JP3596430B2 - Ni基耐熱合金 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
この発明は、熱間加工性、溶接性および耐浸炭性に優れた高温強度の高いNi基耐熱合金に係わり、特にナフサ、プロパン、エタン、ガスオイル等の炭化水素原料を水蒸気とともに800℃以上の高温で分解し、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎製品を製造するエチレンプラント用分解炉および改質炉に使用される管の素材として好適なNi基耐熱合金に関する。
【従来の技術】
【0003】
エチレンプラント用分解炉管の使用温度は、エチレン収率向上の観点から高温化の傾向が強くなってきている。
【0004】
このような分解炉管用材料としては、内面が浸炭雰囲気に曝されるため、高温強度と耐浸炭性に優れた耐熱性が要求される。また一方では、操業中に分解炉管内表面で炭素が析出(この現象はコーキングと呼ばれる)し、その析出量の増加に伴い管内圧力の上昇や加熱効率低下などの操業上の弊害が生じる。したがって、実操業においては定期的に空気や水蒸気で析出した炭素を除去する、いわゆるデコーキング作業がおこなわれているが、その間の操業停止や作業の工数などが大きな問題になる。このようなコーキングとそれに伴う諸問題は、分解炉管のサイズが収率向上に有利な小径管になるほど深刻になる。
【0005】
コーキング防止を目的とした従来技術として、例えば特開平2−8336号公報には、合金中に28%以上のCrを含有させて合金表面に強固で安定なCr2O3皮膜を形成させ、炭素析出を促進する触媒元素であるFeおよびNiの表面への露出を防止し、コーキングを抑制することが提案されている。
【0006】
一方、耐浸炭性向上のためには、例えば特開昭57−23050号公報に開示されているように、合金中のSi含有量を高めるのが有効であることが知られている。
【0007】
しかしながら、上述の従来技術には次のような問題点がある。
【0008】
コーキング防止の点から特開平2−8336号公報のような高Cr合金を高温強度部材として適用する場合には、合金中のNi量を高めて金属組織をオーステナイト化する必要があるが、高温強度は従来合金に比べて低いので単独では高温強度部材として適用することは難しい。特開平2−8336号公報には、他の高温強度部材と組み合わせて二重管とし使用することが開示されているが、二重管は製造コストや信頼性の点で問題が多い。
【0009】
本発明者らは、合金中のAl量を高め、メタル表面に強固で緻密なAl2O3皮膜を生成させれば、従来の合金に比較して耐浸炭性および耐コーキング性が著しく向上すること、およびこのような高Al合金では
Ni量を高めることにより高温での使用中にγ'相がマトリックス中に微細析出し、クリープ破断強度も大幅に向上することを見出し、特願平3−308709号(特開平4−358037号公報)、特願平4−41402号(特開平5−239577号公報)として出願した。これら公報は高温での耐浸炭性、耐コーキング性に優れクリープ強度が高いことを特徴とし、エチレンプラント用分解炉管として好適であることを開示している。しかしながら、実機規模での量産化を考慮した場合、製造時の大きな熱間加工が必要となる場合、熱間加工性が十分ではなかった。
【0010】
また、Al量を高めたNi基合金について、特公平3−46535号公報および特開昭6−238434号公報に耐酸化性に優れることを特徴とした合金が開示されている。しかしながら、これら公報に示す合金も熱間加工性および溶接性が十分ではなく、またこれら特性に十分留意した成分設計はなされていない。
【0011】
さらに、特開平7−54087号公報および特開平9−243284号公報においても耐浸炭性および高温強度を特徴としているが、熱間加工性および溶接性については留意されていないのが実情である。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、エチレンプラント用分解炉管がおかれる環境、すなわち浸炭、酸化および温度変動が繰り返される環境下において優れた耐浸炭性および耐コーキング性を有し、かつ熱間加工性おび溶接性に優れた高温強度を有する耐熱合金を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の要旨は以下の通りである。
