JP3600415B2 - 分布定数素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、分布定数素子に関するもので、特に、スイッチング電源用インダクタ、ノイズフィルタ、携帯電話やPHS(Personal Handy−phone System )を始めとする準マイクロ波帯の受動回路、あるいは、磁界センサとして利用される磁性薄膜デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話やPHS、および、電子手帳などに代表されるような携帯用電子機器は、その市場がワールドワイドに拡大している。これら電子機器の小型化、高性能化は、半導体集積回路の技術の進展に負うところが大きい。
【0003】
周知のように、半導体集積回路の中には、トランジスタ、キャパシタ、抵抗などの素子が集積化され、その集積密度は年々高くなっており、集積回路のワンチップ化が急激に進んでいる。
【0004】
しかしながら、インダクタンスやトランスといった磁気素子は、エネルギー蓄積やインピーダンス変換(整合)、フィルタリングなどの機能を達成するのに重要であるにもかかわらず、素子の小型化や薄型化が困難であり、集積回路の集積度を向上させる際の重大なネックとなっている。
【0005】
これに対し、磁気素子を小型化、薄型化するための一つの方法として、半導体集積回路の形成プロセスと類似の工程で製造できる磁性薄膜デバイスが提案されている。磁性薄膜デバイスの進展については、たとえば、「マイクロ磁気デバイスの全て;白江公輔,他編、工業調査会、1992年初版発行」や、平成9年電気学会全国大会シンポジウム「マイクロ磁気工学の最近の進展」により、詳細にされている。
【0006】
磁性薄膜デバイスの開発において、最初は、主として1〜数10MHzを動作周波数とするスイッチング電源への応用が系統的に検討されていた。また、最近では、1〜2GHzを動作周波数とする移動体通信用インダクタンス素子(準マイクロ波帯インダクタ)の開発が活発化してきている。磁性薄膜デバイスのスイッチング電源への応用や準マイクロ波帯インダクタの開発に関しては、平成9年2月に開かれた、電気学会マグネティックス研究会でも発表されている。
【0007】
図20は、5MHzスイッチングDC−DCコンバータ用に開発された磁性薄膜インダクタの概略を示すものである。
【0008】
このインダクタは、たとえば同図(a)に示すように、平面うず巻きパターンを有するコイル(長方形ダブルスパイラルコイル)101の上下を、層間絶縁膜102,102をそれぞれ介して、軟磁性薄膜103,103でサンドイッチした構造となっている。
【0009】
このインダクタのQ値(品質係数または性能係数(いわゆる、性能指数))は、たとえば同図(b)に示すように、最高でも10程度とさほど高くない。これは、上下の軟磁性薄膜103,103からそれぞれ漏れる高周波磁束によって生じるコイル101のうず電流損が大きいことが理由であると考えられている。
【0010】
電源に応用する場合、Q値はなるべく高いことが望ましいが、このような磁性薄膜インダクタのQ値を向上させるための決定的な方法はまだないのが現状となっている。
【0011】
図21は、磁性薄膜トランスの試作例を概略的に示すものである。
【0012】
このトランスは、たとえば同図(a),(b)に示すように、1次側および2次側コイル201,202を、絶縁膜203を介して、磁性薄膜204の周りに交互に巻き付けるとともに、2次側コイル202の両端を、シリコン基板205上に形成されたショットキーバリアダイオード206a,206bを介して接続した構造となっている。
【0013】
トランスの場合、コイルが2個以上必要なために構造が複雑であり、試作された例は少ない。また、コイル同士の磁束の結合が重要であるにもかかわらず、この点に関しての系統的な検討もほとんどなされてはいない。
【0014】
トランスは、エネルギー変換に有用であることの他に、インピーダンス変換機能を有するために電子回路への応用が広範囲にわたるものの、まだ実用になるような磁性薄膜を使ったトランスの開発は発展途上の段階にある。
【0015】
図22は、移動体通信機器用の電力増幅器の入出力整合回路および電源チョーク用に開発が進められている、磁性薄膜インダクタの概略を示すものである。
【0016】
従来、これらのインダクタは、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit )の中で、空心スパイラルコイルを集中定数素子として使用してきたが、素子面積が大きく、製造コストの上昇を招く要因となっていた。
【0017】
最近では、数GHz帯用のインダクタにおいて、磁性薄膜を採用することで、素子面積を縮小しようとする試みが盛んになってきている。この磁性薄膜インダクタは、たとえば同図(a)に示すように、Ti/Au膜301の上下をコバルト系グラニュラー膜からなる磁性薄膜302,302でサンドイッチし、SiON膜303を介して、シリコン基板304上に配設した構造となっている。
【0018】
しかしながら、素子の解析/設計が確立されていないため、素子特性と構造の関係を寄生素子成分や高周波損失の増加などを考慮して検討することは困難で、開発も試行錯誤的となっているのが現状であり、今だ、実用化にはほど遠いのが実情である(同図(b)参照)。
【0019】
一方、移動体通信機器用の電力増幅器の入出力整合回路においては、1/4波長伝送線路変成器が用いられる場合もある。しかしながら、電磁波の伝搬路にアルミナなどの誘電体基板(比誘電率〜8、波長短縮率〜3)を用いる場合が多く、たとえば、1GHz程度の1/4波長伝送線路変成器を構成しようとすると、その線路長は25mm程度となる。この変成器の場合、MMICへの搭載を考慮すると、素子面積が大きいために、モノリシック化は困難である。
【0020】
また、最近、外部磁界による透磁率の変化を利用した高感度磁界センサが提案されている(たとえば、M.Senda and Y.Koshimoto;1997 INTERMAG Conference, GP−18 )。
【0021】
図23は、上記した高感度磁界センサの概略構成を示すものである。
【0022】
