aの縦横寸法は、縦枠12の戸当たり121の奥行きと幅をそれぞれ越える大きさに形成されている。また、仮幅止め金具1は、各水平載置部4の左右両端に上方に向かう立ち上げ片41が形成されている。
【0011】
このため、床に配置した仮幅止め金具1の天板部2に戸当たり121を干渉させることなく縦枠12を立設することができるとともに、その際、縦枠12の内面を立ち上げ片41に沿わせることにより縦枠12を設定された内面間隔に位置決めすることができる。
【0012】
なお、仮幅止め金具1は、ドア10の大きさ、すなわち、縦枠12の内面間隔に合わせて複数種類用意されている。また、仮幅止め金具1を形成する鋼板の板厚は、ドア10下端と床面との間隔よりも小さく、ドア10を開閉する際、ドア10と干渉することはない。
【0013】
この結果、仮幅止め金具1は、予め鋼板を折曲して形成されていることから、現場で作業者が作成する仮幅止め部材と比較して寸法精度が高く、縦枠12を設定された内面間隔に位置決めすることができる。そして、縦枠12を立設固定する際に仮幅止め金具1に作用する力は、仮幅止め金具1自身の剛性によって変形することなく支持することができ、長期にわたって寸法精度を維持して使用することができる。また、仮幅止め金具1を床に配置しても、ドア10の開閉時に仮幅止め金具1に干渉することがない他、他の大工工事に影響を与えることがないことから、大工工事が終了するまでそのまま放置しておくことができ、使い勝手がよい利点がある。
【0014】
このように構成した仮幅止め金具1を用いて縦枠12を固定する場合について説明する。まず、床に付された墨に合わせて一方の縦枠12を立設し、その背面側凹部12aからビスを打ち込んで固定する。次いで、設定された内面間隔に相当する長さの仮幅止め金具1を把持し、その天板部2の切欠部2aを先に立設した一方の縦枠12の戸当たり121に差し込むとともに、立ち上げ片41を縦枠12の内面に当接させ、予め床に付した墨に合わせて配置する。この後、仮幅止め用金具1の他端に位置して他方の縦枠12を立設する。すなわち、縦枠12の戸当たり121を仮幅止め金具1の天板部2の切欠部2aに入り込ませるとともに、その内面を他方の立ち上げ片41に当接させる。この際、縦枠12の前後方向は、床に付した墨に合わせる。この状態で、縦枠12の背面側凹部12aからビスを打ち込んで固定した後、それらの縦枠12の上端間に上枠13を掛け渡して連結固定するものである。
【0015】
このようにして形成された出入り枠10の縦枠12は、仮幅止め金具1によって設定された内面間隔を確保して確実に立設固定されるものである。
【0016】
なお、前述した実施形態においては、ドアは開き戸で例示したが、開き戸に限定するものではなく、引き戸あってもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明の仮幅止め金具によれば、縦枠の背面側から床に向けて斜めにビス打ち固定する際に、一定の寸法精度の内面間隔を確保して縦枠を立設固定することができる。その際、変形などが発生することもなく、長期にわたって使用することができる。また、床に配置した場合、ドアと干渉することもないことから、大工工事が終了するまで放置しても作業に影響を与えることがなく使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出入り枠用縦枠の仮幅止め金具を示す斜視図である。
【図2】本発明の仮幅止め金具を利用して出入り枠用縦枠を固定する作業要領を示す説明図である。
【図3】開き戸の正面図である。
【図4】従来の出入り枠用縦枠を仮幅止め部材を用いて固定する作業要領を示す平面図である。
【符号の説明】
1 仮幅止め金具
2 天板部
2a 切欠部
3 垂直部
4 水平載置部
41 立ち上げ片
10 ドア
11 出入り枠
12 縦枠
12a 凹部
121 戸当たり
13 上枠

Claims (1)

  1. 出入り枠の縦枠の内面間の床に配置され、縦枠の背面側から床に向けて斜めにビス打ち固定する際に用いられる仮幅止め金具であって、
    出入り枠に設けられるドアの下端と床面との間隙よりも小さい板厚の鋼板からなり、天板部と、天板部の前後両端に垂設された一対の垂直部と、一対の垂直部の下端にそれぞれ延設された一対の水平載置部とを備えて出入り枠に設けられるドアと干渉しないように断面略ハット状に折曲形成されるとともに、出入り枠の縦枠の内面間隔に相当する長さを有し、天板部の左右両端に縦枠の戸当たりとの干渉を回避する切欠部が形成され、また、各水平載置部の左右両端に縦枠と当接可能な立ち上げ片が形成されたことを特徴とする出入り枠用縦枠の仮幅止め金具。
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