JP2004296266A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とする。
【解決手段】供給される原燃料ガスを改質処理する改質部13と、その改質部13から供給される改質ガスを変成処理する変成部14と、その変成部14から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部15とが設けられている燃料電池システムにおいて、貯湯タンク2から取り出した湯水を湯水循環路30を通して循環させたのち、貯湯タンク2に戻す湯水循環手段31と、燃料電池5の冷却水と湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器21と、その排熱回収熱交換器21を通過した冷却水とCO除去部15に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器23とが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】供給される原燃料ガスを改質処理する改質部13と、その改質部13から供給される改質ガスを変成処理する変成部14と、その変成部14から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部15とが設けられている燃料電池システムにおいて、貯湯タンク2から取り出した湯水を湯水循環路30を通して循環させたのち、貯湯タンク2に戻す湯水循環手段31と、燃料電池5の冷却水と湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器21と、その排熱回収熱交換器21を通過した冷却水とCO除去部15に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器23とが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられている燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池システムは、改質部にて改質処理した改質ガスを変成部に供給し、変成部にて変成処理した変成ガスをCO除去部に供給し、CO除去部にて一酸化炭素が除去された燃料ガスを燃料電池に供給するものである。
【0003】
上記のような燃料電池システムにおいて、従来では、供給される改質水にて水蒸気を生成し、その生成された水蒸気を改質部に供給する水蒸気生成部と、CO除去部に供給される前の変成ガスと改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器とが設けられ、改質水予熱用熱交換器において、改質水にてCO除去部に供給される変成ガスを冷却するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−83620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような燃料電池システムにおいては、CO除去部におけるCO除去の反応を安定させるためや、燃料電池に供給する燃料ガスの露点温度を設定範囲内にするために、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることが求められる。
そして、上記従来の燃料電池システムでは、変成ガスと改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器を設けて、その改質水予熱用熱交換器において、改質水にてCO除去部に供給される変成ガスを冷却することにより、CO除去部に供給する変成ガスの温度を下げるようにしている。
【0006】
しかしながら、上記従来の燃料電池システムにおいては、改質水が、例えば、水道水など、温度が安定していない水であるので、改質水予熱用熱交換器において、改質水と変成ガスとを熱交換しても、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができない虞があった。
例えば、改質水が水道水であると、夏季には改質水の温度が低温ではないので、改質水予熱用熱交換器において、改質水と変成ガスとを熱交換しても、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができないことになる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる燃料電池システムを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられている燃料電池システムにおいて、
貯湯タンクから取り出した湯水を湯水循環路を通して循環させたのち、前記貯湯タンクに戻す湯水循環手段と、燃料電池の冷却水と前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器と、その排熱回収熱交換器を通過した冷却水と前記CO除去部に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器とが設けられている。
【0009】
すなわち、湯水循環手段を作動させることにより、排熱回収熱交換器において、燃料電池の冷却水と貯湯タンクから取り出した湯水とを熱交換させることになるので、排熱回収熱交換器においては、冷却水にて湯水を加熱させることができ、その加熱された湯水を貯湯タンクに戻して、貯湯タンクに湯水が貯湯させることができることになる。
したがって、燃料電池の排熱を活用して、貯湯タンクに湯水を貯湯させることができることになる。
【0010】
また、変成ガス用熱交換器において、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水とCO除去部に供給される前の変成ガスとを熱交換させることになるので、変成ガス用熱交換器においては、排熱回収熱交換器における熱交換により低温となっている冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることになる。