この磁界センサは、たとえば同図(a),(b)に示すように、導体ライン401を囲むようにして、軟磁性薄膜(NiFe)402と誘電体膜(SiO)403とを積層してなるマグネチック・コア404が設けられ、外部磁界による軟磁性薄膜402の透磁率の変化に比例するインピーダンスの変化を、導体ライン401の両端での電圧の変化として検出するように構成されている。
【0023】
磁界センサの検出部は低インピーダンスであるため、高抵抗で終端した1/4波長線路405を接続することによってインピーダンス整合を図ると同時に、線路405の昇圧効果により、外部磁界の変化による電圧の変化を大きくできるメリットがある。
【0024】
しかしながら、この磁界センサの場合、検出部は小型化できるものの、1/4波長線路405などを含んだ周辺回路は複雑であり、検出部に比べて大型であるためにセンサシステム全体としては小型化が困難であった。
【0025】
以上、説明したように、磁気素子を小型化、薄型化する目的で開発が進められている磁性薄膜デバイスは、種々の分野への応用に際して、素子特性の飛躍的な向上(高性能化)、さらなる小型化(薄型化)、および、製造コストの低減など、多くの解決すべき問題がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来においては、磁性薄膜デバイスの開発、実用化は遅れており、また、素子特性の飛躍的な向上(高性能化)、さらなる小型化(薄型化)、および、製造コストの低減などが望まれていた。
【0027】
そこで、この発明は、各種の磁性薄膜デバイスの開発、実用化にともなって、素子特性の飛躍的な向上(高性能化)、さらなる小型化(薄型化)、および、製造コストの低減などを図ることが可能な分布定数素子を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願発明の一態様によれば、軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、前記伝搬路の上下にそれぞれ設けられた導体層とを具備したことを特徴とする分布定数素子が提供される
【0029】
また、本願発明の一態様によれば、絶縁性基板上に設けられた下部導体層と、この下部導体層上に設けられた、一軸性の磁気異方性を誘導してなる軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、前記伝搬路上に設けられた、少なくとも長手方向を有する上部導体層とを具備し、前記軟磁性金属層の磁化容易軸が、前記上部導体層の長手方向に平行とされていることを特徴とするマイクロストリップライン型の分布定数素子が提供される
【0030】
さらに、本願発明の一態様によれば、絶縁性基板上に設けられた、少なくとも長手方向を有する下部導体層と、この下部導体層上に設けられた、一軸性の磁気異方性を誘導してなる軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、前記伝搬路上に設けられた、前記下部導体層とほぼ同一形状を有する上部導体層とを具備し、前記軟磁性金属層の磁化容易軸が、前記上部導体層の長手方向に平行とされていることを特徴とするパラレルライン型の分布定数素子が提供される
【0035】
この発明の分布定数素子によれば、インダクタンス素子、キャパシタンス素子、抵抗素子などの集中定数素子を組み合わせて構成される各種の受動回路を、極めて小型に構成することが可能となる。
【0036】
すなわち、分布定数(分布インダクタンス、分布容量、分布損失抵抗)による伝送線路を構成できるようになる。これにより、電磁波の伝搬路の波長(線路長)を短くすることが可能となるものである。
【0037】
より具体的には、たとえば、数MHzから数GHzを動作周波数とする磁性薄膜デバイスを実現するに際して、低損失線路を構成した場合には、線路長を1/4波長に設定することにより、インピーダンス整合回路(変成器)を実現できる。
【0038】
また、低損失線路の終端を短絡した場合には、線路長が1/4波長よりも十分に短い周波数帯域では、極めて高いQ値を有するインダクタンス素子の実現が可能となる。
【0039】
また、高周波によって線路を高損失性とした場合には、分布容量とあいまって、ローパスフィルタを実現できる。
【0040】
さらには、軟磁性金属層の外部磁界に対する透磁率の変化を利用するようにした場合には、高抵抗で終端した1/4波長低損失線路の終端電圧は外部磁界により大きく変化するので、高感度の磁界センサを実現できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施の第一の形態にかかる、マイクロストリップライン型の分布定数素子の基本構造を概略的に示すものである。
【0043】
この分布定数素子は、たとえば、電磁波の伝搬路11が磁性層(軟磁性金属層)12の上下を誘電体層13によってサンドイッチするように積み重ねた積層構造を有し、この伝搬路11の上面にはマイクロストリップライン(上部導体ライン)14が、また、伝搬路11の下面には下部接地導体(下部導体ライン)15が設けられるとともに、この下部接地導体15を介して、絶縁性下地基板(絶縁性基板)16上に取り付けられた構成となっている。
【0044】
上記磁性層12、上記誘電体層13、および、上記下部接地導体15は、たとえば、t、t、tの厚さをそれぞれに有するとともに、ほぼ均一の幅で設けられている。
【0045】
また、上記磁性層12には、所定の方向に一軸性の磁気異方性が誘導されている。
【0046】
上記マイクロストリップライン14は、たとえば、上記下部接地導体15と同じ厚さtを有し、かつ、その導体幅wが上記下部接地導体15の幅よりも狭くなっている。
【0047】
このマイクロストリップライン型の分布定数素子の場合、動作に磁性層12と誘電体層13とが寄与するので、アルミナなどの誘電体層のみで電磁波の伝搬路が構成されている従来の場合に比べて、伝搬路11の波長が短くなる(波長短縮効果)。
【0048】
したがって、1/4波長線路を使ってインピーダンス整合回路(変成器)を構成した場合には、素子の線路長が短くなるため、素子サイズの大幅な縮小化(小型化)が期待できる。
【0049】
【表1】
Figure 0003600415
【0050】
【表2】
Figure 0003600415
【0051】
