JP3600747B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、単数または複数の半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)を処理液中に浸漬させることによって浸漬処理を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上記基板には基板処理装置内の処理槽において、薬液によるエッチング、純水による洗浄処理等の表面処理が順次施されて、一連の処理が達成されている。このような基板処理装置としては、1つの処理槽に基板を投入し、その処理槽内の処理液を薬液および純水にて順次置換することによって処理を進行するいわゆるワンバスタイプの装置と、薬液または純水を貯留する専用の処理槽を複数備え、それら複数の処理槽に基板を順次搬送することによって処理を進行するいわゆる多槽式の装置とがある。
【0003】
多槽式の基板処理装置においては、薬液を貯留する薬液槽に基板を投入して当該基板に付着した不純物の除去処理を行った後、純水を貯留する水洗槽にその基板を投入して水洗処理を行うという工程を繰り返して一連の処理を達成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような一連の処理の過程において、基板にパーティクル等の汚染物質が付着するという問題がある。特に、薬液としてフッ酸(HF)を貯留する薬液槽にて基板のエッチング処理を行った後、その基板を水洗槽に投入して水洗処理を行うと、基板Wの表面に縦筋状パーティクル101が付着することがある。
【0005】
このような縦筋状パーティクル101は、以下のようにして基板Wに付着するものと考えられる。すなわち、表面に種々の不純物が付着した基板Wがフッ酸を貯留する薬液槽に投入されると、不純物がフッ酸によって溶かし出されるとともに、基板Wの表面の一部にSiが露出し、基板Wの表面にはSiの疎水部とSiO2の親水部とが共存することとなる。溶かし出された不純物はそのままの形態にてまたは何らかの化学反応によって汚染物質となり、薬液槽内の上方に向けた薬液の流れ(アップフロー)によって薬液表面に流される。そして、その汚染物質は薬液表面、すなわち気液界面に漂うことになるのである。
【0006】
エッチング処理の終了後、基板Wが薬液槽から引き揚げられるのであるが、このときに基板Wは当然気液界面を通過することとなり、フッ酸の表面に漂っている汚染物質が基板Wに付着するのである。
【0007】
その後、基板Wは純水を貯留する水洗槽に投入され水洗処理に供される。基板Wが純水中に浸漬されるときに、エッチング処理終了時に付着した汚染物質は基板Wから剥離されるものの、その汚染物質もそのままの形態にてまたは何らかの化学反応によって新たな汚染物質となり、上記と同様に、アップフローによって純水表面に漂うこととなる。そして、水洗処理終了後、基板Wを水洗槽から引き揚げるときに新たな汚染物質が再び基板Wの表面に付着して、図8に示すような縦筋状パーティクル101が発生するのである。
【0008】
以上は、フッ酸によるエッチング処理についての説明であったが、同様の問題はその他の薬液による表面処理やその後の水洗処理においても生じる。また、ワンバスタイプの装置においても、最終の水洗処理終了後は、基板Wが気液界面を通過することになるため、同様の問題が生じる。
【0009】
換言すれば、処理槽(以下、「処理槽」というときは、「薬液槽」および「水洗槽」を含む)に貯留された処理液(以下、「処理液」というときは、「薬液」および「純水」を含む)の気液界面を基板が通過する形式の基板処理装置においては、基板から剥離した汚染物質や処理液中にて新たに生成した汚染物質がアップフローによって処理液表面に漂うこととなり、その処理液表面を基板が通過するときに汚染物質が基板に付着するのである。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板への汚染物質の付着を抑制することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を処理液中に浸漬させることによって浸漬処理を行う基板処理装置であって、(a) 前記処理液が貯留されて基板が浸漬される処理槽と、(b) 前記処理槽の底部に設けられ、前記処理槽内に処理液を供給する処理液供給手段と、(c) 前記基板を保持し、前記処理槽の内部と前記処理槽の上方との間で前記基板を昇降させる昇降手段と、を備え、前記処理槽にて、少なくとも前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の主面を含む平面と交わる側壁に、複数の排液口を設け、前記複数の排液口は、処理液がオーバーフロする前記側壁の上端の近くに、前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の保持間隔と同じピッチに並べて、配置されているもである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明に係る基板処理装置の全体構成について簡単に説明する。