JP3600923B2 - 硬化性液状組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線、電子線などの放射線の照射、あるいは加熱により硬化し、樹脂を形成する硬化性液状組成物に関するものであり、特にコーティング材料、インキ、成型材料などの用途に好適な硬化性液状組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液状物質を架橋硬化させて樹脂を形成させる技術には、レゾール型フェノール樹脂の酸触媒熱架橋、メチロールメラミン等のホルマリン樹脂の酸触媒熱架橋、アミノアルキド樹脂の酸触媒熱架橋、(メタ)アクリル酸エステル基(アクリル酸エステル基又はメタクリル酸エステル基)含有化合物のラジカルまたはカチオン触媒による放射線または熱架橋、あるいはマレイン酸エステル基含有化合物のラジカル熱架橋を用いる技術などがある。
【0003】
このうち、特に、二重結合の重合を利用する、放射線あるいは熱によるラジカルあるいはカチオン重合触媒による架橋を用いる技術については、その硬化速度が速いことと硬化樹脂物性を任意に変えることができることとにより、適用分野が広い。そのため、その応用用途が広がって注目を集めており、塗料やインキあるいは成型材料へも応用されている。
【0004】
しかしながら、この技術は、その組成物の構造内に有する(メタ)アクリル酸エステル基あるいはマレイン酸エステル基等のエステル結合のために、耐加水分解性に劣り、利用範囲が限定されるという問題がある。
【0005】
なお、後者のマレイン酸エステル基含有化合物の硬化には、上記問題を解決するために、スチレンを共重合させることが一般に行なわれているが、スチレンを共重合させると、スチレンの構造に起因する固さ、もろさが硬化物物性上の欠点として出て、その応用範囲を制限するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、放射線あるいは熱によるラジカルあるいはカチオン重合触媒による架橋によって硬化する新規な硬化性液状組成物を提供することであり、その硬化により形成された硬化樹脂が耐加水分解性に優れる硬化性液状組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記欠点を解決すべく鋭意研究した結果、特定構造物質が、放射線あるいは熱によるラジカルあるいはカチオン重合性に優れ、かつ、その硬化物が耐加水分解性に優れるとともに、機械的物性のバランスが良好であることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の硬化性液状組成物は、下記一般式(I)で表わされるプロペニル化合物と、該プロペニル化合物よりも高分子量のオリゴマー化合物とを含有し、加熱又は放射線照射によるラジカル重合又はカチオン重合により硬化するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0003600923
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性液状組成物は、上記一般式(I)で表わされるプロペニル化合物を必須成分とするとともにオリゴマー化合物を含有し、さらに、適宜に、重合開始剤、添加剤などを含有してなるものである。これらの配合割合は、特に限定されず、使用目的や用途に応じて、広い範囲から選択することができる。前記硬化性液状組成物は、好ましくは、前記プロペニル化合物を10重量%以上、即ち10〜100重量%含有する。
【0011】
前記プロペニル化合物は、アルキルフェノールのプロペニル化によって得られたアルキルプロペニルフェノールにアルキレンオキシドを付加することにより得られる。
【0012】
ここに使用されるアルキルフェノールとしては、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、ペンチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、ジブチルフェノール、ジオクチルフェノール、ジノニルフェノール等を用いることができる。アルキルフェノールのプロペニル化には、次の方法が有効であるが、本特許は以下の合成法を特定するものではない。
【0013】
すなわち、ハロゲン化アリルとアルキルフェノールとを、塩基性物質とともに反応させ、更に100℃位に加熱することにより、アリルアルキルフェノールを得る。
【0014】
この段階にて、ハロゲン化アリル及び塩基性物質の量を調整することにより、アルキルフェノールに対しアリル基の1置換体や2置換体等を得ることができる。
【0015】
より詳細には、例えば、アルキルフェノールとしてフェノール、ハロゲン化アリルとしてアリルブロマイド、塩基性物質としてNaOHを用いた場合、以下の反応式▲1▼、▲2▼に従って、アリルアルキルフェノールが得られる。
【0016】
【化3】
Figure 0003600923
【化4】
Figure 0003600923
さらに、アリルブロマイド及びNaOHの量によって、下記反応式▲3▼、▲4▼が進み、ジアリルアルキルフェノールが得られる。
【0017】
【化5】
