JP3598778B2 - エンジン冷却系の異常診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン冷却系の異常を診断する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジン冷却系に起こる異常として、例えばサーモスタットバルブの故障がある。サーモスタットバルブに洩れがあったり開弁したままとなって閉弁できなくなる開故障を起こすと、暖機時に冷却水がラジエータを循環してエンジンの暖機が遅れる。
【0003】
図10はエンジンの始動後に車両の発進と停止が繰り返される所定のFTPテストモードで運転されるときに冷却水温度が変化する様子を測定した結果を、サーモスタットバルブが開故障した場合(Open Stuck)と、サーモスタットバルブの洩れ量が6リットル/分と大きい場合(Large Leak)と、サーモスタットバルブの洩れ量が3リットル/分と小さい場合(Small Leak)のそれぞれの状況について示している。これから、サーモスタットバルブの洩れ量が大きくなるほど冷却水の温度上昇が遅くなり、サーモスタットバルブが開故障した場合は冷却水温度が基準値(70°C)に到達しないことがわかる。
【0004】
従来、この種のエンジン冷却系の異常を診断する装置として、例えば特開平4−187854号公報、特開平7−34943号公報に開示されているように、設定された時間だけ暖機運転が行われた後に達する冷却水温度Twと基準値を比較して、冷却水温度Twが基準値に達しない場合にエンジン冷却系に異常が生じていると診断するものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、例えばサーモスタットバルブに洩れ等の異常があったとしても、暖機中にエンジンが高負荷で運転される場合は冷却水温度Twが急速に上昇するので、この異常を診断できない。また、サーモスタットバルブが正常に作動していても、暖機中にエンジンがアイドル運転されるような場合は冷却水温度Twの上昇が遅くなるので、サーモスタットバルブに異常を来しているものと誤って診断する可能性があった。
【0006】
また、実開昭55−135983号公報に開示されたエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、複数の冷却水温センサを設けて、サーモスタットバルブの洩れを検出するようになっている。
【0007】
さらに、特開昭58−8225号公報に開示されたエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、サーモスタットバルブに可動接点を設けて、開固着や閉固着を検出するようになっている。
【0008】
しかしながら、このような従来のエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、センサ類を設ける必要があるため、製品のコストアップを招くという問題点が考えられる。
【0009】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、エンジン冷却系の異常診断装置において、診断精度を高めることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、冷却液温度Twを検出する冷却液温センサと、エンジンの負荷を検出する手段と、検出されるエンジンの負荷を積算してエンジンの発熱量を算出する手段と、算出されるエンジンの発熱量に応じて冷却液温度を推定する手段と、推定される冷却液温度が判定許可液温に達する時点で検出される冷却液温度Twが、予めその判定許可液温よりも低く設定された判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する手段とを備えるものとした。
【0014】
請求項2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、請求項1に記載の発明において、前記判定許可液温を車速または吸気温度に応じて補正する構成とした。
【0015】
請求項3に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、請求項1に記載の発明において、エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正する構成とした。
【0023】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、検出されるエンジンの負荷を積算して算出されるエンジンの発熱量に応じて冷却液温度を推定し、推定される冷却液温度が判定許可液温に達する時点で検出される冷却液温度Twが、予めその判定許可液温よりも低く設定された判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する。例えば、暖機中にエンジンが高負荷で運転されてエンジンの発熱量の増加に伴い冷却液温度Twが急速に上昇する場合、エンジンの発熱量に応じて算出される判定期間が短くなる。一方、暖機中にエンジンがアイドル運転されて冷却液温度Twの上昇が遅くなるような場合、判定期間が長くなることにより、サーモスタットバルブ等が正常に作動しているかどうかを的確に診断することができる。
【0024】
請求項2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、判定許可液温を車速または吸気温度に応じて補正することにより、判定許可液温をラジエータやエンジンの放熱量に応じて算出することができ、診断精度を高められる。