ここで説明する基板処理装置は、多槽式の基板処理装置である。図1は、本発明に係る基板処理装置の一例を示す正面概略図である。図1および以下の各図には、それらの方向関係を明確にするため、XYZ直交座標系を適宜付している。この基板処理装置100は、薬液槽CB1、CB2と、水洗槽WB1、WB2、FRと、乾燥部SDと、基板を搬送する基板搬送ロボットTRとを備えている。また、基板処理装置100は、その両端に、未処理基板Wを収納したカセットCを載置するローダー部LDと処理済みの基板Wが格納されるカセットCを載置するアンローダー部ULDとを備えている。
【0014】
薬液槽CB1、CB2は硫酸、アンモニア、塩酸、フッ酸、過酸化水素水またはそれらの混合液などの薬液を収容可能な槽であるが、ここで考えている例では、フッ酸を貯留し、基板に対してエッチング処理を行うための処理槽である。また、水洗槽WB1、WB2は純水を収容し、基板Wに付着したフッ酸を洗浄する処理槽である。また、水洗槽FRも純水を収容する洗浄処理槽であるが、主として仕上げの洗浄として用いられる。さらに、乾燥部SDは基板Wを回転させつつ当該基板Wに付着した水滴を除去、乾燥させる処理部である。
【0015】
基板搬送ロボットTRは、水平方向および上下方向に移動可能であり、ローダー部LDから未処理の基板群(ロット)を払い出し、予め定められた処理手順に従って上記各処理槽間でロットを循環搬送するとともに、処理済みのロットをアンローダー部ULDに渡すロボットである。基板搬送ロボットTRは、開閉自在の一対のハンド1を備えており、ハンド1には、その内側に基板Wを保持するための複数の溝が一定のピッチで平行に設けられており(図示省略)、それら複数の溝によってロットが保持されることとなる。この基板搬送ロボットTRがローダー部LDからロットを受け取る際には、カセットCの下方に設けられた図示を省略するホルダによってカセットCから上昇されたロットを基板搬送ロボットTRの一対のハンド1が把持することによって行われる。また、アンローダー部ULDにロットを渡す場合には、上記とは逆に、ハンド1から図示を省略するホルダにロットが渡され、そのホルダが下降することによって、ロットがカセットC内部に格納される。
【0016】
次に、基板処理装置100に設けられた処理槽の構成について説明する。ここでは、処理槽の一例として水洗槽WB1について説明するが、他の処理槽、すなわち薬液槽CB1、CB2および水洗槽WB2、FRについても同様である。
【0017】
図2は水洗槽WB1の要部構成を示す正面図であり、図3は水洗槽WB1の要部構成を示す側面図である。基板処理装置100は、水洗槽WB1に付随して吐出ノズル20と、昇降機構40とを設けている。
【0018】
吐出ノズル20は、水洗槽WB1の底部両側のそれぞれに設けられ、水洗槽WB1内に純水を供給するノズルである。吐出ノズル20は、水洗槽WB1の長手方向(X方向)に沿って延びる円筒状のノズルであり、複数の円形の吐出孔20aを備えている。また、吐出ノズル20は、水洗槽WB1外部の純水供給源25に接続されており、純水供給源25から純水の供給を受けることができる。
【0019】
純水供給源25から供給された純水は、吐出ノズル20の吐出孔20aから水洗槽WB1内に吐出される。ここで、吐出孔20aは水洗槽WB1の中央底部に向けて設けられており、両側の吐出ノズル20から吐出された純水は水洗槽WB1の底壁と平行に流れ、やがて水洗槽WB1底部中央にて衝突し、その後水洗槽WB1の中央部近傍に上方に向けた純水の流れ(層流)を形成することとなる。なお、吐出ノズル20から供給された純水は水洗槽WB1の上部から順次溢れ出るようにされており、このときの様子については後述する。また、複数の円形の吐出孔20aに代えて、1つのスリット状の吐出孔を設けるようにしてもよい。
【0020】