Figure 0003600923
【化6】
Figure 0003600923
このように、アリルブロマイドとNaOHの量を調整することにより、アリル基の1〜3置換体を得ることができる。
【0018】
なお、上記反応式▲1▼〜▲4▼の反応は、NaOH存在下では、連続的に、かつ、同時に起り得る。そのため、厳密には、1モルのフェノールに対して1モルのアリルブロマイドを反応させても、2置換体が若干副生される。
【0019】
このようにして得られた(ポリ)アリルアルキルフェノール(アリルアルキルフェノール又はポリアリルアルキルフェノール)をNaOHの存在下に、200℃に加熱することにより、(ポリ)プロペニルアルキルフェノールを得ることができる。
【0020】
この化合物に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドが好ましく、前記一般式(I)の化合物を得るためには、エチレンクロルヒドリン、プロピレンクロルヒドリン等のクロルヒドリン化合物、またはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物を原料として用いることもできる。
【0021】
本発明の硬化性液状組成物においては、以上により得られる一般式(I)で表わされるプロペニル化合物を1種のみ使用してもよいが、複数種の前記プロペニル化合物を併用する方が好ましい。
【0022】
なお、上記一般式(I)において、プロペニル基は、好ましくは、1置換体の場合には2位、2置換体の場合には2,6位、3置換体の場合には2,4,6位に配される。また、Rは、好ましくは、4位に配される。
【0023】
本発明の硬化性液状組成物、上述したようにオリゴマー化合物を含有し、前記プロペニル化合物よりも高分子量の化合物であるオリゴマー化合物を含有せしめることは硬化物の物性上好ましい。
【0024】
このようなオリゴマー化合物に該当するものとしては、(メタ)アクリル酸エステルの低重合体、塩化ビニルの低重合体等のビニル重合によるオリゴマー領域分子量物や、(メタ)アクリル酸エステル基を分子内に有するオリゴマー分子量物がある。例えば、ウレタンアクリレートと一般に称せられる分子内にウレタン構造を有するアクリルオゴマー、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応によってエポキシ基が開環してできる一般にエポキシアクリレートと称せられるアクリルオリゴマー、ポリエステル構造から主としてなるポリエステルアクリレートと称せられるアクリルオゴマー、あるいはポリブタジエンポリオールの(メタ)アクリル酸エステルであるポリブタジエンアクリレート等がある。
【0025】
なお、(メタ)アクリル酸エステル基を分子内に有するオリゴマー分子量物との併用は耐加水分解性においては、(メタ)アクリル酸エステル基が組成内に入ることによって劣るが、前記プロペニル化合物を使用することによって、使用しない場合との比較においては、耐加水分解性は改良される。
【0026】
この組成物を硬化させる手段としては、熱又は紫外線もしくは電子線などの放射線の照射が必要であり、そのためには重合開始剤を併用することが望ましい。
【0027】
この開始剤種としては、ラジカル重合種あるいはカチオン重合種があり、重合開始の手段によって、熱重合用あるいは光重合用に分けることができる。前記プロペニル化合物の重合開始は、そのいずれにも適用可能である。
【0028】
そのため、重合開始剤としては、例えば、ラジカル光重合開始剤として、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど、ラジカル熱重合開始剤として、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなど、カチオン光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサクロロホスフェートのようなオニウム塩やアリールジアゾニウム塩など、カチオン熱重合開始剤として、三フッ化ホウ素エーテル錯塩等のルイス酸などを用いることができる。
【0029】
本発明の硬化性液状組成物は、前記プロペニル化合物を主成分又は必須成分とするものであるが、前記オリゴマー化合物以外にも、既存のビニル系モノマー、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸エステル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン等と併用することができる。
【0030】
また、実用化に際して、(メタ)アクリル酸エステル等のビニルモノマーやフィラー、補強剤、消泡剤、着色剤などを必要に応じ併用できる。
【0031】
本発明の硬化性液状組成物であれば、加熱あるいは放射線の照射によりラジカル又はカチオン重合して、容易に硬化、樹脂化することができ、その硬化時における発熱も緩やかであり、クラックがはいりにくい。かつ、硬化した樹脂は固いが伸びがあり、靭性を示す。更に、耐加水分解性が良好であるために、長期にわたる高温煮沸においても、物性の低下や表面状態の変化も認められない。
【0032】