【0025】
請求項3に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正することにより、エンジンの発熱量を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
図1に示すように、V型6気筒エンジンに備えられる冷却装置は、シリンダブロックに形成されたウォータジャケット34と、シリンダヘッドに形成されたウォータジャケット35とを備える。ブロック側ウォータジャケット34はピストンを収装する各シリンダの周囲に冷却水(冷却液)を循環させる一方、ヘッド側ウォータジャケット35は燃焼室壁の周囲に冷却水を循環させるようになっている。冷却水は図中矢印で示すように流れる。
【0028】
各ウォータジャケット34,35に冷却水を送り込むウォータポンプ33が設けられる。ウォータポンプ33は図示しないベルトおよびプーリを介してクランクシャフトの回転が伝えられる。ウォータポンプ33から吐出する冷却水は、図中矢印で示すようにブロック側ウォータジャケット34を循環した後にヘッド側ウォータジャケット35に流入する流れF1と、ブロック側ウォータジャケット34の端部から直接ヘッド側ウォータジャケット35に流入する流れF2がある。
【0029】
ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を介してウォータポンプ33の吸込口33aに導く冷却通路40が配設される。ラジエータ44はこれを循環する冷却水から外気への放熱を促す熱交換器の働きをする。ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を迂回してウォータポンプ33の吸込口33aに導くバイパス通路41が配設される。バイパス通路41の通水抵抗が冷却通路40の通水抵抗より所定の比率で大きく形成される。ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を迂回してウォータポンプ33の吸込口33aに導くヒータ通路42が配設される。ヒータ通路42の途中には図示しない車室内の暖房用ヒータコアが介装される。
【0030】
冷却通路40を冷却水温度に応じて開閉するサーモスタットバルブ43がラジエータ44とウォータポンプ33の間に位置してバイパス通路41の合流部より上流側に介装され、サーモスタットバルブ43の感温部がバイパス通路41とヒータ通路42の合流部より下流側に臨んで設けられる。
【0031】
冷却水温度が所定値より低い冷間時に、サーモスタットバルブ43が閉弁し、ウォータポンプ33から吐出する冷却水の全量はバイパス通路41を通りラジエータ44を迂回して流れる。これにより暖機が促され、未燃焼HC排出量が低減される。
【0032】
冷却水温度が所定値以上に上昇した温間時に、サーモスタットバルブ43が開弁し、ウォータポンプ33から吐出する冷却水はヘッド側とブロック側の各ウォータジャケット34,35を循環した後にラジエータ44を循環して放熱する。これにより、冷却水の温度が所定の範囲に維持される。
【0033】
図2に示すように、エンジン1は吸気弁が開かれるのに伴って吸気通路2からシリンダに吸気(混合気)を吸入し、この吸気をピストンで圧縮して、点火プラグ6で着火燃焼させ、排気弁が開かれるのに伴って排気が排気通路3に排出され、これらの各行程が連続して繰り返されるようになっている。
【0034】
吸気通路2の途中には吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタ7と、アクセルペダルに連動して吸気を絞るスロットルバルブ8がそれぞれ設けられ、その上流側には吸気量を検出するエアフロメータ9が設けられる。
【0035】
排気通路3の途中には三元触媒10が設置され、排気中の未燃焼HC、COを酸化するとともに、NOxを還元する。
【0036】
コントロールユニット12には、エアフロメータ9で検出される吸気量Qaと、アイドルスイッチ信号SWと、エンジン回転数センサ13で検出されるエンジン回転数Neと、吸気温センサ16で検出される吸気温度Taと、車速センサ17で検出される車速Vと、冷却水温センサ14で検出される冷却水温度Tw等を入力して、燃料噴射量Tiと点火時期ADV等をこれら運転状態に応じて演算する。
【0037】
コントロールユニット12は、冷却水温センサ14で検出される冷却水温度Twが所定値Tw1以上に上昇する暖機後に、O2センサ15で検出される排気中の酸素濃度に応じた出力を入力して、混合気が理論空燃比となるようにインジェクタ7からの燃料噴射量をフィードバック制御して、三元触媒10での転化効率を最大限に維持するようになっている。
【0038】
ところで、例えばサーモスタットバルブ43のまわりに洩れが生じたり、サーモスタットバルブ43が開弁したままとなって閉弁できなくなる故障が生じると、暖機時から冷却水がラジエータ14を循環するため、エンジン1の暖機が遅れるという問題点がある。
【0039】
本発明はこれに対処して、エンジン1の負荷を積算してエンジン1の発熱量を算出し、エンジン1の発熱量と冷却水温センサ14によって検出される冷却水温度Twに応じて冷却系に異常が発生したかどうかを診断する。
【0040】
本実施の形態において、コントロールユニット12は暖機時にエンジン1の吸入空気量Qaの積算値に基づいてエンジン1の発熱量を算出し、エンジン1の発熱量に基づいて判定時間T1が経過した後の水温上昇判定基準値を算出し、冷却水温センサ14で検出される冷却水温度Twに基づいて判定時間T1が経過した後の水温上昇値を算出する。図4に示すように、水温上昇値が水温上昇判定基準値以上の場合に冷却系が正常であると診断し、水温上昇判定基準値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する。
