JP3599379B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、フルカラー複写機や、ビジネスカラー複写機など、複数の感光体を用いて複写紙上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスのカラー指向に応じて、フルカラー複写機が登場してきた。このフルカラー複写機の方式の1つに感光体ドラム4連タンデム方式がある。この方式は、4本の感光体ドラムを平行に並べ、それぞれの感光体ドラム上に、イエロー・マゼンダ・シアン・ブラックのトナーを用いてトナー像を形成し、1枚の転写材に順次このトナー像を転写し、色重ねして、フルカラー画像を得る方式である。
【0003】
さて、この4連タンデム方式では、搬送ベルトに載せられた転写材が次々と、4つの感光体ドラムに接触してトナー像が転写される。また、フルカラー画像の形成以外の時、例えば、黒色の画像のみを形成する場合は、イエロー・マゼンダ・シアンの3本のドラムにはトナー像を形成せず、ブラックのトナーによるトナー像の形成だけを行なう。従って、ブラックのトナーによるトナー像のみが転写材に転写され、黒色のみの画像が得られる。
【0004】
ところで、この種の画像形成装置においては転写材搬送ベルトの蛇行・片寄りが原因で、得られた画像に色ズレが発生するという問題があった。
そこで、従来においては、転写材搬送ベルトの両側面部にそれぞれ帯状の寄り止めガイド部材を固定的に設け、これらガイド部材により搬送ベルトの蛇行・片寄りを防止するようにしている。
【0005】
上記寄り止めガイド部材間の寸法は上記転写材を張設する駆動ロ−ラと従動ローラのローラ部長さと等しくされ、ベルト駆動時に転写材搬送ベルトに固定された寄り止めガイド部材は、従動ローラのローラ部端面に摺動し、これによって、搬送ベルトの片寄り・蛇行が規制される。
【0006】
しかし、転写材搬送ベルトの寄り止めガイド部材を、その両側ガイド部材内側の寸法が従動ローラのローラ部長さと等しくなるように固定するというのは難しく、寸分の違いもなく固定するのは実際には不可能である。そして、このローラとガイド部材の僅かな隙間によってもベルトの蛇行が生じるという問題(つまり、幅が一致していないと、広いところではベルトが蛇行可能状態になり、また、狭いところではガイド部材がローラを乗り越えてしまうことになる)があった。これは、ベルトが片寄り進行しながら蛇行運動するために、ベルトの両側にガイド部材が必要となるからである。
これより、従来の方法では、搬送ベルトの蛇行・片寄りによる色ズレを効果的に抑制するのが難しいものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、転写材は転写材搬送ベルトによって4本の感光体ドラムに運ばれるが、この転写材搬送ベルトに蛇行が生じると、転写材もこれに準じて蛇行状態になり、色ズレが生じる。
【0008】
またこれと同時に、転写材搬送ベルトの片寄りが発生する。片寄りは転写材搬送ベルトによって進行方向のどちらに進むかを前もって予想するのが難しく、これが蛇行・片寄り制御を一層困難なものにしている。
【0009】
本発明は、発明者が新しく見い出した知見に基づいてなされたものであり、この転写材搬送ベルトの片寄り方向の制御を容易に行ない、同時に転写材搬送ベルトの蛇行を容易に、カラー画像としての品質に影響を及ぼさない範囲に極めて少量に抑制し、転写材主走査方向の画像の色ズレを解決した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、像を担持する複数個の像担持体と、これら像担持体に像を形成する複数個の像形成手段と、前記複数個の像担持体に転写材を順次搬送する搬送ベルト、この搬送ベルトを掛け渡す駆動ローラおよびテーパ状の従動ローラからなる搬送手段と、前記各像把持体上に形成された像を前記搬送手段により搬送される転写材にそれぞれ転写する複数の転写手段と、前記従動ローラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送ベルトに張力を付与し、前記小径部側の付勢力を大径部側の付勢力よりも小とする第1および第2の張力付与手段とを具備し、前記従動ローラは式T=(D−d)L(但し、Tは従動ローラのテーパ量、Dは大径側の直径、dは小径側の直径、Lはローラ部の長さ。)に示すテーパが2.31×10−3以上で、前記搬送ベルトとの静摩擦係数が0.26以下であることを特徴とする。
【0014】
また、像を担持する複数個の像担持体と、これら像担持体に像を形成する複数個の像形成手段と、前記複数個の像担持体に転写材を順次搬送する搬送ベルト、この搬送ベルトを掛け渡す駆動ロ−ラおよびテ−パ状の従動ロ−ラからなる搬送手段と、前記各像担持体上に形成された像を前記搬送手段により搬送される転写材にそれぞれ転写する複数の転写手段と、前記従動ロ−ラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送ベルトに張力を付与し、前記小径部側の付勢力を大径部側の付勢力よりも小とする第1および第2の張力付与手段とを具備し、前記第1および第2の張力付与手段の付勢力の差は式{(Pa−Pb)/Pb}×100≧10(但し、Paは第1の張力付与手段による印可荷重の大きさ、Pbは第2の張力付与手段による印可荷重の大きさで、Pa。>Pb)により得られる値である。
