JP3601398B2 - 燃料電池の冷却システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池の冷却システムとしては、例えば、図7に示す冷却システムが知られている。
これは、燃料電池101の温度制御を冷却水103によって行う冷却システムである。冷却水103は、燃料電池101を冷却した後、加湿器105に供給されて燃料電池101に供給される空気107を加湿し、さらにその後、熱交換器109に供給されて放熱によって温度が低下する(つまり冷却される)。熱交換器109で放熱し冷却された冷却水103は、燃料電池101に供給される。なお、冷却水103は、ポンプ111によって加圧されて強制的に循環する。
【0003】
すなわち、燃料電池101は、通常運転時の内部温度(通常運転温度)を80℃前後に維持する必要があるため、燃料電池101の発電による発熱と冷却水103による冷却とによって適温に調整する。一方、燃料電池101に供給される空気107は事前に加湿しておく必要があるが、この加湿を行うための水とこの水を気化させるための熱(気化熱)とは、燃料電池101を冷却して温度が上昇した高温の冷却水103によって供給される。このとき十分な気化熱が得られるように、冷却水の循環経路は、図7に示すように、冷却水配管によって冷却水103が燃料電池101→加湿器105→熱交換器109→燃料電池101と流れるように形成される。なお、特開平6−333583号公報には、図7に示す冷却システムにおいて冷却水温度を調整する熱交換器を持たないものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の燃料電池の冷却システムにあっては、燃料電池101の温度が上昇した時に冷却水による冷却性能が低下するという問題があった。
すなわち、上記のような冷却水循環経路の場合、加湿器105に供給される冷却水103が一定の温度(例えば、50℃)以上になると、必要な加湿を行うのに十分な熱量が存在することになる一方で、燃料電池101は、発電による発熱によって通常運転温度(80℃前後)までは昇温させるが、その後は通常運転温度(80℃前後)を大きく超えないように確実に冷却することが必要になる。
【0005】
ところが、このように、冷却水103の温度が加湿器105に必要な温度よりも高い場合、又は、燃料電池101の温度上昇を抑えるために確実に冷却を行う必要がある場合であっても、従来の冷却システムでは、燃料電池101からの高温の冷却水103が直接加湿器105に供給されるので、まず、加湿器105では、加湿による気化熱以上の温度低下は行われず、次に、熱交換器109では、加湿器105で一度放熱した後の冷却水が流入するため、空気(冷却風)と冷却水との温度差が小さくなり、結局、いずれにおいても、冷却水103の放熱、ひいては冷却水の温度低下が十分に行われず、冷却水による冷却性能が低下するという問題があった。なお、上記公報に記載の技術のように熱交換器を持たない場合には、当然のこととして、冷却水の放熱はより一層不十分である
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる燃料電池の冷却システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記加湿器、前記熱交換器と流れて前記燃料電池に帰還する第1冷却水流路と、前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記熱交換器、前記加湿器と流れて前記燃料電池に帰還する第2冷却水流路と、前記第1冷却水流路と前記第2冷却水流路とを切り替える流路切替手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、第1冷却水流路から第2冷却水流路に切り替わるように前記流路切替手段を制御する制御手段とを有することを要旨とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、冷却水に圧力を加えて強制的に循環させる逆転運転可能なポンプと、前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、冷却水の循環方向が逆転するように前記ポンプの運転方向を制御する制御手段とを有することを要旨とする。
【0008】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、燃料電池から流出した冷却水が順に加湿器、熱交換器と流れて燃料電池に帰還する第1冷却水流路と、燃料電池から流出した冷却水が順に熱交換器、加湿器と流れて燃料電池に帰還する第2冷却水流路とを設けておき、燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、第1冷却水流路から第2冷却水流路に切り替わるように流路切替手段を制御することで、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の本発明によれば、冷却水に圧力を加えて強制的に循環させる逆転運転可能なポンプを設けておき、燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、冷却水の循環方向が逆転するようにポンプの運転方向を制御することで、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
