JP3597283B2 - パレットの不良検査システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、物品を搬送するために使用されるパレットを検査して不良部位が生じたパレットを分別するシステムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
積み上げられた段ボール箱等をフォークリフトによって運搬するために使用されるパレットには、板材やブロック等の木製部品が組み合わされて製作される木製のものと、最近その使用が多くなってきたプラスチック製のものとがある。
【0003】
図61には、木製パレットPが示されており、この木製パレットPは、表デッキボード1,表エッジボード1A,裏デッキボード2,裏エッジボード2A,長手けた板3,短手けた板4およびブロック5の各木製部品が、それぞれ釘等によって固定されることにより組み立てられている。
【0004】
この木製パレットPは、積み上げられた段ボール箱や壜ケース等をそのままの状態でフォークリフトによって運搬するために使用されるものであり、表デッキボード1および表エッジボード1A上に段ボール箱や壜ケース等が積み上げられ、表エッジボード1Aと短手けた板4の間または長手けた板3と裏エッジボード2Aの間にフォークリフトのフォークが挿入されて持ち上げられる。
【0005】
上記のような木製パレットPは、その上に可成りの重量のものが搭載され、かつ繰り返し使用されるものであるから、釘の弛みや飛出し、木製部品のひび割れ、腐りおよび欠損等、木製パレットPを構成する木製部品に各種の不良部位が生じてくる。
【0006】
また、プラスチック製パレットP’は、プラスチックによって木製パレットPと同様の形状に成型されたものであり、腐りや釘の弛みおよび飛出し等の不良は生じないが、繰り返しの使用により欠損やひび割れが生じる場合がある。
【0007】
このような不良部位が生じた木製パレットPやプラスチック製パレットP’がそのまま使用されると、運搬に必要な強度を保持することが出来ず、フォークリフトによって持ち上げられた際に分解してしまったり、その上に積み上げられた段ボール等が荷崩れを起こしたり、さらにはパレットP上に積み上げられた製品を損傷してしまったりするなどの虞がある。そして、このような不良部位が生じたパレットがパレタイザやデパレタイザ等の工場設備中を流れると、これら工場設備にトラブルを発生させる虞がある。
【0008】
従って、このような不良パレットは、使用前に排除しておく必要がある。
従来は、このような不良部位が生じたパレットの検査は、人間が目視によって行っている。
【0009】
しかしながら、パレットの不良部位の検査は、人間の目視では判別が難しく見落しが生じる場合があり、また検査する人の個人差によって不良部位が生じたパレットが検査をパスしたりしなかったりする等、検査にばらつきが生じる。このため、従来の目視による検査では、不良部位が生じたパレットを完全に分別するのが難しい。
【0010】
さらに、このパレットの検査を人手によって行う場合、専業の作業者を必要としその人件費が大きな負担となり、また、重量物を人手によって移動させたりしなければならないため重労働であり、作業効率が悪いという問題がある。そして、一般にパレットはフォークリフトが動き回る工場や倉庫内に置いてあり、このようなフォーク作業と隣合せの環境の中での作業は非常に危険である。
【0011】
この発明は、上記のような従来のパレットの検査における問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、この発明は、パレットの検査を人手によらず行うことが出来、しかもパレットの各部位に生じた種々の不良を自動的に検査して不良部位が生じたパレットを分別することが出来る検査システムを提供することを目的とする。
【0012】
さらに、この発明は、木製パレットとプラスチック製パレットを同じ検査ラインを流しながら、プラスチック製パレットについて必要な検査を選択的に行うことができる検査システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明によるパレットの不良検査システムは、物品を搬送するために使用される木製パレットおよびプラスチック製パレットの不良部位を検査するパレットの不良検査システムであって、パレットをその一方の側部と平行な方向に搬送する第1搬送部材と、この第1搬送部材の搬送方向と直角方向に延び第1搬送部材の下流側に接続されて第1搬送部材によって搬送されてきたパレットをその他方の側部と平行な方向に搬送する第2搬送部材と、第1搬送部材と第2搬送部材の接続部に配置され第1搬送部材によって搬送されてきたパレットをこのパレットの向きを変えることなく第2搬送部材に移載する移載装置とを備え、第1搬送部材の上流側に搬送されてくるパレットが木製であるかプラスチック製であるかを判別する判別装置が設置され、搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードの欠損を検出する裏ボード欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの木製部品を組み付ける釘の飛出しを検出する釘飛出し検査装置と、搬送されてくる木製パレットおよびプラスチック製パレットの搬送方向と平行な側部の欠損を検出する第1側部欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部を構成する木製部品のがたつきを検出する第1がたつき検知装置が、判別装置の設置位置よりも下流側の第1搬送部材または第2搬送部材のうち一方の搬送部材に沿って任意の順で設置され、搬送されてくる木製パレットの表面および裏面を構成するボードの欠損を検出する表・裏ボード欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットおよびプラスチック製パレットの搬送方向と平行な側部の欠損を検出する第2側部欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部の腐りを検出する腐り検知装置と、搬送されてくる木製パレットの表面のひび割れを検出するひび割れ検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部を構成する木製部品のがたつきを検出する第2がたつき検知装置が、判別装置の設置位置よりも下流側の第1搬送部材または第2搬送部材のうち他方の搬送部材に沿って任意の順で設置され、判別装置によって搬送されてくるパレットがプラスチック製パレットであると判定された際に、このパレットが通過する際に、裏ボード欠損検知装置、釘飛出し検査装置、第1がたつき検知装置、表・裏ボード欠損検知装置、腐り検知装置および第2がたつき検知装置がそれぞれ不作動にされることを特徴としている。
【0014】
上記第1の発明によるパレットの不良検査システムは、第1搬送部材の上流側送り込まれたパレットは、この第1搬送部材によってパレットの一方の側部と平行な方向に搬送されて判別装置の位置まで来ると、この判別装置によって木製パレットとプラスチック製パレットの判別が行われる。
【0015】
この判別が終了した後、パレットは第1搬送部材によって搬送されてこの第1搬送部材に沿って任意の順に設置された裏ボード欠損検知装置,釘飛出し検査装置、第1側部欠損検知装置および第1がたつき検知装置、または、表・裏ボード欠損検知装置,第2側部欠損検知装置,腐り検知装置,ひび割れ検知装置および第2がたつき検知装置の設置位置を順次に通過してゆく。
【0016】
このとき、判別装置においてプラスチック製と判定されたパレットが通過する場合には、裏ボード欠損検知装置,釘飛出し検査装置および第1がたつき検知装置、または、表・裏ボード欠損検知装置,腐り検知装置および第2がたつき検知装置は不作動にされる。
【0017】
そして、第1搬送部材に沿って設置された各検知部材によるパレットの不良検査が終了すると、第1搬送部材によって搬送されてきたパレットが移載装置によってその方向を変えることなく第2搬送部材に移載される。この第2搬送部材に移載されたパレットは、パレットの他方の側部と平行な方向に搬送されながら、この第2搬送部材に沿って任意の順に設置された裏ボード欠損検知装置,釘飛出し検査装置、第1側部欠損検知装置および第1がたつき検知装置、または、表・裏ボード欠損検知装置,第2側部欠損検知装置,腐り検知装置,ひび割れ検知装置および第2がたつき検知装置の設置位置を順次に通過してゆく。
【0018】
このとき、判別装置においてプラスチック製と判定されたパレットが通過する場合には、裏ボード欠損検知装置,釘飛出し検査装置および第1がたつき検知装置、または、表・裏ボード欠損検知装置,腐り検知装置および第2がたつき検知装置は不作動にされる。
【0019】
以上のようにして、裏ボード欠損検知装置によって木製パレットについてその裏面を構成するボードの欠損の有無の検出が行われ、釘飛出し検査装置によって木製パレットについてその木製部品を組み付けるに釘が飛び出しているか否かの検出が行われ、第1側部欠損検知装置によって木製パレットについてその一方の側部を構成する木製部品の欠損および飛び出しまたプラスチック製パレットについてその一方の側面部の欠損の有無の検出が行われ、第1がたつき検知装置によって木製パレットについてこの木製パレットを構成する木製部品間のがたつきの有無の検出が行われ、表・裏ボード欠損検知装置によって木製パレットについてその表面および裏面を構成するボードの欠損の有無の検出が行われ、第2側部欠損検知装置によって木製パレットについてその他方の側部を構成する木製部品の欠損および飛び出しまたプラスチック製パレットについてその他方の側面部の欠損の有無の検出が行われ、腐り検知装置によって木製パレットについてその側部を構成する木製部品の腐りおよび欠損の有無の検出が行われ、ひび割れ検知装置によって木製パレットおよびプラスチック製パレットについてその表面のひび割れの有無の検出が行われ、第2がたつき検知装置によって木製パレットについてこの木製パレットを構成する木製部品間のがたつきの有無の検出が行われる。
【0020】
以上のようにして、パレットについて各検知装置による検査が終了した後、パレットの何れかの部位に不良があった場合には、例えばランプの点灯,ブザーによる警報またはコンピュータのディスプレーへの表示等の方法によりパレットの不良が作業者に知らされることにより不良パレットの分別が行われる。
【0021】
以上のように、上記第1の発明によるパレットの不良検査システムによれば、パレットが互に直交する二方向に搬送されながらパレットの各部位について不良検査が人手によらず自動的に行われて、その検査結果により不良部位が生じたパレットを分別することが出来るとともに、木製パレットとプラスチック製パレットを同じ検査ラインに流しながら、プラスチック製パレットについて必要な検査を選択的に行うことができる。
【0022】
前記目的を達成するための第2の発明によるパレットの不良検査システムは、第1の発明において、判別装置が、第1搬送部材の側方において第1搬送部材の搬送方向と平行に配列されかつ第1搬送部材によって搬送されてくるパレットの側部の中間位置に対向するように設置された一対の光電スイッチを備え、この一対の光電スイッチの間の間隔が、木製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロックの幅よりも広くプラスチック製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロック部の幅よりも狭くなるように設定されていることを特徴としている。
【0023】
上記第2の発明によるパレットの不良検査システムは、一般に、木製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロックの幅がプラスチック製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロック部の幅よりも狭くなるように設定されていることを利用し、搬送されてきたパレットが木製パレットの場合には、一対の光電スイッチの発光側からの光が木製パレット内を通過し、プラスチック製パレットの場合は、光電スイッチの発光側からの光がプラスチック製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロック部に遮られることによって、光電スイッチのオン・オフにより木製パレットとプラスチック製パレットの判別が行われる。
【0024】
前記目的を達成するための第3の発明によるパレットの不良検査システムは、第1の発明において、判別装置が、第1搬送部材の側方に第1搬送部材によって搬送されてくるパレットの側部の下縁部に対向するように設置された光電スイッチを備えていることを特徴としている。
【0025】
上記第3の発明によるパレットの不良検査システムは、一般に、木製パレットの裏面を構成するボードの間に隙間があるのに対しプラスチック製パレットの下縁部は塞がれていることを利用したものであり、木製パレットの場合には光電スイッチの発光側からの光が木製パレットの裏面の隙間を通過するが、プラスチック製パレットの場合は光電スイッチの発光側からの光がプラスチック製パレットの側面に遮られることにより、光電スイッチのオン・オフによって木製パレットとプラスチック製パレットの判別が行われる。
【0026】
前記目的を達成するための第4の発明によるパレットの不良検査システムは、第1の発明において、裏ボード欠損検知装置が、第1搬送部材または第2搬送部材の下方の搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて上端部が搬送されてくる木製パレットの裏面のボードに摺接されるレバーと、待機状態にあるレバーの側部に対向する位置に設置された第1光電スイッチと、第1搬送部材または第2搬送部材の搬送路の近傍に設置されてパレットの先端部がレバーの上方位置に達したことを検知する第2光電スイッチとを備えていることを特徴としている。
【0027】
上記第4の発明によるパレットの不良検査システムは、木製パレットが第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されて来た際に、第2光電スイッチによって木製パレットの先端部が検知された後、木製パレットの裏面を構成するボードに欠損が生じていない場合には、レバーの上端部が木製パレットの裏面のボードに摺接して回動されることにより、第1光電スイッチの発光側からの光が搬送部材の下方を通過するが、木製パレットの裏面を構成するボードに欠損が生じている場合には、レバーが回動せず第1光電スイッチの発光側からの光がレバーによって遮断されることにより、第1光電スイッチのオン・オフによって裏ボードの欠損が検知される。
【0028】
前記目的を達成するための第5の発明によるパレットの不良検査システムは、釘飛出し検査装置が、第1搬送部材または第2搬送部材に隣接するように配置された機枠に搬送されてくる木製パレットの所要の面に対しこの木製パレットの搬送方向と直角方向にスライド自在にかつ木製パレットの側に付勢された状態で取り付けられた本体フレームと、この本体フレームに回転自在に取り付けられ木製パレットの前記所要の面に押し付けられてこの面上を転動する転動輪と、この転動輪の回転軸の軸方向と平行な軸線を中心に本体フレームに回動自在に取り付けられた検査部支持フレームと、この検査部支持フレームに一体的に取り付けられ木製パレットの前記所要の面と平行でかつこの所要の面に摺接される検知面を有する検査部材と、この検査部材の検知面が木製パレットの前記所要の面に押圧される方向に検査部支持フレームを付勢する付勢部材と、本体フレームに取り付けられて検査部材が木製パレットの前記所要の面に押圧された状態からこの所要の面から離間する方向に回動されたことを検知する検知部材とを備えていることを特徴としている。
【0029】
上記第5の発明によるパレットの不良検査システムは、木製パレットが第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてくると、転動輪が木製パレットの上面等の所要の面に乗り上げ、木製パレットの進行に伴ってこの面上を転動して行く。このとき、木製パレットの面の位置にばらつきがある場合には、本体フレームが機枠に対し付勢力に抗してスライドすることによりその相対的位置関係が調整される。
【0030】
そして、転動輪が木製パレットの所要の面に乗り上げた際に、検査部材の検知面が木製パレットの所要の面に摺接され、木製パレットの移動に伴ってこの所要の面に沿って摺動して行く。
【0031】
このとき、木製パレットの所要の面に釘の頭部が飛び出している場合には、検査部材の検知面がこの飛び出している釘の頭部に乗り上げて、これにより検査部支持フレームが本体フレームに対し付勢部材に抗して転動輪の回転軸と平行な軸を中心に回動されると、この検査部支持フレームの回動が検知部材によって検知される。
【0032】
前記目的を達成するための第6の発明によるパレットの不良検査システムは、第1側部欠損検知装置および第2側部欠損検知装置がそれぞれ、第1搬送部材または第2搬送部材の側方部に配置され機枠に基端部を軸支されて水平面内において回動自在なレバーと、機枠に取り付けられてレバーを第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対してほぼ直角方向に向くように位置決めするとともに搬送部材の搬送方向下流側へのレバーの回動を許容する位置決め部材と、レバーと機枠との間に介装されてレバーを位置決め部材に当接する方向に付勢する付勢部材と、レバーの先端部に第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてくるパレットの任意の部分の高さと同じ高さに位置されて鉛直軸を中心に回転自在に取り付けられ、レバーが位置決め部材によって位置決めされている状態で、一部が、搬送されて来るパレットの前記任意の部分の側面よりも搬送部材の内側に位置される検知ローラと、機枠に取り付けられてレバーが位置決め部材によって第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対してほぼ直角方向に向く位置に位置決めされていることを検知する第1検知部材とを備えていることを特徴としている。
【0033】
上記第6の発明によるパレットの不良検査システムは、レバーが、その待機状態のときには、付勢部材によって付勢されて位置決め部材に当接されることにより、搬送部材の搬送方向に対してほぼ直角方向に向くように位置決めされている。
【0034】
この状態で、搬送部材により木製パレットまたはプラスチック製パレットが搬送されてくると、このパレットの任意の部分が良好な場合には、レバーの先端部に取り付けられた検知ローラがこのパレットの任意の部分の側面に乗り上げることによりレバーが付勢部材に抗して搬送部材の搬送方向下流側に向って回動される。