図2は、上記したマイクロストリップライン型の分布定数素子により、1/4波長変成器を構成した場合の例を示すものである。なお、同図(a)は1/4波長変成器の概略構成を示す斜視図、同図(b)は同じく素子特性図である。
【0052】
この1/4波長変成器は、たとえば、磁性層12には零磁歪組成のFeSmZr系アモルファス合金膜を、誘電体層13にはSiO膜を、マイクロストリップライン14および下部接地導体15にはそれぞれ導体材料としてのAuを、また、絶縁性下地基板16にはGaAs基板を用い、1/4波長同調周波数が1.5GHzに設定されている。
【0053】
上記磁性層12は、たとえば、1層当たりの厚さt=0.2μm、高周波複素(比)透磁率の実部μ’ =100、全層数N=5とされ、上記誘電体層13は、たとえば、1層当たりの厚さt=0.2μm、比誘電率ε=4とされている。
【0054】
上記ストリップライン14は、たとえば同図(a)に示すように、略W字状のつづら折りパターン(つづら折り数が2)を有し、導体厚さt=4μm、ライン/スペースが64/100μmとされている。
【0055】
1.5GHzで1/4波長となる線路長は2260μmであり、この線路長を実現するための素子サイズ(ストリップライン14の長手方向の長さ)は約565μmとされている。
【0056】
また、磁性層12には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸17はストリップライン14の長手方向に平行とされている。これにより、高周波特性の良好な回転磁化過程が利用できる。
【0057】
つづら折りパターンの折り返し部分(ストリップライン14の短手方向)は、磁化容易軸17の方向に磁界が発生するので、高周波では磁性層12の寄与がほとんど期待できない。この部分での特性インピーダンスおよび伝搬定数は、回転磁化領域のそれとは異なるが、線路長が短いため、全体の諸特性に与える影響は少ない。
【0058】
たとえば、この1/4波長変成器を、20ΩのインピーダンスZで終端させた場合、同図(b)に示すように、1.5GHzでの入力インピーダンスZiは約50Ωとなっており、50Ω系にインピーダンス整合させることができる。
【0059】
このような構成のマイクロストリップライン型1/4波長変成器を、たとえば、1.5GHz移動体通信用パワーアンプ(GaAs−MES−FET)の入力整合回路に利用した場合、結果として正常な動作が確認できた。
【0060】
この1/4波長変成器によれば、従来は集中定数素子であるインダクタとキャパシタとで構成されていた整合回路が大幅に簡略化されるとともに、整合回路の占める実装面積が1/3以下になった。
【0061】
なお、1/4波長変成器を構成する際、磁性層12の使用上限周波数を決定する自然共鳴周波数は、1/4波長の同調周波数(1.5GHz)よりも高い必要があり、この場合の自然共鳴周波数は2.8GHzであった。
【0062】
図3は、上記したマイクロストリップライン型の分布定数素子により、終端短絡インダクタを構成した場合の例を示すものである。なお、同図(a)は終端短絡インダクタの概略構成を示す斜視図、同図(b)は同じく素子特性図である。
【0063】
このインダクタは、たとえば、上記した1/4波長変成器の場合とほぼ同様に、磁性層12には零磁歪組成のFeSmZr系アモルファス合金膜を、誘電体層13にはSiO膜を、マイクロストリップライン14および下部接地導体15にはそれぞれ導体材料としてのAuを、また、絶縁性下地基板16にはGaAs基板を用いて構成されている。
【0064】
同様に、上記磁性層12は、たとえば、t=0.2μm、μ’ =100、N=5とされ、上記誘電体層13は、たとえば、t=0.2μm、ε=4とされている。
【0065】
一方、上記ストリップライン14は、たとえば同図(a)に示すように、略U字状のつづら折りパターン(つづら折り数が1)を有し、t=4μm、ライン/スペースが50/100μmとされている。また、素子サイズ(ストリップライン14の長手方向の長さ)は約500μmとされている。
【0066】
また、磁性層12には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸17はストリップライン14の長手方向に平行とされている。
【0067】
たとえば、この終端短絡インダクタの、等価直列インダクタンスLおよび性能指数Qの周波数特性を測定した結果、同図(b)に示すように、1.5GHzでの等価直列インダクタンスLは約4nH、性能指数Qは約10であった。
【0068】
このような構成のマイクロストリップライン型終端短絡インダクタを、たとえば、1.5GHz移動体通信用GaAs−MES−FETの電源ラインチョークとして利用した場合、結果として正常な動作が確認できた。
【0069】
この終端短絡インダクタによれば、従来とほぼ同等の性能指数(Q値)を確保しつつ、構成を大幅に簡略化でき、MMICへの搭載を考慮した場合においても、モノリシック化にとって有利である。
【0070】
特に、この場合の終端短絡インダクタは、上記した1/4波長変成器と、ストリップライン14の幅とパターン形状が異なるのみで、他の構成は同一であるため、同一基板16上に終端短絡インダクタと1/4波長変成器とを同時に一括して製造することが可能である。
【0071】
図4は、マイクロストリップライン型の分布定数素子において、磁性層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、ローパスフィルタを構成した場合の例を示すものである。
【0072】
このローパスフィルタは、たとえば、磁性層12にFeCoBC系アモルファス膜を、誘電体層13にAlN膜を用いて、電磁波の伝搬路11´が構成されてなるとともに、マイクロストリップライン14および下部接地導体15にはそれぞれCu(20μm)/Cr(0.1μm)が、また、絶縁性下地基板16にはSi基板が用いられている。
【0073】
上記磁性層12は、たとえば、t=6μm、μ’ =1100、N=1とされ、上記誘電体層13は、たとえば、t=0.1μm、ε=8とされている。
【0074】
上記ストリップライン14は、たとえば、略W字状のつづら折りパターン(つづら折り数が2)を有し、t=20μm、ライン/スペースが500/500μmとされている。また、素子サイズ(ストリップライン14の長手方向の長さ)は約4500μmとされている。
