JP3597298B2 - 記憶システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大量の画像データを扱う製版向け機器システムなどにおいて、2つの記憶装置を運用する記憶システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、上記のような製版向け機器システムにおいては、サーバ(例えば、ワークステーションなど)と複数のクライアント(例えば、卓上コンピュータなど)を接続した処理システム(以下、「クライアント/サーバシステム」と称する)が採用されている。
【0003】
図11は、クライアント/サーバシステムを採用した製版向け機器システム200の概念図である。サーバであるワークステーション210には、クライアントである3つの卓上コンピュータ220と、画像を出力するイメージセッター230とが接続されている。また、ワークステーション210は、画像データを処理する処理ユニット211と、処理前後の画像データを保存する磁気ディスクユニット215および追記型光ディスクユニット218とを備えている。この製版向け機器システム200において、画像データに対する処理を行う際には、オペレータが卓上コンピュータ220を使用してレイアウト処理などを行う。
【0004】
一般に、イメージセッター230から出力される画像の画像データ(以下、「実画像データ」とする)は画素密度が高く、データ量が多いため、処理能力が低い卓上コンピュータ220で実画像データをそのまま取り扱うと、処理効率が著しく低下する。また、卓上コンピュータ220においてレイアウト処理などを行う際には、当該卓上コンピュータ220に設けられたディスプレイ(図示省略)上で画像を確認できればよく、画素密度の高い実画像を使用する必要はない。そこで、ワークステーション210が実画像から画素を間引いた低密度の画像の画像データ(以下、「粗画像データ」とする)を作成し、卓上コンピュータ220側ではその粗画像データを使用してレイアウト処理などを行う。そして、粗画像データを使用したレイアウト処理が終了すると、ワークステーション210は当該粗画像データを元の実画像データと差し替えた後、イメージセッター230に当該実画像データを転送し、出力させる。このようにすれば、卓上コンピュータ220の負荷を軽減して処理効率を向上でき、出力時には高密度な画像を得ることができる。以下、この明細書では、上述の如く、粗画像データを使用してクライアント側でレイアウト処理を行い、サーバ側において処理後の粗画像データを実画像データに差し替えて処理効率を向上させる一連の処理をOPI(Open Prepress Interface)処理と称する。
【0005】
ところで、上記のワークステーション210は、2つの記憶装置を備えているが、これらのうち磁気ディスクユニット215はアクセス効率が高く、一方、追記型光ディスクユニット218は大容量でかつ信頼性が高い。レイアウト処理などの画像処理を行う際には、実画像データをアクセス効率の高い磁気ディスクユニット215に保存し、ワークステーション210内の処理ユニット211が当該実画像データを間引いて粗画像データを作成する。このときに、粗画像データと元の実画像データとの対応を確保しておかないと、後にレイアウト処理後の粗画像データを差し替えるときに支障をきたす。
【0006】
図12は、粗画像データの構成を示す図である。この粗画像データR20は、ヘッダー部R20aと画像情報部R20bとにより構成されている。図示の如く、ヘッダー部R20aには、粗画像データR20が磁気ディスクユニット215の「/work/dir1」という樹枝状構造の保存位置(以下、「ディレクトリー」と称する)に保存された「data1」という実画像データと差し替えられるべきものであることが記述されている。また、画像情報部R20bには、オペレータが卓上コンピュータ220において画像を視認するのに必要な粗画像データの実体部分が所定の形式にしたがって記述されている。これにより、レイアウト処理後、ワークステーション210の処理ユニット211は、ヘッダー部R20aに記述されたディレクトリー名に基づいて磁気ディスクユニット215を検索し、粗画像データR20を元の実画像に置換している。なお、粗画像データR20はオペレータの必要に応じて卓上コンピュータ220に設けられた記憶装置(図示省略)に保存されている。
【0007】
磁気ディスクユニット215はアクセス効率が高いものの、信頼性や容量は追記型光ディスクユニット218に比較して低いため、上記の差し替え処理後の実画像データは、その消失を防いだり、磁気ディスクユニット215の空き容量を確保する目的で適宜追記型光ディスクユニット218に移動される。
【0008】
このときの実画像データの従来の移動の様子を図14および図15を用いて説明する。なお、図14は、実画像データの磁気ディスクユニット215から追記型光ディスクユニット218への従来の移動処理を説明する図である。また、図15は、移動処理に際して参照される従来の処理テーブルT20を示す図である。なお、処理テーブルT20も磁気ディスクユニット215に保存されている。
【0009】
磁気ディスクユニット215内のディレクトリー「/work/dir1」に格納された実画像データ「data1」を移動させる必要が生じたときは、まず、処理ユニット211が図15に示す処理テーブルT20を検索する。このときに、処理ユニット211は、処理テーブルT20のNo.1から順に保存済みフラグの真偽を確認する。ここで、処理テーブルT20の「No.」は図14に示す追記型光ディスクユニット218内部のディスク番号に対応しており、また、保存済みフラグが「真」(図15中で○印)の場合はそのディスクが既に保存済みであることを示し、「偽」(図15中で×印)の場合はそのディスクが未保存であることを示す。図15に示す処理テーブルT20では、No.4のディスクが未保存であるため、実画像データ「data1」はNo.4のディスクに移動される。
【0010】
追記型光ディスクのようにオフラインでも使用可能な記憶媒体を製版向け機器システム200において使用する場合、上記のディレクトリーの一形態であり、ディレクトリーと等価でかつ各ディスクごとにユニークな保存位置(以下、「マウントポイント」と称する)が設定される。例えば、上記のNo.4のディスクには「/work/cd4」というマウントポイントが設定され、実画像データ「data1」が当該マウントポイントに移動される。それと同時に、処理テーブルT20のNo.4のディスクに対応する保存済みフラグが「真」とされ、マウントポイントに「/work/cd4」が設定される。実画像データ「data1」が追記型光ディスクユニット218へ移動されるのにともなって、磁気ディスクユニット215内の実画像データ「data1」およびディレクトリー「/work/dir1」が消去され、移動処理が完了する。
【0011】
すなわち、上述の移動処理は、製版向け機器システム200内において「/work/dir1/data1」という実画像データの樹枝状構造の保存名(以下、「パス名」と称する)が「/work/cd4/data1」というパス名に変更されたことと同じである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のレイアウト処理後、同一の実画像データについてオペレータが再度レイアウト処理を行う必要が生じる場合がある。この場合も、オペレータが粗画像データを使用してレイアウト処理を行うが、既述したように最初のレイアウト処理時に卓上コンピュータ220に保存された粗画像データR20のヘッダー部R20aには「/work/dir1/data1」というパス名が記述されている。
【0013】
しかしながら、実画像データが追記型光ディスクユニット218へ移動された後は、実画像データのパス名が「/work/cd4/data1」に変更されているため、粗画像データR20と当該実画像とは対応していない。この場合は、追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻すとともにパス名も元に戻すか、あるいは追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データに対して再度粗画像データを作成することになる。
【0014】
実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻す場合は、磁気ディスクユニット215内の容量を確保するために不要なデータを消去する必要がある。複数のオペレータが使用している製版向け機器システム200では、不要なデータの判断が極めて困難であり、システムの管理者が各オペレータに確認しなければならない。その結果、実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻す処理は、製版向け機器システム200の処理効率を著しく低下させることになる。
【0015】