【0035】
しかしながら、搬送されてくるパレットの任意の部分が欠損している場合には、検知ローラがこの任意の部分の側面に乗り上げても、レバーが搬送部材の搬送方向の下流側に向って回動されないか回動されてもごく僅かしか回動されない。
【0036】
第1検知部材によってこのレバーが搬送方向下流側に回動されないか回動されてもごく僅かしか回動されないことが検知された際に、パレットの任意の部分に欠損が生じていると判定される。
【0037】
前記目的を達成するための第7の発明によるパレットの不良検査システムは、第1側部欠損検知装置および第2側部欠損検知装置がそれぞれ、機枠に取り付けられて、第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてくる木製パレットまたはプラスチック製パレットの任意の部分が正常位置に組み付けられているときにこのパレットの任意の部分に検知ローラが乗り上げることによってレバーが回動する位置よりもさらにレバーが搬送部材の搬送方向において下流側に回動されたことを検知する第2検知部材をさらに備えていることを特徴としている。
【0038】
上記第7の発明によるパレットの不良検査システムは、搬送部材により木製パレットまたはプラスチック製パレットが搬送されてくると、このパレットの任意の部分が正常な位置に組み付けられている場合には、レバーの先端部に取り付けられた検知ローラがこのパレットの任意の部分の側面に乗り上げることにより、レバーがその待機位置から搬送部材の搬送方向の下流側に向って所定位置まで回動される。
【0039】
しかしながら、搬送されてくるパレットの任意の部分が、がたつきにより正常な位置からパレットの外方に飛び出しているような場合には、検知ローラがこのパレットの任意の部分の側面に乗り上げた際に、レバーが搬送部材の搬送方向の下流側に向って上記正常な場合の所定位置よりもさらに搬送方向の下流側に回動される。
【0040】
第2検知部材によって、レバーが正常な場合の所定位置よりもさらに搬送方向の下流側に回動されたことが検知された際に、パレットの任意の部分が外方に飛び出していると判定される。
【0041】
前記目的を達成するための第8の発明によるパレットの不良検査システムは、第1がたつき検知装置および第2がたつき検知装置が、装置本体と、この装置本体に対しスライド自在に取り付けられたスライド台と、このスライド台に取り付けられ、スライド台が装置本体に対して前進位置にスライドされた際にスライド台とともに前進して木製パレットを構成する木製部品間の隙間に進入し、対向する木製部品に押接されることによりこの木製部品に負荷を作用させて互いに離間する方向に付勢自在な負荷作用部材と、この負荷作用部材を木製部品に押接する方向に作動させる駆動部材と、装置本体に設けられ、負荷作用部材により木製部品に負荷が作用した際にこの木製部品の負荷作用点の変位があらかじめ定められた所定の値よりも大きいときに検出信号を発生する検出部材とを備えていることを特徴としている。
【0042】
上記第8の発明のよるパレットの不良検査システムは、検査対象物である木製パレットを搬送する第1搬送部材または第2搬送部材の側方部に隣接して設置され、待機状態において、スライド台および負荷作用部材が後退位置に位置される。
【0043】
木製パレットががたつき検査装置の前に位置決めされると、スライド台が前進させることによって、負荷作用部材が、木製パレットを構成する木製部品間の隙間に進入させる。
【0044】
次に、駆動部材の駆動によって負荷作用部材が互いに対向する木製部品に押接され、これによって、木製部品にこの木製部品を互いに離間させる方向に負荷を作用させる。
【0045】
このときに生じる木製部品の負荷作用点の変位が検出部材によって検出されて、その変位が、あらかじめ定められた所定の値よりも大きいときに、木製パレットにがたつきが生じていると判定される。
【0046】
前記目的を達成するための第9の発明によるパレットの不良検査システムは、第8の発明において、第1がたつき検知装置または第2がたつき検知装置の負荷作用部材が、スライド台にこのスライド台のスライド方向と直交する方向にスライド自在に取り付けられた加圧部材およびこの加圧部材と対向する位置においてスライド台にこのスライド台のスライド方向と直交する方向にスライド自在に取り付けられた固定部材であり、駆動部材が、加圧部材および固定部材にそれぞれ連結されて加圧部材と固定部材とを互いに離間する方向にスライドさせるシリンダ部材であることを特徴としている。
【0047】
上記第9の発明によるパレットの不良検査システムは、第8の発明の負荷作用部材を構成する加圧部材および固定部材がシリンダ部材によって互いに離間する方向にスライドされ、固定部材によって木製パレットの互いに対向する木製部品のうち一方の木製部品を押圧して固定し、加圧部材によって他方の木製部品に負荷を作用させる。
【0048】
前記目的を達成するための第10の発明によるパレットの不良検査システムは、第8の発明において、第1がたつき検知装置または第2がたつき検知装置の負荷作用部材が、スライド台にこのスライド台のスライド方向と同一方向に延びる軸を中心に回転自在に取り付けられ回転することによって両端が木製パレットの互いに対向する木製部品に係合される回転体であり、駆動部材が、回転体をその軸回りに回転させる回転駆動部材であることを特徴としている。
【0049】
上記第10の発明によるパレットの不良検査システムは、第8の発明の負荷作用部材を構成する回転部材を回転駆動部材によって回転させ、回転部材の両端を木製パレットの互いに対向する木製部品に係合させて、回転部材の一端によって一方の木製部品を押圧して固定し、回転部材の一端によって他方の木製部品に負荷を作用させる。
【0050】
前記目的を達成するための第11の発明によるパレットの不良検査システムは、第8ないし10の発明の何れかにおいて、装置本体に固定された基台と、この基台に対し接離自在な可動台と、基台に取り付けられ可動部が可動台に連結されてこの可動台を基台に対して接離させる駆動部材と、可動台に対し基台と反対側に配置され可動台の基台に対する接離方向と同一方向に接離自在に設けられた当接部と、この当接部と可動台との間に介装されて当接部を可動台から離間する方向に付勢するとともに駆動部材の可動台を基台から離間させる力よりも大きい付勢力を有する付勢部材と、可動台に当接部の接離方向に沿って軸線が延びるようにスライド自在に取付けられるとともに当接部に連結されて当接部と一体的にスライドされるスライド部材と、駆動部材を任意の位置でロックするロック部材とを有する基準位置設定機構をさらに備え、検出部材が基準位置設定機構の可動台に取り付けられて、スライド部材の変位を検出することにより木製部品の負荷作用点の変位を検出することを特徴としている。
上記第11の発明によるパレットの不良検査システムは、第8ないし10の発明の何れかにおいて、検出部材が基準位置設定機構の可動台に取り付けられていて、スライド部材の変位を検出することにより木製パレットの木製部品の負荷作用点の変位を検出する。そして、負荷作用部材部材により木製パレットに負荷作用部材を作用させる前に、駆動部材を駆動させて可動部を介して可動台を基台から離間する方向にスライドさせ、当接部を木製パレットの変位検出部位に当接させる。このとき、当接部と可動台との間に介装されて当接部を可動台から離間する方向に付勢する付勢部材の付勢力が駆動部材の基台から可動台を離間させる力よりも大きくなるように設定されているので、当接部が変位検出対象物の変位検出部位に当接すると可動台の移動が停止する。このとき、当接部が可動台に接近することはない。この状態でロック部材によって駆動部材をロックすることにより、可動台をその位置に固定する。この後、木製パレットに負荷作用部材によって負荷を作用させると、負荷作用点の変位に伴って、当接部が付勢部材の付勢力に抗して可動台に接近する方向に変位し、この当接部の変位に伴ってスライド部材が可動台に対してスライドし、このスライド部材の変位が検出部材によって検出される。
【0051】
前記目的を達成するための第12の発明によるパレットの不良検査システムは、表・裏ボード欠損検知装置が、第1搬送部材または第2搬送部材の上方の搬送されてくる木製パレットの表面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて下端部が搬送されてくる木製パレットの表面のボードに摺接される第1レバーと、待機状態にある第1レバーの側部に対向する位置に設置された第1光電スイッチと、第1搬送部材または第2搬送部材の下方の搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて上端部が搬送されてくる木製パレットの裏面のボードに摺接される第2レバーと、待機状態にある第2レバーの側部に対向する位置に設置された第2光電スイッチと、第1搬送部材または第2搬送部材の搬送路の近傍に設置されてパレットの先端部が第1レバーと第2レバーの設置位置に達したことを検知する第3光電スイッチとを備えていることを特徴としている。
【0052】
上記第12の発明によるパレットの不良検査システムは、木製パレットが第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されて来た際に、第3光電スイッチによって木製パレットの先端部が第1レバーと第2レバーの設置位置に達したことが検知された後、木製パレットの表ボードまたは裏ボードに欠損が生じていない場合には、第1レバーの下端部が表ボード上に乗り上げて回動され、また第2レバーの上端部が裏ボード上に乗り上げて回動されることにより、第1光電スイッチまたは第2光電スイッチの発光側からの光が搬送部材の上方および下方を通過し、木製パレットの表ボードまたは裏ボードの何れかに欠損が生じている場合には、第1レバーまたは第2レバーが回動せず、第1光電スイッチまたは第2光電スイッチの発光側からの光が第1レバーまたは第2レバーによって遮断されることにより第1光電スイッチまたは第2光電スイッチがオン・オフされて、表ボードまたは裏ボードに欠損が生じていることが検知される。
【0053】
前記目的を達成するための第13の発明によるパレットの不良検査システムは、腐り検知装置が、第1搬送部材または第2搬送部材の両側においてこの搬送部材によって搬送されてきて所定位置に位置決めされた木製パレットの側部に対向する位置にそれぞれ設置され搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライドして木製パレットに対して接離自在な検出部と、第1搬送部材または第2搬送部材の両側に設置された検出部をそれぞれ搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライドさせて互いに接近および離間させる駆動部材とを備え、検出部が、第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライド自在な支持本体と、この支持本体に先端の針部が所定位置に位置決めされた木製パレットの側に向けられるとともに検出部のスライド方向と同一方向にスライド自在に取り付けられ支持本体が所定位置に位置決めされた木製パレットに接近する方向にスライドされた際にこの木製パレットの側部に押接される検査針と、この検査針と支持本体との間に介装されて検査針を所定位置に位置決めされた木製パレットの方向に付勢する付勢部材と、支持本体に取り付けられ支持本体が木製パレットの方向にスライドされて検査針が木製パレットの側部に押接された際に検査針が支持本体に対し相対的に支持本体のスライド方向と反対方向に所定量以上スライドしなかったことを検知する検知部材とを有していることを特徴としている。
【0054】
上記第13の発明によるパレットの不良検査システムは、第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてきた木製パレットがストッパ等の手段によって所定位置に位置決めされると搬送部材の両側に設置された検出部が、木製パレットの側部に対向される。
【0055】
この検査装置は、その待機状態のときには、搬送部材の両側の検出部間の間隔が広げられており、各検出部の検査針の針部は、木製パレットの側部に接触されていない。
【0056】
木製パレットが検出部間に位置決めされると、駆動部材が駆動され、これによって、支持部材が木製パレットに接近する側にスライドされ検出部間の間隔が狭められることによって、各検出部の検査針の針部が、それぞれ木製パレットの側部に押接される。
【0057】
検査針の針部が木製パレットの側部に押接されたとき、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損がない場合には、検査針が、それが押接された木製部品からの押圧力によって付勢部材に抗して相対的に支持部材のスライド方向と反対方向にスライドされ、この検査針の所定量以上のスライドは検知部材によって検知されず、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じているとは判定されない。
【0058】
検査針の針部が木製パレットの側部に押接されたとき、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じている場合には、検査針の針部が木製部品にめり込み、このため検査針が支持部材に対して所定量以上スライドされないので、これが検知部材によって検知されて、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じていると判定される。
【0059】
前記目的を達成するための第14の発明によるパレットの不良検査システムは、第13の発明における腐り検知装置の検知部材が、支持本体に互いに向き合うように取り付けられた発光素子および受光素子と、検査針に一体的にスライドするように取り付けられ発光素子と受光素子との間に介在されて発光素子と受光素子との間を遮光するとともに支持本体が木製パレットの方向にスライドされて検査針が木製パレットの側部に押接されることにより検査針が付勢部材に抗して支持本体に対し相対的に支持本体のスライド方向と反対方向に所定量以上スライドした際に発光素子と受光素子との間の遮光状態を解除する位置検出部材とを備えていることを特徴としている。
【0060】
上記第14の発明によるパレットの不良検査システムは、上記第13の発明において、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損がない場合に、検査針の針部が木製パレットの側部に押接され、検査針が付勢部材に抗して相対的に支持部材のスライド方向と反対方向にスライドされた際、位置検出部材が検査針とともにスライドされ、これによって、発光素子と受光素子との間の遮光状態が解除されて発光素子からの発光が受光素子に受光される。この発光素子からの発光が受光素子に受光されたときには、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じているとは判定されない。
【0061】
木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じている場合に、検査針の針部が木製部品にめり込み、このため検査針が支持部材に対して所定量以上スライドされないので、位置検出部材が発光素子と受光素子との間にありその間の遮光状態が解除されず発光素子からの発光は受光素子に受光されない。これによっって、木製パレットを構成する木製部品に腐りや欠損が生じていると判定される。
【0062】
前記目的を達成するための第15の発明によるパレットの不良検査システムは、ひび割れ検知装置が、パレットを撮像することにより得られる撮像信号に基づいてパレットのひび割れ検査を行なう検知装置であって、パレットの検査面を複数の検査領域に分割し、各検査領域を代表する撮像信号の信号レベルを検出して対応する量子化基準レベルを設定するとともにその量子化基準レベルデータを出力する基準レベル設定手段と、量子化基準レベルデータに基づいて各検査領域に対応する撮像信号の量子化を行なってその量子化データを出力する量子化手段と、量子化データに基づいて検査領域の所定位置の寸法測定を行ない寸法データを算出する寸法算出手段および寸法データと基準値データとしての基準寸法データを比較してパレットの検査面のひび割れの有無の判定を行なう寸法判定手段を有している判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0063】
上記第15の発明によるパレットの不良検査システムは、基準レベル設定手段が、検査対象物の検査面を複数の検査領域に分割し、各検査領域を代表する撮像信号の信号レベルを検出して、対応する量子化基準レベルを設定し、量子化基準レベルデータとして量子化手段に出力する。
【0064】
これにより量子化手段は、量子化基準レベルデータに基づいて各検査領域に対応する撮像信号の量子化を行なって量子化データを判定手段に出力する。
判定手段は、この量子化データに基づいて判定手段の寸法算出手段が検査領域の所定位置の寸法測定を行なって寸法データを算出し、寸法判定手段が、この寸法データと基準値データとしての基準寸法データを比較することによりパレットの検査面のひび割れの有無の判定を行なう。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最良と思われる実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、単にパレットPというときは、木製パレットPとプラスチック製パレットP’の双方を総称しているものとする。
【0066】
図1は、パレットの不良検査システムのレイアウトを示す図である。
このパレット不良検査システム10は、L字状に配置されたコンベアに沿って、パレットの各部位についての不良検知を個別に行う検知装置が順に配置されているものである。
【0067】
コンベアは、図2ないし4に示されるように、図2において上下方向に延びるコンベアV1と、このコンベアV1の下流側に直列に配置されたコンベアV2と、コンベアV2の下流側の端部に接続されてこのコンベアV2と直交する方向に延びるV3と、このコンベアV3の下流側に直列に配置されたコンベアV4からなっている。
【0068】
各コンベアV1ないしV4は、ぞれぞれチェーンコンベアであり、図3および4に示されるように、コンベアV1はモータM1によって、コンベアV2はモータM2によって、コンベアV3はモータM3によって、さらにコンベアV4はモータM4によってそれぞれ個別に駆動されるようになっている。
【0069】
コンベアV3の上流側端部(図2の左側端部)には、一対のチェーンベルトv3の間に、パレットの方向転換用リフタTが設置されている。