図1において、燃料電池1は、冷却水によって冷却され、温度調整される。燃料電池1の冷却システムは、燃料電池1、加湿器3、ポンプ5及び熱交換器7をこの順に冷却水配管9で連結して構成されている。燃料電池1は、燃料ガスと空気の供給を受けて電力を発生し、加湿器3は、冷却水を利用して燃料電池1に供給される空気を加湿し、ポンプ5は、冷却水に圧力を加えて冷却水を強制的に循環させ、熱交換器7は、冷却水を放熱させて温度を低下させる機能をそれぞれ有する。ここでは、ポンプ5は、逆転運転できないすなわち一方向にのみ運転可能な非可逆ポンプである。
【0011】
また、この冷却システムは、冷却水の循環方向を逆転させるために、加湿器3とポンプ5の間に三方弁11a(流路切替手段)を、ポンプ5と熱交換器7の間に三方弁11b(流路切替手段)をそれぞれ設置し、冷却水流路の切替えを可能とするための流路切替配管13a,13bをそれぞれ連結してある。
【0012】
従って、燃料電池1から流出した冷却水は、2つの三方弁11a,11bを制御して流路切替配管13a,13bを開閉することによって、図1中の実線矢印で示すように、燃料電池1→加湿器3→ポンプ5→熱交換器7の順に流れて燃料電池1に帰還する流路(第1冷却水流路)と、図1中の破線矢印で示すように、燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れて燃料電池1に帰還する流路(第2冷却水流路)とを切り替えることができる。前者は、流路切替配管13a,13bを閉じた場合に形成され、これが燃料電池1の通常運転時における冷却水の循環方向となる。後者は、流路切替配管13a,13bを開いた場合に形成され、前者の場合に対して冷却水の循環方向が逆転している。
【0013】
また、燃料電池1を通過した冷却水の温度(つまり、燃料電池冷却後の冷却水温度)を検出する2つの温度センサ15,17が、燃料電池1の冷却水出入口にそれぞれ設けられている。各温度センサ15,17は、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19(制御手段)にそれぞれ接続されており、それぞれの検出信号をコントロールユニット19へ出力する。
【0014】
コントロールユニット19は、内部に制御プログラムを記憶した制御ROMと制御時のワークエリアとなるRAMとを有しており、各温度センサ15,17からの検出信号に基づいて最適な冷却水流路を選択し、この選択結果に応じた制御信号を三方弁11a,11bに出力する。
【0015】
次に、図2に示す制御フローチャートに従って燃料電池の冷却システムの制御動作を説明する。なお、図2に示す制御フローチャートは、コントロールユニット19の内部ROMに制御プログラムとして記憶されている。
【0016】
まず、ステップS10では、コントロールユニット19は、燃料電池1を通常運転させるため、冷却水の流路として第1冷却水流路が形成されるように三方弁11a,11bに制御信号を送る。これを受けた三方弁11a,11bでは、制御信号に応じて流路切替配管13a,13bを閉じて、冷却水を第1冷却水流路に循環させる。すなわち、冷却水は、燃料電池1→加湿器3→ポンプ5→熱交換器7の順に流れて燃料電池1に帰還する。この順路では、冷却水は、燃料電池1を冷却した後、加湿器3に供給されて燃料電池1に供給される空気を加湿し、さらにその後、ポンプ5で加圧されて熱交換器7に供給されて放熱して温度が低下した状態で、再び燃料電池1に供給される。このような燃料電池通常運転では、燃料電池1の発電による発熱によって燃料電池1自体の温度が上昇し、この結果、燃料電池1通過後の冷却水の温度が上昇する。なお、前述したように、燃料電池1は、通常運転時の内部温度が80℃前後になるように温度制御される。
【0017】
そして、ステップS20では、燃料電池1の冷却水出口に設けられた温度センサ15から燃料電池冷却後の冷却水温度を読み込む。
そして、ステップS30では、温度センサ15から読み込まれた冷却水温度をあらかじめ設定された基準値(所定値)と比較して、冷却水温度が基準値を超えているか否かを判断する。そして、冷却水温度が基準値を超えていない場合は(S30:NO)、直ちにステップS10に戻って、燃料電池1の通常運転を継続させるが、冷却水温度が基準値を超えている場合は(S30:YES)、ステップS40に進む。なお、ステップS30で使用する基準値は、実験等を行って適当な値に決めればよい。
【0018】
ステップS40では、冷却水の循環方向を逆転させるため、冷却水の流路として第2冷却水流路が形成されるように三方弁11a,11bに制御信号を送る。これを受けた三方弁11a,11bでは、制御信号に応じて流路切替配管13a,13bを開いて、冷却水を第2冷却水流路に循環させる。すなわち、冷却水は、燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れて燃料電池1に帰還する。この順路では、冷却水は、燃料電池1を冷却した後、直ちに熱交換器7に供給されて放熱して温度が低下し、さらにその後、ポンプ5で加圧されて加湿器3に供給されて燃料電池1に供給される空気を加湿し、その後、再び燃料電池1に供給される。
