JPH05239577A - 加工性に優れるニッケル基耐熱合金 - Google Patents

加工性に優れるニッケル基耐熱合金

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JPH05239577A
JPH05239577A JP4140292A JP4140292A JPH05239577A JP H05239577 A JPH05239577 A JP H05239577A JP 4140292 A JP4140292 A JP 4140292A JP 4140292 A JP4140292 A JP 4140292A JP H05239577 A JPH05239577 A JP H05239577A
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義淳 椹木
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高温強度部材として使用できる優れた熱間加工
性、高温強度、高耐食性をもつニッケル基耐熱合金。 【構成】重量%で、C: 0.10%以下、Si:1.0%以下、M
n:0.2%以下、Cr: 5%以下、Al: 5.5 〜12%、Fe:5%
を超え20%までを含有し、更に、B: 0.001 〜0.03%、
Zr: 0.01〜0.3 %、Hf:0.05 〜1.0 %、Ti:0.05 〜1.0
%及びMg:0.001〜0.02%の1種以上を含み、残部はNiお
よび不可避的不純物からなる加工性に優れる高温強度と
耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。 【効果】熱間加工性に優れ、特にエチレンプラント用分
解炉管のように浸炭、酸化および温度変動が繰り返され
る熱分解環境下においても良好な耐浸炭性と耐コーキン
グ性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温強度が高く、耐
食性に優れ、特にナフサ、プロパン、エタン、ガスオイ
ル等の原料を水蒸気とともに 800℃以上の高温で分解
し、エチレン等の石油化学基礎製品を製造する目的に使
用される管、すなわち、エチレンプラント用分解炉管の
素材として好適なニッケル基耐熱合金に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンプラント用分解炉管の使用条件
は、近年の合成樹脂の需要増加に伴い、エチレン収率向
上の観点から高温化の傾向が強くなってきている。この
ような分解炉管の内面は浸炭雰囲気に曝されるため、高
温強度と耐浸炭性に優れた耐熱材料が要求される。また
一方では、操業中に分解炉管内表面で炭素が析出 (この
現象はコーキングと呼ばれる) し、その析出量の増加に
ともない△Pの上昇や加熱効率低下などの操業上の弊害
が生じる。従って、実操業においては、定期的に空気や
水蒸気で析出した炭素を除去する、いわゆるデコーキン
グ作業が行われているが、その間の操業停止や作業の工
数などが大きな問題になる。このようなコーキングとそ
れに伴う諸問題は、分解炉管のサイズが収率向上に有利
な小径管になる程深刻になる。
【0003】コーキング防止を目的とした従来技術とし
て、例えば特開平2−8336号公報には、合金中に28%以
上のCrを含有させて合金表面に強固で安定なCr203 皮膜
を形成させ、炭素析出を促進する触媒元素であるFeおよ
びNiが管の表面へ浮上してくるのを防止し、コーキング
を抑制することが提案されている。
【0004】一方、耐浸炭性向上のためには、例えば特
開昭57− 23050号公報に開示されているように、合金中
のSi含有量を高めるのが有効であることが知られてい
る。
【0005】しかしながら、上述の従来技術には、なお
次のような問題点がある。
【0006】コーキング防止の点から特開平2−8336号
公報に示されているような高Cr合金を高温強度部材とし
て適用する場合には、合金中のNi量を高めて金属組織を
オーステナイト化する必要があるが、高温強度は従来合
金に比べて低く、この高Cr合金を単独で高温強度部材と
して使用することは難しい。そこでこの特開平2−8336
号公報の発明では、他の高強度材料と組み合わせて二重
管とし使用することとしているが、二重管は製造コスト
が高くなり、経済性や信頼性の点で問題が多い。
【0007】本発明者らは、合金中のAl量を高め、メタ
ル表面に強固で緻密な Al2O3被膜を生成させれば、従来
の合金に比較して耐浸炭性および耐コーキング性が向上
し、さらに、このような高Al合金ではNi量を高めること
により高温での使用中にγ′相がマトリックス中に微細
析出し、クリープ破断強度も向上するとの知見を得て先
に特願平3−308709号として出願した。
【0008】しかし、この特願平3−308709号の発明の
合金は、高温強度を重視しているため加工性が必ずしも
良好とはいえないものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温強度と
耐食性に優れ、特にエチレンプラント用分解炉管のよう
に浸炭、酸化および温度変動が繰り返される熱分解、熱
サイクル環境下においても優れた耐浸炭性と耐コーキン
グ性を有し、かつ高温強度部材として使用するに充分な
クリープ破断強度を有し、しかも加工性に優れる耐熱合
金を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
ニッケル基耐熱合金にある。なお、合金成分含有量に関
する%は全て重量%を意味する。
【0011】(1) 重量%で、C: 0.10%以下、Si:1.0%
以下、Mn:0.2%以下、Cr: 5%を超え18%まで、Al: 4.