この方向転換用リフタTは、図5および6に示されるように、シリンダTSによって水平状態を維持したまま昇降されるテーブルT11と、このテーブルT11上においてその両側部に設置されコンベアV3のチェーンベルトv3に対し直交する方向に延びるとともにコンベアV2のチェーンベルトv2に対して直列するように配置された一対のチェーンベルトv5と、テーブルT11上に設置されチェーンT12および駆動シャフトT13を介してチェーンベルトv5を駆動するモータM5とから構成されている。
【0070】
検査対象であるパレットは、後述するように、コンベアV1側から搬入され、コンベアV2,方向転換用リフタTおよびコンベアV3を経て、コンベアV4側から搬出されるようになっており、コンベアV1およびV2上においては、パレットはその長手方向に沿って搬送され、コンベアV3およびV4上においてはパレットはその短手方向に沿って搬送されるようになっている。
【0071】
コンベアV1には、その上流側(図1の上端側)の両側部に、木製パレットPとプラスチック製パレットP’を判別する判別装置Aが設置され、さらにこの判別装置Aの下流側に、裏ボード欠損検知装置B,釘飛出し検査装置Cおよび長手方向側部欠損検知装置Dが順に設置されている。
【0072】
コンベアV2には、長手方向がたつき検知装置Eが設置されている。
コンベアV3には、方向転換用リフタTの下流側に表・裏ボード欠損検知装置Fおよび短手側部欠損検知装置Gが設置されている。
【0073】
コンベアV4には、その上流側に腐り検知装置Hおよびひび割れ検知装置Jが設置され、さらにその下流側に短手方向がたつき検知装置Kが設置されている。
A) 判別装置Aは、木製パレットPとプラスチック製パレットP’とを判別することにより、プラスチック製パレットP’については、後述するように、長手方向ブロック欠損検知装置D,短手ブロック欠損装置Gおよびひび割れ検知装置Iによる検査を選択的に行わせ、他の検知装置の検査位置は素通りさせてこれらの検知装置による検査を行わせないようにするものである。
【0074】
この判別装置Aは、図7に示されるように、それぞれ対になっている透過式光電スイッチASW1とASW2が、それぞれコンベアV1を挟むように配置されているものであり、この光電スイッチSW1と光電スイッチSW2との間の間隔は、図8に示されるように木製パレットPの中央部のブロック部5の幅よりも広く、図9に示されるようにプラスチック製パレットP’の中央部のブロック部5’よりも狭くなるように設定されている。
【0075】
これは、一般に、図8と図9を比較して分かるように、木製パレットPのブロック5の幅よりもプラスチック製パレットP’のブロック部5’の幅の方が広く形成されていることを利用したものである。すなわち、木製パレットPの場合には、光電スイッチASW1およびASW2の発光側からの光が木製パレットP内を通過して受光されることにより光電スイッチASW1およびASW2がオンするが、プラスチック製パレットP’の場合は、光電スイッチASW1およびASW2の発光側からの光がブロック部5’に遮られてオンしないので、この光電スイッチASW1,ASW2のオン・オフによって木製パレットPとプラスチック製パレットP’の判別を行うものである。
【0076】
なお、透過式の光電スイッチの代りに反射式の光電スイッチを使用する場合には、コンベアV1の片側に光電スイッチを配置しておけばよく、この場合には、反射式の光電スイッチは、木製パレットPの場合にオフし、プラスチック製パレットP’の場合にオンすることになる。
【0077】
B) 裏ボード欠損検知装置Bは、図10および11に示されるように、コンベアV1の下方においてコンベアV1の搬送方向と直交する方向に架け渡されてその両端部を機枠BFに回転自在に支持されたシャフトB1と、コンベアV1によって搬送されてくる木製パレットPの裏デッキボード2および裏エッジボード2Aに対向する位置にそれぞれ配置され各々の中央部をシャフトB1に貫通されることによって揺動自在な3対のレバーB2と、機枠BFの待機状態にあるレバーB2に対向する位置に取り付けられた光電スイッチBSW1と、コンベアV1の上方に位置するように機枠BFに取り付けられて木製パレットPの先端部がレバーB2の上方位置に達したことを検知する光電スイッチBSW2を備えている。
【0078】
この裏ボード欠損検知装置Bは、木製パレットPがコンベアV1によって搬送されて来た際に、光電スイッチBSW2によって木製パレットPの先端部が検知された後、裏デッキボード2および裏エッジボード2Aに欠損が生じていない場合には、レバーB2の上端部に取り付けられたローラB3がそれぞれこの裏デッキボード2および裏エッジボード2Aに乗り上げて回動されることにより、光電スイッチBSW1の発光側からの光がコンベアV1の下方を通過してオンされるが、裏デッキボード2または裏エッジボード2Aの何れかに欠損が生じている場合には、何れかのレバーB2が回動せず光電スイッチBSW1の発光側からの光がそのレバーB2によって遮断されて光電スイッチBSW1がオンしないことにより、裏デッキボード2および裏エッジボード2Aの欠損が検知される。
【0079】
C) 釘飛出し検査装置Cは、図12に示されるように、コンベアV1によって搬送される木製パレットPの搬送経路の上方に、木製パレットPの搬送方向と直交する方向に梁C10が架け渡され、この梁C10の中央部に中央部釘検知機構CAが、さらにこの中央部釘検知機構CAの両側に左側部釘検知機構CBおよび右側部釘検知機構CCがそれぞれ吊り下げられた状態で取り付けられている。
【0080】
中央部釘検知機構CAは、図13ないし15に示されるように、梁C10に固定される固定プレートC20の両端部に一対のリニアボックスC21が固定され、このリニアボックスC21にそれぞれリニアシャフトC22が鉛直向きにスライド自在に嵌挿されていて、このリニアシャフトC22の上端部に取り付けられたワッシャC23によってリニアボックスC21から抜け落ちないようになっている。
【0081】
一対のリニアシャフトC22の下端部には、架台C24が水平状態に取り付けられており、リニアシャフトC22のスライドによって水平状態を維持したまま上下動するようになっている。この架台C24とリニアボックスC21間にはスプリングC25が、それぞれリニアシャフトC22にその中心を挿通された状態で介装されていて、架台C24を下方向に付勢している。
【0082】
架台C24の下部には、固定プレートC20と直交する方向に水平に延びる軸C26によって、断面コ字状の本体フレームC27がその凹部を下向きにして揺動自在に吊り下げられている。
【0083】
本体フレームC27には、水平方向でかつ固定プレートC20と同一方向に延びるシャフトC28が、本体フレームC27の両側部の前位置にそれぞれ取り付けられた軸受C29によって回転自在に取り付けられており、このシャフトC28の両端部にそれぞれ転動輪C30が取り付けられている。
【0084】
本体フレームC27の中央部には、シャフトC28と平行に延びるシャフトC31が取り付けられ、本体フレームC27内において前後方向(図14の左右方向)に延びるドッグ支持フレームC32がシャフトC31によって揺動自在に取り付けられている。このドッグ支持フレームC32は、前端部がシャフトC28の上方を通って本体フレームC27の前方部に張り出しており、この本体フレームC27の前端部に形成された壁部C27AにドッグC33が止めねじC34によって固定されている。
【0085】
ドッグC33は、図14から分るように、下部の断面が略く字の形状になっていて、その屈曲部(以下、当接部という)C33aが最も下側に位置して木製パレットPの上面に当接されるように取り付けられている。そして、このドッグC33の本体フレームC27の壁部C27Aへの取り付けは、ドッグC33の上部に形成された上下方向に延びる長孔C33bに止めねじC34aが差し込まれることによって行われ、このとき長孔C33bと止めねじC34との嵌合位置を調整することによってドッグC33の取付け位置を上下に調整することが出来るようになっている。
【0086】
シャフトC28とシャフトC31の間において、本体フレームC27には、一対の押し圧調整ねじC35がシャフトC28およびシャフトC31の軸方向に沿って並ぶように取り付けられており、これら押し圧調整ねじC35とドッグ支持フレームC32の上面との間にそれぞれスプリングC36が介装されていて、ドッグ支持フレームC32を下向きに付勢している。
【0087】
このスプリングC36によるドッグ支持フレームC32への付勢力は、押し圧調整ねじC35を回すことによって調整され、ドッグC33の当接部C33aと木製パレットPの上面との接触圧が調整できるようになっている。
【0088】
本体フレームC27の後部上面には、センサ支持ブラケットC37が立設されており、このセンサ支持ブラケットC37の上端部に形成された横向きの長孔C37aに近接センサC38が嵌合された状態で固定されている。そして、長孔C37aへの嵌合位置を調整することにより、近接センサC38の取付け位置を調節することができる。
【0089】
さらに、本体フレームC27の後部下面には、コ字形状の揺動アームC39がその下端部を揺動自在に軸支されており、その揺動に伴って上端の検出部C39aが近接センサC38の前方部に進退自在になっている。
【0090】
揺動アームC39の下部とドッグ支持フレームC32の後端部はリンクC40によって連結されていて、ドッグ支持フレームC32の揺動に伴って揺動アームC39が揺動され、検出部C39aが近接センサC38の前方部に進退するようになっている。
【0091】
本体フレームC27の後部には、下向きに螺合され先端部(下端部)がドッグ支持フレームC32の後部上面に当接される初期位置調節ねじC41が取り付けられており、この初期位置調節ねじC41を回すことにより、ドッグ支持フレームC32およびドッグC33の初期位置を設定することができるようになっている。このドッグ支持フレームC32およびドッグC33の初期位置は、揺動アームC39の検出部C39aが近接センサC38によって検知される位置に位置されドッグC33が所定高さ以上に持ち上げられた際に近接センサC38の検知範囲から外れるように設定される。
【0092】
図16および17には、中央部釘検知機構CAの左側に配置される側部釘検知機構CBが示されている。
この左側部釘検知機構CBは、中央部釘検知機構CAのドッグC33と同様にドッグ支持フレームC32の前部に取り付けられたドッグC43が中央部釘検知機構CAのドッグC33と比べて左側の転動輪C30よりも左側に張り出されていて、木製パレットPの上面に当接される当接部C43aが左側の転動輪C30の左側に位置されている。
【0093】
そして、本体フレームC27の架台C24に軸C26を介して連結されるアームC27Bの側部に、ドッグC43と反対方向に水平に張り出すブラケットC44が固定されている。
【0094】
ブラケットC44の先端部と架台C24の端部との間には、上端が架台C24の端部に螺合され下端がブラケットC44にスライド自在に嵌挿されたボルトシャフトC45が取り付けられ、このボルトシャフトC45にその中心を嵌挿された状態でスプリングC46がブラケットC44と架台C24との間に圧縮状態で介装されている。このスプリングC46の付勢力によりブラケットC44および本体フレームC27が軸C26を中心にして図16において時計回り方向に付勢されて、ドッグC43が水平状態に維持されるようになっている。
【0095】
この左側部釘検知機構CBの他の部分の構造は中央部釘検知機構CAと同様であり、同一の符号が付してある。
右側部釘検知機構CCは、図12に示されるように、左側部釘検知機構CBと左右対称の構造になっていて、ドッグC53が右側の転動輪C30の右側に張り出され、ブラケットC54,ボルトシャフトC55およびスプリングC56が左側に配置されている他、構造は左側部釘検知機構CBと同じである。
【0096】
上記中央部釘検知機構CA,左側部釘検知機構CBおよび右側部釘検知機構CCは、図12に示されるように、コンベアV1によって短辺前面送り(図61において木製パレットPを矢印Xの方向に送る送り)で木製パレットPを搬送した際に、各当接部C33a,C43aおよびC53aが、それぞれ木製パレットPの中央部および左右の側部に配置されたブロック5の上方に位置されるように、梁10に取り付けられている。
【0097】
次に、この釘飛出し検査装置Cの作動を説明すると、中央部釘検知機構CAは、検査開始前に、ドッグC33が、その長孔C33bと止めねじC34との嵌合位置が調整されることにより、検査面である木製パレットPの上面にドッグC33の当接部C33aが摺接するようにその上下位置を調節される。
【0098】
さらに、押し圧調整ねじC35によってスプリングC36による付勢力が調整され、ドッグC33の木製パレットPの上面上に突出する釘の頭部に対する当接部C33aの押圧力が調節される。
【0099】
そしてさらに、センサ支持ブラケットC37の長孔C37aと近接センサC38との嵌合位置の調節によってまた初期位置調節ねじC41によるドッグ支持フレームC32およびドッグC33の傾斜角度の調整によって、検出部C39aと近接センサC38との相対的位置関係が、当接部C33aが木製パレットPの上面に当接しているときには検出部C39aが近接センサC38の前方部に位置され釘が所定高さδ(この実施態様においては1mm)以上飛び出していて後述するように揺動アームC39が回動した際(図18参照)には検出部C39aが近接センサC38の検出範囲から外れるように調節される。
【0100】
左側部釘検知機構CBおよび右側部釘検知機構CCについても、それぞれ同様に各調節が行われる。
上記調整完了後、木製パレットPがコンベアV1によって短辺前面送り(図61の矢印Xの方向)の状態で梁C10の下方位置に搬送されてくると、図12に示されるように、各中央部釘検知機構CA,左側部釘検知機構CBおよび右側部釘検知機構CCの転動輪C30が木製パレットPの表デッキボード1上に乗り上げ、木製パレットPの進行に伴って表デッキボード1上を転動して行く。このとき、木製パレットPの高さのばらつきによる各釘検知機構との相対的位置関係は、それぞれリニアシャフトC22がリニアボックスC21に対して上下にスライドすることによって調整される。
【0101】
そして、各釘検知機構が木製パレットPに乗り上げた際に、中央部釘検知機構CAのドッグC33が木製パレットPの中央部のブロック5の上方に、左側部釘検知機構CBが左側のブロック5の上方に、さらに右側部釘検知機構CCが右側のブロック5の上方にそれぞれ位置され、それぞれのドッグC33,C43およびC53が、木製パレットPの移動に伴って表デッキボード1上を摺動して行く(図61の矢印Y)。
【0102】
このとき、図18に示されるように、木製パレットPの上面に釘Nの頭部nが飛び出している時には、ドッグC33,C43またはC53がこの飛び出している釘Nの頭部nに乗り上げて、これによりドッグ支持フレームC32がシャフトC31を中心に図において反時計方向に回動される。そして、このドッグ支持フレームC32の反時計方向の回動により、揺動アームC39がリンクC40によって引っ張られて反時計方向に回動され、この揺動アームC39の検出部C39aが近接センサC38の検出範囲から外れる。
【0103】
このように、揺動アームC39の検出部C39aが近接センサC38の検出範囲から外れることによって、すなわち近接センサC38が検出部C39aを検知している状態から検出部C39aを検知していない状態に切り替わることによって、釘の飛出しが検出される。
【0104】
ドッグC33,C43およびC53は、飛び出している釘Nの頭部nを乗り越えると、元の状態に復帰する。
上記のように、各釘検知機構が木製パレットPに乗り上げた際に、中央部釘検知機構CAのドッグC33が木製パレットPの中央部のブロック5の上方に、左側部釘検知機構CBが左側のブロック5の上方に、さらに右側部釘検知機構CCが右側のブロック5の上方にそれぞれ位置されるので、それぞれのドッグC33,C43およびC53が木製パレットPの移動に伴って表デッキボード1の釘が打ち付けてある部分の上面を全て摺動することになり、したがって、木製パレットPの上面に打ち付けてある全ての釘について、その飛出しの検出が行われることになる。
【0105】
なお、図19に示されるように、パレットPの上面に傾斜θがあるような場合であっても、本体フレームC27が軸C26を中心に傾斜に従って回動するので、容易に木製パレットPの上面の状態に追従することができる。
【0106】
以上のようにして、木製パレットPが梁C10の下を通過し各釘検知機構による釘飛出しの検査が終了すると、コンベアV1によって搬送されてくる次の木製パレットPについて、同様に釘飛出し検査が行われる。
【0107】
D) 長手方向側部欠損検知装置Dは、木製パレットPおよびプラスチック製パレットP’の双方についてその側部の欠損の検知を行い、さらに木製パレットPについてはブロック5の飛出しを検知するものである。なお、以下においては、木製パレットPを検査対象として説明を行う。
【0108】
図20および21において、検知機構D11およびD11’は、木製パレットPを搬送するコンベアV1の両側の互いに対向する位置に配置された一対の支柱D10,D10’の上端部にそれぞれ取り付けられて、コンベアV1によって搬送されてくる木製パレットPの側部にそれぞれ対向されるようになっている。
【0109】
検知機構D11と検知機構D11’は、左右対称構造になっている点を除いては同一の構造であるので、以下においては、図20および21においてコンベアV1の左側に配置された検知機構D11についてのみ説明を行う。
【0110】
検知機構D11は、図22および23に拡大して示されるように、水平面内において回動自在となるように基端部を軸支された4本のレバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dを有している。
【0111】
これらレバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dは、上下方向に所要の間隔を開けて互いに平行に配置されていて、それぞれの基端部が支柱D10に取り付けられたブラケットD13に鉛直向きに固定されたD軸14に軸支されている。
【0112】
レバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dの基端部には、それぞれ各レバーの長手方向と直角向きでかつ木製パレットPの搬送方向の下流側に水平に延びるアームD12a,D12b,D12cおよびD12dが一体成型若しくは固定されていて、レバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dと一体的に回動するようになっている。
【0113】
支柱D11のコンベアV1側の側面には、上下方向に互いに平行に配置されてそれぞれ木製パレットPの搬送方向に沿って水平に延びる5本のガイドフレームD15A’,D15A,D15B,D15CおよびD15Dがその上流側の端部を固定されている。
