JP3697866B2 - エンジン冷却系の異常診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン冷却系の異常を診断する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジン冷却系に起こる異常として、例えば冷却水温センサの故障や、あるいはサーモスタットバルブの故障がある。サーモスタットバルブに洩れがあったり開弁したままとなって閉弁できなくなる開故障を起こすと、暖機時に冷却水がラジエータを循環してエンジンの暖機が遅れる。
【0003】
図9はエンジンの始動後に車両の発進と停止が繰り返される所定のFTPテストモードで運転されるときに冷却水温度が変化する様子を測定した結果を、サーモスタットバルブが開故障した場合(Open Stuck)と、サーモスタットバルブの洩れ量が6リットル/分と大きい場合(Large Leak)と、サーモスタットバルブの洩れ量が3リットル/分と小さい場合(Small Leak)のそれぞれの状況について示している。これから、サーモスタットバルブの洩れ量が大きくなるほど冷却水の温度上昇が遅くなり、サーモスタットバルブが開故障した場合は冷却水温度が適正値(70°C)に到達しないことがわかる。
【0004】
従来、この種のエンジン冷却系の異常を診断する装置として、例えば特開平4−187854号公報、特開平7−34943号公報に開示されているように、設定された暖機運転時間後に達する冷却水温度TWと基準値を比較して、冷却水温度TWが判定値に達しない場合にエンジン冷却系に異常が生じているものと診断するものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、例えばサーモスタットバルブに洩れ等の異常があったとしても、暖機中にエンジンが高負荷で運転される場合は冷却水温度TWが急速に上昇するので、この異常を診断できない。また、サーモスタットバルブが正常に作動していても、暖機中にエンジンがアイドル運転されるような場合は冷却水温度TWの上昇が遅くなるので、サーモスタットバルブに異常を来しているものと誤って診断する可能性があった。
【0006】
また、実開昭55−135983号公報に開示されたエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、複数の冷却水温センサを設けて、サーモスタットバルブの洩れを検出するようになっている。
【0007】
さらに、特開昭58−8225号公報に開示されたエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、サーモスタットバルブに可動接点を設けて、開固着や閉固着を検出するようになっている。
【0008】
しかしながら、このような従来のエンジン冷却系の異常診断装置にあっては、センサ類を設ける必要があるため、製品のコストアップを招くという問題点が考えられる。
【0009】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、エンジン冷却系の異常診断装置において、診断精度を高めることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、エンジンの負荷を検出する手段と、計測区間において検出されるエンジンの負荷を積算してエンジンの発熱量を算出する手段と、エンジンの発熱量が基準値以上となった時を前記計測区間の終了時と判定する手段と、冷却液温度を検出する冷却液温センサと、計測区間における冷却液温度の上昇値を算出する手段と、計測区間における冷却液温度の上昇値が所定値より小さくなる液温収束時を判定する手段と、液温収束時における冷却液温度が判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する手段とを備えるものとした。
【0012】
請求項2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、請求項1に記載の発明において、基準値を車速または吸気温度に応じて補正する構成とした。
【0013】
請求項3に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、1または2に記載の発明において、判定値を車速または吸気温度に応じて補正する構成とした。
【0014】
請求項4に記載のエンジン冷却系の異常診断装置は、請求項1または2に記載の発明において、エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正する構成とした。