5 〜11%、Fe:5%を超え20%までを含有し、さらに、
B:0.001〜0.03%、Zr: 0.01〜0.3 %、Hf: 0.05〜1.0
%、Ti: 0.05〜1.0 %およびMg :0.001 〜0.02%の1種
以上を含み、残部はNiおよび不可避的不純物からなる加
工性に優れる高温強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱
合金。
【0012】(2) 上記(1) の成分に加えて更に、Mo:0.5
〜5%とW:1.0〜10%の1種または2種を含有する加工
性に優れる高温強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合
金。
【0013】(3) 上記(1) または(2) の成分に加えて更
に、V:0.3〜3%、Nb:0.5〜5%およびTa:1.0〜10%の
うちの1種以上を含有する加工性に優れる高温強度と耐
食性の良好なニッケル基耐熱合金。
【0014】(4) 上記(1) 、(2) または(3) の成分に加
えて更に、Y:0.01〜 0.25 %、La :0.01〜0.25%およ
びCe:0.01〜0.25%の1種以上を含有する加工性に優れ
る高温強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。
【0015】なお、特に高い強度を必要とする場合に
は、上記 (1)〜(4) の合金のC含有量を0.02%を超え、
0.10%までの範囲に選ぶことが推奨される。
【0016】
【作用】前述のように、合金の耐浸炭性向上には、高Si
化によりメタル/スケール界面にSiO2皮膜を形成させる
のが有効であることが知られている。一方、耐コーキン
グ性向上には高Cr化によって最外層酸化スケール表面に
Cr2O3の皮膜を形成させるのが有効であることも知られ
ている。
【0017】本発明者らも耐浸炭性および耐コーキング
性を改善するためには、強固で緻密な表面酸化皮膜の形
成が効果的であると考えて研究を進めた。その結果、合
金中のAl含有量を高めることにより、メタル表面に強固
で緻密な Al2O3皮膜を均一に生成させれば、従来の合金
に比較して耐浸炭性および耐コーキング性が著しく向上
することを見出した。またこのようにAl含有量を高めた
上で、適正量のCrを含有させれば、単相でコランダム型
の(Al 、Cr)2O3被膜を形成し、被膜の緻密性を一層向上
させることができることを確認した。
【0018】このような高Al合金ではNi量を高めること
により高温での使用中にγ′相がマトリックス中に微細
析出し、クリープ破断強度も大幅に向上する。従って、
Niをベースとし、Al含有量を高め、かつCrを適正な範囲
で含有する合金は耐食性と高温強度を兼ね備えた耐熱合
金となり、高温強度部材として前述のような用途に好適
であるが、高温強度を重視しているため加工性が必ずし
も良好とはいえない。
【0019】本発明者らはさらに加工性改善に関する研
究を行った結果、Alの上限をやや低めた上で、適量のFe
を添加することにより高温強度は若干低下するものの、
加工性は大幅に向上することを見出した。
【0020】以下、本発明の合金を構成する成分の作用
効果と、その適正含有量について説明する。
【0021】C:炭化物を形成して耐熱鋼として必要な
引張強さやクリープ破断強度を向上させるためには有効
な元素であるが、0.10%を超える含有量になると合金の
延性および靱性の低下が大きくなる。特に、延性と靱性
を重視する場合は、Cは0.02%以下に抑えるのが望まし
い。一方、クリープ破断強度を重視する場合には0.02%
を超え、0.10%までのCを含有させて、比較的多量の炭
化物を微細に分散させるのがよい。
【0022】Si:脱酸元素として必要な元素であり、耐
酸化性や耐浸炭性改善にも寄与する元素であるが、本発
明合金のような高Al合金ではその効果は比較的小さい。
Siが過剰に存在すると炭化物が不均一に析出し、靱性等
の機械的性質を低下させるのでSiは 1.0%以下とした。
【0023】Mn:Mnは脱酸元素として有効な元素である
が、耐コーキング性の劣化要因となるスピネル型酸化皮
膜の形成を促進する元素であるため、その含有量は 0.2
%以下に抑える必要がある。
【0024】Cr:Crは耐酸化性や耐コーキング性の改善
に有効な元素であるが、本発明合金のようにAl含有量の
高い合金でも5%以上含有させることにより、後述する
Al2O3 皮膜の効果をさらに補強して、耐酸化性および耐
コーキング性を高める効果があり、より高温での使用が
可能となる。ただし、Crを過剰に含有するとSiが過剰な
場合と同様に炭化物が不均一に析出し、靱性等の機械的
性質を低下させる。このような弊害を避けるには、Cr含
有量を15%以下にとどめる必要がある。
【0025】Al:Alは耐浸炭性および耐コーキング性の
向上に極めて有効な元素であるが、その効果を発揮させ
るためには、コランダム型の Al2O3酸化皮膜を均一に生
成させる必要がある。そのためには、少なくとも 4.5%
のAlが必要である。ただし、Alが11%を超えると、室温
および高温での延性、靱性が劣化して高温強度部材とし
て使用できなくなる。従って、Alの適正含有量は 4.5〜
11%である。なお、この範囲でAlを含有させることによ
り、γ′相が使用中に微細析出しクリープ破断強度も改
善される。
【0026】B、Zr、Hf、TiおよびMg:これらの元素は
主として合金の粒界強化に有効な元素であり、その効果
を発揮させるためには、Bは 0.001%以上、Zrは 0.01
%以上、Hfは 0.05 %以上、Tiは0.05%以上、Mgは 0.0
01%以上、それぞれ必要である。しかし、過剰に含有す
るとクリープ破断強度が再び低下するので上限は、Bで
0.03%、Zrで 0.3%、Hfで 1.0%、Tiで 1.0%、Mgで0.
02%とする。これらの元素は1種だけ含有してもよい
し、また2種以上複合添加してもよい。
【0027】Fe:Feは本発明系合金のようなニッケル基
高Al合金の熱間加工性向上に寄与する成分である。その
効果を発揮させるためには少なくとも5%を超える量が
必要であり、含有量増加に伴い熱間加工性が向上する。
しかし、20%を超えると未固溶β相の量が増加し、オー
ステナイト結晶粒の成長を抑制し、クリープ破断強度が
急激に低下する。よって、Feの適正な範囲は5%を超え
20%までである。
【0028】本発明合金の一つは、上記の成分の外、残
部がNiからなるものである。Niは安定なオーステナイト
組織を得るため、および耐浸炭性確保の点から欠かすこ
とのできない元素であり、特にγ′相による析出強化の
効果を高めるためには多いほど望ましい。しかし、加工
性が劣化してくることから本発明では適量のFeを含有す
るニッケル基合金を選んだのである。
【0029】本発明合金は、前述の成分の他に、更に以
下に述べる成分を含有することができる。
【0030】MoおよびW:Mo、Wは主として固溶強化元
素として有効であり、基地のオーステナイト相を強化す
ることにより、クリープ破断強度を上昇させる。この効
果を発揮させるためには、Moで 0.5%以上、Wで 1.0%
以上が必要であるが、過剰に含有すると靱性低下の原因
となる金属間化合物が析出するだけでなく耐浸炭性や耐
コーキング性も劣化するから、Moは5%まで、Wは10%
までに抑えるべきである。なお、これらを2種併用する
場合にも、合計含有量をMo+(1/2) Wで5%以下に抑え
るべきである。
【0031】V、NbおよびTa:これらの元素は、オース
テナイト相中に固溶するとともにγ′相やCr炭化物中に
も固溶してクリープ破断強度の向上に寄与する。その効
果を発揮させるためには、Vは 0.3%以上、Nbは 0.5%
以上、Taは 1.0%以上が必要であるが、過剰に含有する
と靱性低下を招くので、上限はVで3%、Nbで5%、Ta
で10%とする。
【0032】なお、2種以上を複合添加する場合は、合
計含有量を (5/3)V+Nb+(1/2)Ta で5%以下とするの
が望ましい。
【0033】Y、LaおよびCe:これらの元素は、主とし
て熱サイクル条件下でのSiO2や (Al,Cr)2O3皮膜の密着
性を向上させ、温度変動下での使用においても優れた耐
浸炭性および耐コーキング性が維持される。その効果を
発揮させるためにはY、LaおよびCeのいずれも、それぞ
れ0.01%以上必要である。しかし、過剰に含有すると加
工性が悪化し、また、前記皮膜の密着性改善効果も飽和
するので、上限はY、La およびCeのいずれも、それぞ
れ0.25%とする。これらの元素は1種だけ含有させても
よいし、また2種以上複合添加してもよい。
【0034】さらに、本発明の合金では、上記のMoおよ
びWからなる群、V、NbおよびTaからなる群ならびに
Y、LaおよびCeからなる群の三つの群から1種以上の元
素を選んで含有させてもよい。
【0035】本発明合金は、通常の溶解および精錬工程
で溶製したのち、鋳造し、鋳造のまま、あるいは更に鍛
造、圧延、押し出し等の加工工程を経て管などの製品と
して使用される。なお、粉末冶金法で製品にしてもよ
い。熱処理は、組織の均一化を促進し本発明合金の性能
向上に寄与する。この場合、通常、1200〜1300℃での均
一化処理が施されるが、鋳造、或いは加工のままでの使
用も可能である。
【0036】
【実施例】表1−1〜表1−2に供試材の化学組成を示
す。No.1〜No.34 が本発明合金であり、A〜Xは比較合
金、Z1 〜Z3は従来合金である。本発明合金および比
較合金は、いずれも17kg真空高周波溶解したインゴット
を鍛造により15mmの板材にした後1225℃で固溶化熱処理
した。従来合金Z1、Z2は50kg真空高周波溶解後、鍛
造および冷間圧延により10mm厚の板材とした後1250℃で
固溶化熱処理した。
【0037】従来合金Z3は外径120mm 、肉厚10mmの鋳
造のままの遠心鋳造管である。
【0038】これらの供試材を用いて、耐浸炭性、耐コ
ーキング性、クリープ破断試験による高温強度特性およ
びグリーブル試験による熱間加工性の評価を行った。耐
浸炭性の評価は固体浸炭試験法によりピレット状のBaCO
3 +木炭 (配合比 3:7) の浸炭剤を用いて1150℃×100h
の加熱処理を行い、試験前後の平均C増加量で評価し
た。耐コーキング性の評価は、ガス浸炭試験法により80
%CH4 +20%H2O 雰囲気中にて1050℃×30h の試験を行
い、試験片表面に付着したC量で評価した。高温強度特
性評価は、1100℃、1.0 kgf/mm2 でのクリープ破断試験
により行った。熱間加工性の評価は、グリーブル試験に
より1200℃で歪み速度が5/秒の条件での絞り値で行っ
た。これらの試験結果を表2−1〜表2−2および図1
〜図4にまとめて示す。
【0039】図1は、絞り値すなわち熱間加工性におよ
ぼす合金中のFe含有量の影響を、表2−1と表2−2の
結果から、本発明合金No.1からNo.15 とこれらに対応す
る比較合金符号Aから符号Fおよび符号Hについて示す
図である。図中の記号は、表1−1および表1−2の合
金No. および符号を示す。傾向を示すカーブは、合金中
のAl含有量で層別して結ばれている。熱間加工性はFe含
有量が5%から著しく改善され、20%までFe含有量の増
加に伴い向上することがわかる。
【0040】図2は、本発明合金No.16 からNo.32 の絞
り値に対するFe含有量の影響を、各々これらに対応する
比較合金符号Gから符号Xと比較して示す図である。こ
れらの発明合金においてもFe含有量が本発明の範囲で
は、熱間加工性が向上していることがわかる。
【0041】一方、表2−1および表2−2から明らか
なように、耐浸炭性および耐コーキング性は、従来合金
に比較して著しく改善され、比較合金と同等の性能を有
していることがわかる。これは合金中のAl、Crを適正に
含有させることにより、メタル表面に強固で緻密な単層
のコランダム型の(Al、Cr)2O3酸化皮膜が形成されたこ
とによるものである。またAl含有量が4.5 〜11%の範囲