【0015】
【作用】
搬送ベルトを掛け渡す従動ロ−ラをテ−パ状に構成し、前記従動ロ−ラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送ベルトに張力を付与する第1および第2の張力付与手段の前記小径部側に対する付勢力を大径部側の付勢力よりも小とすることにより、搬送ベルトを安定して従動ロ−ラの小径部側に寄るよるように、寄り方向を制御する。
【0016】
また、従動ロ−ラの小径部側に位置する搬送ベルトの一端面側をガイド部材に摺接させてガイドすることにより、安価で容易に搬送ベルトの片寄りと蛇行を同時に高い信頼性で抑制する。
また、従動ロ−ラの大径部側に位置する搬送ベルトの端面側にガイド部材を一体的に設けることにより、構造的に簡略化しコストを低減する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を図に示す一実施例を参照して説明する。
発明者はまず、ベルトの片寄りを制御するための実験を行なった。この実験装置の概要を図2に示す。
【0018】
図中12は搬送手段を構成する転写材搬送ベルト、16はベルト駆動ローラ、17は傾斜を持つテーパ従動ローラ、31はベルト駆動ローラ16の回転中心軸に平行な方向に移動が可能な状態にしてある片寄り規制板、19は寄り力測定センサである。
【0019】
無端状の転写材搬送ベルト12は駆動ローラ16とテーパ従動ローラ17によって引き回され、テーパ従動ローラ17は、聴力付与手段としての従動ローラ圧縮スプリング18によってその軸受け21が外側に押されることで、搬送ベルト12に張力を発生させている。
【0020】
さて、従動ローラ17をテーパローラとし、その小径側に片寄り規制板31を配置する事によって、搬送ベルト12は次第にテーパローラ17の小径側に滑って片寄りが進行する。この片寄り力は規制板31に作用し、片寄り力測定センサ19によってこの大きさが測定できる仕組みになっている。また、テーパローラ17のローラ長はベルト12の幅以上に設計されており、テーパの効果がベルト12の全幅に作用する構造となっている。
【0021】
さて、テーパ従動ローラ17はテーパの大きさがいくつであってもベルト12の滑りが発生するとは限らない。また、この滑りとはテーパ従動ローラ17とベルト12の摩擦係数にも影響される。同時に摩擦によることはテーパ従動ローラ17とベルト12の圧接状態、つまり、ベルト印可荷重にも影響される。
【0022】
そこで、これらの影響を明確にする為に、
(1)ベルト12とテーパローラ17の静摩擦係数、
(2)テーパローラ17のテーパの大きさ、
(3)ベルト12の印可荷重、
の3つのパラメータの基により力を測定した。
【0023】
ここで、言葉の定義を明確にしておく。
テーパの大きさは大径側のテーパローラ17の直径Dと小径側の直径dの差をローラ部長さで除算した値で示している。即ち、テーパT=(D−d)/Lである。
【0024】
また、静摩擦係数の変化はテーパローラ17の表面状態を変えることで実現した。更に、ベルト12の印可荷重Wとは、先に説明したベルト12に張力を作用させるために配設してあるベルト12両側の従動ローラ圧縮スプリング18から作用する力の大きさを合計した値である(ベルト張力はW/2となる)。
【0025】
尚、このベルト印可荷重の調整は数種類の圧縮スプリング18の変換によって行っていた。
さて、各パラメータの大きさは、それぞれ
(1)摩擦係数:0.24,0.25,0.26,0.27,0.28の5種類、
(2)テーパの大きさ:0.77,1.54,2.31,3.08,3.85(×10−3)の5種類、
(3)ベルト印可荷重:2.5,2.75,3.0,3.25,3.5Kg の5種類とした。
【0026】
この実験結果をまとめたグラフを図3〜図7に示す。
ベルト印可荷重を各グラフの印可荷重とし、X軸に静摩擦係数、Y軸にテーパの大きさ、Z軸により力の大きさを示している。
【0027】
このグラフからわかかる事は以下の通りである。
(1)ベルト印可荷重に着目した場合、ベルト印可荷重3kg以上でベルト12がテーパローラ17の小径側に寄る。
【0028】
(2)静摩擦係数に着目した場合、静摩擦係数0.26以下でベルト12がテーパローラ17の小径側に寄る。
(3)テーパローラ17の大きさに着目した場合、テーパの大きさ2.31×10−3以上でベルト12がテーパローラ17の小径側に寄る。
【0029】
(4)ベルト印可荷重に着目した場合、ベルト印可荷重が3kg以上であれば、得られる寄り力に、ベルト印可荷重の大きさの変化に伴う変化はなく、ほぼ一定の寄り力が得られる。
【0030】
(5)静摩擦係数に着目した場合、静摩擦係数0.26以下であれば、得られる寄り力に、静摩擦係数の大きさの変化に伴う変化はなく、ほぼ一定の寄り力が得られる。
【0031】
(6)テーパローラ17の大きさに着目した場合、テーパの大きさ2.31×10−3以上であれば、テーパの大きさの変化に準じた寄り力の大きさの変化が得られる。