【0014】
(1)質量%で、C:0.1%以下、Si:2%以下、Mn:2%以下、S:0.003%以下、Cr:10〜25%、Al:2.1〜4%未満、N:0.08%以下およびFe:0.1〜10%を含み、B:0.03%以下、Zr:0.2%以下およびHf:0.8%以下のうちの1種以上を合計で0.001〜1%並びにMo:0.01〜15%およびW:0.01〜9%のうちの1種以上を合計で2.5〜15%を含有し、さらに下記a)〜d)のグループのうちの少なくとも1グループから選ばれた1種以上の元素を含み、残部が実質的にNiからなることを特徴とするNi基耐熱合金。
a)Ti:0.005〜3%
b)Mg:0.0005〜0.01%およびCa:0.0005〜0.01% のうちの1種以上
c)Nb:0.01〜1%、 V:0.01〜1%および Ta:0.01〜2% のうちの1種以上
d)La:0.002〜0.1%、 Ce:0.002〜0.1% および Y:0.002〜0.1% のうちの1種以上
【0015】
(2)炭化水素を含有する雰囲気下で用いる上記(1)に記載のNi基耐熱合金。
【0016】
本発明者らは、高温での耐浸炭性、耐コーキング性を低下させることなく、実用量産合金として熱間加工性、溶接性といった必要不可欠な特性をいかに満足させるかということを課題とし、種々の化学組成の合金を溶製して、鋭意実験、検討を重ねた結果、以下の知見を得るに至った。
【0017】
a)Alを1%以上含有する合金においては、Al系窒化物を形成しやすく、この窒化物系析出物を起点に皮膜の保護性が失われる。
【0018】
b)しかし、Crを10%以上含有させ、さらにNを低減することで4%未満の少ない量のAlであっても、合金表面にアルミナ主体の酸化皮膜を形成させることができ、良好な耐浸炭性と耐コーキング性を付与することができるので、高温強度が向上する。
【0019】
c)Al含有量を4%未満と低めることにより熱間加工性および溶接性は向上するが、それでも一般のFe−Cr−Ni系やNi−Cr系合金と比較すると量産化を考慮した場合十分とは言えない。熱間加工時または溶接時にNi−Al系金属間化合物が析出し、結晶粒内が著しく強化されるために相対的に粒界が弱くなり変形が阻害され、熱間加工性の低下や溶接時に高温割れが発生する。そこで、粒内の強化に対抗できるだけの粒界の強化が重要かつ有効である。
【0020】
d)一方、Alを多く含有するNi基合金は、粒界そのものが弱化しておりその主要因のひとつがSに起因している。Sを0.003%以下に制限すれば改善効果が期待できる。
【0021】
e)さらにB、ZrおよびHfは、粒界での結晶粒の結合力を高めるため、粒界の強化に効果を発揮するので、S含有量を低減すると共にこれらの元素の1種以上を含有させるのがよい。
【0022】
f)熱間加工性の低下、溶接時の高温割れの発生防止には、上記Sの低減およびB、Zr、Hfの1種以上を含有させることが有効であるが、これらの対策のみではまだ十分でなく、さらにNを可能な限り低くすることが重要である。多量のAlを含有するNi基合金では、前述したように鋼中NとAl系窒化物を形成しやすく、この窒化物系析出物が熱間加工性および溶接性を著しく阻害する。
【発明の実施の形態】
【0023】
以下、本発明の合金を構成する化学組成と作用効果について説明する。なお、合金元素の%表示は質量%を意味する。
C:
Cは、炭化物を形成して耐熱鋼として必要な引張強さやクリープ破断強度を向上させるためには有効な元素であるが、0.1%を超えると合金の延性及び靭性の低下が大きくなるばかりでなく、Al含有Ni基合金においてアルミナ皮膜形成を阻害するので、上限を0.1%とした。好ましくは0.09%以下である。さらに好ましくは0.07%以下である。
【0024】
Si:
