JP3598696B2 - 直結クラッチ付流体伝動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動系に使用される、ダンパ機能を有する直結クラッチ付流体伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭61−252958号公報に開示されているように、直結クラッチ付流体伝動装置においては、直結クラッチ作動時(クラッチ係合時)のエンジンからのトルク変動を抑えるために、トーションスプリング等のダンパ機構が設けられている。
【0003】
この場合、(燃費向上のために)直結走行可能領域をより低車速域にまで広げるためには、前記ダンパ機構の捩じり剛性を低く設定するとよい。
【0004】
これを、図8、図9に示す振動伝達系の簡易モデルを用いて説明する。
【0005】
図8において、I1はエンジン及び自動変速機1次側(自動変速機入力側から直結クラッチのダンパ機構まで:ダンパ機構の上流側)の慣性モーメント、I2は自動変速機2次側(前記ダンパ機構の下流側)の慣性モーメント、Bは車体を表わしている。又、K1は直結クラッチのダンパ機構の捩じり剛性、K2はドライブシャフトの捩じり剛性を表わし、F1は摩擦による減衰項、V1、V2は速度による減衰項を表わす。
【0006】
図9は同振動伝達系における慣性モーメントの内容をより詳しく示している。ただし、摩擦による減衰項や速度による減衰項は省略してある。従来の振動系では、ダンパ機構(捩じり剛性K1)の上流側の慣性モーメントI1の中に、エンジン(E/G)、トルクコンバータ(T/C)1次側、ロックアップクラッチ(直結クラッチ)の摩擦係合部、及びロックアップピストンが含まれている。又、ダンパ機構の下流側の慣性モーメントI2の中に、トルクコンバータ2次側とトランスミッション(T/M)本体が含まれている。
【0007】
通常、上述の自動車の振動伝達系においては、直結走行の場合、例えば4気筒エンジンの場合、300rpm 付近に、慣性モーメントI1、I2が同位相で振動する1次モード共振点があり、1000rpm 付近に、慣性モーメントI1、I2が逆位相で振動する2次モード共振点がある。このうち、1次モード共振点はエンジンの使用可能領域外のため問題にならず、実際の直結走行時に問題となるのは2次モード共振点である。
【0008】
従って、直結可能領域を低車速域にまで広げるためには、2次モード共振点のエンジン回転数をなるべく低回転側に設定すればよいことが分かる。
【0009】
従来、この2次モード共振点を下げる方法として、捩じり剛性K1、K2を低減する方法と、慣性モーメントI1、I2の配分を最適化する方法が提案されている。
【0010】
前記特開昭61−252958号公報に係る従来技術においては、ばね定数が小さく、ストローク長の大きい圧縮コイルばねを用いて、捩じり剛性K1を低減していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のいずれの方法も物理的な制約があり、直結可能領域の低車速域への拡大には限界があった。それは、スペース上の限界からダンパ機構の捩じり剛性K1の低減化には限界があり、一方、ドライブシャフトの捩じり剛性K2を大幅に下げることも事実上不可能だからである。
【0012】
又、慣性モーメントI1、I2の配分についても、構造上これらを自由に設定することは非常に困難であり、所定値で妥協しなければならなかった。
【0013】
例えば、慣性モーメントI1を小さくしようとすると、エンジン及び自動変速機1次側の振動が大きくなり、補機類駆動ベルトのいわゆる「鳴き」や、耐久性上の問題が発生する。又、慣性モーメントI2を大きくしようとすると、装置全体の重量増加を招くという問題が発生する。
【0014】
これらの問題を解決するために、本出願人は、既に特願平7−280211号(未公知)において、装置の重量や、収容スペースを大きくすることなく、又車両の振動特性を悪化させることなく、直結クラッチの直結可能領域をより低車速域側に拡大し、燃費の向上を図ると共に補機類の耐久性を向上させることのできる直結クラッチ付流体伝動装置を提案している。
【0015】
このトルクコンバータは、図10の簡易モデルに示すように、従来の既存の振動伝達系(主振動系)に対して、ダイナミックダンパ(副振動系)dを付加したものである。図10において、I0がダイナミックダンパdの慣性モーメント、K0がダイナミックダンパdの捩じり剛性をそれぞれ表している。この振動伝達系によれば、自動変速機2次側慣性モーメントI2に対し、ダイナミックダンパdの捩じり剛性K0及び慣性モーメントI0を作用させることにより、自動変速機2次側慣性モーメントI2の変動レベルを低減することが可能である。
【0016】
又、前記の出願によるトルクコンバータでは、直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材、例えばタービンを、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持させることにより、タービンと弾性体をダイナミックダンパとして機能させるようにしている。即ち、既存のトルクコンバータの中のタービンをダイナミックダンパの質量体、つまり慣性モーメントを発生させるための部材として用いると共に、前記弾性体により、ダイナミックダンパの捩じり剛性を調整するようにしている。