【0032】
さて、(4)の現象については、次の説明が出来る。つまり、ベルトの印可荷重が3kg未満の場合は、各ローラとベルト12が密着せずベルト12の安定した走行が行なえないので、テーパローラに寄る寄り方向制御が出来ない。一方、ベルト印可荷重が3kgとなると各ローラとベルト12が密着し、テーパローラ17の効果はテーパの大きさと、静摩擦係数の大きさに依存するようになる。このベルト印可荷重が3kgを越えた場合は、すでに各ローラとベルト12の間に安定した密着(滑り)状態が生じているのでベルト印可荷重の大きさによって寄り力の大きさが変化することはない。
【0033】
次に、(5)の現象については、次の説明が出来る。つまり、静摩擦係数が0.26を越える場合はベルト12とテーパローラ17の間に安定した滑り状態が発生せず、静摩擦係数が0.26になると、ベルト12とテーパローラ17の間に安定した滑り状態が生じる。この静摩擦係数が0.26以下の場合は、すでに安定した滑り状態が発生しているので静摩擦係数の大きさに寄って力の大きさが変化することはない。
【0034】
また、(6)の現象については次の説明ができる。テーパの大きさ2.31×10−3まではベルト独自の寄り力の方が大きくテーパの傾斜でコントロールすることが出来ないが、テーパの大きさが2.31×10−3になるとベルト12の寄り力により、テーパを滑る力が強くなって、ベルト独自の寄り方向ではなく、テーパの方向に左右されるようになる。テーパの大きさが2.31×10−3を越えると、その大きさに従ってベルト12の滑る量は顕著となり、テーパの大きさに見合った寄り力が得られる。
【0035】
以上詳しく説明したように、この結果をまとめると、テーパの大きさを2.31×10−3以上とし、静摩擦係数0.26以下のベルト12とテーパローラを用い、好ましくは、ベルト印可荷重3kg以上とすることで、ベルト12がテーパローラ17の小径側に寄る様にベルト12の寄り方向を制御することが出来る。
【0036】
次にこの方式で寄り方向制御の安定性を高めるために、タグチメソッドを用いた実験を行なった。
このタグチメソッドとは品質管理工学の一実験方法であり、例えばある装置AがBという運動をする場合、考えられる使用環境でBという運動を安定して行なうための装置Aを構成するパラメータを最適条件に選定する実験方法である。
【0037】
つまり、機能を悪化させるノイズを評価の中で積極的に取り込み、ノイズに対し強い機能性を経済的につくり込む特徴を持っている。
実験でのパラメータは以下の通りである。制御因子は(1)テーパの大きさ、(2)ベルト印可荷重、(3)ベルト厚み、(4)印可荷重バランスの4種類とし、それぞれの値を、
(1)テーパの大きさ=0,2.31,3.85×10−3
(2)ベルト印可荷重=3.0,3.5,4.0kg
(3)ベルトの厚み=75μm,100μm
(4)印可荷重バランス=リア10%増し、リア20%増し、リア30%増しとした。
【0038】
また、ノイズとなる誤差因子は(1)温湿度、(2)ローラの表面状態、(3)印可荷重ばらつき、(4)感光体ドラム軸平行度、(5)転写ローラ軸平行度、(6)ベルト周長差の6種類とし、それぞれの値を、
(1)温湿度=高温多湿(30℃−85%)、低温低湿(10℃−20%)
(2)ローラの表面状態=トナー汚れなし、トナー汚れあり
(3)印可荷重ばらつき=フロント側30%大、リア側30%大
(4)感光体ドラム軸平行度=フロント側0.2mm上流、リア側0.2mm上流
(5)転写ローラ軸平行度=フロント側0.2mm上流、リア側0.2mm上流
(6)ベルト周長差=長側フロント、長側リア
とした。
【0039】
さて、これを制御因子は直交L18に、誤差因子は直交L8に割り付け、直積による実験表を作成しこれに従って実験を行なった。この直積による実験の直交表を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
この直交表に従って、144通りの実験を実施した。
尚、実験の出力値は、転写材搬送ベルト12が規制板31を押す力、つまり寄り力を用いた。実験装置の概略を図8に示す。転写材搬送ベルト12が規制板31の方向に寄って来て規制板31を押すとこの規制板31が固定配設されている寄り力計測センサ19を押し、これによって転写材搬送ベルト12が規制板31を押す力を測定できる。規制板31は駆動ローラの回転軸に垂直な方向に移動可能な構造となっている。
さて、測定結果を簡略化して表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
先に説明した通り、実際の実験では出力値として寄り力(単位:g)を用いたが、その数値を示しても説明がかなり専門的な物となる為、得られた寄り力の数値結果ではなく、寄り方向制御出来たか否かを示している。即ち、直交表に示されたパラメータの条件下で転写材搬送ベルトを搬送したとき、寄り方向制御が出来れば、結果として寄り力が測定される。この場合、表2には
また逆に、直交表に示されたパラメータの条件下で転写材搬送ベルトを搬送したとき、寄り方向制御が出来なければ、結果として寄り力が測定されない。この場合、表2には×印で結果を示した。
次に、この実験で得られた寄り力測定値を基に計算した印可荷重バランスの分散分析表を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
この表で、寄与率は17.98%となっており、影響度が高いことがわかる。
次に、この実験で得られた寄り力測定値を基に計算した印可荷重バランスの要因効果図を示す。このグラフでは横軸は印可荷重バランスのパラメータの大きさを、縦軸はS/N比の計算結果を示している。つまり、高いS/N比を示す程安定性が高いことを示している。
【0046】
次に現行条件と最適条件での利得計算を行なった。尚、印可荷重のバランスは、リア側10%増しにした場合を選択して計算した。これは、図9からもわかるように今回の実験での最も低い値であり、他の20%増し、30%増しにすれば更に良い条件が得られる事がすでに分かっているからである。
【0047】
最適条件での利得推定値:11.371db
現行条件での利得推定値:6.192db
これより、利得の差は
つまり、最適条件(印可荷重バランスリア側10%増しの状態)にすれば、現行条件(印可荷重バランスなし)より、3.3倍の信頼性向上が得られる事が分かる。
【0048】
さて、次に、最適条件と現行条件で確認実験を行なった。これは、推定された信頼性の向上が本当に得られるかを確認する実験である。この確認実験の実験パラメータの組み合わせを示す直交表を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
また、測定結果を先ほどの表2と同様に簡略化して表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
先に説明した通り、実際の実験では出力値として寄り力(単位:g)を用いたが、その数値を示しても説明がかなり専門的な物となる為、得られた寄り力の数値結果ではなく、寄り方向制御出来たか否かを示している。即ち、直交表に示されたパラメータの条件下で転写材搬送ベルトを搬送したとき、寄り方向制御が出来れば、結果として寄り力が測定される。この場合、表5には
次にこの確認実験で得られた現行条件と最適条件での利得計算を行なった。尚、印可荷重のバランスは、リア側10%増しにした場合を選択して計算した。これは、図9からもわかるように今回の実験での最も低い値であり、他の20%増し、30%増しにすれば更に良い条件が得られる事が既に分かっているからである。
【0053】
最適条件での利得:18.93db
現行条件での利得:12.04db
これより、利得の差は
つまり、最適条件(印可荷重バランスリア側10%増しの状態)にすれば、現行条件(印可荷重バランスなし)より、4.9倍と予想した信頼性の向上率3.3倍により大きい信頼性の向上が得られる事を確認した。
【0054】
以上詳しく説明したように、この結果をまとめると、テーパの大きさを2.31×10−3以上とし、静摩擦係数0.26以下の転写材搬送ベルト12とテーパローラ17を用い、大径側の印可荷重を小径側の印可荷重の10%以上大きくして、好ましくは、転写材搬送ベルト印可荷重3kg以上とすることで、転写材搬送ベルト12が安定してテーパローラ17の小径側に寄る様に転写材搬送ベルト12の寄り方向を制御することができる。
【0055】
次に、この知見に基づく発明の一実施例について図面を参照して説明する。
まず、この発明を適用する例として、4連タンデム方式フルカラー画像形成装置の概略を説明する。
【0056】
図1は、4連タンデム方式フルカラー画像形成装置の概略図である。この画像形成装置は、4組の記録部(個体走査ヘッド部・等倍結像光学系)と、転写材に画像形成が可能な電子写真方式を組み合わせた4組の画像形成部(感光体ドラム・帯電装置・現像装置・転写装置・クリーニング装置・除電装置)からなる。
【0057】
まず、送られてくる、イエローの画像データに従って、個体走査ヘッド1Yが、イエロー感光体ドラム2Yに対して露光光を出力する。この個体走査ヘッド1Yは、主走査方向ライン上に、微少な発光部が等間隔に配設された構造を持ち、印字すべきパターンに準じ、印字制御部から送られてくるON−OFF信号に応じて、主走査方向ラインの個別発光部を点灯し、この発光部の光を1対1に結像する、等倍結像光学系によって、感光体ドラム2Y上に光を結像して露光を行なう。具体的には、個体走査ヘッド1Yは、解像度4000PIのLEDヘッドアレイを、等倍結像光学系には、セルフォックレンズアレイを用いている。
【0058】
イエロー感光体ドラム2Yの周囲には、感光体ドラム面を帯電する帯電装置3Y、イエロー現像装置4Y、イエロー転写装置5Y、イエロークリーニング装置6Y、イエロー除電装置7Yが配設されている。
【0059】
イエロー感光体ドラム2Yは、駆動モータ(図示しない)により、V0 の外周速度で回転駆動される。このイエロー感光体ドラム2Yは、感光体ドラム面に接して設けられ、導電性を有する帯電ローラからなる帯電装置3Yによって表面が帯電される。なお、この帯電ローラは、ドラム面に接触する事によって回転している。
【0060】
感光体ドラム2Y表面は、有機系光導電体により形成されている。この光導電体は、通常は高抵抗であるが、光が照射されると、光照射部の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電したイエロー感光体ドラム2Yの表面に、イエロー印字パターンに応じて光を、個体走査ヘッド1Yより等倍結像光学系を通して照射する事によって、イエロー印字パターンの潜像がイエロー感光体ドラム2Yの表面に形成される。
【0061】
静電潜像とは、帯電によって、感光体ドラム表面に形成される像であり、個体走査ヘッド1Yからの、光照射によって、光導電体の被照射面の比抵抗が低下し、感光体ドラム面の帯電した電荷が流れ、一方、個体走査ヘッド1Yからの光照射されなかった部分の電荷が残留する事によって形成される(ネガ潜像)。
【0062】
このようにして帯電されたイエロー感光体ドラム2Yの露光位置に、個体走査ヘッド1Yの光がライン結像され、潜像が形成されたイエロー感光体ドラム2Yは、現像位置までV0 の速度で回転する。そしてこの位置で、イエロー感光体ドラム2Y上の潜像は、イエロー現像装置4Yによって可視像であるトナー像となる。
【0063】
イエロー現像装置4Y中には、イエロー染料を含み樹脂にて形成されるイエロートナーが準備されている。イエロートナーはイエロー現像装置4Y内部で撹拌される事で摩擦帯電し、イエロー感光体ドラム2Y上に帯電した帯電荷と同極性の電荷を持つ。イエロー感光体ドラム2Yドラム表面がイエロー現像装置4Yを通過していく事により、帯電が除去された潜像部にのみ、イエロートナーが静電的に付着して、潜像がイエロートナーにより現像される(反転現象)。
【0064】
イエロートナー像が形成されたイエロー感光体ドラム2Yは、引き続き外周V0 で回転し、転写位置の地点で、給紙系により、タイミングを取って供給された搬送ベルト12上の転写材8上に、イエロー転写装置5Yによって転写される。
【0065】
給紙系は、ピックアップローラ9、フィードローラ10、レジストローラ11とから構成される。ピックアップローラ9にて、給紙カセット23から持ち上げられた転写材8は、フィードローラ10によって1枚だけレジストローラ11に搬送される。レジストローラ11は、転写材8の姿勢を整位した後、転写材搬送ベルト12上に送る。レジストローラ11の外周速度、転写材搬送ベルト12の周速は、感光体ドラム周速V0 と等速になるように設定されている。転写材8は、その一部をレジストローラ11に保持された状態で、イエロー感光体ドラム2Yと等速のV0 で転写材搬送ベルト12と共にイエロー感光体ドラム2Yの転写位置に送られる。
【0066】
転写材8と接したイエロートナ像は、イエロー転写装置5Yにより、イエロー感光体ドラム2Yから離脱して転写材8上に転写され、イエロー印字信号に基づく印字パターンのイエロートナー像が、転写材8上に形成される。
【0067】
イエロー転写装置5Yは、半導電性を有する転写ローラによって構成されている。この転写ローラは、転写材搬送ベルト12の裏側から、イエロー感光体ドラム2Yに静電的に付着している。イエロートナーの電位と逆極性を有する電界を供給する。この電界は、転写材搬送ベルト12、転写材8を通してイエロートナーに作用し、イエロー転写装置5Y上から転写材8上へ転写する。
【0068】
イエロートナーを転写した転写材8は、次にマゼンダ記録部・画像形成部に、更に、シアン記録部・画像形成部に、更に、ブラック記録部・画像形成部に供給される。
【0069】
各記録部と画像形成部は、上記詳細説明をした、イエローをマゼンダ、シアン、ブラックに置き換えた、同じ構成部材及び、作用より成り立っているので、説明を簡略化するため、これらの記録部・画像形成部については、説明を省略する。 さて、イエロー転写部、マゼンダ転写部、シアン転写部、ブラック転写部を通過して、色重ね画像を形成した転写材8は、定着装置13へと送り込まれる。
【0070】
定着装置13はヒーターを組み込んだヒートローラから構成されており、転写材8上に電荷力によって、載っているだけのトナー像を加熱する事により、色重ねしたトナーを溶融し、転写材8への永久定着を行なう。定着の完了した転写材8は、送り出しローラ14により、排紙トレイ15上に搬出される。
【0071】
一方、転写位置を通過した、各色の感光体ドラム(2Y/2M/2C/2Bk) は、そのまま外周速度V0 にて回転駆動され、クリーニング装置(6Y/6M/6C/6Bk) によって、残留トナーや紙粉をクリーニングし、除電装置(7Y/7M/7C/7Bk) の除電ランプで感光体ドラム(2Y/2M/2C/2Bk) 面の電位を一定に均し、必要に応じて、再び、帯電装置(3Y/3M/3C/3Bk) からの一連のプロセスにはいる。
【0072】