Siは、脱酸元素として必要な元素であり、さらに耐酸化性や耐浸炭性改善にも寄与する元素であるが、Al含有Ni基合金ではその効果は比較的小さい。一方、Alを多く含有するNi基合金においてSiは、熱間加工性や溶接性を低下させる作用が強いため、特に製造上熱間加工性が重視される場合低い方がよい。耐酸化性、耐浸炭性改善作用を得る必要がある場合もあり、その点を考慮して2%以下とする。望ましいSiの含有量は0.01〜1.5%、さらに望ましくは0.01〜1%である。
Mn:
Mnは、脱酸元素として有効な元素であるが、耐コーキング性の劣化要因となるスピネル型酸化物の皮膜形成を促進する元素であるため、その含有量は2%以下に抑える必要がある。望ましくは1%以下である。
【0025】
S:
Sは、粒界に偏析して結晶粒の結合力を弱め、熱間加工性を劣化させる極めて有害な元素で、上限の規制が極めて重要である。特に、Al含有Ni基合金では粒界強化が重要となるため、Sは極力低減するのが好ましい。熱間加工性および溶接性を改善するために0.003%以下とする。望ましくは0.0025%以下である。
【0026】
Cr:
Crは、耐酸化性や耐コーキング性の改善に有効な元素であり、アルミナ皮膜の生成初期において均一に生成させる作用がある。また、炭化物を形成しクリープ破断強度の向上にも寄与する。さらに、本発明で規定する成分系においてはCrは熱間加工性の向上に寄与する。これらの効果を得るためには10%以上含有させる必要がある。一方、Crを過剰に含有させると逆にアルミナ皮膜の均一な生成を阻害する上、靭性、加工性といった機械的性質を阻害することになる。したがって、本発明ではCr含有量を10〜25%とした。好ましくは12〜23%である。さらに好ましくは12〜20%未満である。
【0027】
Al:
Alは、耐浸炭性および耐コーキング性の向上さらには高温強度の向上に極めて有効な元素であるが、その効果を得るにはコランダム型のアルミナ酸化皮膜を均一に生成させる必要がある。また一方で、γ´相[Ni3(Al、Ti)金属間化合物]を形成して析出強化作用が期待できる。これらの効果を得るためには少なくとも2.1%のAl含有量が必要である。一方、4%以上になると熱間加工性が低下する。したがって、Al含有量を2.1%以上4%未満とする。好ましくは2.1%〜3.5%未満である。
【0028】
N:
N含有量は、本発明において重要な規定の一つである。一般の耐熱鋼においては、Nは固溶強化により高温での強度を高めるのに有効で積極的に用いられているが、Al含有Ni基合金では、鋼中でAlN等の窒化物として析出するために固溶強化が期待できないばかりか熱間加工性、溶接性を著しく阻害する。さらに、窒化物を起点として保護性皮膜を破壊し耐浸炭性を低下させる。しかしながら、極度の低減は精錬上のコスト上昇や歩留まりを引き起こすことから、0.08%以下とする。但し、本質的には可能な限り低減することが好ましく、望ましくは0.055%以下である。さらに望ましくは0.045%以下である。
【0029】
Fe:
Feは、クリープ延性を改善しクリープ破断強度を高め、さらに熱間加工性や常温加工性の改善にも寄与する。これらの効果を得るには0.1%以上含有させる必要がある。ただし、過剰に含有させると逆にクリープ破断強度、熱間加工性とも低下するため含有量の上限は10%とするのがよい。
【0030】
B、Zr、Hf:
これらの元素は主として合金の粒界強化に有効な元素で、熱間加工性、溶接性の改善が図られ、1種以上を含有させることが必要である。しかしながら、過剰に含有させるとクリープ破断強度の低下を引き起こすため、上限はBで0.03%、Zrで0.20%、Hfで0.8%であり、合計で1%とする。また前記効果を得るためには少なくとも合計で0.001%とする必要がある。
【0031】
Mo、W:
MoおよびWは、主として固溶強化元素として有効であり、基地のオーステナイト相を強化することによりクリープ破断強度を上昇させる。過剰に含有させると靭性低下の要因となる金属間化合物が析出するだけでなく、耐浸炭性や耐コーキング性も劣化する。上限はMo、Wの1種以上の合計で15%以下に抑えるべきである。ただし、Moに比較しWは金属間化合物析出による熱間加工性および溶接性低下が大きいためMoよりWの上限を低く制限する必要がある。このため、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜9%の1種以上を合計で2.5〜15%とする。
【0032】
Ni:
Niは安定なオーステナイト組織を得るため、および耐浸炭性確保の点から欠かすことのできない元素であり、特にγ´相による析出強化の効果を高めるためには多いほど望ましい。
【0033】
本発明の課題を解決するためには、少なくとも上記の化学組成を有する合金とする必要があるが、さらに下記のような元素を必要により含有させることができる。
【0034】
Ti:
Tiは、γ´相の析出を促進しクリープ破断強度を向上させる元素である。さらに粒界強化にも寄与する。これらの効果を得るには0.005%以上含有させるのがよい。ただし過剰に含有させるとγ´相が過剰析出し熱間加工性および溶接性が著しく劣化する。そのため含有させる場合は3%以下とするのがよい。好ましくは1%以下である。
【0035】
MgおよびCa:
これらの元素は、主として熱間加工性に有害なSを硫化物として固定し、粒界強度を高めるので熱間加工性を改善する作用があり必要に応じていずれか一方または双方を含有させる。これらの効果を得るにはそれぞれ0.0005%以上含有させるのがよい。しかしながら、過剰に含有させると固溶状態で鋼中に存在し、逆に熱間加工性および溶接性を低下させる。そのため、上限をMg、Caとも0.01%とするのがよい。これらの元素を含有させる場合、[(1.178Mg+Ca)/S]が0.5〜3の範囲に入るように含有させるのが好ましい。
【0036】
Nb、VおよびTa:
これらの元素は、オーステナイト相やγ´相中に固溶するほか炭化物を形成してクリープ破断強度の向上に寄与する。これらの効果を得るためにはそれぞれ0.01%以上含有させるのがよい。しかしながら、過剰に含有させると靭性低下を招くので含有する場合、Nb、Vの上限はそれぞれ1%、Taの上限は2%とするのがよい。好ましい上限は、Nb、Vはそれぞれ0.8%で、Taは1.8%である。なお、2種以上併用する場合でも合計で3%以下とするのが望ましい。
【0037】
La、Ce、NdおよびY:
これらの元素は、主として熱サイクル条件下でのアルミナ皮膜の剥離を防止し、温度が変動する環境下での使用においても耐浸炭性および耐コーキング性を向上させる効果があるため必要に応じ含有させることが可能である。これらの効果を得るには、それぞれ0.002%以上含有させるのがよい。しかし、過剰に含有させるとアルミナ皮膜剥離防止の効果が飽和するばかりでなく、加工性が悪化する。したがって、La、Ce、NdおよびYのそれぞれの上限を0.1%とするのがよい。これらの元素は1種だけ含有させてもよく、また2種以上複合で含有させてもよい。
【0038】
本発明の合金は、通常の溶解および精錬工程で溶製した後、鋳造することにより得られ、鋳造のままでも用いることができる。通常、鋳造後に鍛造、熱間加工、冷間加工等の各加工工程を経て管などの製品にして用いる。
【0039】
なお、粉末冶金法で製品にしてもよい。熱処理は組織の均一化を促進し、本発明合金の性能向上に寄与する。この場合、1100〜1300℃での均一化処理が好ましいが、鋳造あるいは加工のままでの使用も可能である。
【実施例】
【0040】
表1に示す化学組成の合金を、50kg真空高周波炉で溶解後、鍛造により15mm厚の板材とし、1250℃で固溶化熱処理を施して供試材とした。
【0041】
【表1】
【0042】
耐浸炭性、高温強度、熱間加工性および溶接性を評価するため、以下に示す要領で各試験を実施した。
(1)固体浸炭試験(耐浸炭性評価)
試験片:厚さ4mm、幅20mm、長さ30mm
試験方法:浸炭剤中に試験片を挿入し、1150℃に加熱、48時間保持後、試験片の板厚方向の中央部のC含有量をICPにて分析
(2)クリープ破断試験(高温強度評価)
試験片:直径6.0mm、標点距離30mm