【0017】
しかしながら、ここで提案されているトルクコンバータには、更に改良すべき点があった。
【0018】
即ち、一つは、ダイナミックダンパ機能の付加により、当初狙いとしていた周波数域の振動を抑えることはできたが、別の周波数域での振動が新たに発生してしまうという問題である。
【0019】
又、一つはダイナミックダンパの作用の及ばない領域(一般に高回転側)では全く効果が期待できないことである。
【0020】
ダイナミックダンパの影響が及ばない領域(一般に高回転側)において、ロックアップ走行時の自動変速機の振動特性を決定するのは、主に、直結クラッチのダンパ機構のばね定数、トルクコンバータ2次側及び自動変速機本体の慣性(ダンパ機構の下流側の慣性)、ドライブシャフトのばね定数である。ここで、ばね定数を小さく、且つ慣性を大きくすれば、自動変速機本体の共振点が低回転側に移るため、常用域での振動特性は改善される。しかし、ばね定数、慣性とも、スペース、重量の観点からその変更に制約があり、自由な設定はできない。そのため、現実には、あるレベルで妥協せざるを得なかった。
【0021】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、装置の重量や、収容スペースを大きくすることなく、又車両の振動特性を悪化させることなく、直結クラッチの直結可能領域をより低車速域側に拡大し、燃費の向上を図ると共に、補機類の耐久性を向上させることができ、しかも、ダイナミックダンパ機能を付加した場合には、ダイナミックダンパ機能を期待できない領域、あるいはダイナミックダンパを付加したために新たに振動が発生する領域での振動特性の改善を図ることのできる直結クラッチ付流体伝動装置を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパ機構を有する直結クラッチ付流体伝動装置において、前記直結クラッチが非作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しかつ前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材を、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して支持させると共に、前記直結クラッチのピストンを、前記ダンパ機構よりも動力伝達経路における下流側に配置したことにより、前記目的を達成したものである。
【0023】
本発明では、先ず前記直結クラッチが非作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しかつ前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材(図1、図2の慣性モーメントI0)を、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与する部材に弾性体(図1、図2の捩じり剛性K0)を介して支持させるようにしている。これにより、先の未公知先願と同様に、直結クラッチが作動状態にあるとき、トルク伝達に寄与しない部材をダイナミックダンパ(図1のd部分)として機能させることができ、重量増大や寸法増大を招くことなく、より低車速域での振動を低減することができるようになる。
【0024】
ここで、先の未公知先願発明のようにダイナミックダンパ機能だけでは、高回転域での振動レベル低減の効果が期待できないが、本発明ではロックアップピストンの配置の変更をそれに組み合わせるようにしたため、振動低減効果の範囲が高回転域にまで広がる。
【0025】
即ち、図1又は図2にその振動伝達系のモデルを示すように、トルクコンバータの直結クラッチに備わっている既存のロックアップピストンは、従来では直結クラッチのダンパ機構(K1)よりも上流側にあったが、それを本発明では下流側、つまり自動変速機2次側に配置するようにした。これにより、駆動系全体の重量を増加させることなく、自動変速機2次側の慣性モーメントI2を増加させることができ、結果として低回転域のみならず、高回転域での自動変速機2次側振動レベルの低減効果も得ることができる。
【0026】
又、請求項2の発明は、請求項1において、特に図1に示すように、前記直結クラッチの摩擦係合部を、前記ピストンよりも動力伝達経路における更に下流側に配置したことにより、前記目的を達成したものである。
【0027】
これによれば、直結クラッチを作動状態から非作動状態としたときに直結クラッチのピストンとダンパ機構で発生する共振の影響が自動変速機本体側に及ばないため、直結クラッチを非作動状態としたときのショックを低減できる。
【0028】