昇降機構40は、水洗槽WB1に貯留されている純水に複数の基板Wを浸漬させる機構である。昇降機構40は、リフター41と、リフターアーム42と、基板Wを保持する3本の保持部43、44、45とを備えている。3本の保持部43、44、45のそれぞれには基板Wの外縁部がはまり込んで基板Wを起立姿勢にて保持する複数の保持溝が所定間隔にてX方向に配列して設けられている。3本の保持部43、44、45はリフターアーム42に固設され、リフターアーム42はリフター41によって鉛直方向に昇降可能に設けられている。
【0021】
このような構成により、昇降機構40は3本の保持部43、44、45によってX方向に所定間隔にて平行に配列されて保持された複数の基板Wを水洗槽WB1に貯留された純水に浸漬する位置(図2の実線位置)と水洗槽WB1の上方であって基板搬送ロボットTRとの基板受け渡しを行う位置(図2の2点鎖線位置)との間で昇降させることができる。なお、リフター41には、リフターアーム42を昇降させる機構として、ボールネジを用いた送りネジ機構やプーリとベルトを用いたベルト機構など種々の機構を採用することが可能である。
【0022】
水洗槽WB1において、昇降機構40によって保持され水洗槽WB1内で浸漬処理される基板Wの主面と直角な、X方向に延在する側壁(以下、基板主面直交側壁と称する)15aには、複数の排液口31が開口されている(図3参照)。
【0023】
水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aに開口された前記排液口30は、昇降機構40によって保持される基板Wの保持間隔と同じピッチに並べて複数配置されている。
【0024】
また、水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aに設けられた前記排液口31は、基板主面直交側壁15aにて処理液がオーバフロする上端30aの近くに設けられ、少なくとも昇降機構40によって保持されて処理槽15内で浸漬処理される基板の上端縁より高い位置に設けられる。
【0025】
また、本実施形態の基板処理装置100においては、水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aに開口された前記排液口31は、基板主面直交側壁15aの上端30aにおける次の位置の下方に配置される。すなわち、基板主面直交側壁15aの上端30aにて、昇降機構40によって保持されて処理槽15内で浸漬処理される基板Wの主面を含む平面が基板主面直交側壁15aの上端30aと交わる位置の両側位置の下方に配置される。
【0026】
また、本実施形態の基板処理装置においては、水洗槽WB1は、前記基板主面直交側壁15aと、基板Wの主面と直角な、Y方向に延在する側壁(以下、基板主面平行側壁と称する)15bおよび、底壁15cとで構成されるが、基板主面平行側壁15bにも排液口31が複数開口されている(図1参照)。基板主面平行側壁15bに開口された前記排液口31は、基板主面直交側壁15aに開口された排液口31と、同じピッチで並び、基板主面平行側壁15bの上端30bから同じだけ下方の位置すなわち、基板主面直交側壁15aに開口された排液口31と同じ高さに位置する。
【0027】
本実施形態の基板処理装置100においては、薬液槽CB1や水洗槽WB1の基板主面直交側壁15に開口の排液口31および、基板主面平行側壁15bに開口の排液口31は、各々、開口形状が円形で、基板主面直交側壁15や基板主面平行側壁15bの壁体を壁面にに対し垂直に貫通するように開口形成されており、その内部は処理槽15の内から外に向かって開口面積が次第に小さくなるように、先細りテーパ状に開口している。
【0028】
上述のように、吐出ノズル20から供給されたフッ酸等の薬液や純水は、薬液槽CB1や水洗槽WB1の上部から順次溢れ出る。このときに、薬液槽CB1や水洗槽WB1の側壁の形成された排液口31からも純水が流れ出る。なお、薬液槽CB1や水洗槽WB1から流れ出た薬液や純水は、回収された後、装置外部に排出されたり、浄化されて循環使用される。
【0029】
次に、基板処理装置100における処理手順について説明するが、本実施形態においては説明を簡単にするため、ローダー部LDから払い出された基板Wは、薬液槽CB1、水洗槽WB1、水洗槽FR、乾燥部SDの順に基板搬送ロボットTRによって搬送されるものとする。すなわち、薬液槽CB1はフッ酸を貯留する処理槽であり、薬液槽CB1にてフッ酸によるエッチング処理が施された基板Wは、純水を貯留する水洗槽WB1に搬送され、水洗処理に供される。そして、水洗槽WB1での水洗処理が終了した基板Wは、水洗槽FRに搬送され、最終の仕上げ水洗処理が行われた後、乾燥部SDにて乾燥されるのである。以下、各処理槽における処理の態様についてさらに説明を続ける。なお、既述したように、薬液槽CB1および水洗槽FRは、図2、図3にて示した水洗槽WB1と同様の配置構成を有しており、図2、図3に示したのと同じ参照符号を用いて説明する。
