JP6098650B2 - ブロックヒーター使用判定方法及び装置 - Google Patents
ブロックヒーター使用判定方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6098650B2 JP6098650B2 JP2015020086A JP2015020086A JP6098650B2 JP 6098650 B2 JP6098650 B2 JP 6098650B2 JP 2015020086 A JP2015020086 A JP 2015020086A JP 2015020086 A JP2015020086 A JP 2015020086A JP 6098650 B2 JP6098650 B2 JP 6098650B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- heat amount
- block heater
- heat
- input
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
本発明は、ブロックヒーターを使用したか否かを判定するブロックヒーター使用判定方法及び装置に関するものである。
特許文献1には、エンジン停止中にブロックヒーターを使用することで、エンジン冷却水を保温するエンジンの制御装置が開示されている。この制御装置は、冷却水温を検出する冷却水温検出手段と、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段と、エンジン停止中のブロックヒーターの使用の有無をエンジン始動直後の冷却水温やエンジン回転速度に基づいて判定する判定手段とを備えている。これにより、エンジン停止中のブロックヒーターの使用の有無をエンジン始動後に判定することができる。
ところで、特許文献1では、ブロックヒーターの使用の有無を冷却水温やエンジン回転速度に基づいて判定するが、冷却水温やエンジン回転速度は、その使用の有無による変化が小さいため、ブロックヒーター使用有無の判定を精度良く行うことができないという課題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ブロックヒーターの使用の有無を精度良く判定することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、冷却水に投入された投入熱量から、冷却水温検出手段の検出値に基づく冷却水温の上昇に使用された使用熱量を引いた熱量差に基づいて、ブロックヒーターを使用したか否かを判定することを特徴とする。
具体的には、本発明は、ブロックヒーターを使用したか否かを判定するブロックヒーター使用判定方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、冷却水温を検出する冷却水温検出手段を設けておき、冷却水に投入された投入熱量を算出する投入熱量算出工程と、上記冷却水温検出手段の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する使用熱量算出工程と、上記投入熱量算出工程により算出された投入熱量から上記使用熱量算出工程により算出された使用熱量を引いた熱量差を算出する減算工程と、上記減算工程により算出された熱量差に基づいて、上記ブロックヒーターを使用したか否かを判定する判定工程とを含んでおり、上記判定工程では、上記熱量差が所定値よりも大きいときに、上記ブロックヒーターを使用したと判定することを特徴とするものである。
これによれば、投入熱量算出工程では、冷却水に投入された投入熱量を算出し、使用熱量算出工程では、冷却水温検出手段の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する。そして、減算工程では、投入熱量算出工程により算出された投入熱量から使用熱量算出工程により算出された使用熱量を引いた熱量差を冷却水温の均一に使用された熱量として算出し、判定工程では、減算工程により算出された熱量差に基づいて、ブロックヒーターを使用したか否かを判定する。この熱量差は、その使用の有無による変化が冷却水温やエンジン回転速度と比較して大きい。このため、ブロックヒーターの使用の有無を精度良く判定することができる。
また、別の本発明は、ブロックヒーターを使用したか否かを判定するブロックヒーター使用判定装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
第2の発明は、冷却水に投入された投入熱量を算出する投入熱量算出手段と、冷却水温を検出する冷却水温検出手段と、上記冷却水温検出手段の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する使用熱量算出手段と、上記投入熱量算出手段により算出された投入熱量から上記使用熱量算出手段により算出された使用熱量を引いた熱量差を算出する減算手段と、上記減算手段により算出された熱量差に基づいて、上記ブロックヒーターを使用したか否かを判定する判定手段とを備えており、上記判定手段は、上記熱量差が所定値よりも大きいときに、上記ブロックヒーターを使用したと判定するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、上記第1の発明と同様の作用効果が得られる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記投入熱量算出手段は、吸入空気量に基づいて、上記投入熱量を算出するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、投入熱量算出手段が、吸入空気量に基づいて、冷却水に投入された投入熱量を算出するので、その算出の負担を軽減することができる。このため、本装置を簡単にすることができる。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記投入熱量算出手段は、エンジンの発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、上記投入熱量を算出するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、投入熱量算出手段が、エンジンの発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、冷却水に投入された投入熱量を算出するので、その投入熱量を、エンジンの発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を考慮した熱量にすることができる。このため、投入熱量を精度良く算出することができる。