又、請求項3の発明は、ダンパ機構を有する直結クラッチ付流体伝動装置において、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材を、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して支持させると共に、前記直結クラッチのピストンを、前記ダンパ機構よりも動力伝達経路における下流側に配置し、前記直結クラッチの摩擦係合部を、前記ピストンよりも動力伝達経路における更に下流側に配置し、前記ダンパ機構と、前記直結クラッチの摩擦係合部と、前記弾性体とを、トルクコンバータの軸線方向の同一位置(同一座標相当位置)に配置したことにより、前記目的を達成したものである。
【0029】
これによれば、ダンパ機構と、直結クラッチの摩擦係合部と、ダイナミックダンパを構成する弾性体を、軸線方向の同一位置に配置したので、トルクコンバータの軸方向寸法を最小に抑えられるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0031】
なお、以下に述べる4つの実施形態のうち、第1、第2、第3実施形態は、図1の簡易モデルの振動伝達系に相当し、第4実施形態は図2の簡易モデルの振動伝達系に相当する。
【0032】
〔第1実施形態〕
図3は、本発明の第1実施形態のトルクコンバータの縦断面図である。
【0033】
このトルクコンバータ2は、主として、ポンプ4、タービン6、ステータ8及び直結クラッチ10とから構成されている。
【0034】
タービン6は、タービンランナ6Aとタービンハブ6Bとからなり、タービンランナ6Aとタービンハブ6Bは、同一円周上にてリベット7により結合され、一体化されている。タービンハブ6Bの内周側には、図示しない出力軸(変速機入力軸)へトルクコンバータ2の出力を伝達する出力ハブ32が配されている。この出力ハブ32とタービンハブ6Bは互いに切り離されている。
【0035】
タービン6と、トルクコンバータ2のフロントカバー14との間の空間には、フロントカバー14に近い方から、直結クラッチ10のロックアップピストン12と、ドリブンプレート18が配されている。ロックアップピストン12は、その内周に形成した円筒部36によって、フロントカバー14の内面に突設された支持用環状体38の外周に、シール40を介して軸線方向摺動自在に組み付けられている。
【0036】
ロックアップピストン12の外周部に対向するフロントカバー14側の内面には、係合片24が突設されている。一方、ロックアップピストン12の外周部には、ピストン側係合片20が設けられている。ロックアップピストン12とフロントカバー14の間には、直結クラッチ10のダンパ機構を構成する外側ダンパスプリング26が保持されており、この外側ダンパスプリング26を介して、フロントカバー14側の係合片24と、ロックアップピストン12側の係合片20とが円周方向に弾性的に連結されている。
【0037】
外側ダンパスプリング26はコイルバネよりなり、円周方向に沿って複数配されている。そして、外側ダンパスプリング26の一端にフロントカバー14側の係合片24が当接し、他端にロックアップピストン12側の係合片20が当接することで、係合片20、24同士が相互に外側ダンパスプリング26を介して連結されている。これにより、ロックアップピストン12が、動力伝達経路の上でダンパ機構(外側ダンパスプリング26)の下流側に位置し、フロントカバー14のトルクが、外側ダンパスプリング26を介してロックアップピストン12に伝わるようになっている。
【0038】
前記ドリブンプレート18は、その内周端がリベット34により出力ハブ32の円板部32aに結合されている。ロックアップピストン12とドリブンプレート18の間の空間は、ロックアップピストン12を流体圧によって移動させるための作動空間30となっている。この場合、作動空間30中を矢印(イ)のように作動油が流れることで、ロックアップピストン12が図中左方へ移動する。ドリブンプレート18の外周端に溶接により固定した環状ブロック22は、ロックアップピストン12の外周部に設けたライニング(摩擦材)16と対面しており、これら環状ブロック22とライニング16からなる部分が、直結クラッチ10の摩擦係合部17を構成している。従って、ロックアップピストン12が図中左方へ移動することで、摩擦係合部17が係合状態になり、ロックアップピストン12が図中右方へ戻ることで摩擦係合部17の係合状態が解除される。
【0039】
又、ドリブンプレート18の半径方向中間部には、円周方向に間隔をおいて複数のスプリング保持部50が設けられており、各スプリング保持部50に、ダイナミックダンパを構成する内側ダンパスプリング(弾性体)46が直列配置で一対ずつ保持されている。内側ダンパスプリング46は、ドリブンプレート18のロックアップピストン12側の面が、前記作動空間30の隔壁として機能する関係上、タービン6側の面に保持されている。スプリング保持部50は、円周方向に両端壁を持つ長さの限定された空間として形成されており、一対の内側ダンパスプリング46の互いに離れた各一端が、スプリング保持部50の両端壁に受け止められている。
【0040】