【0019】
このとき、燃料電池1からの高温の冷却水が直接熱交換器7に供給されるので、熱交換器7における空気(冷却風)と冷却水との温度差を大きくとることができ、熱交換器7における冷却水の放熱量が増加して、冷却水の温度が大幅に低下する。その後、冷却水は加湿器3に供給されるが、加湿の際の気化熱によってさらに温度が低下して燃料電池1に供給されるので、冷却水による冷却性能が向上して、燃料電池1の温度を運転許容上限温度以下に下げることができる。
【0020】
そして、ステップS50では、燃料電池1の冷却水入口(このときは冷却水循環方向の逆転により冷却水出口となっている)に設けられた温度センサ17から燃料電池冷却後の冷却水温度を読み込む。
そして、ステップS60では、温度センサ17から読み込まれた冷却水温度をステップS30で使用されるものと同じ基準値と比較して、冷却水温度が基準値以下であるか否かを判断する。そして、冷却水温度が基準値を超えている場合は(S60:NO)、まだ冷却水の温度が高いため、ステップS40に戻って、引き続き第2冷却水流路に冷却水を循環させるが、冷却水温度が基準値以下である場合は(S60:YES)、冷却水の温度が低下したものと判断して、ステップS10に戻って、冷却水の流路として第1冷却水流路を形成して燃料電池1を通常運転に復帰させる。
【0021】
この結果、第1の実施の形態に関する効果としては、燃料電池1を通過した冷却水の温度が基準値を超えた場合は、冷却水の循環方向を逆転させて、燃料電池1からの高温の冷却水を直接熱交換器7に供給することで、熱交換器7における空気(冷却風)と冷却水との温度差を大きくとることができ、同じ熱交換器7を使用しつつ冷却水の放熱量が増加して、冷却水の温度が大幅に低下する。同時に、熱交換器7で放熱した冷却水は加湿器3に供給されて加湿の際の気化熱によってさらに放熱して温度が低下するため、全体としてはより一層大きな放熱量を得ることができ、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0022】
また、ポンプ5の前後に三方弁11a,11bが存在することで、三方弁11a,11bの切り替え方によっては、冷却水が冷却水配管9内から流れ出ることなくポンプ5を交換することが可能となる。
なお、図3及び図4は、それぞれ、図1に示す第1の実施の形態の変更例を示す図である。なお、これらの変更例は、図1に示す第1の実施の形態に対応する冷却システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0023】
図3に示す変更例の特徴は、燃料電池1、加湿器3、ポンプ5及び熱交換器7の各部品間に三方弁21を2個ずつ設置し(三方弁21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h)、流路切替配管23a,23b,23c,23dをそれぞれ連結したことにある。これらの三方弁21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21hは、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19aに接続されており、コントロールユニット19aからの制御信号を受けて流路切替配管23a,23b,23c,23dを開閉する。これにより、冷却水は、第1冷却水流路形成時には図3中の実線矢印の方向に循環し、第2冷却水流路形成時には図3中の破線矢印の方向に循環する。
【0024】
この結果、本変更例によれば、冷却水の循環経路を第2冷却水流路、すなわち、冷却水が燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れる流路に切り替えても、各部品の冷却水の出入口は常に一定であり、各部品における冷却水の流れ方向を一方向のみに限定した設計が可能になる。
【0025】
図4に示す変更例の特徴は、三方弁の位置を一部変更したこと、すなわち、加湿器3とポンプ5の間の三方弁11aを廃止して、燃料電池1と加湿器3の間に三方弁25を設置し、流路切替配管27aを連結するととともに、ポンプ5と熱交換器7の間の三方弁11bには流路切替配管27bを連結したことにある。これらの三方弁25,11bもまた燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19bに接続されており、コントロールユニット19bからの制御信号を受けて流路切替配管27a,27bを開閉する。これにより、冷却水は、第1冷却水流路形成時には図3中の実線矢印の方向に循環し、第2冷却水流路形成時には図3中の破線矢印の方向に循環する。
【0026】
この結果、本変更例によれば、三方弁の位置を一部変更したため、冷却水の循環経路を第2冷却水流路、すなわち、冷却水が燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れる流路に切り替えても、加湿器3においては、冷却水の出入口は常に一定であり、冷却水の流れ方向を一方向のみに限定した設計が可能になる。
なお、図3及び図4の変更例の制御動作は、図2に示す制御フローチャートに従って説明することができるが、既に説明した内容と同様であるので、その説明を省略することとする。
【0027】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。なお、第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する冷却システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0028】
第2の実施の形態の特徴は、冷却水の循環方向を逆転させるための手段として、図5に示すように、図1に示す三方弁11a,11b、流路切替配管13a,13b及び非可逆ポンプ5の代わりに、逆転運転可能なすなわち双方向に運転可能な可逆ポンプ29のみを設けたことにある。このポンプ29は、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19c(制御手段)に接続されており、コントロールユニット19cからの制御信号を受けて運転方向を切り替える。これにより、冷却水は、ポンプ順方向運転時には図5中の実線矢印の方向に循環し、ポンプ逆方向運転時には図5中の破線矢印の方向に循環する。
【0029】
次に、図6に示す制御フローチャートに従って燃料電池の冷却システムの制御動作を説明する。なお、図6に示す制御フローチャートは、コントロールユニット19cの内部ROMに制御プログラムとして記憶されている。
本実施の形態では、図6に示すように、ステップS15及びステップS45を図2に示すフローチャートに挿入し、ステップS10及びステップS40を削除している。
【0030】
まず、ステップS15では、コントロールユニット19cは、燃料電池1を通常運転させるため、冷却水が順方向に流れるようにポンプ29に制御信号を送る。これを受けたポンプ29は、順方向運転を行い、冷却水を加圧して燃料電池1→加湿器3→熱交換器7→燃料電池1の順に循環させる。この順路は、第1の実施の形態における第1冷却水流路の場合と同様である。
【0031】
ステップS20及びステップS30は、図2に示すフローチャートの各ステップと同様であるので、その説明を省略する。
そして、ステップS45では、冷却水の循環方向を逆転させるため、冷却水が逆方向に流れるようにポンプ29に制御信号を送る。これを受けたポンプ29は、逆方向運転を行い、冷却水を加圧して燃料電池1→熱交換器7→加湿器3→燃料電池1の順に循環させる。この順路は、第1の実施の形態における第2冷却水流路の場合と同様である。
ステップS50及びステップS60は、図2に示すフローチャートの各ステップと同様であるので、その説明を省略する。
【0032】
この結果、第2の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、可逆型ポンプ29を用いて冷却水の循環方向を逆転させるので、三方弁と流路切替配管を省略することができ、冷却水の循環方向の切替えが可能であるにもかかわらず、スペースの使用量の増大を防止し、かつ、冷却水配管の構成の複雑化を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
【図2】第1の実施の形態の燃料電池の冷却システムの制御動作を説明するための制御フローチャートである。
【図3】図1に示す第1の実施の形態の一変更例を示す図である。
【図4】図1に示す第1の実施の形態の他の変更例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
【図6】第2の実施の形態の燃料電池の冷却システムの制御動作を説明するための制御フローチャートである。
【図7】従来の燃料電池の冷却システムを示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
3 加湿器
5 非可逆ポンプ
7 熱交換器
9 冷却水配管
11a,11b,21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,25 三方弁
13a,13b,23a,23b,23c,23d,27a,27b 流路切替配管
15,17 温度センサ
19,19a,19b,19c コントロールユニット
29 可逆ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池の冷却システムとしては、例えば、図7に示す冷却システムが知られている。
これは、燃料電池101の温度制御を冷却水103によって行う冷却システムである。冷却水103は、燃料電池101を冷却した後、加湿器105に供給されて燃料電池101に供給される空気107を加湿し、さらにその後、熱交換器109に供給されて放熱によって温度が低下する(つまり冷却される)。熱交換器109で放熱し冷却された冷却水103は、燃料電池101に供給される。なお、冷却水103は、ポンプ111によって加圧されて強制的に循環する。
【0003】
すなわち、燃料電池101は、通常運転時の内部温度(通常運転温度)を80℃前後に維持する必要があるため、燃料電池101の発電による発熱と冷却水103による冷却とによって適温に調整する。一方、燃料電池101に供給される空気107は事前に加湿しておく必要があるが、この加湿を行うための水とこの水を気化させるための熱(気化熱)とは、燃料電池101を冷却して温度が上昇した高温の冷却水103によって供給される。このとき十分な気化熱が得られるように、冷却水の循環経路は、図7に示すように、冷却水配管によって冷却水103が燃料電池101→加湿器105→熱交換器109→燃料電池101と流れるように形成される。なお、特開平6−333583号公報には、図7に示す冷却システムにおいて冷却水温度を調整する熱交換器を持たないものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の燃料電池の冷却システムにあっては、燃料電池101の温度が上昇した時に冷却水による冷却性能が低下するという問題があった。
すなわち、上記のような冷却水循環経路の場合、加湿器105に供給される冷却水103が一定の温度(例えば、50℃)以上になると、必要な加湿を行うのに十分な熱量が存在することになる一方で、燃料電池101は、発電による発熱によって通常運転温度(80℃前後)までは昇温させるが、その後は通常運転温度(80℃前後)を大きく超えないように確実に冷却することが必要になる。
【0005】
ところが、このように、冷却水103の温度が加湿器105に必要な温度よりも高い場合、又は、燃料電池101の温度上昇を抑えるために確実に冷却を行う必要がある場合であっても、従来の冷却システムでは、燃料電池101からの高温の冷却水103が直接加湿器105に供給されるので、まず、加湿器105では、加湿による気化熱以上の温度低下は行われず、次に、熱交換器109では、加湿器105で一度放熱した後の冷却水が流入するため、空気(冷却風)と冷却水との温度差が小さくなり、結局、いずれにおいても、冷却水103の放熱、ひいては冷却水の温度低下が十分に行われず、冷却水による冷却性能が低下するという問題があった。なお、上記公報に記載の技術のように熱交換器を持たない場合には、当然のこととして、冷却水の放熱はより一層不十分である
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる燃料電池の冷却システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記加湿器、前記熱交換器と流れて前記燃料電池に帰還する第1冷却水流路と、前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記熱交換器、前記加湿器と流れて前記燃料電池に帰還する第2冷却水流路と、前記第1冷却水流路と前記第2冷却水流路とを切り替える流路切替手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、第1冷却水流路から第2冷却水流路に切り替わるように前記流路切替手段を制御する制御手段とを有することを要旨とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、冷却水に圧力を加えて強制的に循環させる逆転運転可能なポンプと、前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、冷却水の循環方向が逆転するように前記ポンプの運転方向を制御する制御手段とを有することを要旨とする。
【0008】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、燃料電池から流出した冷却水が順に加湿器、熱交換器と流れて燃料電池に帰還する第1冷却水流路と、燃料電池から流出した冷却水が順に熱交換器、加湿器と流れて燃料電池に帰還する第2冷却水流路とを設けておき、燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、第1冷却水流路から第2冷却水流路に切り替わるように流路切替手段を制御することで、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の本発明によれば、冷却水に圧力を加えて強制的に循環させる逆転運転可能なポンプを設けておき、燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、冷却水の循環方向が逆転するようにポンプの運転方向を制御することで、冷却水の温度が上昇した時に、冷却水の放熱量を増加させて、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
図1において、燃料電池1は、冷却水によって冷却され、温度調整される。燃料電池1の冷却システムは、燃料電池1、加湿器3、ポンプ5及び熱交換器7をこの順に冷却水配管9で連結して構成されている。燃料電池1は、燃料ガスと空気の供給を受けて電力を発生し、加湿器3は、冷却水を利用して燃料電池1に供給される空気を加湿し、ポンプ5は、冷却水に圧力を加えて冷却水を強制的に循環させ、熱交換器7は、冷却水を放熱させて温度を低下させる機能をそれぞれ有する。ここでは、ポンプ5は、逆転運転できないすなわち一方向にのみ運転可能な非可逆ポンプである。
【0011】
