JP3601201B2 - 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造 - Google Patents

長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3601201B2
JP3601201B2 JP22842596A JP22842596A JP3601201B2 JP 3601201 B2 JP3601201 B2 JP 3601201B2 JP 22842596 A JP22842596 A JP 22842596A JP 22842596 A JP22842596 A JP 22842596A JP 3601201 B2 JP3601201 B2 JP 3601201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
brazing
alloy
eutectic
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22842596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1071489A (ja
Inventor
周 黒田
建 当摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP22842596A priority Critical patent/JP3601201B2/ja
Publication of JPH1071489A publication Critical patent/JPH1071489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3601201B2 publication Critical patent/JP3601201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造に関するものであり、特に熱交換器など各種構造用部材のろう付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラジエータなど熱交換器は、図1の断面図に示されるような芯材2とフィン3をろう付け部1で接合したろう付け構造を有している。この熱交換器のろう付け構造は、芯材およびフィン材をそれぞれJIS 3003(重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物)Al−Mn系合金板材で構成し、これらをろう付け部1で接合している。
【0003】
ろう付けは、通常、固相であるα相が液相中に一部晶出している固液共存の領域で行われるが、ろう付け時に接合に寄与するのは液相であり、これが流動することにより被接合材と接合される。ろう付け後はろう付け時に液相であったのが共晶組織となり、共晶組織におけるα相を以下「共晶α相」と呼び、固液共存の領域において晶出しているα相の固相を以下「初晶α相」と呼ぶと、初晶α相はろう付け部全体に占める体積比率が大きく、共晶α相はろう付け部全体に占める体積比率が比較的少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記Al−Zn系Al合金ろう材で形成されたろう付け部のZnの固溶量は、初晶α相の方が共晶α相よりも多くなる。これはAl−Zn二元平衡状態図からも理解できる。このようにろう付けして得られたろう付け部の初晶α相および共晶α相は、Znの固溶量の違いにより、共晶α相は初晶α相に比べて電気化学的に卑になり優先的に腐食される。したがって、芯材およびフィン材などのAl合金との隣接部のろう付け部の大部分がろう付け時に流動してできた電気化学的に卑な共晶α相からなるため、隣接部から優先的に腐食が進行し、早期に被接合材との剥離が起こり、接合強度が低下してしまうという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、従来よりも長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造を得るべく研究を行った結果、
(I)Al−Zn系Al合金ろう材で形成されたろう付け部の共晶α相を初晶α相よりも電気化学的に貴にすればよい、
(II)そのためには、下記の(a)〜(h)に示されるCuを含有するAl−Zn系Al合金ろう材からなるろう付け部を形成し、ろう付け後のろう付け部を580℃から400℃の間の冷却速度を35〜200℃/minで冷却し、ろう付け部の液相中のCu濃縮させ、共晶α相中のCu固溶量を多くすれば良い、
(a)重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(b)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(c)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(d)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(e)重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(f)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(g)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
(h)Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、
という知見を得たのである。
【0006】
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(2)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(3)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(4)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(5)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(6)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(7)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
(8)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、
に特徴を有するものである。
【0007】
この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造の芯材およびフィン材となるAl合金は、いかなるAl合金でも良く、特に限定されるものではないが、重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金であることが特に好ましい。
【0008】
この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造におけるろう付け部は、(i)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するAl合金ろう材をクラッドしてなるブレージングシートを接触させた状態で加熱することにより、(ii)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するAl合金ろう材粉末とフラックスおよび溶剤もしくは溶剤とバインダーからなるペーストを加熱することにより、または、(iii)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するプリフォームされたAl合金ろう材を加熱することによりろう付けした後、ろう付け部を580℃から400℃の間の冷却速度を35〜200℃/minで冷却することにより形成することができる。