タービンハブ6Bの外周には、タービン6の回転面と直交する方向(トルクコンバータ2の軸線方向)に突出する係合凸部44が円周方向に間隔を持って複数設けられており、これら各係合凸部44が、各スプリング保持部50のカバー壁開口50aを通してスプリング保持部50の中に挿入されている。この係合凸部44は、一対の内側ダンパスプリング46の互いに対向する端部間に挟まれるように挿入されており、各内側ダンパスプリング46の他端を受け止めている。これにより、タービンハブ(直結クラッチが作動状態にあるときトルク伝達に寄与しない部材)6が、内側ダンパスプリング(弾性体)46を介してドリブンプレート(トルク伝達に寄与する部材)28に弾性的に連結されている。
【0041】
次に作用を説明する。
【0042】
初めに直結クラッチ10が作動時(直結走行時、即ちトルクコンバータ非作動時)の作用について説明する。
【0043】
フロントカバー14はエンジンにより駆動されており、そのトルクは外側ダンパスプリング26を介してロックアップピストン12に伝えられている。直結クラッチ10の作動時には、ロックアップピストン12が(公知の構成により)油圧の作用によって図の左方へ移動し、ドリブンプレート18側に押し付けられて、摩擦係合部17が係合状態になる。従って、エンジンからのトルクは、フロントカバー14→外側ダンパスプリング26→ロックアップピストン12→ライニング16→ドリブンプレート18→出力ハブ32の順に伝達される。
【0044】
ここで、前記外側ダンパスプリング26が、図1の振動伝達系におけるダンパ機構の捩じり剛性K1に相当する。又、外側ダンパスプリング(ダンパ機構)26の上流側の慣性モーメントI1がエンジン(E/G)とトルクコンバータ(T/C)1次側のみとなり、ロックアップピストン12が、外側ダンパスプリング(ダンパ機構)26の下流側の慣性モーメントI2の中に含まれることになる。従って、全体重量はほとんど変わらずに、ダンパ機構の下流側の慣性モーメントI2が増加することになり、その結果、特に高回転側の振動レベルの低減効果を高めることができる。
【0045】
又、タービン6が、内側ダンパスプリング46を介して出力ハブ32に弾性支持されているので、タービンが図1のダイナミックダンパdの慣性モーメントI0に相当すると共に、内側ダンパスプリング46がダイナミックダンパdの捩じり剛性K0に相当する。よって、重量やスペースを増大させることなく、ダイナミックダンパ機能を付与することができ、直結走行可能領域を、振動特性を悪化させることなく、低回転側へ下げることができて、燃費の向上が図れる。
【0046】
次に、直結クラッチ非作動時(トルクコンバータ走行時)の作用について説明する。
【0047】
エンジンがフロントカバー14を駆動すると、フロントカバー14と一体となっているポンプ4が駆動される。ポンプ4が駆動されると、流体流が発生し、これによりタービン6が駆動される。このときステータ8は、タービン6からポンプ4へと流れる流体の方向を調整している。
【0048】
タービン6が駆動されると、先ずタービンハブ6Bの係合凸部44の端部が内側ダンパスプリング46を押すので、タービン6のトルクは、この内側ダンパスプリング46を介してドリブンプレート18に伝達される。なお、押付力(タービントルク)が更に大きくなると内側ダンパスプリング46が線間密着(スプリングが最大限に縮む)する前に図示せぬストッパ部が係合し、タービン6のトルクはこのストッパ部を介してドリブンプレート18に直結伝達される。ドリブンプレート18は出力ハブ32に固定されており、出力ハブ32から図示しない出力軸へトルクが伝達される。
【0049】
次にロックアップ走行時の振動特性について説明する。
【0050】
図4はロックアップ時のエンジン回転数と回転変動レベル(振動レベル)を示す特性図である。
【0051】
この図中Aは、従来タイプのトルクコンバータを用いた場合の特性を示す。即ち、ダイナミックダンパが付加されていず、ロックアップピストンがダンパ機構の上流側にあるトルクコンバータの場合である。
【0052】
Bは、先願のトルクコンバータを用いた場合の特性を示す。即ち、ダイナミックダンパが付加されており、ロックアップピストンがダンパ機構の上流側にあるトルクコンバータの場合である。
【0053】
Cは、本実施形態のトルクコンバータを用いた場合の特性を示す。即ち、ダイナミックダンパが付加されており、ロックアップピストンがダンパ機構の下流側に配置されているトルクコンバータの場合である。
【0054】
なお、Dは、ロックアップピストンがダンパ機構の下流側に配置されているものの、ダイナミックダンパが付加されていないトルクコンバータの場合である。
【0055】
図4の特性図から次のことが分かる。
【0056】
AとBの関係により、Bの方が、特に低回転側のa領域においてAより振動レベルが低減されている。又、Bは、P点より高回転側のb領域において、振動レベルが悪化しているが、Cでは、それが軽減されている。即ち、本実施形態のトルクコンバータを用いると、ダイナミックダンパを付加したことによる振動レベル悪化領域において、振動レベルを低減する方向に修正することができる。つまり、自動変速機2次側の慣性増加により、ダイナミックダンパの付加のみでは改善し得なかった高回転側の振動特性を改善することができる。
【0057】
