JP3599067B2 - タイヤ滑り止め装置の締付具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ滑り止め装置の滑り止め本体をタイヤに装着するときに使用される締付具に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、乗用車に使用されるタイヤ滑り止め装置の滑り止め本体としては、ゴム等を素材とするネット形のものが主流となっている。この滑り止め本体をタイヤに装着するときの締付具に関しては、例えば特開平6−106928号公報に記載された方式のものが知られている。
【0003】
上記締付具10の構成は図1に示すとおり、非伸長ベルト12と非伸長ベルト12よりも短長のゴムベルト15とを無端状に結着したものを重ね合わせて二重ループ状に形成し、そのループ両端を非伸長ベルト12による折返し部13,14とし、ゴムベルト15を外周側ループに配備した締付バンド11と、該締付バンド11のループ両端の折返し部13,14を支持し、一方の折返し部14において周回可能な非伸長ベルト12を引締めた状態でロックする機構を有するバックル16とを備えている。バックル16は図2に示すように、一方の側の軸18に菱形六面体のクリート17を回動可能に支持し、このクリート17の外周に締付バンド11のループ一端の折返し部14を周回可能に掛け回し、バックル16の他方の側には締付バンド11のループ他端の折返し部13を係止している。
上記締付バンド11の外周側ループの非伸長ベルト12aに拡径する方向Fの引張力を与えると、クリート17は軸18を支点として時計周りに回動し、非伸長ベルト12の周回が可能となるが、これと反対に内周側ループの非伸長ベルト12bをF方向に引張り内周側ループを拡径させる力が加わると、クリート17は軸18を支点として反時計周りに回動し、クリート17の突縁部17aが非伸長ベルト12bをバンド通路の壁面に圧接して、F方向への周回を阻止するロック機構が働くようになっている。
【0004】
図3は、上記締付具10を用いてタイヤ20に装着された滑り止め本体30をタイヤ正面側からみた状態を示している。タイヤ20の外周に巻き付けて被せられた滑り止め本体30は、その長手方向(タイヤの円周方向)の側縁に所定間隔をおいて成形された係止部31に締付具10の締付バンド11掛け止め用のフック32が止着されている。また、滑り止め本体30の長手方向両端に形成された継手部33,34には、バックル16に付設されたフック16aを掛け止めする穴35が設けられている。
【0005】
タイヤ20の外周に被せた滑り止め本体30に上記締付バンド11を掛け止めするときは、バックル16のクリート17に掛け回された締付バンド11の内周側ループの非伸長ベルト12bをクリートの周りにF方向に引張り、内周側のループ径を外周側のループ径よりも適宜大きくなるように調整した後、内周側ループの非伸長ベルト12bを滑り止め本体30の各フック32に掛け止めし、次いで外周側ループの非伸長ベルト12aをF方向に引張り、内周側ループの径を縮小した引締め状態で外周側ループの非伸長ベルト12a及びゴムベルト15を滑り止め本体30のフック32に再度掛け止めする(内周側ループの非伸長ベルト12bをF方向に引張るときはクリート17をロック機構の非作動位置に回動して保持するロック解除レバー19を使用する。)
これにより、締付バンド11のゴムベルト15の張力により引き締められた非伸長ベルト12の締付力が滑り止め本体30に与えられる。締付バンド11の掛け止め当初における引締力が不十分であるか、あるいは車両走行中に内周側ループを拡径させる力が働いた場合でも外周側ループのゴムベルト15の張力がこれと同方向に作用しているため、外周側ループが拡径して内周側ループの弛みを吸収する。
【0006】
なお、タイヤ20の裏面側においては、滑り止め本体30の長手方向側縁に所定間隔をおいて止着された締付ロープの両端が滑り止め本体30の継手部33,34において結着されている(図示を省略)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記締付具10を用いてタイヤ20に装着された滑り止め本体30は、車両の走行条件が変化することがあっても、タイヤ20の周方向に対するずれ(偏心)ができる限り少なくなるように締付バンド11による十分な締付力を与えておく必要がある。
【0008】
一方、締付具10の締付バンド11がバックル16のクリート17の周りで折り返された外周側ループにおける非伸長ベルト12の重ね合わせ部12cは、締付バンド11の掛止め時にループ径を調整するために所定の長さを必要とするから、締付バンド11の締付力が強すぎると、締付バンド11の掛止め作業が困難となり、締付具10の装着容易性が損なわれることになる。
【0009】
そこで、この発明は、締付バンドを滑り止め本体に掛け止めした状態でのゴムベルトの長さ比率及びその張力を最適範囲に規定することにより、締付具の装着容易性がすぐれているとともに、滑り止め本体の本来の機能を妨げることなく適正な締付力をもって偏心を抑制することができるタイヤ滑り止め装置の締付具を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため、この発明では非伸長ベルトとゴムベルトとを無端状に結着し両端に非伸長ベルトを重ね合わせた折返し部を形成して二重ループ状とされ外周側ループにゴムベルトが配備された締付バンドと、該締付バンドの少なくともループ一端の折返し部を周回可能に掛け回し、外周側ループの拡径方向とは反対方向への外周側ループの非伸長ベルトの周回を阻止するロック機構を有するバックルとを備えたタイヤ滑り止め装置の締付具において、タイヤに装着された滑り止め本体に前記締付具の締付バンドを掛け止めした状態での内周側ループの非伸長ベルトの全周長に対し外周側ループにおけるゴムベルトの長さ比率を75〜85%とし、かつ該ゴムベルトの張力を8.5〜14.5kgfとしたことを特徴とするものである。
【0011】
締付バンド掛止め時の内周側ループの全周長とゴムベルト長さとの比(ゴムベルトの長さ比率)は、できる限り内周側ループの全周長に近い範囲まで大きくする方が、滑り止め本体の偏心抑制に効果的であるが、この長さ比率が85%を超えると、非伸長ベルトの全長(二重ループ状の締付バンドの中での外周側ループと内周側ループとに含まれる非伸長ベルトの長さ)が短くなり、締付バンドを滑り止め本体に掛け止めする際に、内周側ループを拡径できる限度が制約されて装着作業が困難となり、また、長さ比率が75%未満では締付バンドの外周ループの非伸長ベルトの重ね合わせ部12cの長さが過大となって締付力が低下し、滑り止め本体の偏心抑制効果が弱められる。
【0012】
また、ゴムベルトの張力については、その長さに対応する径寸法等を適宜選定して8.5〜14.kgfの範囲とする必要がある。この張力が8.5kgf未満又は14.5kgf超であると、滑り止め本体の偏心量が著しく大きくなり、走行路面あるいはホイールフランジと干渉することになるので適当でない。
【0013】
【発明の実施の形態】
前記締付バンドのゴムベルトの長さ比率及び張力がこの発明で規定した2つの限定要件を満たす本発明品とこの2つの限定要件の双方又は一方の要件を満たさない比較品とを用いて、夫々乗用車タイヤに装着した滑り止め本体につき、実車走行試験を行って偏心量を測定した。その偏心量の分布状況を図4に示す。
【0014】
上記走行試験における滑り止め本体の偏心量とは、図5に示すように車両用ホイールのルムフランジ40の先端を基準として、タイヤ20に装着された滑り止め本体30の締付バンド掛止め用フック32の下端縁が隔離又は近接した相対的な移動距離であり、上記基準線に対してタイヤ半径方向外方への偏心量を正値とし、タイヤ半径方向内方への偏心量を負値とするものである。
【0015】
上記試験結果により、本発明品を用いた滑り止め本体は、車両走行中の偏心量が小さいため滑り止め本体のフック等の部品が走行路面や車両用ホイールのフランジと接触するような現象は見られなかったのに対し、比較品を用いた滑り止め本体は、いずれも走行路面あるいは車両用ホイールのフランジとの干渉を生じていることが確認された。
【0016】
試験に使用したタイヤのサイズは205/65R15であり、偏心の起こりやすい条件とされているカーブのある下り坂路面を25km/Hの低速度で走行した。同図に示すとおり、本発明品A,B,Cを用いた滑り止め本体の偏心量は、何れも38〜5mmの範囲内であるのに対し、比較品を用いた滑り止め本体においては下記のような偏心量が生じた。
【0017】
ゴムベルトの張力がこの発明の限定要件8.5〜14.5kgfの範囲を満たしていても、ゴムベルトの長さ比率が69%でこの発明の下限75%より小さい2種の比較品b,cを用いた滑り止め本体の偏心量は夫々43〜−10mm,36〜−10mmであって本発明品に比べ、とくに負側での偏心量が大きくなった。
ゴムベルトの張力がこの発明の下限8.5kgf未満であって、ゴムベルトの長さ比率も71%でこの発明の下限より小さい比較品aを用いた滑り止め本体は、62〜−9mmという正負両側で大きな偏心量が生じた。
【0018】