また、この冷却システムは、冷却水の循環方向を逆転させるために、加湿器3とポンプ5の間に三方弁11a(流路切替手段)を、ポンプ5と熱交換器7の間に三方弁11b(流路切替手段)をそれぞれ設置し、冷却水流路の切替えを可能とするための流路切替配管13a,13bをそれぞれ連結してある。
【0012】
従って、燃料電池1から流出した冷却水は、2つの三方弁11a,11bを制御して流路切替配管13a,13bを開閉することによって、図1中の実線矢印で示すように、燃料電池1→加湿器3→ポンプ5→熱交換器7の順に流れて燃料電池1に帰還する流路(第1冷却水流路)と、図1中の破線矢印で示すように、燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れて燃料電池1に帰還する流路(第2冷却水流路)とを切り替えることができる。前者は、流路切替配管13a,13bを閉じた場合に形成され、これが燃料電池1の通常運転時における冷却水の循環方向となる。後者は、流路切替配管13a,13bを開いた場合に形成され、前者の場合に対して冷却水の循環方向が逆転している。
【0013】
また、燃料電池1を通過した冷却水の温度(つまり、燃料電池冷却後の冷却水温度)を検出する2つの温度センサ15,17が、燃料電池1の冷却水出入口にそれぞれ設けられている。各温度センサ15,17は、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19(制御手段)にそれぞれ接続されており、それぞれの検出信号をコントロールユニット19へ出力する。
【0014】
コントロールユニット19は、内部に制御プログラムを記憶した制御ROMと制御時のワークエリアとなるRAMとを有しており、各温度センサ15,17からの検出信号に基づいて最適な冷却水流路を選択し、この選択結果に応じた制御信号を三方弁11a,11bに出力する。
【0015】
次に、図2に示す制御フローチャートに従って燃料電池の冷却システムの制御動作を説明する。なお、図2に示す制御フローチャートは、コントロールユニット19の内部ROMに制御プログラムとして記憶されている。
【0016】
まず、ステップS10では、コントロールユニット19は、燃料電池1を通常運転させるため、冷却水の流路として第1冷却水流路が形成されるように三方弁11a,11bに制御信号を送る。これを受けた三方弁11a,11bでは、制御信号に応じて流路切替配管13a,13bを閉じて、冷却水を第1冷却水流路に循環させる。すなわち、冷却水は、燃料電池1→加湿器3→ポンプ5→熱交換器7の順に流れて燃料電池1に帰還する。この順路では、冷却水は、燃料電池1を冷却した後、加湿器3に供給されて燃料電池1に供給される空気を加湿し、さらにその後、ポンプ5で加圧されて熱交換器7に供給されて放熱して温度が低下した状態で、再び燃料電池1に供給される。このような燃料電池通常運転では、燃料電池1の発電による発熱によって燃料電池1自体の温度が上昇し、この結果、燃料電池1通過後の冷却水の温度が上昇する。なお、前述したように、燃料電池1は、通常運転時の内部温度が80℃前後になるように温度制御される。
【0017】
そして、ステップS20では、燃料電池1の冷却水出口に設けられた温度センサ15から燃料電池冷却後の冷却水温度を読み込む。
そして、ステップS30では、温度センサ15から読み込まれた冷却水温度をあらかじめ設定された基準値(所定値)と比較して、冷却水温度が基準値を超えているか否かを判断する。そして、冷却水温度が基準値を超えていない場合は(S30:NO)、直ちにステップS10に戻って、燃料電池1の通常運転を継続させるが、冷却水温度が基準値を超えている場合は(S30:YES)、ステップS40に進む。なお、ステップS30で使用する基準値は、実験等を行って適当な値に決めればよい。
【0018】
ステップS40では、冷却水の循環方向を逆転させるため、冷却水の流路として第2冷却水流路が形成されるように三方弁11a,11bに制御信号を送る。これを受けた三方弁11a,11bでは、制御信号に応じて流路切替配管13a,13bを開いて、冷却水を第2冷却水流路に循環させる。すなわち、冷却水は、燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れて燃料電池1に帰還する。この順路では、冷却水は、燃料電池1を冷却した後、直ちに熱交換器7に供給されて放熱して温度が低下し、さらにその後、ポンプ5で加圧されて加湿器3に供給されて燃料電池1に供給される空気を加湿し、その後、再び燃料電池1に供給される。
【0019】
このとき、燃料電池1からの高温の冷却水が直接熱交換器7に供給されるので、熱交換器7における空気(冷却風)と冷却水との温度差を大きくとることができ、熱交換器7における冷却水の放熱量が増加して、冷却水の温度が大幅に低下する。その後、冷却水は加湿器3に供給されるが、加湿の際の気化熱によってさらに温度が低下して燃料電池1に供給されるので、冷却水による冷却性能が向上して、燃料電池1の温度を運転許容上限温度以下に下げることができる。
【0020】
そして、ステップS50では、燃料電池1の冷却水入口(このときは冷却水循環方向の逆転により冷却水出口となっている)に設けられた温度センサ17から燃料電池冷却後の冷却水温度を読み込む。
