JP3966839B2 - 排熱利用熱源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、給湯路がタンク上部に、給水路がタンク底部に夫々接続された密閉型の貯湯タンクと、
加熱用熱交換器と放熱用端末器とにわたって熱媒を循環させて、前記放熱用端末器にて加熱対象を加熱する放熱運転を実行する放熱手段と、
タンク底部から取り出した湯水をタンク上部に戻す形態で貯湯用循環路を通じて前記貯湯タンクの湯水を循環させる貯湯用循環手段、及び、前記貯湯用循環路を通流する湯水を排熱発生式の処理装置から発生する熱にて加熱する排熱熱源加熱手段を備えた排熱利用加熱部と、
前記排熱熱源加熱手段にて加熱されて前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記加熱用熱交換器を通過させた後、前記貯湯タンクを迂回させて前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻す形態で通流させる加熱用流路と、
湯水を前記加熱用流路に通流させる加熱状態と通流させない非加熱状態とに切り換え自在な加熱切換手段と、
前記放熱手段の停止中は前記非加熱状態になり、前記放熱手段の運転中は前記加熱状態になるように、前記加熱切換手段の作動を制御する制御手段とが設けられた排熱利用熱源装置に関する。
かかる排熱利用熱源装置は、排熱発生式の処理装置から発生する熱(以下、単に処理装置の排熱と記載する場合がある)を用いて、貯湯タンクに温度成層を形成する状態で貯湯したり、放熱手段により加熱対象を加熱するものであり、前記処理装置としては、例えば、燃料電池や、発電機とその発電機を駆動するエンジンとを備えた回転式の発電装置等があり、前記放熱手段としては、加熱対象としての暖房対象域を前記放熱用端末器にて暖房する暖房装置等がある。
そして、このような排熱利用熱源装置では、放熱手段にて加熱対象を加熱するときの単位時間当たりの加熱負荷が比較的大きいことから、放熱手段の運転中は、前記処理装置の排熱を放熱手段による加熱対象の加熱用として優先して用いるようにすることが好ましい。
そこで、従来では、前記制御手段を、前記放熱手段の停止中は前記非加熱状態になり、前記放熱手段の運転中は湯水の全量を前記加熱用流路に通流させる前記加熱状態になるように、前記加熱切換手段の作動を制御するように構成していた。
つまり、前記放熱手段の運転中は、前記排熱熱源加熱手段にて加熱されて前記貯湯用循環路を通流する湯水の全量を前記加熱用熱交換器に供給し、その加熱用熱交換器を通過した湯水の全量を前記貯湯タンクを迂回させて前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻す形態にて、湯水を前記排熱熱源加熱手段と前記加熱用熱交換器とにわたって、前記貯湯用循環路と前記加熱用流路とを通じて循環させるようにして、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水の全量を前記加熱用熱交換器に供給することにより、前記処理装置の排熱を前記放熱手段による加熱対象の加熱用として優先して用いるようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−248905号公報
しかしながら、従来では、前記放熱手段の運転中において、前記処理装置の排熱の全てを前記放熱手段による加熱対象の加熱用として優先して用いることができるものの、以下に説明するように、前記処理装置の排熱を前記排熱熱源加熱手段にて回収する排熱回収効率が低くなるという問題があった。
即ち、前記排熱熱源加熱手段において前記処理装置の排熱を湯水に回収させることにより、前記処理装置を適正に冷却して、前記処理装置を適正に運転させるようになっているが、前記排熱熱源加熱手段での排熱回収により前記処理装置を適正に冷却することができない場合は、前記処理装置に備えさせているラジエータ等により、前記処理装置の排熱を放熱させることになる。
又、前記加熱用熱交換器において、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水と熱交換させる対象となる熱媒は、前記加熱用熱交換器と前記放熱用端末器とにわたって循環しているものであって、前記放熱用端末器にて放熱されて前記加熱用熱交換器に戻ってくるにしてもその温度は低くなり難いので、その熱媒と熱交換させた後の前記湯水の温度も低くなり難いという傾向がある。念のため、前記加熱用熱交換器に戻ってくる熱媒の温度が低くなり難い点について説明を加えると、上述したように、通常は、前記放熱用端末器にて暖房対象域を暖房するものであり、前記放熱用端末器には60〜70°C程度に加熱した熱媒を供給するようになっており、その熱媒を前記放熱用端末器にて暖房対象域に放熱させたとしても、前記加熱用熱交換器に戻ってくる熱媒の温度は低くてもせいぜい40°C程度であるので、前記加熱用熱交換器に戻ってくる熱媒の温度が低くなり難いものである。
従って、従来では、前記加熱用熱交換器において前記熱媒と熱交換させた後の湯水の全量を、前記貯湯タンクを迂回させて前記排熱熱源加熱手段に戻すので、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が高くなり易く、その湯水に前記処理装置の排熱を回収するに当たって、その排熱回収効率が低くなるばかりでなく、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が高くなり過ぎて、前記処理装置を適切に運転させることが可能なように冷却することができるまで、前記排熱熱源加熱手段において前記処理装置の排熱を回収することができなくなるので、前記ラジエータ等により、前記処理装置の排熱を放熱することになり、このことによっても、排熱回収効率が低くなるのである。
ちなみに、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が低くなるようにして、排熱回収効率を向上するために、前記加熱切換手段にて前記加熱状態に切り換えるに当たって、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水を前記加熱用熱交換器側と前記貯湯タンク側とに分流させる状態となるようにし、前記加熱用熱交換器を通過した湯水と前記貯湯タンクの底部から取り出された湯水とを混合させて、前記排熱熱源加熱手段に戻すようにして、その排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度を低くすることが想定される。
しかしながら、この場合は、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水の一部が前記加熱用熱交換器を迂回して前記貯湯タンクに供給されるので、前記処理装置の排熱の全てを放熱手段にて加熱対象を加熱するための熱として優先して用いることができない。
通常、前記処理装置の排熱の熱量が放熱手段にて加熱対象を加熱する加熱負荷よりも不足するときにその不足分を補うために、補助加熱器を設けるが、上述のように、前記処理装置の排熱の全てを放熱手段にて加熱対象を加熱するための熱として優先して用いることができない場合には、前記補助加熱器にて補う熱量が多くなって、総合エネルギー効率が低下し易い。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排熱を放熱手段にて加熱対象を加熱するための熱として優先して用いることを可能にしながら、排熱回収効率を向上し得る排熱利用熱源装置を提供することにある。
本願発明の排熱利用熱源装置は、給湯路がタンク上部に、給水路がタンク底部に夫々接続された密閉型の貯湯タンクと、
加熱用熱交換器と放熱用端末器とにわたって熱媒を循環させて、前記放熱用端末器にて加熱対象を加熱する放熱運転を実行する放熱手段と、
タンク底部から取り出した湯水をタンク上部に戻す形態で貯湯用循環路を通じて前記貯湯タンクの湯水を循環させる貯湯用循環手段、及び、前記貯湯用循環路を通流する湯水を排熱発生式の処理装置から発生する熱にて加熱する排熱熱源加熱手段を備えた排熱利用加熱部と、
前記排熱熱源加熱手段にて加熱されて前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記加熱用熱交換器を通過させた後、前記貯湯タンクを迂回させて前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻す形態で通流させる加熱用流路と、
湯水を前記加熱用流路に通流させる加熱状態と通流させない非加熱状態とに切り換え自在な加熱切換手段と、
前記放熱手段の停止中は前記非加熱状態になり、前記放熱手段の運転中は前記加熱状態になるように、前記加熱切換手段の作動を制御する制御手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記加熱用熱交換器を通過して前記加熱用流路を通流する湯水を前記貯湯タンクの上部に供給するタンク供給路と、
前記加熱用熱交換器を通過した湯水を前記タンク供給路と前記加熱用流路とに分流させる分流比を調節自在な分流量調節手段とが設けられ、
前記制御手段は、前記放熱手段の運転中は、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が設定湯水戻し温度になるように前記分流比を調節すべく前記分流量調節手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
即ち、前記放熱手段の運転中は、前記制御手段により、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が前記設定湯水戻し温度になるように前記分流量調節手段の分流比が調節されて、前記加熱用熱交換器を通過した湯水が前記タンク供給路と前記加熱用流路とに分流される。
つまり、前記放熱手段の運転中は、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水の全量が前記加熱用熱交換器を通過し、その加熱用熱交換器を通過した湯水が前記分流量調節手段にて前記タンク供給路と前記加熱用流路とに分流されて、前記タンク供給路を通じて前記貯湯タンクの上部に戻され、且つ、前記加熱用流路を通じて前記貯湯タンクを迂回して前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻され、その加熱用流路を通じて貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻された湯水と、前記貯湯タンクの底部から取り出された湯水とが合流して、前記貯湯用循環路を通じて前記排熱熱源加熱手段に戻される形態で、湯水が前記貯湯用循環路、前記加熱用流路、前記タンク供給路を通じて循環する。
そして、前記排熱熱源加熱手段にて加熱された湯水の全量を前記加熱用熱交換器に供給するので、前記処理装置の排熱の全てを放熱手段による加熱対象の加熱用として優先して用いることが可能になり、このように、前記処理装置の排熱の全てを放熱手段による加熱対象の加熱用として優先して用いることを可能にしながら、前記加熱用熱交換器を通過した湯水を前記分流量調節手段にて前記タンク供給路と前記加熱用流路とに分流して、前記加熱用流路を通じて前記貯湯タンクを迂回させて前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻す湯水に、前記貯湯タンクの底部から取り出した低温の湯水を合流させて、前記排熱熱源加熱手段に戻すようにするので、その排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度を低くすることが可能となり、排熱回収効率を向上することが可能となる。
又、前記設定湯水戻し温度として、前記処理装置を適切に運転させることが可能なように冷却することができるまで、前記排熱熱源加熱手段において前記処理装置の排熱を回収可能な湯水の温度に設定することにより、その設定湯水戻し温度の湯水を前記排熱熱源加熱手段に戻すようにして、その排熱熱源加熱手段において前記処理装置の排熱を十分に回収して前記処理装置を適正に冷却することができるので、前記処理装置に備えさせているラジエータ等により前記処理装置の排熱を放熱させるのを抑制することが可能になり、このことによっても、排熱回収効率を向上することが可能となる。