一方、追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データに対して再度粗画像データを作成する場合は、同一の実画像データに対して2つの粗画像データを作成することになり、オペレータは1つの実画像データに対する粗画像データを二重に管理しなければならない。その結果、OPI処理の処理効率が低下することになる。
【0016】
また、大量のデータを扱うシステムにおいては、そのデータをデータベース化することが日常的に行われている。図13は、製版向け機器システム200におけるデータベース登録テーブルBT20を示す図である。実画像データ「data1」が磁気ディスクユニット215に保存されている時点でデータベース登録を行うと、図示の如く、その存在場所としてディレクトリー「/work/dir1」が登録される。しかしながら、当該実画像データが追記型光ディスクユニット218に移動されると、上述したようにパス名が変更されるため、データベース登録テーブルBT20による検索は不可能となる。したがって、データベース登録は、所望のデータが追記型光ディスクユニット218に移動された後まで行うことができず効率が低下している。
【0017】
本発明は、上記課題に鑑み、2つの記憶装置を備えたシステムにおいて、その2つの記憶装置間でデータの移動が行われても、当該データに対して所定の処理が効率よく行える記憶システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1の記憶装置に記憶させたデータを第2の記憶装置に転送する記憶システムにおいて、(a)前記データを格納するディレクトリーを前記第1の記憶装置内に作成するディレクトリー作成手段と、(b)前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動させるディレクトリー移動手段と、(c)前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置内に移動後の前記ディレクトリーに転送するデータ転送手段とを備え、前記ディレクトリー作成手段が、前記第2の記憶装置について前記第1の記憶装置に作成されたディレクトリーと同一のパス名を予約登録する登録手段、を有し、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置に転送する際に、前記データ転送手段が、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データをスプール領域に複写して、前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーおよび該ディレクトリーに格納された前記データを削除して、前記登録手段によって予約登録されたパス名のディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動するとともに、前記スプール領域に複写された前記データを、前記第2の装置内に移動されたディレクトリーであって前記登録手段に予約登録された前記同一のパス名を有する前記ディレクトリーに転送することを特徴とする。
【0019】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る記憶システムにおいて、前記登録手段は、前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するときに能動化される第1記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第1の識別手段を含み、前記ディレクトリー移動手段は、前記ディレクトリーが前記第2の記憶装置内に移動されたときに能動化される第2記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第2の識別手段を含み、前記第1または第2の識別手段により前記第1記憶装置ディレクトリーフラグまたは前記第2記憶装置ディレクトリーフラグが能動化されている場合は、前記ディレクトリーと同じディレクトリーを前記第1と第2の記憶装置のいずれにも重複して作成することを禁止している。
【0020】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る記憶システムにおいて、前記ディレクトリーの存在を表示する表示手段と、前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するか前記第2の記憶装置内に存在するかを、ディレクトリー名に付随して前記表示手段に表示させる表示制御手段とをさらに備えている。
【0021】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る記憶システムにおいて、前記ディレクトリー作成手段が、ディレクトリーのタイトルとしてニックネームを付与するニックネーム付与手段を有しており、前記表示制御手段は、前記ニックネーム付与手段によって付与された前記ディレクトリーのタイトルを表示している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
この明細書では、まず本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システムの構成の概要について説明した後、本発明にかかる記憶システムについて説明する。
【0024】
A:製版処理システムの構成:
図1は、本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システム100の構成を示すブロック図である。この製版処理システム100は、クライアント/サーバシステムを採用しており、サーバであるワークステーション10と、クライアントである3台の卓上コンピュータ20と、原稿を読みとる入力スキャナ30と、処理済みの画像を出力するイメージセッター40とを備えている。
【0025】
ワークステーション10は、画像データに対する演算処理を行うとともにワークステーション10に備えられた各装置に指令を与えるCPU11と、CPU11に対する処理プログラムなどを記憶するメモリ12と、オペレータがワークステーション10に対して指示を与えるキーボード13と、オペレータが画像やワークステーション10からのメッセージを確認するディスプレイ14と、ワークステーション10と卓上コンピュータ20などとの間で信号の受け渡しを行う通信装置15と、アクセス効率の高い磁気ディスクユニット(第1の記憶装置)50と、大容量でかつ信頼性が高い追記型光ディスクユニット(第2の記憶装置)60とを備えている。
【0026】
また、卓上コンピュータ20は、図示を省略する入力装置と記憶装置と表示手段21とを備えており、オペレータは卓上コンピュータ20から指示を入力し、通信装置15を介してワークステーション10内のデータに対して所定の処理を行うことができる。なお、卓上コンピュータ20の設置台数は3台に限定されるものではなく、システムとして可能な範囲内での任意の台数であればよい。
【0027】
B:製版処理システムにおける画像データ処理手順:
図2は、製版処理システム100における画像データ処理手順を示すフローチャートである。以下、この図を参照しつつ、画像データを磁気ディスクユニット50および追記型光ディスクユニット60に保存する手順について順次説明する。
【0028】
製版処理システム100において画像処理を行う場合、まず、入力スキャナ30が原稿を読み取り、当該原稿の実画像データを通信装置15を介してワークステーション10に送信する(ステップS1)。そして、通信装置15が受信した実画像データは、一旦メモリ12に記憶されるとともに、磁気ディスクユニット50に保存される(ステップS2)。
【0029】
図3は、実画像データを磁気ディスクユニット50へ保存する処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS21において、追記型光ディスクユニット60の空領域(追記型光ディスクユニット60に存在するディスクのうち未保存のディスク)を検索する。空領域の検索は、CPU11が磁気ディスクユニット50に保存されている制御テーブルを検索することによって行われる。
【0030】
図5は、制御テーブルT10を示す図である。この制御テーブルT10において、「No.」は追記型光ディスクユニット60に存在するディスクの番号、「FIX」は保存済みフラグ、「RV」は予約フラグ、「Mount Point」は追記型光ディスクユニット60側のマウントポイント、「Nickname」は磁気ディスクユニット50に保存されているデータのニックネーム(タイトル)である。
【0031】
CPU11は制御テーブルT10を検索し、保存済みフラグと予約フラグとがともに「偽」(制御テーブルT10中では空欄)である領域(追記型光ディスクユニット60に存在する各ディスク)を見つけると、その領域の予約フラグを「真」(制御テーブルT10中では○印)にする(ステップS22)。すなわち、図5の制御テーブルT10においては、No.7のディスクが未保存であるため、No.7のディスクに対応する予約フラグが「真」とされる。