第5の発明は、上記第2〜第4のいずれか1つの発明において、上記減算手段は、上記冷却水に投入された、エンジン始動時からの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時からの総使用熱量との熱量差を算出するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、減算手段が、冷却水に投入された、エンジン始動時からの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時からの総使用熱量との熱量差を算出するので、その熱量差を大きくすることができる。このため、ブロックヒーターの使用の有無をより一層精度良く判定することができる。
本発明によれば、ブロックヒーターの使用の有無を精度良く判定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係るブロックヒーター使用判定装置1の概略構成を図1を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施形態1に係るブロックヒーター使用判定装置1の概略構成を図1を参照しながら説明する。
エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられ、このエアフローメータ14に、吸気温(外気温)を検出する吸気温センサ(図示せず)が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
さらに、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッド11aには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガス中のCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒等の触媒24が設置され、この触媒24の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ25が設置されている。また、エンジン11には、クランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26が取り付けられ、このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
エンジン11の冷却水を循環させる冷却水循環回路28には、冷却水の熱を放散させるラジエータ29と、このラジエータ29への冷却水循環流量を制御するサーモスタットバルブ30等が設けられ、この冷却水循環回路28のうちエンジン11の冷却水出口の近傍には、エンジン11から冷却水循環回路28に流入する冷却水の温度(冷却水温)を検出する冷却水温センサ32(冷却水温検出手段)が設置されている。この冷却水温センサ32は、エンジン11のシリンダブロック11b自体に取り付けても良い。また、ラジエータ29の裏側には、冷却水を強制冷却するための冷却ファン33が設置されている。なお、エンジン11には、エンジンオイルの温度(オイル温)を検出するオイル温センサ(図示せず)が設置されている。
また、シリンダブロック11bには、凍結防止用のブロックヒーター34が取り付けられている。このブロックヒーター34には、電源コード35が接続され、寒冷時のエンジン停止中には、使用者がブロックヒーター34の電源コード35のプラグ36を外部電源である家庭用の電源コンセント(図示せず)に接続してブロックヒーター34を通電使用することで、エンジン11の冷却水を保温して凍結を防止する。そして、エンジン11を始動する前に、使用者が電源コード35のプラグ36を家庭用の電源コンセントから取り外してエンジンルーム内の適宜の箇所に収納する。
なお、寒冷時以外の場合は、ブロックヒーター34による冷却水の保温が不要であるため、エンジン停止中もブロックヒーター34の電源コード35はエンジンルーム内に収納した状態のままであり、ブロックヒーター34は通電使用されない。
ECU41は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
さらに、ECU41は、後述する図3のブロックヒーター使用判定ルーチンを実行することで、ブロックヒーター34を通電使用したか否かを判定する。
次に、エンジン停止中におけるブロックヒーター34の通電使用の有無の判定を説明する。
ところで、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用した場合は、冷却水循環回路28内の冷却水の循環も停止されるため、冷却水循環回路28のうちブロックヒーター34に近い部分の冷却水(例えば、シリンダブロック11b内の冷却水)にはブロックヒーター34の熱が十分に伝達されるが、ブロックヒーター34から離れた部分の冷却水(例えば、ラジエータ29側の冷却水)にはブロックヒーター34の熱が伝達されにくい。このため、ブロックヒーター34から離れた部分の冷却水温がブロックヒーター34に近い部分の冷却水温と比較して低くなる。その結果、エンジン始動により冷却水循環回路28内の冷却水が循環し始めると、ブロックヒーター34に近い部分で暖められていた冷却水がブロックヒーター34から離れた部分に流出して、それと入れ替わるようにブロックヒーター34から離れた部分の冷えた冷却水がブロックヒーター34に近い部分に流入するようになる。このため、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用した場合は、図2の実線で示すように、エンジン始動直後に冷却水温センサ32の検出値(エンジン11内の冷却水温)が低下したり、上昇しにくくなる現象が発生する。
