JP3596819B2 - 印刷回路用積層板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、積層板を加工する各工程における寸法安定性、反りに優れた印刷回路用積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷回路用積層板として、ガラス不織布を中間層基材とし、これら基材にエポキシ樹脂を含浸させ加熱加圧した積層板(以下、コンポジット積層板という)が大量に使用されるようになった。
コンポジット積層板は、ガラス織布基材のみを使用した積層板に電気絶縁性などの特性が匹敵し、経済的に安価で、かつ打ち抜き加工が可能で、Vカット性が優れており、加工性の良いガラス基材積層板である。
しかし、一般のコンポジット積層板は、中間層にガラス不織布が基材として用いられているため、織布基材を使用した積層板に比べて加熱加圧成形時、及び加工工程時に歪を生じ易いため、寸法安定性、反りが劣るという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面層は熱硬化性樹脂を含浸したガラス織布からなり、中間層は熱硬化性樹脂にフィラーが含有されている樹脂を含浸したガラス不織布からなる積層板において、フィラーの全部又は一部として特定の形状を有するマイカを用いることにより、従来のコンポジット積層板の良好な打ち抜き性及びその他の特徴を失うことなく、積層板加工時の寸法安定性、反りの優れた積層板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面層は熱硬化性樹脂を含浸したガラス織布からなり、中間層は熱硬化性樹脂に対してフィラーが10〜200重量%含有されている樹脂を含浸したガラス不織布からなる積層板において、フィラーの全部又は一部として、平均直径が5〜100μmであり、かつ、アスペクト比が20〜60であるマイカを熱硬化性樹脂に対して5〜50重量%用いたことを特徴とする印刷回路用積層板である。本発明は、上記のような従来のコンポジット積層板の欠点を解決するものであり、中間層にフィラーとして上記マイカを使用することにより加工時の寸法安定性、反りを向上させることができる。
【0005】
本発明に使用されるマイカとしては、たとえばマスコバイト、フロゴパイトなどが挙げられる。平均直径は5〜100μm、アスペクト比は20〜60のものが好ましく使用される。平均直径5μm未満あるいはアスペクト比20未満では積層板加工時の寸法安定性、反り防止の点で不十分となりやすく、平均直径100μmを超えたり、アスペクト比60を超えたりすると、樹脂ワニス中に均一に混合することが容易でなく、積層板中でも不均一となる傾向がある。またマイカ以外のフィラーとしてはたとえば、水酸化アルミニウム、タルク、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0006】
【作用】
従来使用されている水酸化アルミニウム、タルクなどのフィラーはほとんどが球状物であった。これに対し、本発明で用いられるマイカは高いアスペクト比(フィラーの直径/厚み)を持っているので積層板中において配向し、2次元的な補強効果を有している。そのため、寸法安定性、反りの優れたコンポジット積層板を得ることが可能となる。マイカは熱硬化性樹脂に対して5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%が望ましく、50重量%を超えると積層板の耐熱性が低下したり、積層成形時において、中間層の基材間ですべりが発生したりするため好ましくなく、5重量%未満ではマイカ配合の効果が小さい。
【0007】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例(従来例)を示す。
《実施例1》
表面層及び中間層のエポキシ樹脂配合のワニスの組成は次の通りである。
(1)臭素化エポキシ樹脂(油化シェル製 Ep−1046) 80部
(2)ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製 Ep−152) 20部
(3)ジシアンジアミド 4部
(4)2エチル4メチルイミダゾール 0.15部
(5)メチルセロソルブ 36部
(6)アセトン 60部
前記材料を混合して均一なワニスを作製した。
【0008】
次にこの調整ワニスをガラス織布(日東紡 WE−18KRB−84)に樹脂含有量が35〜50%になるように含浸乾燥してガラス織布プリプレグ(A)を得た。
続いて、上記のエポキシ樹脂配合のワニスに樹脂分100部に対し次の配合の無機充填剤を添加し、撹拌混合し、無機充填剤含有ワニスを作製した。
(1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 90部
(昭和電工製 ハイジライトH−141)
(2)マイカ(平均直径18μm、アスペクト比35) 10部
【0009】
この無機充填剤含有ワニスをガラス不織布(日本バイリーン製 EP−4075)に樹脂及び無機充填剤の含有量が75〜85%になるように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ(B)を得た。
次に、前記ガラス不織布プリプレグ(B)を3枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布(A)を各1枚配置し、更にその両面に18μmの銅箔を配置し、成形温度165℃、圧力60kg/cm2 で90分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張積層板を得た。