従って、排熱を放熱手段にて加熱対象を加熱するための熱として優先して用いることを可能にしながら、排熱回収効率を向上し得る排熱利用熱源装置を提供することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記制御手段は、前記放熱手段の運転が開始されると、前記加熱用流路への分流量が最少の状態から、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が前記設定湯水戻し温度になるまで前記加熱用流路への分流量を増加させるべく前記分流量調節手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
即ち、前記放熱手段の運転が開始されると、前記制御手段により、前記加熱用流路への分流量が最少の状態から、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が前記設定湯水戻し温度になるまで前記加熱用流路への分流量を増加させるべく、前記分流量調節手段が制御される。
つまり、前記放熱手段の運転が開始されると、それが開始される前の前記放熱手段が停止しているときの、前記貯湯タンクの底部から取り出された低温の湯水のみが前記排熱熱源加熱手段に戻される状態から、前記加熱用熱交換器を通過した湯水と前記貯湯タンクの底部から取り出された低温の湯水とが混合した湯水が前記排熱熱源加熱手段に戻される状態に切り換えられるのであるが、前記放熱手段の運転が開始されると、前記加熱用熱交換器を通過して前記排熱熱源加熱手段に戻される湯水の量を最少の状態から増加させ、それに伴って、前記貯湯タンクの底部から取り出されて前記排熱熱源加熱手段に戻される湯水の量を減少させるようにするので、前記排熱熱源加熱手段に戻される湯水の温度の上昇が速くなり過ぎるのを抑制することが可能になる。
そして、前記排熱熱源加熱手段に戻される湯水の温度の上昇が速くなり過ぎるのを抑制することが可能になることにより、前記排熱熱源加熱手段に戻される湯水の温度が急激に高くなって、前記処理装置の運転が不安定になるのを回避することが可能になる。
従って、処理装置の安定運転を維持しながら、放熱手段の運転を開始することができる。
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記排熱利用加熱部は、前記排熱熱源加熱手段にて加熱される湯水の温度が設定湯水供給温度になるように前記貯湯用循環手段による湯水循環量が調節されるように構成されている点を特徴とする。
即ち、前記排熱熱源加熱手段にて加熱される湯水の温度が前記設定湯水供給温度になるように、前記貯湯用循環手段による湯水循環量が調節される。
つまり、前記処理装置として、出力を変更調節可能なように構成した場合に、前記処理装置を出力を変更調節して運転すると、その排熱量が変化することになるが、上述のように、前記排熱熱源加熱手段にて加熱される湯水の温度が設定湯水供給温度になるように、前記貯湯用循環手段による湯水循環量が調節されるので、排熱量が変化しても、前記貯湯タンクの上部に供給される湯水の温度、及び、前記加熱用熱交換器に供給される湯水の温度を安定化することが可能になる。
そして、前記貯湯タンクの上部に供給される湯水の温度が安定化されることにより、前記貯湯タンクの貯湯温度、延いては、その貯湯タンクの湯水を給湯箇所に給湯する給湯温度を安定化することが可能になる。
又、前記加熱用熱交換器に供給される湯水の温度が安定化されることにより、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が前記設定湯水戻し温度になるように前記分流量調節手段を作動させるに当たって、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度を安定化させることが可能になり、前記処理装置の運転状態を安定に維持することが可能になる。
従って、処理装置をその出力を変更調節して運転させる場合に、給湯温度を安定化させ、且つ、処理装置の運転状態を安定に維持することが可能になる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる排熱利用熱源装置をコージェネレーションシステムに適用した場合の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかる排熱利用熱源装置Aを備えたコージェネレーションシステムを示し、このコージェネレーションシステムは、前記排熱利用熱源装置Aの他に、排熱発生式の処理装置の一例としての燃料電池G、及び、その燃料電池Gを商用電源1に系統連系するインバータ2等を備え、前記排熱利用熱源装置Aは、前記燃料電池Gにて発生する熱を用いて、給湯路3がタンク上部に、給水路4がタンク底部に夫々接続された密閉型の貯湯タンク5内に温度成層を形成しながら貯湯したり、放熱用端末器6にて加熱対象を加熱したりするように構成してあり、前記貯湯タンク5内に貯湯される湯水は前記給湯路3を通じて給湯箇所に給湯するようになっている。ちなみに、前記放熱用端末器6としては、例えば床暖房パネル等があり、その場合は、前記床暖房パネルにて加熱対象としての暖房対象域を暖房することになる。
前記商用電源1は、商用電力供給ライン7を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等の電力消費機器8に接続してある。
前記インバータ2は、前記燃料電池Gの出力電力を商用電源1から供給される電力と同じ電圧および同じ周波数に変換するように構成してあり、コージェネ用供給ライン9を介して前記商用電力供給ライン7に電気的に接続して、前記燃料電池Gの発電電力が前記インバータ2にて交流に変換されて、前記コージェネ用供給ライン9、前記商用電力供給ライン7を介して前記電力消費機器8に供給されるように構成してある。
図1に基づいて、前記排熱利用熱源装置Aについて説明を加える。