【0032】
次に、ステップS23において、No.7のディスクに対応する追記型光ディスクユニット60側のマウントポイント名を設定し、制御テーブルT10の「Mount Point」の欄に登録する。このときに、マウントポイント名の設定は、オペレータが行ってもよいし、CPU11が設定してもよい。また、設定するマウントポイント名は任意であるが、追記型光ディスクユニット60内部で管理するのに都合がよい名称が望ましい。例えば、本実施形態では、No.7のディスクのマウントポイント名として「/work/cd7」を設定する。ただし、この時点では、実際に追記型光ディスクユニット60に対してマウントポイントを設定するのではなく、制御テーブルT10において予約フラグが「真」とされた領域に対応する「Mount Point」の欄に登録するのみである。
【0033】
なお、上記において、設定しようとするマウントポイント名が、既に制御テーブルT10に登録されており、かつそれに対応する予約フラグ若しくは保存済みフラグが「真」とされている場合は、そのマウントポイント名を設定することはできず、新たなマウントポイント名を設定するように要求される。例えば、上記において、No.7のディスクのマウントポイント名として「/work/cd3」を設定しようとすると、当該マウントポイント名はNo.3のディスクのマウントポイント名として登録されており、かつその予約フラグが「真」とされているため、別の新たなマウントポイント名を設定する必要がある。このようにすることにより、オペレータが誤って他のオペレータのマウントポイントと重複設定することを未然に防止している。
【0034】
次に、ステップS24において、上記のマウントポイント名を磁気ディスクユニット50のディレクトリーとして割り当て、実画像データを当該ディレクトリーに保存する。したがって、本実施形態における実画像データのファイル名を「data1」とすると、磁気ディスクユニット50に保存される当該実画像データのパス名は「/work/cd7/data1」となる。このときに、「/work/cd7」というマウントポイントは未だ追記型光ディスクユニット60に設定されていないためワークステーション10内で同一のパス名が存在することにはならず、製版処理システム100全体としても矛盾は生じない。
【0035】
次に、ステップS25において、オペレータがマウントポイントのニックネームを決定し、CPU11がそのニックネームを制御テーブルT10の「Nickname」の欄に登録する。このニックネームは、オペレータが管理しやすいものであれば任意の名称でかまわない。例えば、本実施形態におけるマウントポイント「/work/cd7」に対しては、「花の写真1」というニックネームを付与している。
【0036】
次に、ステップS26において、CPU11が「/work/cd7」というディレクトリーと「花の写真1」というニックネームとを関連付けている。これにより、オペレータは、磁気ディスクユニット50内のディレクトリー「/work/cd7」と「花の写真1」というニックネームとを等価に扱うことができる。
【0037】
図6は、実画像データを磁気ディスクユニット50に保存した後の制御テーブルT10aを示す図である。No.7のディスクに対応する予約フラグが「真」となり、「Mount Point」の欄に「/work/cd7」が、「Nickname」の欄に「花の写真1」がそれぞれ登録されている。
【0038】
以上のようにして、実画像データが磁気ディスクユニット50に保存されると、図2に戻って、クライアントにおける画像処理が行われる(ステップS3)。この処理は、オペレータが所望する任意の処理が可能であるが、本実施形態では、卓上コンピュータ20を使用したレイアウト処理が行われる。卓上コンピュータ20は、ワークステーション10と比較すると処理能力が低いため実画像データをそのまま取り扱うと処理効率が低下する。そこで、CPU11が実画像データを間引いて粗画像データを作成し、当該粗画像データを使用してレイアウト処理を行う。なお、作成された粗画像データは、磁気ディスクユニット50および卓上コンピュータ20に備えられた記憶装置に保存される。
【0039】
次に、ステップS4に進んで、レイアウト処理が終了するかあるいは何らかの必要に応じて(例えば、データの消失を防ぐ目的で)、オペレータが追記型光ディスクユニット60へのデータ保存を要求すると、ステップS5に進み、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存する処理が行われる。
【0040】
図4は、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存する処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS51では、磁気ディスクユニット50のパス名が「/work/cd7/data1」の実画像データがスプール領域に複写される。スプール領域は磁気ディスクユニット50内に設けられた、一時的な待避領域である。
【0041】
次に、ステップS52に進んで、制御テーブルT10a(図6参照)のNo.7のディスクに対応する予約フラグ(RV)を「偽」とし、保存済みフラグ(FIX)を「真」にする。そして、磁気ディスクユニット50からパス名が「/work/cd7/data1」の実画像データを削除するとともに、「/work/cd7」というディレクトリーも削除する(ステップS53)。続いて、制御テーブルT10aの「Nickname」の欄からニックネーム「花の写真1」を削除する(ステップS54)。
【0042】
次に、ステップS55に進んで、制御テーブルの「Mount Point」の欄に登録されたマウントポイント名「/work/cd7」を追記型光ディスクユニット60のマウントポイントとして設定する。このときには、既に磁気ディスクユニット50から「/work/cd7」というディレクトリーが削除されているため、ワークステーション10内で同一のパス名が存在することはない。
【0043】
次に、ステップS56に進んで、スプール領域に複写されていた実画像データ「data1」を追記型光ディスクユニット60のマウントポイント「/work/cd7」に複写する。そして、最後にスプール領域の実画像データ「data1」を削除する(ステップS57)。
【0044】
なお、上記において、ステップS52からステップS54までは、このフローチャートの順序に従う必要はなく、処理の順序が入れ替わってもよい。
【0045】
以上のようにして、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存すれば、「/work/cd7/data1」というパス名のまま、磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ当該実画像データを移動させたことになる。
【0046】
図7は、実画像データの移動の様子を模式的に説明する図である。パス名が「/work/cd7/data1」の実画像データから作成された粗画像データR10はヘッダー部R10aと画像情報部R10bとから構成されている。そして、ヘッダー部R10aには、「/work/cd7/data1」というパス名が記述されている。粗画像データR10はそのヘッダー部R10aに記述されたパス名によって元の実画像と関連付けられており、上述したように、実画像データが磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ移動された後も、当該実画像のパス名は元の「/work/cd7/data1」のまま変更されていないので、実画像データを磁気ディスクユニット50に差し戻したり、追記型光ディスクユニット60に移動された実画像データに対して再度粗画像を作成することなく、オペレータは容易に再レイアウト処理を行うことができる。そして、その結果、OPI処理の効率を向上させることができる。
【0047】
また、データベース登録時にも、データの存在場所としてそのパス名が登録されており、本実施形態のようにすれば、実画像データが磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ移動された後も、当該実画像のパス名が元の「/work/cd7/data1」のまま変更されないので、オペレータが希望する任意の時点でデータベース登録が可能となり、登録の効率が向上する。
【0048】
ところで、本実施形態のようにすれば、オペレータは処理対象となるデータが磁気ディスクユニット50に存在するかあるいは追記型光ディスクユニット60に存在するかを意識することなく所望の処理を行うことができるが、パス名が常に変更されないため、どちらの記憶装置に保存されているかを確認することが困難となる。上記の両記憶装置は、その目的に応じて使い分けられるべきものであり、オペレータは処理対象のデータがどちらの記憶装置に保存されているかを確認する必要がある。そこで、図3のステップS25において登録したニックネームが当該ニックネームと関連付けられたディレクトリーの存在位置をオペレータに伝達する機能を有する。