なお、図9に示すように、従来の配置であると、急激にロックアップがONからOFFとされた場合、それまで撓んでいたダンパ機構のスプリングと、比較的大きな慣性を持つロックアップピストンからなるバネ‐マス系において、共振が発生し、自動変速機本体も、その反動で回転変動(トルク変動)が大きくなり、走行時の振動特性が悪化していたが、図1に示すように、ロックアップクラッチの摩擦係合部及びロックアップピストンを配置した場合には、ロックアップがOFFしたときに、ダンパ機構のスプリング及びロックアップピストンが、自動変速機の本体側から切り離されるため、バネ‐マス系は構成されなくなる。そのため、振動特性が悪化しなくなるという効果も得られる。これは、図1の振動伝達系を構成する第1、第2、第3実施形態より得られる共通の効果である。
【0058】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係るトルクコンバータを図5を用いて説明する。
【0059】
前記第1実施形態では、図3に示すように、直結クラッチ10の摩擦係合部17を、フロントカバー14から離れたタービン6側の空間に配置している。この配置であると、タービン6側の空間は狭隘であるから、軸方向寸法の短縮を図ろうとした場合、ライニング16の面積を十分に確保できない可能性が出てくる。又、ロックアップスリップ制御を実施する場合には、耐熱性の向上のために、ライニング16の面積を大きくする必要があるが、それにも対応できなくなる可能性がある。
【0060】
本実施形態のトルクコンバータ102では、そのような点を解消するため、直結クラッチ110の摩擦係合部117を、フロントカバー14側に該フロントカバー14と平行に配置し、ライニング16の面積を十分に確保できるようにしている。このようにすれば、ライニング16の耐熱性の向上が図れる。
【0061】
以下、具体的に説明する。なお、第1実施形態と略同一の要素には、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
このトルクコンバータ102では、タービン6とフロントカバー14との間にロックアップピストン112が配置され、ロックアップピストン112とフロントカバー14との間にドリブンプレート118が配置され、タービン6とロックアップピストン112との間に、内側ダンパスプリング46の保持プレート128が配置されている。
【0063】
ロックアップピストン112は、その内周に形成した円筒部36によって、出力ハブ132の円筒部138の外周に、シール40を介して軸線方向摺動自在に組み付けられている。
【0064】
ロックアップピストン112の外周部のタービン6側の面には、直結クラッチ110のダンパ機構を構成する外側ダンパスプリング26が保持されており、一方、フロントカバー14の内周面には、外側ダンパスプリング26の位置に対応させて、L字形の係合片124が突設されている。又、外側ダンパスプリング26を保持しているロックアップピストン112側の保持面には、ピストン側係合片120が設けられている。
【0065】
外側ダンパスプリング26はコイルバネよりなり、円周方向に沿って複数配されている。そして、外側ダンパスプリング26の一端にフロントカバー14側の係合片124が当接し、他端にロックアップピストン112側の係合片120が当接することで、係合片120、124同士が相互に外側ダンパスプリング26を介して円周方向に弾性的に連結されている。これにより、ロックアップピストン112が、動力伝達経路の上でダンパ機構(外側ダンパスプリング26)の下流側に位置し、フロントカバー14のトルクが、外側ダンパスプリング26を介してロックアップピストン112に伝わるようになっている。なお外側ダンパスプリング26が線間密着しないように図示せぬストッパ機構が設けられている。但し、このストッパ機構は必ずしも必要ではない。
【0066】
前記ドリブンプレート118は、ロックアップピストン12とフロントカバー14の隙間に配され、フロントカバー14の内面に突設した環状支持部125の外周にシール127を介して組み付けられている。ドリブンプレート118とフロントカバー14との間には、ドリブンプレート118がフロントカバー14側に押し付けられた際に、ドリブンプレート118とフロントカバー14の相対回転を許容するベアリング121が配されている。
【0067】
このドリブンプレート118は、スプライン部131及び係合片129を介して出力ハブ132に連結されており、ドリブンプレート118のトルクは出力ハブ132に伝わる。
【0068】
ロックアップピストン112とドリブンプレート118の間の空間は、ロックアップピストン112を流体圧によって移動させるための作動空間30となっている。この場合、作動空間30中を矢印(イ)のように作動油が流れることで、ロックアップピストン112が図中右方へ移動する。
【0069】
ドリブンプレート118の外周部は、ロックアップピストン112の外周部に設けたライニング(摩擦材)16と対面しており、この部分が直結クラッチ110の摩擦係合部117を構成している。従って、ロックアップピストン112が図中右方へ移動することで、摩擦係合部117が係合状態になり、ロックアップピストン112が図中右方へ戻ることで摩擦係合部117の係合状態が解除される。