前記排熱利用熱源装置Aは、前記貯湯タンク5と、加熱用熱交換器11と前記放熱用端末器6とにわたって熱媒を循環させて、前記放熱用端末器6にて加熱対象を加熱する放熱運転を実行する放熱手段としての放熱部Wと、タンク底部から取り出した湯水をタンク上部に戻す形態で貯湯用循環路12を通じて前記貯湯タンク5の湯水を循環させる貯湯用循環手段としての貯湯用循環ポンプ13、及び、前記貯湯用循環路12を通流する湯水を前記燃料電池Gから発生する熱にて加熱する排熱熱源加熱手段としての排熱熱源熱交換器14を備えた排熱利用加熱部Hと、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱されて前記貯湯用循環路12を通流する湯水を前記加熱用熱交換器11を通過させた後、前記貯湯タンク5を迂回させて前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも上流側に戻す形態で通流させる加熱用流路15と、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱された湯水を前記加熱用流路15に通流させる加熱状態と通流させない非加熱状態とに切り換え自在な加熱切換手段としての加熱切換三方弁16と、前記加熱用熱交換器11を通過して前記加熱用流路15を通流する湯水を前記貯湯タンク5の上部に供給するタンク供給路17と、前記加熱用熱交換器11を通過した湯水を前記タンク供給路17と前記加熱用流路15とに分流させる分流比を調節自在な分流量調節手段としての分流量調節三方弁18と、前記給湯路3を通流する湯水及び前記放熱部Wを循環する熱媒を加熱するガス燃焼式の補助加熱器19と、前記排熱利用熱源装置Aの各種制御を司る制御手段としての熱源制御部20等を備えて構成してある。
以下、前記排熱利用熱源装置Aの各部について説明を加える。
前述したように、前記貯湯タンク5は密閉式に構成し、そのタンク底部に水道圧にて水道水を給水する前記給水路4を接続してあり、図示しない給湯栓の開栓等により前記給湯路3を通じて前記貯湯タンク5の上部から湯水が排出されるのに伴って、前記給水路4を通じて前記貯湯タンク5の底部に給水されるようになっていて、前記貯湯タンク5には、温度成層が形成される状態で満杯状態に湯水が貯留されるように構成してある。
前記貯湯タンク5には、その貯湯タンク5の貯湯量の検出用として、4個の貯湯量検出用温度センサTtを上下方向に間隔を隔てて設けてある。つまり、前記貯湯量検出用温度センサTtが貯湯用設定温度(例えば60°C)以上の温度を検出することにより、その設置位置に湯が貯湯されているとして、検出温度が前記貯湯用設定温度以上である貯湯量検出用温度センサTtのうちの最下部の貯湯量検出用温度センサTtの位置に基づいて、貯湯量を4段階に検出するように構成してある。つまり、4個の貯湯量検出用温度センサTt全ての検出温度が前記貯湯用設定温度以上になると、前記貯湯タンク5の貯湯量が上限貯湯量であることが検出され、4個の貯湯量検出用温度センサTt全ての検出温度が前記設定温度未満になると、前記貯湯タンク5の貯湯量が空であることが検出されることになる。
前記放熱部Wについて説明を加えると、前記加熱用熱交換器11と前記放熱用端末器6とを熱媒循環路21にて接続し、その熱媒循環路21に熱媒循環ポンプ22を設けて、その熱媒循環ポンプ22を作動させることにより、前記加熱用熱交換器11と前記放熱用端末器6とにわたって前記熱媒循環路21を通じて熱媒を循環させて、前記放熱用端末器6にて熱媒から放熱させることにより、加熱対象を加熱する前記放熱運転を実行するように構成してある。そして、前記放熱部Wには、前記放熱運転の開始及び停止を指令する放熱運転操作部23を設けてあり、その放熱運転操作部23から運転開始が指令されると、前記熱媒循環ポンプ22を作動させて前記放熱運転を開始し、前記放熱運転操作部23から運転停止が指令されると、前記熱媒循環ポンプ22を停止させて前記放熱運転を停止するように構成してある。
又、前記放熱用端末器6から流出して前記加熱用熱交換器11に戻す熱媒戻し温度を検出する熱媒戻し温度センサTmを設けてある。
前記貯湯用循環路12は、その両端を前記貯湯タンク5の底部と上部とに接続し、その貯湯用循環路12の途中に、前記排熱熱源熱交換器14を設けてある。
前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも下流側で且つ前記貯湯タンク5よりも上流側の部分に、その上流側から順に、前記加熱切換三方弁16、前記分流量調節三方弁18を介装してある。前記加熱切換三方弁16及び前記分流量調節三方弁18は、夫々、一つの流入口と二つの流出口とを備えてあり、前記流入口と前記二つの流出口の一方とを用いて、前記貯湯用循環路12の途中に介装してある。
前記加熱用流路15を構成する一部の流路部分(上流側部分)を、前記加熱切換三方弁16の残りの流出口と前記分流量調節三方弁18の前記流入口とに接続し、その途中に前記加熱用熱交換器11を設け、前記加熱用流路15を構成する残りの流路部分(下流側部分)を、前記分流量調節三方弁18の残りの前記流出口と前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも上流側の部分とに接続し、前記貯湯用循環路12において、前記分流量調節三方弁18の前記流出口と前記貯湯タンク5の上部とを接続する部分を、前記タンク供給路17としても機能させるように構成してある。
前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも上流側の部分において、前記加熱用流路15との接続部分よりも下流側の箇所には、前記排熱熱源熱交換器14に戻される湯水の温度(以下、湯水戻し温度と称する場合がある)を検出する湯水戻し温度センサTrを設けてある。
前記加熱切換三方弁16は、前記流入口に流入する湯水の全量を前記加熱用流路15が接続された前記流出口から流出させて前記加熱用流路15に通流させる前記加熱状態と、前記流入口に流入する湯水の全量を前記貯湯用循環路12が接続された前記流出口から流出させて前記加熱用流路15には通流させない前記非加熱状態とに切り換え自在なように構成してある。