また、転写材8を搬送した転写材搬送ベルト12は、エンドレス構造を有し、定着装置13側の駆動ローラ16と、転写材供給口側の、従動ローラ17によって保持されている。駆動ローラ16は図示しない駆動モータからその駆動力を伝達され、先に述べたように、感光体ドラム外周速度V0 とベルト外周速度が等速になるように駆動されている。一方、従動ローラ17は、ローラ両側の軸部に転写材搬送方向と平行な方向に移動可能な機構を持ち、転写材搬送方向と反対方向に圧縮スプリング18によって、転写材搬送ベルト12に引張荷重を加えるべく、押圧されている。従動ローラ17が転写材搬送方向と平行な方向に移動可能とする機構は、フレームに設けられた長穴(図示しない)と、これを摺動し、かつ従動ローラ17を回転可能とする従動ローラ保持部材21から構成される。この転写材搬送ベルト12は、転写材8を定着装置13に送り出した後、ベルト表面に付着した残留トナーや粉紙をベルトクリーニング装置22によってクリーニングし、必要に応じて、次の転写材8を搬送する。
【0073】
また、単色印字の場合は、上記説明した、任意の単色の記録部・画像形成部による作像を行なう。このとき、選択された色以外の記録部・画像形成部は動作を行なわない。
【0074】
次に、本発明に係る蛇行・寄り方向制御と蛇行規制板を用いた蛇行抑制方式について説明する。
先に説明した様に、上記条件のテーパローラと印可荷重バランスを用いて転写材搬送ベルトの寄り方向を安定して制御できる。このテーパローラ方式で、転写材搬送ベルトの寄り方向はテーパローラの小径側となる。この性質を用いて、蛇行量を抑制する方法として図10に示すように片寄り規制板を用いる方式がある。図中12は転写材搬送ベルト、16は転写材搬送ベルトへ駆動ローラ、17はテーパ従動ローラ、31は蛇行規制板である片寄り規制板である。無端状の転写材搬送ベルト12は駆動ローラ16と従動ローラ17によって引き回され、先に説明したようにテーパ従動ローラ17は、従動ローラ圧縮スプリング18a,18bによってその軸受け21a、21bが外側に押され、このことにより転写材搬送ベルト12に張力を発生させている。先に説明した様に、テーパ従動ローラ17のフロント側軸受け21aを押す従動ローラ圧縮スプリング18aと、テーパ従動ローラのリア側軸受け21bを押す従動ローラ圧縮スプリング18bには10%以上のベルト押圧力の差を持たせてある。この実施例の場合、図中奥側にテーパ従動ローラ17の大径側、図中手前側にテーパ従動ローラ17の小径側が配設されているので、テーパ従動ローラ17のリア側軸受け21bを押す従動ローラ圧縮スプリング18bは、テーパ従動ローラ17のフロント側軸受け21aを押す従動ローラ圧縮スプリング18a寄りも10%押圧力が高い状態のものを使用している。また、このテーパ従動ローラ17aは、テーパの大きさを2.31×10−3以上としたローラであり、先にも述べた通り、図中手前側がテーパローラ小径側、図中奥側がテーパローラ大径側となっている。また、このテーパ従動ローラ17と転写材搬送ベルト12との静摩擦係数は0.26以下になる様にテーパ従動ローラ17のローラ表面状態を加工してある。更に、従動ローラ圧縮スプリング18a,18bは、図中手前側と奥側の合計した印可荷重が3kg以上になるように調整してある。一方、片寄り規制板31はベルト駆動ローラ16の図中手前側(テーパ従動ローラ17の小径側、転写材搬送ベルト印可荷重の少ない側)に固定状態で配設してある。
【0075】
この様に構成された転写材搬送ベルト12は、動作時の状態は次のようになる。ベルト駆動ローラ16の回転により転写材搬送ベルト12が搬送されると、テーパ従動ローラ17と印可荷重バランスを加味された従動ローラ圧縮スプリング18bによって転写材搬送ベルト12は次第にテーパ従動ローラ17aの小径側、つまり、手前側に片寄りが進行する。転写材搬送ベルト12の片寄りが進行していくと、ベルト駆動ローラ16の図中手前側に固定状態で配設してある片寄り規制板31に接触、常に摺動して搬送されるようになる。片寄り規制板31は静止状態に固定してあるので一定量転写材搬送ベルト12の片寄りが進行すると、片寄り規制板31を押す力とこれによって発生する反作用とが釣り合って片寄りは停止する。一方、転写材搬送ベルト12の蛇行力は転写材搬送ベルト12の片寄り力より一般に小さいので寄り力が釣り合っている状態では蛇行力はその寄り力の作用と反作用の力の中に内包され転写材搬送ベルト12の蛇行は生じない。この構成に基づいた転写材搬送ベルト12の蛇行・片寄り量を測定した結果を図11に示す。
【0076】
つまり、片寄り規制板31をテーパ従動ローラ17の小径側に配置し、このテーパ従動ローラ17の大径側の従動ローラ圧縮スプリング18bの印可荷重バランスを大きく配分することで、転写材搬送ベルト12の片寄り方向が制御でき、これによって転写材搬送ベルト12の片寄りの進行と転写材搬送ベルト12の蛇行走行を抑制することができる。
【0077】
次に、第2の実施例である、この寄り方向制御と、転写材搬送ベルト12に配設した蛇行規制部材である寄り止めガイド24とを用いた蛇行抑制方法について説明する。先に詳しく説明した様に、上記条件のテーパローラと転写材搬送ベルト印可荷重バランスを用いて、転写材搬送ベルト12の寄り方向を制御することが出来る。このテーパローラと転写材搬送ベルト印可荷重バランスを用いる方式で、転写材搬送ベルト12の寄り方向はテーパローラの小径側となる。この性質を用いて、蛇行量を抑制する方法として図12に示すように寄り止めガイドを用いる方式がある。図中12は転写材搬送ベルト、16は転写材搬送ベルト駆動ローラ、17はテーパ従動ローラ、24は転写材搬送ベルトと一体にテーパ従動ローラ17aの大径側に設けられた寄り止めガイドである。