【0075】
また、磁性層12には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸17はストリップライン14の長手方向に平行とされている。
【0076】
図5は、マイクロストリップライン型の分布定数素子を、磁界センサに適用した場合の例を示すものである。
【0077】
この磁界センサは、たとえば、磁性層12にCoZrNb系アモルファス磁性膜を、誘電体層13にSiO膜を用いて、電磁波の伝搬路11’’が構成されてなるとともに、マイクロストリップライン14および下部接地導体15にはそれぞれCu(5μm)/Cr(0.1μm)を、また、絶縁性下地基板16にはSi基板を用い、外部磁界Hexが0の場合の1/4波長同調周波数が39MHzに設定されている。
【0078】
上記磁性層12は、たとえば、t=0.5μm、μ’ =2000、N=2とされ、上記誘電体層13は、たとえば、t=0.05μm、ε=4とされている。
【0079】
上記ストリップライン14は、たとえば、つづら折り数が4とされたつづら折りパターンを有し、t=5μm、ライン/スペースが30/100μmとされている。また、素子サイズ(ストリップライン14の長手方向の長さ)は約1000μmとされている。
【0080】
また、磁性層12には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸17はストリップライン14の長手方向に平行とされている。
【0081】
このような構成の磁界センサによれば、磁界センサを含んで、その周辺回路の構成を簡素化できるようになるため、センサシステム全体としての小型化が容易に可能となる。
【0082】
図6は、本発明の実施の第二の形態にかかる、パラレルライン型の分布定数素子の基本構造を概略的に示すものである。
【0083】
この分布定数素子は、たとえば、電磁波の伝搬路21が磁性層(軟磁性金属層)22の上下を誘電体層23によってサンドイッチするように積み重ねた積層構造を有し、この伝搬路21の上面には上部導体ライン24が、また、伝搬路21の下面には上部導体ライン24と略同一幅(導体幅w)で、かつ、略同一形状を有する下部接地導体(下部導体ライン)25が設けられるとともに、この下部接地導体25および誘電体層26を介して、絶縁性下地基板27上に取り付けられた構成となっている。
【0084】
上記磁性層22、および、上記誘電体層23は、たとえば、上記したマイクロストリップライン型の分布定数素子の場合と同様に、それぞれ、t、tの厚さを有するとともに、ほぼ均一の幅で設けられている。
【0085】
また、上記磁性層22には、所定の方向に一軸性の磁気異方性が誘導されている。
【0086】
さらに、上記上部導体ライン24、上記下部接地導体25、および、上記誘電体層26は、たとえば、tの厚さをそれぞれに有して設けられている。
【0087】
【表3】
Figure 0003600415
【0088】
このようなパラレルライン型の分布定数素子により、1/4波長変成器または終端短絡インダクタなどを構成した場合においても、上述のマイクロストリップライン型の分布定数素子により構成した場合とほぼ同様の効果が期待できる。
【0089】
図7は、上記したパラレルライン型の分布定数素子により、1/4波長変成器を構成した場合の例を示すものである。なお、ここでは、パラレルライン型の1/4波長変成器を、上述のマイクロストリップライン型の1/4波長変成器(図2参照)と同一仕様により構成した場合について説明する。
【0090】
すなわち、このパラレルライン型の1/4波長変成器は、たとえば、磁性層22には零磁歪組成のFeSmZr系アモルファス合金膜を、誘電体層23,26にはSiO膜を、上部導体ライン24および下部接地導体25にはそれぞれ導体材料としてのAuを、また、絶縁性下地基板27にはGaAs基板を用い、1/4波長同調周波数が1.5GHzに設定されている。
【0091】
上記磁性層22は、たとえば、t=0.2μm、μ’ =100、N=5とされ、上記誘電体層23は、たとえば、t=0.2μm、ε=4とされている。
【0092】
上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、たとえば、略W字状のつづら折りパターン(つづら折り数が2)をそれぞれに有し、t=4μm、ライン/スペースが64/100μmとされている。
【0093】
なお、上記下部接地導体25は、たとえば、その端部(端子部)がそれぞれ外部との接続のために、素子の前面に引き出されている。
【0094】
1.5GHzで1/4波長となる線路長は2260μmであり、この線路長を実現するための素子サイズ(上部導体ライン24の長手方向の長さ)は約565μmとされている。
【0095】
また、磁性層22には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸28は上部導体ライン24の長手方向に平行とされている。
【0096】
このように、パラレルライン型の分布定数素子により1/4波長変成器を構成した場合においても、上述のマイクロストリップライン型の1/4波長変成器の場合とほぼ同一の諸特性が確認できた。
【0097】
図8は、上記したパラレルライン型の分布定数素子により、終端短絡インダクタを構成した場合の例を示すものである。なお、ここでは、パラレルライン型の終端短絡インダクタを、上述のマイクロストリップライン型の終端短絡インダクタ(図3参照)と同一仕様により構成した場合について説明する。
【0098】
すなわち、このパラレルライン型の終端短絡インダクタは、たとえば、上述した1/4波長変成器の場合とほぼ同様に、磁性層22には零磁歪組成のFeSmZr系アモルファス合金膜を、誘電体層23,26にはSiO膜を、上部導体ライン24および下部接地導体25にはそれぞれ導体材料としてのAuを、また、絶縁性下地基板27にはGaAs基板を用いて構成されている。
【0099】
同様に、上記磁性層22は、たとえば、t=0.2μm、μ’ =100、N=5とされ、上記誘電体層23は、たとえば、t=0.2μm、ε=4とされている。
【0100】