又、前記分流量調節三方弁18は、前記流入口に流入する湯水の全量を前記貯湯用循環路12が接続された前記流出口から流出させて前記貯湯用循環路12に通流させる全量貯湯側通流状態と、前記流入口に流入する湯水の全量を前記加熱用流路15が接続された前記流出口から流出させて前記加熱用流路15に通流させる全量加熱側通流状態と、前記流入口に流入する湯水を前記二つの流出口から流出させて前記貯湯用循環路12(即ち、前記タンク供給路17)と前記加熱用流路15とに分流させる分流状態とに切り換え自在なように構成し、更に、前述のように、前記分流状態において、前記タンク供給路17と前記加熱用流路15とに分流させる分流比を調節自在なように構成してある。
つまり、前記加熱切換三方弁16を前記非加熱状態に切り換え、且つ、前記分流量調節三方弁18を前記全量貯湯側通流状態に切り換えると、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱された湯水の全量を前記貯湯タンク5に貯湯する貯湯単独運転を実行することができる。
その貯湯単独運転では、図1に太実線にて示すように、貯湯タンク5の底部から取り出された湯水が、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱された後、その全量が前記加熱切換三方弁16と前記分流量調節三方弁18を通過して貯湯タンク5の上部に戻される形態で、前記貯湯タンク5の湯水が貯湯用循環路12を通じて循環されることになり、貯湯タンク5に貯湯される。
又、前記加熱切換三方弁16を前記加熱状態に切り換え、且つ、前記分流量調節三方弁18を前記分流状態に切り換えると、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱された湯水の全量にて前記熱媒循環路21を循環する熱媒を加熱し、並びに、前記排熱熱源熱交換器14を通過した湯水の一部を前記貯湯タンク5に供給して貯湯し、残部は前記貯湯タンク5を迂回させて循環させる貯湯熱媒加熱並行運転を実行することができる。
その貯湯熱媒加熱並行運転では、図2に太実線にて示すように、前記分流量調節三方弁18にて調節される分流比にて、前記貯湯タンク5の底部と前記加熱用流路15とから湯水が吸引されて合流して前記貯湯用循環路12を通流し、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱された後、その全量が前記加熱切換三方弁16にて前記加熱用流路15に通流させられて前記加熱用熱交換器11を通過し、その加熱用熱交換器11を通過した湯水が前記分流量調節三方弁18にて前記分流比にて前記タンク供給路17と前記加熱用流路15とに分流されて、前記タンク供給路17を通じて前記貯湯タンク5の上部に戻され、且つ、前記加熱用流路15を通じて前記貯湯タンク5を迂回させて前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも上流側に戻されることになる。
前記補助加熱器19について説明を加えると、この補助加熱器19は、前記給湯路3を通流する湯水を加熱するための給湯用補助加熱部19sと、前記熱媒循環路21を循環する熱媒を加熱するための暖房用補助加熱部19wとを備えてある。これら給湯用補助加熱部19sと暖房用補助加熱部19wは、加熱対象の湯水又は熱媒を通流させる熱交換器h、その熱交換器hを加熱するガスバーナb、そのガスバーナbに燃焼用空気を供給する送風機f、前記熱交換器hに流入する湯水又は熱媒の流入温度を検出する流入温度センサ(図示省略)、前記熱交換器hから流出する湯水又は熱媒の流出温度を検出する流出温度センサ(図示省略)、前記熱交換器hに流入する湯水又は熱媒の流量を検出する流量センサ(図示省略)、燃焼制御部(図示省略)等を備えて、同様に構成してあり、又、前記各燃焼制御部により互いに独立して制御されるようになっている。
前記燃焼制御部の制御動作について簡単に説明すると、前記流量センサが設定流量以上の流量を検出している状態で、前記流入温度センサ及び前記流出温度センサの検出情報に基づいて、流入温度が設定温度(前記給湯用補助加熱部19s及び前記暖房用補助加熱部19wの夫々について設定されている)未満になると、前記バーナbを燃焼させて、前記流出温度が前記設定温度になるように前記バーナbの燃焼量を調節し、前記燃焼量を設定最少燃焼量に調節しても前記流出温度が前記設定温度以上になるときは前記バーナbを消火させる。又、前記バーナbの燃焼中に、前記流量センサの検出流量が前記設定流量未満になると、前記バーナbを消火させる。
前記燃料電池Gについて説明を加える。
図3に示すように、前記燃料電池Gは、水素を含有する燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて発電するセルスタック30、そのセルスタック30に供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成部R、前記セルスタック30に酸素含有ガスとして空気を供給するブロア31、前記セルスタック30を冷却する冷却水を冷却水循環路32を通じて循環させる冷却水循環ポンプ33、前記セルスタック30から排出される燃料極側排ガスの保有熱を前記冷却水循環路32を通流する冷却水に回収する第1排熱回収用熱交換器34、前記セルスタック30から排出される酸素極側排ガスの保有熱と前記燃料ガス生成部Rから排出される燃焼排ガスの保有熱とを前記冷却水循環路32を通流する冷却水に回収する第2排熱回収用熱交換器35、及び、前記燃料電池Gの各種制御を司る燃料電池制御部36等を備えて構成してある。
以下、燃料電池Gを構成する各部について説明を加える。
前記セルスタック30は周知であるので、詳細な説明及び図示は省略して、簡単に説明すると、前記セルスタック30は、電解質層としての高分子膜の両側に酸素極と燃料極を振り分けて配置した固体高分子型のセルの複数を積層状態に設けて構成し、並びに、供給される燃料ガスが各セルの燃料極に分配供給され且つ供給される反応用空気が各セルの酸素極に分配供給されるように構成して、各セルにて水素と酸素との電気化学的な反応により発電を行うように構成してある。