試験方法:保持温度1150℃、負荷応力0.9f/mm2の条件で破断までの時間を測定
(3)グリーブル試験(熱間加工性の評価)
試験片:平行部直径10mm、長さ130mmの丸棒試験片
試験方法:1200℃で5分加熱した後、1000℃まで100℃/分で冷却し、その後5/sの歪速度で引張り、破断後Heガスで冷却して絞り値を測定
(4)ロンジバレストレイン(溶接性評価)
試験片:厚さ12mm、幅50mm、長さ200mm
試験方法:電流200A、電圧17V、溶接速度15cm/分にてTIG溶接をおこない、その後2%の曲げひずみを負荷し、そのときの溶接熱影響部(HAZ)のトータル割れ長さを測定した。
【0043】
試験結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
本発明例においては、各試験結果を下記のように評価する。
固体浸炭試験:侵入C量が0.2%以下であれば耐浸炭性に優れていると判断
クリープ破断試験:破断時間が500時間以上であれば高温強度良好と判断
グリーブル試験:絞り率が60%以上を熱間加工性良好と判断
ロンジバレストレイン:トータルの割れ長さが5mm以下を良好と判断。
【0046】
表2から明らかなように、Alを2.1%以上4%未満含有する本発明の合金2、6、7、9、11および13〜14は、熱間加工性、耐浸炭性、溶接性およびクリープ破断強度共に良好である。一方、C含有量およびAl含有量が本発明で規定する範囲外の比較合金Aは、侵入C量が0.55%と極めて高くなっており、また破断時間も120時間と極めて短く耐浸炭性、クリープ破断強度共に好ましくない。また、Al含有量が本発明で規定する上限を超えている比較合金Bは、グリーブル絞りが25%と低く、またロンジバレストレインにおけるHAZのトータル割れ長さが20mmであり、熱間加工性、溶接性ともに劣ることが分かる。また、S含有量が高い比較合金C、N含有量が高い比較合金Dはいずれも熱間加工性、溶接性が不芳である。Cr含有量が本発明で規定する下限未満である比較合金Eは耐浸炭性に劣る。さらに、Si量が高い比較合金FおよびB、Zr、Hfのいずれも含有していない比較合金Gはそれぞれ熱間加工性、溶接性が好ましくない。
【発明の効果】
【0047】
本発明の合金は、熱間加工性、溶接性、耐浸炭性および耐コーキング性に優れた高温強度部材として使用するに十分なクリープ破断強度を有した合金である。
【0048】
特にエチレンプラント用分解炉に使用される管のように浸炭、酸化および温度変動が繰り返される熱分解、熱サイクル環境下において優れた前記特性を発揮する。その結果、本発明の合金を使用することにより、より高温での操業が可能となり連続操業時間の延長、さらには耐久性向上による新材との取り替えスパンの長期化が可能となる。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.1%以下、Si:2%以下、Mn:2%以下、S:0.003%以下、Cr:10〜25%、Al:2.1〜4%未満、N:0.08%以下およびFe:0.1〜10%を含み、B:0.03%以下、Zr:0.2%以下およびHf:0.8%以下のうちの1種以上を合計で0.001〜1%並びにMo:0.01〜15%およびW:0.01〜9%のうちの1種以上を合計で2.5〜15%を含有し、さらに下記a)〜d)のグループのうちの少なくとも1グループから選ばれた1種以上の元素を含み、残部が実質的にNiからなることを特徴とするNi基耐熱合金。
a)Ti:0.005〜3%
b)Mg:0.0005〜0.01%およびCa:0.0005〜0.01% のうちの1種以上
c)Nb:0.01〜1%、 V:0.01〜1%および Ta:0.01〜2% のうちの1種以上
d)La:0.002〜0.1%、 Ce:0.002〜0.1% および Y:0.002〜0.1% のうちの1種以上 - 炭化水素を含有する雰囲気下で用いることを特徴とする請求項1に記載のNi基耐熱合金。
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