【0078】
無端状の転写材搬送ベルト12はベルト駆動ローラ16と従動ローラ17によって引き回され、先に説明した様にテーパ従動ローラ17は、従動ローラ圧縮スプリング18a、18bによってその軸受け21a、21bが外側に押され、このことにより転写材搬送ベルト12に張力を発生させている。先に説明した様に、テーパ従動ローラのフロント側軸受け21aを押す従動ローラ圧縮スプリング18aと、テーパ従動ローラ17のリア側軸受け21bを押す従動ローラ圧縮スプリング18bには10%以上のベルト押圧力の差を持たせてある。この実施例の場合、図中奥側にテーパ従動ローラ17の大径側、図中手前側にテーパ従動ローラ17の小径側が配設されているので、テーパ従動ローラ17のリア側軸受け21bを押す従動ローラ圧縮スプリング18bは、テーパ従動ローラ17のフロント側軸受け21aを押す従動ローラ圧縮スプリング18aよりも10%押圧力が高い状態のものを使用している。また、このテーパ従動ローラ17は、図10と同じようにテーパの大きさを2.31×10−3以上としたローラであり、先にも述べた通り、図中手前側がテーパローラ小径側、図中奥側がテーパローラ大径側となっている。また、このテーパ従動ローラ17と転写材搬送ベルト12との静摩擦係数は0.26以下になる様にテーパローラのローラ表面状態を加工してある。更に、従動ローラ圧縮スプリング18a,18bは、図中手前側と奥側の合計した印可荷重が3kg以上になるように調整してある。一方、寄り止めガイド24は転写材搬送ベルト12と一体にテーパ従動ローラ17の大径側に配設してある。
【0079】
この様に構成された転写材搬送ベルト12は、動作時の状態は次のようになる。ベルト駆動ローラ16の回転により転写材搬送ベルト12が搬送されると、テーパ従動ローラ17と、印可荷重バランスを加味された従動ローラ圧縮スプリング18bによって転写材搬送ベルト12は次第にテーパ従動ローラ17の小径側、つまり、手前側に片寄りが進行する。転写材搬送ベルト12の片寄りが進行していくと、図中奥側に転写材搬送ベルト12と一体的に設けられた寄り止めガイド24がテーパ従動ローラ17の大径側の端面に接触、常に摺動して搬送されるようになる。寄り止めガイド24は転写材搬送ベルト12と一体に配設してあるので、一定量転写材搬送ベルト12の片寄りが進行すると、寄り止めガイド24とテーパ従動ローラ17の大径側端面の力とが釣り合い状態になって片寄りは停止する。
【0080】
一方、転写材搬送ベルト12の蛇行力は転写材搬送ベルト12の片寄り力より一般に小さいので寄り力が釣り合っている状態では蛇行力はその寄り力の作用と反作用の力の中に内包され転写材搬送ベルト12の蛇行は生じない。この構成に基づいた転写材搬送ベルト12のだ蛇行量・片寄り量を測定した結果を図13に示す。
【0081】
つまり、寄り止めガイド24を転写材搬送ベルト12と一体に構成し、テーパ従動ローラ17の大径側に配設し、このテーパ従動ローラ17の大径側の従動ローラ圧縮スプリング18bの印可荷重バランスを大きく分配することで、転写材搬送ベルト12の片寄り方向が制御でき、これによって転写材搬送ベルト12の片寄りの進行と転写材搬送ベルト12の蛇行走行を抑制することができる。
【0082】
尚、このテーパ従動ローラ17を使用する場合、転写材搬送ベルト12の転写側が感光体ドラムに接触するようにテーパ従動ローラ17をベルト駆動ローラ16に対して大径側直径と小径側直径の1/2の距離だけ傾けて配設する。これは、ベルト駆動ローラ16とテーパ従動ローラ17の回転中心軸を平行に設定すると、テーパ従動ローラ17の小径側が感光体ドラムと接触しなくなり、転写不良を発生させる為である。この状態を図14に示す。
【0083】
以上詳しく説明した様に、テーパの大きさを2.31×10−3以上とし、静摩擦係数0.26以下の転写材搬送ベルト12とテーパ従動ローラ17を用い、大径側の印可荷重を小径側の印可荷重の10%以上大きくして、好ましくは、転写材搬送ベルト印可荷重3kg以上とすることで、転写材搬送ベルト12が安定してテーパ従動ローラ17の小径側に寄る様に転写材搬送ベルト12の寄り方向を制御することができる。また、これらと同時にテーパ従動ローラ17の小径側に片寄り規制板31を配設することで、安価で容易に転写材搬送ベルト12の片寄りと蛇行を同時に高い信頼性で抑制することが出来る。また、寄り止めガイド24をテーパ従動ローラ17の大径側で転写材搬送ベルト12と一体的に構成することで安価で容易に同様の効果が得られる。
【0084】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、搬送ベルトを掛け渡す従動ロ−ラをテ−パ状に構成し、前記従動ロ−ラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送ベルトに張力を付与する第1および第2の張力付与手段の小径部側に対する付勢力を大径部側の付勢力よりも小とするから、搬送ベルトを安定して従動ロ−ラの小径部側に寄るように寄り方向を制御することができる。
【0085】