【0030】
薬液槽CB1に付随して設けられた昇降機構40は、基板搬送ロボットTRから複数の基板Wを受け取り、所定間隔にて保持した基板Wを薬液槽CB1中に降下させる。薬液槽CB1にはフッ酸が貯留されており、基板Wはそのフッ酸中に浸漬される。薬液槽CB1に貯留されたフッ酸に浸漬された基板Wに対しては、エッチング処理が進行される。このときに、基板Wの表面に付着していた不純物はフッ酸によって溶かし出され、そのままの形態にてまたは何らかの化学反応によって汚染物質となる。その汚染物質は、吐出ノズル20からの液流によってフッ酸の表面(気液界面)に流される。
【0031】
やがて、所定時間が経過し、エッチング処理が終了すると、昇降機構40が複数の基板Wをフッ酸から引き揚げる。既述したように、液流によってフッ酸の表面に流された汚染物質は気液界面を浮遊する傾向がある。基板Wを引き揚げる際には、基板Wが気液界面を通過せざるを得ないのであるが、本発明に係る基板処理装置では、処理槽において、少なくとも前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の主面を含む平面と交わる側壁に、複数の排液口を設け、前記複数の排液口は、前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の保持間隔と同じピッチで並ぶよう配置しているため、基板Wへの汚染物質の付着が抑制されるのである。このことを図4〜図6を用いて説明する。
【0032】
図4は処理槽から処理液が流れ出る様子を示す側面図であり、図5はその平面図である。また、図6は処理槽内の処理液の流れの様子を示す図である。エッチング処理の間は、吐出ノズル20から連続してフッ酸が吐出され続けているため、それに伴って薬液槽CB1の上部からはフッ酸が溢れ出し続ける。そして、基板Wが引き揚げられる段階においても、薬液槽CB1の上部からはフッ酸が溢れて流れ出し続けている。かかる薬液槽CB1の上部から溢れでる流れは、基板Wと基板Wの間を通過したフッ酸の上昇流が、気液界面に達すると水平な向きへ方向転換し、基板主面直交側壁15aへ向かい、基板主面直交側壁15aの上端30aからオーバーフローするもので、これら気液界面近くでの一連の流れは乱流になりがちである。ここで、薬液槽CB1の基板主面直交側壁15aには複数の排液口31が開口を設けているので、上記した一連の流れに、基板主面直交側壁15aに設けられた排液口31へ向かう流れが加わり、複数設けられた各排液口に対応して優先的に流れる複数の流れの筋が生じる。そして、これら排液口31は、昇降機構40によって保持される基板Wの保持間隔と同じピッチに並べて複数配置されているので、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分のフッ酸が、優先的に槽外に流れ出ることとなる。従って、図5に示すように、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分のフッ酸が、優先的に槽外に流れ出ることとなり、その結果、基板W間に浮遊する汚染物質を効率よく槽外に排出することができるのである。
【0033】
これにより、昇降機構40が基板Wを引き揚げるときに、基板Wが気液界面を通過してもその基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができる。また、基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができるため、基板Wの引き揚げ速度を従来よりも速くすることができる。
【0034】
なお、本実施形態の基板処理装置100においては、薬液槽CB1の基板主面直交側壁15aに開口された前記排液口aは、基板主面直交側壁15aの上端30aにて次の位置の下方、すなわち、昇降機構40によって保持されて薬液槽CB1内で浸漬処理される基板の主面を含む平面が基板主面直交側壁15aの上端aと交わる位置の両側位置の下方に位置するので、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分のフッ酸は、よりいっそう優先的に槽外に流れ出ることとなる。
【0035】