【0114】
各ガイドフレームD15A’とD15Aの間にレバーD12Aが,ガイドフレームD15AとD15Bの間にレバーD12Bが、ガイドフレームD15BとD15Cの間にレバーD12Cが、さらにガイドフレームD15CとD15Dの間にレバーD12Dがそれぞれ介在された状態で、それぞれ直交するように互い違いに交差しており、各ガイドフレームがその間に挟まれたそれぞれのレバーを、それぞれ水平方向にガイドするようになっている。
【0115】
アームD12aの先端部とガイドフレームD15Aの木製パレットPの搬送方向下流側端部との間にスプリングD16Aが介装されていて、このスプリングD16AによりアームD12aおよびDレバー12Aが図22において反時計方向に回動される向きに付勢されている。同様に、アームD12bの先端部とガイドフレームD15Bの下流側端部との間にスプリングD16Bが介装され、アームD12cの先端部とガイドフレームD15Cの下流側端部との間にスプリングD16Cが介装され、さらにアームD12dの先端部とガイドフレームD15Dの下流側端部との間にスプリングD16Dが介装されて、各スプリングによりそれぞれアームおよびレバーが図22において反時計方向に回動される向きに付勢されている。
【0116】
支柱D11のレバー側の側面にはゴム製ブロックD17が固定されており、スプリングD16A,D16B,D16CおよびD16Dに付勢されたレバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dが当接されるようになっており、このゴム製ブロックD17に当接された状態で、レバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dが木製パレットPの搬送方向に対してそれぞれ直角向きになるように位置決めされる。
【0117】
レバーD12Aの先端部には、木製パレットPの長手けた板3の高さと同じ高さに位置するように、検知ローラD18Aが鉛直軸D19Aによって回転自在に取り付けられており、後述するように、コンベアV1によって搬送されてきた木製パレットPの長手けた板3の側面に乗り上げて転動するようになっている。
【0118】
レバーD12Bの先端部には、木製パレットPのブロック5の上部と同じ高さに位置するように、検知ローラD18Bが鉛直軸D19Bによって回転自在に取り付けられており、後述するように、コンベアV1によって搬送されてきた木製パレットPのブロック5の上部側面に乗り上げて転動するようになっている。
【0119】
レバーD12Cの先端部には、木製パレットPのブロック5の下部と同じ高さに位置するように、検知ローラD18Cが鉛直軸D19Cによって回転自在に取り付けられており、後述するように、コンベアV1によって搬送されてきた木製パレットPのブロック5の下部側面に乗り上げて転動するようになっている。
【0120】
さらに、レバーD12Dの先端部には、木製パレットPの短手けた板4の高さと同じ高さに位置するように、検知ローラD18Dが鉛直軸D19Dによって回転自在に取り付けられており、後述するように、コンベアV1によって搬送されてきた木製パレットPの短手けた板4の側面に乗り上げて転動するようになっている。
【0121】
ガイドフレームD15A’,D15A,D15BおよびD15Cの内側側面のゴム製ブロックD17に当接されて待機位置にあるレバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dとそれぞれ対向する位置に、光電スイッチDS1,DS2,DS3およびDS4が取り付けられている。さらに、ガイドフレームD15AおよびD15Bの内側側面の光電スイッチDS2およびDS3よりも木製パレットPの搬送方向に沿って下流側に光電スイッチDS5およびDS6が取り付けられていて、後述するように、レバーD12BおよびD12Cが所定角度まで回動された際にこのレバーD12BおよびD12Cに対向されるようになっている。
【0122】
上記長手方向側部欠損検知装置Dは以下のように作動するが、下記の説明において、検知機構D11とD11’とはその作動が左右対称的になるだけで共に同様であるので、主として検知機構D11について説明を行う。また、木製パレットPを検査対象として説明を行うが、検査対象がプラスチック製パレットP’の場合であってもその作動は木製パレットPの場合と同様である。
【0123】
図22において、レバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dは、待機位置DAにおいて、スプリングD16A,D16B,D16CおよびD16Dに付勢されゴム製ブロックD17に当接されて木製パレットPの搬送方向と直交する向きに位置されている。
【0124】
このとき、光電スイッチDS1,DS2,DS3およびDS4によって、待機位置DAにある各レバーD12A,D12B,D12CおよびD12Dが検知されており、各光電スイッチDS1,DS2,DS3およびDS4が何れもオンしている。
【0125】
この状態で、木製パレットPがその長手方向(図61のX方向)に沿って搬送されてくると、この木製パレットPの移動に伴って、検知機構D11の各検知ローラD18A,D18B,D18CおよびD18Dが、それぞれ対応する長手けた板3,ブロック5の上部および下部,短手けた板4に乗り上げて、それぞれの側面に沿って転動する。コンベアV1の反対側に配置された検知機構D11’についても同様である。
【0126】
木製パレットPがその長手方向に沿って搬送される場合、長手けた板3の長手方向の側面が検知機構D11およびD11’に対向されることになる。
木製パレットPの進行に伴って検知機構D11の検知ローラD18Aと検知機構D11’の検知ローラD18A’がそれぞれ木製パレットPの両側の長手けた板3の長手方向の側面に乗り上げると、何れか一方の正常な長手けた板3によって、レバーD12AまたはD12A’が図22に示される回動位置Bにまで回動され、検知機構D11の光電スイッチDS1または検知機構D11’の光電スイッチDS1’がオフされる。この光電スイッチDS1とDS1’がその何れか一方でもオフされると、ブロック5の検知が開始される。
【0127】
この検知開始のタイミングについて、木製パレットPの両側の長手けた板3の何れにも欠損が生じていた場合には検知が開始されないことになるが、両側の長手けた板3に両方とも欠損が生じている場合はほとんど無いので、問題は無い。
【0128】
なお、木製パレットPが検知位置まで搬送されてきたことを検知するセンサをコンベアV1の上方または下方に設けることによって、欠損の検知を開始するようにしてもよいが、上記のように、木製パレットPの両側から検知機構D11とD11’の連携によって検知を開始するようにすることによって、センサの数を減らすことが出来、装置の構造を簡略化することが出来る。
【0129】
検知開始後、ブロック5が正常な場合には、木製パレットPの移動に伴い検知ローラD18BおよびD18Cがブロック5上に乗り上げることによって、レバーD12BおよびD12Cが図22の正常検知位置DBまで回動され、レバーD12BおよびD12Cが光電スイッチDS2およびDS3の検知範囲から外れて、光電スイッチDS2およびDS3がオフされる。
【0130】
しかしながら、ブロック5の上部または下部に、図24に示されるように、腐りや破損によって欠損Zが生じていると、レバーD12BまたはD12Cが正常検知位置DBまで回動されず、また一度正常検知位置DBまで回動した後、スプリングD16BまたはD18Cの付勢力によって待機位置DAに復帰して光電スイッチDS2またはDS3の検知範囲に入るため、光電スイッチDS2またはDS3がオンしたままか一度オフした後に再びオンされる。
【0131】
このとき、検知ローラD18Dが短手けた板4に乗り上げてレバーD12Dが正常検知位置DBまで回動されることにより光電スイッチDS4がオフされていれば、光電スイッチDS2のオンによってブロック5の上部に欠損が生じていると判定される。
【0132】
また、同様に、検知開始後、光電スイッチDS4がオフされていれば、光電スイッチDS3のオンによってブロック5の下部に欠損が生じていると判定される。
【0133】
このブロック5の上部および下部の欠損の判定を光電スイッチDS4がオフされていることを条件に行うのは、木製パレットPの進行に伴って検知ローラD18BおよびD18Cがブロック5から外れた場合にもレバーD12B,D12Cが待機位置DAに復帰して光電スイッチDS2,DS3がオンされるので、この場合にブロック5が欠損していると判定されるのを防止するためである。
なお、この判定は、木製パレットPの長手側の側面に露出される短手けた板4の短手側の側部に欠損が生じていないことが条件であるが、この短手けた板4の短手側の側部に欠損が生じている場合は、ほとんど無く、まれに欠損が生じていたとしても、微小な大きさなので検出上の問題はない。
【0134】
光電スイッチDS2およびDS3によって検出される欠損の程度(図22の幅w)はレバーD12B,D12Cの幅や光電スイッチDS2,DS3の取付け位置を変更することによって任意に設定されるが、ブロック5の欠損による木製パレットPの強度の低下を勘案して、少なくとも30mm以上の欠損を検出するようにするのが好ましい。
【0135】
ブロック5が、がた付き等により長手けた板3および短手けた板4の側面から飛び出しており、この飛び出しているブロック5によってレバーD12B,D12Cが正常検知位置DBよりも図22においてさらに時計方向に回動されて、それぞれ光電スイッチDS5,DS6と対向する位置、すなわち光電スイッチDS5,DS6の検知範囲に入る飛出し検知位置DCまで来ると、光電スイッチDS5,DS6がオンする。
【0136】
このように、検知開始後、光電スイッチDS5,DS6がオンした場合に、ブロック5の飛出しが生じていると判定される。
検知開始後、長手けた板3に欠損が生じている場合には、光電スイッチDS1がオンしたままとなっているか、または一旦オフした後に再度オンされるので、この光電スイッチDS1のオンによって長手けた板3に欠損が生じていると判定される。
【0137】
木製パレットPが検知機構D11とD11’の間を通過するあいだに、以上のようにして、長手方向側面のブロック5の欠損および飛出し、さらに長手けた板3の欠損の検査が終了すると、コンベアV1によって搬送されてくる次の木製パレットPについて、同様に検査が行われる。
【0138】
E) 長手方向がたつき検知装置Eは、木製パレットPの長手けた板3とブロック5との間のがたつきを検知するものである。
図25および26において、がたつき検査装置E100は、台座E11,ガイドシャフトE12,スライド台E13およびシリンダE14を備えており、スライド台E13の上フレームE13Bと下フレームE13Cに鉛直向きに平行な4本のガイドシャフトE15A,E15B,E15CおよびE15Dが取り付けられている。
【0139】
ガイドシャフトE15AおよびE15Bには、昇降板E101Aが、その後面両端部に固定された一対のリニアベアリングE101aにそれぞれガイドシャフトE15AおよびE15Bが挿通されることによって、昇降自在に取り付けられており、さらにガイドシャフトE15CおよびE15Dには、昇降板E101Bが、その後面両端部に固定された一対のリニアベアリングE101bにそれぞれガイドシャフトE15CおよびE15Dが挿通されることによって、昇降自在に取り付けられている。
【0140】
昇降板E101AおよびE101Bには、それぞれロータリ式エアシリンダE102AおよびE102Bが、その回転ロッドE102a,E102bが水平になるようにかつ昇降板E101A,E101Bの前方に突出するように、取付けられている。
【0141】
ガイドシャフトE15AとE15BおよびガイドシャフトE15CとE15Dの下端部には、昇降板E101AおよびE101Bの下方に位置するように、それぞればね取付け板E103AおよびE103Bがその両端部をそれぞれガイドシャフトに挿通された状態で取り付けられている。
【0142】
スライド台E13の下フレームE13Cの前面には、それぞれガイドシャフトE15AとE15B,ガイドシャフトE15CとE15Dの間にブロックE104AおよびE104Bが固定されており、このブロックE104A,E104Bの両端部にそれぞれ各一対のねじシャフトE105が挿通されている。
【0143】
各ねじシャフトE105の先端がそれぞればね取付け板E103A,E103Bの下面に固定されていて、各ねじシャフトE105がそれぞれブロックE104A,E104Bに対して上下動されることにより、ばね取付け板E103AおよびE103Bの高さが調整されるようになっている。
【0144】
このばね取付け板E103A,E103Bと各昇降板E101A,E101Bとの間には、各ガイドシャフトE15A,E15B,E15C,E15Dに中心を挿通された状態で、各一対のばねE106が介装されていて、昇降板E101A,E101Bをそれぞれ水平状態に支持している。
【0145】
ロータリ式エアシリンダE102A,E102Bの回転ロッドE102a,E102bにはそれぞれ加圧ドッグE107AおよびE107Bが同軸の状態で取り付けられており、ロータリ式エアシリンダE102A,E102Bの駆動によって回転ロッドE102a,E102bを中心に回転されるようになっている。
【0146】
加圧ドッグE107A,E107Bは、図25から分るように、円筒の上下を軸方向に沿って水平にそれぞれ切り欠いた形状になっており、この切欠き部E107a,E107bが加圧ドッグE107A,E107Bの待機状態において水平に位置されるようになっている。
【0147】
ロータリ式エアシリンダE102A,E102Bの後部には、リードスイッチE108a,E108bがそれぞれ取り付けられており、回転ロッドE102a,E102bの回転角度を検出するようになっている。
【0148】
上記がたつき検査装置E100は、検査対象物である木製パレットPを搬送するコンベアV2の側方部に隣接して設置される。
そして、待機状態において、図26に示されるように、スライド台E13がガイドシャフトE12に沿って後退位置に位置されている。そして、加圧ドッグE107A,E107Bは、がたつき検査装置E100の前にコンベアV2によって搬送されてきて位置決めされる木製パレットPの側部に対向するように位置されている。
【0149】
そして、木製パレットPがコンベアV2によって搬送されてきてがたつき検査装置E100の前に位置決めされると、以下のような手順によって、木製パレットPのがたつきの検査が行われる。
【0150】
木製パレットPががたつき検査装置E100の前に位置決めされると、シリンダE14が作動されてそのピストンロッドが伸張されることにより、スライド台E13がガイドシャフトE12に沿ってスライドして前進される。これによって、図26に二点鎖線によって示されるように、木製パレットPの裏エッジボード2と長手けた板3との間に進入される。
【0151】
そして、ロータリ式エアシリンダE102A,E102Bが駆動されて加圧ドッグE107A,E107Bが回転される。このとき、図28に示されるように、加圧ドッグE107A,E107Bの中心ES1が木製パレットPの裏エッジボード2と長手けた板3の中間位置ES2に対してオフセットしていても、加圧ドッグE107A,E107Bの回転によってその端部の一方が裏エッジボード2の上面または長手けた板3の下面に係合されると、回転に伴って木製パレットPからの反力によって加圧ドッグE107A,E107Bおよびロータリ式エアシリンダE102A,E102Bが上方向または下方向(図28においては下方向)に付勢され、昇降板E101A,E101BがばねE106のばね力に抗してガイドシャフトE15AないしE15Dに沿って上下動(図28においては下降)して、加圧ドッグE107A,E107Bの中心ES1と木製パレットPの裏エッジボード2と長手けた板3の中間位置ES2とが一致される。
【0152】
このように、加圧ドッグE107A,E107Bの中心と木製パレットPの裏エッジボード2と長手けた板3の中間位置とが一致すると、図29に示されるように、加圧ドッグE107A,E107Bの両端が、ともに裏エッジボード2の上面および長手けた板3の下面に係合される。
【0153】
このとき、長手けた板3や裏エッジボード2にがたつきが発生していない場合には、加圧ドッグE107A,E107Bは、長手けた板3および裏エッジボード2によって阻止されてそれ以上回転することが出来ない。この場合には、リードスイッチE108a,E108bがオンされない。
【0154】
長手けた板3や裏エッジボード2にがたつきが発生している場合には、加圧ドッグE107A,E107Bが長手けた板3を持ち上げながらさらに回転され、この加圧ドッグE107A,E107Bの回転があらかじめ定めた所定の角度以上になると、リードスイッチE108a,E108bがオンされて、図示しないランプの点灯やブザーの作動等の手段により、長手けた板3または裏エッジボード2のがたつきが検出される。
【0155】
以上のような作動が終了すると、ロータリ式エアシリンダE102A,E102Bが上記と逆の方向に駆動されてもとの状態に戻され、加圧ドッグE107A,E107Bと長手けた板3および裏エッジボード2との係合が解除される。次いで、シリンダE14が前記と逆方向に作動されて、スライド台E13が後退されることにより、加圧ドッグE107A,E107Bが長手けた板3と裏エッジボード2の間から抜き出される。
【0156】
以上のように、コンベアV2によって搬送されてくる木製パレットPについて、順次、がたつき検査が行われる。
F) 表・裏ボード欠損検知装置Fは、コンベアV3上をその短手方向に沿って搬送されてくる木製パレットPの表デッキボード1,表エッジボード1Aおよび短手けた板4の欠損を検知するものである。
【0157】
この表・裏ボード欠損検知装置Fは、図30および31に示されるように、コンベアV3の上方においてコンベアV3の搬送方向と直交する方向に架け渡されてその両端部を機枠FFに回転自在に支持されたシャフトF1と、コンベアV3によって搬送されてくる木製パレットPの表デッキボード1および表エッジボード1Aに対向する位置にそれぞれ配置され各々の中央部をシャフトB1に貫通されることによって揺動自在な7対のレバーF2と、それぞれのレバーF2の下端部に取り付けられて後述するように表デッキボード1および表エッジボード1A上に乗り上げてこれらのボード上を転動するローラF3と、機枠FFの待機状態にあるレバーF2に対向する位置に取り付けられた光電スイッチFSW1と、コンベアV3の下方においてコンベアV3の搬送方向と直交する方向に架け渡されてその両端部を機枠FFに回転自在に支持されたシャフトF4と、コンベアV1によって搬送されてくる木製パレットPの短手けた板4に対向する位置に配置され中央部をシャフトF4に貫通されることによって揺動自在なレバーF5と、このレバーF5の上端部に取り付けられて後述するように短手けた板4上に乗り上げてこのボード上を転動するローラF6と、機枠FFの待機状態にあるレバーF5およびF7に対向する位置に取り付けられた光電スイッチFSW2と、コンベアV3の上方に位置するように機枠FFに取り付けられて木製パレットPの先端部がレバーF2とレバーF5の間に達したことを検知する光電スイッチFSW3を備えている。