【0049】
図8および図9は、マウントポイントとニックネームに関連付けられたディレクトリーとの差異を説明する概念図である。図8は、ディレクトリー「/work/cd7」が磁気ディスクユニット50に存在するときの状態(図2においてステップS2の処理が終了した状態)であり、制御テーブルT10a(図6参照)に従って、ディレクトリー若しくはマウントポイントが磁気ディスクユニット50若しくは追記型光ディスクユニット60に作成されている。ここで磁気ディスクユニット50に存在しているディレクトリーにはそれぞれニックネームが関連付けられており、例えば、記述したように、ディレクトリー「/work/cd7」にはニックネーム「花の写真1」が関連付けられている。
【0050】
図10は、図8に示す状態における卓上コンピュータ20の表示手段21の表示状態を示す図である。卓上コンピュータ20の表示手段21上には「changer」と表示された表示ボックス22と「nickname」と表示された表示ボックス23が表示されている。表示ボックス22には、制御テーブルT10aに登録されているすべてのマウントポイント名、すなわち磁気ディスクユニット50に存在するすべてのディレクトリーおよび追記型光ディスクユニット60に存在するすべてのマウントポイントが表示されている。また、表示ボックス23には、追記型光ディスクユニット60に存在するマウントポイントに関連付けられたニックネームが表示されている。したがって、オペレータは、表示ボックス23を確認することにより、表示ボックス22に表示されているマウントポイント名のうちいずれが磁気ディスクユニット50に存在しているかを判断することが可能である。
【0051】
次に、図9は、磁気ディスクユニット50に存在するディレクトリー「/work/cd7」が追記型光ディスクユニット60に移動した後の状態(図2においてステップS5の処理が終了した状態)であるが、追記型光ディスクユニット60に新たなマウントポイント「/work/cd7」が設定され、磁気ディスクユニット50からはディレクトリー「/work/cd7」が削除されている。また、それにともなって、ディレクトリー「/work/cd7」に関連付けられていたニックネーム「花の写真1」も削除されている。そして、その結果、卓上コンピュータ20の表示ボックス23から「花の写真1」が削除され、オペレータは、ディレクトリー「/work/cd7」が追記型光ディスクユニット60に移動したことを確認できる。なお、このとき、表示ボックス22の表示内容については変化がない。
【0052】
【変形例】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1の記憶装置としては磁気ディスクユニットに限らず、アクセス効率の高い記憶装置(例えば、ディスクアレー(複数の磁気ディスクユニットから構成される信頼性の高い記憶装置)など)であればよい。
【0053】
また、第2の記憶装置も、追記型光ディスクユニットに限定されず、大容量で信頼性の高い記憶装置、例えば光磁気ディスクユニットや磁気テープ(ともに、読み出しと書き込みとが可能)であってもよい。第2の記憶装置として、光磁気ディスクユニットや磁気テープを適用すると、ディレクトリーの移動が双方向で容易に行える。第2の記憶装置から第1の記憶装置にディレクトリーを移動させたい場合には、制御テーブルの予約フラグを「真」とし、保存済みフラグを「偽」とし、さらにオペレータが希望する新たなニックネームを再度登録することにより容易に可能となる。
【0054】
また、本実施形態においては、画像データを追記型光ディスクユニット60に保存する前に、当該画像データに対して所定の画像処理を行っていたが、この画像処理は、当該画像データを追記型光ディスクユニット60に保存した後であってもかまわない。
【0055】
また、本実施形態においては、磁気ディスクユニット50に保存されたディレクトリーを関連付けられたニックネームを卓上コンピュータ20の表示ボックス23に表示することによりオペレータがディレクトリーの存在場所を確認していたが、これを、他の表示手段、例えば、表示ボックス22に表示されたマウントポイント名の色を変化させることによって確認してもよい。
【0056】
さらに、本発明に係る記憶システムが適用できるのは製版処理システムに限定されるものではなく、2つの記憶装置を備え、当該記憶装置間でディレクトリーの移動を行うシステムであれば適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1の記憶装置内に作成されたディレクトリーの名称をあらかじめ第2の記憶装置について予約登録する手段を有するとともに、当該ディレクトリーを第2の記憶装置内に移動させるディレクトリー移動手段を備えているため、当該ディレクトリーの名称が変更されることがなくなるため、ディレクトリー名を参照する処理を任意の時点で行うことができる。
【0058】
請求項2の発明によれば、第1または第2の記憶装置内にディレクトリーが存在するときに能動化される識別手段を備え、当該識別手段が能動化されている場合は、当該ディレクトリーと同じ名称のディレクトリーを第1と第2の記憶装置のいずれにも重複して作成しないため、他のオペレータが誤って当該ディレクトリーを使用することを防止することができる。
【0059】
請求項3の発明によれば、ディレクトリーが第1の記憶装置内に存在するか第2の記憶装置内に存在するかをディレクトリー名に付随して表示手段に表示させる表示制御手段を備えているため、オペレータはディレクトリーの存在位置を確認することができる。
【0060】
請求項4の発明によれば、表示制御手段をタイトル表示手段としているので、オペレータに都合のよいタイトルを選択することができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の製版処理システムにおける画像データ処理手順を示すフローチャートである。
【図3】実画像データを磁気ディスクユニットへ保存する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実画像データを追記型光ディスクユニットへ保存する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】画像データを磁気ディスクユニットへ保存するときに検索する制御テーブルを示す図である。
【図6】実画像データを磁気ディスクユニットに保存した後の制御テーブルを示す図である。
【図7】実画像データの移動の様子を模式的に説明する図である。
【図8】マウントポイントとニックネームに関連付けられたディレクトリーとの差異を説明する概念図である。
【図9】図8のうちの1つのディレクトリーが追記型光ディスクユニットへ移動された後の状態を説明する概念図である。
【図10】図8に示す状態における卓上コンピュータの表示手段の表示状態を示す図である。
【図11】クライアント/サーバシステムを採用した製版向け機器システムの概念図である。
【図12】粗画像データの構成を示す図である。
【図13】図11の製版向け機器システムにおけるデータベース登録テーブルBT20を示す図である。
【図14】実画像データの磁気ディスクユニットから追記型光ディスクユニットへの従来の移動処理を説明する図である。
【図15】移動処理に際して参照される従来の処理テーブルを示す図である。
【符号の説明】
10 ワークステーション
20 卓上コンピュータ
50 磁気ディスクユニット
60 追記型光ディスクユニット
T10、T10a 制御テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、大量の画像データを扱う製版向け機器システムなどにおいて、2つの記憶装置を運用する記憶システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、上記のような製版向け機器システムにおいては、サーバ(例えば、ワークステーションなど)と複数のクライアント(例えば、卓上コンピュータなど)を接続した処理システム(以下、「クライアント/サーバシステム」と称する)が採用されている。
【0003】
図11は、クライアント/サーバシステムを採用した製版向け機器システム200の概念図である。サーバであるワークステーション210には、クライアントである3つの卓上コンピュータ220と、画像を出力するイメージセッター230とが接続されている。また、ワークステーション210は、画像データを処理する処理ユニット211と、処理前後の画像データを保存する磁気ディスクユニット215および追記型光ディスクユニット218とを備えている。この製版向け機器システム200において、画像データに対する処理を行う際には、オペレータが卓上コンピュータ220を使用してレイアウト処理などを行う。
【0004】