すなわち、本発明の硬化性液状組成物は、比較的容易に硬化させ樹脂化することができ、また、その硬化速度が速いことより、コーティング材料、インキ、あるいは成型材料に用いることができる。特に耐水性が良好であることより、コンクリート等のアルカリ物質への、あるいはコンクリート用型枠合板のコーティング剤として、また、浴槽、タイル等水との接触の多い材料のコーティング剤として、またFRP製ボート等の成型材料に用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に説明する。なお、実施例中、部とあるのは、特記しない限り、重量部である。
【0034】
合成例1
(2−(1−プロペニル)フェノールエチレンオキシド2モル付加体の合成)
撹拌機、温度計、還流管を備えた反応容器に、フェノール94g(1.0モル)、NaOH40g(1.0モル)およびアセトン210gを仕込み、撹拌しながら内温を40℃に昇温した。次にアリルブロマイド121g(1.0モル)を1時間かけて滴下した。
【0035】
滴下終了後、さらに40℃に2時間保ち、反応を行なった。反応生成物を濾過し、副生したNaBrを除去した後、減圧下にアセトンを除去し、アリルフェニルエーテル130g(収率97%)を得た。
【0036】
このアリルフェニルエーテル67g(0.5モル)をオートクレーブに仕込み、200℃で5時間撹拌保持した。この段階で転位反応が起こり、アリルフェノールとした。次いで、室温まで冷却し、触媒としてNaOH1.4gを加え、オートクレーブ内を窒素置換した後、130℃で1〜2kg/cmの圧力下においてエチレンオキシド44g(1モル)を反応させ、次いで硫酸で中和後、濾過することにより2−(1−プロペニル)フェノールエチレンオキシド2モル付加体155gを得た。この反応時にアリル基は、1−プロペニル基に定量的に変化した。
【0037】
合成例2
(4−メチル−2−(1−プロペニル)フェノールプロピレンオキシド4モル付加体の合成)
出発原料として4−メチルフェノールを用い、合成例1と同様にして4−メチルフェノールアリルエーテルを得た。
【0038】
この4−メチルフェノールアリルエーテル74g(0.5モル)をオートクレーブに仕込み、200℃で5時間撹拌保持した。この段階で転位反応が起こり、4−メチル−2−アリルフェノールとした。次いで、室温まで冷却し、触媒としてNaOH1.4gを加え、オートクレーブ内を窒素置換した後、130℃で1〜2kg/cmの圧力下においてプロピレンオキシド116g(2モル)を反応させ、次いで硫酸で中和後、濾過することにより4−メチル−2−(1−プロペニル)フェノールプロピレンオシド4モル付加体190gを得た。この反応時にアリル基は、1−プロペニル基に定量的に変化した。
【0039】
合成例3
(4−メチル−2,6−ジ(1−プロペニル)フェノールエチレンオキシド2モル付加体の合成)
撹拌機、温度計、還流管を備えた反応容器に、4−メチルフェノール54.5g(0.5モル)、20%NaOH水溶液200g(1.0モル)およびトルエン200gを仕込み、撹拌しながら内温を50℃に昇温した。次にアリルブロマイド121g(1.0モル)を1時間かけて滴下した。
【0040】
滴下終了後、さらに50℃に2時間保ち、反応を行なった。反応液は2層に分かれているので、下層を分別し、上層のトルエン層を水洗した後に、減圧下にトルエンを除去し、2−アリル−4−メチルフェノールアリルエーテル177g(収率94%)を得た。
【0041】
この2−アリル−4−メチルフェノールアリルエーテル94g(0.5モル)をオートクレーブに仕込み、200℃で5時間撹拌保持した。この段階で転位反応が起こり、4−メチル−2,6−ジアリルフェノールとした。次いで、室温まで冷却し、触媒としてNaOH1.4gを加え、オートクレーブ内を窒素置換した後、130℃で1〜2kg/cmの圧力下においてエチレンオキシド88g(2モル)を反応させ、次いで硫酸で中和後、濾過することにより4−メチル−2,6−ジ(1−プロペニル)フェノールエチレンオキシド4モル付加体182gを得た。この反応時にアリル基は、1−プロペニル基に定量的に変化した。
【0042】
合成例4
(プロペニルオリゴマーの合成)
撹拌機、温度計、還流管を備えた1リットルセパラブルフラスコにエポキシ当量181のエポキシ樹脂を185g、合成例1で合成したプロペニル化合物310g、ナトリウムメチラート(固形分)1.5g、トリフェニルホスファイト2.5g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.25gを仕込み、120〜125℃で4時間反応した。反応後の酸価は5.5であった。
【0043】
合成例5
(ビニルエステル樹脂の合成)
撹拌機、温度計、還流管を備えた1リットルセパラブルフラスコにエポキシ当量181のエポキシ樹脂を185g、アクリル酸144g、ナトリウムメチラート(固形分)1.5g、トリフェニルホスファイト2.5g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.25gを仕込み、120〜125℃で4時間反応した。反応後の酸価は5.9であった。
【0044】
合成例6
(ウレタンアクリレートの合成)