上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、たとえば、略U字状のつづら折りパターン(つづら折り数が1)をそれぞれに有し、t=4μm、ライン/スペースが50/100μmとされている。また、素子サイズ(上部導体ライン24の長手方向の長さ)は約500μmとされている。
【0101】
なお、上記下部接地導体25は、たとえば、その端部(端子部)がそれぞれ外部との接続のために、素子の前面に引き出されている。
【0102】
さらに、磁性層22には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸28は上部導体ライン24の長手方向に平行とされている。
【0103】
このように、パラレルライン型の分布定数素子により終端短絡インダクタを構成した場合においても、上述のマイクロストリップライン型の終端短絡インダクタの場合とほぼ同一の諸特性が確認できた。
【0104】
なお、上記した構成のパラレルライン型の分布定数素子においては、1/4波長変成器および終端短絡インダクタに限らず、たとえば、上述のマイクロストリップライン型の分布定数素子と同様に、ローパスフィルタや磁界センサを構成することも可能である。
【0105】
ところで、本発明によるパラレルライン型の素子の場合、内部に磁性層を有するため、隣接する導体ライン同士の磁束結合が密になる。特に、導体パターンがつづら折りパターンの場合には、隣接する導体ラインの相互インダクタンスMが負であるため、単位長さ当たりのインダクタンスLが低下する。そのため、波長短縮効果が阻害され、素子サイズの大幅な小型化はあまり期待できない。
【0106】
そこで、隣接する全ての導体ライン間の相互インダクタンスMが正となるような導体ライン構造について、以下に説明する。
【0107】
図9は、パラレルライン型の分布定数素子において、磁性層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、ローパスフィルタを構成した場合の例を示すものである。
【0108】
このローパスフィルタの構造は、上記したマイクロストリップライン型のローパスフィルタ(図4参照)と基本的には同一である。すなわち、このパラレルライン型のローパスフィルタは、たとえば、磁性層22にFeCoBC系アモルファス膜を、誘電体層23にAlN膜を用いて、電磁波の伝搬路21´が構成されてなるとともに、上部導体ライン24および下部接地導体25にはそれぞれCu(20μm)/Cr(0.1μm)が、また、誘電体層26にはAlNが、さらに、絶縁性下地基板27にはSi基板が用いられている。
【0109】
上記磁性層22は、たとえば、t=6μm、μ’ =1100、N=1とされ、上記誘電体層23は、たとえば、t=0.1μm、ε=8とされている。
【0110】
上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、たとえば、略I字状の複数の直線パターン(パターン数が4)をそれぞれに有し、t=20μm、ライン/スペースが500/500μmとされている。また、素子サイズ(上部導体ライン24の長手方向の長さ)は約4500μmとされている。
【0111】
さらに、上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、それぞれに流れる電流が全て同じ向きになるように、互いの各パターンが略らせん状(詳細については後述する)に接続されている。
【0112】
なお、上記下部接地導体25は、たとえば、その端部(端子部)がそれぞれ外部との接続のために、素子の前面に引き出されている。
【0113】
また、磁性層22には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸28は上記上部導体ライン24の長手方向に平行とされている。
【0114】
図10は、上記したパラレルライン型のローパスフィルタにおける、上部導体ライン24および下部接地導体25の構造(導体ライン構造)を概略的に示すものである。なお、同図(a)は要部の斜視図であり、同図(b)は同じく要部の側面図である。
【0115】
たとえば、上部導体ライン24および下部接地導体25は、上部導体ライン24および下部接地導体25をそれぞれ流れる電流の向きが全て同じになるように、隣り合う、上部導体ライン24の各パターンの一端と下部接地導体25の各パターンの一端、並びに、下部接地導体25の各パターンの他端と上部導体ライン24の各パターンの他端が、互いに略らせん状になるように接続されている。
【0116】
この場合、隣接する全ての導体ライン間の相互インダクタンスMが正となるため、上記マイクロストリップライン型のローパスフィルタとほぼ同一の特性を得るのに必要な総線路長は、つづら折りパターンの場合の約2/3となって、素子の大幅な小型化が可能となる。
【0117】
図11は、上記した構成のパラレルライン型のローパスフィルタに負荷(Z)を接続して、入出力電圧ゲインGv、位相φ、および、入力インピーダンスZiを測定した際の結果を示すものである。なお、同図(a)は負荷に20Ωの純抵抗を用いた場合の例であり、同図(b)は同じく10Ωの場合の例である。
【0118】
20Ωの純抵抗を有する負荷を接続した場合、つまり、20Ωで終端させた場合には、7MHz付近で線路長が1/4波長になることと、特性インピーダンスZiが10Ω程度と低いために、信号が昇圧される。しかし、10MHz以上の高周波の帯域では、信号の減衰量が大きく、ローパスフィルタとして正常に機能していることが分かる。
【0119】
一方、10Ωの純抵抗を有する負荷を接続した場合、つまり、10Ωで終端させた場合には、10MHz以上の高周波の帯域では、負荷の大きさに関係なく、大きな信号減衰量を得ることができるのが見て取れる。
【0120】
このような構成のパラレルライン型のローパスフィルタを、たとえば、動作周波数を100KHz、入力電圧を5V、出力電圧を7.2V、出力電流を0.5Aとする、矩形波スイッチング電源の出力ノイズフィルタに適用した場合、出力コンデンサでは除去できなかったスパイク状のノイズを劇的に低減することが可能となる。
【0121】
すなわち、通常の出力コンデンサの自己共振周波数は1MHz程度であり、コンデンサ単独では、数10MHzから100MHzの周波数成分をもつスパイクノイズを除去できない。
【0122】