【0009】
ろう付け後のろう付け部を炉冷すると、冷却速度が遅いので、共晶α相におけるCuが晶出してCuの固溶量が少なくなり、通常の共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に卑になる組織が形成されるが、ろう付け部の冷却速度を早くすると、特に580℃から400℃の間の冷却速度を35℃/min以上に早くすると、共晶α相におけるCuの固溶量が多くなり、共晶α相を初晶α相よりも電気化学的に貴にすることができる。しかし、実装炉では200℃/min以上の速度で冷却することは不可能であるところから、ろう付け部の冷却速度を35〜200℃/minに定めた。
【0010】
この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造は、特に熱交換器のろう付け構造として用いるのが好ましく、特に自動車の熱交換器のろう付け構造として用いるのが好ましい。次に、この発明のろう付け性および長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造の成分組成を上述のごとく限定した理由を述べる。
【0011】
Zn:
ろう付け部におけるZnは、融点を低下させると共に、流動性を付与してろう付け性を向上させ、被接合部材に拡散してろう材表面から心材内部へ電気化学的性質の勾配(すなわち電位勾配を貴から卑にする勾配)を形成する作用があるが、その含有量が15%未満では所望の効果が得られず、一方、83%を越えて含有すると、ろう付け部の腐食速度が大きくなって防食寿命が短縮され、さらに加工性および耐エロージョン性が低下するので好ましくない。したがって、Zn:15〜83%に定めた。Znの含有量の一層好ましい範囲は20〜55%である。
【0012】
Cu:
Cuは、ろう付け部形成時に共晶α相に濃縮することにより、ろう付け部の共晶α相の電気化学的性質を貴にし、初晶α相を優先的に溶解させて、Al合金と被接合部材の隣接部の耐食性および接合強度を維持する作用があるが、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、4.5%を越えて含有すると、共晶α相へ濃縮したCuが析出し、カソードとなるためにろう付け部の腐食速度が急激に大きくなり、防食効果の寿命が短縮されるので好ましくない。したがって、Cu:0.1〜4.5%に定めた。Cuの含有量の一層好ましい範囲は0.5〜2.0%である。
【0013】
Si:
ろう付け部におけるSiは、ろう付け部形成時のろう材の融点を低下させるとともに流動性を付与し、きれいなろう付け部を形成する成分であるので必要に応じて添加するが、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、0.5%以上ではSi粒子が現れて腐食速度が著しく増加するので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるSiの含有量は0.1〜0.5%に定めた。Siの含有量の一層好ましい範囲は0.2〜0.4%である。
【0014】
In、Sn:
これら成分は、いずれもろう付け部の電気化学的性質を卑にし、被接合部材に対する犠牲陽極効果を向上させる成分であるので必要に応じて添加するが、その含有量がそれぞれIn:0.001%未満、Sn:0.001%未満では所望の効果が得られず、一方、In:0.3%を越え、Sn:0.3%を越えて含有すると圧延などの加工性が低下すると共に、腐食速度が大きくなり、防食効果の寿命が短縮されるので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるIn、Snの含有量は、それぞれIn:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%に定めた。これら成分の一層好ましい範囲は、In:0.05〜0.1%、Sn:0.05〜0.1%である。
【0015】
Bi、Be:
これら成分は、いずれもろう付け部の機械的性質を向上させ、ろう付け部形成時のろう材の流動性を向上させる成分であるので、必要に応じて添加するが、その含有量がそれぞれBi:0.01%未満、Be:0.0005%未満では所望の効果が得られず、一方、Bi:0.1%を越え、Be:0.1%を越えて含有すると加工性が低下するので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるBi、Beの含有量は、それぞれBi:0.01〜0.1%、Be:0.0005〜0.1%に定めた。これら成分の一層好ましい範囲は、Bi:0.03〜0.07%、Be:0.001〜0.01%である。
【0016】
【発明の実施の形態】
JIS 3003のAl合金(Si:0.6%、Fe:0.7%、Mg:0.1%以下、Mn:1.2%、Zn:0.10%以下を含有し、残部:Alおよび不可避不純物)からなるそれぞれ厚さ:0.95mmの心材および厚さ:0.1mmのフィン材を用意した。さらに、表1〜表3に示す成分組成を有するAl合金ろう材A〜dも用意した。
【0017】
【表1】
Figure 0003601201
【0018】
【表2】
Figure 0003601201
【0019】
【表3】
Figure 0003601201
【0020】
前記JIS 3003のAl合金からなる厚さ:0.95mmの心材および厚さ:0.1mmのフィン材を組み付けた後、表1〜表3に示す成分組成のろう材A〜dを用いて窒素ガス雰囲気中、温度:600℃、3分間保持の条件でろう付けし、のど厚:0.5mmのろう付け部を形成し、このろう付け部を580℃から400℃までを表4〜表7に示される冷却速度で冷却することにより、表1〜表3に示す成分組成のろう材A〜dと同じ組成および表4〜表7に示される電位の共晶α相および初晶α相からなる組織を持ったろう付け部を有する本発明ろう付け構造1〜26および比較ろう付け構造1〜4を作製した。
【0021】
ろう付け構造のろう付け部の組織における共晶α相および初晶α相の電位は、ろう付け部表面を研磨して表面を平滑面とし、その表面を光学顕微鏡(100倍)で観察し、まず、初晶α相を塗装シールし、塗膜が乾燥した後、3.5%食塩水(25℃)に浸漬して電位計で電位を測定することにより共晶α相の電位を決定し、次に、共晶α相を塗装シールし、塗膜が乾燥した後、3.5%食塩水(25℃)に浸漬して電位計で電位を測定することにより初晶α相の電位を決定することにより求めた。
【0022】
このようにして得られた本発明ろう付け構造1〜26および比較ろう付け構造1〜4をASTM規格G85−85に規定される20日間のSWAAT耐食試験(噴霧液の酢酸酸性人工海水を50℃で30分間噴霧し、さらに50℃で90分間湿潤させる試験)を行い、ろう付け部の最大孔食深さを測定し、その結果を表3〜表5に示し、ろう付け部の耐食性を評価した。
【0023】
さらに前記SWAAT耐食試験した本発明ろう付け構造1〜26および比較ろう付け構造1〜4のフィンを引きむしり取り、破断する個所を観察し、その結果を表4〜表10に示し、ろう付け部の強度を評価した。ろう付け構造のろう付け部に形成された孔食深さが短ければろう付け部の強度が確保され、フィンが破断するが、孔食深さが長いとろう付け部の強度が低下してろう付け部が破断するところからろう付け部の強度が評価できる。
【0024】
【表4】
Figure 0003601201
【0025】
【表5】
Figure 0003601201
【0026】
【表6】
Figure 0003601201
【0027】
【表7】
Figure 0003601201
【0028】
【発明の効果】
表4〜表7に示される結果から、本発明ろう付け構造1〜26は、比較ろう付け構造1〜4に比べて耐食性および強度などいずれも優れていることも分かる。上述のように、この発明のろう付け構造は、長期にわたって優れた耐食性および強度が共に優れ、産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろう付け構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ろう付け部
2 芯材
3 フィン