分子量1,000のポリテトラメチレングリコール500g(0.5モル)に2,4−トリレンジイソシアネート178g(1モル)を60〜80℃にて反応せした。残存イソシアネート量が、6.2%になったとき、ヒドロキシエチルアクリレート118g(1.02モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4gを添加し、60〜80℃で反応を続けた。
【0045】
残存イソシアネート量が、0.2%以下になった時点で冷却し、反応を終了させた。
【0046】
合成例7
(不飽和アルキドの合成)
撹拌機、温度計、還流管、ガス導入管を備えた1リットルセパラブルフラスコにエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート827)370g、パラクレゾール195g(エポキシとフェノール性水酸基の比率は1:0.9)、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド1.0gを仕込み、150〜160℃で5時間反応させた。遊離エポキシ量は0.1%以下にした。
【0047】
次いで、無水マレイン酸90gを加え、不活性気流中200〜210℃で6時間加熱すると、酸価は19.5となったので、ハイドロキノン0.2gを加え、固化させた。
【0048】
黄褐色、融点110〜120℃の不飽和アルキドが得られた。
【0049】
実施例1〜9
合成例1〜7で合成した各種材料を表1に示す組成比で混合し、液状樹脂組成物を作った。
【0050】
この組成物を所定の硬化条件で硬化をさせ、その硬化物の機械物性、および煮沸後の表面状態を調べた。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003600923
実施例1〜9の組成物は、硬化物のゲル化率が97〜99%と高いため、比較的容易に硬化させ樹脂化可能であることが分る。また、引張強度及び伸度が高いため、機械的物性に優れる。さらに、煮沸後の外観及び引張強度が煮沸前と変わらないため、耐加水分解性に優れる。
【0052】
なお、硬化条件、硬化物のゲル化率、機械物性、煮沸後の樹脂特性の測定法は以下に記す方法に従った。
【0053】
(1)硬化条件
熱重合又は紫外線もしくは電子線の照射による重合により硬化を行なった。それぞれ、熱、UV(紫外線)、EB(電子線)と表1の硬化条件欄に記載した。
【0054】
熱の場合は、電気恒温槽中に静置して硬化を行なった。なお、開始剤につき、AIBNとはアゾビスイソブチロニトリル、BFエーテラートとは、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯塩である。
【0055】
UV(紫外線)の場合は、高圧水銀灯を用いたベルトコンベア型照射機で紫外線照射を行なった。なお、開始剤につき、フェニルアセトフェノンとは2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンである。
【0056】
EB(電子線)の場合は、エレクトロンカーテン式照射機を用い、加速電圧200KV、照射線量5Mradで硬化させた。
【0057】
(2)硬化物のゲル化率
硬化後の固体状物を塩化メチレンの入った容器中に24時間常温で放置する。その後、硬化物を取り出して塩化メチレンで洗浄し、乾燥する。塩化メチレン浸漬前後の重量変化率をゲル化率とする。
【0058】
(3)硬化物の機械物性
JIS K−7113に準じて行なった。
【0059】
(4)煮沸条件
硬化した樹脂を沸騰した水中に100時間放置する。その後取り出して、常温に5時間静置後の樹脂を試験に供する。
【0060】
比較例1〜5
スチレン、ビニルブチルエーテル、合成例5〜7で合成した化合物を用いて、表1に示す組成比で混合し、実施例1〜9と同様にして、硬化させ、その硬化物の評価を行なった。
【0061】
表1に示すように、いずれも引張強度及び伸度が実施例1〜9に比べて低く、機械的物性に劣っていた。また、煮沸後の外観には割れが生じ、かつ、引張強度も煮沸前に比べて低下しており、耐加水分解性に劣っていた。また、比較例3、4は、ゲル化率が約70%と低く、硬化性に劣っていた。
【0062】
【発明の効果】
本発明のプロペニル化合物を必須成分とする硬化性液状組成物は、加熱あるいは放射線の照射により、容易に硬化、樹脂化することができ、硬化した樹脂は固いが伸びがあり、靭性を示す。更に、耐加水分解性が良好であるために、長期にわたる高温煮沸においても、物性の低下や表面状態の変化も認められないという優れた効果を有するものである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表わされるプロペニル化合物と、該プロペニル化合物よりも高分子量のオリゴマー化合物とを含有し、加熱又は放射線照射によるラジカル重合又はカチオン重合により硬化する硬化性液状組成物。
    Figure 0003600923
  2. 請求項1記載の硬化性液状組成物からなるコーティング材料
  3. 請求項1記載の硬化性液状組成物からなるインキ
  4. 請求項1記載の硬化性液状組成物からなる成型材料
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