したがって、変成ガス用熱交換器において、低温で安定した冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることになるので、冷却水にて変成ガスを設定温度以下まで冷却させることができ、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0011】
以上のことから、請求項1に記載の発明によれば、燃料電池の排熱を活用して貯湯タンク内に湯水を貯湯することができながら、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる燃料電池システムを提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記排熱回収熱交換器を通過した冷却水を、その冷却水の熱を放熱させる放熱部を通過させたのち前記変成ガス用熱交換器に供給させる放熱用冷却水と前記放熱部を迂回させて前記変成ガス用熱交換器に供給させる非放熱用冷却水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段と、前記変成ガス用熱交換器に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、前記分流手段を制御する制御手段とが設けられている。
【0013】
すなわち、分流手段が、排熱回収熱交換器を通過した冷却水を、放熱部を通過させる放熱用冷却水と放熱部を通過させない非放熱用冷却水とに分流するので、排熱回収熱交換器を通過した冷却水のうち、放熱部を通過する冷却水の量を少なくすることができることになる。
したがって、放熱部にて冷却水の熱を放熱させない場合に、冷却水が放熱部を通過することにより生じる放熱ロスを極力抑制することができることになる。
【0014】
そして、制御手段は、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、分流手段を制御するので、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水の温度が不安定になる虞がある場合でも、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水を冷却用設定温度にすることができることになる。
したがって、変成ガス用熱交換器においては、冷却用設定温度で安定した冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることとなって、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0015】
ちなみに、冷却用設定温度は、変成ガス用熱交換器における冷却水と変成ガスとの熱交換により、変成ガス用熱交換器を通過した変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる温度に設定されている。
【0016】
以上のことから、冷却水が放熱部を通過することにより生じる放熱ロスを極力抑制しながらも、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、供給される改質水にて水蒸気を生成し、その生成した水蒸気を原燃料ガスに混合させる水蒸気生成部と、前記変成ガス用熱交換器に供給される前の変成ガスと前記水蒸気生成部に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器が設けられている。
【0018】
すなわち、改質水予熱用熱交換器において、変成ガス用熱交換器に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部に供給される前の改質水とを熱交換させることになるので、その熱交換により、変成ガスを冷却させかつ改質水を加熱させることができることになる。
したがって、変成用ガス熱交換器に供給される変成ガスの温度をより低温にすることができるとともに、水蒸気生成部にて水蒸気を生成するために必要となる熱量を小さくすることができることとなって、省エネルギー化を図りながらも、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池システムをコージェネレーションシステムに適応した例を図面に基づいて説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、水素と酸素の電気化学反応により発電する燃料電池システム1、その燃料電池システム1にて出力される排熱流体にて貯湯タンク2に貯湯して給湯する貯湯ユニット3、燃料電池システム1および貯湯ユニット3の運転を制御する制御手段としての運転制御部4などから構成されている。
【0020】
前記燃料電池システム1には、燃料電池5、燃料電池5に供給する水素含有ガスとしての燃料ガスを生成するガス生成部6、燃料電池5に酸素含有ガスとしての空気を供給するブロア7、燃料電池5から出力される直流電力を交流電力に変換して電力消費機器に供給するインバータ8が設けられている。
【0021】
前記燃料電池5は、例えば、高分子型の燃料電池を備え、ガス生成部6にて生成されて燃料ガス供給路9を通して供給される燃料ガス中の水素と、ブロア7から空気供給路10を通して供給される空気中の酸素とを電気化学反応させて発電するように構成されている。
【0022】
前記ガス生成部6は、供給される都市ガスなどの炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部11、供給される改質水にて水蒸気を生成して、その生成した水蒸気を原燃料ガスに混合させる水蒸気生成部12、水蒸気生成部12にて生成された水蒸気にて脱硫原燃料ガスを改質反応させて改質処理する改質部13、その改質部13から排出される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成部14、その変成部14から排出される変成ガス中に残留している一酸化炭素を除去するCO除去部15を備えて構成されている。