前記燃料ガス生成部Rは、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器37、その脱硫器37から供給される脱硫原燃料ガスと水蒸気生成器(図示省略)から供給される水蒸気とを改質用バーナ38bの加熱により改質反応させて、水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器38、その改質器38から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器39、その変成器39から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器40等を備えて構成して、改質ガス中の一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した一酸化炭素濃度の低い(例えば10ppm以下)改質ガスを生成するように構成してある。
そして、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを、前記燃料ガスとして前記セルスタック30に供給するようにしてある。
前記脱硫器37への原燃料ガスの供給を断続し、更に、その供給量を調節する原料ガス調節弁43を設けてあり、この原料ガス調節弁43により原燃料ガスの供給量を調節することにより、前記セルスタック30への燃料ガスの供給量を調節して、前記セルスタック30の出力電力を調節する。
前記セルスタック30の各セルの前記燃料極から排出される燃料極側排ガスを、燃料極側排ガス路41を通じて、前記第1排熱回収用熱交換器34を通過させた後、前記改質用バーナ38bに供給し、又、前記ブロア31にて燃焼用空気を前記改質用バーナ38bに供給して、その改質用バーナ38bにて燃料極側排ガスを燃焼させて、改質器38を改質反応が可能なように加熱するようにしてある。
前記セルスタック30の各セルの酸素極から排出される酸素極排ガスと前記改質用バーナ38bから排出される燃焼排ガスとを混合させて、その混合排ガスを前記第2排熱回収用熱交換器35を通過させた後、装置外部に排出するように、混合排ガス路42を前記改質用バーナ38b、前記セルスタック30及び前記第2排熱回収用熱交換器35に接続してある。
そして、図1にも示すように、前記冷却水循環路32は、前記セルスタック30を冷却して前記セルスタック30から排出される冷却水を、前記排熱熱源熱交換器14、前記第2排熱回収用熱交換器35、前記第1排熱回収用熱交換器34の順に通流させて、前記セルスタック30に戻すように設け、前記燃料電池Gから発生する熱として、前記燃焼排ガス、前記酸素極側排ガス及び前記燃料極側排ガス夫々の保有熱、並びに、前記セルスタック30から発生する発電反応熱を冷却水に回収させ、その冷却水を前記排熱熱源熱交換器14に通流させて、その排熱熱源熱交換器14において、前記燃料電池Gから発生する熱を回収した冷却水と前記貯湯用循環路12を通流する湯水とを熱交換させて、前記冷却水を冷却すると共に前記湯水を加熱するように構成してある。
又、前記冷却水循環路32において、前記排熱熱源熱交換器14よりも下流側で前記第2排熱回収熱交換器35よりも上流側の箇所には、通流する冷却水を冷却するラジエータ44を設けてある。
更に、前記セルスタック30から排出されて前記冷却水循環路32を通流する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサTw、及び、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱されて前記貯湯用循環路12を通流する湯水の温度を検出するタンク供給温度センサTeを設けてある。
次に、前記燃料電池制御部36について説明を加える。
前記燃料電池制御部36は、図示しない燃料電池操作部から運転開始が指令されると、前記原燃料ガス調節弁43を開弁して前記燃料ガス生成部Rへ原燃料ガスを供給し、且つ、前記ブロア31を作動させて、前記燃料電池Gの運転を開始し、前記燃料電池操作部から運転の停止が指令されると、前記原燃料ガス調節弁43を閉弁して前記燃料ガス生成部Rへの原燃料ガスの供給を停止し、且つ、前記ブロア31を停止させて、前記燃料電池Gの運転を停止する。
そして、前記燃料電池制御部36は、前記燃料電池Gの運転中は、電気負荷に応じて前記燃料ガス生成部Rへの原燃料ガスの供給量を調節するように前記原燃料ガス調節弁43の開度を調節し、前記冷却水温度センサTwの検出温度が設定冷却水温度になるように冷却水循環量を調節すべく前記冷却水循環ポンプ33の作動を制御し、且つ、前記タンク供給温度センサTeの検出温度が設定湯水供給温度になるように湯水循環量を調節すべく前記貯湯用循環ポンプ13を制御するように構成してある。
又、前記燃料電池制御部36は、前記冷却水循環流量を設定最大流量に調節した状態で、前記冷却水温度センサTwの検出温度が前記設定冷却水温度を越えるときは、前記ラジエータ44のラジエータファン44fを作動させて前記ラジエータ44を放熱作動させ、前記検出温度が前記設定冷却水温度になるように、前記ラジエータファン44fの作動を制御するように構成してある。
つまり、前記排熱利用加熱部Hは、前記貯湯用循環ポンプ13、前記排熱熱源熱交換器14に加えて、前記タンク供給温度センサTe及び前記燃料電池制御部36を備えて構成し、更に、その排熱利用加熱部Hは、排熱熱源熱交換器14にて加熱される湯水の温度が前記設定湯水供給温度になるように前記貯湯用循環ポンプ13による湯水循環量が調節されるように構成してある。ちなみに、前記設定湯水供給温度としては、例えば65°Cに設定する。
以下、前記熱源制御部20の制御動作について説明を加える。
前記熱源制御部20及び前記燃料電池制御部36は、互いに制御情報の通信が可能なように構成してあり、前記熱源制御部20には、前記燃料電池制御部36から前記燃料電池Gが運転中か否かを示す信号が通信されるようになっている。