【0158】
この表・裏ボード欠損検知装置Fは、木製パレットPがコンベアV3によって搬送されて来た際に、光電スイッチFSW3によって木製パレットPの先端部が検知された後、表デッキボード1,表エッジボード1Aおよび短手けた板4に欠損が生じていない場合には、ローラF3およびF6がそれぞれ表デッキボード1,表エッジボード1Aおよび短手けた板4上に乗り上げてレバーF2およびF5が回動されることにより、光電スイッチFSW1および光電スイッチFSW2の発光側からの光がコンベアV3の上方および下方を通過してそれぞれオンされるが、表デッキボード1,表エッジボード1Aまたは短手けた板4の何れかに欠損が生じている場合には、レバーF2またはF5のうち何れかのレバーが回動せず、光電スイッチFSW1またはFSW2の発光側からの光がそのレバーF2またはF5によって遮断されて光電スイッチFSW1またはFSW2がオンしないことにより、表デッキボード1,表エッジボード1Aまたは短手けた板4に欠損が生じていることが検知される。
【0159】
G) 短手側部欠損検知装置Gは、図1に示されるように、長手方向側部欠損検知装置Dと構造および作動が同一であるが、互いに対向する検知機構G11とG11’の各検知ローラG18A〜G18D,G18A’〜G18D’間の間隔が、それぞれの検知ローラが待機位置にあるときにおいて、木製木製パレットPおよびプラスチック製パレットP’の長手方向の幅よりも狭くなるように配置され、後述するように正常なパレットがこの検知機構G11とG11’間に搬送されてきた時に、各レバーG12A〜G12D,G12A’〜G12D’が回動されて検知ローラ間の間隔が押し広げられるようになっている。
【0160】
この短手側部欠損検知装置Gは、木製パレットPの短手方向の側面について検査を行う際に、短手けた板4の長手側の側面が検知機構G11およびG11’に対向されることになる。
【0161】
従って、木製パレットPの長手方向の側面についての検査の場合と異なり、検知機構G11またはG11’のレバーG12DまたはG12D’によって短手けた板4の存在が検知されることにより、検知が開始される。
【0162】
すなわち、木製パレットPの進行に伴って検知機構G11の検知ローラG18Dと検知機構G11’の検知ローラG18D’が木製パレットPの両側の短手けた板4の長手側側面に乗り上げて、何れか一方の正常な短手けた板4によって、レバーG12DまたはG12D’が回動位置GBまで回動され検知機構G11の光電スイッチGS4(長手方向側部欠損検知装置Dの光電スイッチDS4と同一構造であるため図示せず)または検知機構G11’の光電スイッチGS4’(長手方向側部欠損検知装置Dの光電スイッチDS4’と同一構造であるため図示せず)がオフされることにより、検知が開始される。
【0163】
そして、ブロック5の欠損は、前記の場合と反対に、光電スイッチGS1(長手方向側部欠損検知装置Dの光電スイッチDS1と同一構造であるため図示せず)がオフされていることを条件に行われる。また、レバーG12Dによって短手けた板4の側面の欠損の有無が検知される。
【0164】
上記の説明は、木製パレットPについて短手側部の欠損検知を行う場合であるが、プラスチック製パレットP’についても木製パレットPに対応する部分に対して欠損の検知が行われる。
【0165】
H) 腐り検知装置Hは、木製パレットPのブロック5および裏デッキボード2の端面の腐り状態を検知するものである。
図32ないし34において、検査装置の台座H11は、水平方向に延び互いに平行な一対の水平フレームH11Aとこの水平フレームH11A間に直角方向に架け渡されて水平フレームH11Aを連結するそれぞれ一対の連結フレームH11BおよびH11Cから構成されている。
【0166】
この台座H11の水平フレームH11A上には、それぞれ等間隔に3本ずつの支柱H12A、H12Bが鉛直向きに固定されている。台座H11の一方の側に固定された支柱H12Aの内側の上下部分に、水平方向に延びる互いに平行な一対の支持フレームH13A,H13A’が固定され、台座H11の他方の側に固定された支柱H12Bの内側の上下部分に、水平方向に延びる互いに平行な一対の支持フレームH13B,H13B’が固定されている。
【0167】
支持フレームH13AおよびH13Bには、それぞれ4ヵ所にガイド輪H14AおよびH14Bが吊り下げられた状態でかつその回転軸が支持フレームH13A,H13Bの長手方向に対して直角向きになるように回転自在に取り付けられている。支持フレームH13A’およびH13B’には、それぞれ4ヵ所のガイド輪H14A,H14Bに対抗する位置に、ガイド輪H14A’およびH14B’が上方向きにかつその回転軸が支持フレームH13A’,H13B’の長手方向に対して直角向きになるように回転自在に取り付けられている。
【0168】
支持フレームH13A,H13A’間に互いに対向するように配置されたガイド輪H14AおよびH14A’のうち図32および33において右側の2対のガイド輪の間に、スライドプレートH15Aが、その上縁部と下縁部をガイド輪H14AとH14A’の溝にそれぞれ嵌合された状態で介装されており、ガイド輪H14A,H14A’の回転によって支持フレームH13A,H13A’と平行にスライドプレートH15Aがスライドするようになっている。
【0169】
さらに、支持フレームH13B,H13B’間に互いに対向するように配置されたガイド輪H14BおよびH14B’のうち図32および33において右側の2対のガイド輪の間に、上記と同様に、スライドプレートH15B(図34参照)が、その上縁部と下縁部をガイド輪H14BとH14B’の溝にそれぞれ嵌合された状態で介装されており、ガイド輪H14B,H14B’の回転によって支持フレームH13B,H13B’と平行にスライドプレートH15Bがスライドするようになっている。
【0170】
スライドプレートH15AとH15Bのそれぞれ内側には、フレームH16AおよびH16Bが、スライドプレートH15A,H15Bのスライド方向と平行にかつそれぞれの先端部が支持フレームH13A,H13A’の端部よりも右側外方に突出した状態で固定されている。
【0171】
このフレームH16AとH16Bとは、これらフレームの間に直角方向に架け渡された連結フレームH17Aによって一体的に連結されている。
フレームH16AとH16Bの外端部には、それぞれ鉛直向きに支柱H18AおよびH18Bが固定されており、この支柱H18AとH18Bの上端部には、水平向きでかつフレームH16AおよびH16Bのスライド方向と直角方向に延びるように、検出部支持フレームH19が架け渡されて固定されている。
【0172】
この検出部支持フレームH19の両端部および中央部の3ヵ所に、後述する検出部HSが配置され固定されている。
図32および33において左側の構造は、上述した右側の構造と同様であり左右対称となるように構成されている。
【0173】
すなわち、支持フレームH13A,H13A’間に互いに対向するように配置されたガイド輪H14AおよびH14A’のうち図32および33において左側の2対のガイド輪の間に、スライドプレートH15A’が、その上縁部と下縁部をガイド輪H14AとH14A’の溝にそれぞれ嵌合された状態で介装されており、ガイド輪H14A,H14A’の回転によって支持フレームH13A,H13A’と平行にスライドプレートH15A’がスライドするようになっている。
【0174】
さらに、支持フレームH13B,H13B’間に互いに対向するように配置されたガイド輪H14BおよびH14B’のうち図32および33において右側の2対のガイド輪の間に、上記と同様に、スライドプレートH15B’が、その上縁部と下縁部をガイド輪H14BとH14B’の溝にそれぞれ嵌合された状態で介装されており、ガイド輪H14B,H14B’の回転によって支持フレームH13B,H13B’と平行にスライドプレートH15B’がスライドするようになっている。
【0175】
スライドプレートH15A’とH15B’のそれぞれ内側には、フレームH16A’およびH16B’が、スライドプレートH15A’,H15B’のスライド方向と平行にかつそれぞれの先端部が支持フレームH13A,H13A’の端部よりも左側外方に突出した状態で固定されている。
【0176】
このフレームH16A’とH16B’とは、これらフレームの間に直角方向に架け渡された連結フレームH17A’によって一体的に連結されている。
フレームH16A’とH16B’の外端部には、それぞれ鉛直向きに支柱H18A’およびH18B’が固定されており、この支柱H18A’とH18B’の上端部には、水平向きでかつフレームH16A’およびH16B’のスライド方向と直角方向に延びるように、検出部支持フレームH19’が架け渡されて固定されている。
【0177】
この検出部支持フレームH19’の両端部および中央部の3ヵ所に、後述する検出部HS’が配置され固定されている。
台座H11の内側に配置された一対のフレームH11C上にはポールH20が鉛直向きに固定されており、このポールH20の上端部には回動レバーH21がその中央部を回動自在に軸支されている。
【0178】
この回動レバーH21と連結フレームH17Aとの間には、連結アームH22が、その一端が回動レバーH21の一方の先端部に回動自在に連結され他端が連結フレームH17Aの下部中央に回動自在に連結された状態で介装されている。さらに、回動レバーH21と連結フレームH17A’との間には、上記と同様に、連結アームH22’が、その一端が回動レバーH21の他方の先端部に回動自在に連結され他端が連結フレームH17A’の下部中央に回動自在に連結された状態で介装されている。
【0179】
連結フレームH17AとH17A’間には、シリンダH23が、そのシリンダ本体H23Aの後端部が連結フレームH17Aの上部中央にピストンロッドH23Bの先端部が連結フレームH17A’の上部中央にそれぞれ連結された状態で介装されている。
【0180】
次に、検出部HSおよびHS’の構造の説明を行うが、検出部HSとHS’は逆向きに配置されているのみで構成は全く同じなので、以下の説明は検出部HSについてのみ行う。
【0181】
図35および36において、検出部支持フレームH19は断面がコ字形のフレームであって、開放部が検査装置H10の外側に向くように取り付けられており、検出部HSは、このコ字形の検出部支持フレームH19内に開放部から挿入された状態で取り付けられている。
【0182】
検出部HSは、一対の断面コ字形のブラケットH30が背中合せの状態で互いに固定され、各ブラケットH30の外方に向って突出する一対のアームH30AおよびH30B間にそれぞれ3本の検査針H31A,H31BおよびH31Cが、互いに平行になるようにかつアームH30AおよびH30Bを貫通した状態でスライド自在に取り付けられている。
【0183】
各検査針H31A,H31B,H31Cの中央部にはそれぞれリングH32A,H32B,H32Cがスライド自在に外嵌されており、これらリングH32A,H32B,H32Cと各検査針H31A,H31B,H31Cの先端側に一体的に設けられたフランジH31A’,H31B’,H31C’との間に、スプリングH33A,H33BおよびH33Cがそれぞれ検査針H31A,H31B,H31Cに中心を貫通した状態で介装されている。さらに、ブラケットH30の一方のアームH30Bに取り付けられて各検査針H31A,H31BおよびH31Cの後端部をスライド自在に支持する軸受H34A,H34BおよびH34CとリングH32A,H32B,H32Cとの間に、それぞれスプリングH35A,H35BおよびH35Cが介装されている。
【0184】
軸受H34A,H34BおよびH34Cは、その外周部にねじ部が形成されていて、このねじ部がブラケットH30のアームH30Bに螺合されることによってブラケットH30に取り付けられている。そして、軸受H34A,H34BおよびH34CをアームH30Bに対して回転させることにより、検査針H31A,H31BおよびH31Cに対してそれぞれ軸方向にスライドさせることが出来る。
【0185】
軸受H34A,H34BおよびH34Cを回してアームH30Aに接近する側に移動させると、それぞれスプリングH35A,H35BおよびH35Cが圧縮されてその付勢力が強められる。また、軸受H34A,H34BおよびH34Cを上記と反対側に回転させてアームH30Aから離間する側に移動させると、それぞれスプリングH35A,H35BおよびH35Cの圧縮が解除されていってその付勢力が弱められる。
【0186】
これによって、後述する被検査物体の材質等の状態によって腐りの状態が異なる場合に、その腐りの状態に合せて検査針H31A,H31BおよびH31Cの押圧力を適宜変更することが可能になる。
【0187】
ブラケットH30のアームH30Bの外側に突出した各検査針H31A,H31B,H31Cの後端部(図35の左側端部)には、それぞれ位置検出子H36A,H36BおよびH36Cが垂下された状態で取り付けられている。位置検出子H36A,H36B,H36Cは、図37に示されるように、中央側から順に外側に位置するように配置されており、このため、位置検出子H36AおよびH36BがL字状に屈曲された形状になっている。
【0188】
各位置検出子H36A,H36B,H36Cの下端部は、アームH30Bの下部に取り付けられた水平板H37に互いに平行に形成された溝H37a,H37bおよびH37cに嵌挿されて、検査針H31A,H31B,H31Cの移動に伴うそのスライドがガイドされるようになっている。
【0189】
ブラケットH30のアームH30Bの外側縁下部には、アームH30Bの外面から検査針H31A,H31B,H31Cの軸方向と平行に外方に突出するように、一対のセンサ取付けアームH38AおよびH38Bが取付けられており、この一対のセンサ取付けアームH38A,H38B間に位置検出子H36A,H36B,H36Cの下端部が位置されている。
【0190】
センサ取付けアームH38Aには発光素子H39Aが取り付けられ、センサ取付けアームH38Bに受光素子H39Bが取り付けられていて、検査針H31A,H31B,H31Cが定位置に位置しているときには発光素子H39Aからの発光が位置検出子H36A,H36B、H36Cの下端部に遮られるようになっている。そして、後述するように、検査針H31A,H31B,H31Cが木製パレットPの側部に押し当てられて位置検出子H36A,H36B,H36Cとともに後退した際に、発光素子H39Aから発光される光が受光素子H39Bによって受光されるようになっている。
【0191】
各検出部HSおよびHS’は、検出部支持フレームH19およびH19’に互いに対向するように配置され、各検査針H31A,H31B,H31Cの先端の針部H31a,H31b,H31cが検出部支持フレームH19,H19’を貫通して内側方向に突出するように取付けられている。
【0192】
この検出部HS,HS’が検出部支持フレームH19,H19’に取り付けられた状態で、各検出部HS,HS’の検査針H31AおよびH31Bが、後述するように、検出部支持フレームH19とH19’の間に搬送されてきた木製パレットPのブロック5に対向し、検査針H31Cが裏デッキボード2に対向するように、各検査針H31A,H31B,H31Cの高さが設定されている。
【0193】
この検出部支持フレームH19,H19’の内側壁面には、縦方向に2列に並んだ針部H31a,H31b,H31cを挟むように、それぞれ一対のクッションラバーH40,H40’が固定されている。なお、針部H31a,H31b,H31cはそれぞれ検査針H31A,H31B,H31Cの本体部に対して交換可能になっている。
【0194】
次に、上記腐り検知装置Hの作動を説明すると、腐り検知装置Hは、図33に示されるように、検査対称である木製パレットPを搬送するコンベアV4の下方に設置されていて、支柱H18A,H18Bと支柱H18A’,H18B’の間にコンベアV4が位置される。
【0195】
コンベアV4によって搬送されてきた木製パレットPが図示しないストッパによって支柱H18A,H18Bと支柱H18A’,H18B’の間に位置されると、この状態で検出部支持フレームH19およびH19’にそれぞれ取り付けられた検出部HSおよびHS’が、木製パレットPの側部に対向される。
【0196】
この腐り検知装置Hは、その待機状態のときには、シリンダH23のピストンロッドH23Bがシリンダ本体H23Aから伸張されている。これによって、フレームH16A,H16BとフレームH16A’,H16B’の先端部がそれぞれ支持フレームH13A,H13A’および支持フレームH13B,H13B’の両端部から外方に突出されて、検出部HSと検出部HS’の間の間隔が広げられており、各検出部HS,HS’の検査針H31A,H31B,H31Cの針部H31a,H31b,H31cは、木製パレットPの側部に接触されていない。
【0197】
木製パレットPが検出部HSと検出部HS’間に位置決めされると、シリンダH23が駆動されピストンロッドH23Bがシリンダ本体H23A内に引き込まれる。これによって、フレームH16A,H16BとフレームH16A’,H16B’がそれぞれ支持フレームH13A,H13A’および支持フレームH13B,H13B’内に引き込まれ、検出部HSと検出部HS’の間の間隔が狭められることによって、各検出部HS,HS’の検査針H31A,H31B,H31Cの針部H31a,H31b,H31cが、木製パレットPの側部に押接される。
【0198】
このフレームH16A,H16BとフレームH16A’,H16B’がそれぞれ支持フレームH13A,H13A’および支持フレームH13B,H13B’内に引き込まれる際に、回動レバーH21と連結アームH22およびH22’によって規制されることにより、フレームH16A,H16BとフレームH16A’,H16B’の移動量は等しくなる。
【0199】
検査針H31A,H31B,H31Cの針部H31a,H31b,H31cが木製パレットPの側部に押接されたとき、図38に示されるように、木製パレットPのブロック5および裏デッキボード2に腐りや欠損がない場合には、検査針H31A,H31B,H31Cが、ブロック5および裏デッキボード2からの押圧力によって、スプリングH33A,H33B,H33CおよびスプリングH35A,H35B,H35Cに抗して検出部支持フレームH19に押し込まれる方向すなわち図38の左方向にスライドされる。
【0200】
この検査針H31A,H31B,H31Cが全て検出部支持フレームH19に押し込まれる方向にスライドされると、この検査針H31A,H31B,H31Cのスライドにともなって位置検出子H36A,H36B,H36Cが全て後方(図38の左方向)にスライドされ、これによって、発光素子H39Aと受光素子H39Bとの間の遮蔽物がなくなり、発光素子H39Aからの発光が受光素子H39Bに受光される。