一般に、イメージセッター230から出力される画像の画像データ(以下、「実画像データ」とする)は画素密度が高く、データ量が多いため、処理能力が低い卓上コンピュータ220で実画像データをそのまま取り扱うと、処理効率が著しく低下する。また、卓上コンピュータ220においてレイアウト処理などを行う際には、当該卓上コンピュータ220に設けられたディスプレイ(図示省略)上で画像を確認できればよく、画素密度の高い実画像を使用する必要はない。そこで、ワークステーション210が実画像から画素を間引いた低密度の画像の画像データ(以下、「粗画像データ」とする)を作成し、卓上コンピュータ220側ではその粗画像データを使用してレイアウト処理などを行う。そして、粗画像データを使用したレイアウト処理が終了すると、ワークステーション210は当該粗画像データを元の実画像データと差し替えた後、イメージセッター230に当該実画像データを転送し、出力させる。このようにすれば、卓上コンピュータ220の負荷を軽減して処理効率を向上でき、出力時には高密度な画像を得ることができる。以下、この明細書では、上述の如く、粗画像データを使用してクライアント側でレイアウト処理を行い、サーバ側において処理後の粗画像データを実画像データに差し替えて処理効率を向上させる一連の処理をOPI(Open Prepress Interface)処理と称する。
【0005】
ところで、上記のワークステーション210は、2つの記憶装置を備えているが、これらのうち磁気ディスクユニット215はアクセス効率が高く、一方、追記型光ディスクユニット218は大容量でかつ信頼性が高い。レイアウト処理などの画像処理を行う際には、実画像データをアクセス効率の高い磁気ディスクユニット215に保存し、ワークステーション210内の処理ユニット211が当該実画像データを間引いて粗画像データを作成する。このときに、粗画像データと元の実画像データとの対応を確保しておかないと、後にレイアウト処理後の粗画像データを差し替えるときに支障をきたす。
【0006】
図12は、粗画像データの構成を示す図である。この粗画像データR20は、ヘッダー部R20aと画像情報部R20bとにより構成されている。図示の如く、ヘッダー部R20aには、粗画像データR20が磁気ディスクユニット215の「/work/dir1」という樹枝状構造の保存位置(以下、「ディレクトリー」と称する)に保存された「data1」という実画像データと差し替えられるべきものであることが記述されている。また、画像情報部R20bには、オペレータが卓上コンピュータ220において画像を視認するのに必要な粗画像データの実体部分が所定の形式にしたがって記述されている。これにより、レイアウト処理後、ワークステーション210の処理ユニット211は、ヘッダー部R20aに記述されたディレクトリー名に基づいて磁気ディスクユニット215を検索し、粗画像データR20を元の実画像に置換している。なお、粗画像データR20はオペレータの必要に応じて卓上コンピュータ220に設けられた記憶装置(図示省略)に保存されている。
【0007】
磁気ディスクユニット215はアクセス効率が高いものの、信頼性や容量は追記型光ディスクユニット218に比較して低いため、上記の差し替え処理後の実画像データは、その消失を防いだり、磁気ディスクユニット215の空き容量を確保する目的で適宜追記型光ディスクユニット218に移動される。
【0008】
このときの実画像データの従来の移動の様子を図14および図15を用いて説明する。なお、図14は、実画像データの磁気ディスクユニット215から追記型光ディスクユニット218への従来の移動処理を説明する図である。また、図15は、移動処理に際して参照される従来の処理テーブルT20を示す図である。なお、処理テーブルT20も磁気ディスクユニット215に保存されている。
【0009】
磁気ディスクユニット215内のディレクトリー「/work/dir1」に格納された実画像データ「data1」を移動させる必要が生じたときは、まず、処理ユニット211が図15に示す処理テーブルT20を検索する。このときに、処理ユニット211は、処理テーブルT20のNo.1から順に保存済みフラグの真偽を確認する。ここで、処理テーブルT20の「No.」は図14に示す追記型光ディスクユニット218内部のディスク番号に対応しており、また、保存済みフラグが「真」(図15中で○印)の場合はそのディスクが既に保存済みであることを示し、「偽」(図15中で×印)の場合はそのディスクが未保存であることを示す。図15に示す処理テーブルT20では、No.4のディスクが未保存であるため、実画像データ「data1」はNo.4のディスクに移動される。
【0010】
追記型光ディスクのようにオフラインでも使用可能な記憶媒体を製版向け機器システム200において使用する場合、上記のディレクトリーの一形態であり、ディレクトリーと等価でかつ各ディスクごとにユニークな保存位置(以下、「マウントポイント」と称する)が設定される。例えば、上記のNo.4のディスクには「/work/cd4」というマウントポイントが設定され、実画像データ「data1」が当該マウントポイントに移動される。それと同時に、処理テーブルT20のNo.4のディスクに対応する保存済みフラグが「真」とされ、マウントポイントに「/work/cd4」が設定される。実画像データ「data1」が追記型光ディスクユニット218へ移動されるのにともなって、磁気ディスクユニット215内の実画像データ「data1」およびディレクトリー「/work/dir1」が消去され、移動処理が完了する。
【0011】
すなわち、上述の移動処理は、製版向け機器システム200内において「/work/dir1/data1」という実画像データの樹枝状構造の保存名(以下、「パス名」と称する)が「/work/cd4/data1」というパス名に変更されたことと同じである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のレイアウト処理後、同一の実画像データについてオペレータが再度レイアウト処理を行う必要が生じる場合がある。この場合も、オペレータが粗画像データを使用してレイアウト処理を行うが、既述したように最初のレイアウト処理時に卓上コンピュータ220に保存された粗画像データR20のヘッダー部R20aには「/work/dir1/data1」というパス名が記述されている。
【0013】
しかしながら、実画像データが追記型光ディスクユニット218へ移動された後は、実画像データのパス名が「/work/cd4/data1」に変更されているため、粗画像データR20と当該実画像とは対応していない。この場合は、追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻すとともにパス名も元に戻すか、あるいは追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データに対して再度粗画像データを作成することになる。
【0014】
実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻す場合は、磁気ディスクユニット215内の容量を確保するために不要なデータを消去する必要がある。複数のオペレータが使用している製版向け機器システム200では、不要なデータの判断が極めて困難であり、システムの管理者が各オペレータに確認しなければならない。その結果、実画像データを磁気ディスクユニット215に差し戻す処理は、製版向け機器システム200の処理効率を著しく低下させることになる。
【0015】
一方、追記型光ディスクユニット218に保存されている実画像データに対して再度粗画像データを作成する場合は、同一の実画像データに対して2つの粗画像データを作成することになり、オペレータは1つの実画像データに対する粗画像データを二重に管理しなければならない。その結果、OPI処理の処理効率が低下することになる。
【0016】
また、大量のデータを扱うシステムにおいては、そのデータをデータベース化することが日常的に行われている。図13は、製版向け機器システム200におけるデータベース登録テーブルBT20を示す図である。実画像データ「data1」が磁気ディスクユニット215に保存されている時点でデータベース登録を行うと、図示の如く、その存在場所としてディレクトリー「/work/dir1」が登録される。しかしながら、当該実画像データが追記型光ディスクユニット218に移動されると、上述したようにパス名が変更されるため、データベース登録テーブルBT20による検索は不可能となる。したがって、データベース登録は、所望のデータが追記型光ディスクユニット218に移動された後まで行うことができず効率が低下している。
【0017】