一方、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用しない場合は、ブロックヒーター34に近い部分の冷却水温とブロックヒーター34から離れた部分の冷却水温とがほぼ同じであるため、図2の破線で示すように、上述したブロックヒーター34を通電使用した場合のようなエンジン始動直後の冷却水温の低下等は殆ど現れない。
なお、図2の一点鎖線は、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用した場合、エンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量に基づく予測冷却水温を示す。この予測冷却水温は、エンジン始動直後に低下したり、上昇しにくくなることはない。また、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用した場合は、エンジン始動直後に予測冷却水温が冷却水温センサ32の検出値よりも高いが、時間が経過すると、これらはほぼ一致するようになる。
そこで、本実施形態では、このようなエンジン停止中のブロックヒーター34の通電使用の有無と、エンジン始動直後の冷却水温との関係に着目して、エンジン運転状態に基づいてエンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量(ブロックヒーター34を通電使用した場合は、図2の一点鎖線よりも下側部分の面積。通電使用しない場合は、図2の破線よりも下側部分の面積)を算出し、冷却水温センサ32の検出値に基づいてエンジン始動後に冷却水温の上昇に使用された使用熱量(ブロックヒーター34を通電使用した場合は、図2の実線よりも下側部分の面積。通電使用しない場合は、図2の破線よりも下側部分の面積)を算出し、冷却水への投入熱量から冷却水温の上昇に使用された使用熱量を引いた熱量差(ブロックヒーター34を通電使用した場合は、図2の斜線部分の面積)を冷却水温の均一に使用された熱量として算出し、この熱量差に基づいてエンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用したか否かを判定するものである。
以下、ECU41が実行する図3のブロックヒーター使用判定の処理内容を説明する。
図3のブロックヒーター使用判定ルーチンは、ECU41の電源ON中に起動され、本発明でいう投入熱量算出手段、使用熱量算出手段、減算手段及び判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップS1で、各種センサ17,19,25,26,32の出力信号が入力される。次にステップS2で、エンジン11が始動したか否かを判定し、エンジン11が始動していなければ、ステップS1に戻る。
これに対して、ステップS2で、エンジン11が始動したと判定された場合には、ステップS3に進み、エアフローメータ14で検出した現在(時間t)の吸入空気量に基づいて、時間tにおいて冷却水に投入された投入熱量Qf[t]を算出する(投入熱量算出工程)。ここで、投入熱量Qf[t]は、以下の式で求められる。
Qf[t]=(フィルター処理後の吸入空気量)[g]×熱容量変換係数[J/g]×冷却損失係数
熱容量変換係数とは、吸入空気量を低位発熱量に変換するための係数である。冷却損失係数とは、低位発熱量を、冷却損失を考慮した熱量に変換するための係数である。
熱容量変換係数とは、吸入空気量を低位発熱量に変換するための係数である。冷却損失係数とは、低位発熱量を、冷却損失を考慮した熱量に変換するための係数である。
次にステップS4で、冷却水温センサ32で検出した現在(時間t)の冷却水温に基づいて、時間tにおいて冷却水温の上昇に使用された使用熱量Qw[t]を算出する(使用熱量算出工程)。ここで、使用熱量Qw[t]は、以下の式で求められる。
Qw[t]=(冷却水量×冷却水熱容量)[J/K]×(冷却水温の現在値−冷却水温の前回値)[K]
冷却水温の前回値は、時間t−1の冷却水温である。
冷却水温の前回値は、時間t−1の冷却水温である。
次にステップS5で、時間tにおける冷却水への投入熱量Qf[t]から時間tにおいて冷却水温の上昇に使用された使用熱量Qw[t]を引いた熱量差ΔQ[t]を、時間tにおいて冷却水温の均一に使用された熱量として算出する(減算工程)。
次にステップS6で、冷却水に投入された、エンジン始動時から時間tまでの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時から時間tまでの総使用熱量との熱量差ΔQtotal[t]を算出する。ここで、熱量差ΔQtotal[t]は、以下の式で求められる。
ΔQtotal[t]=ΔQtotal[t−1]+ΔQ[t]
ΔQtotal[t−1]は、冷却水に投入された、エンジン始動時から時間t−1までの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時から時間t−1までの総使用熱量との熱量差である。
ΔQtotal[t−1]は、冷却水に投入された、エンジン始動時から時間t−1までの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時から時間t−1までの総使用熱量との熱量差である。
次にステップS7で、冷却水温センサ32で検出した現在の冷却水温が、冷却水温センサ32で検出したエンジン始動時の冷却水温に3℃(所定温度)を足した値よりも大きいか否かを判定する。
ここで、現在の冷却水温が、エンジン始動時の冷却水温に3℃を足した値よりも大きいか否かを判定することで、エンジン始動から予め設定された所定時間よりも長い時間経過したか否かを判断している。なお、この所定時間は、エンジン始動から予め設定された所定時間よりも長い時間経過する直前に熱量差ΔQ[t]が最大値となるように設定されるのが望ましい。そうすると、熱量差ΔQtotal[t]の、ブロックヒーター34の通電使用の有無による変化が大きくなるからである。