【0201】
したがって、シリンダH23の駆動後、受光素子H39Bが受光したことが検知されたとき、木製パレットPに腐りや欠損はないと判定される。
検査針H31A,H31B,H31Cの針部H31a,H31b,H31cが木製パレットPの側部に押接されたとき、図39に示されるように、木製パレットPのブロック5または裏デッキボード2に腐りや欠損が生じている場合には、針部H31a,H31bまたはH31cのいずれかがブロック5や裏デッキボード2にめり込み、検査針H31A,H31BまたはH31Cの何れかが検出部支持フレームH19に押し込まれる方向にはスライドされない(図39には、針部H31a,H31b,H31cの全てがブロック5や裏デッキボード2にめり込んでいる状態が示されている)。
【0202】
したがって、位置検出子H36A,H36BまたはH36Cの何れかが後方(図39の左方向)にスライドされないことによって、発光素子H39Aと受光素子H39Bとの間が遮蔽されたままとなっており、発光素子H39Aからの発光は受光素子H39Bに受光されない。
【0203】
これによって、シリンダH23の駆動後、発光素子H39Aからの発光が受光素子H39Bにより受光されないとき、木製パレットPに腐りや欠損はないと判定される。
【0204】
木製パレットPのブロック5または裏デッキボード2に腐りや欠損が生じており、針部H31a,H31b,H31cがブロック5および裏デッキボード2にめり込み検出部支持フレームH19,H19’が木製パレットPの側部に接触しようとする際に、クッションラバーH40,H40’が木製パレットPの側部に当接してその衝突の衝撃が緩和される。
【0205】
以上のような木製パレットPの腐り検出が行われた後、シリンダH23が前記と逆方向に駆動され、シリンダ本体H23AからピストンロッドH23Bが繰り出される。これによって、フレームH16A,H16BおよびフレームH16A’,H16B’が支持フレームH13A,H13A’および支持フレームH13B,H13B’の両端から繰り出されて検出部HSとHS’とが互いに離間する方向にスライドされ、検査針H31A,H31B,H31Cと木製パレットPのブロック5および裏デッキボード2との接触状態が解除される。
【0206】
このようにして、検査装置が待機状態に復帰した後、ストッパによる木製パレットPの係止状態が解除され、コンベアV4によって検査済の木製パレットPが搬出され、以後、同様の手順で木製パレットPの腐り検査が行われる。
【0207】
J) ひび割れ検知装置Jは、木製パレットPの表デッキボード1および表エッジボード1A、ならびにプラスチック製パレットP’の天面にひび割れが生じているか否かを検知するものである。
【0208】
なお、以下の説明は、木製パレットPを検査する場合を例にとって行うが、プラスチック製パレットP’についてもその検知方法は同様である。
このひび割れ検知装置Jは、図1に示されるように、腐り検知装置Hの上方部に配置されている。
【0209】
図40において、ひび割れ検知装置Jは、木製パレットPの検査面J3を照明するための4個の照明装置J4と、検査面J3を4つの副検査面J5−1〜J5−4に分割した場合に各副検査面J5−1〜J5−4を撮像し第1〜第4撮像信号J6−1〜J6−4を出力する第1〜第4カメラJ7−1〜J7−4と、キーボード等の図示しないデータ入力装置及びプリンタ等の図示しないデータ出力装置を有し、第1〜第4撮像信号J6−1〜J6−4に基づいて後述する各種画像処理を行なう画像処理装置J8と、画像処理装置の処理結果等を表示するためのディスプレイJ9と、検査時に第1〜第4カメラJ7−1〜J7−4側からみて検査面J3の背景となる位置に配置されており、黒色に着色された背景板J10を備えている。
【0210】
図41において、木製パレットPの検査面J3上には、検査対象となる表デッキボード1が確実に検査できるように検査面J3を非対称(図では、4:3)に分割する位置に設定されパレット搬送方向に平行な第1仮想分割線JL1と検査面J3を対称(1:1)に分割する位置に設定され第1仮想分割線JL1に直交する第2仮想分割線L2の二つの仮想分割線により分割された副検査面J5−1〜J5−4が設定されている。
【0211】
そして、副検査面J5−1については第1カメラJ7−1により撮像され、副検査面J5−2については第2カメラJ7−2により撮像され、副検査面J5−3については第3カメラJ7−3により撮像され、副検査面J5−4については第4カメラJ7−4により撮像されるようになっている。
【0212】
このように4つの副検査面J5−1〜J5−4に分割し、各々対応するカメラJ7−1〜J7−1で撮像するように構成した理由は、木製パレットPの検査面J3を1台のカメラで撮像した場合に発生する分解能(処理精度)の低下を防止するとともに、カメラ設置位置を木製パレットPから離れた位置に設定する必要があるため装置が大型化するのを防止するためである。
【0213】
従って、副検査面の数は、必要な分解能、装置の大きさ及びコストの観点等から任意に設定することが可能である。
図42は、検査処理フローチャートを示すものである。
【0214】
コンベアV4により、検査対象である木製パレットPが検査位置まで搬送され、4個の照明装置により木製パレットPの検査面J3が照明される。
これと並行して第1〜第4カメラJ7−1〜J7−4は、対応する副検査面J5−1〜J5−4を撮像し第1〜第4撮像信号J6−1〜J6−4をそれぞれ画像処理装置J8に出力する。これにより画像処理装置J8は、各表エッジボード1A及び各表デッキボード1の半分の領域毎に基準量子化レベルである基準二値化レベルを設定する(ステップS1)。
【0215】
この結果、木製パレットの場合に特有の新品のパレットと劣化したパレット、または同一のパレットでも吸水した場合と乾燥した場合のようにパレット毎に表面の色が大きく異なる場合、あるいは、同一のボードでも場所により表面の色が大きく異なる場合でも最適な量子化(二値化)を行なえるのである。
【0216】
より具体的には、図43に示されるように、各表デッキボード1および表エッジボード1A毎に色検知エリアを設け(図では、各ボード毎に4箇所づつ設けている)、予め設定した初期基準二値化レベルに基づいて色検知エリア内の画素を白ドット(初期基準二値化レベルより高輝度)及び黒ドット(初期基準二値化レベルより低輝度)に分類し、白ドット数及び黒ドット数を算出し、前ドット数(=全画素数)に対する白ドット数及び黒ドット数の比率から、例えば、白ドットの比率が高い場合には“白”ボードと判別し、白ドットの比率と黒ドットの比率がほぼ等しい場合には“灰”ボードと判別し、黒ドットの比率が高い場合には“黒”ボードと判別する。
【0217】
次に“白”ボード、“灰”ボード、“黒”ボードのそれぞれ毎に各部材の寸法を測定する(ステップS2、S4、S6)。
寸法測定の測定前提条件は、図44に示されるように、木製パレットPの天面のボードである表デッキボード1および表エッジボード1Aは3枚の長手けた板3に取り付けられており、真上から撮像している関係上、取付部位の判別は困難となっている。
【0218】
このため、実際の寸法測定は、図44に示される検査対象領域にのみ限定している。図45に、表デッキボード1−1,1−2および表エッジボード1Aの寸法測定説明図が示されている。
【0219】
表デッキボード1−1,1−2および表エッジボード1Aの寸法測定を行なう場合には、走査位置SC1〜SC3において二値化した場合に、基準二値化レベルよりも明るい領域に相当する値を“1”とし、基準二値化レベルよりも暗い領域に相当する値を“0”とした場合に、“1”が検出された部分をボード検出位置とし、“0”が検出された部分(図中、斜線で示す)をボード非検出位置として、“1”が連続して検出され、次に“0”を検出した位置までの長さl〜lをボードの寸法とする。
【0220】
一方、“0”が連続して検出された部分(図中、斜線で示す。)をボード非検出位置とする。
これにより、同一ボードに対応するボード長さの最大値と最小値との差LDIFFを求める(ステップS3、S5、S7)。
【0221】
そして求めた差LDIFFが予め設定した許容値内か否かを判別する(ステップS8)。
ステップS8の判別において、差LDIFFが予め設定した許容値を超えた場合(ステップS8;No)には、当該パレットは不良であると判別し(ステップS11)、判別理由とともに図示しないリジェクト装置に通知して処理を終了する。
【0222】
より具体的には、表デッキボード1−1の場合、最大値=l4、最小値=l6であるので、その差lDIFFは、
lDIFF=l4−l6
となり、差lDIFFが許容値(例えば、20mm)を超えるようであれば、ボードの欠損量が大きいとして不良と判定する。
【0223】
上記説明においては、ボードの欠損の場合について説明したが、図46に示すように、ひび割れが存在する場合にも同様の処理により検出することが可能である。
【0224】
この場合において、ひび割れ位置は、ボード非検出位置と同様に取扱える(ひび割れのないボード部分よりも暗く観察される)ので、長さl10及び長さl11の差を求め、この差が許容値よりも大きければ不良と判別される。
【0225】
ところで、ステップS8の判別処理においては、例えば、図47に示されるように、ボードが全体的に均等に欠損している場合には、欠損を検出することができない。
【0226】
より具体的には、ボードが均等に欠損している場合には、得られる長さl12〜l14はほぼ等しくなり、最大値と最小値との差lDIFFは許容値以内となるからである。
【0227】
測定した長さのうちの最小値が予め設定した下限値(例えば、80mm)以上か否かを判別し(ステップS9)、測定した長さのうちの最小値が下限値以上である場合には、良品パレットと判別して(ステップS10)、処理を終了する。
【0228】
ステップS9の判別において、測定した長さのうちの最小値が下限値未満である場合には(ステップS9;No)、当該パレットは不良であると判別し(ステップS11)、判別理由とともに図示しないリジェクト装置に通知して処理を終了する。
【0229】
以上のように、木製パレットの検査を行なう場合に、新品の状態と劣化した状態では表面の色が全く異なっても正確に良否判定を行なえる。
また、同一のパレットにおいて一部の天板が新品に交換された場合等においても、天板毎に基準二値化レベルを設定するので、天板の色が異なっても正確に良否判定を行なえる。
【0230】
さらに、修理の際に欠損やひび割れを有するボードに代えて必ずしも規格通りのボードが取り付けられていなくとも、当該取り付けられたボードの寸法を自動的に測定して各パレットに対応して確実に良否判定が行なえる。
【0231】
なお、以上の実施例においては二値化を行なって処理を行なっていたが、撮像画像をカラーとし、多値化を行なって処理を行なうように構成することも可能である。
【0232】
K) 短手方向がたつき検知装置Kは、木製パレットPの表エッジボード1Aとブロック5との間のがたつきを検知するものである。
図48および49において、がたつき検査装置K10の台座K11上に前後方向に延び互いに平行な一対のガイドシャフトK12が設置されており、この一対のガイドシャフトK12にスライド台K13の下部に取り付けられたガイド部K13Aが外嵌されて、スライド台K13がガイドシャフトK12上においてその軸方向にガイドされるようになっている。ガイド部K13AはそれぞれのガイドシャフトK12につき2個ずつ設けられていて、スライド台K13をがたつくこと無く水平方向にスムースにスライドさせるようになっている。
【0233】
このスライド台K13の下方部にはシリンダK14が配置され、このシリンダK14の本体部が台座K11に連結されピストンロッドがスライド台K13に連結されていて、ピストンロッドの伸縮によってスライド台K13がガイドシャフトK12上を前後にスライドするようになっている。
【0234】
スライド台K13はその前部に、水平方向に延び鉛直面内において互いに平行な上フレームK13Bと下フレームK13Cとを備えている。スライド台K13の前部には、互いに平行にかつ鉛直向きに並べられた4本のガイドシャフトK15A,K15B,K15CおよびK15Dが、それぞれの上端部を上フレームK13Bの前壁面に下端部を下フレームK13Cの前壁面に取り付けられることによって固定されている。
【0235】
ガイドシャフトK15AおよびK15Bには、加圧ブラケット昇降フレームK16Aがその両端部をそれぞれガイドシャフトK15AおよびK15Bに挿通されることによって昇降自在に取り付けられており、さらにガイドシャフトK15CおよびK15Dには、加圧ブラケット昇降フレームK16Bがその両端部をそれぞれガイドシャフトK15CおよびK15Dに挿通されることによって昇降自在に取り付けられている。
【0236】
上フレームK13Bの上部には、加圧ブラケット昇降フレームK16Aの上方に位置するようにシリンダ取付台K17が固定されている。
このシリンダ取付台K17には、シリンダK18がその軸方向が鉛直下向きになるように取り付けられており、ピストンロッドK18aの先端部が加圧ブラケット昇降フレームK16Aの中央上部に連結されていて、シリンダK18の駆動によって、加圧ブラケット昇降フレームK16AがガイドシャフトK15AおよびK15Bに沿って昇降するようになっている。
【0237】
加圧ブラケット昇降フレームK16Bの上方にも、同様に、シリンダ取付台、シリンダがその軸方向が鉛直下向きになるように取り付けられており、そのピストンロッドの先端部が加圧ブラケット昇降フレームK16Bの中央上部に連結されていて、シリンダの駆動によって、加圧ブラケット昇降フレームK16BがガイドシャフトK15CおよびK15Dに沿って昇降するようになっているが、図面には、この加圧ブラケット昇降フレームK16Bについての昇降機構は、後述する基準位置設定機構K30の説明のため、その記載が省略されている。
【0238】
加圧ブラケット昇降フレームK16AとK16Bには、中央下部に加圧ブラケットK16aおよびK16bが、それぞれその先端部を前方に突出した状態で固定されている。
【0239】
ガイドシャフトK15BおよびK15Cには、固定ブラケット昇降フレームK19がその両端よりも内側の部分をガイドシャフトK15BおよびK15Cによってに挿通されることによって昇降自在に取り付けられている。
【0240】
下フレームK13Cの下部には、固定ブラケット昇降フレームK19の下方に位置するようにシリンダ取付台K20が固定されており、このシリンダ取付台K20にシリンダK21がその軸方向が鉛直上向きになるように取り付けられている。そして、このシリンダK21のピストンロッドK21aの先端部が固定ブラケット昇降フレームK19の中央下部に連結されていて、シリンダK21の駆動によって、固定ブラケット昇降フレームK19がガイドシャフトK15BおよびK15Cに沿って昇降するようになっている。
【0241】
固定ブラケット昇降フレームK19には、その両端の上部に固定ブラケットK19aおよびK19bが、先端部を前方に突出した状態で、かつブラケット昇降フレームK16Aの加圧ブラケットK16aおよびブラケット昇降フレームK16Bの加圧ブラケットK16bにそれぞれ対向するように、固定されている。
【0242】
台座K11の上方前面の本体フレームK11Aの上部には、基準位置設定機構K30が取り付けられている。この基準位置設定機構K30は、このがたつき検査装置K10が二つの加圧ブラケットK16a,K16bを備えているのに対応して、左右対象に配置された二組の変位検出部aを備えているが、図48には、シリンダK18AおよびピストンロッドK18aの取付け状態を示すために、図面の右側に位置する一方の変位検出部Kaを省略して示してある。以下において、変位検出部Kaについては、図面左側に配置された検出部についてのみ説明を行うが、図面右側の変位検出部Kaも同一構造である。
【0243】
基準位置設定機構K30は左右対称に構成されており、本体フレームK11Aの上縁中央部に固定された基盤K31の両側にそれぞれ一対のガイドシャフトK32が基板K31を貫通した状態で上下動自在に取り付けられている。そして、ガイドシャフトK32の下端に昇降板K33が固定され、このガイドシャフトK32によって昇降フレームK33が、基板K31に対して平行状態を保持したまま上下方向にガイドされるようになっている。
【0244】
基板K31の上面には、一対のガイドシャフトK32の中間位置に、軸線方向がガイドシャフトK32と平行になるようにシリンダK34が固定されている。そして、このシリンダK34のピストンロッドK34Aが基板K31の下面から下向きに突出し、その下端部が昇降フレームK33の上面中央部に固定されていて、このシリンダK34の作動により昇降フレームK33が基板K31に対して上下動されるようになっている。
【0245】
昇降フレームK33の両端部にはそれぞれ変位検出部Kaが設けられており、各変位検出部Kaは、それぞれ昇降フレームK33を貫通した状態で上下動自在に取り付けられた一対のガイドシャフトK35と、この一対のガイドシャフトK35の下端に固定された昇降板K36とを備え、ガイドシャフトK35によって昇降板K36が昇降フレームK33に対して平行状態を保持したまま上下方向にガイドされるようになっている。
【0246】
昇降板K36と昇降フレームK33との間には、ばねK37が、それぞれ中心をガイドシャフトK35に挿通された状態で介装されていて、昇降板K36を昇降フレームK33に対して下方向に付勢している。このばねK37のばね力KF1は、シリンダK34によって昇降フレームK33を下方向に押す力KF2よりも大きくなるように設定されている(図53参照)。
【0247】
昇降板K36には一対のガイドシャフトK35の中間位置に、加圧ブラケットK16bの上方に位置するように、ロッドK38が、ガイドシャフトK35の軸方向と平行にかつ下端部が昇降板K36の下方に突出した状態で固定されていて、このロッドK38の下端に後述するように木製パレットPの上面に当接される当接部K38Aが形成されている。
【0248】
昇降フレームK33の上面の一対のガイドシャフトK35の間に、センサ取付板K39が立設されており、このセンサ取付板K39の上端部に近接センサK40が取り付けられている。また、一対のガイドシャフトK35のうち一方のシャフトの上端に検出子K41が取り付けられていて、この検出子K41がガイドシャフトK35の上昇に伴って近接センサK40に接近すると、その上昇が近接センサK40によって検知されるようになっている。
【0249】
この近接センサK40によって検知されるまでの検出子K41の上昇高さは、後述するように、木製パレットPの表エッジボード1Aに負荷を与えた時の表エッジボード1Aの浮上がり許容量に設定される。
【0250】