【0070】
タービン6とロックアップピストン112の間に配された内側ダンパスプリング46の保持プレート128は、内周部で出力ハブ132の円板部132aに結合されている。この保持プレート128には、円周方向に間隔をおいて複数のスプリング保持部50が設けられており、各スプリング保持部50に、ダイナミックダンパを構成する内側ダンパスプリング(弾性体)46が直列配置で一対ずつ保持されている。そして、第1実施形態と同様に、この内側ダンパスプリング46を介して、タービン6が出力ハブ132に弾性的に(ストッパ付で)連結されている。
【0071】
次に作用を説明する。
【0072】
このトルクコンバータ102では、フロントカバー14に伝わるトルクが、常時、外側ダンパスプリング26(あるいは図示せぬストッパ)を介してロックアップピストン112に伝えられており、直結クラッチ110の作動時には、ロックアップピストン112が油圧の作用によって図の右方へ移動し、ライニング16がドリブンプレート118側に押し付けられて、摩擦係合部117が係合状態になる。従って、エンジンからのトルクは、フロントカバー14→外側ダンパスプリング26(あるいはそのストッパ)→ロックアップピストン112→ライニング16→ドリブンプレート118→スプライン部131→係合片129→出力ハブ132の順に伝達される。
【0073】
この場合も、ロックアップピストン112が外側ダンパスプリング(ダンパ機構)26の下流側の慣性モーメントI2(図1参照)の中に含まれることになるので、第1実施形態と同じ効果を奏する。
【0074】
直結クラッチ110の非作動時には、タービン6の回転が、内側バンパスプリング46が線間密着する直前までは内側ダンパスプリング46及び保持プレート128を介して、それ以降は図示せぬストッパ及び保持プレート128を介して出力ハブ132に伝えられる。
【0075】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態を図6を用いて説明する。
【0076】
前記第1実施形態では、図3に示すように、トルクコンバータの軸線方向(図中左右方向)に沿って、直結クラッチ10の摩擦係合部17と外側ダンパスプリング26とが並んでいる。この配置であると、軸線方向寸法が増大してしまう。
【0077】
そこで、本第3実施形態のトルクコンバータ202では、直結クラッチ210のダンパ機構を構成する外側ダンパスプリング226と、摩擦係合部217と、ダイナミックダンパを構成する内側ダンパスプリング46とを、全部トルクコンバータ202の軸線方向の同一位置(同一座標に対応する位置)、つまりトルクコンバータ202の軸線方向に直交する同一平面上に、半径方向の位置をずらして配置している。この場合、外側ダンパスプリング226を最外周に配置し、摩擦係合部217をその内周側に配置し、内側ダンパスプリング46を更にその内周側に配置している。
【0078】
このような配置にすることで、トルクコンバータ202の軸方向寸法が最小になる。又、外側ダンパスプリング226を余裕を持って配置できるので、外側ダンパスプリング226の径を大きくして、捩じり剛性K1を小さくすることができ、ロックアップ走行時の振動特性を更に改善できる。又、摩擦係合部207のスペース増大も図れるため、ライニング16を多板化、大面積化し、直結クラッチ210の伝達トルク容量の増大も図れる。
【0079】
以下、具体的に説明する。なお、本第3実施形態は第1実施形態を更に改良したものであるから、第1実施形態と略同一の要素には、同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
このトルクコンバータ202では、タービン6とフロントカバー14間に配置したロックアップピストン212とドリブンプレート218の外径寸法が、第1実施形態のものよりも小さくされている。そして、その外径寸法の短縮によりできた空間に、第1実施形態のものよりも径を大きくした外側ダンパスプリング226が配置されている。又、ロックアップピストン212は、半径方向中間部のドリブンプレート218側の面に、プレート壁の断面を矩形状にすることで形成した環状凹所212aを有しており、この環状凹所212a内に、ドリブンプレート218のスプリング保持部50に保持された内側ダンパスプリング46が配置されている。
【0081】
この場合、ロックアップピストン212は、外周側のスプライン部213及び係合片215を介してドリブンプレート218に結合されている。なお、内周側の符号37は、ロックアップ開放時にロックアップピストン212が図中右方向に必要以上に移動して、相対回転しているフロントカバー214と接触するのを避けるためのストッパである。又、該ストッパ37の図の白抜きの部分はトルクコンバータ202内の流体を通すための貫通孔である。
【0082】
ロックアップピストン212は、第1実施形態と同様に、自身の内周に形成した円筒部36によって、フロントカバー14の内面に突設された支持用環状体38の外周に、シール40を介して軸線方向摺動自在に組み付けられている。
【0083】
ロックアップピストン212の外周側に配置された外側ダンパスプリング226は、フロントカバー14に内面に設けたスプリング保持枠223によって保持されている。スプリング保持枠223には、一体的に係合片224が設けられている。
【0084】
一方、ロックアップピストン212及びドリブンプレート218の外周部の外側には、これら両部材と切り離された中間プレート220が配設されている。この中間プレート220は、内周側の半分が、ドリブンプレート218とロックアップピストン212の外周部対向面間に挟まれており、内周端がドリブンプレート218の段部218a外周に収容されることで、ドリブンプレート218やロックアップピストン212に対して相対回転可能且つ軸方向変位可能に支持されている。中間プレート220の、ドリブンプレート218及びロックアップピストン212に対する対向面には、それぞれにライニング16が設けられ、この部分が直結クラッチ210の摩擦係合部217を構成している。
【0085】
中間プレート220の外周端には、フロントカバー14側のスプリング保持枠223に設けた係合片224と干渉しないように、係合片220aが設けられている。そして、これら係合片224、220aによって、フロントカバー14と中間プレート220とが、外側ダンパスプリング226を介して円周方向に弾性的に連結されている。
【0086】
従って、この位置に直結クラッチ210のダンパ機構である外側ダンパスプリング226が存在することにより、ロックアップピストン212が、外側ダンパスプリング226の下流側に位置し、フロントカバー14のトルクが、外側ダンパスプリング226を介してロックアップピストン212に伝わるようになっている。
【0087】
次に作用を説明する。
【0088】
直結クラッチ作動時には、エンジン→フロントカバー14→係合片224→外側ダンパスプリング226→中間プレート220→ライニング16→ドリブンプレート218及びロックアップピストン212→出力ハブ32の順にトルクが伝達される。
【0089】
又、直結クラッチ非作動時の動作は第1実施形態と全く同じである。
【0090】
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態を図7を用いて説明する。
【0091】
前記第1〜第3実施形態では、図1に示すように、直結クラッチ(ロックアップクラッチ)の摩擦係合部を、ロックアップピストンよりも下流側に配置していたが、本第4実施形態では、図2に示すように、直結クラッチの摩擦係合部を、ロックアップピストンよりも上流側に配置している。
【0092】
以下、具体的に説明する。なお、第1実施形態と略同一の要素には、同一符号を付して説明を省略する。
【0093】
このトルクコンバータ302では、タービン6とフロントカバー14間に、フロントカバー14側からロックアップピストン312とドリブンプレート318が配されている。ドリブンプレート318は出力ハブ332に結合され、ロックアップピストン312は出力ハブ332の円板部332aの外周部に形成した円筒部338の外周にシール40を介して軸方向摺動自在に配されている。ロックアップピストン312とドリブンプレート318はスプライン部327で連結されており、一緒に回転するようになっている。
【0094】
ロックアップピストン312の外周端には、スプリング保持ブロック340が溶接により固定され、該スプリング保持ブロック340の外周が、フロントカバー14の内周にシール342を介して軸線方向摺動自在となっている。これにより、ロックアップピストン312が、フロントカバー14側の油室(作動空間)30と、タービン6側の油室331とを画成し、タービン6側の油室331の圧力を、フロントカバー14側の油室30の圧力より大きくすることにより、ロックアップピストン312が図中右方に移動するようになっている。
【0095】
スプリング保持ブロック340のフロントカバー14側の面には、外側ダンパスプリング26が保持され、スプリング保持ブロック340に形成した図示しない係合片が、外側ダンパスプリング26の円周方向の一端を受け止めている。
【0096】
又、ロックアップピストン312の外周部には、フロントカバー14側に面した段部312aが設けられ、その段部312aの外周には、環状の中間プレート320が相対回転可能に配置されている。この中間プレート320は、ロックアップピストン312が右方へ動くことで、右方へ押されて、フロントカバー14の内面に押し付けられるものであり、ロックアップピストン312の押力を、回転可能な状態で受け止めるために、スラストベアリング322を介してロックアップピストン312に支持されている。又、この中間プレート320は、ロックアップピストン312に設けたストッパ324により、ロックアップピストン312から脱落阻止されている。325は、ストッパ324を止めるリベットである。
【0097】
この中間プレート320は、フロントカバー14に押し付けられることで、フロントカバー14のトルクを直接受け止めるものであり、フロントカバー14に対する対向面にライニング16を有し、この部分が直結クラッチ310の摩擦係合部317を構成している。従って、動力伝達経路上において、直結クラッチ310の摩擦係合部317の下流側にダンパ機構を構成する外側ダンパスプリング26が位置し、更にその下流側にロックアップピストン312が位置している。
【0098】
又、この中間プレート320には、外側ダンパスプリング26の他端を受け止める係合片320aが形成されており、これにより、中間プレート320とロックアップピストン312とが、外側ダンパスプリング26を介して円周方向に弾性的に連結されている。
【0099】
次に作用を説明する。
【0100】
直結クラッチ作動時には、エンジン→フロントカバー14→ライニング16→中間プレート320→外側ダンパスプリング226→ロックアップピストン312→ドリブンプレート318→出力ハブ332の順にトルクが伝達される。
【0101】
又、直結クラッチ非作動時の動作は第1実施形態と全く同じである。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1の発明によれば、重量増大や寸法増大を招くことなくダイナミックダンパ機能を付与することができ、特に低回転域での振動レベルを低減できる。又、その上で直結クラッチのピストンの配置を工夫することにより、やはり駆動系全体の重量を増加させたり、収容スペースを増大させたりすることなく、自動変速機2次側の慣性モーメントを増加させることができる。従って、高回転側の振動レベルをも低減することができ、車両の振動特性を悪化させることなく、直結クラッチの直結可能領域をより低車速域側に(不具合を発生することなく)拡大し、燃費の向上を図ることができると共に、補機類の耐久性を向上させることができる。
【0103】
又、請求項2の発明のように直結クラッチの摩擦係合部をダンパ機構の下流側に配置した場合には、上記効果のほか直結クラッチを作動状態から非作動状態としたときのショックを低減できる。
【0104】
又、請求項3の発明によれば、ダンパ機構と、直結クラッチの摩擦係合部と、ダイナミックダンパを構成する弾性体の配置を工夫したので、トルクコンバータの軸方向寸法の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクコンバータを含む振動伝達系の簡易モデルの第1の例を示す模式図
【図2】本発明のトルクコンバータを含む振動伝達系の簡易モデルの第2の例を示す模式図
【図3】本発明の第1実施形態に係るトルクコンバータの概略を表わす縦断面図
【図4】同トルクコンバータを用いた振動伝達系の特性を他と比較して示す特性図
【図5】本発明の第2実施形態に係るトルクコンバータの概略を表わす縦断面図
【図6】本発明の第3実施形態に係るトルクコンバータの概略を表わす縦断面図
【図7】本発明の第3実施形態に係るトルクコンバータの概略を表わす縦断面図
【図8】従来の振動伝達系を示す簡易モデルの模式図
【図9】図8の内容をより詳細化した模式図
【図10】先願の振動伝達系を示す簡易モデルの模式図
【符号の説明】
2、102、202、303…トルクコンバータ
6…タービン(トルク伝達に寄与しない部材)
10、210、310…直結クラッチ
12、112、212、312…ロックアップピストン
17、117、217、317…摩擦係合部
18、118、218、318
…ドリブンプレート(トルク伝達に寄与する部材)
26、226…外側ダンパスプリング
46…内側ダンパスプリング(弾性体)
Claims (3)
- ダンパ機構を有する直結クラッチ付流体伝動装置において、
前記直結クラッチが非作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しかつ前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材を、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して支持させると共に、
前記直結クラッチのピストンを、前記ダンパ機構よりも動力伝達経路における下流側に配置したことを特徴とする直結クラッチ付流体伝動装置。 - 請求項1において、
前記直結クラッチの摩擦係合部を、前記ピストンよりも動力伝達経路における更に下流側に配置したことを特徴とする直結クラッチ付流体伝動装置。 - ダンパ機構を有する直結クラッチ付流体伝動装置において、
前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材を、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して支持させると共に、
前記直結クラッチのピストンを、前記ダンパ機構よりも動力伝達経路における下流側に配置し、
前記直結クラッチの摩擦係合部を、前記ピストンよりも動力伝達経路における更に下流側に配置し、
前記ダンパ機構と、前記直結クラッチの摩擦係合部と、前記弾性体とを、トルクコンバータの軸線方向の同一位置に配置したことを特徴とする直結クラッチ付流体伝動装置。
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