【0023】
前記改質部13における改質反応が吸熱反応であるので、改質用バーナ16aの燃焼熱により改質部13を加熱する改質処理用加熱部16が設けられている。
前記改質用バーナ16aは、燃料電池5からのオフガスを排燃料ガス路17を通して供給するとともに、ブロア7からの空気を空気供給路10から分岐された燃焼用空気供給路18を通して供給することにより燃焼させるように構成されている。
また、改質用バーナ16aにおける燃焼排ガスは、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用するように構成されている。
【0024】
前記脱硫部5に原燃料ガスを供給する燃料ガス供給路9の流路中には、燃料電池1への燃料ガス供給量を調整する燃料ガス供給量調整弁19が設けられている。
そして、運転制御部4が、燃料ガス供給量調整弁19の開度とブロア7の作動状態を制御することにより、燃料電池5に供給する燃料ガスの供給量および空気の供給量を調整して、燃料電池5からの発電出力を調整するように構成されている。
【0025】
前記燃料電池5の冷却水を循環させる冷却水循環路20には、冷却水の循環方向の上流側から、燃料電池5の冷却水と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器21、冷却水の熱を放熱させる放熱部としてのラジエター22、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水とCO除去部15に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器23、冷却水循環ポンプ24が設けられている。
また、変成ガス用熱交換器23に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部12に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器29が設けられている。
【0026】
前記冷却水循環路20には、燃料電池5からの冷却水を、排熱回収熱交換器21、ラジエター22、変成ガス用熱交換器23を迂回させる非排熱回収用バイパス路25と、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水を、ラジエター22を迂回させる非放熱用バイパス路26とが接続されている。
【0027】
そして、冷却水循環路20と非排熱回収用バイパス路25の下流側端部との接続箇所には、燃料電池5からの冷却水を、冷却水循環路20を通流させる排熱回収用冷却水と非排熱回収用バイパス路25を通流させる非排熱回収用冷却水とに分流させかつその分流比を調整可能な排熱回収用三方弁27が設けられている。
また、冷却水循環路20と非放熱用バイパス路26の下流側端部との接続箇所には、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水を、ラジエター22を通過させたのち変成ガス用熱交換器23に供給させる放熱用冷却水とラジエター22を迂回させた変成ガス用熱交換器23に供給させる非放熱用冷却水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段としての放熱用三方弁28が設けられている。
【0028】
ちなみに、図示はしないが、燃料電池5からの冷却水の温度または燃料電池5に戻る冷却水の温度を検出する温度センサが設けられ、運転制御部4は、その温度センサの検出情報に基づいて、排熱回収用三方弁27を制御するように構成されている。
【0029】
前記貯湯ユニット3は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク2、排熱回収熱交換器21を通過する状態で湯水循環路30を通して貯湯タンク2内の湯水を循環させる湯水循環手段としての湯水循環ポンプ31、改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの顕熱を回収する顕熱回収熱交換器32、その顕熱回収熱交換器32を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの潜熱を回収する潜熱回収熱交換器33、バーナ34の燃焼により貯湯タンク2から取り出した湯水を加熱させる補助加熱用熱交換器35などを備えて構成されている。
【0030】
そして、貯湯タンク2には、その下部から貯湯タンク2に水道水圧を用いて給水するように構成され、貯湯タンク2から取り出された量だけの水を貯湯タンク2に給水するように構成されている。
また、湯水循環路30は、貯湯タンク2の下部と上部とに連通接続され、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水を循環させて、貯湯タンク2の上部に戻すように構成されている。
【0031】
前記補助加熱用熱交換器35においては、バーナ34の燃焼量を調整することにより、湯水の温度が給湯設定温度になるように加熱させるように構成されている。
そして、顕熱回収熱交換器32は、湯水循環路30において排熱回収熱交換器21よりも湯水の通流方向の下流側に設けられ、排熱流体供給路36を通して改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて湯水循環路30を通流する湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの顕熱を回収するように構成されている。
【0032】
また、潜熱回収熱交換器33は、湯水循環路30において排熱回収熱交換器21よりも湯水の通流方向の上流側に設けられ、顕熱回収熱交換器24を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて排熱回収熱交換器23に供給される前の湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの潜熱を回収するように構成されている。
【0033】
このような燃料電池システム1では、変成ガス用熱交換器23に供給される燃料電池5の冷却水を冷却用設定温度(例えば、37℃〜45℃)の安定した温度とすることにより、変成ガス用熱交換器23を通過した変成ガスの温度を設定温度(例えば、40℃)以下になるように構成されているので、以下、その構成について説明を加える。
【0034】
前記排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の温度を検出する放熱用温度センサ37と、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水の温度を検出する変成ガス用温度センサ38とが設けられている。
そして、運転制御部4は、放熱用温度センサ37と変成ガス用温度センサ38の検出情報に基づいて、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、ラジエター22および放熱用三方弁28を制御するように構成されている。
【0035】
まず、ラジエター22の制御について説明を加えると、運転制御部4は、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用上限値(例えば、45℃)以上であると、ラジエター22の出力を最大出力(100%出力)に制御し、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用下限値(例えば、39℃)以下であると、ラジエター22を非作動状態(0%出力)に制御するようにしている。
そして、運転制御部4は、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用上限値(例えば、45℃)と放熱用下限値(例えば、39℃)の間であると、放熱用温度センサ37による検出温度が高くなるほど、ラジエター22の出力が大きくなるように、放熱用温度センサ37による検出温度に応じて最大出力(100%出力)と非作動状態(0%出力)との間でラジエター22の出力を制御するようにしている。
【0036】
次に、放熱用三方弁28の制御について説明を加えると、運転制御部4は、変成ガス用温度センサ38による検出温度が変成ガス用上限値(例えば、45℃)以上であると、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の全量を放熱用流体としてラジエター22を通過させるように放熱用三方弁28を制御し、放熱用温度センサ37による検出温度が変成ガス用下限値(例えば、37℃)以下であると、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の全量を非放熱用流体として非放熱用バイパス路26を通流させるように放熱用三方弁28を制御するようにしている。
そして、運転制御部4は、変成ガス用温度センサ38による検出温度が変成ガス用上限値(例えば、45℃)と変成ガス用下限値(例えば、37℃)の間であると、変成ガス用温度センサ38による検出温度が高くなるほど、非放熱用流体に対して放熱用流体が多量となるように、放熱用三方弁28を制御するようにしている。
【0037】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、変成ガス用熱交換器23を設ける構成に加えて、非放熱用バイパス路26や放熱用三方弁28を設けて、運転制御部4が、変成ガス用温度センサ38の検出情報に基づいて、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、放熱用三方弁28を制御する構成を採用しているが、単に、変成ガス用熱交換器23を設ける構成のみを採用して実施することも可能である。
【0038】
(2)上記実施形態では、変成ガス用熱交換器23に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部12に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器29が設けられているが、改質水予熱用熱交換器29を設けなくてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、湯水循環路30に顕熱回収熱交換器32および潜熱回収熱交換器33を設けて、改質用バーナ16aの燃焼ガスの顕熱および潜熱にて湯水循環路21を通流する湯水を加熱するように構成しているが、顕熱回収熱交換器32と潜熱回収熱交換器33の一方のみを設けたり、顕熱回収熱交換器32と潜熱回収熱交換器33の両方とも設けずに実施することも可能である。
【0040】
(4)上記実施形態では、排熱流体である改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用されたのち、顕熱回収熱交換器24に供給するようにしているが、例えば、水蒸気生成部12に別の熱源を設けて、改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、直接顕熱回収熱交換器24に供給するように構成して実施することも可能である。
【0041】
(5)上記実施形態では、燃料電池5が、高分子型である例を示したが、リン酸型のものなど各種の燃料電池を適応することが可能である。
【0042】
(6)上記実施形態では、本発明にかかる給湯併行式処理装置をコージェネレーションシステムに適応した例を示したが、コージェネレーションシステムに限らず、その他各種のシステムにも適応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コージェネレーションシステムの概略構成図
【符号の説明】
4 制御手段
5 燃料電池
13 改質部
14 変成部
15 CO除去部
21 排熱回収熱交換器
22 放熱部
23 変成ガス用熱交換器
28 分流手段
29 改質水予熱用熱交換器
30 湯水循環路
31 湯水循環手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられている燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池システムは、改質部にて改質処理した改質ガスを変成部に供給し、変成部にて変成処理した変成ガスをCO除去部に供給し、CO除去部にて一酸化炭素が除去された燃料ガスを燃料電池に供給するものである。
【0003】
上記のような燃料電池システムにおいて、従来では、供給される改質水にて水蒸気を生成し、その生成された水蒸気を改質部に供給する水蒸気生成部と、CO除去部に供給される前の変成ガスと改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器とが設けられ、改質水予熱用熱交換器において、改質水にてCO除去部に供給される変成ガスを冷却するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−83620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような燃料電池システムにおいては、CO除去部におけるCO除去の反応を安定させるためや、燃料電池に供給する燃料ガスの露点温度を設定範囲内にするために、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることが求められる。
そして、上記従来の燃料電池システムでは、変成ガスと改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器を設けて、その改質水予熱用熱交換器において、改質水にてCO除去部に供給される変成ガスを冷却することにより、CO除去部に供給する変成ガスの温度を下げるようにしている。
【0006】
しかしながら、上記従来の燃料電池システムにおいては、改質水が、例えば、水道水など、温度が安定していない水であるので、改質水予熱用熱交換器において、改質水と変成ガスとを熱交換しても、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができない虞があった。
例えば、改質水が水道水であると、夏季には改質水の温度が低温ではないので、改質水予熱用熱交換器において、改質水と変成ガスとを熱交換しても、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができないことになる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる燃料電池システムを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられている燃料電池システムにおいて、
貯湯タンクから取り出した湯水を湯水循環路を通して循環させたのち、前記貯湯タンクに戻す湯水循環手段と、燃料電池の冷却水と前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器と、その排熱回収熱交換器を通過した冷却水と前記CO除去部に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器とが設けられている。
【0009】
すなわち、湯水循環手段を作動させることにより、排熱回収熱交換器において、燃料電池の冷却水と貯湯タンクから取り出した湯水とを熱交換させることになるので、排熱回収熱交換器においては、冷却水にて湯水を加熱させることができ、その加熱された湯水を貯湯タンクに戻して、貯湯タンクに湯水が貯湯させることができることになる。
したがって、燃料電池の排熱を活用して、貯湯タンクに湯水を貯湯させることができることになる。
【0010】
また、変成ガス用熱交換器において、排熱回収熱交換器を通過した燃料電池の冷却水とCO除去部に供給される前の変成ガスとを熱交換させることになるので、変成ガス用熱交換器においては、排熱回収熱交換器における熱交換により低温となっている冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることになる。
したがって、変成ガス用熱交換器において、低温で安定した冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることになるので、冷却水にて変成ガスを設定温度以下まで冷却させることができ、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0011】
以上のことから、請求項1に記載の発明によれば、燃料電池の排熱を活用して貯湯タンク内に湯水を貯湯することができながら、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる燃料電池システムを提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記排熱回収熱交換器を通過した冷却水を、その冷却水の熱を放熱させる放熱部を通過させたのち前記変成ガス用熱交換器に供給させる放熱用冷却水と前記放熱部を迂回させて前記変成ガス用熱交換器に供給させる非放熱用冷却水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段と、前記変成ガス用熱交換器に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、前記分流手段を制御する制御手段とが設けられている。
【0013】
すなわち、分流手段が、排熱回収熱交換器を通過した冷却水を、放熱部を通過させる放熱用冷却水と放熱部を通過させない非放熱用冷却水とに分流するので、排熱回収熱交換器を通過した冷却水のうち、放熱部を通過する冷却水の量を少なくすることができることになる。
したがって、放熱部にて冷却水の熱を放熱させない場合に、冷却水が放熱部を通過することにより生じる放熱ロスを極力抑制することができることになる。
【0014】
そして、制御手段は、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、分流手段を制御するので、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水の温度が不安定になる虞がある場合でも、変成ガス用熱交換器に供給される冷却水を冷却用設定温度にすることができることになる。
したがって、変成ガス用熱交換器においては、冷却用設定温度で安定した冷却水と変成ガスとを熱交換させることができることとなって、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0015】
ちなみに、冷却用設定温度は、変成ガス用熱交換器における冷却水と変成ガスとの熱交換により、変成ガス用熱交換器を通過した変成ガスの温度を設定温度以下とすることができる温度に設定されている。
【0016】
以上のことから、冷却水が放熱部を通過することにより生じる放熱ロスを極力抑制しながらも、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、供給される改質水にて水蒸気を生成し、その生成した水蒸気を原燃料ガスに混合させる水蒸気生成部と、前記変成ガス用熱交換器に供給される前の変成ガスと前記水蒸気生成部に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器が設けられている。
【0018】
すなわち、改質水予熱用熱交換器において、変成ガス用熱交換器に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部に供給される前の改質水とを熱交換させることになるので、その熱交換により、変成ガスを冷却させかつ改質水を加熱させることができることになる。
したがって、変成用ガス熱交換器に供給される変成ガスの温度をより低温にすることができるとともに、水蒸気生成部にて水蒸気を生成するために必要となる熱量を小さくすることができることとなって、省エネルギー化を図りながらも、CO除去部に供給する変成ガスの温度を設定温度以下とすることができることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池システムをコージェネレーションシステムに適応した例を図面に基づいて説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、水素と酸素の電気化学反応により発電する燃料電池システム1、その燃料電池システム1にて出力される排熱流体にて貯湯タンク2に貯湯して給湯する貯湯ユニット3、燃料電池システム1および貯湯ユニット3の運転を制御する制御手段としての運転制御部4などから構成されている。
【0020】
前記燃料電池システム1には、燃料電池5、燃料電池5に供給する水素含有ガスとしての燃料ガスを生成するガス生成部6、燃料電池5に酸素含有ガスとしての空気を供給するブロア7、燃料電池5から出力される直流電力を交流電力に変換して電力消費機器に供給するインバータ8が設けられている。
【0021】
前記燃料電池5は、例えば、高分子型の燃料電池を備え、ガス生成部6にて生成されて燃料ガス供給路9を通して供給される燃料ガス中の水素と、ブロア7から空気供給路10を通して供給される空気中の酸素とを電気化学反応させて発電するように構成されている。
【0022】
前記ガス生成部6は、供給される都市ガスなどの炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部11、供給される改質水にて水蒸気を生成して、その生成した水蒸気を原燃料ガスに混合させる水蒸気生成部12、水蒸気生成部12にて生成された水蒸気にて脱硫原燃料ガスを改質反応させて改質処理する改質部13、その改質部13から排出される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成部14、その変成部14から排出される変成ガス中に残留している一酸化炭素を除去するCO除去部15を備えて構成されている。
【0023】
前記改質部13における改質反応が吸熱反応であるので、改質用バーナ16aの燃焼熱により改質部13を加熱する改質処理用加熱部16が設けられている。
前記改質用バーナ16aは、燃料電池5からのオフガスを排燃料ガス路17を通して供給するとともに、ブロア7からの空気を空気供給路10から分岐された燃焼用空気供給路18を通して供給することにより燃焼させるように構成されている。
また、改質用バーナ16aにおける燃焼排ガスは、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用するように構成されている。
【0024】
前記脱硫部5に原燃料ガスを供給する燃料ガス供給路9の流路中には、燃料電池1への燃料ガス供給量を調整する燃料ガス供給量調整弁19が設けられている。
そして、運転制御部4が、燃料ガス供給量調整弁19の開度とブロア7の作動状態を制御することにより、燃料電池5に供給する燃料ガスの供給量および空気の供給量を調整して、燃料電池5からの発電出力を調整するように構成されている。
【0025】
前記燃料電池5の冷却水を循環させる冷却水循環路20には、冷却水の循環方向の上流側から、燃料電池5の冷却水と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器21、冷却水の熱を放熱させる放熱部としてのラジエター22、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水とCO除去部15に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器23、冷却水循環ポンプ24が設けられている。