における、このような(Al、Cr)2O3酸化皮膜の形成は、
合金中のMnを 0.2%以下に抑制することにより初めて達
成されるものである。
【0042】図3は、図1に示す本発明合金と比較合金
について、Fe含有量とクリープ破断強度との関係を、同
様にAl含有量で層別して示す図である。クリープ破断強
度は、Fe含有量の増加に伴い若干低下する傾向を示し、
比較合金よりも低下するものもあるが、それほど大きく
はない。Fe含有量が20%までであれば、表2−2に示す
従来合金よりも著しく高い。これは、高温での使用中に
γ′相がマトリックス中に微細析出することによる。
【0043】図4は、図2に示す本発明合金と比較合金
について、Fe含有量とクリープ破断強度との関係を示す
図である。これらの本発明合金のクリープ破断強度は、
図4および表2−2から明らかなように、Feを含有させ
ると比較合金よりも低下する傾向にあるが、従来合金と
比較すれば、高いことがわかる。
【0044】
【表1−1】
【0045】
【表1−2】
【0046】
【表2−1】
【0047】
【表2−2】
【0048】
【発明の効果】本発明の合金は、高温強度、耐浸炭性お
よび耐コーキング性に優れるだけでなく、加工性にも優
れる。特にエチレンプラント用分解炉管として好適であ
り、二重管にしなくても単管として使用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル基合金および比較合金の一部
について、Fe含有量と熱間加工性との関係を示す図であ
る。
【図2】本発明のニッケル基合金および比較合金の別の
一部について、Fe含有量と熱間加工性との関係を示す図
である。
【図3】本発明のニッケル基合金および比較合金の一部
について、Fe含有量と1100℃、1.0 kgf/mm2 でのクリー
プ破断時間との関係を示す図である。
【図4】本発明のニッケル基合金および比較合金の別の
一部について、Fe含有量と1100℃、1.0 kgf/mm2 でのク
リープ破断時間との関係を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.10 %以下、Si:1.0%以
    下、Mn:0.2%以下、Cr:5%を超え18%まで、Al:4.5〜11
    %、Fe: 5%を超え20%までを含有し、更に、B:0.001
    〜0.03%、Zr: 0.01〜0.3 %、Hf: 0.05〜1.0 %、Ti:
    0.05〜1.0 %およびMg:0.001〜0.02%の1種以上を含
    み、残部はNiおよび不可避的不純物からなる加工性に優
    れる高温強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。
  2. 【請求項2】加えて更に、Mo:0.5〜5%とW:1.0〜10%
    の1種または2種を含有する請求項1の加工性に優れる
    高温強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。
  3. 【請求項3】加えて更に、V:0.3〜3%、Nb:0.5〜5%
    およびTa:1.0〜10%のうちの1種以上を含有する請求項
    1または2の加工性に優れる高温強度と耐食性の良好な
    ニッケル基耐熱合金。
  4. 【請求項4】加えて更に、Y:0.01〜0.25%、La:0.01
    〜0.25%およびCe:0.01〜0.25%の1種以上を含有する
    請求項1から3までのいずれかの加工性に優れる高温強
    度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。
  5. 【請求項5】C含有量が0.02%を超え、0.10%以下であ
    る請求項1から4までのいずれかの加工性に優れる高温
    強度と耐食性の良好なニッケル基耐熱合金。
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