【0015】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、計測区間における冷却液温度の上昇値を算出し、算出される計測区間における冷却液温度の上昇値が所定値より小さくなる液温収束時を判定し、液温収束時における冷却液温度が判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する。
【0016】
例えば、暖機中にエンジンがアイドル運転されるような場合、冷却液温度がゆっくり上昇して冷却水温度の収束が遅れることに対応して、冷却系の異常診断が行われる時期が遅れ、サーモスタットバルブ等が正常に作動しているかどうかを的確に診断することができる。
【0017】
また、基本的に冷却水温センサの検出値に基づいて冷却系の異常診断を行うため、新たにセンサ類を追加する必要がなく、構造の簡素化がはかれる。
【0018】
さらに、計測区間に検出されるエンジンの負荷を積算してエンジンの発熱量を算出し、算出されるエンジンの発熱量が基準値以上となった時を計測区間の終了時と判定する。
【0019】
例えば、暖機中にエンジンが高負荷で運転されてエンジンの発熱量が増加するのに伴い計測区間が短くなり、暖機中にエンジンがアイドル運転されて冷却液温度の上昇が遅くなる場合、計測区間が長くなることにより、サーモスタットバルブ等が正常に作動しているかどうかをエンジン発熱量の増減に影響されることなく的確に診断することができる。
【0020】
また、エンジンの負荷を検出する手段として既存のエアフロメータ等を用いたり、燃料噴射量の信号を用いることにより、新たにセンサ類を追加する必要がなく、構造の簡素化がはかれる。
【0021】
請求項2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、計測区間の終了時を判定する基準値を車速または吸気温度に応じて補正することにより、エンジンの発熱量に応じた計測区間をラジエータやエンジンの放熱量に応じて算出することができ、診断精度を高められる。
【0022】
請求項3に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、液温収束時における冷却液温度に基づいて冷却系に異常を診断する判定値を、車速または吸気温度に応じて補正することにより、ラジエータやエンジンの放熱量に影響されることなく、診断精度を高められる。
【0023】
請求項4に記載のエンジン冷却系の異常診断装置において、エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正することにより、エンジンの発熱量を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、V型6気筒エンジンに備えられる冷却装置は、シリンダブロックに形成されたウォータジャケット34と、シリンダヘッドに形成されたウォータジャケット35とを備える。ブロック側ウォータジャケット34はピストンを収装する各シリンダの周囲に冷却水(冷却液)を循環させる一方、ヘッド側ウォータジャケット35は燃焼室壁の周囲に冷却水を循環させるようになっている。冷却水は図中矢印で示すように流れる。
【0026】
各ウォータジャケット34,35に冷却水を送り込むウォータポンプ33が設けられる。ウォータポンプ33は図示しないベルトおよびプーリを介してクランクシャフトの回転が伝えられる。ウォータポンプ33から吐出する冷却水は、図中矢印で示すようにブロック側ウォータジャケット34を循環した後にヘッド側ウォータジャケット35に流入する流れF1と、ブロック側ウォータジャケット34の端部から直接ヘッド側ウォータジャケット35に流入する流れF2がある。
【0027】
ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を介してウォータポンプ33の吸込口33aに導く冷却通路40が配設される。ラジエータ44はこれを循環する冷却水から外気への放熱を促す熱交換器の働きをする。ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を迂回してウォータポンプ33の吸込口33aに導くバイパス通路41が配設される。バイパス通路41の通水抵抗が冷却通路40の通水抵抗より所定の比率で大きく形成される。ヘッド側ウォータジャケット35の出口35aから流出する冷却水をラジエータ44を迂回してウォータポンプ33の吸込口33aに導くヒータ通路42が配設される。ヒータ通路42の途中には図示しない車室内の暖房用ヒータコアが介装される。