そして、前記熱源制御部20は、前記燃料電池制御部36から前記燃料電池Gが運転中であることを示す信号が送信されている間は、前記放熱部Wの停止中は前記加熱切換三方弁16を前記非加熱状態にし且つ前記分流量調節三方弁18を前記全量貯湯側通流状態にする貯湯単独運転にて運転し、且つ、前記放熱部Wの運転中は、前記加熱切換三方弁16を前記加熱状態にし且つ前記分流量調節三方弁18を前記分流状態にした状態で、湯水戻し温度センサTrの検出温度が設定湯水戻し温度になるよう前記分流比を調節する貯湯熱媒加熱並行運転にて運転する運転切換制御を実行するように構成してある。
ちなみに、前記設定湯水戻し温度としては、前記排熱熱源熱交換器14での前記冷却水と前記湯水との熱交換により前記冷却水を許容上限温度以下にまで冷却可能な前記湯水の温度に設定し、例えば、40°C程度に設定する。
前記運転切換制御について説明を加える。
前記熱源制御部20は、前記熱媒戻し温度センサTmにて検出される熱媒戻し温度に基づいて、その熱媒戻し温度が設定熱媒戻し温度以下のときは前記放熱部Wが停止中であると判別し、前記熱媒戻し温度が前記設定熱媒戻し温度よりも高くなると前記放熱部Wが放熱運転中であると判別するように構成してある。
つまり、前記放熱運転操作部23から運転開始が指令されて、前記熱媒循環ポンプ22が作動して前記熱媒循環路21を熱媒が循環すると、その熱媒の温度が熱媒用の前記設定温度よりも低いときは、熱媒が前記補助加熱器19の前記暖房用補助加熱部19wにて前記熱媒用の設定温度に加熱されて、前記熱媒戻し温度センサTmの検出温度が前記設定熱媒戻し温度よりも高くなり、前記放熱部Wの運転が開始されたことが判別される。又、前記放熱運転操作部23から運転停止が指令されて、前記熱媒循環ポンプ22が停止して前記熱媒循環路21の熱媒の循環が停止すると、熱媒の温度が低下して、前記熱媒戻し温度センサTmの検出温度が前記設定熱媒戻し温度以下となり、前記放熱部Wの運転が停止されたことが判別される。
そして、前記熱源制御部20は、前記熱媒戻し温度センサTmにて検出される熱媒戻し温度が前記設定熱媒戻し温度以下で前記放熱部Wが停止中であると判別している間は、前記加熱切換三方弁16を前記非加熱状態にし且つ前記分流量調節三方弁18を前記全量貯湯側通流状態にする貯湯単独運転にて運転し、その貯湯単独運転中に、前記熱媒戻し温度センサTmにて検出される熱媒戻し温度が前記設定熱媒戻し温度よりも高くなって、前記放熱部Wの放熱運転が開始されたと判別すると、前記加熱切換三方弁16を前記加熱状態に切り換え、且つ、前記分流量調節三方弁18を前記加熱用流路15への分流量が設定最少量となる前記分流状態に切り換えて、前記貯湯単独運転から前記貯湯熱媒加熱並行運転に切り換え、以降、前記湯水戻し温度センサTrの検出温度が前記設定湯水戻し温度になるまで前記加熱用流路15への分流量を増加させるべく前記分流量調節三方弁18を制御し、前記湯水戻し温度センサTrの検出温度が前記設定湯水戻し温度になると、前記湯水戻し温度センサTrの検出温度を前記設定湯水戻し温度に維持するように前記分流量調節三方弁18を制御して、前記貯湯熱媒加熱並行運転を継続する。ちなみに、前述のように、前記加熱用流路15への分流量を前記設定最少量から、前記湯水戻し温度センサTrの検出温度が前記設定湯水戻し温度になるまで増加させるように、前記熱源制御部20により前記分流量調節三方弁18を制御するに当たっては、分流量変更用設定時間(例えば1分間)が経過する毎に、前記加熱用流路15への分流量を設定量ずつ増加させるように前記分流量調節三方弁18を制御するようにして、前記加熱用流路15への分流量を漸増させるように構成してある。つまり、前記排熱熱源熱交換器14に戻される湯水の温度が急激に高くなると、前記排熱熱源熱交換器14での前記燃料電池Gの冷却水の冷却が不十分となって前記燃料電池Gの運転が不安定になる虞があるので、前記加熱用流路15への分流量を漸増させて、前記排熱熱源熱交換器14に戻される湯水の温度が徐々に高くなるようにして、前記燃料電池Gの運転が不安定になるのを回避するようにしてある。
前記熱源制御部20は、前記貯湯熱媒加熱並行運転中に、前記熱媒戻し温度センサTmにて検出される熱媒戻し温度が前記設定熱媒戻し温度以下になって、前記放熱部Wの放熱運転が停止されたと判別すると、前記加熱切換三方弁16を前記非加熱状態に切り換え、且つ、前記分流量調節三方弁18を前記全量貯湯側通流状態に切り換えて、貯湯熱媒加熱並行運転から前記貯湯単独運転に切り換える。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態においては、前記貯湯用循環路12における前記貯湯タンク5の上部に接続される端部側の部分を前記タンク供給路17としても機能させるようにする場合について例示したが、前記タンク供給路17を前記貯湯用循環路12とは別個に設けても良い。この場合、前記分流量調節三方弁18を前記加熱用流路15における前記加熱用熱交換器11よりも下流側の部分の途中に設け、前記タンク供給路17を、前記分流量調節三方弁18と前記貯湯タンク5の上部とに接続して設けることになる。
(ロ) 前記熱源制御部20を前記放熱部Wの放熱運転の開始及び停止を判別するように構成するに、上記の実施形態においては、前記熱媒戻し温度センサTmにて検出される熱媒戻し温度に基づいて判別するように構成したが、前記放熱運転操作部23からの運転開始指令に基づいて前記放熱部Wの放熱運転が開始されたことを判別し、前記放熱運転操作部23からの停止指令に基づいて前記放熱部Wの放熱運転が停止されたことを判別するように構成しても良い。
(ハ) 上記の実施形態においては、前記排熱熱源熱交換器14にて湯水を前記設定湯水供給温度に加熱するように湯水循環量を調節するための前記貯湯用循環ポンプ13の制御を、前記燃料電池制御部36に行わせるように構成したが、前記熱源制御部20に行わせるように構成しても良い。この場合は、前記排熱利用加熱部Hは、前記貯湯用循環ポンプ13、前記排熱熱源熱交換器14、前記タンク供給温度センサTe及び前記熱源制御部20にて構成することになる。
(ニ) 上記の実施形態においては、前記排熱利用加熱部Hを、前記排熱熱源熱交換器14にて加熱される湯水の温度が前記設定湯水供給温度になるように前記貯湯用循環ポンプ13による湯水循環量が調節されるように構成する場合について例示したが、前記貯湯用循環ポンプ13を湯水循環量が所定の一定循環量になるように作動させるように構成しても良い。但し、この構成は、前記燃料電池Gが連続して定格出力電力にて運転されて、その燃料電池Gから発生する熱量が略一定である場合に適用するのが好ましい。