【0010】
《実施例2》
表面層は実施例1と同様に作製し、中間層のフィラー入りワニスを上記のエポキシ樹脂配合のワニスに樹脂分100部対し次の配合の無機充填剤を添加し、撹拌混合し、無機充填剤含有ワニスを作製した。
(1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 80部
(昭和電工製 ハイジライトH−141)
(2)マイカ(平均直径18μm、アスペクト比35) 20部
【0011】
この無機充填剤含有ワニスをガラス不織布(日本バイリーン製 EP−4075)に樹脂及び無機充填剤の含有量が75〜85%になるように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ(B)を得た。
次に、前記ガラス不織布プリプレグ(B)を3枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布(A)を各1枚配置し、更にその両面に18μmの銅箔を配置し、成形温度165℃、圧力60kg/cm2 で90分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張積層板を得た。
【0012】
《比較例》
表面層は実施例1と同様に作製し、中間層のフィラー入りワニスを上記のエポキシ樹脂配合のワニスに樹脂分100部対し次の配合の無機充填剤を添加し、撹拌混合し、無機充填剤含有ワニスを作製した。
(1)ギブサイト型水酸化アルミニウム 100部
(昭和電工製 ハイジライトH−141)
この無機充填剤含有ワニスをガラス不織布(日本バイリーン製 EP−4075)に樹脂及び無機充填剤の含有量が75〜85%になるように含浸乾燥して、ガラス不織布プリプレグ(B)を得た。
【0013】
次に、前記ガラス不織布プリプレグ(B)を3枚重ね中間層とし、上下表面層に前記ガラス織布(A)を各1枚配置し、更にその両面に18μmの銅箔を配置し、成形温度165℃、圧力60kg/cm2 で90分間積層成形して厚さ1.6mmの銅張積層板を得た。
【0014】
以上の実施例及び比較例により得られた銅張積層板について、回路板の加工工程における寸法変化率(収縮率)、反りを測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0015】
(測定方法)
寸法変化率 及び 反り:JIS C 6481に準じて測定。
表1からも明らかなように、中間層のフィラーとしてマイカを使用したコンポジット積層板は寸法安定性、反りに優れている。
【0016】
【発明の効果】
本発明による積層板は、中間層のフィラーとして特定の形状を有するマイカを使用することにより、従来のコンポジット積層板に比べ、寸法収縮率、反りが低減して、寸法安定性が良好となり工業的な印刷回路用積層板として好適である。
Claims (1)
- 表面層は熱硬化性樹脂を含浸したガラス織布からなり、中間層は熱硬化性樹脂に対してフィラーが10〜200重量%含有されている樹脂を含浸したガラス不織布からなる積層板において、前記フィラーの全部又は一部として、平均直径が5〜100μmであり、かつ、アスペクト比が20〜60であるマイカを熱硬化性樹脂に対して5〜50重量%用いたことを特徴とする印刷回路用積層板。
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JP31790493A JP3596819B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 印刷回路用積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31790493A JP3596819B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 印刷回路用積層板 |
Publications (2)
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JPH07176844A JPH07176844A (ja) | 1995-07-14 |
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Family Applications (1)
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JP31790493A Expired - Fee Related JP3596819B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 印刷回路用積層板 |
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JP2002294034A (ja) * | 2001-04-02 | 2002-10-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂組成物及びそれを用いたプリント配線板用プリプレグ及び金属張り積層板 |
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1993
- 1993-12-17 JP JP31790493A patent/JP3596819B2/ja not_active Expired - Fee Related
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