そして、ステップS60では、温度センサ17から読み込まれた冷却水温度をステップS30で使用されるものと同じ基準値と比較して、冷却水温度が基準値以下であるか否かを判断する。そして、冷却水温度が基準値を超えている場合は(S60:NO)、まだ冷却水の温度が高いため、ステップS40に戻って、引き続き第2冷却水流路に冷却水を循環させるが、冷却水温度が基準値以下である場合は(S60:YES)、冷却水の温度が低下したものと判断して、ステップS10に戻って、冷却水の流路として第1冷却水流路を形成して燃料電池1を通常運転に復帰させる。
【0021】
この結果、第1の実施の形態に関する効果としては、燃料電池1を通過した冷却水の温度が基準値を超えた場合は、冷却水の循環方向を逆転させて、燃料電池1からの高温の冷却水を直接熱交換器7に供給することで、熱交換器7における空気(冷却風)と冷却水との温度差を大きくとることができ、同じ熱交換器7を使用しつつ冷却水の放熱量が増加して、冷却水の温度が大幅に低下する。同時に、熱交換器7で放熱した冷却水は加湿器3に供給されて加湿の際の気化熱によってさらに放熱して温度が低下するため、全体としてはより一層大きな放熱量を得ることができ、冷却水による冷却性能を高めることができる。
【0022】
また、ポンプ5の前後に三方弁11a,11bが存在することで、三方弁11a,11bの切り替え方によっては、冷却水が冷却水配管9内から流れ出ることなくポンプ5を交換することが可能となる。
なお、図3及び図4は、それぞれ、図1に示す第1の実施の形態の変更例を示す図である。なお、これらの変更例は、図1に示す第1の実施の形態に対応する冷却システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0023】
図3に示す変更例の特徴は、燃料電池1、加湿器3、ポンプ5及び熱交換器7の各部品間に三方弁21を2個ずつ設置し(三方弁21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h)、流路切替配管23a,23b,23c,23dをそれぞれ連結したことにある。これらの三方弁21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21hは、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19aに接続されており、コントロールユニット19aからの制御信号を受けて流路切替配管23a,23b,23c,23dを開閉する。これにより、冷却水は、第1冷却水流路形成時には図3中の実線矢印の方向に循環し、第2冷却水流路形成時には図3中の破線矢印の方向に循環する。
【0024】
この結果、本変更例によれば、冷却水の循環経路を第2冷却水流路、すなわち、冷却水が燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れる流路に切り替えても、各部品の冷却水の出入口は常に一定であり、各部品における冷却水の流れ方向を一方向のみに限定した設計が可能になる。
【0025】
図4に示す変更例の特徴は、三方弁の位置を一部変更したこと、すなわち、加湿器3とポンプ5の間の三方弁11aを廃止して、燃料電池1と加湿器3の間に三方弁25を設置し、流路切替配管27aを連結するととともに、ポンプ5と熱交換器7の間の三方弁11bには流路切替配管27bを連結したことにある。これらの三方弁25,11bもまた燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19bに接続されており、コントロールユニット19bからの制御信号を受けて流路切替配管27a,27bを開閉する。これにより、冷却水は、第1冷却水流路形成時には図3中の実線矢印の方向に循環し、第2冷却水流路形成時には図3中の破線矢印の方向に循環する。
【0026】
この結果、本変更例によれば、三方弁の位置を一部変更したため、冷却水の循環経路を第2冷却水流路、すなわち、冷却水が燃料電池1→熱交換器7→ポンプ5→加湿器3の順に流れる流路に切り替えても、加湿器3においては、冷却水の出入口は常に一定であり、冷却水の流れ方向を一方向のみに限定した設計が可能になる。
なお、図3及び図4の変更例の制御動作は、図2に示す制御フローチャートに従って説明することができるが、既に説明した内容と同様であるので、その説明を省略することとする。
【0027】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。なお、第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する冷却システムと同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0028】
第2の実施の形態の特徴は、冷却水の循環方向を逆転させるための手段として、図5に示すように、図1に示す三方弁11a,11b、流路切替配管13a,13b及び非可逆ポンプ5の代わりに、逆転運転可能なすなわち双方向に運転可能な可逆ポンプ29のみを設けたことにある。このポンプ29は、燃料電池1を制御するためのコントロールユニット19c(制御手段)に接続されており、コントロールユニット19cからの制御信号を受けて運転方向を切り替える。これにより、冷却水は、ポンプ順方向運転時には図5中の実線矢印の方向に循環し、ポンプ逆方向運転時には図5中の破線矢印の方向に循環する。