また、従動ローラは式T=(D−d)/L(但し、Tは従動ローラのテーパ量、Dは大径側の直径、dは小径側の直径、Lはローラ部の長さ。)に示すテーパが2.31×10−3以上で、前記搬送ベルトとの静摩擦係数が0.26以下とするから、より一層確実に搬送ベルトを安定して従動ロ−ラの小径部側に寄るように寄り方向を制御することができる。
【0086】
また、従動ロ−ラの小径部側に位置する搬送ベルトの一端面側を摺接させてガイドするガイド部材を備えるから、安価で容易に搬送ベルトの片寄りと蛇行を高い信頼性で抑制することが出来る。
また、従動ロ−ラの大径部側に位置する搬送ベルトの端面側にガイド部材を一体的に設けるから、構成的に簡略化でき、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である4連タンデム方式フルカラー画像形成装置を示す概略図。
【図2】図1の画像形成装置に用いられる搬送ベルトの寄り力を測定する寄り力測定装置を示す斜視図。
【図3】図2の寄り力測定装置により、転写材搬送ベルト荷重2.5kgに於けるテーパの大きさと静摩擦係数が転写材搬送ベルト寄り力の大きさに及ぼす影響を調べた実験結果を示す図。
【図4】図2の寄り力測定装置により、転写材搬送ベルト荷重2.75kgに於けるテーパの大きさと静摩擦係数が転写材搬送ベルト寄り力の大きさに及ぼす影響を調べた実験結果を示す図。
【図5】図2の寄り力測定装置により、転写材搬送ベルト荷重3.0kgに於けるテーパの大きさと静摩擦係数が転写材搬送ベルト寄り力の大きさに及ぼす影響を調べた実験結果を示す図。
【図6】図2の寄り力測定装置により、転写材搬送ベルト荷重3.25kgに於けるテーパの大きさと静摩擦係数が転写材搬送ベルト寄り力の大きさに及ぼす影響を調べた実験結果を示す図。
【図7】図2の寄り力測定装置により、転写材搬送ベルト荷重3.5kgに於けるテーパの大きさと静摩擦係数が転写材搬送ベルト寄り力の大きさに及ぼす影響を調べた実験結果を示す図。
【図8】本発明の一実施例であるタグチメソッドによる実験で使用した装置を示す斜視図。
【図9】図8の装置による実験結果の要因効果を示す図(S/N比)。
【図10】本発明の一実施例である片寄り規制板方式の転写材搬送ベルト搬送装置を示す斜視図。
【図11】図10の片寄り規制板を用いた場合における搬送ベルトの片寄り・蛇行量を示す図。
【図12】本発明の他の実施例である寄り止めガイド方式の転写材搬送ベルト搬送装置を示す斜視図。
【図13】図12の寄り止めガイド方式を用いた場合における搬送ベルトの片寄り・蛇行量を示す図。
【図14】図12のベルト搬送装置の駆動ローラと従動ローラの状態を示すもので、図14(a)はその正面図、図14(b)はその側面図。
【符号の説明】
1…個体走査ヘッド、2…感光体ドラム、3…帯電装置、4…現像装置、5…転写装置、6…クリーニング装置、7…除電装置、8…転写材、12…転写材搬送ベルト、16…駆動ローラ、17…テーパ従動ローラ、18a…従動ローラ圧縮スプリング(第1の付勢手段)、18b…従動ローラ圧縮スプリング(第2の付勢手段)、24…寄り止めガイド(ガイド部材)、31…片寄り規制板(ガイド部材)。
Claims (2)
- 像を担持する複数個の像担持体と、
これら像担持体に像を形成する複数個の像形成手段と、
前記複数個の像担持体に転写材を順次搬送する搬送ベルト、この搬送ベルトを掛け渡す駆動ローラおよびテーパ状の従動ローラからなる搬送手段と、
前記各像把持体上に形成された像を前記搬送手段により搬送される転写材にそれぞれ転写する複数の転写手段と、
前記従動ローラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送ベルトに張力を付与し、前記小径部側の付勢力を大径部側の付勢力よりも小とする第1および第2の張力付与手段とを具備し、
前記従動ローラは
式T=(D−d)L(但し、Tは従動ローラのテーパ量、Dは大径側の直径、dは小径側の直径、Lはローラ部の長さ。)に示すテーパが2.31×10−3以上で、前記搬送ベルトとの静摩擦係数が0.26以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 像を担持する複数個の像担持体と、
これら像担持体に像を形成する複数個の像形成手段と、
前記複数個の像担持体に転写材を順次搬送する搬送ベルト、この搬送べルトを掛け渡す駆動ローラおよびテーパ状の従動ローラからなる搬送手段と、
前記各像担持体上に形成された像を前記搬送手段により搬送される転写材にそれぞれ転写する複数の転写手段と、
前記従動ローラの大径部および小径部側をそれぞれ付勢して前記搬送べルトに張力を付与し、前記小径部側の付勢力を大径部側の付勢力よりも小とする第1および第2の張力付与手段とを具備し、
前記第1および第2の張力付与手段の付勢力の差は式{(Pa−Pb)/Pb}×100≧10(但し、Paは第1の張力付与手段による印可荷重の大きさ、Pbは第2の張力付与手段による印可荷重の大きさで、Pa>Pb)により得られる値であることを特徴とする画像形成装置。
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