(ホ) 前記加熱状態と前記非加熱状態とに切り換え自在な前記加熱切換手段の具体構成として、上記の実施形態において例示した加熱切換三方弁16に代えて、前記貯湯用循環路12における前記加熱用流路15の接続箇所よりも下流側を開閉する電磁弁と、前記加熱用流路15を開閉する電磁弁との二つの電磁弁にて構成しても良い。
(ヘ) 上記の実施形態において、前記加熱切換三方弁16を、前記加熱状態及び前記非加熱状態に加えて、前記流入口に流入する湯水を前記貯湯用循環路12と前記加熱用流路15とに分流させて流出させる分流状態に切り換え自在に構成して、前記放熱部Wの運転中に、前記放熱部Wの熱負荷が設定熱負荷よりも小さくなると、前記加熱切換三方弁16を前記分流状態にし且つ前記分流量調節三方弁18を前記分流状態にした状態で、湯水戻し温度センサTrの検出温度が設定湯水戻し温度になるよう前記分流量調節三方弁18の分流比を調節する形態にて貯湯熱媒加熱並行運転を実行する構成を追加しても良い。
(ト) 上記の実施形態において、前記分流量調節三方弁18の設置箇所は、前記貯湯用循環路12における前記排熱熱源熱交換器14よりも上流側の部分と前記加熱用流路15との接続部分に変更可能である。
(チ) 前記放熱部Wを構成する前記放熱用端末器6の具体例としては、上記の実施形態において例示した床暖房パネルに限定されるものではなく、浴室乾燥機、暖房用のファンコイルユニット等、種々のものを適用することが可能である。
(リ) 前記排熱熱源熱交換器14にて前記湯水に回収させる前記燃料電池Gの発生熱としては、上記の各実施形態において例示した如き、前記燃焼排ガス、前記酸素極側排ガス及び前記燃料極側排ガス夫々の保有熱、並びに、前記セルスタック30から発生する発電反応熱に限定されるものではない。
例えば、前記燃焼排ガス、前記酸素極側排ガス及び前記燃料極側排ガス夫々の保有熱のうち、いずれか一つ、いずれか二つ、又は、全てを除いても良い。
又、前記変成器39から前記一酸化炭素除去器40に供給される変成処理後の改質ガスの保有熱や、前記燃料ガス生成部Rから前記セルスタッ30に供給される燃料ガスの保有熱を用いることが可能である。
(ヌ) 前記排熱発生式の処理装置の具体例として、上記の実施形態のように燃料電池Gを適用する場合、その型式は上記の実施形態において例示した固体高分子型に限定されるものではなく、リン酸型や固体電解質型等の種々の型式のものを用いることが可能である。
又、前記排熱発生式の処理装置の具体例としては、前記燃料電池G以外に、ガスエンジンやガソリンエンジン等により発電機を駆動するように構成した回転式の発電装置や、ガスエンジンやガソリンエンジン等によりコンプレッサを駆動するようにしたエンジン駆動式のヒートポンプ装置を適用することが可能であり、これらの場合、エンジンの冷却水から排熱を回収することになる。
実施形態にかかる排熱利用熱源装置を備えたコージェネレーションシステムの構成、及び、貯湯単独運転での湯水の流れを示すブロック図 実施形態にかかる排熱利用熱源装置を備えたコージェネレーションシステムの貯湯熱媒加熱並行運転での湯水の流れを示すブロック図 燃料電池の構成を示すブロック図
符号の説明
3 給湯路
4 給水路
5 貯湯タンク
6 放熱用端末器
11 加熱用熱交換器
12 貯湯用循環路
13 貯湯用循環手段
14 排熱熱源加熱手段
15 加熱用流路
16 加熱切換手段
17 タンク供給路
18 分流量調節手段
20 制御手段
G 排熱発生式の処理装置
H 排熱利用加熱部
W 放熱手段

Claims (3)

  1. 給湯路がタンク上部に、給水路がタンク底部に夫々接続された密閉型の貯湯タンクと、
    加熱用熱交換器と放熱用端末器とにわたって熱媒を循環させて、前記放熱用端末器にて加熱対象を加熱する放熱運転を実行する放熱手段と、
    タンク底部から取り出した湯水をタンク上部に戻す形態で貯湯用循環路を通じて前記貯湯タンクの湯水を循環させる貯湯用循環手段、及び、前記貯湯用循環路を通流する湯水を排熱発生式の処理装置から発生する熱にて加熱する排熱熱源加熱手段を備えた排熱利用加熱部と、
    前記排熱熱源加熱手段にて加熱されて前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記加熱用熱交換器を通過させた後、前記貯湯タンクを迂回させて前記貯湯用循環路における前記排熱熱源加熱手段よりも上流側に戻す形態で通流させる加熱用流路と、
    湯水を前記加熱用流路に通流させる加熱状態と通流させない非加熱状態とに切り換え自在な加熱切換手段と、
    前記放熱手段の停止中は前記非加熱状態になり、前記放熱手段の運転中は前記加熱状態になるように、前記加熱切換手段の作動を制御する制御手段とが設けられた排熱利用熱源装置であって、
    前記加熱用熱交換器を通過して前記加熱用流路を通流する湯水を前記貯湯タンクの上部に供給するタンク供給路と、
    前記加熱用熱交換器を通過した湯水を前記タンク供給路と前記加熱用流路とに分流させる分流比を調節自在な分流量調節手段とが設けられ、
    前記制御手段は、前記放熱手段の運転中は、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が設定湯水戻し温度になるように前記分流比を調節すべく前記分流量調節手段を制御するように構成されている排熱利用熱源装置。
  2. 前記制御手段は、前記放熱手段の運転が開始されると、前記加熱用流路への分流量が最少の状態から、前記排熱熱源加熱手段に戻す湯水の温度が前記設定湯水戻し温度になるまで前記加熱用流路への分流量を増加させるべく前記分流量調節手段を制御するように構成されている請求項1記載の排熱利用熱源装置。
  3. 前記排熱利用加熱部は、前記排熱熱源加熱手段にて加熱される湯水の温度が設定湯水供給温度になるように前記貯湯用循環手段による湯水循環量が調節されるように構成されている請求項1又は2記載の排熱利用熱源装置。
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