上記がたつき検査装置K10の作動は、以下の通りである。
がたつき検査装置K10は、検査対象物である木製パレットPを搬送するコンベアV4の側方部に隣接して設置される。
【0251】
そして、待機状態において、図49に示されるように、スライド台K13がガイドシャフトK12に沿って後退位置に位置され、ブラケット昇降フレームK16AおよびK16Bが下降位置に固定ブラケット昇降フレームK19が上昇位置に位置されていて、加圧ブラケットK16a,K16bと固定ブラケットK19a,K19bがそれぞれ最も接近した状態になっている。さらに、基準位置設定機構K30の昇降フレームK33は、上昇位置に位置されている。
【0252】
さらに、加圧ブラケットK16a,K16bと固定ブラケットK19a,K19bは、がたつき検査装置K10の前にコンベアV4によって搬送されてきて位置決めされる木製パレットPの側部に対向するように位置されており、さらに基準位置設定機構K30が木製パレットPの側部上面に対向するように位置されている。
【0253】
木製パレットPがベルトコンベアV4によって搬送されてきてがたつき検査装置K10の前に位置決めされると、以下に説明するように、各シリンダが順次作動されて、木製パレットPのがたつき検査が行われる。
【0254】
木製パレットPががたつき検査装置K10の前に位置決めされると、シリンダK14が作動されてそのピストンロッドが伸張されることにより、スライド台K13がガイドシャフトK12に沿ってスライドして前進される。これによって、図50に示されるように、加圧ブラケットK16a,K16bおよび固定ブラケットK19a,K19bが、それぞれ木製パレットPの側部中央に位置するブロック5を挟んで、表エッジボード1Aと短手けた板4との間に進入される。
【0255】
次に、シリンダK21が駆動されてそのピストンロッドK21aが下向きに引き込まれることにより、固定ブラケット昇降フレームK19が下降される。これによって、固定ブラケットK19aおよびK19bが短手けた板4の上面に押接され、この短手けた板4が下方向に付勢されることにより、木製パレットPがコンベアV4上に固定される。
【0256】
次に、シリンダK34が駆動され、ピストンロッドK34Aが下方に向って突き出されて、昇降フレームK33がガイドシャフトK32によってガイドされながら水平状態を保ったまま下降される。そして、この昇降フレームK33の下降によって、各変位検出部KaのロッドK38の当接部K38Aが木製パレットPの表エッジボード1Aの上面に当接される。
【0257】
図53に、ロッドK38の当接部K38Aが木製パレットPの表エッジボード1Aの上面に当接されている状態が示されており、このとき、シリンダK34が昇降フレームK33を下方向に押す力KF2は、前述したように、ばねK37のばね力KF1よりも小さいので、当接部K38Aが下降して木製パレットPの表エッジボード1Aに当接した際に、ばねK37が圧縮されることはない。
【0258】
したがって、木製パレットPの表エッジボード1Aの高さにばらつきがあっても、当接部K38Aが木製パレットPの上面に当接されると、昇降フレームK33と昇降板K36との間隔が変化することはなく、昇降フレームK33の下降が停止するので、この昇降フレームK33の下降が停止した状態でシリンダK34をロックすることにより、後述するように、木製パレットPの表エッジボード1Aに負荷を作用させて変位を検出する際の、検出基準位置が設定される。
【0259】
上記のように、昇降フレームK33が下降されシリンダK34がロックされた後、シリンダK18が駆動されそのピストンロッドK18aが上向きに引き込まれることにより、ブラケット昇降フレームK16AおよびK16Bが上昇される。
【0260】
判別装置Aおよび各検知装置BないしKのうち、判別装置A,長手方向がたつき検知装置E,腐り検知装置H,ひび割れ検知装置Jおよび短手方向がたつき検知装置Kについては、検査対象であるパレットPが所定の検査位置に停止されて検査が行われる。
【0261】
このため、図1に示されるように、コンベアV1の搬送路内に、パレットPの先端部を係止してこのパレットPを判別装置Aの判定位置に位置決めするためのパレット位置決め機構N1が配置されており、コンベアV2の搬送路内に、パレットPの先端部を係止してこのパレットPを長手方向がたつき検知装置Eの検査位置に位置決めするためのパレット位置決め機構N2が配置されており、さらに、コンベアV4の搬送路内に、パレットPの先端部を係止してこのパレットPを腐り検知装置Hおよびひび割れ検知装置Jの検査位置に位置決めするためのパレット位置決め機構N3とパレットPを短手方向がたつき検知装置Kの検査位置に位置決めするためのパレット位置決め機構N4がそれぞれ配置されている。
【0262】
さらにコンベアV3の搬送路内には、腐り検知装置Hの手前側においてパレットPを待機させるためのパレット位置決め機構N5が配置されている。
各パレット位置決め機構N1ないし5の構成は何れも同様であり、図54および55に示されるように、パレットPが搬送されてきたことを検知する検知機構NAと搬送されてきたパレットPの先端部に係合してパレットPを係止する係止機構NBとから構成されている。
【0263】
検知機構NAは、図56に示されるように、コンベアVの搬送方向と直角方向でかつ水平方向に延びるシャフトNA1に軸支されて回動自在なレバーNA2と、このレバーNA2の先端部に直角向きに固定された検知板NA3を備え、レバーNA2の下端部とコンベアの機枠との間にばねNA4が介装されていて、待機状態において、レバーNA2がばねNA4によって付勢されることにより、検知板NA3がその上面をコンベアの上流側に向けるようにして傾斜されてその先端部がコンベアの搬送面の上方に突出されている。シャフトNA1の下方においてコンベアの機枠には近接センサNASが取り付けられており、検知機構NAの待機状態において、レバーNA2の下端部が近接センサNASの検知範囲から外れるようになっている。
【0264】
係止機構NBはシリンダNB1がそのピストンロッドNB2が鉛直上向きになるように配置されており、このピストンロッドNB2の先端部にコンベアの搬送方向と直角向きに延びる係止板NB3が取り付けられていて、シリンダNB1の作動により、係止板NB3がコンベアの搬送面の上方に突出自在になっている。
【0265】
このパレット位置決め機構N1ないしN5は、図57に示されるように、コンベアによってパレットPが搬送されて来てその先端部が検知板NA3に乗り上げると、ばねNA4に抗して検知板NA3が倒されることによりレバーNA2が回動されて近接センサNASの検知範囲に入る。このようにして、近接センサNASがオンされることにより、パレットPが各検査位置に到着したことが検知され、近接センサNASの検知信号によってシリンダNB1が作動され、係止板NB3がコンベアの搬送面の上方に突出される。そして、このコンベアの搬送面の上方に突出した係止板NB3に搬送されてきたパレットPの先端部が係合することにより、パレットPが各検知装置の検査位置に位置決めされる。
【0266】
判別装置Aおよび各検知装置BないしKには、マイクロコンピュータを有する制御装置Rが接属されている(図1参照)。この制御装置Rは、各検知装置BないしKからの検知信号をうけてパレットの不良部位の有無を判断するとともに、判別装置Aからの木製パレットPとプラスチック製パレットP’との判別信号を受けて、プラスチック製パレットP’の際に、長手方向側部欠損検知装置D,短手側部欠損検知装置Gおよびひび割れ検知装置Jを作動させ他の検知装置を不作動にするかまたはこれらの検知装置からの検知信号を無視するように制御を行う。
【0267】
次に、上記パレットの不良検査システムによるパレットの検査の手順を説明する。
図1において、コンベアV1の上流側(図の上方側)からコンベア上に送り込まれたパレットPは、コンベアV1によってその長手方向に沿って搬送され判別装置Aの位置まで来ると、パレット位置決め機構N1によって判別装置Aの判定位置に位置決めされる。そして、木製パレットPとプラスチック製パレットP’の判別が行われ、その判別信号が制御装置Rに入力される。
【0268】
この判別が終了しパレット位置決め機構N1による係止状態が解除されて判別装置Aを通過したパレットPは裏ボード欠損検知装置B,釘飛出し検査装置Cおよび長手方向側部欠損検知装置Dの設置位置を順次通過してゆく。
【0269】
この通過の際に、判別装置Aにおいてプラスチック製パレットP’と判定されたパレットPが通過する場合には、制御装置Rは判別装置Aからの判別信号に基づいて裏ボード欠損検知装置Bおよび釘飛出し検査装置Cは不作動にされるか、またはこれらの検知装置からの検知信号は無視する。
【0270】
裏ボード欠損検知装置Bによって木製パレットPについて裏デッキボード2および裏エッジボード2Aの欠損の有無の検出が行われ、釘飛出し検査装置Cによって木製パレットPについて表デッキボード1および表エッジボード1A上に釘が飛び出しているか否かの検出が行われ、長手方向側部欠損検知装置Dによって木製パレットPについてブロック5,短手けた板4および長手けた板3の長手側側面の欠損および飛び出しが、またプラスチック製パレットP’についてはその長手側側面部の欠損の有無の検出が行われる。そして、これらの検知装置からの検出信号は、制御装置Rに入力される。
【0271】
次にパレットPは、長手方向がたつき検知装置Eの位置まで来ると、パレット位置決め機構N2によって長手方向がたつき検知装置Eの検査位置に位置決めされる。そして、この長手方向がたつき検知装置Eによって、木製パレットPについて長手けた板3と裏エッジボード2A間のがたつきの有無が検出され、その検出信号が制御装置Rに入力される。
【0272】
長手方向がたつき検知装置Eによる検査が終了したパレットPは、コンベアV2上からコンベアV3上に送り込まれる。
このとき、コンベアV2とコンベアV3の間に配置された方向転換用リフタTのテーブルT11が上昇位置にあり、チェーンベルトv5がコンベアV2の搬送面と同じ高さに待機していて、コンベアV2によって搬送されて来たパレットPがモータM5によって駆動されるチェーンベルトv5上に移載される。このとき、コンベアV3の搬送面は、コンベアV2およびチェーンベルトv5の搬送面よりも少し低くなるように設置されているために、パレットPの下面がコンベアV3に引っ掛かることはない。
【0273】
そして、パレットPが方向転換用リフタT上に移載された後、シリンダTSが作動されてテーブルT11が下降される。これによって、パレットPがコンベアV3上に載置され、チェーンベルトv5はパレットPの下面から離間する。これによって、それまでその長手方向に沿って搬送されていたパレットPは、コンベアV2に対して直角方向に配置されたコンベアV3によって、以後、その短手方向に沿って搬送されることになる。
【0274】
コンベアV3によって搬送されるパレットPが表・裏ボード欠損検知装置Fおよび短手側部欠損検知装置Gの位置まで来ると、表・裏ボード欠損検知装置Fによって木製パレットPについて表デッキボード1,表エッジボード1Aおよび短手けた板4の欠損の有無の検出が行われ、短手側部欠損検知装置Gによって木製パレットPについてそのブロック5,短手けた板4および長手けた板3の短手側側面の欠損および飛び出しが、またプラスチック製パレットP’についてはその短手側側面部の欠損の有無の検出が行われる。そして、これらの検知装置からの検出信号は、制御装置Rに入力される。
【0275】
次に、パレットPが腐り検知装置Hおよびひび割れ検知装置Jの位置まで来ると、パレット位置決め機構N3によってその検査位置に位置決めされる。
そして、腐り検知装置Hによってブロック5および裏デッキボード2の腐りおよび欠損の有無が検出され、ひび割れ検知装置Jによって木製パレットPについて表デッキボード1および表エッジボード1Aのひび割れの有無の検出が、またプラスチック製パレットP’について天板部のひび割れの有無の検出が行われる。そして、これらの検知装置からの検出信号は、制御装置Rに入力される。
【0276】
パレットPがパレット位置決め機構N3の解除後、短手方向がたつき検知装置Kの位置に来ると、パレット位置決め機構N4によってその検査位置に位置決めされる。
【0277】
そして、短手方向がたつき検知装置Kによって、木製パレットPについて表エッジボード1Aと短手けた板4間のがたつきの有無が検出され、その検出信号が制御装置Rに入力される。
【0278】
以上のようにして、パレットPについて各検知装置による検査が終了した後、制御装置Rは、パレットPに不良があった場合には、図示しないランプの点灯,ブザーによる警報またはディスプレーへの表示等の方法によりパレットPの不良が作業者に知らせて作業者による不良パレットの分別を行わせるか、またコンベアV4に分岐コンベアを連結することによって自動的に不良パレットの分別を行わせる。
【0279】
なお、各不良部位の検査の順序は任意でよく、従って、各検査装置の配置の順序は、それぞれパレットPの長手方向および短手方向ごとにこの不良検査システムの設置スペースに合せて、任意に設定することができる。
【0280】
また、長手方向がたつき検知装置Eと短手方向がたつき検知装置Kはともに、木製パレットPの長手方向と短手方向の何れの方向からもがたつきを検査できるので、木製パレットPの長手方向と短手方向からのがたつき検査について、長手方向がたつき検知装置Eと短手方向がたつき検知装置Kのどちらの装置を用いてもよい。
【0281】
また、上記例においては、最初にパレットPをその長手方向に沿って搬送して不良検査を行っているが、パレットPを最初にその短手方向に沿って搬送して検査を行うようにしてもよい。
【0282】
この場合には、木製パレットPとプラスチック製パレットP’との判別は、図58ないし60に示されるように、判別装置A’の透過式光電スイッチASW1’とASW2’が、それぞれコンベアV1を挟むようにかつ木製パレットPの裏デッキボード2と裏エッジボード2Aの間で短手けた板4の下方の隙間に対向するように配置される。
【0283】
これは、一般に、図59と図60を比較して分かるように、プラスチック製パレットP’の木製パレットPの裏デッキボード2と裏エッジボード2Aの間に対応する部分が塞がれていることを利用したものである。
【0284】
すなわち、木製パレットPの場合には、光電スイッチASW1’およびASW2’の発光側からの光が木製パレットP内を通過して受光されることにより光電スイッチASW1’およびASW2’がオンするが、プラスチック製パレットP’の場合は、光電スイッチASW1’およびASW2’の発光側からの光がプラスチック製パレットP’の側面部に遮られてオンしないので、この光電スイッチASW1’,ASW2’のオン・オフによって木製パレットPとプラスチック製パレットP’の判別が行われる。
【0285】
なお、透過式の光電スイッチの代りに反射式の光電スイッチを使用する場合には、コンベアの片側に光電スイッチを配置しておけばよく、この場合には、反射式の光電スイッチは、木製パレットPの場合にオフし、プラスチック製パレットP’の場合にオンすることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】同例のコンベアおよび方向転換用リフタの配置を示す図である。
【図3】同例における上流側のコンベアと方向転換用リフタを示す側面図である。
【図4】同例における下流側のコンベアと方向転換用リフタを示す側面図である。
【図5】同例における方向転換用リフタを示す側面図である。
【図6】同方向転換用リフタの平面図である。
【図7】同例における判別装置における光電スイッチの配置を示す配置図である。
【図8】同判別装置による木製パレットの判別方法を示す説明図である。
【図9】同判別装置によるプラスチック製パレットの判別方法を示す説明図である。
【図10】同例における裏ボード欠損検知装置を示す正面図である。
【図11】同裏ボード欠損検知装置の側面図である。
【図12】同例における釘飛出し検査装置を示す正面図である。
【図13】同釘飛出し検査装置の中央部釘検知機構を示す正面図である。
【図14】同中央部釘検知機構の側図である。
【図15】同中央部釘検知機構の後面図である。
【図16】同釘飛出し検査装置の左側部釘検知機構を示す正面図である。
【図17】同左側部釘検知機構の側図である。
【図18】同釘飛出し検査装置の各釘検知機構の作動状態を示す側面図である。
【図19】同釘飛出し検査装置の各釘検知機構がパレットの上面の傾斜に従って傾斜している状態を示す正面図である。
【図20】同例における長手方向側部欠損検知装置を示す平面図である。
【図21】同長手方向側部欠損検知装置の正面図である。
【図22】同長手方向側部欠損検知装置を拡大して示す平面図である。
【図23】同長手方向側部欠損検知装置を拡大して示す正面図である。
【図24】パレットのブロックの欠損状態を示す斜視図である。
【図25】同例における長手方向がたつき検知装置を示す正面図である。
【図26】同長手方向がたつき検知装置の側面図である。
【図27】同長手方向がたつき検知装置の部分拡大図である。
【図28】同長手方向がたつき検知装置の作動を説明するための作動説明図である。
【図29】同長手方向がたつき検知装置の作動を説明するための作動説明図である。
【図30】同例における表・裏ボード欠損検知装置を示す正面図である。
【図31】同表・裏ボード欠損検知装置の部分拡大側面図である。
【図32】同例における腐り検知装置を示す平面図である。
【図33】図32をXXXIII−XXXIII線において見た図である。
【図34】図33をXXXIV−XXXIV 線において見た図である。
【図35】同腐り検知装置Hの検出部を示す側面図である。
【図36】同検出部をその一部を断面して示す平面図である。
【図37】同検出部の後面図である。
【図38】同検出部のパレットに腐りや欠損が生じていない場合の作動状態を示す側面図である。
【図39】同検出部のパレットに腐りや欠損が生じている場合の作動状態を示す側面図である。
【図40】同例におけるひび割れ検知装置Jの外観斜視図である。
【図41】パレットの検査面の分割状態を示す説明図である。
【図42】検査処理方法を示すフローチャートである。
【図43】基準二値化レベル設定の処理を示す説明図である。
【図44】検査対象領域を示す説明図である。
【図45】ボード寸法検査の処理を示す説明図である。
【図46】ひび割れ検査の処理を示す説明図である。
【図47】ボード欠損検査の処理を示す説明図である。
【図48】同例における短手方向がたつき検知装置を示す正面図である。
【図49】同短手方向がたつき検知装置の側面図である。
【図50】同短手方向がたつき検知装置の作動を説明するための作動説明図である。
【図51】同短手方向がたつき検知装置の作動を説明するための作動説明図である。
【図52】同短手方向がたつき検知装置の作動を説明するための作動説明図である。
【図53】同短手方向がたつき検知装置における基準位置設定機構の作動を説明するための作動説明図である。
【図54】同例におけるパレット位置決め機構を示す側面図である。
【図55】同パレット位置決め機構の正面図である。
【図56】同パレット位置決め機構の検知機構を示す拡大側面図である。
【図57】同検知機構の作動状態を示す拡大側面図である。
【図58】同例においてパレットを短手方向から判別する判別装置における光電スイッチの配置を示す配置図である。
【図59】同判別装置による木製パレットの判別方法を示す説明図である。
【図60】同判別装置によるプラスチック製パレットの判別方法を示す説明図である。
【図61】木製パレットを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 …表デッキボード(木製部品)
1A…表エッジボード(木製部品)
2 …裏デッキボード(木製部品)
2A…裏エッジボード(木製部品)
3 …長手けた板(木製部品)
4 …短手けた板(木製部品)
5 …ブロック(木製部品)
A …判別装置
B …裏ボード欠損検知装置
C …釘飛出し検査装置
D …長手方向側部欠損検知装置(第1側部欠損検知装置)
E …長手方向がたつき検知装置(第1側部がたつき検知装置)
F …表・裏ボード欠損検知装置
G …短手側部欠損検知装置(第2側部欠損検知装置)
H …腐り検知装置
J …ひび割れ検知装置
K …短手方向がたつき検知装置(第2側部がたつき検知装置)
V1,V2…コンベア(第1搬送部材)
V3,V4…コンベア(第2搬送部材)
T …方向転換用リフタ(移載装置)
P …パレット
P …木製パレット
P’…プラスチック製パレット
ASW1,ASW2,ASW1’,ASW2’…光電スイッチ
B2…レバー
BSW…光電スイッチ
C10…梁(機枠)
C20…固定プレート
C21…リニアボックス
C22…リニアシャフト
C24…架台
C25…スプリング
C26…軸
C27…本体フレーム
C28…シャフト
C30…転動輪
C31…シャフト
C32…ドッグ支持フレーム(検査部支持フレーム)
C33,C43,C53…ドッグ(検査部材)
C33a,C43a,C53a…当接部(検知面)
C35…押し圧調整ねじ(ねじ部材)
C36…スプリング(ばね部材)
C38…近接センサ(検知部材)
D11,D11’…検査装置
D12A,D12B,D12C,D12D…レバー
D16A,D16B,D16C,D16D…スプリング(付勢部材)
D17…ゴム製ブロック(位置決め部材)
D18A,D18B,D18C,D18D…検知ローラ
DS1,DS2,DS3,DS4,DS5,DS6…光電スイッチ(検知部材)
E100…がたつき検査装置
E102A,E102B…ロータリ式エアシリンダ
E106…ばね
E107A,E107B…加圧ドッグ
E108a,E108b…リードスイッチ
F2,F5…レバー
FSW1,FSW2…光電スイッチ
G11,G11’…検査装置
G12A,G12B,G12C,G12D…レバー
G18A,G18B,G18C,G18D…検知ローラ
H11…台座
H16A,H16B,H16A’,H16B’…フレーム(スライドフレーム)
H19…検出部支持フレーム
H23…シリンダ(駆動部材)
H23A…シリンダ本体
H23B…ピストンロッド
H30…ブラケット(支持本体)
H31A,H31B,H31C…検査針
H31a,H31b,H31c…針部
H33A,H33B,H33C…スプリング(付勢部材)
H35A,H35B,H35C…スプリング(付勢部材)
H36A,H36B,H36C…位置検出子(位置検出部材)
H39A…発光素子
H39B…受光素子
H40,H40’…クッションラバー(クッション部材)
HS …検出部
J4…照明装置
J5−1〜J5−4…副検査面
J6−1〜J6−4…(第1〜第4)撮像信号
J7−1〜J7−4…(第1〜第4)カメラ
J8…画像処理装置
J9…ディスプレイ
K11…台座
K13…スライド台
K16A,K16B…ブラケット昇降フレーム
K16a,K16b…加圧ブラケット
K18…シリンダ
K19…固定ブラケット昇降フレーム
K21…シリンダ
K30…基準位置設定機構
K31…基盤
K33…昇降フレーム
K34…シリンダ
K34A…ピストンロッド
K35…ガイドシャフト
K36…昇降板
K37…ばね
K38A…当接部
K40…近接センサ
K41…検出子
T11…テーブル
TS…シリンダ
v5…チェーンベルト

Claims (15)

  1. 物品を搬送するために使用される木製パレットおよびプラスチック製パレットの不良部位を検査するパレットの不良検査システムであって、
    パレットをその一方の側部と平行な方向に搬送する第1搬送部材と、
    この第1搬送部材の搬送方向と直角方向に延び第1搬送部材の下流側に接続されて第1搬送部材によって搬送されてきたパレットをその他方の側部と平行な方向に搬送する第2搬送部材と、
    第1搬送部材と第2搬送部材の接続部に配置され第1搬送部材によって搬送されてきたパレットをこのパレットの向きを変えることなく第2搬送部材に移載する移載装置とを備え、
    第1搬送部材の上流側に搬送されてくるパレットが木製であるかプラスチック製であるかを判別する判別装置が設置され、
    搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードの欠損を検出する裏ボード欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの木製部品を組み付ける釘の飛出しを検出する釘飛出し検査装置と、搬送されてくる木製パレットおよびプラスチック製パレットの搬送方向と平行な側部の欠損を検出する第1側部欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部を構成する木製部品のがたつきを検出する第1がたつき検知装置が、判別装置の設置位置よりも下流側の第1搬送部材または第2搬送部材のうち一方の搬送部材に沿って任意の順で設置され、
    搬送されてくる木製パレットの表面および裏面を構成するボードの欠損を検出する表・裏ボード欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットおよびプラスチック製パレットの搬送方向と平行な側部の欠損を検出する第2側部欠損検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部の腐りを検出する腐り検知装置と、搬送されてくる木製パレットおよびプラスチック製パレットの表面のひび割れを検出するひび割れ検知装置と、搬送されてくる木製パレットの搬送方向と平行な側部を構成する木製部品のがたつきを検出する第2がたつき検知装置が、判別装置の設置位置よりも下流側の第1搬送部材または第2搬送部材のうち他方の搬送部材に沿って任意の順で設置され、
    判別装置によって搬送されてくるパレットがプラスチック製パレットであると判定されたとき、このパレットが通過する際に、裏ボード欠損検知装置、釘飛出し検査装置、第1がたつき検知装置、表・裏ボード欠損検知装置、腐り検知装置および第2がたつき検知装置がそれぞれ不作動にされることを特徴とするパレットの不良検査システム。
  2. 前記判別装置が、第1搬送部材の側方において第1搬送部材の搬送方向と平行に配列されかつ第1搬送部材によって搬送されてくるパレットの側部の中間位置に対向するように設置された一対の光電スイッチを備え、この一対の光電スイッチの間の間隔が、木製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロックの幅よりも広くプラスチック製パレットの表面と裏面のボードを連結するブロック部の幅よりも狭くなるように設定されている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  3. 前記判別装置が、第1搬送部材の側方に第1搬送部材によって搬送されてくるパレットの側部の下縁部に対向するように設置された光電スイッチを備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  4. 前記裏ボード欠損検知装置が、
    第1搬送部材または第2搬送部材の下方の搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて上端部が搬送されてくる木製パレットの裏面のボードに摺接されるレバーと、
    待機状態にあるレバーの側部に対向する位置に設置された第1光電スイッチと、
    第1搬送部材または第2搬送部材の搬送路の近傍に設置されてパレットの先端部がレバーの上方位置に達したことを検知する第2光電スイッチと、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  5. 前記釘飛出し検査装置が、
    第1搬送部材または第2搬送部材に隣接するように配置された機枠に搬送されてくる木製パレットの所要の面に対しこの木製パレットの搬送方向と直角方向にスライド自在にかつ木製パレットの側に付勢された状態で取り付けられた本体フレームと、
    この本体フレームに回転自在に取り付けられ木製パレットの前記所要の面に押し付けられてこの面上を転動する転動輪と、
    この転動輪の回転軸の軸方向と平行な軸線を中心に本体フレームに回動自在に取り付けられた検査部支持フレームと、
    この検査部支持フレームに一体的に取り付けられ木製パレットの前記所要の面と平行でかつこの所要の面に摺接される検知面を有する検査部材と、
    この検査部材の検知面が木製パレットの前記所要の面に押圧される方向に検査部支持フレームを付勢する付勢部材と、
    本体フレームに取り付けられて検査部材が木製パレットの前記所要の面に押圧された状態からこの所要の面から離間する方向に回動されたことを検知する検知部材と、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  6. 前記第1側部欠損検知装置および第2側部欠損検知装置がそれぞれ、
    第1搬送部材または第2搬送部材の側方部に配置され機枠に基端部を軸支されて水平面内において回動自在なレバーと、
    機枠に取り付けられてレバーを第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対してほぼ直角方向に向くように位置決めするとともに搬送部材の搬送方向下流側へのレバーの回動を許容する位置決め部材と、
    レバーと機枠との間に介装されてレバーを位置決め部材に当接する方向に付勢する付勢部材と、
    レバーの先端部に第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてくるパレットの任意の部分の高さと同じ高さに位置されて鉛直軸を中心に回転自在に取り付けられ、レバーが位置決め部材によって位置決めされている状態で、一部が、搬送されて来るパレットの前記任意の部分の側面よりも搬送部材の内側に位置される検知ローラと、
    機枠に取り付けられてレバーが位置決め部材によって第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対してほぼ直角方向に向く位置に位置決めされていることを検知する第1検知部材と、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  7. 機枠に取り付けられて、第1搬送部材または第2搬送部材によって搬送されてくる木製パレットの前記任意の木製部品が正常位置に組み付けられているときにこの任意の木製部品に検知ローラが乗り上げることによってレバーが回動する位置よりもさらにレバーが搬送部材の搬送方向において下流側に回動されたことを検知する第2検知部材をさらに備えている請求項6に記載のパレットの不良検査システム。
  8. 前記第1がたつき検知装置および第2がたつき検知装置が、
    装置本体と、
    この装置本体に対しスライド自在に取り付けられたスライド台と、
    このスライド台に取り付けられ、スライド台が装置本体に対して前進位置にスライドされた際にスライド台とともに前進して木製パレットを構成する木製部品間の隙間に進入し、対向する木製部品に押接されることによりこの木製部品に負荷を作用させて互いに離間する方向に付勢自在な負荷作用部材と、
    この負荷作用部材を木製部品に押接する方向に作動させる駆動部材と、
    装置本体に設けられ、負荷作用部材により木製部品に負荷が作用した際にこの木製部品の負荷作用点の変位があらかじめ定められた所定の値よりも大きいときに検出信号を発生する検出部材と、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  9. 前記負荷作用部材が、前記スライド台にこのスライド台のスライド方向と直交する方向にスライド自在に取り付けられた加圧部材およびこの加圧部材と対向する位置においてスライド台にこのスライド台のスライド方向と直交する方向にスライド自在に取り付けられた固定部材であり、前記駆動部材が、加圧部材および固定部材にそれぞれ連結されて加圧部材と固定部材とを互いに離間する方向にスライドさせるシリンダ部材である請求項8に記載のパレットの不良検査システム。
  10. 前記負荷作用部材が、前記スライド台にこのスライド台のスライド方向と同一方向に延びる軸を中心に回転自在に取り付けられ回転することによって両端が木製パレットの互いに対向する木製部品に係合される回転体であり、前記駆動部材が、回転体をその軸回りに回転させる回転駆動部材である請求項8に記載のパレットの不良検査システム。
  11. 前記装置本体に固定された基台と、この基台に対し接離自在な可動台と、基台に取り付けられ可動部が可動台に連結されてこの可動台を基台に対して接離させる駆動部材と、可動台に対し基台と反対側に配置され可動台の基台に対する接離方向と同一方向に接離自在に設けられた当接部と、この当接部と可動台との間に介装されて当接部を可動台から離間する方向に付勢するとともに駆動部材の可動台を基台から離間させる力よりも大きい付勢力を有する付勢部材と、可動台に当接部の接離方向に沿って軸線が延びるようにスライド自在に取付けられるとともに当接部に連結されて当接部と一体的にスライドされるスライド部材と、駆動部材を任意の位置でロックするロック部材とを有する基準位置設定機構をさらに備え、
    前記検出部材が基準位置設定機構の可動台に取り付けられて、スライド部材の変位を検出することにより木製部品の負荷作用点の変位を検出する請求項8ないし10の何れかに記載のパレットの不良検査システム。
  12. 前記表・裏ボード欠損検知装置が、
    第1搬送部材または第2搬送部材の上方の搬送されてくる木製パレットの表面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて下端部が搬送されてくる木製パレットの表面のボードに摺接される第1レバーと、
    待機状態にある第1レバーの側部に対向する位置に設置された第1光電スイッチと、
    第1搬送部材または第2搬送部材の下方の搬送されてくる木製パレットの裏面を構成するボードに対向する位置に搬送部材の搬送方向と直交する軸を中心に揺動自在に配置されて上端部が搬送されてくる木製パレットの裏面のボードに摺接される第2レバーと、
    待機状態にある第2レバーの側部に対向する位置に設置された第2光電スイッチと、
    第1搬送部材または第2搬送部材の搬送路の近傍に設置されてパレットの先端部が第1レバーと第2レバーの設置位置に達したことを検知する第3光電スイッチと、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  13. 前記腐り検知装置が、
    第1搬送部材または第2搬送部材の両側においてこの搬送部材によって搬送されてきて所定位置に位置決めされた木製パレットの側部に対向する位置にそれぞれ設置され搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライドして木製パレットに対して接離自在な検出部と、
    第1搬送部材または第2搬送部材の両側に設置された検出部をそれぞれ搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライドさせて互いに接近および離間させる駆動部材とを備え、
    検出部が、第1搬送部材または第2搬送部材の搬送方向に対して直角方向にスライド自在な支持本体と、この支持本体に先端の針部が所定位置に位置決めされた木製パレットの側に向けられるとともに検出部のスライド方向と同一方向にスライド自在に取り付けられ支持本体が所定位置に位置決めされた木製パレットに接近する方向にスライドされた際にこの木製パレットの側部に押接される検査針と、この検査針と支持本体との間に介装されて検査針を所定位置に位置決めされた木製パレットの方向に付勢する付勢部材と、支持本体に取り付けられ支持本体が木製パレットの方向にスライドされて検査針が木製パレットの側部に押接された際に検査針が支持本体に対し相対的に支持本体のスライド方向と反対方向に所定量以上スライドしなかったことを検知する検知部材とを有している、
    請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
  14. 前記検知部材が、支持本体に互いに向き合うように取り付けられた発光素子および受光素子と、検査針に一体的にスライドするように取り付けられ発光素子と受光素子との間に介在されて発光素子と受光素子との間を遮光するとともに支持本体が木製パレットの方向にスライドされて検査針が木製パレットの側部に押接されることにより検査針が付勢部材に抗して支持本体に対し相対的に支持本体のスライド方向と反対方向に所定量以上スライドした際に発光素子と受光素子との間の遮光状態を解除する位置検出部材とを備えている請求項13に記載のパレットの不良検査システム。
  15. 前記ひび割れ検知装置が、パレットを撮像することにより得られる撮像信号に基づいてパレットのひび割れ検査を行なう検知装置であって、
    パレットの検査面を複数の検査領域に分割し、各検査領域を代表する撮像信号の信号レベルを検出して対応する量子化基準レベルを設定するとともにその量子化基準レベルデータを出力する基準レベル設定手段と、
    量子化基準レベルデータに基づいて各検査領域に対応する撮像信号の量子化を行なってその量子化データを出力する量子化手段と、
    量子化データに基づいて検査領域の所定位置の寸法測定を行ない寸法データを算出する寸法算出手段および寸法データと基準値データとしての基準寸法データを比較してパレットの検査面のひび割れの有無の判定を行なう寸法判定手段を有している判定手段と、
    を備えている請求項1に記載のパレットの不良検査システム。
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