また、変成ガス用熱交換器23に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部12に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器29が設けられている。
【0026】
前記冷却水循環路20には、燃料電池5からの冷却水を、排熱回収熱交換器21、ラジエター22、変成ガス用熱交換器23を迂回させる非排熱回収用バイパス路25と、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水を、ラジエター22を迂回させる非放熱用バイパス路26とが接続されている。
【0027】
そして、冷却水循環路20と非排熱回収用バイパス路25の下流側端部との接続箇所には、燃料電池5からの冷却水を、冷却水循環路20を通流させる排熱回収用冷却水と非排熱回収用バイパス路25を通流させる非排熱回収用冷却水とに分流させかつその分流比を調整可能な排熱回収用三方弁27が設けられている。
また、冷却水循環路20と非放熱用バイパス路26の下流側端部との接続箇所には、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水を、ラジエター22を通過させたのち変成ガス用熱交換器23に供給させる放熱用冷却水とラジエター22を迂回させた変成ガス用熱交換器23に供給させる非放熱用冷却水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段としての放熱用三方弁28が設けられている。
【0028】
ちなみに、図示はしないが、燃料電池5からの冷却水の温度または燃料電池5に戻る冷却水の温度を検出する温度センサが設けられ、運転制御部4は、その温度センサの検出情報に基づいて、排熱回収用三方弁27を制御するように構成されている。
【0029】
前記貯湯ユニット3は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク2、排熱回収熱交換器21を通過する状態で湯水循環路30を通して貯湯タンク2内の湯水を循環させる湯水循環手段としての湯水循環ポンプ31、改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの顕熱を回収する顕熱回収熱交換器32、その顕熱回収熱交換器32を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスと湯水循環路30を通流する湯水とを熱交換させて、燃焼排ガスの潜熱を回収する潜熱回収熱交換器33、バーナ34の燃焼により貯湯タンク2から取り出した湯水を加熱させる補助加熱用熱交換器35などを備えて構成されている。
【0030】
そして、貯湯タンク2には、その下部から貯湯タンク2に水道水圧を用いて給水するように構成され、貯湯タンク2から取り出された量だけの水を貯湯タンク2に給水するように構成されている。
また、湯水循環路30は、貯湯タンク2の下部と上部とに連通接続され、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水を循環させて、貯湯タンク2の上部に戻すように構成されている。
【0031】
前記補助加熱用熱交換器35においては、バーナ34の燃焼量を調整することにより、湯水の温度が給湯設定温度になるように加熱させるように構成されている。
そして、顕熱回収熱交換器32は、湯水循環路30において排熱回収熱交換器21よりも湯水の通流方向の下流側に設けられ、排熱流体供給路36を通して改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて湯水循環路30を通流する湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの顕熱を回収するように構成されている。
【0032】
また、潜熱回収熱交換器33は、湯水循環路30において排熱回収熱交換器21よりも湯水の通流方向の上流側に設けられ、顕熱回収熱交換器24を通過した改質用バーナ16aの燃焼排ガスを通流させることにより、改質用バーナ13aの燃焼排ガスにて排熱回収熱交換器23に供給される前の湯水を加熱させて、改質用バーナ13aの燃焼排ガスの潜熱を回収するように構成されている。
【0033】
このような燃料電池システム1では、変成ガス用熱交換器23に供給される燃料電池5の冷却水を冷却用設定温度(例えば、37℃〜45℃)の安定した温度とすることにより、変成ガス用熱交換器23を通過した変成ガスの温度を設定温度(例えば、40℃)以下になるように構成されているので、以下、その構成について説明を加える。
【0034】
前記排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の温度を検出する放熱用温度センサ37と、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水の温度を検出する変成ガス用温度センサ38とが設けられている。
そして、運転制御部4は、放熱用温度センサ37と変成ガス用温度センサ38の検出情報に基づいて、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、ラジエター22および放熱用三方弁28を制御するように構成されている。
【0035】
まず、ラジエター22の制御について説明を加えると、運転制御部4は、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用上限値(例えば、45℃)以上であると、ラジエター22の出力を最大出力(100%出力)に制御し、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用下限値(例えば、39℃)以下であると、ラジエター22を非作動状態(0%出力)に制御するようにしている。
