JP4178796B2 - 金属張り積層板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電気・電子機器等に用いられるプリント配線板用金属張り積層板に関し、耐トラッキング性、打抜き加工性に優れた金属張り積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
民生用電子機器、産業用電子機器の小型化、高性能化に伴い計測機器やコンピューター、テレビ、エアコン等の高電圧が印可かれる電源基板にFR−4積層板が多く使われており、最近ではPL法の施行等により耐トラッキング特性や難燃性等の安全性に対する要求や材料のノンハロゲン化の要求が非常に多くなっている。これらに対応するため耐トラッキング積層板やノンハロゲン積層板が多く上市されており、耐トラッキング特性の向上やノンハロゲン化を図るために、充填剤の添加による方法が主流となっている。主に難燃効果のある水酸化アルミニウムが多く使用されており、必要特性に応じてシリカやタルク及び炭酸カルシウム等の充填剤が併用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
耐トラッキング特性の向上やノンハロゲン化を図るために、充填材を添加することは層間の接着強度を低下させる。また、無機充填材の殆どは樹脂に比べ硬いため、積層されたプリント板は非常に硬くなっている。このため、プリント配線板の打抜き加工性が悪くなり、打抜き個所での層間剥離が発生することが多く、また、金型の摩耗が早くなる傾向にあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題点を解決するため、FR−4積層板の耐トラッキング特性等を低下させることなく、打抜き加工性を向上させた金属張り積層板を提供しようとするものである。本発明は(a)エポキシ樹脂、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、(c)硬化促進剤、(d)充填剤を必須成分とした熱硬化性樹脂をガラス織布に含浸して得られたプリプレグを少なくとも銅箔と接する面に使用し金属箔と積層し、加熱加圧成形する金属張り積層板の製造において、表布プリプレグと接する2層目にジシアンジアミドを必須成分とした充填剤を含有しない熱硬化性樹脂をガラス織布に含浸して得られるプリプレグを用いることを特徴とする金属張り積層板の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。(a)のエポキシ樹脂については、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等があり、またこれらを臭素化したものであってもよい。なお、臭素化したエポキシ樹脂を用いない場合では、テトラブロモビスフェノールAやテトラフェニルホスフィン等を難燃剤として添加することも可能である。また、これらのエポキシ樹脂の分子量は特に制限はなく、何種類かを併用することができる。
【0006】
本発明で用いる(b)のビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物は分子量の制限はなく、ビスフェノールAモノマーが含まれていてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノールノボラックエポキシ樹脂やメラミン変性ノボラック樹脂等のフェノール樹脂を併用することも可能である。硬化剤の配合量は、エポキシ当量と水酸基当量の比が0.8〜1.2となるように配合するのが望ましい。
本発明に用いられる(c)の促進剤については、イミダゾール化合物やアミン類等があるが特に制限はない。
本発明に用いられる(d)充填剤については水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、ワラストナイト、水酸化マグネシウム、クレー、炭酸カルシウム等があるが、耐トラッキング性、難燃性、加工性の面で好ましくは水酸化アルミであり、特性に応じ充填剤を何種類か併用することが望ましい。
【0007】
ガラス織布については、通常使用されているもので良く特に規定はなく、0.02〜0.4mmまでのものを目的のプリプレグ、積層板の厚さに合わせて使用することができる。これらのエポキシ樹脂、硬化剤、促進剤、充填剤を必須成分とするワニスを織布に含浸、乾燥しプリプレグを作製する。プリプレグを製造する際の乾燥条件は、60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。
【0008】
本発明の最外層以外に用いるプリプレグは、ジシアンジアミドを必須成分とした無機充填剤を含有しない熱硬化性樹脂ワニスをガラス織布に含浸、乾燥したプリプレグであればよい。
この充填剤含有プリプレグを最外層に、充填剤を含有しないプリプレグの複数枚を中間層に構成し、銅箔を上下に配し、加熱・加圧しFR−4積層板を製造することができる。
積層板の加熱温度は130〜200℃、より好ましくは160〜180℃で圧力は0.5〜10MPa、好ましくは1〜4MPaであり、プリプレグ特性やプレス機の能力、目的の積層板の厚みにより決定する。