これに対し、上記した構成のパラレルライン型のローパスフィルタを電源の出力側に接続した場合においては、たとえば、2V程度のスパイクノイズを50mV以下にまで低減でき、十分に小さな挿入損失(効率の低下はわずか0.5%程度)のもとで、スパイクノイズのみを効果的に除去することができた。
【0123】
図12は、パラレルライン型の分布定数素子を、磁界センサに適用した場合の例を示すものである。
【0124】
この磁界センサの構造は、上記したマイクロストリップライン型の磁界センサ(図5参照)と基本的には同一であり、しかも、導体ライン構造が上記パラレルライン型のローパスフィルタ(図9参照)と同様な構成となっている。
【0125】
すなわち、このパラレルライン型の磁界センサは、たとえば、磁性層22にCoZrNb系アモルファス磁性膜を、誘電体層23にSiO膜を用いて、電磁波の伝搬路21’’が構成されてなるとともに、上部導体ライン24および下部接地導体25にはそれぞれCu(5μm)/Cr(0.1μm)を、また、誘電体層26にはSiO膜を、さらに、絶縁性下地基板27にはSi基板を用い、外部磁界Hexが0の場合の1/4波長同調周波数が39MHzに設定されている。
【0126】
上記磁性層22は、たとえば、t=0.5μm、μ’ =2000、N=2とされ、上記誘電体層23は、たとえば、t=0.05μm、ε=4とされている。
【0127】
上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、たとえば、略I字状の複数の直線パターン(パターン数が8)をそれぞれに有し、t=5μm、ライン/スペースが30/100μmとされている。また、素子サイズ(上部導体ライン24の長手方向の長さ)は約1000μmとされている。
【0128】
そして、上記上部導体ライン24および上記下部接地導体25は、図10に示したように、それぞれに流れる電流が全て同じ向き(隣接する全ての導体ライン間の相互インダクタンスMが正)になるように、略らせん状に接続されている。
【0129】
なお、上記下部接地導体25は、たとえば、その端部(端子部)がそれぞれ外部との接続のために、素子の前面に引き出されている。
【0130】
また、磁性層22には一軸性の磁気異方性を誘導してあり、その磁化容易軸28は上部導体ライン24の長手方向に平行とされている。
【0131】
図13は、上記したパラレルライン型の磁界センサにおける、磁性層22の透磁率と終端電圧(入出力電圧ゲイン)との関係を示すものである。
【0132】
同図において、破線は透磁率が外部磁界Hex=0の場合を示しており、この時、磁界センサは1/4波長変成器となるため、たとえば、2KΩで終端させた場合には20dBもの昇圧ゲインが得られる。
【0133】
また、外部磁界Hexの増加によって透磁率が低下すると、線路の特性インピーダンスおよび波長が変化し、終端電圧は低下していく。
【0134】
図14は、上記した構成の磁界センサを実際に動作させるための、センサ回路(センサシステム全体)の概略構成を示すものである。
【0135】
この場合のセンサ回路は、たとえば、線路(磁界センサ)MSの入力端に、直流阻止用のコンデンサ(39MHzでのインピーダンスが十分に低い)Cを介して、39MHzの交流定電圧源Viが接続されるとともに、2KΩの純抵抗(終端抵抗)Rを介して終端されている。
【0136】
また、線路MSの上記入力端には、直流バイアス電流調整用の可変抵抗Rおよび交流阻止用のコイル(39MHzでのインピーダンスが十分に高い)Lを介して、磁性層22に適当な直流バイアス磁界を加えるための直流電源Eが接続されている。
【0137】
図15は、磁性層22に用いたCoZrNb系アモルファス磁性膜の、外部磁界Hexと交流振幅透磁率との関係を示すものである。
【0138】
磁性層22は、5Oeの磁界(一軸磁気異方性の異方性磁界に相当)付近で透磁率が大きく変化する。このため、上記したセンサ回路(図14参照)の場合、直流電源Eからの直流バイアス電流によって磁性層22に加える直流バイアス磁界を5Oe程度に設定すれば良い。
【0139】
実際には、外部磁界Hexおよび終端電圧が線形である必要もあり、線形性も考慮して、適宜、直流バイアス電流は調整される。
【0140】
図16は、上記した構成の磁界センサの、外部磁界Hexと終端電圧との関係を示すものである。なお、ここでは、39MHzの交流定電圧源Viの出力電圧を100mVRMS 、直流電源Eからの直流バイアス電流を12mAに設定した場合を例に示している。
【0141】
同図より、外部磁界Hexおよび終端電圧Voは、ほぼ線形の関係にあることが分かる。また、この場合の磁界感度は、約0.77V/Oeであった。
【0142】
このような構成の磁界センサによれば、磁界センサを含んで、その周辺回路の構成を簡素化できるようになるため、センサシステム全体としての小型化が容易に可能となる。
【0143】
なお、外部磁界Hexの加わる方向としては、図12に示した磁界Hexの向き以外に、磁性層22の磁化容易軸28に平行な場合も、磁界の検出が可能である。
【0144】
図17は、本発明の実施の第三の形態にかかる、内部導体ライン型の分布定数素子の基本構造を概略的に示すものである。
【0145】
この分布定数素子は、たとえば、電磁波の伝搬路31が内部導体ライン(導体層)32の周囲を誘電体層33によって覆うような構造を有し、この伝搬路31の上面には上部磁性層(上部軟磁性金属層)34が、また、伝搬路31の下面には下部磁性層(下部軟磁性金属層)35が設けられるとともに、この下部磁性層35を介して、絶縁性下地基板36上に取り付けられた構成となっている。
【0146】
上記上部磁性層34および上記下部磁性層35は、たとえば、上記したマイクロストリップライン型または上記したパラレルライン型の分布定数素子の場合と同様に、それぞれ、tの厚さを有するとともに、ほぼ均一の幅で設けられている。
【0147】
また、上記上部磁性層34および上記下部磁性層35は、互いに電気的に接地されて、三端子素子を構成するようになっている。
【0148】
なお、上記上部磁性層34および上記下部磁性層35には、必要に応じて、所定の方向に一軸性の磁気異方性が誘導されるようになっている。
【0149】
上記内部導体ライン32は、たとえば、tの厚さを有するとともに、上記上部磁性層34、上記下部磁性層35、および、上記誘電体層33の幅よりも狭い、導体幅wを有して設けられている。