また、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分のフッ酸が優先的に槽外に流れ出るのにともなって、図6に示すように、複数の基板W間のフッ酸の流れが整流され、基板W間の薬液循環が、よりいっそう効率よく行われることとなる。つまり、薬液槽CB1内の気液界面近くでのフッ酸の流れを整流することによって、槽内の流れを誘導し、安定したフッ酸の流れを形成しているのである。これにより、昇降機構40によって保持される全ての基板Wの全面において、常に一定濃度のフッ酸が安定して供給されることとなり、エッチング処理の面内均一性が向上するとともに、基板W間のばらつきも低減される。
【0036】
次に、昇降機構40が複数の基板Wを薬液槽CB1から完全に引き揚げると、基板搬送ロボットTRが基板Wを受け取って水洗槽WB1に搬送し、水洗槽WB1に付随して設けられた昇降機構40に複数の基板Wを渡す。昇降機構40は、基板Wを水洗槽WB1中に降下させ、純水中に浸漬させる。純水に浸漬された基板Wに対しては、水洗処理が進行される。
【0037】
ここで、水洗処理の処理効率が最も高いのは気液界面近傍である。従って、昇降機構40が基板Wを降下させている段階において、基板Wの主面上を相対移動中の気液界面近傍が最も効率よく洗浄されるのである。このときに、基板Wの表面に付着しているフッ酸とともに、薬液槽CB1から引き揚げるときに若干付着した汚染物質も洗い出される。当該汚染物質は、そのままの形態にてまたは何らかの化学反応によって新たな汚染物質となる。
【0038】
薬液槽CB1におけるエッチング処理と同様に、水洗処理の間も、吐出ノズル20から連続して純水が吐出され続けているため、それに伴って水洗槽WB1の上部からは純水が溢れ出し続ける。また、水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aにも排液口31が、薬液槽CB1と同様に形成されているから、気液界面近くでの純水の流れ、すなわち、基板Wと基板Wの間を通過した上昇流が、気液界面に達すると水平な向きへ方向転換して、基板主面直交側壁15aへ向かい、基板主面直交側壁15aの上端30aからオーバーフローする気液界面近くでの純水の流れは次のようになる。つまり、これら一連の流れに、基板主面直交側壁15aに設けられた排液口31へ向かう流れが加わり、複数設けられた各排液口に対応して優先的に流れる複数の流れの筋が生じる。そして、これら排液口31は、昇降機構40によって保持される基板Wの保持間隔と同じピッチに並べて複数配置されているので、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の純水が、優先的に槽外に流れ出ることとなる。従って、図5に示すように、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の純水が、優先的に槽外に流れ出ることとなり、その結果、基板W間に浮遊する汚染物質を効率よく槽外に排出することができるのである。
【0039】
なお、本実施形態の基板処理装置100においては、水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aに開口された前記排液口aも、基板主面直交側壁15aの上端30aにて次の位置の下方、すなわち、昇降機構40によって保持されて薬液槽CB1内で浸漬処理される基板の主面を含む平面が基板主面直交側壁15aの上端aと交わる位置の両側位置の下方に位置するので、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の純水は、よりいっそう優先的に槽外に流れ出ることとなる。
【0040】
また、基板Wが純水中に完全に浸漬された後に新たな汚染物質が生じることもある。その汚染物質は、吐出ノズル20からの液流によって純水の表面に流される。やがて、所定時間が経過し、水洗処理が終了すると、昇降機構40が複数の基板Wを純水から引き揚げる。このときにも、純水への投入時と同様に、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の純水が優先的に槽外に流れ出ることとなり、基板W間に浮遊する汚染物質が基板Wに転写する前に当該汚染物質を効率よく槽外に排出することができるのである。これにより、昇降機構40が基板Wを引き揚げるときに、基板Wが気液界面を通過してもその基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができる。
【0041】