【0009】
本発明は(a)エポキシ樹脂、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、(c)硬化促進剤、(d)充填剤を必須成分としたプリプレグを銅箔と接する面に配し、充填剤を含有しないジシアンジアミドを必須成分とするプリプレグを表布と接する第2層目に用いることで、FR−4積層板の耐トラッキング特性を低下させることなく、打抜き加工性を向上させることができたものである。
充填剤を含有したプリプレグを単一構成した場合、充填剤の影響により層間接着力が低下し、このため打抜き加工性が低下する。そこで、本発明ではエポキシ樹脂とビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物の反応において触媒効果のあるジシアンジアミドを含有しているプリプレグを用いることで表布プリプレグと中間層プリプレグの層間接着力が向上させ、耐トラッキング性を低下させることなく、打抜き加工性に優れた金属張り積層板を提供することが可能となった。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明における実施例と比較例を示す。「部」は「重量部」を示す。
実施例1
・臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60部
(エポキシ当量480、臭素含有量21.5%)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部
(エポキシ当量450)
・ビスフェノールA型ノボラック樹脂 24.5部
(水酸基当量118)
・2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.2部
・水酸化アルミニウム 150部
上記化合物をメチルエチルケトンに溶解し、不揮発分75%のワニスを作製した。このワニスをガラス織布(厚み0.2mm、坪量210g/m2 )に樹脂分が46%になるように含浸・乾燥し表布プリプレグAを得た。
・臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100部
(エポキシ当量480、臭素含有量21.5%)
・ジシアンジアミド 2.6部
・2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.2部
・エチレングリコールモノメチルエーテル 26部
上記化合物をメチルエチルケトンに溶解し、不揮発分60%のワニスを作製した。このワニスをガラス織布(厚み0.2mm、坪量210g/m2 )に樹脂分が46%になるように含浸、乾燥し表布プリプレグBを得た。このプリプレグAを最外層に2枚、2層目にプリプレグBを2枚、中間層にプリプレグAを4枚構成し、その両側に18μmの銅箔を配し、170℃、90分、4MPaでプレス成形し厚さ1.6mmのFR−4積層板を得た。
【0011】
実施例2
実施例1のプリプレグAを最外層に2枚、中間層にプリプレグBを6枚構成し、実施例1と同様にFR−4積層板を得た。
【0012】
比較例1
実施例1のプリプレグAを8枚構成し、実施例1と同様にFR−4積層板を得た。
【0013】
比較例2
実施例1のプリプレグBを4枚、その外側にプリプレグAを2枚づつ構成し、実施例1と同様にFR−4積層板を得た。
【0014】
得られた積層板について、それぞれIEC.PUB.112に準じ、耐トラッキング性の評価を実施した。また打抜き加工性については、外形加工用金型を用いて、打抜き個所の剥離量を測定した。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
以上の結果より明らかなように(a)エポキシ樹脂、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、(c)硬化促進剤、(d)充填剤を必須成分としたプリプレグAを表布に配し、充填剤を含有しないジシアンジアミドを必須成分とするプリプレグBを表布と接する2層目に用いることで、FR−4積層板の耐トラッキング特性を低下させることなく、打抜き加工性を向上させることができたものである。(実施例1、2と比較例1、2)
Claims (1)
- (a)エポキシ樹脂、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、(c)硬化促進剤、(d)充填剤を必須成分とした熱硬化性樹脂をガラス織布に含浸して得られたプリプレグを少なくとも銅箔と接する面に使用し金属箔と積層し、加熱加圧成形する金属張り積層板の製造において、表布プリプレグと接する2層目にジシアンジアミドを必須成分とした充填剤を含有しない熱硬化性樹脂をガラス織布に含浸して得られるプリプレグを用いることを特徴とする耐トラッキング性、打抜き加工性に優れた金属張り積層板の製造方法。
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