【0029】
次に、図6に示す制御フローチャートに従って燃料電池の冷却システムの制御動作を説明する。なお、図6に示す制御フローチャートは、コントロールユニット19cの内部ROMに制御プログラムとして記憶されている。
本実施の形態では、図6に示すように、ステップS15及びステップS45を図2に示すフローチャートに挿入し、ステップS10及びステップS40を削除している。
【0030】
まず、ステップS15では、コントロールユニット19cは、燃料電池1を通常運転させるため、冷却水が順方向に流れるようにポンプ29に制御信号を送る。これを受けたポンプ29は、順方向運転を行い、冷却水を加圧して燃料電池1→加湿器3→熱交換器7→燃料電池1の順に循環させる。この順路は、第1の実施の形態における第1冷却水流路の場合と同様である。
【0031】
ステップS20及びステップS30は、図2に示すフローチャートの各ステップと同様であるので、その説明を省略する。
そして、ステップS45では、冷却水の循環方向を逆転させるため、冷却水が逆方向に流れるようにポンプ29に制御信号を送る。これを受けたポンプ29は、逆方向運転を行い、冷却水を加圧して燃料電池1→熱交換器7→加湿器3→燃料電池1の順に循環させる。この順路は、第1の実施の形態における第2冷却水流路の場合と同様である。
ステップS50及びステップS60は、図2に示すフローチャートの各ステップと同様であるので、その説明を省略する。
【0032】
この結果、第2の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、可逆型ポンプ29を用いて冷却水の循環方向を逆転させるので、三方弁と流路切替配管を省略することができ、冷却水の循環方向の切替えが可能であるにもかかわらず、スペースの使用量の増大を防止し、かつ、冷却水配管の構成の複雑化を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
【図2】第1の実施の形態の燃料電池の冷却システムの制御動作を説明するための制御フローチャートである。
【図3】図1に示す第1の実施の形態の一変更例を示す図である。
【図4】図1に示す第1の実施の形態の他の変更例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池の冷却システムを示す図である。
【図6】第2の実施の形態の燃料電池の冷却システムの制御動作を説明するための制御フローチャートである。
【図7】従来の燃料電池の冷却システムを示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
3 加湿器
5 非可逆ポンプ
7 熱交換器
9 冷却水配管
11a,11b,21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,25 三方弁
13a,13b,23a,23b,23c,23d,27a,27b 流路切替配管
15,17 温度センサ
19,19a,19b,19c コントロールユニット
29 可逆ポンプ
Claims (2)
- 燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、
加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、
熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、
前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記加湿器、前記熱交換器と流れて前記燃料電池に帰還する第1冷却水流路と、
前記燃料電池から流出した冷却水が順に前記熱交換器、前記加湿器と流れて前記燃料電池に帰還する第2冷却水流路と、
前記第1冷却水流路と前記第2冷却水流路とを切り替える流路切替手段と、
前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、第1冷却水流路から第2冷却水流路に切り替わるように前記流路切替手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする燃料電池の冷却システム。 - 燃料電池を冷却する冷却水を利用して燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器と、
加湿器からの冷却水を放熱させて温度を低下させる熱交換器とを備え、
熱交換器で放熱し温度が低下した冷却水を燃料電池に供給する燃料電池の冷却システムにおいて、
冷却水に圧力を加えて強制的に循環させる逆転運転可能なポンプと、
前記燃料電池を通過した冷却水の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池を通過した冷却水の温度が所定値以上の場合に、冷却水の循環方向が逆転するように前記ポンプの運転方向を制御する制御手段とを有することを特徴とする燃料電池の冷却システム。
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