さらに、昇降機構40によって保持される複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の純水が優先的に槽外に流れ出るのにともなって、図6に示すように、複数の基板W間のフッ酸の流れが整流され、基板W間の純水循環が効率よく行われることとなる。すなわち、上記と同様に、水洗槽WB1も、基板主面直交側壁15aに排液口31を設けたことによって、槽内の流れを誘導し、安定した純水の流れを形成しているのである。これにより、昇降機構40によって保持される全ての基板Wの全面において、常に新鮮な純水が安定して供給されることとなり、水洗処理の面内均一性が向上するとともに、基板W間のばらつきも低減される。
【0042】
また、水洗槽WB1内に安定した純水流が形成されることは、水洗槽投入時に気液界面が基板Wに及ぼす水洗効率の向上に繋がる。つまり、槽内の純水流が安定していれば、気液界面近傍において基板Wから汚染物質が剥離し易くなるのである。このため、水洗槽WB1への基板Wの降下速度を従来よりも速くすることができる。
【0043】
次に、昇降機構40が複数の基板Wを水洗槽WB1から完全に引き揚げると、基板搬送ロボットTRが基板Wを受け取って水洗槽FRに搬送し、水洗槽FRに付随して設けられた昇降機構40に複数の基板Wを渡す。水洗槽FRにおいても、水洗槽WB1における処理と同じ処理が行われる。従って、水洗槽FRにおいても、基板Wが気液界面を通過するときの基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができるとともに、水洗処理の効率を向上することができる。その結果、水洗槽FRから引き揚げた後の基板Wに付着している汚染物質は著しく低減されており、基板Wの清浄度は極めて高いものとなっている。
【0044】
その後、基板Wは、乾燥部SDにて乾燥され、さらにアンローダー部ULDに搬送されて一連の洗浄処理が終了する。
【0045】
以上のように、本発明に係る基板処理装置においては、処理槽の基板主面直交側壁15aに複数の排液口31を設け、それら排液口31は、基板の保持間隔と同じピッチに並べて配置されるようにしているので、複数の基板Wのそれぞれの主面の両側に位置する部分の処理液が優先的に槽外に流れ出ることとなる。その結果、基板W間に浮遊する汚染物質を効率よく槽外に排出することができ、基板Wが気液界面を通過してもその基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができるとともに、処理槽内の処理液の流れを安定させて処理効率を向上することができるのである。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、多槽式の基板処理装置について説明したが、本発明に係る基板処理装置はワンバスタイプの装置であってもよい。ワンバスタイプの装置においても、処理槽内の処理液の流れを安定させて処理効率を向上することができるとともに、最終の水洗処理終了後は、基板Wが気液界面を通過することになるため、そのときに基板Wへの汚染物質の付着を抑制することができる。すなわち、本発明に係る基板処理装置は、基板を処理槽中の処理液に浸漬させ、液流を形成しつつ浸漬処理を行う装置であって、気液界面を基板Wが通過する工程を実行するような装置であれば適用できるのである。
【0047】
また、上記実施形態においては、薬液槽CB1や水洗槽WB1の基板主面直交側壁15aに設けられた前記排液口31は、基板主面直交側壁15aの上端30aにおける次の位置の下方すなわち、基板主面直交側壁15aの上端30aにて、昇降機構40によって保持されて処理槽15内で浸漬処理される基板Wの主面を含む平面が基板主面直交側壁15aの上端30aと交わる位置の両側位置の下方に配置しており、この位置の下方が最適ではあるが、しかし、これに限定されるものではなく、例えば、昇降機構40によって保持されて処理槽15内で浸漬処理される基板Wの主面を含む平面が基板主面直交側壁15aの上端30aと交わる位置の下方に位置するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、排液口31は、各々、開口形状は円形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、楕円形とか、下向きの楔型のような三角形、その他の多角形等でもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、排液口31は、各々、薬液槽CB1や水洗槽WB1の内から外へ向かって開口面積が次第に小さくなるように、先細りテーパ状に開口しているが、処理槽の内から外へ向かって開口面積が次第に大きくなるように、先太りテーパ形状でもよく、あるいは、開口面積が変化しない形状でもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、排液口31は、各々、薬液槽CB1や水洗槽WB1の側壁体を、壁面に対し垂直に貫通形成しているが、処理槽の内から外に向かって、先下がりに傾斜して貫通させて排液速度を高めるようにしても良く、貫通する向きは限定されない。