ステップS7で、現在の冷却水温が、エンジン始動時の冷却水温に3℃を足した値以下であれば、ステップS1に戻る。これに対して、現在の冷却水温が、エンジン始動時の冷却水温に3℃を足した値よりも大きいと判定された場合には、ステップS8に進み、熱量差ΔQtotal[t]が、予め設定された所定値よりも大きいか否かを判定する(判定工程)。
熱量差ΔQtotal[t]が所定値より大きければ、ステップS9に進み、ブロックヒーター34の通電使用が有ったと判断して、その後、スタートに戻る。
これに対して、ステップS8で、熱量差ΔQtotal[t]が所定値以下であると判定された場合には、ステップS10に進み、ブロックヒーター34の通電使用が無かったと判断して、その後、スタートに戻る。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、ECU41が、冷却水に投入された投入熱量を算出し、冷却水温センサ32の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する。そして、ECU41が、その算出した投入熱量からその算出した使用熱量を引いた熱量差を冷却水温の均一に使用された熱量として算出し、その算出した熱量差に基づいて、ブロックヒーター34を使用したか否かを判定する。この熱量差は、その使用の有無による変化が冷却水温やエンジン回転速度と比較して大きい。このため、ブロックヒーター34の使用の有無を精度良く判定することができる。
以上より、本実施形態によれば、ECU41が、冷却水に投入された投入熱量を算出し、冷却水温センサ32の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する。そして、ECU41が、その算出した投入熱量からその算出した使用熱量を引いた熱量差を冷却水温の均一に使用された熱量として算出し、その算出した熱量差に基づいて、ブロックヒーター34を使用したか否かを判定する。この熱量差は、その使用の有無による変化が冷却水温やエンジン回転速度と比較して大きい。このため、ブロックヒーター34の使用の有無を精度良く判定することができる。
また、ECU41が、吸入空気量に基づいて、冷却水に投入された投入熱量を算出するので、その算出の負担を軽減することができる。このため、本装置1を簡単にすることができる。
また、ECU41が、冷却水に投入された、エンジン始動時からの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時からの総使用熱量との熱量差を算出するので、その熱量差を大きくすることができる。このため、ブロックヒーター34の使用の有無をより一層精度良く判定することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図4に示すようなエンジン11の発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、エンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量を算出する点が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、重複説明を省略する場合がある。
本実施形態は、図4に示すようなエンジン11の発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、エンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量を算出する点が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、重複説明を省略する場合がある。
以下、ECU41が実行する図3のブロックヒーター使用判定のうち、投入熱量算出の処理内容を図4を参照しながら説明する。
図4の発熱部は、流体と構造体で構成される。発熱部の流体は、燃焼ガスである。発熱部の構造体は、機械抵抗である。図4の伝熱部は、構造体と流体で構成される。伝熱部の構造体は、高温部と中温部と低温部で構成される。高温部は、シリンダヘッド11a近傍である。中温部は、シリンダ壁の上部近傍である。低温部は、シリンダ壁の下部近傍である。伝熱部の流体は、冷却水とエンジンオイルである。図4の放熱部は、ウォータージャケットの外壁である。
ここで、熱移動は、図4の矢印で示すように、互いに接する部分同士で、温度が相対的に高い部分から相対的に低い部分に熱が移動することで発生する。この熱移動によって、各部分の熱量及び温度は変化する。
各部分の熱量及び温度の算出法は、以下の(1)〜(3)の通りである。
(1)互いに接する部分同士での熱移動(熱伝達量)は、温度が相対的に高い部分と相対的に低い部分の温度差と、物性から決まる熱通過特性とに基づいて求められる。
(2)或る部分の温度変化量の現在値は、その部分に他の部分から移動してきた熱量の現在値を入力熱量とし、その部分から他の部分に移動した熱量の前回値を出力熱量とすると、その入力熱量から出力熱量を引いた熱量差と、その部分の物性から決まる熱容量とに基づいて求められる。
(3)或る部分の温度の現在値は、その部分の温度の前回値に上記(2)の温度変化量の現在値を足すことで求められる。
(1)互いに接する部分同士での熱移動(熱伝達量)は、温度が相対的に高い部分と相対的に低い部分の温度差と、物性から決まる熱通過特性とに基づいて求められる。
(2)或る部分の温度変化量の現在値は、その部分に他の部分から移動してきた熱量の現在値を入力熱量とし、その部分から他の部分に移動した熱量の前回値を出力熱量とすると、その入力熱量から出力熱量を引いた熱量差と、その部分の物性から決まる熱容量とに基づいて求められる。
(3)或る部分の温度の現在値は、その部分の温度の前回値に上記(2)の温度変化量の現在値を足すことで求められる。
なお、冷却水温及びオイル温は、それぞれ、冷却水温センサ32の検出値及びオイル温センサの検出値が実入力されることで求められる。
また、各部分の温度及び熱量は、エンジン始動時の各構造体の温度をエンジン始動時の冷却水温と同じ温度であると仮定することで求められる。そうしないと、エンジン停止中にブロックヒーター34を通電使用した場合は、温度が相対的に高い冷却水から相対的に低い構造体に熱移動するため、冷却水温が低めに出てしまうからである。