本発明は、上記課題に鑑み、2つの記憶装置を備えたシステムにおいて、その2つの記憶装置間でデータの移動が行われても、当該データに対して所定の処理が効率よく行える記憶システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1の記憶装置に記憶させたデータを第2の記憶装置に転送する記憶システムにおいて、(a)前記データを格納するディレクトリーを前記第1の記憶装置内に作成するディレクトリー作成手段と、(b)前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動させるディレクトリー移動手段と、(c)前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置内に移動後の前記ディレクトリーに転送するデータ転送手段とを備え、前記ディレクトリー作成手段が、前記第2の記憶装置について前記第1の記憶装置に作成されたディレクトリーと同一のパス名を予約登録する登録手段、を有し、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置に転送する際に、前記データ転送手段が、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データをスプール領域に複写して、前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーおよび該ディレクトリーに格納された前記データを削除して、前記登録手段によって予約登録されたパス名のディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動するとともに、前記スプール領域に複写された前記データを、前記第2の装置内に移動されたディレクトリーであって前記登録手段に予約登録された前記同一のパス名を有する前記ディレクトリーに転送することを特徴とする。
【0019】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る記憶システムにおいて、前記登録手段は、前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するときに能動化される第1記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第1の識別手段を含み、前記ディレクトリー移動手段は、前記ディレクトリーが前記第2の記憶装置内に移動されたときに能動化される第2記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第2の識別手段を含み、前記第1または第2の識別手段により前記第1記憶装置ディレクトリーフラグまたは前記第2記憶装置ディレクトリーフラグが能動化されている場合は、前記ディレクトリーと同じディレクトリーを前記第1と第2の記憶装置のいずれにも重複して作成することを禁止している。
【0020】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る記憶システムにおいて、前記ディレクトリーの存在を表示する表示手段と、前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するか前記第2の記憶装置内に存在するかを、ディレクトリー名に付随して前記表示手段に表示させる表示制御手段とをさらに備えている。
【0021】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る記憶システムにおいて、前記ディレクトリー作成手段が、ディレクトリーのタイトルとしてニックネームを付与するニックネーム付与手段を有しており、前記表示制御手段は、前記ニックネーム付与手段によって付与された前記ディレクトリーのタイトルを表示している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
この明細書では、まず本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システムの構成の概要について説明した後、本発明にかかる記憶システムについて説明する。
【0024】
A:製版処理システムの構成:
図1は、本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システム100の構成を示すブロック図である。この製版処理システム100は、クライアント/サーバシステムを採用しており、サーバであるワークステーション10と、クライアントである3台の卓上コンピュータ20と、原稿を読みとる入力スキャナ30と、処理済みの画像を出力するイメージセッター40とを備えている。
【0025】
ワークステーション10は、画像データに対する演算処理を行うとともにワークステーション10に備えられた各装置に指令を与えるCPU11と、CPU11に対する処理プログラムなどを記憶するメモリ12と、オペレータがワークステーション10に対して指示を与えるキーボード13と、オペレータが画像やワークステーション10からのメッセージを確認するディスプレイ14と、ワークステーション10と卓上コンピュータ20などとの間で信号の受け渡しを行う通信装置15と、アクセス効率の高い磁気ディスクユニット(第1の記憶装置)50と、大容量でかつ信頼性が高い追記型光ディスクユニット(第2の記憶装置)60とを備えている。
【0026】
また、卓上コンピュータ20は、図示を省略する入力装置と記憶装置と表示手段21とを備えており、オペレータは卓上コンピュータ20から指示を入力し、通信装置15を介してワークステーション10内のデータに対して所定の処理を行うことができる。なお、卓上コンピュータ20の設置台数は3台に限定されるものではなく、システムとして可能な範囲内での任意の台数であればよい。
【0027】
B:製版処理システムにおける画像データ処理手順:
図2は、製版処理システム100における画像データ処理手順を示すフローチャートである。以下、この図を参照しつつ、画像データを磁気ディスクユニット50および追記型光ディスクユニット60に保存する手順について順次説明する。
【0028】
製版処理システム100において画像処理を行う場合、まず、入力スキャナ30が原稿を読み取り、当該原稿の実画像データを通信装置15を介してワークステーション10に送信する(ステップS1)。そして、通信装置15が受信した実画像データは、一旦メモリ12に記憶されるとともに、磁気ディスクユニット50に保存される(ステップS2)。
【0029】
図3は、実画像データを磁気ディスクユニット50へ保存する処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS21において、追記型光ディスクユニット60の空領域(追記型光ディスクユニット60に存在するディスクのうち未保存のディスク)を検索する。空領域の検索は、CPU11が磁気ディスクユニット50に保存されている制御テーブルを検索することによって行われる。
【0030】
図5は、制御テーブルT10を示す図である。この制御テーブルT10において、「No.」は追記型光ディスクユニット60に存在するディスクの番号、「FIX」は保存済みフラグ、「RV」は予約フラグ、「Mount Point」は追記型光ディスクユニット60側のマウントポイント、「Nickname」は磁気ディスクユニット50に保存されているデータのニックネーム(タイトル)である。
【0031】
CPU11は制御テーブルT10を検索し、保存済みフラグと予約フラグとがともに「偽」(制御テーブルT10中では空欄)である領域(追記型光ディスクユニット60に存在する各ディスク)を見つけると、その領域の予約フラグを「真」(制御テーブルT10中では○印)にする(ステップS22)。すなわち、図5の制御テーブルT10においては、No.7のディスクが未保存であるため、No.7のディスクに対応する予約フラグが「真」とされる。
【0032】
次に、ステップS23において、No.7のディスクに対応する追記型光ディスクユニット60側のマウントポイント名を設定し、制御テーブルT10の「Mount Point」の欄に登録する。このときに、マウントポイント名の設定は、オペレータが行ってもよいし、CPU11が設定してもよい。また、設定するマウントポイント名は任意であるが、追記型光ディスクユニット60内部で管理するのに都合がよい名称が望ましい。例えば、本実施形態では、No.7のディスクのマウントポイント名として「/work/cd7」を設定する。ただし、この時点では、実際に追記型光ディスクユニット60に対してマウントポイントを設定するのではなく、制御テーブルT10において予約フラグが「真」とされた領域に対応する「Mount Point」の欄に登録するのみである。
【0033】
なお、上記において、設定しようとするマウントポイント名が、既に制御テーブルT10に登録されており、かつそれに対応する予約フラグ若しくは保存済みフラグが「真」とされている場合は、そのマウントポイント名を設定することはできず、新たなマウントポイント名を設定するように要求される。例えば、上記において、No.7のディスクのマウントポイント名として「/work/cd3」を設定しようとすると、当該マウントポイント名はNo.3のディスクのマウントポイント名として登録されており、かつその予約フラグが「真」とされているため、別の新たなマウントポイント名を設定する必要がある。このようにすることにより、オペレータが誤って他のオペレータのマウントポイントと重複設定することを未然に防止している。
【0034】
次に、ステップS24において、上記のマウントポイント名を磁気ディスクユニット50のディレクトリーとして割り当て、実画像データを当該ディレクトリーに保存する。したがって、本実施形態における実画像データのファイル名を「data1」とすると、磁気ディスクユニット50に保存される当該実画像データのパス名は「/work/cd7/data1」となる。このときに、「/work/cd7」というマウントポイントは未だ追記型光ディスクユニット60に設定されていないためワークステーション10内で同一のパス名が存在することにはならず、製版処理システム100全体としても矛盾は生じない。
【0035】
次に、ステップS25において、オペレータがマウントポイントのニックネームを決定し、CPU11がそのニックネームを制御テーブルT10の「Nickname」の欄に登録する。このニックネームは、オペレータが管理しやすいものであれば任意の名称でかまわない。例えば、本実施形態におけるマウントポイント「/work/cd7」に対しては、「花の写真1」というニックネームを付与している。
【0036】
次に、ステップS26において、CPU11が「/work/cd7」というディレクトリーと「花の写真1」というニックネームとを関連付けている。これにより、オペレータは、磁気ディスクユニット50内のディレクトリー「/work/cd7」と「花の写真1」というニックネームとを等価に扱うことができる。
【0037】
図6は、実画像データを磁気ディスクユニット50に保存した後の制御テーブルT10aを示す図である。No.7のディスクに対応する予約フラグが「真」となり、「Mount Point」の欄に「/work/cd7」が、「Nickname」の欄に「花の写真1」がそれぞれ登録されている。
【0038】
以上のようにして、実画像データが磁気ディスクユニット50に保存されると、図2に戻って、クライアントにおける画像処理が行われる(ステップS3)。この処理は、オペレータが所望する任意の処理が可能であるが、本実施形態では、卓上コンピュータ20を使用したレイアウト処理が行われる。卓上コンピュータ20は、ワークステーション10と比較すると処理能力が低いため実画像データをそのまま取り扱うと処理効率が低下する。そこで、CPU11が実画像データを間引いて粗画像データを作成し、当該粗画像データを使用してレイアウト処理を行う。なお、作成された粗画像データは、磁気ディスクユニット50および卓上コンピュータ20に備えられた記憶装置に保存される。
【0039】
次に、ステップS4に進んで、レイアウト処理が終了するかあるいは何らかの必要に応じて(例えば、データの消失を防ぐ目的で)、オペレータが追記型光ディスクユニット60へのデータ保存を要求すると、ステップS5に進み、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存する処理が行われる。
【0040】
図4は、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存する処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS51では、磁気ディスクユニット50のパス名が「/work/cd7/data1」の実画像データがスプール領域に複写される。スプール領域は磁気ディスクユニット50内に設けられた、一時的な待避領域である。
【0041】
次に、ステップS52に進んで、制御テーブルT10a(図6参照)のNo.7のディスクに対応する予約フラグ(RV)を「偽」とし、保存済みフラグ(FIX)を「真」にする。そして、磁気ディスクユニット50からパス名が「/work/cd7/data1」の実画像データを削除するとともに、「/work/cd7」というディレクトリーも削除する(ステップS53)。続いて、制御テーブルT10aの「Nickname」の欄からニックネーム「花の写真1」を削除する(ステップS54)。
【0042】
次に、ステップS55に進んで、制御テーブルの「Mount Point」の欄に登録されたマウントポイント名「/work/cd7」を追記型光ディスクユニット60のマウントポイントとして設定する。このときには、既に磁気ディスクユニット50から「/work/cd7」というディレクトリーが削除されているため、ワークステーション10内で同一のパス名が存在することはない。
【0043】
次に、ステップS56に進んで、スプール領域に複写されていた実画像データ「data1」を追記型光ディスクユニット60のマウントポイント「/work/cd7」に複写する。そして、最後にスプール領域の実画像データ「data1」を削除する(ステップS57)。
【0044】
なお、上記において、ステップS52からステップS54までは、このフローチャートの順序に従う必要はなく、処理の順序が入れ替わってもよい。
【0045】
以上のようにして、実画像データを追記型光ディスクユニット60へ保存すれば、「/work/cd7/data1」というパス名のまま、磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ当該実画像データを移動させたことになる。
【0046】
図7は、実画像データの移動の様子を模式的に説明する図である。パス名が「/work/cd7/data1」の実画像データから作成された粗画像データR10はヘッダー部R10aと画像情報部R10bとから構成されている。そして、ヘッダー部R10aには、「/work/cd7/data1」というパス名が記述されている。粗画像データR10はそのヘッダー部R10aに記述されたパス名によって元の実画像と関連付けられており、上述したように、実画像データが磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ移動された後も、当該実画像のパス名は元の「/work/cd7/data1」のまま変更されていないので、実画像データを磁気ディスクユニット50に差し戻したり、追記型光ディスクユニット60に移動された実画像データに対して再度粗画像を作成することなく、オペレータは容易に再レイアウト処理を行うことができる。そして、その結果、OPI処理の効率を向上させることができる。
【0047】
また、データベース登録時にも、データの存在場所としてそのパス名が登録されており、本実施形態のようにすれば、実画像データが磁気ディスクユニット50から追記型光ディスクユニット60へ移動された後も、当該実画像のパス名が元の「/work/cd7/data1」のまま変更されないので、オペレータが希望する任意の時点でデータベース登録が可能となり、登録の効率が向上する。
【0048】
ところで、本実施形態のようにすれば、オペレータは処理対象となるデータが磁気ディスクユニット50に存在するかあるいは追記型光ディスクユニット60に存在するかを意識することなく所望の処理を行うことができるが、パス名が常に変更されないため、どちらの記憶装置に保存されているかを確認することが困難となる。上記の両記憶装置は、その目的に応じて使い分けられるべきものであり、オペレータは処理対象のデータがどちらの記憶装置に保存されているかを確認する必要がある。そこで、図3のステップS25において登録したニックネームが当該ニックネームと関連付けられたディレクトリーの存在位置をオペレータに伝達する機能を有する。
【0049】
図8および図9は、マウントポイントとニックネームに関連付けられたディレクトリーとの差異を説明する概念図である。図8は、ディレクトリー「/work/cd7」が磁気ディスクユニット50に存在するときの状態(図2においてステップS2の処理が終了した状態)であり、制御テーブルT10a(図6参照)に従って、ディレクトリー若しくはマウントポイントが磁気ディスクユニット50若しくは追記型光ディスクユニット60に作成されている。ここで磁気ディスクユニット50に存在しているディレクトリーにはそれぞれニックネームが関連付けられており、例えば、記述したように、ディレクトリー「/work/cd7」にはニックネーム「花の写真1」が関連付けられている。
【0050】
図10は、図8に示す状態における卓上コンピュータ20の表示手段21の表示状態を示す図である。卓上コンピュータ20の表示手段21上には「changer」と表示された表示ボックス22と「nickname」と表示された表示ボックス23が表示されている。表示ボックス22には、制御テーブルT10aに登録されているすべてのマウントポイント名、すなわち磁気ディスクユニット50に存在するすべてのディレクトリーおよび追記型光ディスクユニット60に存在するすべてのマウントポイントが表示されている。また、表示ボックス23には、追記型光ディスクユニット60に存在するマウントポイントに関連付けられたニックネームが表示されている。したがって、オペレータは、表示ボックス23を確認することにより、表示ボックス22に表示されているマウントポイント名のうちいずれが磁気ディスクユニット50に存在しているかを判断することが可能である。
【0051】
次に、図9は、磁気ディスクユニット50に存在するディレクトリー「/work/cd7」が追記型光ディスクユニット60に移動した後の状態(図2においてステップS5の処理が終了した状態)であるが、追記型光ディスクユニット60に新たなマウントポイント「/work/cd7」が設定され、磁気ディスクユニット50からはディレクトリー「/work/cd7」が削除されている。また、それにともなって、ディレクトリー「/work/cd7」に関連付けられていたニックネーム「花の写真1」も削除されている。そして、その結果、卓上コンピュータ20の表示ボックス23から「花の写真1」が削除され、オペレータは、ディレクトリー「/work/cd7」が追記型光ディスクユニット60に移動したことを確認できる。なお、このとき、表示ボックス22の表示内容については変化がない。
【0052】
【変形例】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1の記憶装置としては磁気ディスクユニットに限らず、アクセス効率の高い記憶装置(例えば、ディスクアレー(複数の磁気ディスクユニットから構成される信頼性の高い記憶装置)など)であればよい。
【0053】
また、第2の記憶装置も、追記型光ディスクユニットに限定されず、大容量で信頼性の高い記憶装置、例えば光磁気ディスクユニットや磁気テープ(ともに、読み出しと書き込みとが可能)であってもよい。第2の記憶装置として、光磁気ディスクユニットや磁気テープを適用すると、ディレクトリーの移動が双方向で容易に行える。第2の記憶装置から第1の記憶装置にディレクトリーを移動させたい場合には、制御テーブルの予約フラグを「真」とし、保存済みフラグを「偽」とし、さらにオペレータが希望する新たなニックネームを再度登録することにより容易に可能となる。
【0054】
また、本実施形態においては、画像データを追記型光ディスクユニット60に保存する前に、当該画像データに対して所定の画像処理を行っていたが、この画像処理は、当該画像データを追記型光ディスクユニット60に保存した後であってもかまわない。
【0055】
また、本実施形態においては、磁気ディスクユニット50に保存されたディレクトリーを関連付けられたニックネームを卓上コンピュータ20の表示ボックス23に表示することによりオペレータがディレクトリーの存在場所を確認していたが、これを、他の表示手段、例えば、表示ボックス22に表示されたマウントポイント名の色を変化させることによって確認してもよい。
【0056】
さらに、本発明に係る記憶システムが適用できるのは製版処理システムに限定されるものではなく、2つの記憶装置を備え、当該記憶装置間でディレクトリーの移動を行うシステムであれば適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1の記憶装置内に作成されたディレクトリーの名称をあらかじめ第2の記憶装置について予約登録する手段を有するとともに、当該ディレクトリーを第2の記憶装置内に移動させるディレクトリー移動手段を備えているため、当該ディレクトリーの名称が変更されることがなくなるため、ディレクトリー名を参照する処理を任意の時点で行うことができる。
【0058】
請求項2の発明によれば、第1または第2の記憶装置内にディレクトリーが存在するときに能動化される識別手段を備え、当該識別手段が能動化されている場合は、当該ディレクトリーと同じ名称のディレクトリーを第1と第2の記憶装置のいずれにも重複して作成しないため、他のオペレータが誤って当該ディレクトリーを使用することを防止することができる。
【0059】
請求項3の発明によれば、ディレクトリーが第1の記憶装置内に存在するか第2の記憶装置内に存在するかをディレクトリー名に付随して表示手段に表示させる表示制御手段を備えているため、オペレータはディレクトリーの存在位置を確認することができる。
【0060】
請求項4の発明によれば、表示制御手段をタイトル表示手段としているので、オペレータに都合のよいタイトルを選択することができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる記憶システムを適用可能なシステムの一例である製版処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の製版処理システムにおける画像データ処理手順を示すフローチャートである。
【図3】実画像データを磁気ディスクユニットへ保存する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実画像データを追記型光ディスクユニットへ保存する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】画像データを磁気ディスクユニットへ保存するときに検索する制御テーブルを示す図である。
【図6】実画像データを磁気ディスクユニットに保存した後の制御テーブルを示す図である。
【図7】実画像データの移動の様子を模式的に説明する図である。
【図8】マウントポイントとニックネームに関連付けられたディレクトリーとの差異を説明する概念図である。
【図9】図8のうちの1つのディレクトリーが追記型光ディスクユニットへ移動された後の状態を説明する概念図である。
【図10】図8に示す状態における卓上コンピュータの表示手段の表示状態を示す図である。
【図11】クライアント/サーバシステムを採用した製版向け機器システムの概念図である。
【図12】粗画像データの構成を示す図である。
【図13】図11の製版向け機器システムにおけるデータベース登録テーブルBT20を示す図である。
【図14】実画像データの磁気ディスクユニットから追記型光ディスクユニットへの従来の移動処理を説明する図である。
【図15】移動処理に際して参照される従来の処理テーブルを示す図である。
【符号の説明】
10 ワークステーション
20 卓上コンピュータ
50 磁気ディスクユニット
60 追記型光ディスクユニット
T10、T10a 制御テーブル
Claims (4)
- 第1の記憶装置に記憶させたデータを第2の記憶装置に転送する記憶システムにおいて、
(a)前記データを格納するディレクトリーを前記第1の記憶装置内に作成するディレクトリー作成手段と、
(b)前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動させるディレクトリー移動手段と、
(c)前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置内に移動後の前記ディレクトリーに転送するデータ転送手段と、
を備え、
前記ディレクトリー作成手段が、前記第2の記憶装置について前記第1の記憶装置に作成されたディレクトリーと同一のパス名を予約登録する登録手段、
を有し、
前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データを前記第2の記憶装置に転送する際に、前記データ転送手段が、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データをスプール領域に複写して、前記第1の記憶装置内に作成された前記ディレクトリーおよび該ディレクトリーに格納された前記データを削除して、前記登録手段によって予約登録されたパス名のディレクトリーを前記第2の記憶装置内に移動するとともに、
前記スプール領域に複写された前記データを、前記第2の装置内に移動されたディレクトリーであって前記登録手段に予約登録された前記同一のパス名を有する前記ディレクトリーに転送することを特徴とする記憶システム。 - 請求項1記載の記憶システムにおいて、
前記登録手段は、
前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するときに能動化される第1記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第1の識別手段を含み、
前記ディレクトリー移動手段は、
前記ディレクトリーが前記第2の記憶装置内に移動されたときに能動化される第2記憶装置ディレクトリーフラグを識別する第2の識別手段を含み、
前記第1または第2の識別手段により前記第1記憶装置ディレクトリーフラグまたは前記第2記憶装置ディレクトリーフラグが能動化されている場合は、前記ディレクトリーと同じディレクトリーを前記第1と第2の記憶装置のいずれにも重複して作成することを禁止することを特徴とする記憶システム。 - 請求項1または請求項2記載の記憶システムにおいて、
前記ディレクトリーの存在を表示する表示手段と、
前記ディレクトリーが前記第1の記憶装置内に存在するか前記第2の記憶装置内に存在するかを、ディレクトリー名に付随して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする記憶システム。 - 請求項3記載の記憶システムにおいて、
前記登録手段は、前記第1の記憶装置内の前記ディレクトリーに格納された前記データと関連付けられたニックネームを含み、
前記表示制御手段は、前記ニックネームをタイトルとして表示することを特徴とする記憶システム。
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