【0051】
また、上記実施形態においては、薬液槽CB1や水洗槽WB1の基板主面直交側壁15に開口の排液口31および、基板主面平行側壁15bに開口の排液口31は、各々、側壁内側の鉛直面に開口しているが、基板主面直交側壁15や基板主面平行側壁15bの各上端面に開口形状してもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、薬液槽CB1や水洗槽WB1の基板主面直交側壁15に開口の排液口31および、基板主面平行側壁15bに開口の排液口31は、各々、側壁を貫通して処理槽外へ流れ落ちるようにしたが、個々の排液口31が例えばポンプ等の吸引排気手段へ連通して、排液口31から勢い強く流出するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、基板主面平行側壁15bにも排液口31を開口形成しているが、排液口31は、基板主面平行側壁15bに開口する排液口31は必須のものではなく、薬液槽CB1や水洗槽WB1にて、少なくとも、昇降機構40によって保持されて処理槽15内で浸漬処理される基板Wの主面と直角な側壁である基板主面直交側壁15aに開口形成されていればよい。但し、処理内の薬液の濃度や純水の清浄度を均一に保つことが望ましく、このためには基板主面直交側壁15aおよび基板主面平行側壁15bの全てから、すなわち槽壁の全周から均一に処理液を流し出すことが望ましい。そのためには、基板主面直交側壁15aおよび基板主面平行側壁15bの全てに排液口31を形成しておけば、容易に処理槽15の全周から均一に処理液を流し出すことができるのである。
【0054】
また、基板処理装置100における処理手順も上述の説明に限定されるものではなく、例えば、さらに薬液槽CB2、水洗槽WB2を経由させるような手順であっても良いことは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の発明によれば、処理槽にて、少なくとも引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の主面を含む平面と交わる側壁に、複数の排液口を設け、前記複数の排液口は、処理液がオーバーフロする前記側壁の上端近くに、前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の保持間隔と同じピッチに並べて配置しているため、基板周辺に浮遊する汚染物質を効率よく槽外に排出することができ、基板が気液界面を通過してもその基板への汚染物質の付着を抑制することができるとともに、処理槽内の処理液の流れを安定させて処理効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1の基板処理装置の水洗槽の要部構成を示す正面図である。
【図3】図1の基板処理装置の水洗槽の要部構成を示す側面図である。
【図4】処理槽から処理液が流れ出る様子を示す側面図である。
【図5】処理槽から処理液が流れ出る様子を示す平面図である。
【図6】処理槽内の処理液の流れの様子を示す図である。
【図7】従来において、基板に付着していた縦筋状パーティクルを示す図である。
【符号の説明】
15a 基板主面交差側壁
15b 基板主面平行側壁
20 吐出ノズル
31 排液口
40 昇降機構
100 基板処理装置
CB1、CB2 薬液槽
WB1、WB2、FR 水洗槽
W 基板
Claims (1)
- 基板を処理液中に浸漬させることによって浸漬処理を行う基板処理装置であって、
(a)前記処理液が貯留されて基板が浸漬される処理槽と、
(b)前記処理槽の底部に設けられ、前記処理槽内に処理液を供給する処理液供給手段と、
(c)前記基板を保持し、前記処理槽の内部と前記処理槽の上方との間で前記基板を昇降させる昇降手段と、
を備え、
前記処理槽にて、少なくとも前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の主面を含む平面と交わる側壁に、複数の排液口を設け、
前記複数の排液口は、処理液がオーバーフロする前記側壁の上端の近くに、前記引き揚げ手段によって保持される前記複数の基板の保持間隔と同じピッチに並べて、配置されていることを特徴とする基板処理装置。
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