そして、図3のステップS3で、上述したように、各部分の温度及び熱量を求めることで、時間tにおいて冷却水に投入された投入熱量Qf[t]を算出する。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
以上より、本実施形態によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
また、ECU41が、エンジン11の発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、冷却水に投入された投入熱量を算出するので、その投入熱量を、エンジン11の発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を考慮した熱量にすることができる。このため、投入熱量を精度良く算出することができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、吸入空気量に基づいて、エンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量を算出したり、物理モデルを用いて、その投入熱量を算出したりしたが、これに限らず、例えば、一般的に知られた他の方法で算出しても良い。
上記各実施形態では、吸入空気量に基づいて、エンジン始動後に冷却水に投入された投入熱量を算出したり、物理モデルを用いて、その投入熱量を算出したりしたが、これに限らず、例えば、一般的に知られた他の方法で算出しても良い。
また、上記各実施形態では、現在の冷却水温が、エンジン始動時の冷却水温に所定温度を足した値よりも大きいか否かを判定することで、エンジン始動から所定時間よりも長い時間経過したか否かを判断したが、これに限らず、例えば、エンジン始動からの経過時間を測定することで、エンジン始動から所定時間よりも長い時間経過したか否かを判断しても良い。
また、上記各実施形態では、冷却水に投入された、エンジン始動時からの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時からの総使用熱量との熱量差ΔQtotal[t]に基づいて、ブロックヒーター34を通電使用したか否かを判定したが、これに限らず、例えば、エンジン始動後の或る時間に冷却水に投入された投入熱量と、その時間に冷却水温の上昇に使用された使用熱量との熱量差ΔQ[t]に基づいて、通電使用したか否かを判定しても良い。この場合、熱量差ΔQ[t]の最大値に基づいて、通電使用したか否かを判定するのが望ましい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記各実施形態の構成要素を任意に組み合わせてもよい。
以上説明したように、本発明に係るブロックヒーター使用判定方法及び装置は、ブロックヒーターの使用の有無を精度良く判定することが必要な用途等に適用することができる。
1 ブロックヒーター使用判定装置
11 エンジン
32 冷却水温センサ(冷却水温検出手段)
34 ブロックヒーター
41 ECU(投入熱量算出手段、使用熱量算出手段、減算手段、判定手段)
11 エンジン
32 冷却水温センサ(冷却水温検出手段)
34 ブロックヒーター
41 ECU(投入熱量算出手段、使用熱量算出手段、減算手段、判定手段)
Claims (5)
- ブロックヒーターを使用したか否かを判定するブロックヒーター使用判定方法であって、
冷却水温を検出する冷却水温検出手段を設けておき、
冷却水に投入された投入熱量を算出する投入熱量算出工程と、
上記冷却水温検出手段の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する使用熱量算出工程と、
上記投入熱量算出工程により算出された投入熱量から上記使用熱量算出工程により算出された使用熱量を引いた熱量差を算出する減算工程と、
上記減算工程により算出された熱量差に基づいて、上記ブロックヒーターを使用したか否かを判定する判定工程とを含んでおり、
上記判定工程では、上記熱量差が所定値よりも大きいときに、上記ブロックヒーターを使用したと判定することを特徴とするブロックヒーター使用判定方法。 - ブロックヒーターを使用したか否かを判定するブロックヒーター使用判定装置であって、
冷却水に投入された投入熱量を算出する投入熱量算出手段と、
冷却水温を検出する冷却水温検出手段と、
上記冷却水温検出手段の検出値に基づいて、冷却水温の上昇に使用された使用熱量を算出する使用熱量算出手段と、
上記投入熱量算出手段により算出された投入熱量から上記使用熱量算出手段により算出された使用熱量を引いた熱量差を算出する減算手段と、
上記減算手段により算出された熱量差に基づいて、上記ブロックヒーターを使用したか否かを判定する判定手段とを備えており、
上記判定手段は、上記熱量差が所定値よりも大きいときに、上記ブロックヒーターを使用したと判定するように構成されていることを特徴とするブロックヒーター使用判定装置。 - 請求項2記載のブロックヒーター使用判定装置において、
上記投入熱量算出手段は、吸入空気量に基づいて、上記投入熱量を算出するように構成されていることを特徴とするブロックヒーター使用判定装置。 - 請求項2記載のブロックヒーター使用判定装置において、
上記投入熱量算出手段は、エンジンの発熱部、伝熱部及び放熱部の間の熱移動を表す物理モデルを用いて、上記投入熱量を算出するように構成されていることを特徴とするブロックヒーター使用判定装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載のブロックヒーター使用判定装置において、