【0028】
冷却通路40を冷却水温度に応じて開閉するサーモスタットバルブ43がラジエータ44とウォータポンプ33の間に位置してバイパス通路41の合流部より上流側に介装され、サーモスタットバルブ43の感温部がバイパス通路41とヒータ通路42の合流部より下流側に臨んで設けられる。
【0029】
冷却水温度が所定値より低い冷間時に、サーモスタットバルブ43が閉弁し、ウォータポンプ33から吐出する冷却水の全量はバイパス通路41を通りラジエータ44を迂回して流れる。これにより暖機が促され、未燃焼HC排出量が低減される。
【0030】
冷却水温度が所定値以上に上昇した温間時に、サーモスタットバルブ43が開弁し、ウォータポンプ33から吐出する冷却水はヘッド側とブロック側の各ウォータジャケット34,35を循環した後にラジエータ44を循環して放熱する。これにより、冷却水の温度が所定の範囲に維持される。
【0031】
図2に示すように、エンジン1は吸気弁が開かれるのに伴って吸気通路2からシリンダに吸気(混合気)を吸入し、この吸気をピストンで圧縮して、点火プラグ6で着火燃焼させ、排気弁が開かれるのに伴って排気が排気通路3に排出され、これらの各行程が連続して繰り返されるようになっている。
【0032】
吸気通路2の途中には吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタ7と、アクセルペダルに連動して吸気を絞るスロットルバルブ8がそれぞれ設けられ、その上流側には吸気量を検出するエアフロメータ9が設けられる。
【0033】
排気通路3の途中には三元触媒10が設置され、排気中の未燃焼HC、COを酸化するとともに、NOxを還元する。
【0034】
コントロールユニット12には、エアフロメータ9で検出される吸気量QAと、アイドルスイッチ信号SWと、エンジン回転数センサ13で検出されるエンジン回転数Neと、吸気温センサ16で検出される吸気温度Taと、車速センサ17で検出される車速Vと、冷却水温センサ14で検出される冷却水温度TW等を入力して、燃料噴射量Tiと点火時期ADV等をこれら運転状態に応じて演算する。
【0035】
コントロールユニット12は、冷却水温センサ14で検出される冷却水温度TWが所定値TW1以上に上昇する暖機後に、O2センサ15で検出される排気中の酸素濃度に応じた出力を入力して、混合気が理論空燃比となるようにインジェクタ7からの燃料噴射量をフィードバック制御して、三元触媒10での転化効率を最大限に維持するようになっている。
【0036】
ところで、例えばサーモスタットバルブ43のまわりに洩れが生じたり、サーモスタットバルブ43が開弁したままとなって閉弁できなくなる故障が生じると、暖機時から冷却水がラジエータ14を循環するため、エンジン1の暖機が遅れるという問題点がある。
【0037】
本発明はこれに対処して、計測区間における冷却水温度TWの上昇値を算出し、計測区間における冷却水温度TWの上昇値が所定値より小さくなる水温収束時を判定する。そして、図8に示すように、水温収束時における冷却水温度TWが判定値以上に上昇している場合に冷却系が正常であると診断する一方、水温収束時における冷却水温度TWが判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する。
【0038】
例えば、暖機中にエンジン1がアイドル運転されるような場合、冷却水温度TWがゆっくり上昇して収束する時期が遅くなることに対応して、冷却系の異常診断が行われる時期が遅らされ、サーモスタットバルブ43等が正常に作動しているかどうかを的確に診断することができる。
【0039】
本実施の形態において、暖機時にエンジン1の吸入空気量QAの積算値に基づいてエンジン1の発熱量を算出し、エンジン1の発熱量が基準値以上となる時点を計測区間の終了時と判定する。
【0040】
例えば、暖機中にエンジン1が高負荷で運転されてエンジン1の発熱量が増加するのに伴い計測区間が短くなる。一方、暖機中にエンジン1がアイドル運転されて冷却水温度TWの上昇が遅くなる場合、計測区間が長くなる。これにより、サーモスタットバルブ43等が正常に作動しているかどうかをエンジン1の発熱量の増減に影響されることなく的確に診断することができる。
【0041】
そして、エンジン1の発熱量は車速V、吸気温度Ta、点火時期ADV、混合比、エンジン回転数Ne等に応じて補正される。これにより、エンジン1の発熱量を精度よく算出することができ、診断精度を高められる。
【0042】
発熱量補正係数Keは図5に示すテーブルに基づいて車速Vに応じて検索される。車速Vが高まるのにしたがってエンジン1の発熱量が増えることに対応して、吸気量積算値SUQIVLは発熱量補正係数Keによって車速Vが高まるのにしたがって増加するように補正される。
【0043】
計測区間の終了時をエンジン1の発熱量に基づいて判定する基準値は、車速V、吸気温度Ta等に応じて補正される。これにより、エンジン1やラジエータ44の放熱量に応じて計測区間が算出され、診断精度を高められる。
【0044】
さらに、水温収束時における冷却水温度TWに基づいて冷却系に異常を診断する判定値は、車速V、吸気温度Ta等に応じて補正される。これにより、エンジン1やラジエータ44の放熱量に影響されることなく、診断精度を高められる。
【0045】
放熱量補正係数Krは図6に示すテーブルに基づいて車速Vに応じて検索される。車速Vが高まるのにしたがってラジエータ44の放熱量が増えることに対応して、水温上昇判定基準値は放熱量補正係数Krによって車速Vが高まるのにしたがって高まるように補正される。
【0046】
放熱量補正係数Kwは図7に示すテーブルに基づいて吸気温度Taに応じて検索される。吸気温Taが高まるのにしたがってエンジン1の放熱量が減少することに対応して、水温上昇判定基準値は放熱量補正係数Kwによって吸気温度Taが高まるのにしたがって低下するように補正される。
【0047】
図3、図4のフローチャートは、コントロールユニット12において実行される冷却装置の異常を診断する制御プログラムを示しており、これはエンジン1の運転中に所定周期毎に実行される。
【0048】
まず、ステップS1でエアフロメータ9で検出される吸入空気量QAの変換値QATHMOと、始動後の吸入空気量変換値QATHMOを積算した吸入空気量積算値SUQATHを算出する。
【0049】
続いてステップS2に進んで、診断禁止フラグがセットされてないことを確認した後、ステップS3に進んで診断条件が成立するかどうかを判定する。この診断条件としては、エンジン1の回転中であること、冷却水温センサ14、エアフロメータ9、エンジン回転数センサ13、吸気温センサ16、車速センサ17に異常がないことを判定する。
【0050】
診断条件が成立した場合、ステップS4に進んで始動時の冷却水温度TWNが判定値TWNOK#(例えば70°C)より低いことを確認した後、ステップS5に進んで診断開始条件が成立しているかどうかを判定する。この診断開始条件は始動後の吸入空気量積算値SUQATHが所定値TOQATH以上かどうかを判定するとともに、始動後の運転時間が所定値TMTHMO#以上かどうかを判定する。
【0051】
診断開始条件が成立している場合、ステップS6に進んで水温モニタータイマーTIMTHMがクリアされていることを確認して、ステップS7で水温モニター基準値TWTHSTをセットする。続いてステップS8に進んで水温モニタータイマーTIMTHMをインクリメントするとともに、計測区間における吸入空気量変換値QATHMOを積算した吸入空気量積算値SUQIVLを算出し、計測区間における吸入空気量変換値QATHMOの平均値AVQIVLを算出し、計測区間における冷却水温度TWの最大値TWTHXを算出する。ここで吸入空気量変換値QATHMOの平均値AVQIVLは、吸入空気量積算値SUQIVLを計測区間の時間で割った値を、発熱量補正係数Keによって補正する。なお、ステップS8で行われる処理が請求項1に記載の発明において、エンジンの発熱量を算出する手段に相当するとともに、請求項4に記載の発明においてエンジンの発熱量を補正する手段に相当する。また、エアフロメータ9が請求項1に記載の発明において、エンジンの負荷を検出する手段に相当する。なお、エンジン1の負荷を検出する手段として、燃料噴射量Tiの信号を用いてもよい。
【0052】
続いてステップS10に進んで、水温モニタータイマーTIMTHMが所定値TTHIVL#以上になったことを確認した後、ステップS11に進んで、計測区間における吸入空気量QATHMOの平均値AVQIVLが基準値THQATH以上かどうかを判定する。基準値THQATHは放熱量補正係数Kr、放熱量補正係数Kw等によって補正される。なお、ステップS11で行われる処理が、請求項1に記載の発明において、算出されるエンジンの発熱量が基準値以上となる時点を計測区間の終了時と判定する手段に相当する。
【0053】