【0041】
例えば、暖機中にエンジン1が高負荷で運転される場合、エンジン1の発熱量の増加に伴い冷却水温度Twが急速に上昇するが、エンジン1の発熱量が増加するに応じて算出される水温上昇判定基準値が高くなり、サーモスタットバルブ43等に異常を来したかどうかを的確に診断することができる。一方、暖機中にエンジン1がアイドル運転される場合、エンジン1の発熱量が減少するのに伴い冷却水温度Twの上昇が遅くなるが、エンジン1の発熱量が減少するのに応じて水温上昇判定基準値が低くなり、サーモスタットバルブ43等に異常を来したかどうかを的確に診断することができる。また、前記従来装置のように暖機運転が十分に行われるまで診断を待つ必要がなく、冷却水温度Twが従来装置で設定されていた判定値(例えば70°C)に達する前に診断を終了することができる。
【0042】
そして、エンジン1の発熱量は車速V、吸気温度Ta、点火時期ADV、混合比、エンジン回転数Ne等に応じて補正される。これにより、エンジン1の発熱量を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0043】
発熱量補正係数Keは図5に示すテーブルに基づいて車速Vに応じて検索される。車速Vが高まるのにしたがってエンジン1の発熱量が増えることに対応して、吸気量積算値SUQIVLは発熱量補正係数Keによって車速Vが高まるのにしたがって増加するように補正される。
【0044】
さらに、水温上昇判定基準値は車速V、吸気温度Ta等に応じて補正される。これにより、エンジン1やラジエータ44の放熱量に応じて水温上昇判定基準値を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0045】
放熱量補正係数Krは図6に示すテーブルに基づいて車速Vに応じて検索される。車速Vが高まるのにしたがってラジエータ44の放熱量が増えることに対応して、水温上昇判定基準値は放熱量補正係数Krによって車速Vが高まるのにしたがって高まるように補正される。
【0046】
放熱量補正係数Kwは図7に示すテーブルに基づいて吸気温度Taに応じて検索される。吸気温Taが高まるのにしたがってエンジン1の放熱量が減少することに対応して、水温上昇判定基準値は放熱量補正係数Kwによって吸気温度Taが高まるのにしたがって低下するように補正される。
【0047】
図3のフローチャートは、コントロールユニット12において実行される冷却装置の異常を診断する制御プログラムを示しており、これはエンジン1の運転中に所定周期で実行される。
【0048】
まず、ステップS1で診断条件が成立するかどうかを判定する。この診断条件としては、エンジン1の回転中であること、冷却水温センサ14、エアフロメータ9、エンジン回転数センサ13、吸気温センサ16、車速センサ17の異常が診断されていないことを判定する。ここで診断条件が成立しない場合、ステップS11に進んで後述するタイマーをクリアする。
【0049】
ステップS2で基準水温が設定されているかどうかを判定する。設定されていなければステップS3に進んで、現時点の冷却水温度Twを基準水温としてセットする。設定されていればステップS4に進む。
【0050】
ステップS4でエンジン1の発熱量を算出する。エンジン1の発熱量は基本的にエアフロメータ9で検出される吸気量Qaを積算した値SUQIVLとする。そして、この吸気量Qaの積算値SUQIVLを発熱量補正係数Ke等によって補正する。なお、このステップS4で行われる処理が請求項1、2、4に記載の発明においてエンジンの発熱量を算出する手段に相当するとともに、請求項6に記載の発明においてエンジンの発熱量を補正する手段に相当する。また、エアフロメータ9が請求項1、2、4に記載の発明においてエンジンの負荷を検出する手段に相当する。なお、エンジン1の負荷を検出する手段として、燃料噴射量Tiの信号を用いてもよい。
【0051】
続いてステップS5に進んで、基準水温が設定された時点からタイマーをカウントアップし、ステップS6でタイマー積算値が判定時間T1に相当する許可条件に達するかどうかを判定する。
【0052】
タイマー積算値が許可条件に達した場合、ステップS7に進んで、水温上昇判定基準値を算出するとともに、実際の水温上昇値を算出する。水温上昇判定基準値は基準水温と判定区間におけるエンジン1の発熱量に応じて算出される。そして、水温上昇判定基準値は、放熱量補正係数Kr、放熱量補正係数Kw等によって補正される。水温上昇値は基準水温と判定時間経過時に検出される冷却水温度Twの差として算出される。なお、こステップS5からS7における処理が請求項2に記載の発明において水温上昇判定基準値を算出する手段に相当するとともに、請求項5に記載の発明において水温上昇判定基準値を補正する手段に相当する。
【0053】
続いてステップS8に進んで、水温上昇値が水温上昇判定基準値より低いかどうかを判定する。水温上昇値が水温上昇判定基準値以上の場合にステップS10に進んで冷却系が正常であると診断する。一方、水温上昇値が水温上昇判定基準値より低い場合にステップS9に進んで冷却系に異常が生じたものと診断し、警告灯24を点灯して運転者にこれを知らせる。なお、このステップS8における処理が請求項1または2に記載の発明において冷却系に異常が発生したかどうかを診断する手段に相当する。
【0054】