【0150】
また、上記内部導体ライン32は、たとえば、上記上部磁性層34および上記下部磁性層35間の、ほぼ中間部に位置するように設けられている。
【0151】
【表4】
Figure 0003600415
【0152】
また、この内部導体ライン型の分布定数素子の線路は、図18に示すように、2端子対回路として解析できる。
【0153】
【表5】
Figure 0003600415
【0154】
このような、内部導体ライン32の外側に、電気的に接地される磁性層34,35を配した構成の、内部導体ライン型の分布定数素子によっても、同様に、1/4波長変成器、終端短絡インダクタ、ローパスフィルタ、および、磁界センサへの応用が期待される。
【0155】
しかし、この内部導体ライン型の分布定数素子の場合、内部導体ライン32への垂直磁束の鎖交によるうず電流の発生、および、うず電流の遮蔽効果によるインダクタンスの高周波での低下が避けられず、高い周波数での適用には向いていない。
【0156】
その一方で、分布インダクタンスを大きくできる利点があるため、低周波用として利用する場合においては、特に、有用である。
【0157】
図19は、上記した内部導体ライン型の分布定数素子により、1/4波長変成器を構成した場合の例を示すものである。なお、同図(a)は内部導体ライン32をつづら折りパターンとした場合の例であり、同図(b)は同じくスパイラルパターンとした場合の例である。
【0158】
特に、内部導体ライン32をスパイラルパターンとした場合には、電気的な接続を可能とするために、上部磁性層34、および、上記上部磁性層34側の誘電体層33に開孔部37を設け、この開孔部37を介して、上記スパイラルパターンの一端を外部に露出させるようにすれば良い。
【0159】
以上、本発明にかかる分布定数素子の種々の構成について述べたが、導体ラインのパターン形状については、つづら折りパターンなどに限定されるものではない。
【0160】
しかしながら、マイクロストリップライン型およびパラレルライン型の分布定数素子については、導体ラインの導体幅(w)に対して、上下の導体ライン間の距離(係数d’ )は十分に小さく、具体的にはw/d’ ≧5、より好ましくはw/d’ ≧10程度に設定した方が良好な特性が得られる。
【0161】
また、磁性層は、マイクロストリップライン型およびパラレルライン型の分布定数素子の場合は分布容量の電極として作用する。また、内部導体ライン型の分布定数素子の場合は接地層として作用するので、抵抗率は低い方が良い。
【0162】
しかしながら、数100μΩ・cm程度までならば、抵抗率は高くても大きな問題はなく、結晶質、アモルファス、微結晶など、種々の磁性金属材料が使用可能である。
【0163】
その他、この発明の要旨を変えない範囲において、種々変形実施可能なことは勿論である。
【0164】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明によれば、各種の磁性薄膜デバイスの開発、実用化にともなって、素子特性の飛躍的な向上(高性能化)、さらなる小型化(薄型化)、および、製造コストの低減などを図ることが可能な分布定数素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第一の形態にかかる、マイクロストリップライン型の分布定数素子の基本構造を示す概略構成図。
【図2】同じく、マイクロストリップライン型の1/4波長変成器を構成した場合を例に示す概略図。
【図3】同じく、マイクロストリップライン型の終端短絡インダクタを構成した場合を例に示す概略図。
【図4】同じく、磁性層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、マイクロストリップライン型のローパスフィルタを構成した場合を例に示す斜視図。
【図5】同じく、マイクロストリップライン型の分布定数素子を、磁界センサに適用した場合を例に示す斜視図。
【図6】この発明の実施の第二の形態にかかる、パラレルライン型の分布定数素子の基本構造を示す概略構成図。
【図7】同じく、パラレルライン型の1/4波長変成器を構成した場合を例に示す斜視図。
【図8】同じく、パラレルライン型の終端短絡インダクタを構成した場合を例に示す斜視図。
【図9】同じく、磁性層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、パラレルライン型のローパスフィルタを構成した場合を例に示す斜視図。
【図10】同じく、パラレルライン型のローパスフィルタにおける、導体ライン構造を示す概略構成図。
【図11】同じく、パラレルライン型のローパスフィルタを例に示す特性図。
【図12】同じく、パラレルライン型の分布定数素子を、磁界センサに適用した場合を例に示す斜視図。
【図13】同じく、磁界センサを例に、磁性層の透磁率と終端電圧との関係を説明するために示す特性図。
【図14】同じく、センサ回路の構成例を示す回路構成図。
【図15】同じく、磁性層に用いたCoZrNb系アモルファス磁性膜の、外部磁界と交流振幅透磁率との関係を説明するために示す特性図。
【図16】同じく、磁界センサを例に、外部磁界と終端電圧との関係を説明するために示す特性図。
【図17】この発明の実施の第三の形態にかかる、内部導体ライン型の分布定数素子の基本構造を示す概略構成図。
【図18】同じく、内部導体ライン型の分布定数素子の線路を2端子対回路により概略的に示す回路構成図。
【図19】同じく、内部導体ライン型の分布定数素子の構成例を示す斜視図。
【図20】従来技術とその問題点を説明するために示す、DC−DCコンバータ用磁性薄膜インダクタの概略図。
【図21】同じく、従来の磁性薄膜トランスを概略的に示す構成図。
【図22】同じく、従来の移動体通信機器用磁性薄膜インダクタを示す概略図。
【図23】同じく、従来の高感度磁界センサを概略的に示す構成図。
【符号の説明】
11…伝搬路(マイクロストリップライン型)
11´…伝搬路(ローパスフィルタ)
11’’…伝搬路(磁界センサ)
12…磁性層
13…誘電体層
14…マイクロストリップライン
15…下部接地導体
16…絶縁性下地基板
17…磁化容易軸
21…伝搬路(パラレルライン型)
21’ …伝搬路(ローパスフィルタ)