ゴムベルトの張力がこの発明の上限14.5kgfを超える3種の比較品のうち、ゴムベルトの長さ比率が69%でこの発明の下限75%より小さい比較品d,fを用いた滑り止め本体の偏心量は、夫々49〜−14mm,48〜−19mmであって正負両側で著しく大きなものとなり、比較品eのようにゴムベルトの長さ比率が77%でこの発明の限定要件75〜85%を満たしていても、これを用いた滑り止め本体は負側での偏心量が大きく25〜−8mmであった。
【0019】
なお、この発明に係る締付具は、図1に示したものに限らず、締付バンド10の二重ループの両端の折返し部13,14をバックル16の両側で軸支したクリートに周回可能に掛け回した構成にしてもよい。また、バックル16に設けた掛止め用フック16aを省略したものを用いることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、非伸長ベルトとゴムベルトとを無端状に結着して形成した二重ループ状の締付バンドと、該締付バンドの少なくともループ一端の折返し部において周回する外周側ループの非伸長ベルトの該ループの拡径方向とは反対方向への周回をロックする機構を有するバックルとを備えたタイヤ滑り止め装置の締付具において、締付バンドを滑り止め本体に掛け止めした状態での内周側ループの全周長に対するゴムベルトの長さ比率とゴムベルトの張力とを所定の数値範囲に限定することを構成要件としているので、タイヤに滑り止め本体を装着して締付バンドを掛け止めするときの装着容易性を損なうことなく、また滑り止め本体と走行路面等との干渉を生じない適正な締付力によって車両走行中における滑り止め本体の偏心を大幅に抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るタイヤ滑り止め装置の締付具を示す正面図である。
【図2】締付具のバックルと非伸長ベルトの折返し部を示す拡大図である。
【図3】締付具の使用状態を示す斜視図である。
【図4】締付具の試験結果を示すグラフである。
【図5】滑り止め本体の偏心量を示す断面図である。
【符号の説明】
10 締付具
11 締付バンド
12 非伸長ベルト
13,14 非伸長ベルトの折返し部
15 ゴムベルト
16 バックル
17 クリート
20 タイヤ
30 滑り止め本体
Claims (1)
- 非伸長ベルトとゴムベルトとを無端状に結着し両端に非伸長ベルトを重ね合わせた折返し部を形成して二重ループ状とされ外周側ループにゴムベルトが配備された締付バンドと、該締付バンドの少なくともループ一端の折返し部を周回可能に掛け回し、外周側ループの拡径方向とは反対方向への外周側ループの非伸長ベルトの周回を阻止するロック機構を有するバックルとを備えたタイヤ滑り止め装置の締付具において、タイヤに装着された滑り止め本体に前記締付具の締付バンドを掛け止めした状態での内周側ループの全周長に対し外周側ループにおけるゴムベルトの長さ比率を75〜85%とし、かつ該ゴムベルトの張力を8.5〜14.5kgfとしたことを特徴とするタイヤ滑り止め装置の締付具。
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JP21767395A JP3599067B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | タイヤ滑り止め装置の締付具 |
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JP21767395A JP3599067B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | タイヤ滑り止め装置の締付具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0958232A JPH0958232A (ja) | 1997-03-04 |
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JP21767395A Expired - Fee Related JP3599067B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | タイヤ滑り止め装置の締付具 |
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1995
- 1995-08-25 JP JP21767395A patent/JP3599067B2/ja not_active Expired - Fee Related
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