Claims (9)

  1. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  2. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  3. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  4. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  5. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  6. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  7. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  8. Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、
    重量%で、Zn:15〜83%、Cu:0.1〜4.5%、Si:0.1〜0.5%未満を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
  9. 前記Al合金は、重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
JP22842596A 1996-08-29 1996-08-29 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造 Expired - Fee Related JP3601201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22842596A JP3601201B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22842596A JP3601201B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1071489A JPH1071489A (ja) 1998-03-17
JP3601201B2 true JP3601201B2 (ja) 2004-12-15

Family

ID=16876286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22842596A Expired - Fee Related JP3601201B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3601201B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102500949B (zh) * 2011-11-03 2013-10-16 吉林大学 一种钎焊铜和钢的中温锌基钎料及其制备方法
JP2017036895A (ja) * 2015-08-12 2017-02-16 三菱アルミニウム株式会社 熱交換器用アルミニウム合金チューブ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1071489A (ja) 1998-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5302751B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
US4203490A (en) Heat exchanger core having fin members serving as sacrificial anodes
JP5115963B2 (ja) 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法
KR20020079980A (ko) 경납땜 시트 제품 및 상기 경납땜 시트 제품을 이용하여조립체를 제조하는 방법
KR20130090767A (ko) 알루미늄 합금제 열교환기의 제조 방법
JP2009058139A (ja) 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材
JP2009058167A (ja) 耐食性に優れたチューブを用いたアルミニウム熱交換器および耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法
JP3224440B2 (ja) 熱交換器ろう付用アルミニウム合金ろう材および熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート
JP3091098B2 (ja) 熱交換器用はんだ合金
JP3704632B2 (ja) アルミニウム製熱交換器用フィン材およびアルミニウム製熱交換器の製造方法
JP3601197B2 (ja) 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造
US7056597B2 (en) Brazing sheet product and method of its manufacture
JPH06182581A (ja) 熱交換器ろう付用アルミニウム合金ろう材および熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート
JP3601201B2 (ja) 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造
CA2508028C (en) Brazing sheet product having a clad layer and a coated layer of iron alloy and method of its manufacture
KR20070101866A (ko) 알루미늄합금 브레이징 재료
JP6738667B2 (ja) 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JP3205410B2 (ja) 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート
JP2002275565A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器
JP2001062587A (ja) 低融点アルミニウム合金ろう材
JP6738666B2 (ja) 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JPS6261104B2 (ja)
JP3549027B2 (ja) Al系製品の製造方法
JPH06184687A (ja) 熱交換器用高強度アルミニウム合金ブレージングシート
JP3595067B2 (ja) アルミニウム合金ろう並びにこれを用いて製造した熱交換器およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees