JP3599804B2 - 9−(z)−レチノイン酸の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、9−(Z)−レチノイン酸の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
9−(Z)−レチノイン酸は、生理学的に重要な物質である(Nature 355 (1992) 359〜361頁を参照のこと)。該物質は、直接のリガンド相互作用によって活性化される核レチノイン酸受容体RXRαに対する高い結合親和性を有している。この相互作用の結果として、変化した遺伝子表現型が観察され、このことは細胞処理への幅広い影響を可能にする。
【0003】
これまで実用可能な9−(Z)−レチノイン酸の製法が公知ではないため、本発明の課題は、該化合物の製造のための有利な方法を開発することであった。
【0004】
これまで最も頻繁に使用されたレチノイン酸異性体、全(E)−レチノイン酸は、有利に、β−イオニリデン−トリフェニルホスホニウム塩(C15−トリフェニルホスホニウム塩)とβ−ホルミル−クロトン酸エステルとのウィッティッヒ反応によって得られる。得られた二重結合異性体の後からの分離は、費用が著しくかかる形でのみ分取クロマトグラフィー法を使用することによって可能である。
【0005】
工業的なビタミンA合成並びに他のビタミンA誘導体、例えばレチナール及びレチノイン酸の製造に必要とされるC15−トリフェニルホスホニウム塩(例えばAngew. Chem. 77 (1965) 277〜360の H. Pommer他を参照のこと)の製造の場合には、目的生成物の分離後に母液が生じ、この母液中には全(E)−C15−トリフェニルホスホニウム塩の他に9−(Z)−異性体が全C15−トリフェニルホスホニウム塩に対して10〜60重量%、特に30〜55重量%の量で含有されている。この母液を9−(Z)−レチノイン酸の製造に直接使用することは、著しい困難なくして可能ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、所望の9−(Z)−レチノイン酸を簡単にC15−トリフェニルホスホニウム塩製造の母液から製造することができる方法を開発することであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象は、9−(Z)−レチノイン酸を有機溶剤中の、一般式I:
【0008】
【化3】
Figure 0003599804
【0009】
〔式中、R〜Rはアリール基、有利にフェニル基を表わし、Xはハロゲン原子又は(HSO)を表わす〕で示されるC15−トリフェニルホスホニウム塩の工業的製造の母液から製造する方法において、
A.母液から水での抽出及び水性相の蒸発濃縮によって単離されたC15−トリアリールホスホニウム塩中で、9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩の含量を、油状C15−トリアリールホスホニウム塩混合物を加熱下でできるだけ僅かな低級アルコール中に、有利にイソプロパノール中に溶解し、かつ、冷却によって晶出する全(E)−C15−トリアリールホスホニウム塩を分離することによって富化し、
B.得られた、9−(Z)−異性体が富化された、式IのC15−トリアリールホスホニウム塩をウィッティッヒ反応の際に常用される塩基の存在下で、殊にアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属アミド、アルカリ金属炭酸塩又はアンモニアの存在下で、ウィッティッヒ反応に適当である溶剤中で、一般式II:
【0010】
【化4】
Figure 0003599804
【0011】
〔式中、RはC〜C−アルキル基を表わす〕で示されるβ−ホルミルクロトン酸アルキルエステルと反応させ、
C.ウィッティッヒ反応にとって通常の後処理によって得られた上記レチノイン酸エステル混合物をC〜C−アルカノール、有利にプロパノールもしくはブタノール、殊にイソプタノール中で鹸化し、かつ得られた9−(Z)−レチノイン酸をアルカノール性、有利にプロパノール性もしくはブタノール性溶液から、場合によってはメタノールの添加によって結晶として析出させ、この場合、形成された全(E)−レチノイン酸及び他の未知のレチノイン酸異性体は、該アルカノール性溶液中に残留すること
を特徴とする製法である。
【0012】
【作用】
特に純粋な9−(Z)−レチノイン酸は、得られた9−(Z)−レチノイン酸が引き続きブタノール/メタノール混合物、特にイソブタノール/メタノール混合物から再結晶される場合には得られる。
【0013】
特に有利に本発明は、反応段階Aの際に、
9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩の含量をC15−トリアリールホスホニウム塩製造の母液から、
a)母液に水を添加し、かつ有機相を分離し、
b)水性相を念入りな条件下で蒸発濃縮し、
c)このようにして得られた油状物を加熱下でできるだけ僅かなイソプロパノール中に溶解し、
d)冷却によって晶出する全(E)−C15−トリアリールホスホニウム塩を分離し、かつ
e)得られたイソプロパノール性溶液を念入りな条件下で蒸発濃縮すること
によって単離しかつ富化する場合には、行なわれる。
【0014】
15−トリアリールホスホニウム塩の製造は、自体公知の方法で通常、溶剤、例えばトルエン、アセトニトリル、キシレン、デカリン、塩化メチレン、メチル−t−ブチルエーテル、水及びアルカノール中で行なわれる。
【0015】
従って、本発明による方法に必要とされる母液は、上記溶剤のうちの1種もしくは溶剤混合物、トリフェニルホスフィンオキシド、ハロゲン化炭化水素ないしは硫酸及びC15−炭化水素並びに水素酸ないしは硫酸のトリアリールホスホニウム塩からなる。
【0016】
母液は、反応条件に応じて、全C15−トリアリールホスホニウム塩の量に対して9−(Z)−異性体10〜60%、特に30〜55%を含有している。この母液からC15−トリアリールホスホニウム塩は、水で抽出され、かつ水性相は、念入りな条件下で蒸発濃縮される。このようにして得られた油状物は、塩の濃度が30〜70重量%、特に40〜60重量%、殊に45〜55重量%である程度の量の低級アルカノール、有利にイソプロパノール中に吸収される。引き続き、得られた溶液は、温度−50〜25℃、特に−30〜0℃で放置され、この場合、全(E)−トリアリールホスホニウム塩は、晶出されかつこのようにして分離することができる。9−(Z)−C15−塩のこの富化後に母液中で、9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウム塩と全(E)−C15−トリフェニルホスホニウム塩との比は、約1:1〜50:1である。実施例によれば、約15:1に相応する90:6の比が達成された。9−(Z)−異性体のさらなる富化は、引き続いてのウィッティッヒ反応の動力学支配を基礎として可能であり、それというのも残留した全(E)−異性体が、9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩より著しく迅速にウィッティッヒ反応を起こすからである。即ちC15−トリアリールホスホニウム塩混合物がウィッティッヒ反応の際に全(E)−C15−塩のなお含有されている量に相応する量のアルデヒド化合物と反応する場合には、反応配合物の酸性の後処理によって9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩の単離が動力学的差異に基づいて行なわれる。
【0017】
9−(Z)−レチノイン酸を製造するための本発明による方法は、反応段階Bの際に、
9−(Z)−異性体を富化された、一般式IのC15−トリアリールホスホニウム塩が、ウィッティッヒ反応に常用される塩基の存在下で、殊にアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアンモニアの存在下で溶剤としてのジメチルホルムアミド、アルカノール−ジメチルホルムアミド混合物、アルカノール−水混合物、1,4−ジオキサン、水又はN−メチル−ピロリドン、有利にジメチルホルムアミド中で一般式IIのβ−ホルミル−クロトン酸アルキルエステルと反応する場合には、さらなる利点を有している。通常、ウィッティッヒ反応は自体公知の方法で温度−30〜約+30℃、特に−10℃〜+10℃、殊に約0℃で行なわれる。この場合にはC15−トリアリールホスホニウム塩とβ−ホルミル−クロトン酸の両方の出発化合物を溶剤中に装入しかつこの溶液に塩基を添加してもよいし、しかし或いはC15−トリアリールホスホニウム塩の溶液を装入し、塩基を添加しかつその後に初めてβ−ホルミル−クロトン酸アルキルエステルの溶液を添加してもよい。
【0018】
ウィッティッヒ反応の特に有利な形を実施するために、水酸化リチウムは、ジメチルホルムアミド(DMF)中で懸濁され、かつ0℃に冷却される。冷却された懸濁液に最初に徐々にDMF中のC15−トリアリールホスホニウム塩の溶液が添加され、かつその後に徐々にDMF中のβ−ホルミル−クロトン酸エステルの溶液が添加される。温度+10〜−9℃、特に+5〜−5℃、殊に+2〜−2℃で2〜10時間、特に3〜5時間で撹拌した後に、反応混合物に氷水が添加される。さらに水/DMF相は、例えばヘプタン/酢酸エチルエステル混合物で抽出される。
【0019】
有機相は、水で洗浄され、かつ約40℃で溶剤を除去される。
【0020】
この場合には塩基、殊に水酸化リチウムは、合わせて、C15−トリアリールホスホニウム塩1モルあたり2〜6モル、特に3〜5モルの量で使用される。
【0021】
溶剤、殊にDMFはC15−トリアリールホスホニウム塩1モルあたり、通常、2〜8リットル(l)、特に3〜6lの量で使用される。
【0022】
抽出剤として、有利にヘプタンないしはヘプタンと酢酸エチルエステルからの混合物が使用される。しかし、水と混合不可能である他の全ての有機溶剤、例えばエーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素は、レチノイン酸アルキルエステル異性体混合物の抽出に使用することもできる。
【0023】
溶剤、殊にDMF及びアルカノールは、この抽出の際に十分に水性相中に残留し、かつもウィッティッヒ反応の際に生じたトリフェニルホスフィンオキシドが十分に水性相中に残留する。
【0024】
15−トリアリールホスホニウムハロゲニドが使用される場合には、一般式IIのβ−ホルミルクロトン酸アルキルエステルとのウィッティッヒ反応をC原子3〜6個を有する1,2−エポキシ−アルカン中、有利に1,2−エポキシ−ブタンもしくは1,2−エポキシヘキサン中で、かつウィッティッヒ反応に常用される上記塩基のうちの1種を使用することなく実施することが有利であることが判明している。この場合には1,2−エポキシ−アルカンは、C15−トリアリールホスホニウムハロゲニドからハロゲン化炭化水素を2−ハロゲン−アルカノール及び相応するC15−トリアリール−ホスホランの形成下で分離する(J. Buddrus、Angew. Chem. 80 (1968)、35〜36頁を参照のこと)。さらにこれら2−ハロゲン−アルカノール及び相応するC15−トリアリール−ホスホランは、一般式IIのβ−ホルミルクロトン酸アルキルエステルと反応して相応するレチノイン酸アルキルエステルに変換される。該1,2−エポキシ−アルカンは、この反応の際に溶剤並びに塩基として作用する。
【0025】
この変法を実施するためにC15−トリアリールホスホニウムハロゲニド及びβ−ホルミルクロトン酸エステルは、1,2−エポキシ−アルカン中で懸濁され、この懸濁液は、徐々に温度約35〜65℃、特に55〜65℃に加熱され、かつさらにこの温度でなお2〜24時間、特に4〜16時間撹拌される。ウィッティッヒ反応の終了後にエポキシアルカンは、反応混合物から念入りな条件下で留去される。
【0026】
1,2−エポキシ−アルカンは、他の溶剤と同様にC15−トリアリールホスホニウムハロゲニド1モルあたり約2〜8l、特に3〜6lの量で使用される。
【0027】
反応混合物の後処理は、本質的に、他の溶剤中でのウィッティッヒ反応についての上記記載と同様に行なわれる。
【0028】
本発明による方法の場合のさらなる大きな利点は、反応段階Cの際に、
a)得られた油状レチノイン酸アルキルエステルがプロパノールもしくはブタノール中に溶解され、かつ
b)加熱によって10〜80重量%、特に15〜60重量%、殊に20〜30重量%のアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属水酸化物、特にアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて鹸化され、
c)無機酸が、冷却されたアルカリ性反応混合物に添加されることによってレチノイン酸は遊離され、かつ
d)メタノールがプロパノール性もしくはブタノール性溶液に添加されることによって9−(Z)−レチノイン酸が結晶として析出する場合には
達成される。
【0029】
エステル分離の上記方法の場合には、意外にも異性体比に不利な影響は生じない。C〜C−アルカノール、特にプロパノール及びブタノール、殊にイソブタノールが溶剤としてエステル分離に使用される場合には、低級アルカノール、殊にメタノールの添加によって9−(Z)−レチノイン酸は、特に有利に明橙色の結晶の形で析出させることができ、一方で全(E)−レチノイン酸もしくは他のレチノイン酸異性体は、溶液中に含有されている。選択的に該アルカノール中の9−(Z)−レチノイン酸エステルの濃度は、鹸化処理の際に、直接、反応混合物からの9−(Z)−レチノイン酸の結晶化がメタノールの添加なしで達成することができる程度に調整することができる。
【0030】
本発明による方法を用いて9−(Z)−レチノイン酸は、初めて簡単な方法でかつ最終段階での費用のかかるクロマトグラフィー処理による精製方法を使用せずに得ることができる。これまでは廃棄処分しなければならなかった、C15−トリアリールホスホニウム塩の大規模な工業的な製造の際に生じる母液が利用されうることは、特に有利である。本発明によれば、9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩の富化は、比較的簡単に実施することができ、このことによって、9−(Z)−レチノイン酸の問題のない単離は、本発明による方法の最終段階に特別な溶剤系中で可能となる。
【0031】
次に本発明を実施例につき詳説する。
【0032】
HPLC分析のために次の条件を選択した:
a)C15−トリフェニルホスホニウム塩;
ヌクレオシル 120、7μm、RP−18、1ml/分,220nm、メタノール/水=7:3+0.04%セチルアンモニウムブロミド、pH=2.0
b)レチノイン酸; リクロソルブ(Lichrosorb)、5μm、RP−18、1.2ml/分、352nm、メタノール/水/酢酸=80:20:0.5。
【0033】
【実施例】
例 1
9−(Z)−レチノイン酸の製造
A. 9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウム塩の富化
ヘプタン/イソプロパノール中の3−メチル−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4−ペンタジエニル−トリフェニルホスホニウムヒドロゲンスルフェート(C15−トリフェニルホスホニウムスルフェート)の製造の母液1 1 に水250mlを添加し、強力に混合した。有機相の分離後に水溶液を回転蒸発器中で90℃で完全に蒸発濃縮した。明褐色の油状物91.8gが得られ、この油状物は、HPLC分析によれば約38%までが9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウムスルフェートからなり、かつ53%までが全(E)−C15−トリフェニルホスホニウムスルフェートからなっていた。この油状物をイソプロパール120ml中に吸収し、この場合、約50重量%の溶液が得られた。引き続き、この溶液を一晩中冷蔵庫中に放置し、析出した結晶物を濾別し、かつ溶液を回転蒸発器中で蒸発濃縮した。明褐色の油状物42.2gが得られ、この油状物は、HPLC分析によれば約65.8%までが9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウムヒドロゲンスルフェートからなり、かつ19%までが全(E)−C15−トリフェニルホスホニウムヒドロゲンスルフェートからなっていた。
【0034】
B.β−ホルミルクロトン酸メチルエステルとのウィッティッヒ反応
LiOH9g(0.37モル)をジメチルホルムアミド(DMF)100ml中に懸濁し、かつN保護ガス雰囲気下で0℃に冷却した。引き続き、DMF100ml中の、A.によって得られたC15−トリフェニルホスホニウム塩の溶液39.6g(0.0704モル)を0℃で30分間、LiOH懸濁液に滴加した。引き続き、DMF70ml中のβ−ホルミルクロトン酸メチルエステル14.5g(0.113モル)の溶液を30分間で添加した。
【0035】
反応混合物を0℃で4時間、後撹拌した後に氷水400mlを添加した。さらに水/DMF相をヘプタン/酢酸エチルエステル(2/1)混合物180mlで3回抽出した。得られた有機相を水各100mlでなお2回洗浄し、かつさらに回転蒸発器中で蒸発濃縮し、この場合、褐色の油状物17.85gが得られた。
【0036】
C.9−(Z)−レチノイン酸の単離
B.によって得られたレチノイン酸エステル混合物17.85gをイソブタノール50ml中に吸収し、かつ25重量%のNaOH水溶液12.5gを添加し、かつ反応混合物を先ず80℃で75分間維持しかつさらに60℃に冷却し、かつ10重量%の硫酸水溶液38mlを添加した。相の分離後にイソブタノール相にメタノール40mlを添加し、この場合、直ちに9−(Z)−レチノイン酸が晶出した。結晶の濾過後にメタノール各50ml(−30℃)でなお2回洗浄した。9−(Z)−レチノイン酸4gが得られた。これは、C15−塩生成物の母液中に含有されている9−(Z)−C15−トリフェニル−ホスホニウムヒドロゲンスルフェートに対して32%の収率に相応する。
【0037】
9−(Z)−レチノイン酸の単離後に得られたアルコール性母液(13.5g)は、HPLC分析によればなお35%までが全(E)−レチノイン酸、9−(Z)−レチノイン酸17.2%及び未知のレチノイン酸異性体34%からなっていた。
【0038】
D.9−(Z)−レチノイン酸の再結晶
A.〜C.と同様にして得られた9−(Z)−レチノイン酸5.2g(純度94.3%)をイソブタノール/メタノール混合物(1/1)80ml中で80℃で10分間撹拌した。引き続き、0℃に冷却した。1時間で9−(Z)−レチノイン酸が晶出し、濾別し、メタノール50ml(−30℃)で洗浄した。9−(Z)−レチノイン酸4.0gが純度99.5%で得られた。
【0039】
例 2
A.9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウムハロゲニドの富化
ヘプタン/イソプロパノール中の3−メチル−5−(2,6,6)−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4−ペンタジエニル−トリフェニルホスホニウムクロリドの製造の母液1lに水300mlを添加し、強力に混合した。有機相の分離後に水溶液を回転蒸発器中で80℃で完全に蒸発濃縮した。明褐色の油状物102gが得られ、この油状物は、HPLC分析によれば約42%までが9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウムクロリドからなり、かつ44%までが全(E)−C15−トリフェニルホスホニウムクロリドからなっていた。この油状物をイソプロパール150ml中に吸収し、この場合、約50重量%の溶液が得られた。引き続き、この溶液を一晩中冷蔵庫中に放置し、晶出した全(E)−C15−トリフェニルホスホニウムクロリドを濾別し、かつ溶液を回転蒸発器中で蒸発濃縮した。明褐色の油状物が得られ、この油状物は、HPLC分析によれば約63%までが9−(Z)−C15−トリフェニルホスホニウムクロリドからなっていた。
【0040】
B.1,2−エポキシ−ブタン中でのウィッティッヒ反応
例2A.によって得られたC15−トリフェニルホスホニウムクロリド50.05g(0.1モル)を1,2−エポキシ−ブタン500ml中に懸濁し、この懸濁液に25℃でβ−ホルミル−クロトン酸メチルエステル14.1g(0.11モル)を添加し、さらに還流温度65℃に1時間加熱し、かつ引き続き、還流下で沸騰するまでさらに12時間加熱した。その後に過剰量の1,2−エポキシ−ブタンを40℃/150〜200ミリバールで留去し、かつ残留物にヘキサン/酢酸エチルエステル混合物(1:1)250ml及び5℃に冷却された水250mlを添加し、かつ抽出した。得られた有機相を水各100mlでなお2回洗浄し、かつさらに30℃/20ミリバールで蒸発濃縮し、この場合、褐色の油状物19.2gが得られた。このようにして得られたレチノイン酸メチルエステル混合物中の9−(Z)−含量は、HPLC分析によれば37〜41重量%であった。
【0041】
C.9−(Z)−レチノイン酸の単離及び精製
を例1C及び1Dと同様にして行なった。
【0042】
例 3
1,2−エポキシ−ヘキサン中でのウィッティッヒ反応
例2A.と同様にして得られたC15−トリフェニルホスホニウムブロミド25g(0.046モル)を1,2−エポキシ−ヘキサン250ml中にβ−ホルミル−クロトン酸メチルエステル9.6g(0.075モル)と一緒に装入し、この混合物を62℃に2時間加熱し、かつさらにこの温度でなお10時間撹拌した。引き続き、過剰量の1,2−エポキシ−ヘキサン(沸点116〜120℃)を60℃/50〜100ミリバールで留去し、かつ残留物にヘプタン100ml、酢酸エチルエステル100ml及び5℃に冷却された2重量%の水性苛性ソーダ液200mlを添加し、かつ抽出した。得られた水性相をヘプタン/酢酸メチルエステル混合物(2:1)各150mlでなお2回抽出した。集めた有機相を水でなお3回洗浄し、かつさらに30℃/20ミリバールで蒸発濃縮した。褐色を帯びた油状物8.5gが得られ、この油状物を例1C及び1Dと同様にして純粋な9−(Z)−レチノイン酸に変換した。

Claims (1)

  1. 9−(Z)−レチノイン酸を有機溶剤中の、一般式I:
    Figure 0003599804
    〔式中、R〜Rはアリール基を表わし、Xはハロゲン原子又は基(HSO)を表わす〕で示されるC15−トリアリールホスホニウム塩の工業的製造の母液から製造する方法において、
    A.母液から水での抽出及び水性相の蒸発濃縮によって単離されたC15−トリアリールホスホニウム塩中で、9−(Z)−C15−トリアリールホスホニウム塩の含量を、油状C15−トリアリールホスホニウム塩混合物を加熱下でできるだけ僅かな低級アルコール中に溶解し、かつ、冷却によって晶出する全(E)−C15−トリアリールホスホニウム塩を分離することによって富化し、
    B.得られた、9−(Z)−異性体が富化された、式IのC15−トリアリールホスホニウム塩をアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属アミド、アルカリ金属炭酸塩又はアンモニアの存在下で、ウィッティッヒ反応に適当である溶剤中で、一般式II:
    Figure 0003599804
    〔式中、RはC〜C−アルキル基を表わす〕で示されるβ−ホルミルクロトン酸アルキルエステルと反応させ、
    C.ウィッティッヒ反応にとって通常の後処理の際に得られた上記レチノイン酸エステル混合物をC〜C−アルカノール中で鹸化し、かつ得られた9−(Z)−レチノイン酸をアルカノール性溶液から、場合によってはメタノールの添加によって結晶として析出させ、この場合、形成された全(E)−レチノイン酸及び他の未知のレチノイン酸異性体は、該アルカノール性溶液中に残留すること
    を特徴とする9−(Z)−レチノイン酸の製法。
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