他の実施の形態として、コントロールユニット12は、暖機時に検出されるエンジン1の負荷を積算してエンジン1の発熱量を算出し、エンジン1の発熱量に基づいて冷却水温度を推定し、推定水温が判定許可水温に達する時点で冷却水温センサ14で検出される冷却水温度Twと予め設定された判定値とを比較する。図9に示すように、冷却水温度Twが判定値以上の場合に冷却系が正常であると診断し、判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する。
【0055】
これにより、サーモスタットバルブ43等に異常を来したかどうかを、暖機時におけるエンジン1の負荷状態に影響されることなく的確に診断することができる。
【0056】
そして、前記実施の形態と同じく、エンジン1の発熱量は車速V、吸気温度Ta、点火時期ADV、混合比、エンジン回転数Ne等に応じて補正される。これにより、エンジン1の発熱量を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0057】
さらに、判定許可水温は車速V、吸気温度Ta等に応じて補正される。これにより、エンジン1およびラジエータ44の放熱量に基づいて判定許可水温を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0058】
放熱量補正係数Krは図6に示すテーブルに基づいて車速Vに応じて検索される。車速Vが高まるのにしたがってラジエータ44の放熱量が増えることに対応して、判定許可水温は放熱量補正係数Krによって車速Vが高まるのにしたがって高まるように補正される。
【0059】
放熱量補正係数Kwは図7に示すテーブルに基づいて吸気温度Taに応じて検索される。吸気温Taが高まるのにしたがってエンジン1の放熱量が減少することに対応して、判定許可水温は放熱量補正係数Kwによって吸気温度Taが高まるのにしたがって低下するように補正される。
【0060】
図8のフローチャートは、コントロールユニット12において実行される冷却装置の異常を診断する制御プログラムを示しており、これはエンジン1の運転中に所定周期で実行される。
【0061】
まず、ステップS21で診断条件が成立するかどうかを判定する。この診断条件としては、エンジン1の回転中であること、冷却水温センサ14、エアフロメータ9、エンジン回転数センサ13、吸気温センサ16、車速センサ17の異常が診断されていないことを判定する。
【0062】
ステップS22でエンジン1の発熱量を算出する。エンジン1の発熱量は基本的にエアフロメータ9で検出される吸気量Qaを積算した値S2UQIVLとする。そして、この吸気量Qaの積算値S2UQIVLを発熱量補正係数Ke等によって補正する。なお、このステップS22で行われる処理が請求項1、2、4に記載の発明においてエンジンの発熱量を算出する手段に相当するとともに、請求項6に記載の発明においてエンジンの発熱量を補正する手段に相当する。
【0063】
続いてステップS23に進んで、エンジン1の発熱量に基づいて冷却水温度を推定し、ステップS24に進んで推定水温が判定許可水温に達するかどうかを判定する。
【0064】
推定水温が判定許可水温に達すると判定された時点でステップS25に進んで冷却水温センサ14で検出される冷却水温度Twと予め設定された判定値(例えば70°C)と比較する。冷却水温度Twが判定値以上の場合にステップS27に進んで冷却系が正常であると診断し、判定値より低い場合にステップS26に進んで冷却系に異常が生じたものと診断し、警告灯24を点灯して運転者にこれを知らせる。なお、このステップS25における処理が請求項1または4に記載の発明において、冷却系に異常が発生したかどうかを診断する手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す冷却装置の構成図。
【図2】同じくエンジンの制御系を示すシステム図。
【図3】同じく冷却装置の異常を診断する制御内容を示すフローチャート。
【図4】同じく冷却水温度が変化する例を示す線図。
【図5】同じく発熱量補正係数Keと車速Vの関係を示す特性図。
【図6】同じく放熱量補正係数Krと車速Vの関係を示す特性図。
【図7】同じく放熱量補正係数Kwと吸気温度Taの関係を示す特性図。
【図8】他の実施の形態を示す冷却装置の異常を診断する制御内容を示すフローチャート。
【図9】同じく冷却水温度が変化する例を示す線図。
【図10】冷却水温度が変化する例を示す線図。
【符号の説明】
1 エンジン
9 エアフロメータ
12 コントロールユニット
14 冷却水温センサ
16 吸気温センサ
17 車速センサ
34 ブロック側ウォータジャケット
35 ヘッド側ウォータジャケット
40 冷却通路
41 バイパス通路
43 サーモスタットバルブ
44 ラジエータ
Claims (3)
- 冷却液温度Twを検出する冷却液温センサと、
エンジンの負荷を検出する手段と、
検出されるエンジンの負荷を積算してエンジンの発熱量を算出する手段と、
算出されるエンジンの発熱量に応じて冷却液温度を推定する手段と、
推定される冷却液温度が判定許可液温に達する時点で検出される冷却液温度Twが、予めその判定許可液温よりも低く設定された判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン冷却系の異常診断装置。 - 前記判定許可液温を車速または吸気温度に応じて補正する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置。 - 前記エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置。
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