エンジン1の発熱量が基準値以上であると判定された場合、ステップS12に進んで、計測区間における冷却水温度TWの最大値TWTHXと計測開始時の冷却水温度TWTHSTの差(上昇値)が判定値THTWTH#より小さいかどうかを判定する。判定値THTWTH#は放熱量補正係数Kr、放熱量補正係数Kw等によって補正される。なお、ステップS11で行われる処理が、請求項1に記載の発明において、液温収束時を判定する手段に相当する。
【0054】
冷却水温度TWの上昇が収束していると判定された場合、ステップS13に進んで計測区間における冷却水温度TWの最大値TWTHXが基準値TWNOK#より低いかどうかを判定する。冷却水温度TWの最大値TWTHXが基準値TWNOK#より低いと判定された場合、ステップS14に進んで冷却系に異常が生じたものと診断し、警告灯24を点灯して運転者にこれを知らせる。続いてステップS15に進んで、診断禁止フラグをセットして、イグニッションスイッチがOFFとなるまで本ルーチンによる診断を禁止する。なお、ステップS14における処理が、請求項1に記載の発明において液温収束時における冷却液温度が判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する手段に相当する。
【0055】
ステップS2で診断禁止フラグがセットされていない場合、ステップS3で診断条件が成立しない場合、あるいはステップS5で診断開始条件が成立しない場合に、ステップS9に進んで各データをクリアする。
【0056】
ステップS12で計測区間において冷却水温度TWの上昇が収束していないと判定された場合、あるいはステップS13で冷却水温度TWの最大値TWTHXが水温モニター基準値TWTHST以上に高いと判定された場合、ステップS18に進んで各データをクリアする。
【0057】
また、ステップS4で始動時の冷却水温度TWNが基準値TWNOK#以上に高いと判定された場合、ステップS16に進んで冷却系が正常であるものと診断する。続いてステップS17に進んで、診断禁止フラグをセットして、イグニッションスイッチがOFFとなるまで本ルーチンによる診断を禁止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す冷却装置の構成図。
【図2】同じくエンジンの制御系を示すシステム図。
【図3】同じく冷却装置の異常を診断する制御内容を示すフローチャートの前半部分。
【図4】同じく冷却装置の異常を診断する制御内容を示すフローチャートの後半部分。
【図5】同じく発熱量補正係数Keと車速Vの関係を示す特性図。
【図6】同じく放熱量補正係数Krと車速Vの関係を示す特性図。
【図7】同じく放熱量補正係数Kwと吸気温度Taの関係を示す特性図。
【図8】同じく冷却水温度が変化する例を示す線図。
【図9】冷却水温度が変化する例を示す線図。
【符号の説明】
1 エンジン
9 エアフロメータ
12 コントロールユニット
14 冷却水温センサ
34 ブロック側ウォータジャケット
35 ヘッド側ウォータジャケット
40 冷却通路
41 バイパス通路
43 サーモスタットバルブ
44 ラジエータ
Claims (4)
- エンジンの負荷を検出する手段と、
計測区間において検出されるエンジンの負荷を積算してエンジンの発熱量を算出する手段と、
前記エンジンの発熱量が基準値以上となった時を前記計測区間の終了時と判定する手段と、
冷却液温度を検出する冷却液温センサと、
前記計測区間における冷却液温度の上昇値を算出する手段と、
前記計測区間における冷却液温度の上昇値が所定値より小さくなる液温収束時を判定する手段と、
前記液温収束時における冷却液温度が判定値より低い場合に冷却系に異常が生じたものと診断する手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン冷却系の異常診断装置。 - 前記基準値を車速または吸気温度に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却系の異常診断装置。
- 前記判定値を車速または吸気温度に応じて補正することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置。
- 前記エンジンの発熱量を車速、点火時期、混合比、エンジン回転数の少なくとも一つに応じて補正することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン冷却系の異常診断装置。
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