21’’…伝搬路(磁界センサ)
22…磁性層
23,26…誘電体層
24…上部導体ライン
25…下部接地導体
27…絶縁性下地基板
28…磁化容易軸
31…伝搬路(内部導体ライン型)
32…内部導体ライン
33…誘電体層
34…上部磁性層
35…下部磁性層
36…絶縁性下地基板
37…開孔部
MS…線路(磁界センサ)
C…コンデンサ(直流阻止用)
Vi…交流定電圧源
…純抵抗(終端抵抗)
R…可変抵抗(直流バイアス電流調整用)
L…コイル(交流阻止用)
E…直流電源

Claims (20)

  1. 軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、
    前記伝搬路の上下にそれぞれ設けられた導体層と
    を具備したことを特徴とする分布定数素子。
  2. 前記軟磁性金属層は、一軸性の磁気異方性が誘導されてなることを特徴とする請求項1に記載の分布定数素子。
  3. 前記導体層のうち、少なくとも前記伝搬路の上面に設けられる導体層は、つづら折り形状を有することを特徴とする請求項1に記載の分布定数素子。
  4. 前記導体層は、ほぼ同一のつづら折り形状を有することを特徴とする請求項1に記載の分布定数素子。
  5. 前記導体層は、複数の直線パターン形状をそれぞれに有し、各導体層をそれぞれ流れる電流の向きが全て同じになるように相互に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の分布定数素子。
  6. 前記導体層は、各パターンの相互が略らせん状に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の分布定数素子。
  7. 絶縁性基板上に設けられた下部導体層と、
    この下部導体層上に設けられた、一軸性の磁気異方性を誘導してなる軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、
    前記伝搬路上に設けられた、少なくとも長手方向を有する上部導体層と
    を具備し
    前記軟磁性金属層の磁化容易軸が、前記上部導体層の長手方向に平行とされていることを特徴とするマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  8. 前記上部導体層は、つづら折り形状を有することを特徴とする請求項7に記載のマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  9. 線路長が電磁波の波長の略1/4とされて、伝送線路型変成器を構成することを特徴とする請求項7に記載のマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  10. 高抵抗で終端するとともに、外部磁界による前記軟磁性金属層の透磁率の変化を終端電圧の振幅の変化として検出する磁界センサを構成することを特徴とする請求項9に記載のマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  11. 線路長が電磁波の波長の1/4の長さよりも十分に短く、かつ、前記上部導体層の一端が前記下部導体層に電気的に接続されて、伝送線路型インダクタンス素子を構成することを特徴とする請求項7に記載のマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  12. 前記軟磁性金属層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、ローパスフィルタを構成することを特徴とする請求項7に記載のマイクロストリップライン型の分布定数素子。
  13. 絶縁性基板上に設けられた、少なくとも長手方向を有する下部導体層と、
    この下部導体層上に設けられた、一軸性の磁気異方性を誘導してなる軟磁性金属層の上下を誘電体層によって挟むように、前記軟磁性金属層および前記誘電体層を交互に積み重ねた、積層構造を有する電磁波の伝搬路と、
    前記伝搬路上に設けられた、前記下部導体層とほぼ同一形状を有する上部導体層と
    を具備し
    前記軟磁性金属層の磁化容易軸が、前記上部導体層の長手方向に平行とされていることを特徴とするパラレルライン型の分布定数素子。
  14. 前記上部導体層および前記下部導体層は、つづら折り形状を有することを特徴とする請求項13に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  15. 前記上部導体層および前記下部導体層は、複数の直線パターン形状をそれぞれに有し、各導体層をそれぞれ流れる電流の向きが全て同じになるように相互に接続されていることを特徴とする請求項13に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  16. 前記導体層は、各パターンの相互が略らせん状に接続されていることを特徴とする請求項15に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  17. 線路長が電磁波の波長の略1/4とされて、伝送線路型変成器を構成することを特徴とする請求項13に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  18. 高抵抗で終端するとともに、外部磁界による前記軟磁性金属層の透磁率の変化を終端電圧の振幅の変化として検出する磁界センサを構成することを特徴とする請求項17に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  19. 線路長が電磁波の波長の1/4の長さよりも十分に短く、かつ、前記上部導体層の一端が前記下部導体層に電気的に接続されて、伝送線路型インダクタンス素子を構成することを特徴とする請求項13に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
  20. 前記軟磁性金属層に高周波で高損失性となる磁性金属を用いて、ローパスフィルタを構成することを特徴とする請求項13に記載のパラレルライン型の分布定数素子。
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