そして、運転制御部4は、放熱用温度センサ37による検出温度が放熱用上限値(例えば、45℃)と放熱用下限値(例えば、39℃)の間であると、放熱用温度センサ37による検出温度が高くなるほど、ラジエター22の出力が大きくなるように、放熱用温度センサ37による検出温度に応じて最大出力(100%出力)と非作動状態(0%出力)との間でラジエター22の出力を制御するようにしている。
【0036】
次に、放熱用三方弁28の制御について説明を加えると、運転制御部4は、変成ガス用温度センサ38による検出温度が変成ガス用上限値(例えば、45℃)以上であると、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の全量を放熱用流体としてラジエター22を通過させるように放熱用三方弁28を制御し、放熱用温度センサ37による検出温度が変成ガス用下限値(例えば、37℃)以下であると、排熱回収熱交換器21を通過した冷却水の全量を非放熱用流体として非放熱用バイパス路26を通流させるように放熱用三方弁28を制御するようにしている。
そして、運転制御部4は、変成ガス用温度センサ38による検出温度が変成ガス用上限値(例えば、45℃)と変成ガス用下限値(例えば、37℃)の間であると、変成ガス用温度センサ38による検出温度が高くなるほど、非放熱用流体に対して放熱用流体が多量となるように、放熱用三方弁28を制御するようにしている。
【0037】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、変成ガス用熱交換器23を設ける構成に加えて、非放熱用バイパス路26や放熱用三方弁28を設けて、運転制御部4が、変成ガス用温度センサ38の検出情報に基づいて、変成ガス用熱交換器23に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、放熱用三方弁28を制御する構成を採用しているが、単に、変成ガス用熱交換器23を設ける構成のみを採用して実施することも可能である。
【0038】
(2)上記実施形態では、変成ガス用熱交換器23に供給される前の変成ガスと水蒸気生成部12に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器29が設けられているが、改質水予熱用熱交換器29を設けなくてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、湯水循環路30に顕熱回収熱交換器32および潜熱回収熱交換器33を設けて、改質用バーナ16aの燃焼ガスの顕熱および潜熱にて湯水循環路21を通流する湯水を加熱するように構成しているが、顕熱回収熱交換器32と潜熱回収熱交換器33の一方のみを設けたり、顕熱回収熱交換器32と潜熱回収熱交換器33の両方とも設けずに実施することも可能である。
【0040】
(4)上記実施形態では、排熱流体である改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、水蒸気生成部12において、水蒸気を生成するための熱源として使用されたのち、顕熱回収熱交換器24に供給するようにしているが、例えば、水蒸気生成部12に別の熱源を設けて、改質用バーナ16aの燃焼排ガスを、直接顕熱回収熱交換器24に供給するように構成して実施することも可能である。
【0041】
(5)上記実施形態では、燃料電池5が、高分子型である例を示したが、リン酸型のものなど各種の燃料電池を適応することが可能である。
【0042】
(6)上記実施形態では、本発明にかかる給湯併行式処理装置をコージェネレーションシステムに適応した例を示したが、コージェネレーションシステムに限らず、その他各種のシステムにも適応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コージェネレーションシステムの概略構成図
【符号の説明】
4 制御手段
5 燃料電池
13 改質部
14 変成部
15 CO除去部
21 排熱回収熱交換器
22 放熱部
23 変成ガス用熱交換器
28 分流手段
29 改質水予熱用熱交換器
30 湯水循環路
31 湯水循環手段
Claims (3)
- 供給される原燃料ガスを改質処理する改質部と、その改質部から供給される改質ガスを変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去部とが設けられている燃料電池システムであって、
貯湯タンクから取り出した湯水を湯水循環路を通して循環させたのち、前記貯湯タンクに戻す湯水循環手段と、燃料電池の冷却水と前記湯水循環路を通流する湯水とを熱交換させる排熱回収熱交換器と、その排熱回収熱交換器を通過した冷却水と前記CO除去部に供給される前の変成ガスとを熱交換させる変成ガス用熱交換器とが設けられている燃料電池システム。 - 前記排熱回収熱交換器を通過した冷却水を、その冷却水の熱を放熱させる放熱部を通過させたのち前記変成ガス用熱交換器に供給させる放熱用冷却水と前記放熱部を迂回させて前記変成ガス用熱交換器に供給させる非放熱用冷却水とに分流しかつその分流比を調整可能な分流手段と、
前記変成ガス用熱交換器に供給される冷却水が冷却用設定温度になるように、前記分流手段を制御する制御手段とが設けられている請求項1に記載の燃料電池システム。 - 供給される改質水にて水蒸気を生成し、その生成した水蒸気を前記原燃料ガスに混合させる水蒸気生成部と、前記変成ガス用熱交換器に供給される前の変成ガスと前記水蒸気生成部に供給される前の改質水とを熱交換させる改質水予熱用熱交換器が設けられている請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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