上記減算手段は、上記冷却水に投入された、エンジン始動時からの総投入熱量と、冷却水温の上昇に使用された、エンジン始動時からの総使用熱量との熱量差を算出するように構成されていることを特徴とするブロックヒーター使用判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015020086A JP6098650B2 (ja) | 2015-02-04 | 2015-02-04 | ブロックヒーター使用判定方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015020086A JP6098650B2 (ja) | 2015-02-04 | 2015-02-04 | ブロックヒーター使用判定方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016142218A JP2016142218A (ja) | 2016-08-08 |
JP6098650B2 true JP6098650B2 (ja) | 2017-03-22 |
Family
ID=56569056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015020086A Expired - Fee Related JP6098650B2 (ja) | 2015-02-04 | 2015-02-04 | ブロックヒーター使用判定方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6098650B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11141337A (ja) * | 1997-11-10 | 1999-05-25 | Toyota Motor Corp | サーモスタット異常検出装置 |
JP3598778B2 (ja) * | 1997-11-28 | 2004-12-08 | 日産自動車株式会社 | エンジン冷却系の異常診断装置 |
JP2008298058A (ja) * | 2007-06-04 | 2008-12-11 | Denso Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2009257198A (ja) * | 2008-04-17 | 2009-11-05 | Hitachi Ltd | 内燃機関の診断装置 |
JP4869315B2 (ja) * | 2008-10-21 | 2012-02-08 | 本田技研工業株式会社 | ブロックヒータの稼働判定装置 |
JP5276636B2 (ja) * | 2010-09-07 | 2013-08-28 | アイシン精機株式会社 | 内燃機関温度制御システム |
-
2015
- 2015-02-04 JP JP2015020086A patent/JP6098650B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016142218A (ja) | 2016-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7757649B2 (en) | Controller, cooling system abnormality diagnosis device and block heater determination device of internal combustion engine | |
US8978598B2 (en) | Sensor abnormality detection apparatus and a block heater installation determining apparatus | |
JP2009257198A (ja) | 内燃機関の診断装置 | |
JP3265895B2 (ja) | 空燃比センサのヒータ制御装置 | |
JP5105006B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011021482A (ja) | 車両用冷却システムの制御装置 | |
US20040181333A1 (en) | Malfunction detecting system of engine cooling apparatus | |
JP4802577B2 (ja) | 排気センサのヒータ制御装置 | |
JP2004353592A (ja) | 内燃機関のサーモスタットの故障を検出する装置 | |
JP3598778B2 (ja) | エンジン冷却系の異常診断装置 | |
JP2008298059A (ja) | 内燃機関の冷却系異常診断装置及びブロックヒータ判定装置 | |
JP3636047B2 (ja) | センサ昇温用電力制御装置 | |
JP6098650B2 (ja) | ブロックヒーター使用判定方法及び装置 | |
JP3331758B2 (ja) | 排出ガス浄化装置の温度制御装置 | |
JP2000104549A (ja) | エンジンの冷却装置の異常診断装置 | |
JP2008298058A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011127614A (ja) | 内燃機関の冷却水制御装置 | |
JP5776601B2 (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP3627335B2 (ja) | 触媒下流側空燃比センサのヒータ制御装置 | |
JP2005042637A (ja) | 排気センサのヒータ制御装置 | |
JP5041341B2 (ja) | 排出ガスセンサのヒータ制御装置 | |
JP2004169634A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5321719B2 (ja) | 診断装置 | |
JP4940099B2 (ja) | 内燃機関の流体温度推定装置 | |
JP4692478B2 (ja) | オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170125 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6098650 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |